全30件 (30件中 1-30件目)
1
村上和雄氏のお話です。ある不眠症の男性が、医師から睡眠薬を処方されました。そこで医師から、「この薬は1回に5錠までです。それ以上一度に服用すると、体の調子を崩します」という指示を受けました。しかし、この男性はあるとき50錠もの睡眠薬を一度に飲んでしまったのです。するとやはり体調をくずし、あまりの苦しさで意識朦朧としながら救急車を呼び、通院していた病院に運ばれました。そして、手当てを受けていると、担当医がやってきてこう言ったのです。「○○さん、じつは、あの薬の指示は私の間違いでした。あれは何錠飲んでも体には負担になりません」この言葉に男性はびっくりして、とたんに元気を取り戻し、そのまま歩いて帰ったというのです。自分はダメだ、と思ったら本当にその通りに具合が悪くなる。自分は大丈夫だと思ったら、なぜか具合がよくなる。「病は気から」というのは、「気のせい」ではありません。実際に自分が目の前の事実をどう受け取るか、どう感じるかによって、病気の遺伝子をオン/オフにしているのです。また、日頃から何かにつけて「自分はダメだ」と自分に対して否定的な生き方、考え方をしていると、いい働きをする遺伝子がオフになり、病気の遺伝子がオンになってしまいます。それは本当にもったいないことです。思い込みでもいいので、「自分は大丈夫」「生きているだけで丸儲け」とバカになって信じてみてください。それだけでも、きっと自分の内側から元気になっていくのを感じられるはずです。(どうせ生きるならバカがいい 村上和雄 水王舎 168ページ)病気になるかならないは遺伝子の働きによります。遺伝子は設計図のようなもので、人間にはその設計図が21000個あるそうです。よい遺伝子のスイッチをオンにするのか、弊害をもたらす遺伝子のスイッチをオンにするのかは、あなたの生き方、ものの見方、考え方が大きく影響しています。森田理論を深耕し、実生活に活用・応用すれば、きっとよい遺伝子のスイッチがオンになると信じています。
2023.02.28
コメント(0)
コマはグルグル回転している時が一番安定しています。地球は太陽の周りを高速回転している時が一番安定しています。その太陽も銀河系の中心にあるブラックホールの周りを高速回転しています。天体は引力と遠心力が絶妙なバランスをもたらしています。自転車やバイクは前に進んでいる時が一番安定しています。前進エネルギーが自転車やバイクの安定をもたらしています。飛行機もプロペラやジェットエンジの推進力がなくなると墜落してしまいます。小腸の粘膜細胞は1日でどんどん生まれ変わっているそうです。小腸の粘膜細胞の寿命は1日です。あまりに早い新陳代謝を繰り返しているために、がん細胞すらついていけません。小腸は人体の中でももっともがんができにくい臓器として知られています。絶え間ない動きと変化によって、自立と安定をもたらしています。この変化・流動は、宇宙の根本的な法則ではないでしょうか。精神活動も変化・流動を繰り返していると安定すると思われます。頭で考えると、今ある不安、恐怖、違和感、不快感を解消しないうちに、次の不安、恐怖、違和感、不快感に飛び移るというのは不安定そのもののように思えます。観念で考えるとそういう事になりますが、事実は違うということです。神経症の悪循環は、感情の変化・流動という法則を無視して、固定しようとしているのではないでしょうか。不安、恐怖、違和感、不快感は、谷あいを流れる水のようにどんどん流していけば、葛藤や苦悩は起きないのではないでしょうか。そのためには、毎日規則正しい生活を維持することが肝心だと思います。決まった時間に決まったことをこなして、それでも時間があれば不安について考える。凡事徹底に真面目に取り組むと多分そんな時間はないと思います。時間がなければ、不安は抱えたままにしてルーティンワークの方を優先していく。そうすれば、結果として流動・変化の流れに飛び乗ることができるのではないでしょうか。
2023.02.27
コメント(0)

今日は味噌作りに挑戦しました。今回で2回目です。この作業はつぶした大豆と麹菌と塩を混ぜているところです。1ヶ月ごとに3回かき混ぜて5月ごろから食べられるようになります。今度はそば作りにも挑戦したいです。
2023.02.26
コメント(0)
「窮鼠猫を噛む」という故事があります。これは窮鼠だけではありません。人間も絶対絶命の窮地に追い込まれると、時としてそれを跳ね返すだけの爆発的なエネルギーを発揮する場合があります。これと同様な言葉で「火事場の馬鹿力」という言葉もあります。大きな絶望は、臆病者を一転して勇者に変える場合があるということです。今日は「窮鼠猫を噛む」という故事から、どうすれば最悪の状態から、心機一転できるのかを考えてみたいと思います。「ダメだ、最悪だ、最低だ、イヤだ」という言葉が口癖になっている人がいますが、そういう人は、自分の言葉に影響されて、ますます落ち込んでいくのではないでしょうか。心機一転というわけにはいかないように思います。そういう人は、本音としては、まだ切羽詰まってはいない。まだ十分ゆとりがあるといえるのかもしれません。なんとかなるはずだという気持ちが心の奥にあると思います。きっと誰かが助けに入ってくれるかもしれないということかも知れません。このような状態では、絶体絶命にはなれないと思います。ではどうすればよいのか。最悪の状態を予測して、それをしっかりと受けとめるという覚悟を固めるというのは如何でしょうか。どん底まではいくらかまだゆとりがあるわけですから、さらに事態が悪化することを予測して、それを受けとめる。最悪の事態に至っても許容するという態度に出るのです。なかなかできないことですが、事実に反旗を翻さないで、事実に服従するという態度で対応するのです。そんなことをすれば自分はますますダメになるのではないか。頭で考えるとそういう事になります。しかし実際はそうなりません。なぜなら、その状況は第3者的な立場から自分を眺めているからです。客観的な立場に立って、最悪の状況を許容していることになります。慌てふためいて、すぐにその状況に対応しているわけではありません。主観的ではなく、客観視しているということがポイントです。その過程で、反発のエネルギーが醸成されてきます。どん底に至るまでじっと待っていると、蓄積されたエネルギーの有効活用が可能になります。ひざを折り曲げて、力を溜めて大きく飛び上がれるように準備しているということになります。反転攻勢に打って出ることができます。これが心機一転です。「谷深ければ山高し」ということになります。森田先生は不眠を訴える人に、今夜は一睡もしないで、起きていなさいと言われています。絶対に寝てはいけないというのは、いわば逆説療法です。翌日その時の状況を詳しく説明するようにと言われました。そのあとで不眠についての対策を教えてあげると言われたのです。ところが不眠の患者さんは、その日に限ってすぐに熟睡したというのです。この現象は、鎖につながれた犬は人が近寄ると盛んに吠え立てます。ところが繋がれた鎖が何かのはずみで外れたとたん、所在の悪さを感じて吠える気力が萎え、すごすごと後ずさりするようなものです。こうしてみると「ダメだ、最悪だ、最低だ、イヤだ」という言葉を、安易な状態で使っている限り、益々みじめになっていくということです。最悪を受け入れるという気持ちを持つことが、自分を救う道だと自覚することが肝心ということになります。
2023.02.26
コメント(0)
藤田紘一郎氏によると、食事をするときは、脳よりも腸内細菌が喜ぶような食事を心がけなさいと言われている。脳で食べることを優先していると、甘いもの、珍しいもの、脂ののったもの、おいしいもの、見た目の豪華なものを欲しがります。そして偏食、食べ過ぎになります。それらは得てして、腸内細菌が喜ばないものだと言われる。腸内細菌が喜ばない食事は体調を崩し、精神状態が悪くなる。腸内細菌は欲にとらわれることなどなく、自分の仕事を淡々とこなす存在です。正直で謙虚で真面目です。いつも自分のリズムを大事にしていて、不規則なことや不摂生なことを嫌います。腸には5万種以上、1000兆個の腸内細菌が棲息しているそうだ。人間の細胞は60兆個と言われていますから、それよりもずっと多い腸内細菌が棲息しているわけです。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類がある。善玉菌には、ビフィズス菌、乳酸菌、麹菌、酵母菌などがいる。悪玉菌には一部の大腸菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、腐敗型細菌などがいる。日和見菌には、バクテロイデス、連鎖球菌、土壌菌などがいる。日和見菌は、悪玉菌に味方するフィルミクテス門と善玉菌に味方するバクテロイデス門に分かれているという。このバランスが善玉菌3、悪玉菌1、日和見菌6が理想だと言われています。悪玉菌は数が多いと厄介な問題を起こしますが、ビタミンを合成したり、病原菌を追い出したりといった頼もしい働きをしてくれるものもあります。悪玉菌をすべて追い出してしまうという考え方は間違っています。腸内細菌のバランスは入ってくる食事内容によってすぐに変わってしまいます。栄養の偏りや食べすぎ、飲み過ぎでも、すぐにバランスを崩してしまいますし、食事以外でも、緊張したり、おなかを冷やしたり、不規則な生活をしていたり、睡眠が足りなかったりといったことでもバランスを崩しがちになります。では腸内細菌がどんな食べ物を好むのか。それは、「お・な・か・は・す・き・や・よ」です。お・・・オリゴ糖のことです。たまねぎ、長ネギ、ごぼう、アスパラガス、にんにく、とうもろこし、バナナ、ハチミツなどがあります。な・・・納豆は腸内細菌が喜びます。発酵食品ですし食物繊維が豊富です。か・・・昆布、わかめ、のり、ひじき、めかぶ、モズクなどの海藻類。は・・・発酵食品。味噌、醤油、漬物、チーズ、ヨーグルトなど。す・・・酢の物。腸の中を酸性にすると善玉菌が増えてきます。き・・・キノコ類。しいたけ、しめじ、なめこ、えのき、エリンギなど。や・・・野菜。食前キャベツがお勧めです。よ・・・ヨーグルトに含まれる乳酸菌。腸内細菌は決して期待を裏切りません。人間が腸内細菌のことを考えて食べ物を送り届けていれば、心と体の健康を作り出して私たちの期待に応えてくれることでしょう。(腸にいいことだけをやりなさい 藤田紘一郎 毎日新聞社)
2023.02.25
コメント(0)
