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ボックスアートプレイ風景 ドイツのクラウドファンディングサイト「startnext」で出資を募集した(そして残念ながら失敗したw)「Domus Domini」のデザイナー、Heinz-Georg Thiemannが2008年に発表したデビュー作。これはそのリメイク版で、新たなパブリッシャーはFantasy Flight Games。 タイトルから想像がつくように、舞台は惑星スチーム。SFだけどメインエネルギーは蒸気、主要な移動手段は飛行船というアメリカンなスチームパンクだ。プレイヤーはまだ更地に過ぎない惑星スチームに入植する投資家となり、土地を買いあさって水(この星の主要資源)を汲み出すタンクを建設し、そのタンクを改良してエネルギー、鉱石、水晶を抽出できるようにして、市場での売買で利益を上げる。規定ラウンドプレイしたらゲーム終了で、現金と資産価値を合計して、最も財産を蓄えたプレイヤーの勝ち。 ラウンドごとに競りを2回行うのがこのゲームの特徴で、まずは専門家カードを競る。スタートプレイヤーから時計回り順に競り上げていくおなじみの方法で、落札者は残っている専門家カードから1枚を取る。 専門家カードは特殊能力をもたらすほか、ラウンド中の手番順も決める。これ以降は(競りを除いて)カードの番号順にプレイすることになる。 専門家カード。一番右の「レディ・スチーム」は何の能力も持っていないが、これを取ったプレイヤーはスタートプレイヤーとなり、以降あらゆる局面で(次ラウンドの専門家カードの競りまで)一番最初に行動することができる。一番左の「銀行支店長」を取ったプレイヤーは5番手になるが(当然5人プレイでしか使われない)、輸送機を次のクラスに改良する(後述)か、任意の資源を1つ手に入れることができる。常に狙って取るようなカードではないが、輸送機改良にはそれなりのコストがかかるので、資源価値によっては手番が最後になっても取るべきかもしれない。 次に惑星スチーム上の1区画を競る。2番手の専門家カード「投機家」を取ったプレイヤーが、マップ上から空き区画(なければ中立区画)を1つ選んで競りにかけ、「レディ・スチーム」を取ったプレイヤーから時計回り順に入札。落札者はその区画に自分の所有権マーカーを置くことができる。このあとで各プレイヤーは任意の区画を1カ所ずつ無料で手に入れられるのだが、落札者は他プレイヤーの倍の区画を得るわけだから、当然その分有利になる。なお、「投機家」には競売区画を選ぶ能力の他に「区画を落札したときには入札額の半分しか支払わない」というトンデモ能力があるため、序盤は「投機家」が落札すると考えていいだろうw 競りのあと、各プレイヤーは手番順に空き区画を1カ所手に入れる。どこでもいいのだが、建設許可証(4番手の専門家カード「設計技師」を取るか、あとのフェイズで購入するかして得ることができる)を使わない限り、プレイヤーは6面ダイス1個を振らなきゃならない。出目が1~3だった場合、狙った区画を得ることはできない。その代わり、プレイヤーは狙った区画から任意の縦横方向を1方向選び、その方向で一番近くにある空き区画を得ることができる。ここがちょっと分かりにくいが、急ピッチで展開される植民地開発の混乱の中で手違いが生じたってことなんだろう。 たとえばマップがこんな感じのとき、Aの区画が欲しかったのに出目が1~3だった場合、BかCかDを得ることになる。Aから上方向の区画はすでに緑と橙が全部所有しているため、もう取ることはできない。選んだ区画から上下左右どちらの方向にも空き区画がない場合は何も得られないので、建設許可証を使わずにダイスを振るなら、1/2の確率で発生するリスクを考慮に入れて区画を選ぶべきだろう。 2回の競りと区画獲得が終わったら、手番順にいろんなものを購入していく……のだが、ここで非常に重要になるのが「活動コスト」という概念。このフェイズで1回でもアクションしたければ、まず問答無用で水資源1枚を支払わなければならないのだ。フェイズ中に何をいくつ購入しようとも、とにかく水資源1枚を支払う。これを支払えわない(支払えない)場合、ストックから水資源を1枚もらうことができるが、いっさいのアクションができないので要注意。ゲームは長くても7ラウンド、5人プレイなら4ラウンドしかない。わざとならともかく、計算違いで1回購入フェイズを飛ばしたら、間違いなく致命傷だ。 コストが支払える限り、何でも好きなだけ好きな順番で買うことができる。ただし、たいていのものは駒数に制限される。また、タンクは植民地では最大14個しか売っておらず、供給量に応じて価格が変動する。有り余ってるときは10金で買えるが、残り1個のときには22金まで高騰する。売り切れてしまったら母星から輸入するしかなくなり、これには現金の他に資源も必要になるため、極めて入手しにくくなる。これだけ見ても、「レディ・スチーム」に特殊能力がない理由が分かるだろう……1番手であるということは、それだけで非常に有利なのだ。 購入できるタンク(赤銅色)と、それに取り付ける変換機3種類。タンクだけで区画に置いた場合、そのタンクからは水を生産することになる。対応する変換機を取り付けて置くと、それぞれ水の代わりにエネルギー、鉱石、水晶を生産するようになる。各タンクにはいずれかの変換機を1個しか取り付けられないが、それとは別に過給機(右上のタンクの頭に取り付けられてるやつ)を取り付け、生産量を1増やすこともできる(その分非常に高価だが)。 プレイヤーは輸送機を改良することもできる。このゲームの輸送機とは、要するに資源倉庫だ。ランクが低いと少ない資源しか保管できないので、改良によってその数を増やすことができる。輸送機カードは各プレイヤー4枚持ちで、それぞれ対応する資源しか保管できないので、自分がたくさん生産する資源をきっちり保管できるようにしたい。 輸送機カード。左上のアイコンに対応する資源を、その横の数値分だけ保管できる。右上のカードは拡張ルールで使うもので、任意の資源を3枚まで保管できる。 ここまで来たら、やっとタンクを使って資源を生産できる。しかし、このゲームでは生産さえ自動処理ではない。ほとんどのタンクは、資源を生産するためにエネルギーを必要とするのだ(エネルギー生産タンクと、河川区画にある水生産タンクだけは無料で生産する)。このため、プレイヤーは手持ちのエネルギーと相談して、どのタンクで生産するかを考えないといけない。 