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ボックスアートボード類 パブリッシャーはオランダのSplotter Spellen。「ボドゲの最低プレイ時間は120分」と考えてるふしがあり(90分台のもいくつかあるが)、180分とか240分とか平気で書いてくるところw デザイナーはJeroen DoumenとJoris Wiersinga。同社のゲームの大半をこの2人で作っており、残りにもどちらか一方が絡んでるようで、Jeroen Doumenの方が社長らしい。あとJeroen Doumenはどっかの大学で数学の博士号を取ってるとのこと。 舞台は古代アフリカ。無学な私には未開のイメージしかなかったが、実は中世ごろにはヨーロッパと対等につきあってた国もたくさんあり、古代にも独自の立派な文明が栄えたそうだ。プレイヤーはそんな王国の1つを率いる王となり、資源を確保してそれを加工する職人を誘致し、その生産物を使って記念碑を建てていく。記念碑の配置とその高層化、および職人タイルの配置から勝利点を得て、誰かが勝利条件ラインを越える勝利点を得たら、そのラウンドでゲーム終了。その時点で最多得点プレイヤーの勝ち。 このゲームにはユニークなルールがいくつもあるが、まず第一に「勝利条件は自分で上下させることができる」というのがある。ゲーム開始時の勝利条件は全プレイヤー一律に20点なのだが、プレイ中に神カード、技術カード、専門家カードを取ると、それに応じて勝利条件が上がっていくのだ。当然強力な能力を持つもの、多くの勝利点をもたらすものほど勝利条件を大きく上昇させる。たくさん取るほどプレイ中の選択肢やボーナスが増え、有利になるが、一時的に勝利から遠ざかってしまうので、最低限必要なものだけを確保して、それを効率よく利用するのが肝だろう。勝利条件は40点で打ち止め(それより上昇させるようなカードは取れない)なので、いっそ最初から40点獲得目指してばんばんカードを取り、圧倒的な火力で勝利点を稼ぐというのも手かもしれないがw プレイ人数に応じたマップタイルを適切な形に並べたら、まずは手番順を決める競りを行う。当時資産として大きな価値のあった牛を使って入札するのだが、ここも少し変わっている。このフェイズは正確には「国王の寛大さフェイズ」と呼ばれ、自分がいかに気前のいい国王であるかを示すフェイズとなっている。このため、支払った牛駒はストックに戻すのではなく、全プレイヤーに均等にばらまかれることになる。“全員”に振る舞うので支払額のいくらかは自分に返ってくる(こともある)。序盤は手番順より牛駒の方が大事だが、後半(特にゲーム終了間際)は1手差が大きく盤面を変化させるため、限界まで突っ張ることになるだろう。 前ラウンド1番手の赤が牛駒2個で入札したところ。赤と2番手の緑のタイル上に牛駒を1個ずつ置く。 ここで2番手の緑が牛駒3個で入札すると、黄、赤、緑の順に1個ずつ置いて上図のようになる。このあと黄、赤の順でパスしたら、手番順は緑、赤、黄となり、各プレイヤーは自分のタイル上にある牛駒を得る。流れによっては、ほとんど支払いをせずに先手となることもあり得る。 手番順を決めたら、メインのアクションフェイズ。手番プレイヤーは以下の3つを任意の順で1回ずつ実行できる。・神カードか専門家カード1枚の獲得(いずれか1枚)・専門家カードの使用(何枚でも)・新規記念碑の建設/職人タイルの配置/記念碑の高層化(いずれか1つ) カードを獲得した場合、それに応じて勝利条件を上げなければならない。当時のアフリカは一神教がほとんどだったので、一度神カードを取ったらもう取れないし、交換することもできない。効果はさまざまで、ラウンドごとの牛駒の収入を2個増やす“牛の供給者”エンガイや、新規記念碑建設時に2つずつ建設できる“人類の創造主”オバタラなどは非常に強力だが、その分勝利条件の上昇も大きい。“太鼓師の長”ザンゴは何の利益ももたらさないが、逆に勝利条件を2点下げてくれる。どの神も役に立つが、ボードタイルの配置や専門家カード、職人タイルとの兼ね合いで強くも弱くもなるので、よく考えて取らなければならない。 専門家カードも特殊能力をもたらすもので、1人で何枚でも持つことができるが、使用時に指定の牛駒をカード上に置かなければならない。また、カードを取った手番中には必ずその能力を使わなければならないので、充分な牛駒がないと取ることもできない。専門家カードに限らず、カード上に置かれた牛駒はラウンド終了時には手元に返ってくる(ここも他のゲームの“支払い”とは異なり、分かりにくい)のだが、牛駒がなければ使えないことには変わりない。ボード上に新たな資源エリアを増やす「シャーマン」、置いた牛駒の数に応じてラウンド終了時により多くの牛駒をもたらす「牧者」など、これも強力なものばかりだが、牛駒の回転をうまくマネジメントしないと毎ラウンド利用するのは難しいだろう。 神カードの一部と専門家カード。VR+●ってのが勝利条件の上昇分。 新規記念碑の建設はノーコスト。ボード上の空いている陸地マスにマーカー1枚を置くだけ。既存の記念碑に隣接させることはできない(斜めも不可)。お手軽かつ地味だが、これをやらないとまず勝てないw ボード上に最低5、6個は自分の記念碑がないと駄目だろう。将来高層化しやすい場所というのはそんなにいくつもないので、先を見据えた1マス単位での配置戦略を練る必要がある。 このゲーム中で一番難解なのが「職人タイルの配置」と「記念碑の高層化」だ。職人タイルを置くには、まず対応する技術カードを持っていなければならない。持ってない場合、カード置き場から1枚取る。こうして晴れてその職人を置けるようになるが、やはりその分勝利条件を上げることになる。 そのあと職人タイルをボード上に置くが、このとき必要な資源マスから3マス以内(斜め可)に置かなければならない。また、他の同種の職人タイルから3マス以内にある資源マスは、もうその職人タイルの“縄張り”なので、タイル配置時には利用することができない。縄張り内に必要資源マスが多いほど、のちにその職人タイルを何度も利用できるので、マップの状態に応じた職人タイルを焦点となるマスに置けるようにしたい。タイルを配置したら、のちに物品を生産したときの価格を決めておく(牛駒1~3個)。この価格はあとで上げることはできるが、下げることはできないので、自分だけ使う予定なら安く、他プレイヤーにも使わせたい(そして競合する職人がいない)なら高くしておこう。 これがより高位の二次職人ともなるとさらに大変で、資源マスの他に、前提となる一次職人タイルにも3マス以内で到達しなければならない。ただし、職人さんは向こうから歩いてくることができるので、途中にある塔(誰のものでも可)を中継地として挟むことができる。そうすると、またその塔から3マス以内にあればいいことになる。塔はいくつでも挟めるので、ずいぶん遠くから一次職人を連れて来ることも可能だ……配置に関しては。 塔を高層化するには、高層化前の塔の高さに等しい数の儀式的物品が必要になる。これらはボード上に置かれた職人タイルが生産してくれる。たとえば高さ1の塔を高さ2にする場合、物品が1つ必要なので、3マス以内に何らかの職人タイルが置かれていればいい。このとき、その職人タイルは資源マスを1つ消費する。タイル配置時には縄張りを主張しただけだが、ここでは実際に象牙彫刻などを作っているので、資源が消費されるのだ。そしてタイル配置時には自分たちだけの資源マスが必要だが、消費するときには3マス以内にあるマスならどれでも消費できる。つまり、他の職人タイルの縄張りとかぶっているところは早い者勝ちってことだw ある種類の二次職人タイルが置かれていると、その下位にあたる一次職人タイルを塔の高層化に使うことはできなくなる。儀式に使うものなので、チープなものではお供え物として不適切なのだw また、二次職人から儀式的物品を得る場合、材料として資源だけでなく、対応する一次職人が生産する物品も必要になる。そしてその一次職人は当然資源マスを消費するので、資源マスの奪い合いはより熾烈になるw 使用した職人タイルごとに、そのプレイヤーのカード上で示されている額の牛駒を支払い、そのカード上に置く。これはあとでそのプレイヤーのものになる。物品の輸送経路を考えるとき、タイル配置時と同様に塔を中継地として使うことができるが、今度は実際に人が歩いて物品を運んでくるため、コストとして牛駒1個をストックに支払わなければならない。遠路はるばる運んでくるととんでもない額になるw 塔を高層化するとこれだけ勝利点が入る。そうとうでかい。 ラウンドの最後に手元のカード上から全牛駒を回収し、自分の最も高い塔の高さに等しい牛駒を収入として得る。この時点で誰かが勝利条件を満たしてたらゲーム終了。そうでなければ続行。 ここまで読んだ皆さん、お疲れ様でした。何一つ理解できなかったと思いますがw とにかく分かりにくい。特に塔を中継地として使うルールが職人タイル配置時と塔の高層化時に使われるが、前者は無料、後者は牛駒1個が必要となっており、混乱しやすい。職人タイル配置時の“縄張り”の概念も配置時にしか影響せず、塔の高層化時に実際に使うときは(3マス以内であれば)どれでも使えるというのもやはり混乱する。インストには相当時間をかけなければならないだろう。 何とかプレイにこぎつけても、最初はさっぱり分からないだろう。ルールブック巻末に「戦略的ヒント」があるが、これを頭に入れてもうまくプレイするのは至難の業。ゲームが終わるころに、やっと微かな光が見えてくる感じかw そんなわけで、万人に勧められるゲームとはまったく言えない。重ゲーマーが集まる場でも、これを出すのはなかなかに勇気が入りそうだ。それでも、ここのメーカーの「インドネシア」とかが好きなら、それよりは分かりやすい(そして視認性もいい)らしいので、1回プレイする価値はある。そんな敷居の高さをすべてクリアし、「俺たちゃそんじょそこらの重ゲーにはもう飽き飽きだぜ」という重ゲー中毒者たちなら、繰り返し長く楽しめるタイトルになるはずだ。BGGの和訳ルール