欲望が暴走する人は、制御、抑制しなければという気持ちは持っています。でも意志力が不足しているのか、その時の流れにすぐに流されてしまいます。欲望は一旦火がついて燃え始めると、自己抑制力は働かなくなります。例えば、大勢で飲酒をすると、深酒になり前後不覚になる人がいます。そして大切なものをなくしてしまう。駅のベンチで寝てしまう。終点まで乗り越してしまう。次の日二日酔いで仕事に差し支えがでる。頭痛で休む人もいます。あるいは気が大きくなって酒気帯び運転をしてしまう。検問に引っ掛かることはないだろうと安易に考えてしまう。そして事故を起こして、逃げてしまうという人までいます。あるいはグチが止まらなくなる人がいます。上司や同僚の悪口を言い始める人がいます。遂には暴言を吐いて喧嘩する人もいます。あるいは暴力事件を起こしてしまう人もいます。その結果会社で自分の居場所がなくなります。性的な興奮が高まる人もいます。その状態で電車やバスに乗ることは考えものです。普段は冷静な人が、新聞沙汰の事件を起こしてしまう。会社や家族や親戚に顔向けができなくなってしまう。そして会社を追われて、一生を棒に振る人もいます。自分はどんな欲望が暴走しやすいかはだいたい分かっています。アルコール、ギャンブル、ネットゲーム、性的な欲望、買い物、食べ物など様々です。営業職の場合、仕事を放棄してさぼることが習慣化している人もいます。欲望の暴走をがまんできる人は、問題になりそうな状況を避けるのが上手です。問題になりそうな状況に身を置かないように意識している。最初から近づかないようにしている。自己管理がきちんとできる人です。例えば宴会で酒を飲むときは、人より飲むペースを落としている。食べるほうを優先して、飲むことは抑えている。海鮮サラダなどをよく食べている。この場合最初が肝心です。最初の30分、1時間が勝負だと認識している。さらに酒を飲むたびに、同量の水を飲んでいる。これは意外と効果があります。二次会に誘われても、体の調子が万全ではないと断るのがうまい。誘惑を断ち切り、いつのまにかいなくなるのが上手である。そして電車やバスを使わないで、タクシーですぐに帰宅する。欲望がしばしば暴走する人は、親しい人と一緒に行動している。単独行動はすぐに欲望が暴走して、自分には制御力が効かなくなると自覚している。同行者に暴走の抑止力として忠告してもらうようにしている。営業の場合は、さぼらないように同行営業で退路を塞いでいる。あるいはスマホの位置情報を活用している。ちょっとした心がけで、その結果は天国と地獄の差となってしまうのです。
2023.02.24
コメント(0)
腸の研究をされている藤田紘一郎氏のお話です。美肌のカギは「細菌」が握っています。私たちの肌に棲んでいる「皮膚常在菌」が、肌のコンディションキープのために欠かせない働きをしています。皮膚常在菌には、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、アクネ菌など、約10種類の細菌があります。これらの菌たちは、皮膚表面の脂肪を食べて脂肪酸の膜(皮脂膜)をつくり、皮膚を弱酸性に保っています。これにより、皮膚にとりつこうとする病原菌をシャットアウトしてくれているわけです。この皮膚常在菌がつくり出す皮脂膜は、いってみれば「天然のクリーム」のようなものなのです。皮脂膜は、肌を乾燥から防ぎ、肌のうるおいや柔軟性を保つ働きをしています。ところが、清潔好きの女性の多くは、このクリームを洗い流してしまっているのです。石鹸で洗ってしまうと皮膚常在菌の90%が失われてしまいます。石鹸でごしごし洗いでもすれば、皮脂膜も簡単に壊れてしまいます。しかも、いったん壊れてしまうと、なかなか元に戻りません。皮膚常在菌が元の状態に戻るには、若い人でも12時間、年をとってくれば20時間もかかるとされています。つまり、いつも洗顔石鹼やボディーソープなどで顔や体を丹念に洗っている人は、かえって肌のコンディションを悪くしてしまっている可能性大です。皮膚常在菌の力を落とすほど洗ってしまってはいけません。お風呂で体を洗う場合、石鹸で洗うのは2日か3日に1回にするといいでしょう。しかも、軽く泡立てて、サッと流してしまうくらいで十分。ごしごし洗うのは禁物と心得るようにしてください。(腸にいいことだけをやりなさい 藤田紘一郎 毎日新聞社 151ページ)コロナ感染防止のためにどこに行ってもアルコール消毒を徹底しています。藤田氏の話ですと、皮膚常在菌を殺菌すると、自分の皮膚を守ってくれている皮脂膜が破壊されるという。その結果様々な弊害が出てくると警鐘を鳴らしておられます。神経症の人では手洗いが止められない。トイレでトイレットペーパーのワンロールを全部使う人がいます。お風呂から何時間も出てこない人もいます。その他電車の吊革が握れない。他人の使ったものを触ることができない。「ついてくる娘の手にはファブリーズ」という川柳があります。まさにこんな状態です。これらは、ばい菌が自分の体に取りついて、命に係わる病気になることを恐れているわけです。藤田氏の話によると、皮膚常在菌は悪い細菌から守ってくれていると言われています。不安に振り回されて、すっきり晴れ渡った青空のような状態を追い求める態度は、自分の身体と精神状態を窮地に追い込んでいくのではないでしょうか。これから抜け出るには、第一には藤田氏が指摘されている皮膚常在菌の働きを知る。次に、森田理論学習によって不安と欲望の折り合いのつけ方を学ぶことが必要になると思います。ここでの要点は、神経症的な不安は欲望の裏返しとして発生しているものですから、不安だけを問題にしていると心身ともに痛めつけることになるのです。
2023.02.23
コメント(0)
昨日の続きです。グルコース(ブドウ糖)が自己コントロールに大きな影響を与えています。ブドウ糖は動いたり、脳で考えたりする時のエネルギー源となります。脳が機能不全になると自己コントロールが効かなくなります。低血糖症患者の研究によると、普通の人よりも集中するのが苦手で、腹を立てたときにマイナス感情を制御するのが難しくなります。低血糖症の患者は、全体的に見ても普通の人より不安が強くて幸せを感じにくかった。犯罪者や暴力的な人の間では低血糖症患者の率が普通よりも高いことが分かっている。弁護士の中には低血糖症の研究結果を弁護に持ち出すという、独創的な手法をとる者もいる。(意志力の科学 ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー インターシフト 63ページ)病気で痛む体をひきずって仕事に行こうとするときは、次のことについてよく考えた方がよい。ひどい風邪をひいて運転するのは、ほろ酔いで運転するよりも危険だということが分かっているのだ。風邪と戦うために体の免疫システムが大量のグルコースを使ってしまうため、脳が使用できるグルコースは不足してしまう。運転という簡単な作業さえできないほどグルコースが不足しているのなら、(無事に職場にたどり着いたとしても)仕事に使えるグルコースはどれだけ残されているだろうか。グルコースが不足した脳に重要な仕事を任せてはいけない。(同書 83ページ)食べ物はほぼすべて体内でグルコースに変化するが、その速さは種類によって異なる。短時間でグルコースに変化するのは、グリセミック指数(GI値)が高い食べ物と呼ばれる。白いパンやジャガイモや白米といった炭水化物、スーパーの棚に並んでいるスナック菓子、ファストフード店の食べ物がこれにあたる。GI値が高い食べ物を食べると血中のグルコース濃度が急激に上下動し、結局はグルコースが不足して自己コントロール能力が低い状態になる。そのため、でんぷんや砂糖でグルコースを急激にとりたいという体の欲求に逆らうことができずに、ドーナツやキャンディを食べる、ということを繰り返してしまう。自己コントロール能力を一定に保つためには、GI値の低い食べ物を食べた方がいい。ほとんどの種類の野菜、ナッツ類(ピーナッツやカシューナッツなど)、生の果物(リンゴやブルーベリーや梨など)、チーズ、魚、肉、オリーブオイルやその他の「体によい」油脂などがこれにあたる。(同書 82ページ)ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニーは、欲望やマイナス感情の暴走を防ぐためには食生活から見直すことが大切であると指摘している。脳の栄養であるブドウ糖を補給し続けることが欲望の暴走を防止している。しかし短絡的に甘いものを摂取するというやり方は見直した方がよい。血糖値が激しく変動して、低血糖に陥ることがあるからである。GI値の低いものを基本にして、補助的にGI値の高いものを摂取する方向を心がけたい。欲望の暴走やマイナス感情に振り回されないために、外食、ファーストフード、甘いお菓子を多量に摂取している人は、食生活から見直す必要がありそうです。
2023.02.22
コメント(0)
普通人間は自分の欲望が暴走しないように警戒しています。怒りなどのマイナス感情が暴走してしまうことも警戒しています。問題は、ある程度まではがまんできますが、ついうっかりしていると、すぐに限界を超えてしまうことです。一旦暴走を始めると、それを制御することが難しくなってしまう。過剰な水をたたえたダムが決壊して大惨事をもたらすようなことが起きます。その暴走が人の一生に大きな影響を与えることがあります。シマッタとあとから後悔する前に、なんとかならないものでしょうか。ロイ・バウマイスターとジョン・ティアニーが「意志力の科学」という本で、この問題を取り上げています。この本によると、自我消耗状態になるのが問題であるという。何かの誘惑に逆らおうとすると、その欲望をいっそう激しく感じることがあるが、ちょうどそのとき意志力は弱まっている。自我消耗はそうやって人を二重苦の状態に陥らせるのだ。意志力を弱めると同時に、欲望をそれまで以上に強く感じさせるのだから。(意志力の科学 ロイ・バウマイスター ジョン・ティアニー インターシフト 44ページ)ここで自己消耗状態というのは、例えば酒を飲んで、頭の活動が低下して、理性的な判断力ができなくなった時の状況を想定してもらうとよい。セルフチェック機能が効かなくなるのです。森田では人間には精神拮抗作用が備わっているといいますが、その機能が働かなくなるのです。不安や恐怖、違和感や不快感などに振り回されて、そちらの方で多くのエネルギーを使っていると、別の方面に向けるエネルギーが不足してくる。その結果、酒に酔った時と同様に、自己消耗状態に陥るというのだ。意志力というのは、制御力、抑制力、冷静な判断力と読み替えると分かりやすい。自己消耗状態に陥ると、元々備わっている制御力などが正常に機能しなくなり、欲望やマイナス感情が暴走してしまいやすい。しかも始末が悪いことに、ブレーキが壊れた車が坂道を下るときのように勢いづいてしまうことが多くなります。森田理論学習の中で精神交互作用というキーワードがあります。注意と感覚の相互作用のことで、神経症はその相互作用により、神経症の固着に向かって勢いづいてしまうということです。そうなると他に振り向けるエネルギーが枯渇気味になっています。この時の状態が自己消耗状態にあたると思われます。あまりにも苦しいので、カンフル剤のようなもので、一瞬でも楽になろうとします。アルコール、ギャンブル、ゲーム、買い物、過食などです。欲望やマイナス感情の暴走を食い止めるには、まず自己消耗状態に陥ることを避ける必要があります。「意志力の科学」という本では、正しい食生活が欲望やマイナス感情の暴走を抑制することに役立つという。意外な視点から警鐘を鳴らしておられます。これについては明日の投稿とさせていただきます。