基本的に、各タンクは対応する資源を1枚生産するが、同じ資源を生産するタンクがいくつかつながっていたり、過給機がついていたりすると、その分余分の資源を生産する。また、マップ右側の係留地点には支援飛行船が1隻置かれており、これと同じ段にあるすべてのタンクは追加資源を1枚ずつ生産する。どの係留地点に支援飛行船を置くかは、3番手の専門家カード「飛行船船長」を取ったプレイヤーが決める。当然、自分のタンクがたくさん並んでいる段を選ぶべきだろう。 最後に資源の売買。基本ゲームでは水晶、鉱石、水、エネルギーの順で、手番順に購入か売却のどちらかを行う。購入すると供給量が減り、売却すると増えて、そのたびに価格が調整される。パスしても現在の供給量に応じて価格調整が入るってところはちょっと珍しいかも。ここでも先手は好き放題できるので有利だが、直前のプレイヤーと逆のことをやれるなら、後手でもそんなに損ではないだろう。 資源の他にも、建設許可証を売買したり、高級住宅所有権を購入したりできる。後者は何の効果も持たないが、ゲーム終了時に高い資産価値を持つので、勝利のためには遅かれ早かれ購入することになるだろう。 このあと、市場に鉱石とエネルギーがある場合、それを使って新たなタンクが生産されて現地市場で流通するようになる。このため、序盤は常にこれらの資源(特に鉱石)が高騰するが、タンクを置く場所がなくなる(=タンクが売れなくなる)終盤にはだぶつくだろう。タンク生産の時点でどちらか(あるいは両方)の資源が0だった場合、タンクは生産されず、その資源は一気に高騰する。これを狙って鉱石/エネルギーを買い占め、値上がったところを狙って次ラウンドに売却して儲ける、なんて戦術もありかもしれない。 これを規定ラウンド繰り返したらゲーム終了。現金の他、タンクや過給機、資源、高級住宅権を現金換算し、資産価値が最も高かったプレイヤーが勝者となる。 とにかく苦しそうなゲームだ。競りゲーというのは基本的に苦しいものだが、その競りが毎ラウンド2回入るんだから苦しくないわけがないw さらに購入のたびに必要になる活動コスト、生産のために支払わなければならないエネルギーなど、とにかく何をするにも、一般的な拡大再生産ゲームに比べて支払いが多くなっている。区画の獲得さえ、確実に狙った場所を押さえるには建設許可証が必要で、それを得るには「設計技師」を取るか、15クレジットで買うしかない……どんだけプレイヤーを絞れば気がすむんだw 間違いなくマゾゲー。だからマゾにはお勧めw これでもまだ物足りないというマスタークラスのマゾのため、さらに条件を厳しくする上級ルールが5つと、市場価格を調査したり、他プレイヤーを直接妨害したりできる拡張カードが3枚入ってる。旧版の拡張カードはプロモ用で入手しづらかったため、これは非常にありがたい。 コンポーネントは旧版から大きく変わっている。特に木製だったタンク類がプラ駒になったところは好き嫌いが分かれるだろう。 旧版のプレイ風景。見栄えはいいが、タンクに変換機や過給機がかちっとはまるわけではなく、ゆるい隙間に挟んだり、タンクの上に置くだけだったりしたので、プレイアビリティは新版の方が上だろう。 だが、なんといっても一番の変更点は箱の大きさだ。新版はよくある正方形サイズで、収納にもさほど困らない。この画像で有名な旧版はとにかくでかく、縦にしても横にしても置く場所に難儀したので、今から買うなら新版一択と言っていい。「我こそは三国一のマゾ」という人には是非プレイしていただきたいw
2013.07.27
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「7月はゲームしてないわー、俺全然ゲームしてないわー」と繰り返し呟いていたら(呟いてただけ。決してこちらから人集めたりはしない)見かねたタナカマさんが「じゃあ『ザヴァンドールのノーム』か『ダンジョン・ロード』拡張入りでもやりますか」と誘ってくださったので、嬉々として参加。「ザヴァンドールのノーム」はもうやらないことがネタになってるので、当然「ダンジョン・ロード」をチョイスした。いや、いつか「ザヴァンドールのノーム」もやりたいけどねw●ダンジョン・ロード(フェスティバル・シーズン拡張入り) 前回のプレイ記録はこちら。 拡張の詳しい説明はこちら。 「面白いのは確かだけど、ちょっとプレイに時間がかかりすぎるんだよな」というゲームってのがあって、これもその1つだと思う。とにかく内容物が多いのでセットアップに時間がかかる。それを苦にしないメンバーが集まり、時間に余裕があるときでないとプレイできないから、こういう機会は実に貴重だ。 いざ始めてみると、以前プレイしたときの印象よりずっと軽い。要素が多いのでインストに時間がかかるから超重量級のようなイメージがあるが、実際に時間がかかるのは「アクションプロット」と「冒険者パーティの撃退」のところだけなので、全員がプレイ経験者ならあっという間に中量級ゲームに化けるね(それでも実プレイ3時間ほどかかったが)。 基本ゲームの本格ルールを採用し、「手下の贈り物:マジックアイテム」拡張は使わず。「フェスティバルシーズン」からは「3人のパラディン」ルールだけ使わないことにして、残りは全ぶっ込み。 ペットは1年目に「トローリー(隣のプレイヤーの生産部屋を使える)」を、2年目に「ヤミー(冒険者を5種類倒すとゲーム終了時に3点)」をチョイスしたが、どちらも使えず、1点にしかならなかった。ヤミーはどうしようもないが、トローリーを使うべきタイミングは何回かあったので、こちらはけちらずさっさと使うべきだったな。 起点となる資源が大事なのは当然なので、序盤はそれを重点的に取りにいったが、タイミングが合わずにお金はあるものの食料が少なめに。「給料日」イベントとの兼ね合いで全体的にモンスターを雇いにくい流れになったが、それでも強烈なトラップ「疫病」と「暗いトンネル」改良のおかげで、1年目はトンネル2枚を蹂躙されただけですんだ。いたるさんは比較的豊富なモンスターとトラップを駆使し、何と被害をトンネル1枚に抑えた。対してタナカマさんとタムラさんは苦戦し、特にタナカマさんは途中で打つ手がなくなり、最後に残ったバードに5枚目のタイルまで侵入されるというひどい事態にw 2年目に入り、悪評の調整を諦めたいたるさんのところにエルフのパラディンが登場。これは厳しいかと思われたが、アクションプロットのタイミングが絶妙で、常にいい位置でモンスターとトラップを獲得し、パラディンを含む冒険者3人を撃退して9点獲得。