2013.01.31
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所有していたものの、ほぼ2人プレイ専用なのでプレイ機会がなかった「指輪戦争」を昼からいたるさんとプレイ。そのまま夕方から夜にかけてビッグバン・トーナメントに参加。こういう流れだと休日を有効に使えてありがたい。さすがに往復2時間かけて会場におもむき、3時間かけて、ちょっとその、ほら、アレなゲームばかりをプレイするというのは精神的にクルものがあるからねw おつきあいいただいたいたるさんに感謝を。 詳しくはこちら↓卓游選科:指輪戦争会卓游選科:ビッグバントーナメント 第37夜海長とオビ湾のカジノロワイヤル:ビッグバン・トーナメント第三十七夜~2013冬●指輪戦争 pirokiさんによる和訳ルールがBGGで公開されています。 さすがにいつものようにルール解説してると3回日記書いても終わらないので(何しろルールブック48ページだw)かいつまんで言うと、世界的に有名なトールキンの小説「指輪物語」をベースにしたウォーゲーム。片方が自由の民側、もう片方が冥王軍側を担当してボード上でユニットを移動させ、戦争する。ユーロゲーマーには嫌いな人も多いが、ウォーゲームなので当然のようにダイス振って戦う。ここもユーロゲーマーには受けないだろうけど、戦力比が馬鹿みたいにある。それぞれのユニットの強さはだいたい同じだが、何しろ数が違う。その上、自由の民側ユニットは除去されたらそれっきりなのに、冥王軍側ユニットはストックに戻り、再招集できる。つまりほぼ無限に沸いてくる。まあただの戦争なら勝てるわけねーw これじゃゲームにならないので、勝利条件が全然違う。冥王軍側は得点になる都市や城塞を10点分陥落させないといけないが、自由の民側は4点分でいい。これもウォーゲームではよくある手法。そうでないと、史実再現系のゲームで日本軍やドイツ軍担当したら負け確定だしねw さて、せっかく「指輪戦争」をテーマに取ってるのに、ただのウォーゲームにしたのであれば、ここまで海外の評価も高くないだろう(現時点でBGGランキング55位)。当然、小説に出てきた著名なキャラクターがわんさと出てきて、それぞれ個性的な能力を持ってる。さらに旅の仲間たちは、指輪所持者と一緒にいるときと単独行動してるときで能力が違ったりするという芸の細かさ。「指輪物語」フリークならニヤニヤしながら小説をなぞったプレイを楽しむこともできるだろう(まったく読んでなくてもゲームとして十二分に楽しめる)。 何より素晴らしいのは、各陣営にはもう1つずつ勝利条件があるというところ。自由の民側は「一つの指輪を滅びの亀裂に投げ込む」、冥王軍側は「指輪所持者を堕落させる」と勝利できる。それぞれが2つの目標を目指すことで、このゲームはただのウォーゲームを越えた何かになってる。自由の民側が1つの目標だけを目指すと冥王軍側に対応され、簡単に負ける(逆もしかり)バランスになってるので、互いに両方の目標を睨みながら、隙を見て一方の達成を目指すことになる。ここが実に鋭い。 この日は私が冥王軍側、いたるさんが自由の民側を担当。拡張からは、三つの指輪に特殊能力を付加するもの、自由の民側キャラクターの一部差し替え、冥王軍側キャラクターの追加などを採用した。まずはバルログを召喚し、指輪の仲間が最短距離で火口に到達するのを妨害。敵側諸国が参戦を渋ってるあいだに冥王軍側の全国家を戦争に向かわせ、アイゼンガルドとサウロン軍でゴンドールとローハンを一気に蹂躙。冥王軍側超楽しーw しかし魔王、ゴスモグ、サウロンの口を召喚していい気になってたが、そのため南蛮/東夷軍やモンドール周辺のサウロン軍の編成がおろそかに。思えばこれが失敗だった。配下キャラクターは確かに有用で、見た目派手なので重要視しがちだが、これにこだわりすぎるのは将棋で飛車角だけ使って勝とうとするようなものだった。つまり素人丸出しの手だw 冥王軍側の優位は圧倒的な通常戦力にあるんだから、そこを余すことなく利用しなければ駄目だった。 いくつか城塞を落として得点を重ねるものの、残った城塞には自由の民側のキャラクターを含む軍隊が籠城していたため、なかなか落とせない。兵力を随時補給できる状態を確立しないままに散発的な攻撃を繰り返し、いたずらに消耗して時間を浪費した結果、いつの間にか指輪所持者が滅びの山のふもとに到達。こりゃいかんと慌てて堕落させるべく努力し、神がかり的なタイルの引きであと一歩まで追い詰めたものの、あえなく一つの指輪を破壊されて敗北。いやー熱い戦いだった。最後に堕落ポイントを5点与えられるタイルを引いてれば勝ちだったのにな! 惜しかったな! 五分五分だったな!(残り10枚程度の中にあと1枚だけあった)。 面白い。確かに傑作。2人専用とか、でかくて重くて高いとか、色を塗るとかしないとフィギュアが見分けづらくて叶わないとか、プレイするまでの難関はいくつもあるが、これらをクリアできるならプレイして絶対後悔なし。ダイス目とカードの引きによるランダム性があるので、何回プレイしても違った展開になるだろう。超お勧め。●ライズ・オア・フォール ここでタナカマさん、COQさん、オビ湾さん、タムラさんと合流してビッグバン・トーナメント開始。まずは6人でこれ。タナカマさんが自信なさげに持ち込んだものだが、意外と面白かった。 メリケンのハイスクール(たぶん)で1派閥を担当し、同時にカードを1枚プレイ、同時に公開。カードの効果は他の1派閥を攻撃するか、攻撃から身を守るか。攻撃して防御されなければ相手から1点奪取。ただし同じ派閥を他の3派閥以上が同時に攻撃した場合、「お前らやり過ぎ」と校長先生が介入してきて怒られ、攻撃をキャンセルされた上に1点失う。攻撃を防御したら、攻撃してきた全派閥から1点奪取。ただし誰からも攻撃されなかったら自意識過剰ということで恥ずかしくなり、2点をプールに支払う。 このほかにアチーブメントカードというのがあり、これを出すと何かすげえことをやらかしたことになって、プールから1点もらえる。ただし誰かに攻撃されたら駄目だし、他にアチーブメントを出してる派閥があると目立てないので、誰も得点を得られなくなる。 2点持ちで開始し、所持得点を失った派閥は負け抜け。最後の2派閥になったらゲーム終了。最多得点派閥の勝ち。 ルールはこんだけ。ちょっと複雑なじゃんけんと言っていいw 明らかにバカゲーなので、こういうのはノリが大事。チアリーダーとか、ゴス服着た厨二行患者とか、マッチョとかオタクとか、担当した派閥にふさわしい発言をして笑い、殴って殴られして笑うゲーム。そういうアメリカのスクールカースト(というらしい)を知らないと楽しさ半減かもね。 この日はいたるさん率いるパンクスと私率いるオタク(ナード)が同点勝利。勝ったからどうだというゲームではないけどw さすがに国内流通を望むには厳しい価格になるとのことだったので、個人輸入するときの送料合わせとかに買うといいんじゃないかな。 勝利した我がナードたち。ジョックもクイーンビーも目じゃないぜ!●ガントレット・オブ・フールズ 結構人気あるみたいで、ググるといろんなサイトの感想がヒットするので、詳しくはそちらを参照して下さい。 何と言っても楽しいのは、前半の冒険者選び。これも「俺はこんなダンジョン、片足でも突破できるぜ!」とか「朝飯抜きでも超余裕ですしー」とかしゃべりながらやるのがいいだろう。ケーキの切り分けの変型版だと考えると、ここだけでもガチンコなゲームとして成立しそうだ。 問題は後半かなー。半自動処理でダンジョンを死ぬまで探索するのだが、ちょっとだるい。モンスターを倒せるかどうかはともかく、こちらがダメージを受けるかどうかはカード引いた瞬間にほぼ分かるので、ダイス振る手にもあまり気合いが入らないというか。「勝てなくても死なないならいいや」「勝てるかもしれないけど絶対死ぬしなー」のどっちかになると、なんかね……。TRPG経験者だとなおさらそう感じるかも。あと、一部のカード効果がテンポを著しく削ぐのも気になった。あのカードは抜いた方がいいんじゃないかね。 2回プレイしたけど誰が勝ったかは失念。後半にかかる時間が半分になるならありかもなーって感じ。●エレメンツ オビ湾さんとタムラさんが「51番目の州~冬」をやってる隣で、4人でこれ。 11枚配られたカードのうち1枚を得点カードとして出す。出された得点カード(および山からめくられた1枚)を獲得するため、手番ごとに1枚、1枚、2枚とカードを出す(途中でパスしてもいい)。で、スリーフラッシュとかスリーカードとかフォーフラッシュとかフォーカードとかの役を作って、一番強い役を作った人がその得点カードを取る。役なし同士なら数字の大きい順とか、まあいろいろ強弱を決めるルールがある。これを人数ラウンドプレイして最多得点プレイヤーの勝ち。 悪くはない。悪くはないけど、ぐっと来るところもない。デザイナーも「プレイヤーがわーっと盛り上がるようなゲームにしよう」とは思ってないだろう。私がたいていの軽いカードゲーム(特にトリックテイク系)に感じるのと同じく、これも「普通」のゲーム。悪意なしに思うのだが、こういうのは他にやることないときに時間つぶしにやるものだよね。どっちが上とか下とかではなく、私が好むような重ゲーと同列で評価するものではないんだろう。「前ラウンドから1枚だけカードを手札に残してもいい」というルールが機能する場面があるのか、それだけは気になる。