2023.02.21
コメント(0)
五木寛之氏のお話です。生きていれば誰しも、不幸な出来事や死にたくなるような情けない局面に直面することがあります。また、「泣きっ面に蜂」とはよく言ったもので、トラブルや不幸というものは重なるものです。そんな弱りきったときに「人生には無限の可能性がある」「夢は必ず実現する」といったポジティブ思考は何の役にも立ちません。五木さんは、12歳の時、北朝鮮のピョンヤンで、敗戦を迎えました。頼りにしていた母親を失い、それまで正しいと思っていたことはすべてくつがえされ、目を覆いたくなるような悲惨な状況の中、九州に引き揚げてきました。引き揚げても住む家さえなかった。それを身の不幸と思いました。でも考えてみれば、自分よりも不幸な子供たちはたくさんいた。私はそんな時、徹底したネガティブ思考でしのいできました。「人生とは苦しみの連続である」と覚悟を決めたのです。そうすると、その諦念の底から、かすかに湧いてくる力がありました。「それしかないなら、引き受けるしかないな」という、「居直りのエネルギー」です。私は、これこそ、真のポジティブ思考なんじゃないかと思うのです。ネガティブ思考を突き詰めていくと、いつか底を打ちます。するとそこから、新しい力が生まれてくる。このように、ネガティブ思考から生まれたポジティブ思考は相当に強いものです。捨て身で覚悟を決めたこころから生まれてきているのですから。もしあなたに、次々と不運が襲ってきたら、無理にそれに対抗しないことをお勧めします。むしろそれを柔らかく引き受け、そして居直ってください。居直るということは覚悟を決めたということです。すると、ちょっと味わったことのないようなパワーが湧いてくると思います。それが仄かなものでも、あなたの覚悟という基盤から生まれた新しいエネルギーです。そのエネルギーを使って、あなたなりのポジティブ思考をしてみてはどうでしょうか。(ただ生きていく、それだけで素晴らしい 五木寛之 PHP 44ページ参照)稀に最悪の状況に追い込まれながらも、発奮材料に変えることができる人がいます。そういう人は、ミスや失敗、最悪な環境や境遇がエネルギーの供給源になっているのです。そういうネガティブ要素がなかったなら、普通の人で終わっていた可能性が高い。これは、森田でいう最悪の事実にきちんと向き合うことができたからこそ可能になったと考えられます。多くの人は、最悪の状況に追い込まれて、なすすべもなく没落していく傾向が高い。それは、理不尽で自分の思いどおりにならない現実を、非難、否定しているからだと思います。事実をあるがままに認めることができれば、葛藤や苦悩はなくなります。その結果、貴重なエネルギーの無駄使いがなくなります。事実にしっかりと足場を築いて、夢や目標を見上げることができれば、そのエネルギーを使って、逆転人生の始まりとなります。これが五木氏の言われている「居直りのエネルギー」の発揮のことです。このことを森田では「生の欲望の発揮」と言います。森田では神経症を克服した人は、生の欲望に目覚めて見違えるほど活動的になります。
2023.02.20
コメント(0)
内田樹氏のお話です。「嫌いな人とは付き合わない」という生き方をお勧めしたい。嫌いな人と、「共に活きる」というのはなかなか立派な心がけではあるが、適性な距離を置き、できるだけかかわりあいにならないことをお勧めしたい。「嫌いな人間」を我慢して、「この人にもそれなりにいいところがあるんだ」とか、「嫌いな人間を我慢して受け入れることが人間の度量なんだ」とか自分に言い聞かせ続けていると、「何かを嫌う」という感受性の回路が麻痺してしまう。「恐怖と嫌悪」の感情の発生は、生物が生き延びるための利器である。「嫌う」回路をオフにするということは、コミュニケーション感受性をオフにするということであり、それは思っている以上にリスキーな選択である。「我慢する人」は、日々のコミュニケーションの中で行き来する非言語的シグナルの多くを受信できなくなる。それに慣れてしまうと、感度はどんどん鈍くなってしまう。ですから、「嫌いな人」と無理をして付き合ってはいけないのです。それでは好きな人間、気の合う人間とだけ付き合っていけばよいのか、と疑問が湧いてきます。嫌いな人間と調和していく能力は、社会的な生き物である人間には不可欠だ。人間社会は、他者への共感力、受容力、許容力は絶対に必要な資質だ。これはもっともな意見だと思います。しかし、内田氏は、その考え方は短見であるといわれている。そもそも「気の合う人間」なんて存在しない。「好きな人」なんて幻想でしかない。そんなことを期待しているといつか裏切られるのだ。(知に働けば蔵が立つ 内田樹 文藝春秋 参照)内田氏の見解はとても刺激的です。早速森田理論でその是非を考えてみましょう。内田氏は「恐怖と嫌悪」の感情が湧き上がってくることは、感受性が鋭いということであり、それを無視するようなことをすると、感性が鈍くなっていくと言われています。だから「恐怖と嫌悪」の感情は抑え込んではいけない。この考えは私も賛成です。神経質性格者は高性能レーダーを標準装備しているようなものだと言われます。その感受性が鈍くなっていくことは、最大の長所が薄れていくことになります。「恐怖と嫌悪」の感受性は、そのままにして他人と上手に折り合いをつける技について考えてみたいと思います。自分が嫌いだと感じていると、それは相手に伝わります。その現象をミラーニューロンの働きから説明する人もいます。普通嫌いという感情は、顔つき、態度、発言内容、行動に出ます。相手は敏感にそれをキャッチして、防御態勢を敷いてきます。すぐに敵対関係になってしまいます。これに対して、森田では感情と行動は切り離しましょうという考え方です。過度に感情に振り回されないようにすることが大切です。相手から見て、どんな感情が湧いているのか全く分からないという行動を心がけると、人間関係が悪化することをなんとか止めることができます。プロ野球の選手でいえばポーカーフェースの人です。打者でいえば、打つ気満々というよな素振りを見せて、相手の裏をかくという話を聞いたことがあります。これは広島カープの新井新監督の現役時代のエピソードです。野球は力と力のぶつかりように見えますが、実は心理戦なのです。役者さんと同じように上手に演技をするという考え方ですね。でもこれは口で言うは易く、行うは難しです。でも感情は自由に泳がせておいて、行動はそれに振り回されないように注意するという意思をしっかりと持っていると、ある程度は対応できるようになります。こうした成功体験を積み重ねていくことが大切になります。これができるようになった人は、「不快感情の取り扱い主任者」として免許皆伝の称号を与えて、その能力を高く評価したいものです。次に「気の合う人間」なんて幻想だという話ですが、これは森田理論の「不即不離」に関連する話です。実際には、親しい人でも気の合うときもあるし、気が合わないときもあります。気が合わない時に感情を爆発させていたのでは、人が寄り付かなくなります。意気投合したときは親しく付き合い、気まずい関係の時はすぐに離れる。そして時と場所を変えて改めて出直すようにする。これが臨機応変にできるように訓練を重ねていくことが大切になると思います。意気投合した時はベタベタとくっつく。気まずいときは全く近寄らないのは人間関係の持ち方としては問題です。必要な時に、必要に応じて、必要なだけの人間関係を結ぶことを基本にする。この気持ちをしっかり持って、人と付き合うことです。そうしないとすぐに裏切られた、あんなにイヤな人とは思わなかったということになりやすいです。これは人間関係の距離の持ち方を間違えているか、そういう気持ちが頭の中になかったということになります。
2023.02.19
コメント(0)
矢作直樹氏は、穏やかな生活を送るために、次の6点を挙げておられます。1、知足(足りていると知る)2、必然(それ以外になりようがないと知る)3、中今(今この瞬間こそ真実と知る)4、無常(あらゆるものは常に変化すると知る)5、覚悟(迷いを断ち切ることこそ最善と知る)6、御陰(大いなる存在に守られていると知る)(身軽に生きる 矢作直樹 海竜社 70ページ)これらはほとんど森田理論で目指していることと重なっています。今日は、これを基にして、森田理論を深耕してみたいと思います。1、少欲知足のことです。我唯足知とも言います。欲望は追い求めると暴走を始めます。それが生きる目的となります。欲望は無制限に追い求めないようにすることが肝心です。求めすぎると無理をしてしんどくなります。他人と争うようになります。森田では、過大な欲望は不安によって制御することが大事だといいます。サーカスの綱渡りのように欲望と不安を上手にコントロールすることを心がけるようにしなければなりません。2、森田では、「ものの性を尽くす」と言い換えてもよいと思います。これが「必然」のことだと思います。非難、否定、不平不満をぶちまける前にすることがあります。現在あるもの、持っているものの価値を再評価し、居場所や活動の場を与える。すべてのものや人は、存在価値を持っているという視点を持つということです。これを実践すれば自分も他人も平和になります。3、過去の自分のしでかした不始末を後悔することは誰でもあります。自分を自己否定していると、みじめになるだけです。否定するのではなく、その事実を認めて反省すればよいのです。そこを出発点にして、同じような失敗は繰り返さないようにすれば、過去の不始末は許されると思います。後悔にとらわれていると、目の前のことから注意や意識が離れてしまいます。森田では目の前のことに注意や意識をフォーカスして行くことをお勧めしています。そのために、規則正しいルーティンワークを作り上げて実行していく。凡事徹底を心がけることです。雑事に一心不乱に取り組むことです。その中から気づきや発見を見つけ出すことが生きがいにつながります。4、諸行無常のことです。鴨長明の方丈記や平家物語に書いてある通りです。どうにもならない神経症的な不安は、持ち抱えたままにする。変化を読み、変化の波に上手く飛び乗って行くことを心がけることです。変化対応を軽視すると未来は開けてきません。不安は谷あいを流れる水のようにどんどん流して行くことを心がける。5、神経症の克服、神経質性格者の人生観の確立はすべて森田理論の中にあります。森田理論学習に取り組むことでものにすることができます。せめて1年間だけでも真剣に森田理論学習に取り組んでみましょう。その方法は生活の発見会の先輩会員が教えてくれるはずです。確実にものにするためには、仲間と一緒に学習していくことです。森田理論はそんなに難しいものではありません。理解できたら、自分の生活や仕事に活用・応用していくことです。くれぐれも宝の持ち腐れになりませんように。6、この世の中の出来事は何か偉大な大きな力が働いているように思います。そう考えている人は「サムシング・グレート」の存在を感じています。そういう人はとても謙虚で、「生きていること」「生かされている」ことに感謝しています。大自然や大宇宙に抱かれて悠然と生きていらっしゃるように感じます。こういう死生観をもつことで、その人の生き方が変わります。この考え方は、樹木希林さんや遺伝子研究の村上和雄氏から教わりました。