これなら一般冒険者4人を撃退するより1点多いので、モンスターやトラップの効果で征服ステップさえ飛ばしてしまえばこっちのほうがいい。 私は2年目はほんとにダメダメw 税金イベントでは金が足りずに督促状をもらい、給料日には計算間違えて直前に購入したモンスターを失い、インプをコストとするモンスターを買ったために狙ってたインプ王の称号も取れずといいとこなし(もう1つ狙ってたトンネル王もタナカマさんに取られた)。最終的にいたるさんが10点以上差をつけてダントツ。あとの3人は団子状態の中で、私は安定のビリw 2年目の戦闘フェイズに入る前の我がダンジョン。割とうまいこと作れたが、虎の子のトラップ「振り子」が“2人目”の冒険者にしかダメージを与えられないことを忘れ、最後の1人となったバード相手に手も足も出なくなり、1年目のタナカマさんと同じように蹂躙されたw 間違いなく傑作だね。2009年のゲームだが、まったく色あせていない。今なら「エクリプス」など、これより内容物が多くて手間のかかる長時間ゲームもたくさんあるので、セットアップの面倒さやプレイ時間の長さもまるで苦にならない。今こそプレイすべきゲームかもしれん。 冒険者を撃退することがいくつもの得点に絡むので、そのために必要なモンスターとトラップをいかに多く獲得するかが鍵なわけで。そのアクションを実行した(実行できた)回数が少ない私が勝てるわけはなかったw 特にモンスターは持ってるだけで点数になり、冒険者を撃退しやすくなり、得点部屋のいくつかにも絡むんだから、できれば毎ラウンド1枚目にプロットしたいくらい。でもそれじゃ1金余分にかかるし、そもそも4番手になったら1アクション無駄になるので、結局他のアクションも必要なんだよなー。給料日や税金イベントの発生タイミング、スペシャルイベントの内容によっても展開は変わるし、正解が見えないいいゲームだよ。 拡張については、まあ入れてもいいけど入れなくてもいいかな、といった感じ。戦闘が厳しく(つまり面白く)なるバードは入れた方がいいし、それなら冒険者は4人来た方がいいので5ラウンド制にした方がいい。パラディンも2人いた方が面白いだろうし、何なら3人いてもいい。単なる追加要素の新モンスターや新イベントカードは当然入れた方が展開に幅が出ていい。 ここまではいいとして、ペットはなくてもいいかな。あってもなくてもいいような効果の中に強烈な効果を持ったものが何枚かあるので、それを引いたプレイヤーが有利すぎるかも。 「またとない好機」と「祭り」のルールはいまいちかなー。「またとない好機」という割に、置き換えられても嬉しくないアクションが多くて、誰もがそのアクションに群がるというようにはならなかった。特に通常のトンネルが掘れなくなったり、部屋をダンジョン内に建設できなくなったりするのが痛い。今回は出てくる順番も悪く、1年目に「トンネルの改良」、2年目に「金の投資」が出たのでなおさら魅力に欠けた。この2つはそれぞれ逆の年度に出るようにあらかじめ仕込んだ方がいいかも。「祭り」ルールはほんとおまけだから、あってもなくてもいい。 いろいろ書いたが、できればこのへんのことを忘れないうちに何回か再戦したいところだ。毎回記憶がリセットされてたらちっとも上級者同士の展開を楽しめないからねw この時点で19時くらい。1時間ほどお待たせしていたオビ湾さんを迎えてビッグバントーナメント開始。 詳しくはこちら↓海長とオビ湾のカジノロワイヤル:ビッグバントーナメント第五十七夜~ヘイ!ユーインザクラウド!●ボスモンスター 詳しくはこちら↓Backyard of Universe:ダンジョンビルディングカードゲーム『Boss Monster』のルールを翻訳 千客万来、おいでませ冒険者様! まずは巷で噂になってるこれ。タムラさんプロデュース。4人までなのでタムラさんがインストに徹してくれた。ありがたい。 プレイヤーはダンジョンのボスとなって、お宝目指してやってくる冒険者を撃退する……「ダンジョン・ロード」と一緒だよ! 期せずして「勇なま」ゲー会になったよw なるほど、確かに面白い。序盤は勇者たちがなかなか動き出さないのでもっさりしてる。いったん動き出して得点稼ぎ出したプレイヤーがいると正直止めようがない。スペルカードが強力だが、入手には主に本アイコンのある部屋カードを置く必要があり、そこは引き次第。そもそもボスモンスターの能力差が気になる……などなど、正直今回のプレイでは欠点の方に目が行ったが、テーマ、イラストのテイスト、プレイ時間から考えると、そこまでガチンコでやるゲームではないのは明白。手札の加減で何もできずに終わってしまったら、すぐもう1回プレイすればいい。そういうゲームだ。 この日はメデューサっぽいボスを担当したが、こいつの能力が「レベルアップ時に勇者を1人倒す」……うーん、プレイ前は強そうな気がしたけど、やっぱ使い捨て能力は弱いわw 10点先取ゲーなので、8点取ったところでレベルアップして2点の勇者を倒せれば速攻で勝てるかと思ったが、そりゃ常動型能力持ったボスでさっさとレベルアップした方が早いわなw 繰り返すが、続けて何回もやった方がいいゲームなので、1プレイで印象が悪かった人も3回くらいはやってみて欲しい。あとカードテキスト満載なので、さすがに日本語化はしておいた方がテンポよくなるだろうね。勇者カードのテキストはゲームプレイにいっさい関係ないフレーバーだけど、これも日本語化した方がより楽しくなるだろう。●ガンランナー 最後にこれ。評判のいい「ビブリオス」のデザイナー、Steve Finn作。ガンランナーってのは武器密売人のことらしく、プレイヤーはその組織を摘発し、密輸された武器を押収する。たくさん応酬したプレイヤーの勝ち。全身からノットフォーミーをアピールしていたタナカマさんが観戦に回り、残りの4人で。 細かいルールは割愛するが、総じて退屈。手番ごとにダイスを振って、どこの現場に武器が密輸されたかを決めるんだけど、これはもちろん誰が振っても同じだ。この「誰が振っても同じダイスを手番プレイヤーが振る」という意味のないルールがあるところが、もうルール至上主義者としては気に入らないw 4人プレイだと基本的に場をコントロールできないので、どの現場にもとりあえず噛んでおく“いっちょかみ”戦術しかなさそう。プレイ人数が多いほどつまらなくなる感じかなあ。場に出したカードを他プレイヤーにめくってもらわないと駄目、というルールはちょっと目を引く新しさなので、もう1ひねり2ひねりすればいいゲームになりそうな気はするんだけど。とにかくダイスの処理がダルいので、そこは是非何とかして欲しかった。 今のところ「この人は『ビブリオス』だけの一発屋だな」という印象。2人でやったら面白かったという意見もあるので、そういうゲームなのかもね。