2013.01.29
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いつもの定例会。いつもの4人で。●ベルフォート 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:ベルフォートBGGの和訳ルール BGGでプロモのギルドタイルを購入したので、それを混ぜてプレイ。初回だったので相互干渉ギルドなしで選んだところ、拡張の「ルール至上主義者ギルド」(0/2/4金払うと2/3/4点得られる)が入った。残りの4つは「建築士ギルド」「採用官ギルド」「銀行員ギルド」「石工ギルド」。 ぱっと見で「採用官ギルド」と「石工ギルド」が明らかに強い(通常アクションよりはるかに効率よくワーカー/資源を得られる)ため、まずそこから埋まっていく。そのあと「銀行員ギルド」といった感じ。それならと、資源をためて1ラウンド目に「石工ギルド」を所有してみた。もう1人が「銀行員ギルド」を所有したが、感想戦では「ギルド所有はさほど有効ではないんじゃないか」との意見が出た。コストが高い割に、他プレイヤーに使われてやっと1金収入。だったらもう少し安いカード建物を建設した方がよかったかなー。 得点手段は「区画の優勢」と「ワーカーの優勢」しかなく、区画の優勢の点数配分の方が高いのだが、広いマップでわざわざ私が「石工ギルド」を所有して駒を置いた区画に突っ込んできたM1と熱い戦いを繰り広げ、さらに優勢を確保できなかったためにボロ負けw 最終ラウンドで最後手番となり、ほぼ完全に情報が公開されてる状況で自分の得点を最大限に伸ばしたところ、2位のハマチを1点差でかわしてM1が勝利……なんてこった! キングメイクが避けられないなら、せめてハマチに勝たせる手を打てばよかったw ずいぶん前に購入したのをようやくプレイできたが、期待通りの良作だった。テーマがファンタジーで好みだし、ワーカープレイスメントで陣取りと来たらモロ好みだし。前述のように得点手段は2通りしかなく、一方を無視するということは得点手段を半分失うことなので、まず勝てない。つまり両方でできるだけ得点しなければならないので、いわゆる勝ち筋は少ない。しかしまあ、陣取りってのはたいていそういうもので、むしろ2つあるだけ現代的だ。ボード上での陣取りしかしない(そして面白い)ゲームはいっぱいあるしなw いかに空いてる区画に最小限の駒を置いて最多得点を取るか、いかに競合の少ないワーカー種別(エルフ、ドワーフ、ノーム)で最多得点を取るかを見極めるゲームだろう。そしてもちろん、私はそういうのがへたくそだw 今回も4人プレイで5区画あるのに3区画にしか置かず、そのうち1カ所には駒4個も置いて最多になれないとか、もうゲーマー失格のレベルw いいんだよ、面白ければ! ほぼ全情報が見えており、その上ワーカープレイスメントなので、どうしてもプレイ時間が長い。このためリプレイはなかなか難しいが、出てくるギルド次第でゲームの流れも大きく変わるだろうから、機会を見つけてプレイしたい。あと、これも長時間化するから難しいが、陣取りなので当然人数多い方がいいだろう。次は何とか5人でやりたいね。●銀杏都市-ギンコポリス- 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:銀杏都市 続いてこれ。ルールを読んでも、インスト聞いても、どんなゲームになるのかさっぱり分からないという評判のゲーム。和訳ルールにミスがあるものもあるらしいが、幸いホビージャパン版には今のところミスは見つかっていない(アカラサマーケティング)。 プレイしてみれば、流れはすぐに理解できる。特に一読しただけでは分かりにくい高層化周りのルールが実に美しい。あのルールによって「場で上から見えているタイルに対応するカード(および都市化カード)しか山札には入っていない」ようになるわけだ。ここには感心した。 カードをドラフトするので、当然「今このカード使ってアクションしたいが、そうするとこのカードが下家に流れて、されたくないアクションを実行されてしまう」というジレンマが発生する……初回でそこまで考えられるかどうかはともかくw だがドラフト後に山札からカードを引くので、そこまでガチガチにカードを覚える必要はない。ここは好みの分かれるところだろうが、私はこのくらいの運の要素はあった方がいいと感じた。知恵を絞る部分と、「誰もあそこであのアクションしてないということは、まだ山札にカードがあるはず……ここで引け!」って部分が両方楽しめるお得なゲームと言えるだろう。 ゲーム開始時に黄タイルが手元にあり、場でも黄タイルがつながってたので、そこを確保しようと動いたものの、それ以降まったく引かずw 仕方ないので他の色に手を伸ばしたが、気付かないうちに複数あった黄エリアがつながってとんでもない大きさに。このままではそこで優勢取ってるハマチに圧倒的な差をつけられて負けてしまうので、ピンポイントで分断できるカードを引くことだけを祈る。残念ながら私は引けなかったが、幸い上家のM1が引いて、期待通りに分断……したらM1が数カ所で優勢を取ってしまい、やはり圧倒的な差で負けたw 面白い。そこまで都市開発してるって気分にはなれず、ややノンテーマな雰囲気もあるが、そのゲーム部分がよくできてるので楽しめる。時間も手頃で、プレイ開始時にはどうしたらいいかさっぱり分からないが、終わるころには何かが見えた気がしてもう一度やりたくなるゲーム。私もエリアのつなぎ方や、残しておくべきタイルについて思いついたことがあり、是非試してみたいので、また近いうちにプレイしたい。●イル・ベッキオ 詳しくはこちら↓The Board Game Laboratory:Il_Vecchio-イルベッキオ 最後にこれ。プレイしたはいいが、時間ばかり気にしたためインストがなおざりになり、得点計算方法を説明し忘れるという致命的なミスを犯してしまった。「銀杏都市」でも最初にカード効果の説明を忘れるなど、この日は失敗が多かった。猛省。時間ばっかり気にしちゃいかんね。目的はあくまで「ゲームを楽しむこと」であって、「持ち込んだゲームを時間内に全部プレイすること」じゃないからね。 ゲームとしては……うーん。悪くはないけど、ちょっと私好みじゃない要素が多かったかな。援助者トークンや巻物トークンを集めて、外部地域やフィレンツェ内部に駒を置いて得点などを得るのだが、外部地域は先行した方が低コストかつ高得点。私が大嫌いなブルクハルトが得意とする、先行逃げ切りシステム。早い方が高得点はしかたないにしても、コストは一定でよかったんじゃないかねえ。とにかく後半に駒を置くモチベーションが下がりすぎて、非常に気分がよろしくなかったw 最初にボーナスタイルを持つんだが、これもなー。3枚引いて1枚選ぶので事故率が下がるようになってはいるが、それでも事故るときは事故る。種類がいろいろあるので、当然序盤から役立つものもあれば、中盤以降に急速に必要になるのもあるわけで。最初に後者しかなかったり、そもそも見極めを誤ったりすると、その時点でほぼ脱落もありえる。そしてもちろん、私はタイル選びを失敗して苦行プレイだったw どうも他のみんなは私には分からないロジックで動いているようで、自分のいるところにやってくる仲買人を次々と利用してゲームを進めていく。なのになぜか私の駒がある町にはちっとも仲買人がやってこない! 何だろうこれ、私だけ恐ろしく頭が悪いみたいだw(注:みたいではない)。 仕方ないので他プレイヤーとは違ったことをしようと、無理に無理を重ねて巻物だけをとり続け、フィレンツェの貴族タイルにすべてを賭けたが、さすがにそれだけで勝てるわけもなく。思ったよりは差を詰めたものの、いつも通り最下位。またもM1が勝利した。とはいえ、これは最初に書いた通り、私が得点計算方法を最後まで説明しなかったためでもあるので、まあ参考記録。 メンバーのあいだでは「この軽さでこの内容ならありだろう」派と「タイルの強弱ありすぎ」「負けたからつまらん」派に分かれた。派手さも目新しさもないが、取り立てて悪いところもないので、あとは好みの問題かもね。
2013.01.26