2023.02.18
コメント(0)
今や人生90年時代といわれるようになりました。定年を迎えた人や70歳を超えた人は、これからの人生を有意義に過ごすために、ある程度の指針を持っておいたほうがよいのではないでしょうか。歳をとってよかったこと、自覚しておいた方がよいこと、やった方がよいこと、やらない方がよいことをまとめてみました。まず歳をとってよかったことはどんなことがあるのか。仕事から解放された。家でゆっくりできる時間が増えた。仕事に伴う人間関係の軋轢がなくなった。健康維持を兼ねて、無理なく短時間の仕事をしている人が多い。医療費が安くなった。年金がもらえる。教育費がかからなくなる。住宅ローンが終わり、持ち家になった。好きなものを少量食べても十分満足できるようになった。ある程度貯えを持っている人が多い。これで万が一の時に備えている。多少なりとも子どもや孫に援助をするゆとりがある。毎日自由なことをする時間が格段に増えた。多彩な趣味、ボランティア、公民館活動、家庭菜園、加工食品作り、旅行、外食、居酒屋、芸術鑑賞、読書、楽器、カラオケ、料理教室、スポーツジム、景色を楽しみながらのハイキング、ペットを飼う、孫とのふれあい、友人たちとの集いなど楽しみがいっぱいあふれるようになりました。次に歳をとったとき、自覚した方がよいことをまとめてみました。良いにつけ悪いにつけ多くの人脈を持っていること。友人、師、集談会の仲間、配偶者、子ども、孫を持っていること。多くの成功経験や失敗体験を持っていること。仕事や趣味を通じて、それぞれ特殊な能力を身に着けていること。ある程度の財産を蓄積していること。良いものと悪いものの見分けがつくようになったこと。本物と偽物の見分けがつくようになっていること。決断する時、迷いが少なくなっていること。人生の楽しみ方のコツを会得していること。神経質性格者としての人生観を確立していること。歳をとったときになるべくやった方がよいこと身体の定期的な検査とメンテナンスをおこなう。軽い運動を心がける。ウォーキングなど。興味と関心のあることに、積極的に取り組む。たとえばスマホの使い方、男の料理教室、カラオケ、声楽、楽器など。近くの音楽会、コンサート、イベントなどに参加する。脳の廃用性萎縮を防ぐために日々感動体験をする。優れたテレビ番組を録画して後で視聴する。you tubeプレミアムの音楽を楽しむ。読書をする。日記を書く。自分史を作る。もしもの時を想定してエンディングノートを作っておく。墓じまいなども考えておく。実家の整理や処分。ペットや観葉植物など世話をするものを作る。自分の経験や知識や特技を公民館活動などで他の人に教える活動に取り組む。人の役に立つ活動に取り組み生きがい作りを心がける。不要になったものをバザーなどで人にあげる。集談会で神経症で苦しんでいる人の話をよく聞いてあげる。自分の成功体験や失敗体験を伝えていく。その他ボランティア活動に取り組む。歳をとったらやらない方がよいこと危険で過度な運動。趣味の範囲を越えたギャンブル、パチンコ、競馬など。過度な飲酒、夜間や雨降りの時の車の運転。電話は留守番電話にしておいて、見ず知らずの電話はとらないようにする。パソコンやスマホに届く不審なメールはすぐにゴミ箱に入れる。不急不要な高額な買い物はよく考えてからにする。配偶者をこき使わないようにすること。子どもや孫に過度にかかわらないこと。これらを参考にして自分なりにさらに考えてみましょう。また集談会などでテーマとして取り上げて話し合ってみるとよいと思います。
2023.02.17
コメント(0)
飛行機がなぜ飛ぶのかを考えてみました。推進力と揚力の2つが関係していることが分かりました。推進力はジェットエンジンやプロペラによってもたらされます。ジェットエンジンは圧縮されたガスや空気を高速で後ろに噴き出すことで生まれます。でもこれだけでは空を飛ぶことはできません。飛行機を空気中にもち上げることが不可欠です。これは航空力学の揚力理論を応用しています。飛行機に揚力をもたらすのは、胴体から左右に伸びた主翼です。主翼は、下面に比べて上面の空気の圧力が小さくなっています。この圧力の差をどんどん大きくして、重力よりも大きな揚力を発生させれば、機体は空気中に浮かびます。飛行機が自由自在に飛ぶことができるのは、推進力と揚力がセットになって、重要な役割を果していることが分かります。航空力学では、まず「推進力」を生み出すことが肝心ということになります。推進力は、エネルギーを投入して前に向かって動いています。動かないで、じっとしているだけでは推進力は得られません。そして推進力を維持し続けることも大切です。自転車でも上り坂で推進力が不足してくると前進できなくなります。「揚力」に対しては、地球の「重力」が立ちはだかっています。重力は巨大な力があり、人間は重力の影響から逃れることはできません。ところがこの揚力理論によると、推進力と揚力理論を組み合わせれば、巨大な重力にさからって、重い飛行機でも空中を自由自在に飛ぶことが可能になります。推進力と揚力理論の相乗効果は不可能なことを可能にしてしまうのです。私たちはこの航空力学の理論から大いに学ぶことがありそうです。「推進力」から学ぶことは、十分に思索・検討したことは、できるだけ行動に移していくことが大切だということです。考えるだけで何もしないというのは、注意や意識が内向化してきます。マイナス思考に振り回され、自己嫌悪、自己否定で苦しむことになります。気分はどうであろうとも、やむをえず、おっくうなまま、イヤイヤしかたなし、ビクビクハラハラしながら行動していく。森田理論でいう「凡事徹底」に取り組み、そこから問題点や課題を見つけだしていく態度が大切になります。「揚力」から学ぶことは、常識では不可能と見えるものでも、その多くはやり方によってはなんとかなるものが多い。すぐにあきらめてはいけないのです。どこかに打開策があるはずだという希望を持ち続けることです。たとえば、時と場所が変わると実現可能になるものがあります。あるいは、いろんな見方から眺めてみる。分析してみる。気にかけていると、突然アッと気づくことがあります。自分一人では皆目解決の見通しがつかないときは他人に聞いてみる。自分の能力が不足しているときは他人の力を借りる。一人で無理な時は人と協力して取り組む。何度失敗をしても、あきらめないで粘り強く取り組んでいくと、いつか「サムシング・グレート」のようなものが味方してくれると信じることです。そのうちきっとあなたの味方になってくれるはずです。「生の欲望の発揮」と「問題解決能力の向上」が、投げやりになりがちな人生を切り開いてくれます。そして人生の最終章を迎えたとき、感動と感謝の気持ちに包まれることになります。
2023.02.16
コメント(0)
岡田尊司氏は、この障害はおおむね次のような特徴があるといわれています。・負けず嫌いで、相手と敵対しやすく、けんか腰で張り合うことが多い。・自尊意識・プライドが高く、自分は特別な存在と考えている。・自分を評価して、一目置いてくれる人以外は基本的に受け付けない。・自分をからかう、無視する、非難、否定する人は許すことができない。・格下とみるとすぐに反撃する。・格上な人だと、以後その人を避けるようになる。・忠告や助言やアドバイスは自分に対する批判とみなす。・尊大・傲慢・自分勝手で自己中心的な言動をとりやすい。・他人に対して傾聴、共感、受容、許容、感謝の気持ちが持てない。・今のこの瞬間の損得にとらわれて、長期的視点に立てない。ここにあげられたことは多かれ少なかれ多くの人に該当すると思います。人間らしいとも言えますが、これが突出した場合の弊害は大きい。自分を中心にこの世は回っていると考えて行動するようになると、人様に迷惑が掛かりますし、自分も生きづらくなってきます。この障害を抱えている人はどんな心構えで生活していけばよいのでしょうか。まずその内容について学習し自覚を深めることが必要だと思います。この障害の特徴と弊害については、岡田尊司氏の「パーソナリティ障害」(PHP新書)、「パーソナリティ障害が分かる本」(法研)で詳しく説明されています。自覚が深まれば対策を立てることが可能になります。過度な自己主張を抑制するために、守らなければならないことがあります。自己主張したくなった時、最初に相手の気持ちや言い分をよく聞くことです。それがきちんとできたら、やっと自分の番がやってきたと考える。決して順序を間違えてはなりません。順序を間違えるとその後が滅茶苦茶になります。相手の気持ちや考えを聞くことを7割から8割、自分の気持や考えをしゃべることを2割から3割と心得た方がよい。そうすればやっと相手と自分の立場が縦の関係から横の関係に変わってくる。その時点でまともな人間関係が成立するということです。また相手の弱点や欠点、ミスや失敗があっても、信頼関係がない段階で、それを口にすることは控える必要があります。弱点や欠点、ミスや失敗を、ことさら大きく取り上げて、叱責、非難、否定すれば、相手は貝のように固く口を閉ざしてしまいます。そして反発するようになります。腹が立つことがあっても、感情と行動は別と心得てぐっと我慢する。耐える。しばらくすれば怒りの感情は薄まるかなくなっていきます。森田理論の「感情の法則」で指摘している通りです。相手の話をよく聞くことと相手を否定しないことは人間関係の基本になります。人間関係で苦しんでいる人はこの2つを実践するだけで、大きく改善できます。次に、愛情を注ぐ対象物を見つけて親身になって世話をする。幼い子どもがいれば、子育てに真剣に取り組む。親の介護が必要であればできる範囲で世話をする。犬や猫などのペット、インコや金魚やメダカなどの飼育を行う。観葉植物、野菜や果樹作りなどに取り組んでみる。町内会やマンションの管理組合の世話活動などに取り組む。集談会に参加されている場合は、世話活動に取り組む。岡田尊司氏は、配偶者や友人を選択する場合、同じ障害を抱えた人同士の場合は、さらに問題が大きくなるといわれています。相性が大事になります。現実的な問題処理を引き受け、対人関係を上手にこなすような相手を見つけ出すことです。思いやりがあり、献身的なサポートが期待できるような人です。マネージャ的存在をパートナーに得ると、水を得た魚のようになる。成功を収めた人は、そうしたマネージャー役の人物が、バックアップしてくれているそうです。パートナーを選び間違えると、衝突とすれ違いばかりが起こり、現実的な些細な事で本人を疲弊させ、伸び伸びとした能力の発現が抑えられてしまうことになります。
