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2020.01.23
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​​ ​広瀬 奈々子「つつんで、ひらいて」神戸アート・ヴィレッジ・センター
 我が家の同居人 チッチキ夫人 は本屋さんで働いているパートさんです。で、本が好きです。 「つつんで、ひらいて」 のチラシを持ち帰って来たのは彼女です。​

「これ、ええと思わん?」
「うん、見に行ってくる。」
「エエー、仕事やん。」
「ぼくはヒマやん。今日で最終やし。」
​「エエー、私はどうなるの?!」
​​​​​​​​​​​​​​​​ というわけで、 金曜日 の朝の10時過ぎ、 シマクマ君 は一人で ​アート・ヴィレッジ​ にやって来たのでした。座って、持参のポットからコーヒーを飲んでいると始まりました。​
 手が映し出されて、なにかが印刷されている紙をクシャクシャにしながら筒状に丸めて、雑巾を絞るようにしてから開きます。もう一度繰り返して、机に広げてしわを伸ばして、コピーをとりました。
「酒と戦後派」 という太めの文字にひびが入ったようになりました。手の持ち主は、納得したようです。この方が、 本を「こさえて」いる人 菊地信義 ですね。本の中の文章を書いた人は 埴谷雄高 です。​
​​ もう、このシーンで映画を見ているぼくは 「ウフフ」 という気分です。しかし、映像は畳みかけてきます。今度は 「雨の裾」 、五年前に出た 古井由吉 の短編集の表紙が出てきました。 「雨」 という文字が写ります。​​
​ この本です。 「雨」 の文字が独特で、
​​​ 金箔 です。カバーにはカーテンのような透かしがあって向う側にもう一人の女性がいます。カバーを取ると表紙、色はご覧の通りで、緑がかった灰色で、手触りが独特です。それをあけると中表紙があって レンガ色 です。そして、栞の紐の色がもう少し鮮やかな です。​​​ ​​​​
​​ それから 「帯」 です、ぼくは 「腰巻」 と呼んでいますが、色は白です。透けて見える丈夫そうな紙質で、透かし模様が入っていて、なんと、この本の場合、その模様は一冊一冊すべて違ってくると装丁家 菊地信義 が語っています。​​
えっ、一冊ずつみんな違うって?!
​​​​ 帰宅して書棚を探し、見てきた映像を思い出しながら 「雨の裾」 をコピーしてみました。ああ、何ということでしょう。 腰巻 がありません。ぼくは、読んでいて邪魔になる 腰巻 を捨てることはありませんが、栞代わりに本に挟んだり、ちょっと横に放りだしたりすることがあるのですが、その結果でしょうか。まさか、 腰巻 にこの本の 唯一性 が宿っているなんて思いもしませから、いい加減に紛失したに違いありません。ああ、今となっては後の祭りです。​​​​​
​​​ ここまでが 装丁家の仕事 です。しかし、映像は続きます。印刷、製本、カバーを掛けて、短冊を入れて荷造り、そして出荷。機械が 菊地信義 の作品に対する 「読み」 が込められた デザインの「表現」 を形に作り上げてゆきます。この一連のシーンの機械も、職人さんの動きも楽しい。本が出来上がっていきます。​​​
​ 出来上がったばかりの 「一つつみ」 の同じ本を書斎に持ち帰り、積み上げたり、広げたり、並べ直しながら装丁家がデザインの意図を語ります。​
 映画の立ち上がりからここまで、一冊の本が出来上がる工程と、ほっとした顔をする装丁家をカメラは捉えています。もう、うっとりするしかありません。
 作家の 古井由吉 や、菊池のお弟子さん(?)の 水戸部功 をはじめ、多くの人が語ります。どのシーンのどの言葉も ​菊地信義​ という「本をこしらえる人」の内側にあるものを浮き彫りにしていく言葉です。
​ 湘南の海と海を見ている ​菊地信義​ の姿が写りました。ぼくは 手の仕事として「本」 を作る時代が、今、去りつつあることを感じました。​
 のんびりした歌が聞こえてきて映画が終わりました。
 フーと息が抜けて、しばらく座り込んでいましたが、しようがないので立ち上がって、受付でパンフレットを買いました。ぱんふれっとをかうには
​ そこから、 神戸駅 に向かって、ちょっと急ぎ足で歩きました。ひょっとしたら仕事に向かう チッチキ夫人 に、このパンフレットを見せる事が出来るかもしれないと思ったのです。​
 ザンネンながら遭遇することはできませんでしたが、夜になって帰宅した彼女は書棚からあれこれ本を取り出して奥付を調べたり、コピーしたりしている シマクマ君 に聞きました。 ​​​​​​
「おもしろかったん?」 ​​
菊地信義 やで。」​
翌日の 土曜日、 チッチキ夫人 は十三の 第七芸術劇場 に出かけてゆきました。
​​

 ​​​​​​​​​監督 広瀬奈々子
 プロデューサー 北原栄治
 撮影 広瀬奈々子
 編集 広瀬奈々子
 音楽  biobiopatata
 エンディング曲 鈴木常吉

 キャスト
  菊地信義
水戸部功
古井由吉
 2019 年  94 分 日本 2020 01 24・KAVC(no7)

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最終更新日  2023.12.28 22:49:18
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