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昼から集まって、TRPG「迷宮キングダム」最終回をプレイ。「かりくら」でプレイした単発セッションから数えて、実に足かけ3年のロングセッション(プレイ回数は10回未満w)は、意外にもパーティー全滅、ミッション失敗という結末に終わった……いや、「迷宮キングダム」ならよくある話かw しかしあのクラスの敵に勝てるジョブとスキルの組み合わせって相当限られてるんじゃないかねえ。公式シナリオにしては戦闘特化過ぎかな(「まよキン」自体が戦闘特化ゲームではあるけども)。おかげで最後まで他プレイヤーのキャラの名前覚えられなかったw でも歳食ったゲーマーにロールプレイは荷が重いので、ボドゲ寄りのTRPGという立ち位置であるこのゲームはなかなかよかった。またやりたいね。 そのあとドゥーム評議会のメンバーと合流していくつかボドゲした。詳しくはこちら↓海長とオビ湾のカジノロワイヤル:ビッグバントーナメント第三十六夜~マクラーとリースキング卓游選科:第36回ビッグバントーナメント●サバービア Warsawさんによる和訳ルールがBGGにアップされています。 都市建設ゲーム。「蒸気の時代/スチーム」の(ゲテモノ)拡張マップを大量に作ってるTed Alspach作なので、地雷回避のつもりでスルーしてたが、どうも評判がいいので気になってたところ、プレイさせてもらう機会を得た。 目的タイルを2枚引き、1枚を自分専用として伏せて手元に置いて、もう1枚は全員用として公開しておく。自分の都市に建物ヘクスを追加して拡大していき、収入と人口を増やして、ゲーム終了時に人口+目的タイルによる得点が一番多いプレイヤーが勝ち。タイルはいつでも定価で買える3種類(初期配置の3枚と同じもの)の他、市場の下側に並んでるものがある。左端に近くなるほど追加コストがかかり、誰かがこの列から買うと隙間を詰めるように右にずらして、左端に山から引いたタイルを追加する。いわゆる「スルー・ジ・エイジス」方式。この方式になんか呼び方ないかな。 で、取ったタイルを既存のタイルに接するように置く。そうすると、まずそのタイルを置いたときの1回きりの効果が発動して、人口増加数や収入額などが増えたり減ったりする。そのあと、そのタイルの特殊能力が発動して、隣接するタイルとか、自都市にある何らかの種類のタイルなどの枚数に応じてお金を得たり、人口増やしたりする。最後に、置いたタイルによって影響を受ける既存のタイルの効果が発動する。たとえば「隣接する青か灰色タイル1枚ごとに人口増加数+1」というタイルの横に青タイル置いたら人口増加数が1増える。 タイルの効果で気をつけなければならないのは、ものによっては他プレイヤーの置いたタイルによっても効果が発動するということ。これがさすがにめんどくさいw この日のゲームでは、私が次の手番でどのタイル取るか考えてるあいだに他の人がタイルを置き、それによって発動する“私の”タイル効果を指摘されることが再三あった。優しいボードゲーマーに乾杯w そうやって全効果を発動させたら、自分の収入トラックと人口増加数トラックの値に応じて収入を得て、人口を増やす。タイルはA、B、Cと分かれていて、当然後半に行くほど強力になる(ここも「スルー・ジ・エイジス」と一緒だ)。Cタイルの真ん中らへんに入ってる終了タイルが引かれたら、あと1ラウンドプレイして終わり。 なるほど、確かに面白い。発動する効果にはプラスのものもマイナスのものもあるので、「青タイル取ってここに置いてこの効果を発動させたいが、安く買えるのは効果がマイナスだし、いい効果ついてる青タイルはまだ高い……」といった悩みどころの連続で、都市運営ゲー好きには強く訴えるものがあるね。また、人口が一定の数に到達するたびに収入と人口増加数が1ずつ下がるルールがあり、この間隔は人口が大きくなるほど短くなる。これはトップ独走を防ぐルールではあるのだが、「人口が増えると余計なコストもかかるし、さらなる人口増加は抑制され気味になる」と言われれば納得もできる。タイルの効果も各タイルの種類(「農園」とか「飛行場」とか)に沿ったものになっており、イメージしやすい。都市運営ゲーではこういうのが大事だね。 プレイ前に経験者2人から「序盤のお金が大事ですよ」と言われてたので、せっせとそういう方向に育てる。おかげで収入は打ち切り寸前まで上がったが、人口増加数がなかなか4以上に上がらず。Cの山に入ったところで人口≒勝利条件であることを思いだしたが、もう増加数を増やすのは難しそうだったので、直接人口を増やせるタイルに注力。これで何とか人口トラック上は他プレイヤーから離されないようにして、目的を2つ達成してそのボーナスで勝利。 「目的タイルで相反するものを引いたら、スタート時点でかなり不利」「さすがに他プレイヤーの手元を確認する必要があるタイル効果はいらなかったんじゃないか」この2点だけがやや気になるが、そこを除けば、短時間で楽しめるタイル配置ゲーとして人に勧められる良作。タイルの引きと出方に合わせて作戦を立てる系なので、狙った戦術を採るとかいったゲームではないが、その軽さもまたよし。日本で流通してもいいんじゃないかね。●クロンダイク1896 写真撮り忘れに付きボックスアートで。 遅れて来たオビ湾さんとCOQさんが隣で2人「カッラーラの宮殿」やってたので、時間調整にこれ。 プレイヤーは砂金取り。ラウンドごとにプレイ人数分用意されたテトリス風タイル(土地の権利書ってことになってる)を競りで獲得し、自分の手元にあるボード(河原を表してる)の上に置く。それによって隠されたマス目に示されている得点とお金を得て次の競りに。次のタイルは直前のタイルに接するように置かなきゃならないとか、2枚目と3枚目の河原ボードではボードの上端/下端にタイルを1回は接するように置かなきゃならないとかいった制限がある。誰かが4枚目のボードの右端に到達したらゲーム終了。到達しなかったプレイヤーは未達距離に応じたペナルティを受け、最多得点プレイヤーの勝ち。 ……だってこのボックスアートだよ? デザイナーは「20世紀」「造船所」のVladimír Suchýだよ? それが輸入困難で、エッセンシュピールで15ユーロで買えたら、そりゃルール確認する前に買うよね? しかしそれが罠だった……「対象年齢8歳以上」ってところに気づいてさえいれば……。 同デザイナーの他の作品とは比べるべくもない軽さ。それしか言えない。ルール訳した時点で分かってたからダメージも小さかったが、これ現場で直読みでやってたら立ち直れなかったかもしれんw 隣が「カッラーラの宮殿」の次にプレイしてた「星の黒猫」が終わったところで途中終了。上級ゲームという名のまったくの別ゲーもプレイできるのだが、機会あるかな……。●ハットトリック 詳しくはこちら↓海長とオビ湾のカジノロワイヤル:紹介:ハットトリック 5人でプレイできるものということでこれを。 うーん。どうプレイしたらいいのかさっぱり分からん。低い数字のカードでもトリックを取りやすいので、後手が有利なのかな。あと、他プレイヤーとかぶらない色を集めれば有利なのはもちろんだが、対応プレイしやすいように、直前の上家と同じ色を集めるのもありなような。COQさんがうまくプレイしてた印象。 トリックテイクは何ディールかやらないと真価が分からないので、ルールに従ってプレイ人数に等しい回数やろうとしたが、全員がさして面白いと思っていなかった(ように見えた)らしく、3回くらいやって終わり。「ナポレオン」と「ボトルインプ」級のトリックテイクはなかなかないかねー。「シュティッヒルン」は結構よかったけど。「トランプトリックゲーム」とか、あと何だっけ。「ウィザード」だったかな? そのへんの、すでに高評価が固まってるのもやってみたいね。●マラキャッシュ ここでいたるさんがインスト役として身を引いてくれて、4人でこれ。 手番ごとに2アクション。お店を競り落として自分の店にするか、どこかのマスにいる顧客駒全部を次の停止マスまで移動させるか。このとき通過した同色の店に同色の駒が全部移動して、その店のオーナーと、駒を移動させたプレイヤーは収入を得る(その店にある既存の駒数と、今移動した駒数によって額が決まる)。また、競りも他プレイヤーが落札した場合、その額に応じて手番プレイヤーは銀行からお金がもらえる。 ルールは簡単だが、多少疲労してたこともあり(疲労がなくてもいつものことだがw)肝が全然見えてなかった。折半ルールがある以上、他プレイヤーが落札したくなるような場所を競りにかけるべきだし、他プレイヤーが駒を動かしたとき、ついでに自分の店にも顧客駒が移動するような位置にある店を落札すべきだった。つまり多少協力ゲーの要素があるのだ。 そして何より、「各色ごとに一番価値があるのは、入り口から一番近いところにある店」だということがまったく分かってなかったw そりゃそうだ、追加の顧客駒は空いた入り口マスのいずれかに置かれ、ほとんどの場合、そこから一番近くにある同色の店に移動しちゃうんだから。遠くの店に持っていこうとしたらかなり遠回りしなきゃならない。 この一番大事なところが1人だけ分かってなかった私は、「何か陣取りっぽいし、マップ中央を押さえた方がいいのかも」と思い、ゲーム開始時に屑同然の店を競りにかけた。他の3人はそこが無価値であることは分かってたのだが(断定)、それを隠して(断定)いかにも自分が落札したいような顔で2周に渡って入札額をつり上げたのだ! ころっとだまされ、「お、こんだけ入札があるってことは、やっぱり価値のある店なんだな」と考えた私は全ツッパ。心中で悪魔の笑みを浮かべた(断定)3人は悔しそうにパスすると、次のプレイヤーが競りにかけた、真に価値ある入り口に近い店の競りに全力を注いだのだった……まさに悪魔のボードゲーマーたちよ! 昔のゲームなのでセーフティネットルールもなく、脱落したらそれっきりのナイフのようなゲーム。当然のように、ゲーム終了時には元金割れw 建物の価値がしっかり分かってる者同士でやるにはいいかもね。だがこんな詐欺師プレイヤーどもとはもうやらねーw みんなも気をつけて! この人たちと目を合わせるとだまされますよw