2023.02.15
コメント(0)
五木寛之氏のお話です。私はよく「他力」とはどういうものなのかを説明する時に、風にたとえます。海原に、エンジンの付いていないヨットが浮いているとします。動力源のないヨットは、風が吹かなければ動くことができません。私はこの風のことを「他力」、ヨットを自分自身だと考えています。風が吹いてくれれば走りだせますが、それまでは待つほかありません。ただ、風が来たらすぐ動けるように準備は必要です。まず、帆を張っていなければなりませんし、雲の様子を観察し、風が吹くと信じてそのチャンスを逃さぬよう待ち受けなければなりません。風の向きを予想して、帆を傾ける必要もあるかもしれない。帆の大きさを加減することも必要かもしれません。考えうる限り、できる限りのことをする。これらの努力が「自力」です。そして、自力を尽くしたら大自然の前ではもう何もできることがない。そうわかった時、その考えに気づいたということこそ「他力」の働きと言えるのではないかと思います。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、私はこれを勝手に読み換えて「人事を尽くさんとするは、これ天の命なり」としています。「人事を尽くそう」「精いっぱいやりきろう」そんなふうに思えたということ、それはなぜでしょうか。いつもなら、「面倒くさいから適当に済まそう」「無理だ、自分にはできない」、そんなふうに思うかもしれないのに、なぜか覚悟をきめられた、その点に注目したいのです。それこそ「天の命」ではないか。このように、自力と他力は相反するものではありません。他力とは自分を呼び覚まし、育むもの。また、自力をひっくるめてつつんでいくもの。私は他力とは「自力の母」だと思います。もう自力で思いつくことはやりつくした、またこれほど努力しているのになぜ報われないのか、そんな思いに囚われた時には、このことを思い出してください。そんな時こそ「他力」の風を感じられるチャンスです。(ただ生きていく、それだけですばらしい 五木寛之 PHP 研究所 87ページ)五木寛之氏の他力の思想は、遺伝子学者・村上和雄氏の「グレートサムシング」のことではないかと考えています。遺伝子は家を建てるときの設計図のようなものです。家を建てるために具体的に行動を開始しなければ、その設計図は眠ったままです。建設資金を用意し、工務店に発注すれば、その設計図は陽の目を見ます。このことを遺伝子のスイッチがオンになることだと言われています。一般的にそのスイッチの95%くらいはオフになっているそうです。遺伝子のスイッチをオンにするためには、目的に向かって行動を起こすことが欠かせません。そのあと成功するか、失敗するか自分では分からない。できる限りの努力をした後は、運を天に任せて待つしかない。つまり「グレートサムシング」の力に任せるしかない。人間のゲノムの解析はすべて終わっていますが、それを誰が、何の目的で作り上げたのか全く分からない。また遺伝子を組み替えることはできても、新たに作り出すことはできない。そこに「グレートサムシング」の意思が働いていると考えるのが妥当なのではないか。人間は「グレートサムシング」の後ろ盾を信じて、努力精進して生きていくしかない。
2023.02.14
コメント(0)
宇野千代さんのお話です。ものを書こうとするときには、誰でも机の前に坐る。書こうと思うときだけに坐るのではなく、書こうと思っていないときにでも坐る。この机の前に坐ると言うことが、小説を書くことの基本です。毎日、または一日の中に幾度でも、ちょっとでも暇のあるときに坐るというのではなく、毎日坐るのである。坐る、と言う姿勢が、あなたを規制します。不思議なことですが、ほんとうです。あなたは坐ったら、何をしますか。どうしても、何か書くしかないでしょう。この、毎日坐るということが、小説を書くことの基本です。何を書くかは、あなたが決定します。しかし、間違っても、巧いことを書いてやろう、とか、人の度肝を抜くようなことを書いてやろう、とか、決して思ってはなりません日本語で許された最小限度の単純な言葉をもって、いま、机の前に坐っている瞬間に、あなたの眼に見えたこと、あなたの耳に聞こえたこと、あなたの心に浮かんだことを書くのです。「雨が降っていた」、「私は腹を立てていた」、「また、隣の娘が泣いている」と言う風に、一字一句正確に、できるだけ単純に書くのです。あやふやな書き方をして、それで効果を出そうなぞと、そんなことは、決して考えてはなりません。素直に、単純に、そのままを書くと言うことが、第一段階の練習であり、やがて、大きなものが書ける基本です。(行動することが生きることである 宇野千代 海竜社 203ページ)宇野千代さんほどの小説家でも、仕事をする気にならないことはたびたびあったようです。そのとき気分に振り回されてはいけないと言われています。イヤな気分を持ったまま、机の前に坐る。これは森田でいうと、形から入るということです。「外相ととのえば、内相自ずから整う」ということです。その後は、巧い文章を書こうとしないで、見た通りの事実を書いていく。時間の経過とともに弾みがついてくることがあると言われています。イヤイヤ仕方なしの行動でも、行動しているうちに感情が動き出して、突然小説のテーマが浮かんでくる。さらに主題が明確になる。倉田百三氏は強迫神経症になり、小説が書けなくなりました。小説は強迫神経症が治ってから書けばよいと思っておられました。森田先生のアドバイスは、いくら強迫神経症で苦しくても、決して仕事を止めてはいけない。イヤイヤ仕方なく、ゆっくりでもよいから仕事を続けなさいと言われました。そんな状態で書いた「冬鶯」という小説は、後から読み返してもよい作品に仕上がっていたといわれています。この話は、不安、恐怖、違和感、不快感を持ったままでも、他人から評価されるような仕事をすることは十分可能だということです。
2023.02.13
コメント(0)
鍵山秀三郎氏は人間の幸せには3つがあるという。1、他人から何かをしてもらうということ。2、できなかったことができるようになるということ。3、他人を助けてあげる、親切にしてあげる、他人に手を差し伸べてあげること。(続・凡事徹底 鍵山秀三郎 致知出版社 154ページ)普通幸せというと、健康であること、基本的な生活が維持できていること、安心・安全な国に住んでいること、他人から評価されていること、人間関係が良好であることなどが思い浮かびます。鍵山秀三郎氏は、それとは違う幸せというものがあるといわれている。まず課題や目標に向かって努力しているときが幸せな状態である。さらに、人に喜ばれ、他人に頼りにされ、あてにされる。そういう人間になることが、人間の幸せの中の最高のものになります。日本人がみんな、「あげる幸せ」の世界に生きれば、この国は瞬く間によくなっていくと思います。私の感想です。課題や欲望に挑戦する生き方ですが、森田理論では生の欲望の発揮と言います。その中でも、日常茶飯事や日々の仕事の中で、問題点や改善策を見つけだして、行動することが大切だと思います。鍵山氏はトイレ掃除などの雑事に真剣に取り組むことが大事だといわれています。掃除は面倒なもの、わずらわしいものとして軽視するような人は、仕事で大きな成果は上げることはできないと言われています。鍵山氏は下村胡人の「平凡道を非凡に歩む」という考え方を粘り強く実践されて、行商の仕事から東証一部上場企業を育て上げられました。雑事や雑仕事に真剣に取り組む姿勢をおろそかにしていると、肝心なものがこぼれ落ちてしまうということだと思います。次に「人のために尽くす」生き方について説明されています。これが最高の幸せにつながるといわれています。私もそう思います。私はマンションの管理人をしていますが、この仕事は、小遣い稼ぎだという気持ちだけだと長く続くものではありません。何しろ掃除がメインの仕事ですから。私は仕事をするメリットは6つあると考えています。1、生活資金の足しになる。2、居場所や活躍の場を持つことができる。3、頭を使い、体を使うので、心身ともに健康体になれる。4、仕事を通じて人と話をする機会が持てる。5、仕事の中で問題点や改善点を見つけると、それが自分の生きがいになる。6、真剣に仕事に取り組んでいると、居住者や管理会社から評価されるようになる。仕事をする目標を6つも持っていると、多少つらいことがあっても、投げやりにならなくて済みます。鍵山秀三郎氏は、「人に喜ばれ、他人に頼りにされ、あてにされる」ようになることが、人間の幸せの中では最高のものだと言われています。これは、私が考えている6番目にあたる事だと思います。居住者や管理会社の人たちの「喜ぶ顔が見たい」という目標を持っているだけで、仕事に創意工夫が生まれてきます。感謝や驚きや感動の気持を与えることができれば、周り廻って自分が幸福な気持ちを味わうことができるようになります。
2023.02.12
コメント(0)
