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◇僕が今週読んでいるのは、下記の通りです。 ○古事記を旅する(三浦佑之)○人生を創る言葉 古今東西の偉人たちが残した94の名言 (渡部昇一)○彗星夜戦隊(渡辺洋二)○守城の人(村上兵衛)◇今週までに読んだ本の感想は以下の通り。○中江藤樹(久保田暁) 内村鑑三の「代表的日本人」を読んで感動した中江藤樹の 生涯、思想を研究者が綴ったものです。 学問の目的は立身出世のためではなく、自らの身を修める ところにあるとして短いその生涯を村の一教師として終えながら、 その遺徳によって弟子たちが教えを伝え、村の人々が 神社に祭って現代までつないでいる、ということに藤樹の 人となりをみて、感動します。 50年ごとに記念祭が地域の人を中心に催され、来年は 中江藤樹の生誕400年祭が行われるようです。 小林秀雄は中江藤樹を秀吉に比して「学問上の天下人」と 呼んでいます。 誇るべき人物をまた江戸時代に一人、みつけました。 素晴らしきかな、日本人。○東アジア「反日」トライアングル(古田博司) たまたま「正論3月号」で知り、興味を持って古田さんの 本を読みました。これまで読んだ韓国・朝鮮関係の本の中でも 最も中立、公平な感覚で日韓、日朝を論じている気がしました。 韓国滞在が長く、朝鮮の文化が大好きと言うのですから、 最後にどんでん返しがあるのでは、と思いつつ読み進めましたが、 事実に裏付けられた穏当な隣人交流論だと思います。 いくつか興味深い言葉を書き写しました。・拉致と強制連行を同じと相殺しようとする「奇妙な道徳方程式」・日本の大陸進出とナポレオンのヨーロッパ席捲との類似・中韓がいつまでも過去を言い続けるのは、日本と闘って独立した 正統性がないから・現状はポスト近代の日本が近代の韓国、近代前期の中国そして 中世の朝鮮から挑まれている、過去からの攻撃・民族主義でなく宗族主義の悲劇、宗族以外は礼なし・「嫌韓流」の議論は専門家が戦わしているものと論点同じ、 日本が正面から反論しないと永遠に解決しない また古田さんの本を読んで見たいと思います。 ○国益会議(日下公人・志方俊之・田久保忠衛・西村眞吾) 4人の保守論客が自在に日本を、そしてアメリカを語ります。 皆さん、日本の今を憂い、いかにして日本を自立させるかと いう大きな課題に立ち向かいます。 その中で、日本の現実をどこにおくか、現実を見据えて、 アメリカとの同盟をどう取り扱うのか、その辺りで微妙に 個人差がありそうですが、基本は同じです。 いかにこのレベルの知識人、指導層が一致団結して、 大同小異、大きな日本の議論をするということでは ないでしょうか。 感情に訴えるという意味では西村さんの話が僕には合いました。 日本人には千数百年歌い続けて、同じように心をうたれる、 民族共通の感覚があるといわれます。例えば、大伴家持の歌、「海ゆかば水浸く屍 山ゆかば草むす屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」 に共感できるのは先祖代々、日本の国土から生まれ、 そこに返っていった歴史があり、魂が宿っているから。 本当にそう思います。いつか僕もこの土に返り、 子孫を守っていきたいと思います。 日下さんの言葉はいつも僕をホッとさせてくれます。 田久保さんも基本は同じながら、今の日本はアメリカと いくしかない、岡崎さんと同じ立場でしょうか。 志方さんは軍事専門家として厳密に日本の実力を評価して いました。僕が毎日ブログで勉強している「佐藤守さん」も 自衛隊の先輩ですが、勉強になります。
2007.06.25
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今週のゲストは「江戸・東京博物館」館長の竹内誠さんです。僕もかなり昔、一度行ったことがあります。日本橋の実物大複製を渡って入館したと記憶しています。・竹内誠さん;http://www.industry.city.shinagawa.tokyo.jp/sangyo/kogyo/edo.html竹村さんはまず、「僕らは江戸のことをよく知らない。こんなに集中していたところは世界でも少ないのだが、日本人はあまり過去の江戸を知らない。昔の大都会と言えばパリ、ロンドン、ニューヨークを考えるが、それを上回る大都市が日本にあったことを知らない。それは我々が過去の江戸をよく知らないから」と始めます。江戸・東京博物館は14年前に開館。平均して年間200万人来館しており、日本一の人気ではないか、と竹内さんも自慢。そのうち外国人も12%くらいいるそうです。・江戸東京博物館;http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/20世紀は、物・量の世紀であり、生活は豊かになったが一方でいろいろな問題も顕在化して、「物」に対して「心」、「量」に対して「質」ではないか、と考えられるようになった。一方、これまで貧しかったと考えられてきた江戸は近所の助け合いがあり、心が豊かな社会であったことが知られてきた。幕末に日本に来た外国人も多くの記録を残したそうです。シュリーマンは「こんなに豊かで平和で、人々が満足感に満ちて、完璧な秩序のある国はない」と最大限の賛辞。動乱の幕末に対して「秩序があった」と外国人が感じたというのはいかに当時の世界が乱れていたか、ということでしょう。イギリス人の女性も同じような旅行記を残していました、と竹村さん。名前は出ませんでしたがこれは東北を女性一人で旅行して安全に驚いたイザベラ・バードのことだと思います。・イザベラ・バードhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog484.htmlさらに日本について当時すでに、ものづくり(手作り)では世界の極致に達している、と伝えられたそうです。例えば、錦絵の素晴らしさも絵師、彫師、刷師の三位一体の芸術、工芸であり、キセルの根付の極小彫刻なども外国人を驚かせました。昔は、西洋人がきたおかげで明治維新になり豊かになったといわれたが、実は江戸時代に基礎があったから、と30年前から理解が進んだ。