2013.07.23
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ボックスアートゲームボード駒類 デザイナーはギリシャのAlexander Boucharelis、Lefteris Iroglidis、Anestis Iroglidisの3人。Lefteris Iroglidisは2012年に、同じく東ローマ帝国をテーマとした「Autokrator」を出している。たぶんこの人がメインデザイナーかな。パブリッシャーはフィンランドのLudiCreations。先日紹介した「ギアとピストン」に続く2作目で、今回もキックスターターで出資者を募集している。 舞台は11世紀の東ローマ帝国。皇帝が後継者を指名せずに他界したため、プレイヤーは帝位を狙う4王朝の1つとなって相争う。ただ、全面戦争で互いに疲弊すると他の勢力(さらには外部勢力)に油揚げをさらわれることになり、それは望ましくない。そこで各王朝は主要な都市に対する影響力を強め、支援を得ることで皇帝の座につこうとする。 最近のゲームには珍しく、このゲームでは紙(付属の記録シート)と鉛筆、そして8面ダイスを使う。各プレイヤーは手元に駐屯軍駒を10置き、ボード上の規定位置に帝位僭称者駒(「我こそ次の皇帝である!」と喧伝してるプレイヤー自身)を置く。そのあと、ゲーム終了時点で支配したい7つの都市名を記録シートに記入したらゲーム開始。 記録シートはこんなの。上の方に支配したい都市の名前を書く。マップは25の州に分かれており、そこに34の都市があるが、7つの都市はすべて異なる州から選ばなければならない。 ゲームの進行は単純で、時計回りに1アクションを実行していくだけ。ラウンド終了処理とかはなく、これを30ラウンド繰り返す。このうち4ラウンドはイベントラウンドでアクションを実行できないので、要するに26アクションで狙った都市をできるだけ多く支配し、他プレイヤーが目標にしている(と思われる)都市を支配できないようにするわけだ。 アクションは6種類あるが、各アクションごとに実行できる回数が決まっている。あるアクションを実行するたびに、プレイヤーは記録シート上でそのアクションのマスに現在のラウンド数を記入する。すべてのマスが埋まったら、もうそのアクションは実行できない。当然アクションの効果はそれぞれ異なり、どれにも使い道があるので、最も効果的な局面で実行できるようにしたい。他プレイヤーが実行できなくなったアクションを覚えておくのも有効だろう。 アクションの種類と実行回数、その効果はゲームボード左上にアイコンでまとめられている。一度ルールに目を通したあとなら、各アイコンの意味は簡単に分かるようになっていて好印象だ。 「遊説」がこのゲームのメインアクションとなるだろう。実行回数も10回と最も多くなっている。プレイヤーはボード上の僭称者駒を隣接する(または海路でつながっている)州に移動させ、その州にある1都市に駐屯軍駒を1個置く。さらに、その都市に他プレイヤーの駐屯軍駒がある場合、その駒を1個取り除いて相手に返すことができる。ゲーム終了時、各都市に最も多くの駐屯軍駒を置いているプレイヤーがその都市を支配することになる。1都市には全プレイヤー合計で4個まで、1プレイヤーごとに2個までしか駐屯軍駒を置けないので、駒1個の重みは相当なものになる。このことからも、このアクションがいかに強力かが分かるだろう。 「召集(6回)」では僭称者駒を移動させず、今ある州で駐屯軍駒を置く。「召集」では他プレイヤーの駐屯軍駒を取り除くことはできない。 「交渉(4回)」では、別の都市にある自分と他プレイヤーの駐屯軍駒1個を入れ替えようと、相手プレイヤーに持ちかけることができる。相手が承諾すれば即交換。だが拒否されても、8面ダイスを振って5~8が出れば交換できてしまうw 乱暴なルールに見えるが、なにせ4回しか実行できないアクションの成功率が1/2というのは、決して高いとは言えないだろう。1アクションの損がかなり痛いのは想像に難くない。さらに、交換相手の駐屯軍駒がある州に相手の僭称者駒もある場合、成功率はさらに下がって6~8になってしまう(逆に自分の僭称者駒があれば4~8になる)。できるだけWin-Win(死語)の取引を持ちかけ、相手に承諾してもらう方がいいだろう。 「進出(4回)」では、僭称者駒を“任意の”州に移動させる。駐屯軍駒は置けないので1手遅れるが、隣接してなくても(または海路でつながってなくても)移動させることができるので、不要な州に駐屯軍駒を置かずに僭称者駒を移動させられる。終盤に不意討ちで遠方の都市支配を狙ったり、逆に遠く離れてしまった目的都市を守りに戻ったりと、地味だが使いどころはありそうだ。 「贈賄(3回)」は、他プレイヤーの駐屯軍駒を取り除き、自分の駒に置き換えるという強力なもの。「交渉」と同じように処理するが、相手プレイヤーが同意するわけはないので(当たり前だw)、最初から8面ダイスを振って解決する。僭称者駒によるボーナス/ペナルティも同じなので、できれば自分の僭称者駒がある州で実行し、4~8で成功できるようにしたい。 「追放(3回)」も「贈賄」とほぼ同じだが、こちらは相手の駐屯軍駒を取り除くだけ。 これらのアクションを組み合わせて都市の支配を狙っていくが、6の倍数ラウンドではイベントが発生する。各ラウンドのイベントは決まっており、序盤ほど強烈なのが発生する。6ラウンド目の「地震」だと、ダイスを1個振って出目に対応する州(各州には番号が振られている)からすべての駐屯軍駒が問答無用で取り除かれてしまう……これでほんとにゲームになるのかw さすがに後半にこのクラスのイベントが発生すると、被害を受けたプレイヤーが負け確定なので、24ラウンド目の「疫病」では「出目に対応する州にある僭称者駒を移動させる」といった弱い効果になってる。 イベントラウンドではアクションを実行できないが、それでもいずれかのアクションマスに×印を書き、1アクション分消費しなければならない。これによって、他プレイヤーのアクション数を完全には把握できないようにしてるわけだ。 