全31件 (31件中 1-31件目)
1
長野県でのまだ記憶に残っている出来事と言えば、長野オリンピックと田中康夫氏が知事を務めていたことであろう。この二つの出来ごとをモチーフにした浅見光彦シリーズの旅情ミステリーが「長野殺人事件」(内田康夫:光文社)である。 内容の方を、簡単に紹介しよう。区役所の税務課に勤める宇都宮直子は、税金の督促に訪れた相手の岡根から、長野県出身ということで分厚い角封筒を預けられる。岡野は、長野県知事の秋吉の元ブレーンだった男だ。封筒には、知事を追い落とそうとする者たちとっての不都合な真実があった。そして、岡根が長野県で殺される。光彦は直子の夫と大学時代の友人だったことから事件を調べ始める。 ところで、内田康夫氏の作品で、長野県と言えば、内田作品のもう一人のスター、「信濃のコロンボ」こと竹村警部を思い出す。実はこの作品は、光彦と竹村警部の共演が売りの一つなのである。しかし、残念なことに、他の浅見光彦シリーズに出てくる警察関係者と同じ程度にしか存在感がなく、竹村警部ファンには、少し期待外れかもしれない。 今回は、いつものような旅情はあまり感じられず、長野県政に関する作者の憤りのようなものが、そこかしこから噴き出しているような社会派ミステリーとなっている。思い入れが強い分、従来からのファンには受けが悪くなっているようだ。○応援クリックお願いします。 ○長野と言えば「りんご」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 31, 2008
コメント(10)
岡山のヒーローといえば、なんといっても桃太郎。 写真は、JR岡山駅前にある桃太郎の像。 犬、猿、キジのお供も付いている。○応援クリックお願いします。 ○泊まったのは、アークホテル岡山風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 30, 2008
コメント(12)
またまた夜の駅シリーズ。今日は、夜のJR岡山駅。 岡山市の表玄関だ。岡山市は、近々政令指定都市に昇格予定だ。○応援クリックお願いします。 ○泊まったのは、アークホテル岡山風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 29, 2008
コメント(2)
だいぶ前に「魍魎の匣(1)[コミックス版]」についての記事を書いたが、今日は「魍魎の匣(2)[コミックス版]」(京極夏彦/志水アキ:角川書店)の紹介である。○「魍魎の匣」(1)(2)(京極夏彦/志水アキ:角川書店) 今回は、いよいよ真打登場ということで、主人公の京極堂こと中禅寺秋彦の登場である。最近、小説の方の京極堂シリーズも長い間読んでいないので、すっかり主人公の名前を忘れてしまっていたが、久しぶりにこの名前を目にして少し懐かしい。今回は、京極堂の知人(京極堂は友人とは言いたくないらしい)の関口と雑誌編集者の鳥口が京極堂を訪ねるところから始まる。関口が鳥口に、京極堂を評して、恨めしげ芥川龍之介の幽霊のような怖さ」と言っていたが、関口に会っていきなり、「僕ぁてっきり君はどこかでのたれ死んだものと思っていたよ」となんとも京極堂らしく辛辣だ。絵柄の方もいかにも京極堂らしさがでており、いい雰囲気である。 また、この巻には、もう一人の京極堂シリーズの重要人物である探偵榎木津礼次郎も出てくる。小説を読んだ時は、彼の傍若無人ぶりから、勝手に野性味たっぷりの探偵をイメージしていたが、この漫画に描かれている榎木津は、どこかの王子さまのような美青年ぶりだ。実は、こっちの方が原作どおりなのだが、あまりにも行動がハチャメチャなので、違う姿が頭に描かれてしまうのである。この巻では、まだ榎木津はおとなしいが、これから大暴れをしてくれることだろう。 この作品で、京極堂が説明している、宗教家、霊能者、占い師、超能力者の違いというのが面白い。文章だけを読んでいたのでは、なかなかすっと頭に入ってこないが、絵にすると、非常に分かりやすい。 これで、おもな登場人物は揃ったが、事件の方は、ますます混乱を極めており、この後の展開に期待を持たせるものとなっている。○応援クリックお願いします。 ○「魍魎の匣」の記事はこちら○「魍魎の匣(1)[コミックス版]」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら***** 追伸 ***** 出張のため、コメント等のお返事は、30日の夜以降になりますので、よろしくお願いします。
October 28, 2008
コメント(12)
隠岐の西郷港付近で一番目につく建物が、「隠岐ポートプラザ」である。この写真ではよく分からないが、隠岐名物の「牛突き」をイメージして設計されたらしい。ここは、私たちの泊まった「隠岐ビューポートホテル」と、隠岐に棲む生物の生態が学べる「隠岐自然館」が入っている。残念ながら、仕事で行っているので、私がフリーとなる時間には閉館しているため、「隠岐自然館」に入ることはできなかった。○隠岐ポートプラザ○隠岐ポートプラザ入口 こちらが、西郷港近くにある「隠岐しげさ節」のレリーフ。初めて聞いたが、民謡の世界では結構有名なようで、ネットで調べてみると、全国大会も開かれているらしい。○隠岐しげさ節のレリーフ(続く)○応援クリックお願いします。 ○隠岐旅情1(いざ隠岐の島へ)の記事はこちら○泊まったホテル「隠岐ビューポートホテル」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 27, 2008