2013.01.22
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連休を利用して泊まり込みでボドゲ三昧となる予定だったが、都合によりお流れに。それならと、友人たちは連日つなきさん宅に集まってボドゲ三昧と洒落込んでたらしい……合宿する必要まったくねーw 私はこの日だけ参加させていただいたが、出がけにひげそりに失敗して大流血するわ、慌てて止血して駅に向かったら財布を忘れるわで大幅に遅刻した。参加者の皆様、申し訳ありませんでした。 この日の様子についてはこちらもご覧下さい↓pmnjの日記:カーペットを敷こう(Timeline、ほか)卓游選科:1月上半期にやったゲームたち(七王国の玉座会)●七王国の玉座 詳しくはこちら↓ひだりの灰色:七王国の玉座(第二版)会 いい評判を何回か聞いていたので興味があったこれを、念願叶ってプレイさせてもらえることになった。 海外の人気ファンタジー小説「氷と炎の歌」の第1部が舞台らしい(読んでなくてもゲームは楽しめる)。いわゆる地政学マルチというやつなのかな。各プレイヤーが一国を担当して、初期配置に従ってユニットを置き、空き地に領土を広げたり、他プレイヤーの陣地に攻め込んで占領したりする。城か城塞があるエリアを7つ支配したらサドンデス勝利(他プレイヤーの手番を待つことはない)。または10ラウンドプレイして、一番多くの城/城塞エリアを支配してるプレイヤーが勝ち。 ラウンドごとに、各プレイヤーはユニットを移動させたり、エリアで統治の強化を行ってパワートークンを得たり、守ったり支援したりするのだが、それをどうやるかというと、ユニットがある地域にオーダートークンを置いていく。支配していてもユニットがないエリアには命令を出せない。オーダートークンは種類にも数にも限りがあるので、毎ラウンドどのユニットにどの命令を出すかで悩むことになる。 このゲームを特徴づけているのが3つの序列トラックと補給トラック。たいていのゲームでは、プレイヤーの序列といったら手番順くらいだと思うが、このゲームでは手番順トラック、戦闘で戦力が同値だった場合に勝利する順を決めるトラック、強力な特別オーダートークンを使える枚数を決めるトラックの3つがある。各トラックの順番は、特定のイベントが発生したときにパワートークンの握り競りで決めるのだが、なにせ3回も競りをやるので終わったころにはみんな素寒貧になるw パワートークンはユニットがないエリアを支配したり、北方から攻めてくる野蛮人どもを撃退したりするときにも使うので、いくらあっても足りないw 補給トラックの概念も面白い。ウォーゲームではおなじみのスタック制限があるのだが、これが「各スタックごとにユニット3個まで」とかではなく、支配エリアにある樽マークの数に応じて「ユニット2個のスタックは2つまで、ユニット3個のスタック1つまで」といった感じで決まるのだ。しかも、樽エリアを支配してもすぐにスタック制限に反映されるのではなく、特定のイベントが起きたときにようやく反映され、スタック可能な数が増える。イベントの発生具合(ラウンド開始時にカードをめくって決める)によってはなかなか増えず、いつまでも強力な軍隊を組織できずに攻めあぐねることになる。もちろん、逆に敵陣営の再編が遅れて楽になることもあるだろう。 これ以外にも細かい(そして特徴的な)ルールがいくつもあるのだが、そのどれも理解しやすく、プレイ中に困ることはほとんどない。マルチとしては比較的短時間で終わるので、初心者にもお勧め。サドンデスルールがあるのもいいね。これがないと「エクリプス」みたいに「途中はちょこちょことしか戦闘せず、最終ラウンドに大戦争」ってなりやすくなるし(そういうゲームならそれを見越してのプレイが必要なんだろうけど)。 この日は小説の主人公たちの出身地(らしい)、スターク家を担当。国土の最北に位置し、豊かな南方とは切り離され、隣接している2国ともそこまで激しい領土争いは起こらないのんびりとした土地w 初期スタック制限が他のどのプレイヤーより一段階低いので戦闘的には弱いが、何しろ領土が貧弱なので誰も攻めてこないから、実に気楽なものだったw このスタック制限を甘く見ていたため、序盤は樽エリアを無視し、パワーを得られる王冠エリアや、イベントがなくても自力でユニットを増やせる城/城塞エリアの支配に注力。いつものことだが、思えばこれが失敗だった。スタック制限が低いままで自力ユニット召集し、しかもそれをいつまでも同じエリアに固めて置いてたため、召集できるイベントが発生したときにはすでにスタック制限の上限に達しており、一人だけユニットを増やせない状態に。プレイ前にどんなイベントがあるのか確認しなかったせいもあるが、さまざまな状況に備えてユニットを薄く広げておくべきだった。 船を軽視したのも大問題だった。私がプレイしたことのあるゲームでは、船の力が弱いものが多かった(「世界史」とか「マレ・ノストルム」とか)ので、今回もぜんぜん制海権を取らなかったのだが、このゲームは珍しく船が超重要。ないと何もできないレベルw 船を経由した陸上ユニットの輸送数に制限がないので、1つでもあれば陸上ユニットの移動の選択肢が各段に増えるのだ。2つあればボード上の3分の2、3つあれば全土にユニットを輸送できるといっても過言ではないくらい。おかげで敵国からは首都に隣接する海域に船を出され、終始喉元に匕首を突きつけられてる状態になるわ、こちらは隣国の土地に攻め入るにも陸地を一歩ずつ進んで行かなきゃならないわといいとこなしだった。 ゲームはもつれるかと思われたが、4つしか城/城塞エリアを支配していなかったいたるさんのパラシオン家が一気に3エリアを攻め落としてサドンデス勝利。進軍トークンが最大3枚使えるので、4つ支配してたらもうリーチだね。カードの回転のさせ方もうまかった。私の動き1つでこの勝利を阻止できただけに悔しさひとしおw ルール覚えてるうちに再戦したいところ。でもスターク家はちょっとぼっち感が強いので、他の家がやりたいなw あー、でもマルチ久しぶりだったので、ちょっと他プレイヤーのプレイングに口出ししすぎた感もあるので、そこは反省。すみませんでした。●エミッサリー・クライシス 詳しくはこちら↓とりあえずゲームで!:エミッサリー・クライシス よそで好評だったということで、いたるさんが自信を持ってプロデュースしてきたこのゲームを。でも今回のメンバーにはあんまり受けなかったっぽいw スパイ戦がテーマの正体隠匿系、なんだけど……3通りあるメッセージの送り方が恐ろしく分かりづらい。あとショップがいつもの某ショップなので、日本語シールのフォントが馬鹿みたいに小さい。最初に2枚のキャラカードから1枚を選ぶのだが、「こっちはフォントが小さくて読みにくいからこっちにしよう」なんてセリフが普通に出てくるレベル。あと1周り大きくできると思うんだが……。 ちょっと今回は悪条件が重なった感じかな。1人が緑陣営になる5人プレイは、あまりプレイ人数としてよくなかったかも(他の人数でどういう陣営分けになるかは知らないが)。あと、正体隠匿系は好き嫌いがはっきりするからねー。私が(たぶんもう1人も)嫌いなので盛り上がりに欠けたっぽい。好きな人は好きかもしれん。この日のハイライトは、私が味方だと勘違いして、3枚目の赤メッセージを自信満々でタムラさんに送りつけたら「すみません、僕赤じゃないです」と言われたときかなw これを2回プレイしたあと、みんなでご飯食べて解散。参加者の皆さん、今年もよろしくお願いします。
2013.01.13