さらに今では、江戸時代は日本のほうが様々な面で世界より進んでいたという風に見方が進化しているそうです。世界でもこの江戸時代の平和、繁栄について学ぼうとしているとも言われました。さらに「世界で一番進んだ園芸国家」とイギリス人に言われていたそうです。長屋の裏庭、路地に花、植木が植えられて自分が楽しむだけでなく、通る人も楽しまていました。それは現代のスイスの家々の窓にきれいな花が飾ってあるのにも負けないくらい。当時の(そして現代でも)識字率は世界最高。明治時代に来た外国人も初等教育はこれで充分、と語ったとか。残念ながらその寺子屋制度を明治政府は学校制度で統一してしまいましたが、そのまま自由な初等教育制度が続き、その上に西洋並みの高等教育をつなぐことでより優れた日本になったのかもしれません。どうして日本だけがこれだけ進んだ文化があったのか?と竹村さん。それは江戸230年間の太平が大きい。徳川幕藩体制は案外うまいやり方であったと考えられている。鎖国体制も参勤交代制度もプラスの面を考えていったらいい。参勤交代は文化の交流、流通制度の進歩という意味でプラス面も大きい。意図したかどうかは分からないが、やってみたら意外な効果があった、ということはよくある。法律然り、制度改革然り。経済の面で江戸時代を考えると、参勤交代、江戸詰め制度の結果、江戸藩邸で消費されるのは各藩財政の凡そ半分。つまり、経済の一極集中は江戸時代から始まっていた。なにしろ100万都市ですから。その一方で大阪は、天下の台所としてもう一つの経済の中心、市場になっていた。江戸で消費する物のうち、高級品は大阪から来ることが多かった。お酒など。こうしてお金が移動して経済が両立した。同時に民衆と権力も折り合いをつけていた。年貢と呼ばれる税金も搾り取られるだけではなく、新田開発をしても鍬下年季などという目こぼしがあった。本当の圧制であったら200年以上も幕府が続くはずはない。今に残る古文書には「きわめて貧しいので」という言葉もあったが、それは年貢をまけてもらうときの建前の文書。しかし学者は「文書にあるから」といってそれを文字通り受け取ろうとしてきた。切り捨てご免も嘘。ほとんどそんなことはなかったし、もしあったら侮辱されたことを証明する人がいて初めて許されるというほど厳密だった。重ねて言いますが、そうでないと200年以上の平和、繁栄は続きません。江戸時代の識字率の高さの証明として、江戸東京博物館には当時発行されていた多数の書籍類を展示している。竹村さんも40年前、フルブライトの交換教授で日本文化を教えることになったとき、いろいろ調べて江戸時代は言われるほど悪くなかった、ということを知った、と語ります。竹村さんにしろ渡部昇一さんにしろ、海外で日本のことをきちんと説明しようとしたとき、日本のことを先入観なしに見つめ、真実に行き当たるのではないか、と思います。渡部さんが当時留学していたドイツで日本の誇れるものは何か、と必死で考えて天皇を通じた日本の歴史の一統性、連続性を見出した、という話は有名です。国はいつでも悪いもの、江戸時代にも悪役人が多かった、というのは水戸黄門の影響ではないか、と竹村さん。まあ、悪代官が登場しないと話が始まりませんからね。でもあれだけの視聴率、本を読まない人は刷り込まれてしまうかも。悪影響?は侮れませんね。これも反日マスコミの戦略?とまでいうのは考えすぎでしょうか。最後に江戸博物館の宣伝がありました。コンセプトは面白いものにしようと体験型を志向しているそうです。分かり易くバーチャルリアルティ、日本橋、中村座の実物大模型もあるそうです。日本人が自信をつけるためにも一度行ってください、という竹村さんの言葉で終わりです。
2007.06.24
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◇僕が今週読んでいるのは、下記の通りです。 ○東アジア「反日」トライアングル(古田博司)○国益会議(日下公人・志方俊之・田久保忠衛・西村眞吾)○守城の人(村上兵衛)◇今週までに読んだ本の感想は以下の通り。○電通「鬼十則」(植田正也) 僕は今回、初めて読みましたがこの「鬼十則」は有名なもの のようですね。一、仕事は自ら「創る」可きで 与えられる可きではない二、仕事とは 先手先手と「働き掛け」て行くことで受身でやるもの ではない三、「大きな仕事」と取り組め 小さな仕事は己れを小さくする四、「難しい仕事」を狙え そして之を成し遂げる所に進歩がある五、取り組んだら「放すな」 殺されても放すな 目的完遂までは六、周囲を「引き摺り廻せ」 引き摺るのと引き摺られるのとでは 永い間に天地のひらきが出来る七、「計画」を持て 長期の計画を持って居れば忍耐と工夫とそして 正しい努力と希望が生れる八、「自信」を持て 自信がないから君の仕事には迫力も粘りも そして厚味すらがない九、頭は常に「全廻転」 八方に気を配って一分の隙もあっては ならぬ サービスとはそのようなものだ十、「摩擦を怖れるな」 摩擦は進歩の母 積極の肥料だ でないと君は卑屈未練になる この本の中には沢山いい言葉がありました。 成功の原理はほとんどの人が分かっている。この当たり前のことを やり抜く人はごくごく少ない。要は、本人がやるか、やらないか、 たった二つしかない選択肢のどちらを選ぶか、そしてやる方を 選んだらそれを続け抜くことにつきる。 だがやり続ける人がほとんどいない。ただ、それだけのことである。 想うことは実現する。イメージしないことは実現しない。「全ての事柄は、因果の法則によって起きる。今のあなたは、過去の あなたがして来たこと、考えてきたことの総称に過ぎない。 そして今、これからあなたの考え、行動が未来のあなたを決める」 自分が想わないことが、自分に起きることはありえない。自分が 計画してもないことが、わがこととして自分の中に起きることは、 断じてない。従って、偶然などということは、この世に存在しない。 偶然に見えることはあっても、それは本人に分からないか、 理解し得ないだけの話である。 若くして学べば、壮にして成すあり 壮にして学べば、老いて衰えず 老いて学べば、死して朽ちず そろそろ「壮」のおしまい辺りですが、何とか頑張ります。○反日教育を煽る中国の大罪(黄文雄) 中韓の非を糾弾し、日本よしっかりしろと叱咤激励する 黄さんの本です。 