12ラウンド目のイベントが終わったところ。こんな感じで、アクションを実行したらそのラウンド数を書き、イベントラウンドには潰したいアクションのマスに×印を書く。「贈賄」マスで2と7が逆になってるのはルールブックのミスだと思われる。まあ逆に書いても分かればいいんだけど。 30ラウンド目が終了したら得点計算。まずは他の各プレイヤーが一番重要視していた(記録シートの一番上に都市名を書いた)都市を推理し、記録シートに書く。当たってたら各5点になる。そのあと、自分の記録シートに書いた都市を単独支配してたら、都市名の左側にある数字分の得点を得る。2人で引き分けてたらその得点の半分を、3人で引き分けてたら各2点を得る。得点を得るのは、あくまでもその都市の名前を記録シートに書いてたプレイヤーだけというところに注意。これで最多得点プレイヤーの勝ち。 まあ相当地味な陣取りだ。紙と鉛筆を使うところとか、いくつかのアクションやイベントの判定にダイスを使うところとか、最近のゲーマーには受けなさそうな要素も多い。しかし、各アクションの実行回数に制限があるところと、イベントラウンドにもマスを消費し、それによって他プレイヤーのアクション数を完全には把握できなくしているところは面白い。ダイスを振るアクションには極力頼らず、といっても必ず何回かは実行するので、そこでは成功率を上げるよう努力するべきだろう。イベントも、何ラウンド目に何が発生するかは最初から分かっているので、リスクを管理することはある程度可能なんじゃないか。 キックスターターでの目標額がストレッチゴールに到達したため、ゲームボード裏面には「ネッケン」と呼ばれる架空世界のマップが用意されることになった。詳細はまだ不明だが、マップが異なるだけでなく、何らかの特別ルールも用意されるようだ。 こんなの。27ラウンド制で、都市という概念がなくなり、エリアをまるごと支配する形になる。その数も20しかないので、陣取りの熾烈さは「ビザンティオ」の比ではないだろうw そして、たぶん中央上の火山に関する追加ルールがあると思われる。 適度な運要素のある渋めの陣取り、と考えれば悪くない気もする。そういうのが好きな人はバックしてみてもいいだろう。早割枠は埋まってしまったが、1個なら48ドル、5個パックなら199ドルなので、人を集められれば1個40ドル弱までは下げられるよ。BGGの和訳ルール
2013.07.21
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ボックスアートゲーム全景 White Goblin Gamesの「粗製濫造の中でもちょっとはましなんじゃないか?」シリーズ第2弾(長い)。デザイナーは「もっとホイップを!」「ニューアムステルダム」のJeffrey D. Allersと、「ペロポネソス」「マヤ」のBernd Eisensteinのタッグ。この2人による共作は、2009年にaleaから出た「賽は投げられた」以来の2作目となる。 テーマは「テーベ(の東)」や「ペルガモン」でおなじみの遺跡発掘もの。プレイヤーは無名の考古学者となり、世界中の遺跡を発掘して古代の工芸品を手に入れ、博物館に収めて展示会を催し、名声点を得る。ある場所の工芸品が尽きるか、展示会が一定回数催されたらゲーム終了。開催した展示会と所持金から名声点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 システムは……なんだろう、こういうのもワーカープレイスメントと言うのかな。アクションマーカーである駒が6種類、各10個ずつあり、これを全プレイヤー共通で使う。たとえば手元にある博物館アクションマーカーをボード上の博物館トラックに置くと、まだ発掘調査を開始していない地域で調査を開始できる「調査」アクションか、持っている工芸品カードを使って展示会を開催する「展示会の開催」アクションを実行できる。つまり「実行したいアクションがあるけど、そのアクションを実行するためのスペースに空きがない」ってことがあるワーカープレイスメントシステムではなく、「実行したいアクションがあるけど、それに対応するマーカーを持っていない」ってことはある。このマーカーをゲーム中に獲得するためのルールがちょっと独特。 準備を終えたあと、プレイヤーはゲームを開始する前に準備ラウンドをプレイする。手番順に1個ずつ、各プレイヤー2個の小屋駒を4カ所の発掘現場に置き、対応する労働者マーカーを得る。そのあとさらに任意のマーカー4個を取る。こうして各プレイヤーが6個のマーカー(うち最低2個は労働者マーカー)を持ったらゲーム開始。 まずは収入フェイズ。全員が収入トラックに示されている額のお金を得て、そのあと個別に、開催した展示会タイルによる収入を得る。基本収入は最初は8金だが、収入トラックには展示会タイルが置かれており、誰かがその展示会を開催してタイルを取ると基本収入が減っていくようになっている。 この例だと、基本収入が7金で、展示会タイルによる追加収入が4金になる。誰かがこのトラック上にある展示会を開催し、そのタイルを獲得したら新たな基本収入が公開される。2マスごとに1金ずつ減るので、たぶん次も7金だけど、さらに展示会が開催されたら6金になるだろう。 そのあと、各プレイヤーは手番ごとに1アクションか2アクションを実行していく。1アクションごとに手元のマーカーを対応するトラックに置き、対応するアクションを実行する。ほとんどの場合、マーカーを置いたスペースに示されている額のお金を支払わなければいけない。 アクションは6種類。まだ自分の小屋駒を置いていない発掘現場に駒を置く「調査」と、すでに小屋駒を置いている発掘現場に駒を追加する「労働者の雇用」によって、プレイヤーは各発掘現場で工芸品カードを公開し、その場所で何が手に入るかを明らかにしていく。この時点ではカードは誰のものでもないので、全プレイヤーが協力して発掘を行っている感じになる。「調査」には博物館マーカーが、「労働者の雇用」にはその現場に対応した労働者マーカーが必要になる。 船マーカーを船トラックに置くと、自分の小屋駒がある発掘現場から工芸品カードを手に入れることができる(「工芸品の輸送」)。輸送を行ったら、その現場からいったん引き上げることになるので、自分のすべての小屋駒を回収しなきゃならない。工芸品カードは小屋駒の数まで獲得できるので、できるだけ貯め込んでから輸送した方が手数を節約できるが、あまり後回しにしていると欲しいカードを他プレイヤーに取られてしまうかもしれない。 