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掃除が遅々として進まず、友人宅ゲーム会の開催不能状態が続いているため、つなぎとして秋葉原イエサブでのゲーム会を月2回開催することにした(再開を心待ちにしております)。この日は4人で。●テラ・ミスティカ 詳しくはこちら↓スタートプレイヤーはいや!:【ボードゲーム紹介】テラミスティカ 近ごろ一二を争う話題作をようやくプレイ。ランダム勢力、自由初期配置でハーフリングを担当。 鋤を使って地面を掘り返すことにかけては右に出る者がいないニクイ奴。 他プレイヤーは行者、スォームリング、混沌の魔術師。どう見てもハーフリングが一番楽そうだったが、終わってみればかなり離されての最下位w 2ラウンド目に「鋤1本につき2点」の得点タイルがあったため、ここで稼ごうとして砦を作ったのが失敗だった。砦の能力が1回限りの勢力は砦の建設を急ぐ必要はないかな。逆に常動型の勢力は、できるだけ早く建設した方がよさそう。後半に「砦か聖域を建設するたびに5点」のタイルもあったので、そこで建設すればよかった……。 無理して砦を建てた結果、神殿の建設が遅れる=司祭駒の入手が遅れる=鋤の変換効率向上が遅れるという、ハーフリングにとって最悪の結果に。ゲーム終了時に鋤レベルがマックスに行っていないというw 日本全国でプレイされたハーフリングの中で、そんなの私だけじゃなかろうか。 初期住居が1個だけで、全員から気の毒そうな目で見られていた混沌の魔術師も、神殿を1個建設したとたん、勝敗に絡む主要勢力に。恩恵タイルで収入が安定するので、それを2枚ずつ取れるってのは実に強力な能力だった。しかし、やはり建造物駒1個分の差は縮めづらかったらしく、エリアの得点計算でも総合順位でも3位に沈んだ。 行者は町と教団トラックをガン無視。絨毯飛行の得点と、恩恵タイルの「交易所建設時に3点」を生かしてプレイ中に得点を重ねたが、さすがに特化させすぎたようで、エリアの得点計算でトップタイになったものの2位。 1位は一見厳しそうに見えたスォームリング。こいつコストの高さだけが目立つけど、収入力が高いので差し引き0だった。だまされたw 特に魔力収入が高く、交易所2個と砦1個で毎ラウンド8魔力は反則だろw 砦を建てたら交易所1個分のコストは無料なので、これもコストの高さを相殺して余りある能力。なんかこいつ足りないところがないな……次はこいつやろうw 評判通りの傑作。地形的に他と競合しにくい勢力が発生した場合、そのプレイヤーが有利になるので、やはり1回目は初期勢力でやった方がいいかも。あと「コイン」「労働者駒」「司祭駒」という呼び方に惑わされたが、これ「お金A」「お金B」「お金C」だからね。そりゃ何をするにもお金いるんだから、どの種類のお金も必要なだけ入手できるようにしておかなきゃ勝てないわなw 「勢力の特性に合わせて、各プレイヤーがそれぞれ1つの勝ち筋を追うだけ」という批判もあるようだが、そういうのは勢力ボード見て即座に勝ち筋が見える人だけの不満だね。見えない(または見えてもうまく回せない)私みたいなのは当分遊べそうだ。●カッラーラの宮殿 写真取り忘れたのでBGGから借り。 カッラーラとはイタリアの一都市。タイトルとは裏腹に、カッラーラは出てこないし、当然そこに宮殿を建てたりもしないw プレイヤーは貴族となって、国王の命によってイタリアの各都市に建物を建設して発展させる。このゲームではただ建物を建設しただけでは1点も得られず、アクションとして決算を行い、国王に視察に来てもらわなければならない。誰かが終了条件を満たすか、全建物が建設されたらゲーム終了。最終得点計算を行って、最多得点プレイヤーの勝ち。 各プレイヤーは手番ごとに1アクションだけ実行する。アクションは「お金を支払って資源を買う」「資源を支払って建物を建てる」「決算して得点やお金を得る」の3通り。資源を買うときは資源ホイール上の1区画から好きなだけ買うことができる。このときホイールを回せば、各資源が少しずつ安くなるが、袋から追加の資源駒を出さなければならないので、後手プレイヤーの選択肢を増やすことになる。回さなければ高いままだが、後手プレイヤーを絞ることができる……んだけど、まあ普通は回すかな。お金ないし。 建物は資源を支払って建てる。建物タイルには必要な資源駒の数だけがコストとして書かれており、どの色の資源駒を何個支払ってもいいが、使った資源駒の色によって建設できる町が制限される。高価な白駒だけを使えば、高得点が得られるリボルノに(またはそれ以外のどの町にでも)建設できるが、黒駒を混ぜてしまうと価値の低いレーリチにしか建設できなくなる。 決算は建物の種類か、都市か、建物のカテゴリー(都市建物と郊外建物の2カテゴリーがある)のいずれかについて行う。種類について決算した場合、自分のその種類の建物1つごとに、その建物がある都市の得点/コイン倍率をコストにかけて、その分を得る。「図書館」について決算したとき、コスト5の図書館タイルがリボルノにあれば5×3点で15点得られるし、ピサにあれば5×3金で15金得られるということだ。都市について決算したら、その都市にある全建物のコストを合計して、その都市の倍率をかける。建物の種類については、プレイヤーごとに1種類1回ずつ決算できるが、都市については全プレイヤーで1都市1回しか決算できないので、早い者勝ちだ。 ゲーム開始時に公開されていた3つの目的をすべて達成したプレイヤーは、手番終了時にゲームの終了を宣言して5点を得る。誰かがそう宣言したら、そのラウンドを最後までプレイしてゲーム終了。やはり最初に公開されていた条件に従って最終得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 ネット上で「ゲーマーなら最初から上級でプレイした方がいい」という意見を見かけたのでそうしてみたが、たぶんこれは失敗。上級ルールを入れるのはいいが、目的カードは使わない方がいい。基本ゲームの3つの目的は、ゲームのプレイ指針でもあるのだ。 各プレイヤーは決算駒を6個持っているが、何しろ都市も建物の種類も1回ずつしか決算できないので、つい効率よく決算したくなる。儲かる都市には高コストの建物を建てたいし、同じ種類の建物を3枚とか4枚とか建てたい。しかし全員がそんなこと考えてると、決算しないうちに建物が尽きる。決算しなければ1金も1点も入ってこない。結局この日は4回決算した1人がダントツ。他の3人は2回ずつしか決算しなかったため、トラック1周分くらいの差がついた。もちろん途中で決算しようとしたのだが、先手を取って大金を手にされたため、もうそのプレイヤーを絞りようがなかった。高くても必要な駒を買われてしまい、その駒を使ってまた儲かる都市に建設されて決算され……となってしまった。目的が基本ゲームのものだったなら「決算を4回行うこと」が入っているので、自然と全員がこまめに決算する流れになったんじゃないだろうか。 ゲームの流れもずいぶん大味なものとなった。全員がホイールを回して、安い資源の中から比較的欲しいものをお金が尽きるまで買い続ける。初期資金が20金と結構多めなので、先に資源駒が尽きる。そうなると仕方ないので建物を買う。資源駒が尽きたプレイヤーから順に決算を行う。以下繰り返し……。これが目的カードのせいなのか、このゲームがそういう流れになる危険をはらんでいるのかは分からない。世間の評価的に、後者ということはない気もするが、同じメンバーでプレイしたら同じ流れになる気もする。どうなんだろうねえ。 最後まで淡々と進み、勝ったプレイヤーでさえ「まあまあ」の評価。他のプレイヤーの評価は推して知るべしw どこかよそであと1回プレイしてみて、駄目なら放出かな。●アトランティス・ライジング 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:アトランティス・ライジング 「カッラーラの宮殿」が思いのほか早く(そして静かにw)終わったため、最後にこれを。 協力ゲーム。アトランティスが沈んじゃうので、超科学を使って島ごと次元の彼方に転送しちゃおう! でもガレー船で攻めてくるアテナイ人に負けるとやっぱり島が沈んじゃうので気をつけて! ……そんなガレー船なんぞで攻めてくるようなアテナイ人くらい、超科学で何とかしようぜw 私は占星術師を担当。災厄が起こったあとで配下を島に派遣することができるナイスガイ。しかし他プレイヤーがあまりアテナイ人に対処しようとしなかったため、ほとんどの駒を防衛に回すことになった。つまんねーw 他の3人は知識カードをたくさん引いたり保持したりできる学者、資源を入手しやすい探検家、パーツの建造に長けた熟練工。なお、私は反対したが、自信満々のプレイヤーが強硬に主張したため、上から2番目の難易度でプレイw 話には聞いていたが、ほんとすさまじいスピードで島が沈む。ご多分に漏れず、やはりみんなで「ルール間違ってんじゃないの?」と確認したw しかし合ってるのだ……ラウンドごとに人数分の災厄カードがめくられるのだよw 序盤から「制御された洪水」が固まって出たこともあり、終始苦しい展開に。全員が職分をきっちり果たしていたが、大活躍したのは学者。知識カード超重要&超強力。この力がなければ、半分の時間でプレイヤー敗北となっただろうw パーツやカードの力を借り、何ラウンドかに渡って災厄カードを引かずにすませ、そのあいだにパーツ作成を急いだものの……。間に合わず。最大火力にまで増大したアテナイの大艦隊に蹂躙され、アトランティスは海の藻屑となったw 初見で困難ゲームをプレイしたにしては、パーツ7枚まで建造したのは大健闘と言えるんじゃないだろうか。 感想戦の結果、序盤は配下駒の増加とエネルギービーズ獲得に注力し、増えた配下でアテナイ人の攻撃を凌ぎ、エネルギービーズで基本災厄による水没を防ぐのがいいんじゃないかということになった。あと、能力差があるので得意不得意があるとはいえ、プレイヤー間では資源の受け渡しが(基本的には)できず、ラウンドごとに1人1パーツしか建造できない以上、やはり全員がある程度資源の獲得とアテナイ人迎撃を独自に行った方がいいかもね。 傑作「パンデミック」と比較すると、どうしても格下といった評価になるのは否めない。しかし徐々に緊迫していく「パンデミック」に比べ、こちらは最初からノンストップジェットコースターアクション的な危機の連続なので、また違った面白さがあった。プレイする価値は充分にあり。次はせめて普通難易度でプレイして、島を救いたいところだw