特に今回は日本は戦争中も中国の発展のためのインフラを 整備し、占領地域では治安も安定、中国の人々も幸せな 生活が出来ていた、と語ります。 これまで読んだほかの本からもそのようなことが想像 できます。結局のところ、日本は中韓から距離を置いて、 ビジネスライクに付き合う、その前提として不当な干渉は 断固排除する、ということでしょう。 もちろん、中韓だけでなく、アメリカなどについても 同じ、孤立を恐れず毅然としろ、ということです。 孤立しても命まではとられない、と悟ることではないでしょうか。○「坂の上の雲」に隠された歴史の真実(福井雄三) 以前読んだ「司馬遼太郎と東京裁判」に感動してこの本も 読みました。期待したほど多くの「軍事的事実誤認」が 指摘されてはいませんが、誰が旅順攻城戦を受け持っていても 乃木大将以上にうまくはやれなかっただろうとか、乃木大将は 精神的プレッシャーに強い指揮官だった、という辺りは 大いに頷きました。 僕の故郷、山口県下関市長府は実は乃木大将の生まれ故郷 です。町の中心に乃木神社があって(ここに乃木大将の生家 もあります)僕も子供のころから、乃木大将は厳しく育て られた苦労の人、故郷の偉人として教えられてきました。 それで「坂の上の雲」を初めて読んだ時は正直言って ショックでしたが、この本で何とか自分の持っていたイメージ と合致する乃木大将に出会えてホッとしました。 ちなみに乃木神社境内には「君が代」に登場する、 「さざれ石」も置かれています。本当にそのような石が あるのです。 またこの中で「ノモンハン事件」は従来教えられていたような 旧式日本陸軍が機械化されたソ連軍にコテンパンにやられた ものではなくて、事実は全く逆で、十分の一の日本軍が戦車、 飛行機、白兵戦と全てにおいて圧倒していたことを知りました。 さらに満州国もヨーロッパが作ったアメリカと同じく、 アジアが創った大いなる実験、人口国家であり、そのまま うまく育っていけばアメリカに対抗可能な多民族国家として 日本以上に成長した可能性を指摘され、目の覚める思い でした。 ほかにも東北の盛岡一高がGTQの干渉から守り通した校歌の メロディが軍艦マーチであり、盛岡一高の甲子園活躍と共に グラウンドで高らかに歌われたエピソードなどにも感動 しました。日本人必読の書、の一冊でしょう。 ○幣原喜重郎とその時代(岡崎久彦) 岡崎さんの「人とその時代シリーズ」はずっと読んできまして この本が最後でした。「陸奥宗光とその時代」(正確には「陸奥宗光 上下」)「小村寿太郎とその時代」「幣原喜重郎とその時代」「重光・東郷とその時代」「吉田茂とその時代」 明治、大正、昭和を岡崎さんが自分の歴史観+公正な眼による チェックで綴った教科書となりうる日本の近代史、だと思います。 ここに登場する歴代の政治家(外交官)たちは皆、日本と 日本民族を守るために自分の信念にもとづき、世界と合い対し ました。 また昭和の軍人も決してただ狂信的軍国主義者ではなく、 それぞれに理由を持ちながら自分の信じる道で日本の平和、発展 を追求しています。 多くの人がこの右でも左でもない(と僕が思う)歴史を読んで 僕たちの父母、祖父母、曽祖父母の生きてきた道を愛情をもって みてほしいと思います。 幣原喜重郎の外交政策はひたすら対外強調、中国迎合で中国を 付け上がらせた、とも思っていましたが、岡崎さんは信念をもって やった立派なもの、欧米に評価されるものだったと語ります。
2007.06.18
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今週のゲストは「信長の棺」、「秀吉の枷」の著者で元銀行マン、異色の歴史小説家加藤廣(ひろし)さんです。(番組紹介の通り)最後で「明智左馬助の恋」も紹介され、今回はこの本の宣伝を兼ねていた、とわかります。1930年東京生まれ。新宿高校から東京大学法学部に学ぶ。中小企業金融公庫京都支店長、調査部長を歴任。山一証券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師など。東洋経済新報社、プレジデント社、日刊工業新聞などから多数の経済、経営書を刊行し、広く講演活動も行う。10数社にのぼる中堅企業、ベンチャー企業の経営の指導で高い評価を受ける。・信長の棺;http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=17067・秀吉の枷;http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/item.php?did=17069・明智左馬助の恋;http://www.nikkeibook.com/bookdirect/item.php?did=17076基本的に今日は歴史小説はそれほど読んでいない竹村さんと歴史小説のエンターテインメント性に否定的な加藤廣さんの対談で、新説もなく興味は湧きませんでした。ただ、加藤さんも竹村さんと同じ年ながらまだ作家としては3年目、つまりかなり高年での作家デビューということで、同じ夢を持つ僕にとっては大いに希望の湧く先例と期待しました。もっとも番組のあと、サイトで作者略歴を読み、経済書等の執筆暦は沢山あったと知り、なるほどそういうことか、とトーンダウン。竹村さんが感心した歴史の新説は「明智光秀は天皇およびその側近の示唆により信長を殺した」ということでしたが、これは最近ではかなり流布している説ですね。また「秀吉が信長の草履を胸で温めて認められたのは全くの嘘、人のスリッパを履いて温もりがあったら気持ち悪いでしょう」とまで言うのは言い過ぎ。信長の草履は自分のものですよ、自分のスリッパが最初から暖かいのはやはり気持ちいいです。小説、講談にいかにも、というエピソードを入れて盛り上げるのは当然のこと、それが気に入らないなら小説は読まないで、歴史研究書を読んでください、と言いたくなりました。「時代で歴史の評価は変わる」というところも自明のことです。「新撰組は明治維新以降悪役だったが浅田次郎さんによって英雄になった」などという話もありましたが、これも司馬遼太郎さんのほうが先でしょう。加藤さんは、漱石の草枕にならって「純(純文学)に働けば角が立つ、興(興奮、エンターテインメント)に棹差せば流される。