工芸品カードの一例。カードの色と右上のアイコンは発掘現場を表しており、左上のアイコンはその工芸品の種類を表している。左から2枚目のカードは上級ルールで使うワイルドカード。 主な目的である「展示会の開催」を行うにも博物館マーカーを使う。展示会タイルごとに「アフリカの工芸品3つ」とか「帽子アイコンを持つ工芸品5つ」とか条件が決まってるので、必要なカードを手札から公開してそのタイルを取る。公開した工芸品カードのうち1枚だけは手札に戻すことができるが、残りは全部捨て札になる。展示会タイルはゲーム終了時の名声点だけでなく、ラウンドごとの追加収入ももたらすが、一方が高いタイルはもう一方が低めになっている。このため、ゲーム中のどの時点でどのタイルを取るかは計画的に考えないと駄目だろう。 闇市場では、船マーカーを使ってあまった工芸品を売却したり、逆に売却された工芸品を購入したりできる。 面白いのは手番をパスしたあとの処理だ。普通、パスしたら完全にラウンドから抜けるものだが(ハードパスの場合)、このゲームでは次ラウンド以降の準備を進めることになる。パスしたあとで自分の手番が来たら、ゲームボード上から任意のアクションマーカーを1個取って手元に置くか、すでに持っているマーカー1個をゲームボード上にある任意のマーカーと交換することができるのだ。ラウンド終了時に全プレイヤーがアクションマーカーを6個まで補充するので、実行できるアクション数に差がつくわけではないが、早めにパスした方が実行したいアクションに必要なマーカーを手に入れやすくなるというわけだ。また、アクションマーカーを取るということは、そのスペースが空くということで、次にそのアクションを実行するプレイヤーは空いたスペースにマーカーを置かなければならなくなる。スペースの配置コストは序盤ほど高くなっているため、これをうまく利用すれば他プレイヤーに余計な出費を強いることもできるだろう。 こうしてラウンドのプレイを繰り返し、収入トラック上の展示会タイルがなくなるか、工芸品の種類による展示会タイルが2種類(計6枚)なくなるか、1カ所の発掘現場からすべての工芸品カードがなくなったらゲーム終了。または9ラウンドプレイしてもゲーム終了となる。各プレイヤーは開催した展示会タイルに示されてる名声点と、所持金による名声点(5金ごとに1点)を合計し、最多得点プレイヤーの勝ち。 上級ルールでは、各発掘現場で「調査」アクションを行った回数による追加得点があったり、特殊効果を持った工芸品カードが追加されたりする。また、「展示会の開催」アクション時に「どの考古学者が」「どの都市で」展示会を開催したかをマーカーで示し、次に「展示会の開催」を行うまでその能力を使えるようになったりもする。 都市と考古学者。ボード上にこれらのスペースがあり、「展示会の開催」アクション時に都市か考古学者のどれか1スペースにマーカーを置く。マーカーは1プレイヤー2枚持ちで、都市と考古学者に1枚ずつしか置けない。2枚置いたあとで「展示会の開催」を実行したら、必ずどちらかのマーカーを移動させなければならない。「パリ」にマーカーを置いていると「展示会の開催」時に工芸品カードを2枚(通常は1枚)残せるとか、考古学者の「ニール・マートン・ジャド」にマーカーを置いていると「調査」アクション時に山札から工芸品カードを1枚引いて手札にすることができるとか、そういったボーナスが得られるようになる。 まあ、取り立てて目新しいところはない。先に書いたように、パスしたあとで次ラウンドの準備ができるってルールがどれほど機能するかによって、面白くなるかどうかが決まりそうだ。テーマは発掘ものってことで好きな人も多いだろうし、通販で何か欲しいものを買うとき、送料合わせで追加してもいいって程度には期待できるんじゃないかねwBGGの和訳ルール
2013.07.14
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ボックスアートカード デザイナーは「ラッタス」シリーズで知られるHenrik Berg & Åse Berg。「ラッタス」と「ラッタスカードゲーム」シリーズ以外では「ガラパゴス」と「オレゴン」しか出してないので、実質5作目。パブリッシャーはWhite Goblin Games。毎年エッセンシュピール合わせでボドゲを粗製濫造してるイメージがあるが、それでも年に1つくらいは当たりを混ぜてくるので油断できないw このゲームもその1候補だ。 舞台は19世紀中頃のニューヨークで、プレイヤーは貿易会社の1つを担当する。この時期のニューヨークでは船便による交易が盛んで、港にはキャパを超えた船が列を成して待機していたらしく、これが“定期船の列(パケット・ロウ)”と呼ばれるようになったそうだ。そんな中で商品カードや、役に立つ補助カードを手に入れたりしながら、契約を履行してお金を稼ぐ。ただし、儲けることはあくまで手段に過ぎない。勝利点を得るには、そのお金を使って「大学」を建設したりして町の発展に貢献しなければならないのだ。規定数のカードがなくなったらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。 ゲームボードが4枚あるにはあるが、単なるカード置き場に過ぎず、基本はカードゲーム。ボードなくてもほぼ問題なくゲームできるだろうw プレイヤーが訪れるべき「市場」「波止場」「市役所」「銀行」の4カ所に対応したカードがそれぞれ40枚前後あり、場所ごとに現在供給スペースに3枚(4人プレイ時)、将来供給スペースに2枚表向けて置く。各プレイヤーは初期契約カード1枚、25ドル、駒1個を持ち、誰かが港長(スタートプレイヤー)となってゲーム開始。 4枚のゲームボードのうち2枚、市場と波止場。解像度が超低くて見えないが、下段の4スペースが現在供給スペースで、右上の2スペースが将来供給スペース。左上の2スペースは山札/捨て札置き場。ほんとにただのカード置き場w ルールは非常にシンプル。まず港長が、4カ所のうちどこに行くかを決める。そしたら港長の左隣から時計回り順に、各プレイヤーはその場所の現在供給スペースから欲しいカードを1枚取る(無料のもあればお金がかかるのもある)か、パスする。カードを取ったらそのスペースに自分の駒を置き、そのラウンドから離脱。 最後に港長も、カードを取るかパスする。