自分の人生を4つに区切って生活する考え方をご紹介します。第1期 0歳から23歳まで第2期 24歳から46歳まで第3期 47歳から69歳まで第4期 70歳から92歳までこれは92歳まで生きると仮定して、それを4つに分けてみたのです。具体的には23年を1期とみています。92歳以上長生きできたらおまけ、望外の喜びと考える。ホップ、ステップ、ジャンプと進んで、最後はまとめに入ると考える。400m走や競馬でいえば、第一コーナー、第二コーナー、第三コーナー、第四コーナーへと展開していく。それぞれの段階ではそれぞれの大まかな目標を持ち、それらを乗り越えて次の目標に移る。第4コーナーの位置取りが大事になると考えます。それぞれの期間はどんな目標が考えられるでしょうか。第1期は、身体作り、精神的な成長を目指す。自立に向かっての基礎作り。ミスや失敗は許される時期です。むしろミスや失敗を積み重ねて、試行錯誤を繰り返す方がよいと思います。興味や関心に沿った積極的な行動が、自分の財産になります。小さな成功体験を積み重ねることが大切です。第2期は、体力は有り余るほどある時期です。血気盛んで、やりすぎになることもあります。いよいよ社会に出て仕事をするようになります。仕事のコツが掴めない。人間関係がうまくいかなくて戸惑うことも多いと思います。自分の思いどおりにならなくて、自信喪失に陥ることもあります。ここで簡単にあきらめないで、粘り強くコツコツ研鑽を積んでいくことです。第3期は、第2期までの経験を踏まえて、大きく飛躍する時期です。イケイケドンドンの時期です。大きな社会貢献ができる時期です。成功体験が増えて、確信と自信が持てるようになる時期です。この段階では責任ある立場になり、後輩を指導する役割を果すことが求められます。仕事や付き合いを通して、自分なりの人生観を確立する時期です。第4期は、第一線からは引退します。心身の健康に留意して、人生を楽しむ時期です。そして今までの人生経験を総括する時期に入ります。自分史を作る時期に入るのです。エンディングノートいう人もいます。今までの人生を振り返り、後に続く人のために、自分の経験や知恵を伝えていく時期になると思います。公民館活動やSNSを活用すれば可能になります。それらを利用して、理想通りの人生を歩んだ人は、その成功体験をまとめていくことです。できるだけ成功のコツを伝授していきましょう。実際には、苦難の人生を歩んできた人が多いかも知れません。そういう人もまとめは必要です。成功体験よりも、むしろ失敗の体験の方が役に立つかもしれません。その苦悩の体験は次の世代の人にとっては貴重な財産となります。神経症体験を持っている人は、森田理論の学習の要点に「まとめのしかた」があります。その貴重な体験をぜひ苦悩している後輩たちに伝えていってほしいものです。
2023.02.11
コメント(0)
自己肯定感が持てないのは、「かくあるべし」を振りかざして、現実の自分を否定しているからではないでしょうか。否定する材料としては、容姿、性格、年齢、性別、能力、境遇、環境、国籍、人種、学歴、資格、役職、財産、不動産、両親、配偶者、子ども、仕事、行動、健康など人様々です。人と比較して見劣りすると判断した場合、自己嫌悪、自己否定に陥る場合が多い。完全主義やコントロール欲求の強い人は、上から下目線で現実を批判しますので、自己否定感で苦しむことになります。そういう意味では、自分という一人の人間のなかに、2人の人間が住んでいて、いがみ合っているようなものです。自己否定から自己肯定に切り替えるためにはどうすればよいのでしようか。1、他人と比較しない。2、過去の良かった時と、みじめになった現在を比較しない。3、「かくあるべし」を緩めて、「事実本位」に切り替える。4、自分が持っていないものをあまり深追いしない。5、自分が今持っているものを見直す。それを活かしていく方向を目指す。その際キーワードとして「今の自分、今自分が持っているものは、意外にいいかも」を使うというのは如何でしょうか。・意外に音感が優れているかも・意外とカラオケを上手に歌えるかも・意外と文章を書くのが上手かも・意外に絵画、似顔絵が上手かも・意外に分析力を持っているかも・意外に骨のある魚の食べ方が上手かも・意外に料理、洗濯、片付けが上手かも・意外に感受性が豊かかも・意外に好奇心が旺盛かも・意外に倹約家であるかも・意外に責任感が強いかも・意外に運転が上手かも・意外に小さな楽しみを見つけることが上手かも・意外と私の人生はよかったかも・意外と私と配偶者の相性はいいかも・意外と子どもたちは能力を持っているかも自分が持っているものを、持っていることが当たり前になってしまうと、まったく評価しなくなります。それは不幸なことだと思います。視点や見方を変えて、当たり前のことを高く評価できるようになると、自己の存在価値が高まってきます。そしてないものねだりはあまりしなくなります。今の自分や今持っているものに居場所や活躍の場を提供できるようになります。そういうパターンに入りますと、幸せが幸せを呼び込んでくるようになります。そのことを森田では「物の性を尽くす」と言います。
2023.02.10
コメント(0)
遺伝子研究の村上和雄先生は、よい遺伝子を目覚めさせるために実行できることには、次の6つが考えられるといわれています。1、どんなときにも前向きに明るく考える。2、思い切って今の環境を変えてみる。3、人との出会い、機会との遭遇を大切にする。4、感動する。5、感謝する。6、世のため人のためを考えて生きる。(スイッチ・オンの生き方 遺伝子が目覚めれば、人生が変わる 致知出版社 102ページ)1、つかれた、面白くない、忙しい、つまらない、ダメだ、今のままでいい、どうすることもできないなどとネガティブなことを考えていると、悪い遺伝子のスイッチがオンになってしまいます。面白そうだ、楽しい、うれしい、やってみたい、できそうだ、あれが好きだ、もしかしたらできるかも、ワクワクするなどというポジティブな言葉を使っていると、よい遺伝子のスイッチがオンになります。現実にはそうでなくても、そのようなふりをすることです。遺伝子は情報を伝えるとともに、タンパク質を作り出す役割を持っています。よい遺伝子がスイッチ・オンになると、それに向けて新しい機能を持った筋肉などを作り出してくれます。悪い遺伝子がスイッチ・オンになると、ガンなどの細胞を増やしてしまいます。5、ありがとうございます。いただきます。おかげさま。などの感謝の言葉を多用するとよい遺伝子のスイッチがオンになります。他人を非難、否定し、不平不満をこぼしている人は、悪い遺伝子のスイッチがオンになります。他人のよいとこさがし、感謝さがし、お役立ちさがしを肝に銘じて生活するとよいことが起きます。6、仕事をするということは、他人へのお役立ち行動です。人に言われたことをお金の為と仕方なしに取り組んでいると、仕事はつらいものになります。人の役に立つ仕事をしたい、人様に無上の喜びを与えたいと考えて取り組んでいると、よい遺伝子のスイッチがオンになります。また最初はつらくても我慢して、一心不乱に取り組んでいく。その中から目標や課題を見つけられるようになると、よい遺伝子のスイッチがオンになります。悪い遺伝子はスイッチ・オフのまま眠らせておく。過度につつきまわさないことです。神経症的な不安、恐怖、違和感、不快感などのことです。よい遺伝子は積極的にスイッチをオンにする。これは人間に意思の自由があります。積極的によい遺伝子のスイッチをオンにしていきましょう。何しろほとんどのよい遺伝子は、刺激を与えられることもなく、スイッチがオフになったままになっているのですから。
2023.02.09
コメント(0)
遺伝子研究の第一人者、村上和雄先生のお話です。ひとりの人間が持つ遺伝子は、22000個程度あるようです。遺伝子というのは高層ビルを建設する時の設計図のようなものです。設計図に基づいてビルは建てられています。これらの遺伝子は、常にすべてが活動しているわけではありません。22000個の電灯があると考えてみましょう。それぞれに、電球を灯すスイッチがあります。人は一生の間で、その都度必要な役割を持つ遺伝子のスイッチを入れたり、必要のないスイッチを切ったりしながら、生きているのです。一人一人の違いは、このスイッチを入れる順序やタイミング、パターンなどの違いによって生まれているのです。それでは遺伝子のスイッチは、何に影響されて入ったり、切れたりするのでしょうか。答えは「環境」だと考えられています。ここでいう環境とは、人体に対する外部からの刺激や変化の総称だと考えてください。たとえば、運動すると筋肉の量が増えます。これは、圧力や張力などの刺激を外から加えることによって、筋肉の生成に関わるタンパク質をつくる遺伝子のスイッチがオンになったためです。このような物理的な刺激に限らず、体内に取り入れた食物からの刺激、ショックや感動のような精神的な刺激などがきっかけとなって、遺伝子のスイッチのオン・オフが切り替えられているのです。(子どもの遺伝子 スイッチ・オン! 村上和雄 新学社 12ページ参照)これは驚くべき真実だと思います。このことが理解できると生き方が変わってきます。村上和雄先生によると、がんになる遺伝子、糖尿病になる遺伝子は誰でも持っているといわれている。それがスイッチオンになれば発病して甚大な影響が出てきます。しかし、刺激を与えないで、スイッチオフのままにしておけば病気にはなりません。神経症的な不安についても、不安をつつきまわしていると、遺伝子のスイッチがオンになり症状となって苦しむことになります。不安があっても、かかわりを最小限にとどめれば、スイッチオフとなって葛藤や苦悩に発展しません。そして、不安の裏側にある生の欲望を刺激していけば、スイッチオンとなり、味わいのある人生を送ることができるようになります。同じ神経質性格を持っていても、神経症になる人もいれば、神経質の特徴を活かして素晴らしい業績を上げる人もいます。スイッチの切り替えは人間の意思の自由があります。まず人間を窮地に追いやる遺伝子をオフにしておくことを心がける。次に人間に生きがいや潤いをもたらす遺伝子は積極的にオンにしていく。そのために普段心がけることをいろいろと提案されています。これについては、明日の投稿課題とします。
2023.02.08
コメント(0)