とかく小説とは難しい」というなかで「興にして純、純にして興という小説を書きたい。時代小説をもう少しレベルアップしたい」と大きく語ります。(レベルアップはちょっと傲慢では)「時代によって歴史の評価が変わる」ということに関して、第二次世界大戦の評価を語った部分は竹村さんと同年齢ということで順当でした。「泥棒にも三分の利がある」というのに日本だけが全部悪かったというのはおかしい、どうしてもやらなければならなかったというところもある、もその通り。白人世界と日本のどちらが泥棒だったか、という議論もありますね。面白かったのは、信長が早く鉄砲を採用したのは尾張の兵が弱かったから(これは常識)、ではなぜ弱かったかというと、兵隊が農兵ではなくて雇われ兵だったから(これも常識範囲)。ではなぜ雇われ兵が多かったかというと、濃尾平野は大河の氾濫で農地が安定せず米が取れないため、桑を植えたので絹織物産業が盛んになり、そうなると主な働き手は女で、男はボーッと遊んでいた。だから信長から声がかかるとすぐに人数が集まった。信長が兵農分離を進めたというより、尾張はすでに兵農分離が進んでいたとのこと、これは初めて聞きました。僕は「信長」に関しては秋山駿さんの「信長」が非常に新説満載(当時)で示唆的、面白かったですね。ということで、今週は簡単に終わります。
2007.06.17
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◇僕が今週読んでいるのは、下記の通りです。 ○反日教育を煽る中国の大罪(黄文雄)○守城の人(村上兵衛)○電通「鬼十則」(植田正也)○「坂の上の雲」に隠された歴史の真実(福井雄三)○幣原喜重郎とその時代(岡崎久彦)◇今週までに読んだ本の感想は以下の通り。○正論3月号(藤原正彦、櫻井よしこ、宮崎正弘ほか) 藤原さんの「安倍総理に直言する 日本のために小泉さんを 裏切りなさい」は「自分らしさを出して、選挙を意識せず 毅然と振舞うこと」と励まします。首相就任以来、短期間で 日本の懸案を一つ一つ片付け始めた安倍さんは、今度の選挙 など気にせず、ずんずん進んで欲しいと思います。 安倍さんが怖いからこそ、反日国内勢力は必死で安倍さんを 引きずり落とそうとしているのだと思います。 古田博司さんの「愛国の季節」も良かったです。 中国、韓国の本性を知った上で日本人は「愛国する心を 持ちなさい」と励まします。 また日本人は模倣の名人ではなくて「写実の民」であるという 指摘は大きく頷けました。大きなものでも小さなものでも 忠実にコピーして、より完全なものに仕上げていける日本人 の能力はまさに写実の能力です。現実力だと思います。 ほかにも「北方四島は泣いている」「日本企業が中国を 見切るべきこれだけの理由」「日本が外国になる日」など いろいろ興味深い記事が満載でした。○ナポレオンに選ばれた男たち(藤本ひとみ) これはなかなか面白い本でした。 昔、ナポレオンが好きでいろいろ読んでいましたが、 この本は英雄ナポレオンを支えた元帥たちのドラマです。 僕が知っていたのは、スウェーデン国王になったベルナドット、 最高の参謀長だったベルティエ、猛将ネイそしてワーテルロー 敗北の責任者グルーシーくらい。 ほかにも綺羅星のごとき将軍たちがいたんですね。 マルモン、スルト、ランヌ、ダヴー、ミュラの活躍。 でもこの本を読んで改めてこれらの将軍たちを束ねた ナポレオンの偉大さ(倫理的、正義とは別の話で)を 実感しました。 それにしてもいかに多くの若者たちがナポレオンのもとで 死んでしまったのか。 ○時の眼(アーサー・C・クラーク) ようやく再読しました。 クラークさんの「海底牧場」や「月の砂」などのハードSFが 大好きですが「2001年宇宙の旅」や「宇宙のランデブー」 など人類を超える知性が登場するものは好みではありません。 そういう意味でこれは後者に属したものですが、時間テーマ を期待して読みました。 しかし残念、疲れました。○江戸人遣い達人伝(童門冬二) 童門さんの本は、日本史上の知らなかった逸話や人物のことが 軽く読めて、勉強になります。日本人が好きになります。 この本の中にも様々な達人が登場しましたが、特に第二部 「やる気を育てる」に登場した比較的無名の人々の生涯に 感動しました。 荒廃した新田に人々を呼び戻して村を再建した川崎平衛門、 常に工夫で新しい自分を生み出し大商人になった松井遊見、 貧村の復興を託され、私財を投じ全員参加で成功させた 小田清兵衛、などなど。 なかでも特に感動したのは無欲で人々に尽くし、徳が徳を 生み出し、生前から神社に祭られながら驕らず、自然に 周囲の農民たちを徳化した園井東庵さんでした。「一期一会」とは決して人生で一回しか会えない人だけではなく、 毎日顔を合わせる家族に対しても同じような気持ちで接すべき というのはいい言葉です。 そうすることで初めて人との出会いにもっと緊張して、 相手から何かを学ぼうとする気持ちが湧いて、そこから 必ず新しい何かが生まれてくるといいます。 また、人は死んでも決して死なない。生きている人の胸の 中に記憶があるかぎり、その人は生き続ける。死んだ後も、 生きている人の間に生き続けられるかどうかはその人が 生きていたときの生き方による、という言葉もいいですね。
2007.06.12
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竹村さんが話題を変えます。かつて留学生10万人運動というのをやってこれがほぼ達成してきたが、安倍さんは今回、留学生100万人運動というのをやろうとしている。この留学生たちが日本のいいところも悪いところも知って国に帰って日本のことを広めてくれたらいいし、日本で働いてもいいし、こういう方向に行けばいいと思う人も沢山いますが、いざお金を出すとなるといろいろ意見も出る。その100万人を誰が選ぶかが問題、と日下さん。選ぶルートが3つくらいあるが、その1つは大使館推薦というものでこれが問題。実際は相手の国のいう通りの人を選んでいてどんなのが入っているか分からない。そこをしっかりしてもらいたい。国費留学生1人に17万円/月も税金からお金を出すのだから。渡部さんも日下さんに同意します。必ず筆記試験をやって日本語のできる人を選ぶべき。