パスした場合、港長は次の場所を選び、まだラウンドから抜けてないプレイヤーだけで同じことを繰り返す。港長がカードを取った場合、そのラウンドは終了してしまう。このため、港長には「市場に欲しいカードがあるから行きたいけど、いきなり行ったら他プレイヤーに取られちゃうかもしれないし、まずは別の場所に行くか……しかし銀行にあるあのカードをあいつに取らせるわけにはいかないし……」という考えどころがある。 逆にその他のプレイヤーには「まずは市場に行くのか……ここにはろくなのないし、まずはパスして港長が市役所に行くことに賭けるか。しかし港長がここでカード取っちゃったら1ラウンド丸損だしな……」という悩みどころがある。そう、パスしたあとで港長がカード取っちゃったらラウンド終了なので、パスしたプレイヤーはそのラウンドでカードを取れないことになり、大きく出遅れるのだ。 港長がカードを取れないことはまずない(訪れた場所で他プレイヤー全員がカードを取り、現在供給スペースからカードがなくなっても、まだ訪れていない他の場所を訪れてカードを取ることができる)が、狙ったカードを取るのは難しい。自分が欲しいカードが何かを悟らせず、他プレイヤーが欲しいのは何かを読み取るのが肝になるだろう。 ラウンドが終わったら、そのラウンドに訪れた場所についてのみカードの入れ替えを行う(現在供給スペースに残ってるカードをすべて捨て、将来供給スペースからカードを移動させる。足りない分は山札から補充し、将来供給スペースにも新たなカードを2枚置く)。 次のプレイヤーが港長となってこの手順を繰り返し、いくつかの場所で現在供給スペースにカードを補充できなくなったらゲーム終了。勝利点カードやお金などから得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 あとはカードの使い方。基本は「商品」カードを買って、「契約」カードに示されてる商品の種類と数を揃え、示されてる目的地に向かう「商船」カードを用意して、その契約を履行する。そうするとお金が手に入るので、ある程度お金が貯まったところで「勝利点」カードを購入する。これの繰り返しだ。 その他の補助カードとして、将来供給スペースからカードを取ることができる「助手」、商品カード上の商品の種類を変えられる「貿易商」、ワイルド商品カードとなる「金塊」、商船カードの行き先を変更できる「船長」などがある。これらのカードを有効に使わなければ、勝利はおぼつかないだろう。 繰り返すが、ルールは非常に簡単だ。ゲームとして面白くなるかどうかは、プレイヤーの思惑がどれほど絡み合うかにかかってるだろう。 自分が子のとき、欲しいカードをさっさと取って港長に楽をさせるか、それとも港長が欲しがってると思われるカードを取って絞るのか。自分が港長のとき、できればさっさと欲しいカードを取って子にはカードを取らせないようにしたいが、何しろ自分がカードを取るのは一番最後だ。それまで欲しいカードが残ってるようにするには、何人かの子が欲しがってるカードがある他の場所を先に訪れる必要があるだろう。 そしていったん訪れてしまえば、その場所にあるカードとは一期一会。今取らなければラウンド終了時に流れてしまい、二度と取れない。今取らなきゃもう「勝利点」カードを取れるタイミングは来ないんじゃないか? でも今「勝利点」カードを取ってお金を大量に支払っちゃったら、以降数ラウンドはしゃがまなきゃならない。それで本当に大丈夫か? お金を稼ぐにはまず「契約」カードが必要で、その契約を履行するための数枚の「商品」カードと、行き先が一致する「商船」カードも取らなきゃならない。早い段階で全部揃えられればいいが、そうでなければ「貿易商」や「船長」カードを取って対応しなければならないだろう。 シンプルながら悩みどころが多い……というか悩みどころしかないゲームw まあ思惑通りに行くことの方が少なそうだ。そんな中で頭1つ分だけ他プレイヤーより抜きん出て勝利を目指す……そんなゲームが好きな人向けじゃないかな。今年の白ゴブ当たり枠だと思うよ。BGGの和訳ルール
2013.07.13
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ボックスアートプレイヤーボードゲーム全景(クリックで拡大) デザイナーはBruno Crépeaultで、これがデビュー作。パブリッシャーは日本語版も出た「Wiraqocha」で知られるSit Down!。今年流行のテーマである(と勝手に思ってる)鉱山ゲーの1つだ。 “ロックウェル”というのは世界的鉱業会社で、プレイヤーはその子会社の1つを担当する。この先展開される予定の一大プロジェクトを任せてもらおうとして、各プレイヤーはせっせと地面を掘って鉱石を採掘し、利益を上げようとする。といっても、なかなか単独では固い岩盤を掘り抜けないので、ある程度は他プレイヤーと協力しなければならないところがミソだ。過半数のプレイヤーが地球深奥部まで掘り進むか、誰かが規定数の偉業を達成したらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。 メインゲームボードはモジュラー式で、4つの同心円をそれぞれ8等分した地下タイルを組み合わせ、円形のゲームボードを形成する。各地下タイルの表面には数字が書かれており、そのタイル上にその数字分のパワーを持つ鉱夫駒が置かれると採掘が始まる。採掘されたタイルは裏返され、もうそこで採掘することはできなくなるが、坑道タイルを置いていると、ラウンドごとに自動的に資源が手に入る。 メインゲームボード。ゲーム開始時はこの状態で、プレイヤーは四方にある鉱山の入り口から鉱夫駒を移動させ、タイルを掘り進んでいく。 ゲームが進むにつれ、採掘されたタイルが裏返されてこんな感じになる。採掘済みの地下タイル上に坑道タイルを置いているプレイヤーは、ラウンドごとに示されている資源駒を得ることができる。 ゲームは3フェイズに渡ってプレイされ、各フェイズごとに対応するフェイズボードがあり、そこに描かれているアイコンやイラストの指示に従って上から下へと処理していけばスムーズにゲームを進められるようになっている。 フェイズの進行を始める前に、まずは競りで手番順を決め、その順で副社長駒(要するにワーカーだ)を任意のフェイズボードの空きマスに置く。ワーカープレイスメントっぽいが、各プレイヤー2個しかなく、各フェイズボードには1個しか置けないので、ここでそんなに時間を食うことはないだろう。