私は37歳で森田理論に出会いました。就職する前に森田理論を学習していたらと思うことがある。高良武久先生のいわれる適応不安が少なくなるのではないか。特に人間関係の持ち方、仕事に対する心構えがしっかり持てたのではないか。森田理論は学校教育の中で選択科目として位置付ける必要があるのではないか。特に神経質性格を持っている人や雑多な社会体験が不足している人は必須であると思う。さらに愛着障害、パーソナリティー障害を持っている人にも大いに役立つはずだ。私が森田理論を学習して学んだことは次のようなことです。人間関係・・・人間関係のコツは「不即不離」にある。・引っ付きすぎない、離れすぎない人間関係を心がければよい。・必要な時、必要に応じて、必要なだけが基本である。・どちらかに片寄るといずれ問題が出てくる。・自己主張する前に、相手の欲求や気持ちをよく聞くこと。・よく聞いて理解できたら、自分の欲求や気持ちを伝える。・食い違いがあれば対等の立場で妥協点を求めて話し合いを行う。・相手の言動を非難、否定しない。不平不満を言わない。・笑顔での挨拶を心がける。・葬式には必ず参列する。・相手のよい面を探して評価するようにする。・相手の親切に対しては感謝の気持ちを伝える。・相手の役立つことを見つけてお役立ち行動をとる。仕事・・・仕事は人生の3分の1を占めているので、仕事が苦痛というのは、生きていくことが苦しくなる。この問題の解決のヒントを森田からもらえました。最初は上司の指示や命令で取り組むことになる。最初はイヤイヤ仕方なくの仕事ぶりでも何ら問題はない。この状態がいつまでも続くことが問題なのである。それを打ち破るコツは、目の前の仕事に一心不乱に取り組むことである。森田では物そのものになりきると言います。特に雑仕事に丁寧に取り組むことが大切です。そうすれば、仕事に追われるのではなく、仕事を追っていけるようになるというのが私の実感です。その中から、問題や課題を見つけ出すことができるかどうかである。すると改善点やアイデアや工夫が出てくるようになる。つまり仕事に対する意欲が出てくる。取り組み方が変わってくる。そこで頭を使えば、生産的、建設的、創造的な仕事になる。結果としてこれが天職だったという気持ちになる。仕事は他の人へのお役立ち行為である。お客様の喜ぶ顔が見たいということを最終目的にすると、世の中で認められるよい仕事になる可能性が高まる。仕事は自分と家族の生活を守る側面がある。苦しいときは、基本的に月給鳥という鳥になってせっせと餌を運んでいく。良好な人間関係を楽しむために仕事をしているわけではないという認識を持つ。仕事にはミスや失敗はつきものである。ミスや失敗をしたらごまかす、言い訳をすることはご法度である。その事実を認めて早く報告する。そして早く事後処理にあたる。ミスや失敗を数多く経験することは、決して無駄ではない。自分という人間の器を大きくしてくれているのだと心得る。神経質者が中間管理職になったら、マネージメントの基礎を学習して応用するようにする。ここでの怠慢は後々禍根を残して後悔することになる。我流では部下の信頼は得られないことを肝に銘じておく。
2023.02.07
コメント(0)
私は以前とは違う棟でマンションの管理人をしています。今度は定年はありません。体の続く限り働くことができます。ちなみに私の知り合いで管理人の仕事を5人ほどしています。仕事時間は13時から18時までの5時間です。以前の会社は9時から17時までの7時間だった。仕事量を少なくして自分の時間を増やしました。午前中の自由時間が取れたことがよかったです。勤務時間に合わせて、時間の使い方を大きく変更しました。今日は私の時間の使い方を紹介してみたい。6時20分から8時までは、このブログの投稿原稿の作成のために使う。8時から9時までは、朝食、着替え、洗面、観葉植物の手入れなど。9時から12時までは基本的には自由時間です。この時間帯は、まず、高知のしば天踊り、ストレッチ、ダンベル体操、正座瞑想、ドジョウ掬い、傘踊りなどの練習を行います。その他に用事があるときはこの時間帯を利用している。特段の用事がない時は、読書をする。ブログのネタ集めをするのである。同時にyou tubeプレミアムの広告なしの音楽を楽しんでいる。それも11時過ぎには切り上げている。その後はカラオケやサックスの練習、掃除や整理整頓などに取り掛かる。11時50分から昼食を済ませ、12時20分にはバイクで職場に向かう。13時から仕事が始まる。仕事も時間によって大きく3つに分けている。13時30分から16時までは窓口業務、巡回、点検、清掃等の仕事。16時から16時40分のその日気づいた課題や事務関係の仕事。17時から17時30分の2回目の巡回の仕事。その他の空き時間は事務所内で受付や別の仕事を行う。ルーティンの仕事の中で問題点や課題を見つけるようにしている。見つかればすぐにメモして忘れないようにする。そして実行に移す。これが仕事を面白くすることにつながると思っている。家に帰るのは18時40分くらいになる。その後晩酌を兼ねての夕食をとる。しばらくして眠くなった時はしばらく仮眠をとることもある。21時30分くらいからまた読書をする。23時から風呂に入って、23時30分くらいから就寝する。この生活をバックアップしてくれている妻には大変感謝している。心がけているのは、毎日決まった時間に同じことを行うことです。ルーティンの中で課題や楽しみをたくさん見つけることを目指しています。時間はおおむね30分で区切りをつけることを意識している。頭を使うことをしたら、今度は手先や体を使う。森田の「物の性を尽くす」という考えを応用して、「時間の性を尽くす」ことを意識しているのである。私の生活ぶりを見てせわしないという人がいた。私は人が言われたことではなく、自分のやりたいことを自分で見つけてやっているので、つらいとか嫌だとか思ったことはありません。自己内省することが少なくなり、生活がリズムを刻んで淡々と流れていくので、むしろ爽快である。土曜日、日曜日、祝日は気持ちを入れ替えて、主に田舎での農作業などに取り組んでいる。そのほか小旅行、カラオケ、買い物、飲み会、趣味の会の練習などで気分転換を図っている。土日にやるべきことは、月曜日から金曜日のあいだにリストアップしているので、10個くらいはだいたい持っている。森田のおかげで生活の好循環が習慣化されてきた。日々小さな楽しみや感動で一杯である。
2023.02.06
コメント(0)
臨床心理士の杉山崇さんのお話です。人は「想定外」に弱い生き物です。私たちの心は、周りが「想定通り」かどうかをモニタリングするために進化したと考えられています。だから「想定外」に対しては、まずは拒絶反応を起こすのです。(許す練習 杉山崇 あさ出版)「想定外」というのは、このような最悪の事態が起きるとは考えていなかった。森田でいう予期不安が全く湧いてこなかったということになります。まさかこんなことがおきるなんて心外だ。ありえないという気持ちです。「想定外」のことが起きると、無意識のうちに拒絶反応が起きています。あるいは茫然自失状態に陥ります。昨年のハロウィンナイトでは、韓国で多くの人が亡くなりました。警察ではまさかそんな事態になるとは想定できなかったと言われていました。危機意識がなかったので、警備対策の立てようがなかったのです。神経質な人は想定外のことに比較的よく気が付きます。神経質者は高性能のレーダーを標準装備しているようなものだといわれます。つまり小さな不安、恐怖、違和感、不快感などを普通の人よりもより多く、より強くキャッチします。神経質性格者は、多かれ少なかれ「想定外」の事態を予測できる特徴を持っていると思います。これは優れた能力だと思います。神経質以外の人で欲しい人がいても簡単に手に入るものではありません。我々は生まれながらその能力を持っているのです。そのおかげで、命に係わる難病、生命の危険、生活破綻に追い込まれることが少なくなっているのではないでしょうか。神経質の人が問題なのは、「想定外」のことに気づいても、逃げることを優先して、活用することをおろそかにしてしまうことです。予期不安を宝の持ち腐れにしないためにはどんなことに取り組めばよいのか。まず不安の中身を2つに分けることが大切になると思います。不安には現実的な不安と神経症的な不安の2つがあります。現実的な不安は不安の解消に向けて対策を立てて実行に移すことです。たとえば、地震や土砂災害の危険性を感じたらすぐに手を打つ。妻子がいる人が生命の不安を感じたら生命保険、損害保険に加入する。現実的な不安に対応すると、リスクの軽減につながります。一方神経症的な不安への対応方法は180度違います。森田理論で学習したように、神経症的な不安は欲望の反面として湧き上がっているものです。たとえば人から高く評価されたいと思っている人は、もし失敗したらどうしようという不安が同時に発生します。この場合は、不安を取り除いてから、本来の目的に向かおうと考えてはなりません。不安を携えたまま課題や目標に取り組むことが大切になります。そうすれば不安が行き過ぎを抑制してくれますのでバランスが取れてきます。神経質性格の人は、予期不安に絶えず振り回されているわけですが、不安を2つに区分して、それぞれ対応を変えることが大事になります。
2023.02.05
コメント(0)
森田先生の「人生は調和である」というお話です。宇宙の現象は、すべてただ、発動力と制止力とが、常に平衡状態にあるときにのみ、調和が保たれている。天体にも物質にも、引力と斥力とがあって、その構造が保たれ、心臓や消化器にも、亢奮神経と制止神経とが、相対峙し、筋肉には、拮抗筋の相対力が作用して、はじめてそこに、適切な行動が行われている。われわれの精神現象も、けっしてこの法則から離れることはできない。私はとくにこれを精神の拮抗作用と名づけている。欲望の衝動に対しては、常にこれに対する恐怖・警戒という抑制作用が相対している。欲望の衝動ばかりが強くて、抑制力の力が乏しければ、無恥・悪徳者・ならず者となり、欲望が乏しくて、抑制力ばかりが強ければ、無為無能・酔生夢死の人間として終わる。この衝動と抑制とが、よく調和を保つときに、はじめてその人は、善良な人格者であり、その衝動が強烈で、したがってその抑制の剛健な人が、ますます大なる人格者である。(現代に生きる森田正馬のことば2 白揚社 261ページ)森田先生によると精神拮抗作用は宇宙の原則として働いている。自然の一部である我々人間もその原則から逃れることはできない。ところが実際には神経症的な不安に振り回される。あるいは本能的な欲望の暴走が止まらない。どちらかに偏っていて、調和、バランスがとれているとは思えない。これは調和、バランスをとり、それを維持するためには、人間の意志の力が必要になるということではなかろうか。意志を持ち、努力しなければ調和やバランスのとれた考え方や生活は絵に描いた餅になってしまうということだろう。分かりやすい例ではサーカスの綱渡りの芸を見るとよく分かります。絶えず微調整を繰り返している。調整に失敗するとすぐに落下してしまう。調和、バランスをとる考え方は森田理論を学習することが有効です。不安と欲望、神経質性格の特徴などを学習すればよく分かります。精神拮抗作用が正常に作動していれば、神経症に陥らないように思います。神経症的な不安が湧き上がってきたとき、これは欲望の裏返しとして湧き上がってきたものだという認識があれば、過度に不安に振り回されることはなくなるはずです。森田理論でそのからくりを理解していないと、益々不安と格闘することになります。そのからくりが分かっていると、不安を抱えたまま、生の欲望の発揮の方向に転換することが可能になります。またアルコール依存症、ギャンブル依存症、ネットゲーム依存症、買い物依存症などの欲望の暴走が起きないように抑止力が働きます。これは初期のうちに作動しないと、効き目がありません。仕事や人間関係のストレスを減少させることも必要です。同時に、森田理論の精神拮抗作用を学び、生活に応用することが大切になります。脳が快感を覚えてしまうと、神経がマヒして抑止力は働かなくなります。初期の段階で抑止力を効かせることが肝心です。一旦依存症に陥ってしまった人は、自助組織に所属し、医療の力を借りないと立ち直れません。立ち直っても、信頼できる人から強制力を持って制御してもらわないと、欲望の暴走は止まらなくなります。