中学校程度の日本語をマスターするくらい勉強した人というレベル設定にするとそんなに沢山は入って来れないし、入ってきても適応できる。適応できない人が犯罪に走るのです。ただ人数を満たすだけでは絶対に駄目、不法移民を増やすのと同じですと強調。日本人は、留学生はいいものだと思っているが、相手は何で日本人が自分にこんなに親切なのか分からない、何か下心があるはずと考えてしまう。ある留学生はそれを10年間考えてようやく日本人には下心なんてなかったことが分かった、と日下さんに話したそうです。じゃあどうして日本人はこんなに親切なのかと聞くと「昔、日本は中国で悪いことをしたからです」と言われたそうですが、これがまた留学生には分からないそうです。国家と国家のことがどうして個人にくるのか、いまだに分かりません、と。竹村さんは、自分は第1回のフルブライト留学生としてアメリカに渡り、一般の人の親切さを体験したので(アメリカの良さもわかり好きになった)、留学生100万人計画をやってもらいたいと思うほうだ、と語ります。お二人(日下さんと渡部さん)は否定的なようですが、現在日本にいる留学生は昨年度で12万人くらい。しかしヨーロッパには人口比で比べると日本の3倍も4倍も留学生はいるのでまだまだ少ない。日本ももう少し受け入れるようにしたら、竹村さん。ここで渡部さんが話題を変え、最近観た映画「ハンニバルライジング」の話をします。これはナチスに肉親を殺された人が復讐をする物語。ところが日本では無差別爆撃や原爆で殺された人の遺族でアメリカに復讐したいという人はいない、と言います。人間が上等なのです、と日下さん。上等かどうかはわからないが、日本人があっさりしているのは確か。日本人は復讐の連鎖を卒業したのです。外国ではいまだに復讐をいうが、無差別爆撃の遺族があれだけ沢山いて復讐しようという人がいないのは実に不思議。立派。原爆記念館に「二度と過ちは繰り返しません」と書いてあるが「主語は誰だ」と言いたい。作者の意図は日本人が過ちを繰り返さないということだろうけど、そう考えるのはこちらが侵略戦争をしたと思っているから。日本がした戦争は侵略ではない、とはっきりいうべき。国民にも徹底すべき。マッカーサーもそれを認めているのですから。マスコミ、一般の人がそれを言わない、知らないのは戦後の日本で偉くなった敗戦利得者のせい。東大総長になった矢内原さんは戦前「日本を滅ぼしてください」と祈った人。京大総長になった滝川さんは無政府主義の刑法の本を書いた人。(僕も昔、滝川事件という、国家権力に反対した偉い人の事件がありました、というような授業を受けました)戦前の日本を呪ったような人たちが戦後、復帰してその弟子たちが日本中の大学にばら撒かれ、彼らの教育のせいでこうなった。戦後のある時期、彼らはマスコミから神様のように讃えられていたんだよ、と竹村さんも同調。彼らに学問がなかった、と言っているわけではない。反日だった、ということ。その弟子が戦後新設された大学の教授になって急性のがん細胞のように広がった。ここで竹村さんは二人の厳しい指摘に議論の中和を図ります。都留重人さんも同じ思想の持ち主で戦後、一橋大学の総長になった人だが、ガルブレイズに日本のマスコミが取材した時、「二人だけ日本人の名前を覚えている」と言われ聞くとそれは都留さんと竹村さんだそうです。なぜ自分の名前が覚えられているのか分からなかったが、一つだけこれはと思ったのは、熱海に一晩一緒に夫婦で泊まったことがある。(「奥さんが美人だったからでしょう」と渡部さんの突っ込みに「このテープを奥さんにあげます」と竹村さんも返して)ガルブレイズとは初対面だったが、そこでガルブレイズ夫妻の背の違いに「キスしにくいでしょう」と失礼なことをいった、そのせいかなあ、と冗談を言います。「最後は雑談だったけど、渡部さんの話を余り真剣に受け止められても困るので、僕が真ん中をとろうとして苦労しながら番組をやっています」と話をまとめて今週はおしまいです。
2007.06.11
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今週も先週に続いて鼎談でした。お話は中国が最近世界中で進めている文化政策から始まります。今、中国は「孔子学園」というものを世界中に作って中国の思想を広め、文化を理解させようとしているようです。日本は文化外交、という掛け声のわりにはほとんど具体的動きはとっていなくて、パリに日本センターがある程度。一方、アメリカは「アメリカ文化センター」、ドイツは「ゲーテ・インスティチュート」、フランスは「アリアンス・フランセーゼ」など世界の主な国はみな、自国の文化を広めるためにこのような場所を世界中にもっている。ぜひこのことを知ってもらいたい。これに対して日本はどうすればいいか、マンガ文化などが自然に広まっているという日下さんの話もあるが、もう少し組織的にできないか、と竹村さんが問題提起します。・番組で話の出た立命館孔子学園について;http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/headline/pickup/2006/06/tokyogakudo.htm温家宝さんは来日したとき、貴重な時間を割いて京都に行ったが、それは立命館大学に作った孔子学園に顔を出したとのこと。金も教授も教材も中国持ち、ということで大学の独立法人化になんとか対処しようとする立命館の思惑とも合致しての設立らしい、とは日下さん。中国共産党はかつて「非林非孔」といっていたのにどうして孔子は良くなったのだろうか?こうすれば世界の人が振り向くだろうと思って今、文化思想攻勢をかけている。これに対して日本人は、思想攻勢をかけるのは良くない、文化は自然に広がるのが正しいと思ってお茶、生け花、万葉集をやっていればよかろうとしていたが、こうなると日本はケイパビリティがありますから、いくらでも勉強しましょうとなる。洗脳の恐怖なんて感じていないようだが、ただそれで済むかどうか。「それはアホじゃないか」といきなり厳しく渡部さん。「少し前には孔子の像をつぶして漢字も壊してしまった国だからほとんどの人は古典が読めない。日本にきて始めて論語が分かった、という留学生もいるんです」孔子の研究では江戸時代、すでに日本が遥かに中国を超えていた。