とはいえ基本的に先手有利で、フェイズ2と3は副社長駒を置かないとアクションを実行することすらできないので、そのラウンドに実行したいことは何かをよく考える必要がある。 フェイズ1はメインフェイズ。先ほど競りで手番順を決めたが、それとは別に、ここで採掘順を決める。副社長駒を置いていれば先手で掘り進むことができるが、フェイズ1に限っては副社長駒を置いてなくてもアクションすることができる。まあそうじゃないと、実質毎ラウンドフェイズ1ボードに駒置かなきゃならないからなw そのあと、のちのちの危険を避けるために保険に加入したあと、4ラウンドに渡って鉱夫駒を移動させ、地下タイルを掘っていく。鉱夫駒は1人4個持ちで、それぞれ1~4のパワーを持っている(最初は全部1)。これを隣接するタイルに1歩ずつ移動させていき、あるタイル上の鉱夫駒のパワー合計が、そのタイルに示されてる数値以上になったら採掘開始。対応する採掘カードを引いて、示されてる資源駒をルールに従って分け合う。 採掘カード。たとえば3パワーが必要な地下タイルで採掘したときには、裏面が右端のようになってる山から引く。そうすると中央のように資源駒の種類と数が書かれてるので、これを分け合う。カード下段の三角形は危険シンボルで、保険に入ってたり安全装置を準備してないと資源駒を失うことになる。 資源駒は鉱夫駒を置いていたプレイヤーで均等に(提供したパワーに関係なく)分け合うが、当然余りが出ることもある。これを誰が得るかも細かく規定されてるので、うまく余りをかすめ取れるように動くのが基本になるだろう。 たとえばこんなとき。この地下タイルでの採掘には7パワー(読みにくいが7と書いてあるのだ)が必要なので、赤の移動によって採掘が始まる。通常は最も多くのパワーを提供したプレイヤーが余りを得るのだが、トップが複数いる場合、その採掘を発生させたプレイヤー、つまり赤が余りを得るのだ。まさに漁夫の利w こんな感じで4ラウンドに渡って鉱夫駒の移動(およびそれによって発生した採掘)を繰り返す。このとき、フェイズ1ボードに副社長駒を置いたプレイヤーは、その位置に応じて賄賂を贈ったり(隣接している他プレイヤーの鉱夫駒を呼び寄せる)下請け業者を雇ったり(お金を払って4面ダイスを置き、その目の分のパワーを得る)することができる。そのあと、採掘済みのタイル上に坑道タイルを置いてるプレイヤーは、そのタイルから自動的に資源を得る。確定した利益が毎ラウンド得られるというのは非常に強力だが、各タイル上には誰かの坑道タイルを1枚しか置けないので、いいタイルは早めに押さえないとすぐ取られてしまうだろう。 フェイズ2は資源売買フェイズ。副社長駒を置いたプレイヤーだけが売買を実行できる。売値/買値は固定値なので、ほぼ自動処理だ。 フェイズ3は能力向上フェイズ。ここも副社長駒を置いたプレイヤーだけがアクション可能で、鉱夫駒のパワーを上げたり、安全装備を改良したり、坑道タイルを置いたり、鉱夫駒の移動力を上げたりできる。プレイヤーは初期資金として3000ドル持ってるが、能力向上には安くても1500ドルかかるので、資源駒を売らなければすぐにお金は足りなくなる。しかし資源駒は、最も高い金でも1個1000ドル。どれもこれもグレードアップというわけにはいかないだろう。ご利用は計画的にw。 このゲーム、実は得点手段が2種類しかない。そのうち1つが納入タイル。フェイズ3中に規定数の資源駒を支払うと名声点が手に入る。各種類の資源駒ごとにコスト2~8のものがあり、コスト順にしか獲得できない。後半のタイルほど高得点ではあるが、コストパフォーマンスは悪くなるので、手番順や達成タイミングも重要になるだろう。 こんなの。このタイルだと亜鉛駒6個を支払うと2名声点になる。亜鉛駒の場合、コスト5~8のタイルは一律2名声点なので、達成は早いほどいい。 もう1つの得点手段は偉業タイルの獲得。こちらはゲーム中いつでも、条件を満たせば即座に獲得できる。9種類のタイルが4枚ずつあり、早く達成した方が高得点になる。条件は簡単なものでも「採掘を6回発生させる」「銀駒を10個以上持つ(支払う必要はない)」と結構大変そうで、最も難しいものだと「全種類の資源を6個ずつ持つ」「鉱夫駒2個を4パワーにする」とかなりの難題になる。「鉱夫駒を地球のコアに到達させる」というものもあるが、これを達成するとその鉱夫はお亡くなりになってしまうので(当たり前だ)ゲームから除外される。早々に達成するのは控えた方がいいだろうw そうして得点を重ねていき、過半数のプレイヤーが鉱夫駒をコアに突入させるか(ひでえ話だw)、誰かが偉業を6つ以上(かつ最も難しい偉業3つすべて)を達成したらゲーム終了。持ってる駒数とお金による追加得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 なかなかよさそうではある。自分1人の鉱夫駒だけで採掘できれば大儲けだが、それが困難なのは言うまでもない。だから他プレイヤーの鉱夫駒と協力して採掘するわけだが、みすみす余りを他プレイヤーに持っていかれるようなことはしたくないだろう。自分が有利になりやすいように鉱夫駒のパワーを上げたり、移動力を増したりしたいところだが、それには多額のお金が必要になる。そのために資源駒を売りすぎると、納入が遅れて勝利点が得られない。フェイズ1ボードに副社長駒を置いて先手を取り、賄賂や下請け業者を利用して優位を得ようとすれば、フェイズ2ボードか3ボードのどちらかに副社長駒が置けなくなってアクションが実行できない……などなど、多くの要素が複雑に絡み合い、「あちらを立てればこちらが立たず」のいい見本になってる。 手番順を二重にする意味があるのかどうかはちょっと疑問だが(競りで決める手番順は副社長駒の配置順と、偉業を同時に達成したときなどの引き分け判定にしか使わない)、確かに何もかも最初の競りで順番が決まったら先手が有利すぎる気もするし、ここはプレイしてみないと分からないかな。 アートワークは「ウィラコチャ」「タケノコ」の人で申し分ない。今年は鉱山ゲーと寿司ゲーが来るので(断定)、クラマー&キースリングの「Glück Auf」ともども押さえておくと「あーあれね。やったやった。今年は鉱山テーマがトレンドだよねー」としたり顔ができるよwBGGの和訳ルール
2013.07.09
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