2023.02.04
コメント(0)
綾小路きみまろ氏のお話です。人間が生きている限り不安はつきものだと思います。だけどそれは決して悪いことではなく、むしろあって当たり前だと思います。なぜ心に不安が生まれてくるのかといえば、それは自分に欲望があるからなんです。欲望という言い方が気にいらない人は目標という言い方に置き換えてください。不安というと、どこか暗いイメージがありますが、その対極には必ず期待という要素があるはずです。こちらはかなり明るいイメージですよね。これがあるから、がんばろうという気にもなるし、「もっと自分を磨いてみようか」などと高尚なことも考えるようになる。不安と期待を抱えながら、欲望に向かって歩いているのが人間ではないですか。潜伏していた期間に漫才ブームやお笑いブームが何度か訪れました。なぜか私はブームに乗れなかった。「努力はしているのに、なぜ報われないのだろう」と焦っていた時期もあります。「好きで選んだ道だし、しゃべりで生きていくという当初の目標はかなえられたのだから、よしとしよう」と、ほどほどの満足を得たときには、焦りや不安は消えていましたね。この「ほどほど」で満足するってことが、不安をやっつけるには大切なのかもしれません。そのうち漫談を録音したテープを作り、高速道路のサービスエリアで大勢の人を乗せてやってくる観光バスを待ち伏せし、無料でテープを配り始めました。私の漫談の評判は口コミであっという間に広がっていきました。50歳を超えてやっとブレークできたのです。(60代からもっと人生を楽しむ人、ムダに生きる人 PHP研究所 62ページ)綾小路氏は森田理論のポイントをつかれておられると思います。・不安の裏には欲望、目標、期待がある。不安よりも欲望、目標、期待に焦点を当てる方がよい。・欲望は無制限に追い求めてはいけない。欲望を抑制して「ほどほど」を目指すと不安が消えてくる。・途中であきらめてはいけない。真摯に取り組んでいると、いつか花開く時があると信じて、投げださないようにする。かならずしも成功するとは限らないが、途中で投げ出してしまうと、決して目的を達成することはない。課題や目標が見つけられないと、生きている意味を見失ってしまう。目先の刺激的な快楽ばかりを追い求めるようになると、そのときは一瞬だけ元気になるが、トータルで見ると虚しい人生になってしまう。
2023.02.03
コメント(0)
村上和雄氏のお話です。人と話をしていると、あれこれできない理由をいいだす人がいます。できない理由を探す人には、2つの特徴があります。ひとつは、余分な知識がある人です。余分なことを知っているから、これはできないとハナから決め込んでしまいます。もうひとつは、自分の中に限界を設けてしまう人です。自分には才能がない、成功する可能性がないと限界を設けてしまって、チャレンジすることをやめてしまいます。「できない」を「できる」にするためには、誰にでも未知の可能性が秘められているということを信じることです。その遺伝子のスイッチをオンにすることができれば、誰もが自分なりのゴールに近づくことができるのです。できない理由を考えるよりも、どうすればできるかを考えるようにしましょう。(望みはかなう きっとよくなる 村上和雄 海竜社 112ページ)できないという先入観や思い込みの強い人、できるはずがないと最初から決めつけている人は、行動することを躊躇します。また、たとえ目標や夢を持ったとしても、壁や問題点にぶつかると、すぐに断念してしまう人も同じようなものです。村上先生は、こういう人は、目標に近づくための新しい手法や方法を探ることが大事になると言われています。どういうことでしょうか。今日はこの問題を取り上げてみたいと思います。研究者の世界では、新しい実験手法が出てくることが、それまでできないと思っていたことを打開する一つの有力な手段になります。最近のノーベル賞の傾向は、新しい手段の開発に貢献した人に与えられるケースが少なくありません。それによってこれまで無理だと思われていた研究が大きくジャンプするからです。人間は課題や目標を持って生活することが大切だといわれます。意欲が生まれなければ目標に挑戦しようという気持ちにはなりません。しかし、それだけではどうも心もとない。手段や方法を開発していくことが、目の前の壁を乗り越えたり、弾みをつけて前進することになると言われているのです。早速森田理論に照らし合わせて考えてみましょう森田理論のなかに両面観という考え方があります。壁にぶつかって動きが取れなくなったとき、両面観や多面観を活用すると打開策が見つかることがあります。村上先生の考え方は、森田でいう両面観のことではないでしょうか。次のように、視点を変えることができれば問題解決のヒントにつながります。・自分一人で無理なら、他人の智恵と力を借りる。・専門家の意見を聞く必要があるなら専門家に依頼する。・時期が悪ければ、適当な時がくるまでじっと待つ。・資金が足りなければ、先に資金を作る。・やり方が悪ければ、やり方を変えてみる。・今とは逆の立場に位置を移動してみる。また、視点を変える方法には、鳥の目で見る、虫の目で見る、魚の目で見る、コウモリの目で見る方法があります。鳥の目・・・地上から空に舞い上がり全体を見るようにする。虫の目・・・今一度問題点を掘り下げて考えてみる。魚の目・・・周りの状況や流れを分析してみる。コウモリの目・・・順序や上下ひっくり返して違う角度から見てみる。ダメだ、もう無理だ、限界だとすぐにあきらめてしまうのはもったいないと思います。そんな時こそ、神経質性格の執着性を活かしていくべきだと思います。そして両面観を活用して、ゼロベースで改めて見直してみると、案外意外なところから打開策が見つかることがあるのではないでしょうか。
2023.02.02
コメント(0)
肩の凝る話が続いております。ユーモア小話で肩の力を抜いてください。ある夫婦には、3人の子どもがいて、そのうち二人は頭脳優秀でとてもよい子だった。しかし、残る一人だけが容姿も他の二人と違い、あらゆる面で、できが悪かった。そのような中、妻が大病を患い、余命いくばくもなくなった。子どもの母親である妻に、夫は意を決して真相をたずねた。「おまえは本当に俺によくしてくれた。しかし、一つだけ聞きたいことがある。恨まないから本当のことを教えてくれ。あの末っ子だけができが悪いのはおかしい。本当に俺の子どもだろうか」すると妻は迷った末に、こう答えた。「ごめんなさい、あの子だけがあなたの子です」(遺伝子が目覚める瞬間 スイッチ 村上和雄 サンマーク出版 26ページ)この話でフーテンの寅さんを思い出しました。美人で気立てのよい妹さくらとは似ても似つかない兄妹。それもそのはず寅さんとさくらさんは異母兄妹だった。
2023.02.01
コメント(0)
ハーバード大学のエリオット総長は、「成功への習慣」と題した講演のなかで、次のような話をされている。『小学校で、いわゆる「落ちこぼれ児童」が出るのは、初期の段階で生徒がこなせる量の課題を与えないからです。つまり「成功の感触」を掴むチャンスを与えなかったからです。学校生活の初期に成功を経験しなかった生徒は、「成功の習慣」を身につけるチャンスが与えられなかったことになるのです』小学校の低学年のときに、生徒が成功を体験できるように学科・科目の内容を調整するのは、先生の重要な役目です。それは、生徒が容易にこなせるもので、興味をおこさせるもののほうが効果的です。「こうして得た小さな成功が、『成功感』を与え、それはその生徒の人生における良き伴侶となります」ちょっとしたことに成功すると、大きな仕事にも「成功感」をもち越せます。その意味では、まず小さな目標をたててそれを達成したら、次にもう少し大きな目標をたてて・・・、といった具合に段階的に目標を大きくして、それを達成する方法は、上手なやり方と言えましょう。「失敗は成功の母」と言いますが、「成功は成功の母」「一事なれば万事なる」とも言えます。(自分を動かす マクスウェル・マルツ 知道出版 204ページ)小さな成功体験を積み重ねると、一回り大きな人間になれます。自己信頼感、自己信頼感が持てるようになります。何事にも意欲的で、積極的な行動ができるようになります。小さな成功体験は子どものうちからより多く蓄積していくことが大切です。親は子どもが好奇心や興味や関心を示したものは可能な限り応援してやりたいものです。また家事なども社会体験の一環として、取り組ませることが有効です。人間関係は子どものうちから様々な人と触れ合う経験が大切です。可能な限り自然と触れ合うことも大切です。神経質性格者の場合は、雑多な社会体験が不足していると言われます。小さな成功体験が不足したままで大人になってしまったのです。何をするにも自信が持てない。自己肯定感が持てない。ひとつのミスや失敗が、すぐに自分の一生を左右してしまうかのような大きな問題に膨れ上がってしまう。成功体験が不足している人は、これからどんどん蓄積していくことをお勧めします。森田では、雑事や雑仕事、日常茶飯事に丁寧に取り組むことをお勧めしています。凡事徹底に取り組むことで、成功体験を積み重ねることができます。それが積み重なると自己信頼感、自己肯定感が持てるようになります。凡事徹底はやる気になれば誰でもできます。それを習慣として定着させて、継続していくことが大切です。とにかく成功体験の数を増やすことを心がけることです。小さな喜びや感動を数多く味わってください。集談会に参加している人は、世話活動に取り組むのが有効です。世話活動というのは星の数ほどあります。世話活動に、真摯に取り組むことで、成功体験はどんどん増えてきます。私はここで自信をつけて、仕事に応用して成功した経験を持っています。集談会ではミスや失敗があっても大目に見てもらえます。ここでの経験が、社会に出たときに大いに役立つことになります。
2023.02.01
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1
![]()