古書も中国で消滅してしまったものが沢山日本に残っていたのを明治以降、中国の学者が日本で見つけてコピーを持ち帰ったものが多いそうです。「本家ぶるな!」と渡部さんは笑いながら指摘します。石平さんが著書の中で「少年時代、孔子の本は焚書になっていたので、祖父からこっそり孔子の言葉を書いた紙を渡され、覚えたら燃やすという風にして学んできた。ところが神戸に来てみたら古本屋に孔子の本が積まれていた。さらに日本人の多くは論語の言葉を知って実践していた。中国にそんな人は一人もいない」と書いているそうです。・私は「毛主席の少戦士」だった ある中国人哲学者の告白;最近中国は「大国堀起」という言葉を言い出した。自分たちは大国になるんだ、というスローガン。そのために日本からとった手本が渋沢栄一、渋沢栄一のモットーは「論語とそろばん」。それで彼らは気づいた。中国は儲けるだけではいけない、ということが分かった。日本では意外に忘れられた人ですが、と渡部さんが渋沢栄一を紹介してくれます。僕も少し前に渋沢さんに関する本を何冊か読みましたが、日本資本主義の生みの親、500社以上の株式会社を作ったが富に拘泥せず、また大蔵大臣への就任を請われながらも民間人を貫いた人、本当にすごい人です。・渋沢栄一の思想と行動「近代の創造」(山本七平)渋沢栄一は武士、役人が威張っているのは論語で教育されているから。町人が卑屈なのは論語を学んでいないから、と考えた。しかし論語とそろばんは矛盾しない。論語のどこにも金を儲けてはいけないと書いていない。儲けることができるなら、それが正業である限りどんな卑しい仕事でもいい、と書いてある。ようやく中国も「仁義、道徳」がないと世界が相手にしてくれないと気づいた。日本は「渋沢塾」というのを世界に作ったらいい、と日下さん。なかなか面白いネーミング。僕も考えました。世界に日本の誇れる思想を広めるために、例えば農業で国を富まそうと考える国には「二宮尊徳塾」、女性も含めて貧しさに耐えて成長することを願っている国には「おしん塾」という名前はどうでしょうか。ここで渡部さんから歴史のプチ事実。朝鮮で最初に発行したお札の人物は渋沢栄一だそうです。日韓併合以前の話で日本に学べと彼らが自主的に選んだのだそうです。渋沢さんは日本で一番沢山会社を作った人、業界団体をみな作った人、民間人よしっかりやれ、結束しろと言った人と日下さん。三菱の岩崎弥太郎が渋沢栄一に自分と組めば日本の経済を全部握れるといったが、渋沢は日本に会社を沢山作って実業家を沢山育てたいんだといって断った、日本のことを考えていた人、と誉めます。昔、パリに日本館というのがあった。これは日本の富豪が建てたもの。竹村さんもお世話になったそうですが、日本もこれからはそのほうにお金を出すのがいいと語ります。ここで話に出た日本館とは一時期、パリの社交界を席巻する勢いのあった薩摩次郎八という富豪の御曹司が作ったものだそうです。http://www.asami-masuko.jp/family/index.html中間前ですが話題が変わったのでここで一旦切ります。続きは明日。
2007.06.10
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◇僕が今週読んでいるのは、下記の通りです。 ○幣原喜重郎とその時代(岡崎久彦)○江戸人遣い達人伝(童門冬二)○ナポレオンに選ばれた男たち(藤本ひとみ)○時の眼(アーサー・C・クラーク)◇今週までに読んだ本の感想は以下の通り。○まじめな反論『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ(姜誠他多数) あまり期待はしていませんでしたが、ほぼ予想通り。 基本的な反論があまりなく、「この本ではこういうことを言って いるけど、それとは別の出来事もあるよ」とかわしたり、「植民地は絶対に悪い」との現代の視点で過去を断罪する決めつけ やら納得できませんでした。 「嫌韓」と「反日」を同列に論じているのもどうだか。 日本の悪口をいうならもういいよ、付き合わなくても、もう いい加減にして、と離れたいのが「嫌韓」で、 日本が悪い、反省しろ、無くなってしまえ、言いつつ日本が なくなっては立ち行かないのが「反日」。 相手への攻撃性のレベルと相手への依存度が違うと感じた。 日本は韓国がなくても困らないが、韓国は日本がなくなると 恨みの向け先がなくなって困ってしまうのでは。 ただ、個人的に思うのは過去をバネにしている在日、韓国人 のなかに強い人、素晴らしい人が多いのも事実。 僕は孫正義さんのパワーも尊敬します。 日本の住む在日韓国人は反日に勢力を費やすのではなくて、 日本という絶好の舞台、組織力を持つ場所をキャンバスとして 精一杯自己実現を目指せばいいのではないでしょうか。○わたしの城下町(木下直之) 趣味人による趣味人のための心の旅、というような本。 お城好きとしては少し期待しましたが、まあちょっと 違いましたね。でも日本人がいかに城好きか、オラが町の お城好きか、よく分かります。 僕も毛利支藩の城下町に生まれ、城跡やお宮で遊んで育った 幸せを思い出します。 僕がこれまで行った城、見た城。 弘前城、多賀城址、青葉城、要害城、躑躅が崎、久留里城、 佐倉城址、江戸城、小田原城、犬山城、岐阜城、名古屋城、 高遠城、安土城、松本城、彦根城、福井城、富山城、金沢城、 二条城、大阪城、桃山城、姫路城、岡山城、福山城、 串崎城址、小倉城、福岡城、岡城址、熊本城、佐賀城址、 唐津城、萩城、千葉城。 沢山あるんですね。そしてまだ行っていない城も沢山。○渡部昇一の日本史快読!(渡部昇一) 中国は日本を凌駕する(している)という本を読んだあと だけに、渡部さんの「日本は特別な国、歴史的にも凄いんだ。 日本人はそれを信じて、そういう歴史観を持って(もてる だけの歴史的事実はあるのだから)日本人の歴史の虹を 見よう」との訴えに感動します。元気も回復します。 日本は地理的優位性から中国の支配を受けず、有史以来 独立し続けた国。信長の存在によって西洋にも先駆けて、 政教分離を成し遂げ、また鉄砲の自主生産、有効活用術を 身につけた国。 鉄砲がそれまでの弓、刀、槍などと違って、無限に発展する 兵器であるという認識には感心。それをやり続けて世界を 征服したのが西洋。 