2013.01.12
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・前回までのあらすじ クソゲーの連戦で身も心も傷つき、疲れ果てたshirohineは、ついにビッグバントーナメント離脱の決意をする。しかし次回開催予告には、shirohineしか持っていないレアゲーム「コピーキャット」の画像が……。脳内彼女達に「これで最後だ」と約束し、準備万端整えた「コピーキャット」を抱えてロロステに向かうshirohine。しかしそれこそ、狡猾なオビ湾と、その配下である邪悪の権化、ドゥーム騎士団の巧妙な罠だったのだ! 詳しくはこちら↓ビッグバントーナメント第三十四夜~地獄のトライアスロン●モンスターアラーム 各プレイヤーに均等に配られたモンスターカードを、それぞれ2つの山に適当に分けて表向きで手元に置く。手番が来たら、どちらかの山の上で見えているモンスターカード1枚を場に出す。黄、緑、青、赤の4色があり、黄と緑は得点、青と赤は失点。紫はどの色としても使える(得点にも失点にもなる)。こうしてどんどん場にカードを出していき、出したカードがその色の4枚目だった場合、その4枚を全部引き取って得点か失点にする。全部のカードが場に出たらゲーム終了。最多得点プレイヤーの勝ち。 失点カードは当然取りたくないが、山のトップカードが両方とも失点になったりすると悶絶する。対象6歳以上なので戦術性はあまりないが、ちょっとは考えることもあるので、それなりに楽しめる。●置屋 場に4×4の形に並べられた庭園タイルを自分の芸者トークンで1枚ずつ取っていく2人専用ゲーム。目的は自分の芸者トークンを一直線に4枚並べるか、2×2の形に並べること。 庭園タイルには常に「紅葉+短冊」といった感じで、2つの情報が示されている。スタートプレイヤーが、まず外周の12枚から任意の1枚を取って、そこに芸者トークンを置く。すると相手プレイヤーは、スタートプレイヤーが取ったタイルと同じ情報を1つ持つタイルしか取れなくなる。たとえば「紅葉+短冊」を取られたら「紅葉」か「短冊」のどちらかの情報を持つタイルしか取れない。これを繰り返していく。 変形四目並べ。最初の1枚に対して、後手が取れるタイルは6枚。そのあとはどんどん減っていき、いずれ1枚しか取れなくなる。選択肢が3択になったあたりで、大人なら最後まで読み切ることが可能なくらいの軽さなので、時間制限なしだとほぼ先手が勝つだろう。1手30秒くらいに制限してやった方がいいかもね。私の好みからすると軽すぎだが、勘違い日本観はほほえましいレベルだし、すぐ終わる(長考しても10分かからない)のでゲームとしては成立してる。CAUTION!\ /_ / ヽ / } レ,' / ̄ ̄ ̄ ̄\ |`l`ヽ /ヽ/ <´`ヽ u ∨ u i レ' / └l> ̄ !i´-) |\ `、 ヽ), />/ / 地 ほ こ !´ヽ、 ヽ ( _ U !、 ヽ。ヽ/,レ,。7´/-┬―┬―┬./ 獄 ん れ _|_/;:;:;7ヽ-ヽ、 '') ""'''`` ‐'"='-'" / ! ! / だ. と か | |;:;:;:{ U u ̄|| u u ,..、_ -> /`i ! ! \ :. う ら | |;:;:;:;i\ iヽ、 i {++-`7, /| i ! ! <_ の が __i ヽ;:;:;ヽ `、 i ヽ、  ̄ ̄/ =、_i_ ! ! / ヽ ヽ;:;:;:\ `ヽ、i /,ゝ_/| i  ̄ヽヽ ! ! ,, -'\ ヽ、\;:;:;:;:`ー、`ー'´ ̄/;:;ノ ノ ヽ| / ,、-''´ \/ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ Y´/;:;:;\ ●フィルムフィクサー 映画プロデューサーとなって、役者を揃えて映画を作ってお金や勝利点を得ていく。おおむね山が尽きるまで手番のプレイを繰り返し、最多得点プレイヤーの勝ち。 つまらない。ゲーム終了時、手持ちの3金が1点になるので、役者にいくらコストをかけたら何点/何金稼がなければならないかが明白。たとえば使い捨ての役者(そういうのがいるのだ)のコストが6金だったら、1回で6金以上か2点以上を稼がないといけない。特殊能力もあるのでそこまで単純ではないが、計算しやすいことに変わりはなく、最適効率を求めやすい。 「役者買って、映画作って手番終了」では他プレイヤーとの絡みがほぼないので、取ってつけた投資ルールがある。手番プレイヤーの行動を予測し、当たるといいことがあり、外すと悪いことがあるのだが、予測にはお金カードを使うため、適切なカードがないと予測できない。「場にA社の映画カードしかないから、当然A社の映画を作るだろう」と思っても、手札にA社のシンボルを持ったお金カードがなければ投資できない。予測が運頼みってどういうことだw 予測が当たると、その予測に使ったお金カードを得点として手元に伏せるか、より上位のお金カードに交換できる。たとえば1金カードで予測が当たると、1金失って1点を得るか、1金失って3金カードを得ることができる。「3金=1点」なので、1金カードの投資によって得られる利益は、どちらを選んでも2金相当。だったら静的な1点より、動的でさらなる得点チャンスを生むお金カードに交換した方がいいに決まってる。得点として埋めるルールがいっさい機能してないw さすがに3金と6金は埋めた方が効率よくなってるけど、外したときのダメージがでかい大金カードを頻繁に賭けるかね? 他プレイヤーの予測を外すかどうかの判断が容易(相手が得るものは分かっているので、それより稼げるなら予測通りに動いてよし。稼げないなら予測を外した方がいい)だとか、後半は役者買わないから場にたまる一方とか……さすがにどっかルール間違ってたんじゃなかろうか。●マフィアダラー 続々とドゥーム騎士たちが集結してきたので、COQさん持ち込みのこれを6人で。 手番は基本的にワンドローワンプレイ。ギャングカードや倉庫カードを出したり、ギャングに装備品カードをつけたりするのがワンプレイ。その上で、ギャングカードと倉庫カードの少ない方の分だけ、ギャングを派遣して飲む・打つ・買う・煙草の得点カードを取ったり、他のギャングをぶっ殺したり、他プレイヤーの倉庫を襲撃して得点カードを盗んできたりすることができる。これを“山札が尽きるまで”繰り返し、最多得点プレイヤーの勝ち。 何しろワンドローワンプレイ。得点カードを引いた場合は場に出し、それ以外のカードを引くまで引き続けるのだが、得点カード44枚に対し、全カード枚数は173枚w おおむね1枚ずつしか山札減らないのにw 手数の少なさに加え、ギャングを引かないとそもそも何もできない。各行動の難易度が比較的高いので、場の得点カードを取る以外の行動はなかなかやりづらい。いったんギャングアクションを実行したギャングはアジトに戻ってきてしまい、それをもう一度町に派遣するのに1回分のギャングアクションを消費してしまうため、とにかくゲームが進まないw いっこうに減らない山札に心折られていると、COQさんがそっと山札の上から3分の2を取り除いてくれた……ドゥーム騎士団に降臨した天使! ありがとうCOQさんw 雑な得点カードと特殊カードのため、「長時間かかる運ゲー」という最悪の部類に入るゲームとなっている。まともにプレイして最後まで山札を崩せるとは思えないw●男前動物園 男前の動物となって、迷子の園児を出口まで送り届けるゲーム。ここまで来るとやる前からネタなのが分かってるとはいえ、ゲームとしては最悪。実質終了できないので、壊れていると言わざるを得ない。1点。 知ってる人は「モンスターメーカー」だと思ってもらえばいい。上がりそうなプレイヤーを誰かが邪魔する。邪魔を排除した手番には進めない。つまり「モンスターメーカー」同様、他のすべてのプレイヤーの邪魔カードがたまたま尽きたときにたまたまぴったりの移動力で戻って来られない限り、ゲームは終わらない。そして「モンスターメーカー」ならモンスターカードと勇者カードが分かれていたため、そういうこともたまにはあった。しかしこのゲームでは邪魔も除外も男前動物カードでやるので、当然その枚数も多く、全プレイヤーの手札にないなんてことはほぼあり得ない。ゆえにほぼ100%終わらないw この欠陥にプレイ前から気づいていたので、山が尽きた時点で強制終了とした。まあこのゲーム買う人は絵を楽しむために買うんだろうけど。●クレイジーキック 最後にサッカーゲームをチーム戦で。トランプの「クイックリレー」みたいなゲーム。 