日本はやがてキリスト教を背景にした西洋の侵略をかわすため 鎖国をするが国内で知的好奇心、発展性は衰えず、独自の 文化、技術を極めていった。だから明治維新で開国させられ ても直ぐに西洋の技術を取り込んで追いつき、追い越して 世界の一等国にアジアからただ一国なることができた。 ほかにも様々に日本の虹を見せてくれますが(渡部さんは あくまでもこれを日本から見た虹、といいます)結論は 日本はパラドックスを起こせる国、だということでしょう。 日本は第二次世界大戦で文字通り世界を相手に戦い、敗戦 しましたが、その結果、日本が求めた世界ができたという ところです。それは人種平等世界の中で日本が繁栄する という世界です。 このパラドックスが起こせたのは過去にはイギリスだと 渡部さんはいいます。独立戦争に敗北してアメリカが離れて いったまさにそのあとで産業革命を起こして、七つの海を 支配する帝国を創ったという意味で。 もう一つ、日本の縮み思考から生み出された数々の エレクトロニクス製品が世界中の人の感性を変え、 小さいものはいいものだ、という気持ちを持たせた、とも いいます。 一方で日本人には拡大志向もあり、世界最大の戦艦大和、 世界最大の墓である仁徳天皇陵、奈良の大仏、大仏殿を つくるなど拡大、縮小二つのマインドを持つ不思議さも 語っています。 そして21世紀には日本が世界の師として、アテネが小国 ながらペルシアに屈せず繁栄して歴史に名を残したような 役割をすると断言します。(あくまでも日本の虹として) それは日本の特質が21世紀のキーワードになるから。 1.緑の中で繁栄できたこと。(森の中の神社が原点) 2.宗教を相対化することができたこと。(多神教世界、 それぞれの宗教を尊重し、認める心) 3.労働によって豊かになれることを知らしめたこと。 (西洋では労働は罰、日本では神様も働いている) 本当にこれらの虹が燦然と輝く未来がきますように、 願ってやみません。 ○中国が月着陸に成功すると何が起こるか(中冨信夫) この本は「中国は日本を併合する」(平松茂雄さん)以来の 警告の書。 一党独裁の国家であるため、方針は振れにくいという強みは あるにしても、国家を強くするためには他の全てを犠牲に しても軍備増強に邁進する(ズボンを履かなくても核を持つ) という国家意思の下、60年もやっていたらどれほどの事が できるのか!と一種の感動?を味わいました。 「中国は日本を併合する」ではそれが核などの軍備であり、 今回はそれが宇宙開発、ロケット開発であるということだ。 それにしても中国は日本との宇宙開発競争のスタート時点で すでに日本より進んでいた。そのあとも限られた情報を最大限 に生かし、天才的な模倣力によって今や日本を遥かに引き離す 有人宇宙飛行に成功するまでになった、という事実に驚く。 一方の日本は、宇宙開発ですらアメリカの下に完全に組み 敷かれて何一つ自主的に、継続的に、国益を求めて動いて いない、という警告は恐怖です。 去年、僕も感動したハヤブサの小惑星着陸、試料採取、帰還 (まだ途上ですが)ですら、ほとんど新規性のないミッション であった、という指摘にはガッカリです。 世には中国はやがて国内の貧富の差などによって暴動が起き(すでに多発)、崩壊するとの論が盛んであるが、一方には 中国人は強いものにつく、という性質が際立っているという こともあり、今の中国の対外政策が成功している限りは、 国を転覆させるというところまではいかないのではないか、 と思います。 果たして。
2007.06.05
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後半は、「神様を相手にすると右も左もない。小さなことになってくる」という日下さんの言葉で始まります。神(キリスト教)を相手して考えていると欧米のことが見える。渡部さんも日下さんもキリスト教に関係あるそうですし、あの山本七平さんもキリスト教徒です。その視点から発言すると日本では珍しいと思われるとも言います。だから山本七平さんは「一下級将校の見た日本陸軍」というような本が書けた。これは外国人の目で日本軍隊を見たとも言える組織論です。「上官は色気(偉くなりたい)があって困る。無理な命令を受ける中間層は部下いじめをする」などとあり、日本軍の根源的問題である員数あわせなどについても書いています。僕も山本さんの本はライブラリーで通して読みました。本当の知識人であり、ものすごい思考量だと思います。でも山本さんのこの日本人の本性についての分析、論評にはちょっと悲しくなります。だから戦前の教育がすべてよかった、とは思えないのです。やはり直すべきことがあったと思います。もちろん、現代の教育よりは遥かにましですが。この昔の教育の欠点の一部は戦前から戦後に移ることで変わったのではないでしょうか。例えばデミングの品質管理という考えを受け入れ日本製品の品質も良くなり、物つくりのおおもとである工作機械を極めることで真の技術立国を可能にしたことなど。日本はピンチを成長に変えることが出来る国だと思います。元寇、明治維新、第二次世界大戦敗戦、オイルショックなど日本が亡ぶかもしれない国難を奇跡的に乗り越え、そこで一段と強くなる。これがまさに渡部先生の「パラドックスを起こせる国」ということでしょう。なぜそのようなことが日本民族に可能であったか。それは日本が我慢できる国だからではないでしょうか。極限状態においても暴動が起きないのも我慢できるから。社会を、お互いを信じて一呼吸耐えられる。信じている、ということが大きいのではないでしょうか。ものごとは一方向にばかりは行かない、続かない。だから苦しいときに一回我慢できると世の中はうまく廻り始める可能性が高い。それが出来るのが日本人。竹村さんもフルブライト留学生としてアメリカに渡ったときは熱心なキリスト教徒の家でお世話になり、また今は神道に興味を持っているなど宗教的な考えができるという意味で佐藤さんともつながりがあるのだろう、と語ります。渡部さんが最近気になったのは江沢民など中国の指導者が日本に対して無礼になったということ。以前は日本の政治家に対しても敬意を払っていた。なぜ変わったかと考えたら、それは日本から天安門事件のあとに中国を救うために天皇陛下が訪中したから。このときは「訪中さえしてくれたら過去のことは申しません」と言われたそうですが、現状は全くの約束破り!と渡部さんは怒ります。最近の中国の傲慢は、これまでアジア地域で唯一朝貢していなかった日本を朝貢させたということで怖いものがなくなったから。本当に日本政府は歴史を考えていないということ、まさに外交は武器を使わない戦争です。日本人はあまり感じていないかもしれませんが、外国の人は天皇をとても尊敬している。フォード大統領ですら天皇に会うときは全然貫禄が違うといって緊張で足が震えていたそうです。天皇陛下はオーラという言葉では表現できないような何かがある。そういう切り札を簡単に捨ててしまったのが訪中。残念、で今週は終わりです。
2007.06.04
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今週は久々に鼎談でした。竹村さんが「2ヶ月に一回は三人の出した本の紹介を兼ねて世相を語ってもらいます……」と始めた通り鼎談は予定のことでしょうが、聴いているこちらはお三方が登場すると本当にホッとします。今日印象的だったのは日下さんが元気で、会話のイニシアティブを取っていたことでした。ひょっとして渡部さんの体調が良くないのでは、などついつい心配してしまいます。どうかご本の通り、95歳まで元気に活躍して日本人の眼を開かせ続けてください。さて最初は渡部さんの「中国・韓国に二度と謝らないための近現代史」です。番組ではここまででしたが、調べると実はタイトルはさらに「敗戦利得者史観を排す!」と続きます。http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/419862321X.html今の日本は慰安婦問題、南京大虐殺など中国、韓国に言われっぱなしで政治家も学者も有効に反論できない。なぜこんな風になったかと言えば、事実を隠し過ぎたからだ、というのが渡部さん。マッカーサーでさえ後に戦争にいたる歴史の事実を知り、上院の軍事委員会で「日本の戦争は主として自衛のためであった」と証言したのに、マスコミはそれを日本国民に伝えようとしない、と語ります。このことは僕も知っていました。渡部さんが言い続けていて少しずつ定着しているのではないでしょうか。日本ではあるところまで来ると一気に広まり、空気が変わりますが、そのマグマが今、蓄積している、ということを期待します。ではなぜマスコミがこのマッカーサーの証言をクローズアップしなかったかと言えば、戦後日本の悪口を言った人が言論界を占めたから。(渡部さんは彼らを一括して敗戦利得者とします)日下さんもここで「これは公職追放例のおかげ、これにより社会の表舞台に登場した者たちが弟子を再生産することによって、本来はアメリカの史観、中国の史観であるべきものを日本中に固定したからだ」とします。誰が公職追放例を出したかと言えばそれはGHQにいた共産主義者たちで、このことを知れば、誰が公職追放例で得をしたかも一目瞭然、と言い切ります。つまりは日本国内の共産主義者、左翼思想家たちが得をしたということでしょう。さらに「日本人がこの公職追放例を自分のライバルを葬るのに利用したのが情けない」と日下さん。「この時期、アメリカにもかなりのソ連礼賛者がいたことが明らかになっている」と竹村さん。「それは大恐慌があったから。あまりの悲惨さから資本主義に自信を失い、共産主義がばら色に見えた人たちがいた。彼らがマッカーサーについて日本にやってきた」と日下さん。アメリカでも出来なかった理想的な社会主義国家を作るために自由に日本を改造した、とも言われています。その彼らが作ったのが「日本国憲法」です。全ては共産主義のプロパガンダに踊らされたことといえるのでしょうが、スターリンの世界戦略がいかに効果的であったかは「マオ」などを読んでもわかりました。世界で一番現実的ともいえるあの中国人たちが惑わされたのですから。日下さんの本は「こんなにある日本人の力」です。紹介した途端、竹村さんは「日下さんの本は読んでいたら日本がええように見える」と言いますし、アシスタントさんも「前向きになれる本が多い」と頷きます。その通り、まさに日本人の虹を見る本、と言えます。この本は洞察力、行動力など「なんとか力」をテーマにしたもの。最近、「老人力」「鈍感力」などが大流行だが、「力」に対して外国と日本では逆の意味で使っている。日本では「力」とは「ケイパビリティ」=器量(頼まれたらやってあげる力がある)として使うが、外国では「パワー、フォース」=他人に強制する力として使っていた。それが今だんだん、日本人は外国からフォースをかけられていると目覚めてきた。日本人にはケイパビリティがあり過ぎたからいろいろなことを言われても一歩下がって対応してきた。それで円満に収まると思っていたのにこれはひどいじゃないか、相手のフレキシビリティを信じていたがこれはいかんと気づいてきた。日本人はほとんど無限大にケイパビリティを持っている、とは心強い言葉。だから日本もケイパビリティからフォースに移りつつある。これについて、欧米のメディアは「安倍内閣はきちんと主張する(欧米的な力を出してきた)」という風に評価している。竹村さんの紹介するのは佐藤優さんの「国家と神とマルクス」という本です。国家をいう者は右寄り、神は真ん中、マルクスは左寄り、ということで日本社会の全てを書いている。しかも対談集なので読みやすい、とか。竹村さんは佐藤さんをかなり評価しています。この番組にも登場していますが「彼はいろいろなところで私を親のように思っています、と語っている」と嬉しそう?親と慕ってもらって悪い気はしませんし、その人を応援したくなるのは自然でしょうが、単純と言えば単純ですね。竹村さんにしては珍しいこと。僕も佐藤優さんの本は「国家の自縛」「国家の罠」「自壊する帝国」「日米開戦の真実」を読んでいます。難しいことを読み易く書いているという意味で天才的。「国策捜査」という言葉、事実も初めて知りました。そういう意味でこれまで普通の人には見えなかった世界を知らせてくれる貴重な知識人です。ただ、彼の本質がどの辺りにあるのか、判断するのは難しいところですね。どこまでソ連などに引っ張られているか。ここで中間です。
2007.06.03
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