各カードにはそのカードが表している選手名と、その選手がパスを出す他の選手名が1つか2つ書かれてる。で、場札があって、その選手がパスを出す選手のカードをどんどん重ねていく。カードは向きによって、チームごとにパスを出す相手が変わるので、相手チームにカードを出されると、また違う選手にパスを繋がなければならなくなる。そうしてどんどんカードを出していき、「ゴール」と書かれたカードを出せたら1点。5点先取(サッカーで5点かよw)でそのチームの勝ち。 2人でやった方がいいかもね。大騒ぎできるので一定の楽しさはあるが、それはゲームの楽しさじゃないしなあ。チーム戦だと待ち伏せ戦法(他のチームメイトがパスを繋いでいき、手元にゴールカードが出たプレイヤーは、そのカードを出せるタイミングを虎視眈々と待つだけ)が有効になりそうなのもイマイチ。この日やった3大クソゲーに比べたらずっとよかったけどw・次回予告「ぐふっ! 見事だ、shirohine……だが儂を倒したところで何も変わらぬ! また誰かがクソゲーをプレイし、人々の心を蝕むだろう……」「なぜだ……なぜそこまでクソゲーにこだわる!」「光あるところには必ず闇がある……人の欲には際限がない。良ゲーだけをプレイしていても、すぐにハードルを上げてさらなる良ゲーを求めるだろう。そうなっては、本来良ゲーと評価されるべきものまで駆逐されてしまう……良ゲーを正しく良ゲーと評価するため、クソゲーはなくてはならない必要悪なのだ」「!! まさか、それを俺に伝えるために、自分もダメージを受けることを承知でクソゲーばかりプレイしていたというのか……?」 良ゲーとは、クソゲーとは何なのか? そして次回こそ「コピーキャット」はプレイされるのか? shirohineは参加しないのに! 次回「ビッグバントーナメント」第三十四夜「ドゥーム怒りの逆襲」を刮目して待て! 君のハートにワーカープレイスメント(キャッチフレーズ)
2013.01.08
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ボックスアート ポーランドの塩鉱山という、ちょっと珍しいところが舞台のゲーム「マグヌム・サル」。BGGランク575位と、パブリッシャーであるGry Leonardoのゲームでは唯一1000位以内に入ってる(2000位以内でもこれだけだw)。日本でもいくつかのショップが扱ったので、プレイした人も多いだろう。ちょっと道具カードの能力が強力すぎる嫌いもあるが、勝利点であるお金を支払って買わなきゃならないのでゲームが壊れるというほどではなく、なかなかの佳作だった。今回紹介する「マグヌム・サル:ムリア」はその拡張だ。 “ムリア(muria)”とはラテン語で塩水という意味。基本ゲームは、すでに開発済みの塩鉱山でいかに効率よく塩を採掘するかというものだったが、この拡張では新たな塩鉱山を一から開発することになる。 まずは5人プレイ用の追加駒類(金色)と、追加の道具カードが2種6枚。拡張として最初に思いつくのはこれだろう。5人プレイ時の詳しいルールが書かれていないのだが、BGGのフォーラムによると、4人プレイ時とセットアップは変わらないそうだ。雇用人数も勅命タイルの枚数も変わらないとなると、相当熾烈なゲームになりそうだがw 新しい道具は「製塩所特権」と「馬引き滑車」の2種類(訳は適当)。「製塩所特権」は新たな建物「製塩所」で使う(後述)。「馬引き滑車」は、なんと今自分の鉱夫駒があるタイル上ではなく、その真下にある1階層下のタイルから塩駒を採掘できるというトンデモ能力w これを持ってるプレイヤーが自分の真上に鉱夫駒を置いてる場合、さっさと採掘しておかないとかっさらわれるだろうw 「製塩所特権」(左)と「馬引き滑車」(右)。ルールブックからの切り出しなので画像が粗いのはご容赦を。 そして監督駒。いわばグレート鉱夫駒。鉱山内で働いてる限り、通常の鉱夫駒2個分の働きをするすごい奴。しかも監督は鉱夫の尊敬を集めてるので、塩駒の輸送時に自分の鉱夫駒がないスペースを通る場合、そこに監督駒があったら問答無用でそのプレイヤーに通行料を支払わなければならない。要所に置いておけばがっぽがっぽ儲かるだろうw 1人1個しかないので、もちろん使いどころが重要。建物に助手として置いちゃうと鉱夫駒と同じ働きしかしないので要注意w 紫が緑駒3個を運ぶとき、1では緑と橙に振り分けて通行料を支払うことができるが、2では監督駒を置いている橙に3金全額を支払わなければならない。まあ監督が睨みきかせてたらそうなるよなw 新たな2つの建物の追加と、「鉱山の建設」に関するルールがこの拡張の目玉。まずは「製塩所」。基本ゲームでは、タイル上にある水駒は採掘の邪魔物でしかなく、単に取り除くべきものだった。しかし考えてみれば、塩鉱山の湧き水なんだから、塩分が含まれてるに決まってる。そこでこの水から塩を抽出するために「製塩所」作られたというわけだ。 基本ボードの左側に置かれる追加ボード。下が「製塩所」で、上が「監督宿舎」(後述)。 新たな採掘現場タイルが表向けられるたびに、ストックから1個ずつ水駒が「製塩所」に置かれる。また、「揚水施設」で汲み上げられた水駒もすべて「製塩所」に置かれることになる。 こうしてどんどん水駒が「製塩所」にたまっていく。プレイヤーは1アクションとして、鉱夫駒を何個でも「製塩所」に置くことができる。次の手番開始時、プレイヤーはアクションの前に「製塩所」にある自分の鉱夫駒をすべて回収し、それと共に同数の水駒も回収する。これは青色の塩駒となるのだ。これは他の色の塩駒と交換することができるが、残念ながら塩水から塩を抽出する技術が未熟なため、やや効率が悪い(最高級の白駒1個を得るには青駒が6個も必要になる)。とはいえ、何しろ青駒は数が多いし、輸送コストもかからない。さらに、新たに追加された勅命タイルには青駒そのものを必要とするものもあるので、うまく利用すれば充分に役立てることができるだろう。 通常は鉱夫駒と青駒を回収するのは1手番後なのだが、道具カード「製塩所特権」を使えば即座に鉱夫駒(と青駒)を2個まで回収できる。基本ゲームの「商業特権」や「国王の特権」同様、他プレイヤーの計画を邪魔するのに役立つだろう。 新しい勅命タイル。青駒自体が必要なので、常に他の塩駒に交換すればいいってものでもない。 最後に「鉱山の建設」ルールと「監督宿舎」。新たな鉱山は1階層目のタイル2枚分しか掘り進められていないので、プレイヤー自身の力でどんどん拡張していかなければならない。新たなタイルを表向けるたびに、その左右の空いているところに新たなタイルが置かれる。なので、掘り進み方によっては、鉱山が左右対称にならないこともある(というか、まずならない)。 そして下の階層に進むには、まず「監督宿舎」を訪れて坑道を掘る権利を得なければならない。これには5金という大金がかかるが、そこを掘った過程で出た水から抽出した塩(青駒1個)を得ることができる。さらに、その坑道は掘ったプレイヤーのものとなり、他プレイヤーはそこを通過するたびに、そのプレイヤーの鉱夫駒があるかのようにお金を支払わなければならない(もちろん、自分の鉱夫駒を置いて無料で通過することは可能だが)。フェイズごとに掘れる坑道の数は決まっているので、早く下の階層で効率よく掘るために坑道を作りたいところだが、そのためには5金を用意しなければならないので、ある程度は現在の階層で塩を掘らなければならない。基本ゲームでは序盤から最深層まで進み、後半になると上の階層で余った塩を採掘する展開になりがちだったので、これは実に優れた変更じゃないだろうか。 こんな感じで掘り進んでいく。2と4が坑道タイル。緑と紫は、それぞれが建設した坑道に所有権マーカーを置いている。誰かがそこを通って塩駒を運ぶたびに、鉱夫駒を置いているかのように通行料を取ることが(そのプレイヤーがその坑道上に自分の鉱夫駒を置いていない限り)できる。この図ではたまたま左右対称な形になってるが、もちろんそうならないことも多いだろう。 たいていのゲームでは「拡張≒追加」だと思うが、この拡張では、純粋な追加要素は「製塩所」くらいだ。道具カードは2種類増えたが、各ゲームではそのうち7種類しか使わないので、基本ゲームと変わらない。監督駒はゲーム開始時に鉱夫駒2個と置き換えられるので、使い方に多少変化はあるが、序盤の採掘能力は変わらない。鉱山の建設ルールは完全に置き換えで、基本ゲームの長い坑道タイルは使わなくなってしまう。これだけ置き換えたらもう別ゲーじゃないのかw たぶん、ユーザーからの「面白いんだけど、あそこがちょっとなあ……」といった不満の声を汲んで修正したのがこの拡張なんだろう。その意味では、この拡張を入れてこそ「マグヌム・サル」は完成したゲームになると言えそうだ。全ルールを同時に採用することが強く採用されてることからもそれがうかがえる。特に坑道の建設ルールによって、がらっと変わったゲームになることは間違いないので、基本ゲームが好きだった人はもちろん、いまいちだと思った人も一度はこの拡張を入れてプレイしてみる価値があるんじゃないかな。BGGの和訳ルール基本ゲームの和訳ルール
2013.01.07
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