コメント(10)
韓国の珍島(チンド)という島には、珍島犬という固有の犬種がいるという。珍島は、朝鮮半島の西南端部に、本土とわずか300mの鳴梁海峡で隔てられているが、珍島大橋という橋によって連絡されているようだ。珍島犬は、日本でいえば、秋田犬や紀州犬のようなものだ。中型犬なので、大きさからは、紀州犬の方がより近いかもしれない。 今日は、その珍島犬を主人公とした「帰ってきた珍島犬ペック」 (宋在賛/宋珍憲:現文メディア/理論社)という本の紹介である。「韓国人気童話シリーズ」の3巻目にあたり、実際にあった話をもとに童話化したものである。なお、この本も、出版元の現文メディアさんから献本いただいたものであり、この場を借りてお礼申し上げます。○ 「帰ってきた珍島犬ペック」(宋在賛/宋珍憲:現文メディア/理論社) このお話の主人公は題名から分かる通りペックという珍島犬である。珍島で、飼い主のおばあさんとその孫娘のソヨンといっしょに仲良く暮らしてたが、おばあさんの息子夫婦の経済状態が悪くなり、300kmも離れた大田(テジョン)に売られてしまう。新しい飼い主にもかわいがられたが、最初の飼い主が忘れられず、飢えやオオカミ、悪意のある人間といった苦難を乗り越え、おばあさんのもとに帰ってくるのである。もちろん、ペックが実際にどんな冒険の果てに、おばあさんとソヨンの許にたどり着いたかは、当のペックのみぞ知るといったところだが、作者は、想像の翼を大きく広げ、うまく童話として感動的な話にまとめあげている。 遠く離れた主人の許に、はるばる帰り着いた犬の話は、我が国でも聞いたことがある。犬の帰巣本能といってしまえば、それまでだが、どの犬でもできるようなものではない。合法的に売られていった以上、法律的には、ペックの飼い主は、大田に住むテボム一家のはずである。しかし、それはあくまで人間側の都合である。ぼろぼろになりながらも、自分が決めた主人の許をひたすら目指すペックの姿は私たちの胸をうつ。 また、この作品は、当ブログに目をとめていただき、現文メディアさんの本を献本していただくきっかけを作っていただいた榊原咲月さんが翻訳しておられるが、翻訳ということを感じさせないきれいな日本語で、違和感なく読むことができることも付け加えておこう。 最後に、私の方針というよりは、礼儀として、献本いただいたものは、原則レビューを、なるべく早く、当ブログに掲載することにしているが、多忙にまぎれ、遅れ気味となっているものがあることをお詫び申し上げたい。○応援クリックお願いします。 ○「心に刺さったガラスの破片 - 韓国人気童話シリーズ 2 -」の記事はこちら○「チャリンコ・ヒコーキ・ジャージャー麺 - 韓国人気童話シリーズ1 - 」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら***** 追伸 *****にゃんこ好きの方には、「図書館ねこ デューイ」という本のレビューを「本の宇宙(そら)」の方に掲載しています。 ⇒ こちら
October 26, 2008
コメント(10)
夏前に、仕事で隠岐へ行ったが、やっとその時の記事である。隠岐は、その時が初体験だったが、観光で行った訳ではないので、往復途上で見かけた珍しいものや、夕方散歩がてら、港の周りをうろついていた時に見かけたものを紹介しよう。 ところで、隠岐と言えば島根県の沖約50kmに浮かぶ島である。大きく島前と島後に分けられる。小さなものまで合わせると180もの島々から成り立っているが、おもな島は、島前が知夫里島、中ノ島、西ノ島の3島、島後が島後島の1島である。かっては、遠流の島としても知られ、後醍醐天皇をはじめ多くのやんごとなき人々が流されている。 さて、隠岐への行き方であるが、広島からだとまず長距離バスでとりあえず松江駅まで行く。そこから、連絡バスに揺られて1時間弱で、松江市美保関町にある七類港までたどり着く。そこから、高速船かフェリーで隠岐へ向かうのだ。 ところで、七類港にはメテオプラザという施設が隣接している。写真に写っている先のとがった建物がそうだ。美保関いん石が展示されているほか温海水プールなどもあるらしい。○七類港○高速船レインボー号 隠岐は、道後にある西郷港に到着。○隠岐西郷港(続く)○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 25, 2008
コメント(14)
最近、ちょっとしたマイブームになっているのが、樋口有介による「柚木草平シリーズ」である。当ブログの貴賓館「本の宇宙(そら)」の方では、既に、シリーズの中から2作品ほど紹介しているが、こちらの本館ブログの方には、初登場である。 このシリーズは、元警官で、刑事専門のフリールポライターの柚木草平が、アルバイトの探偵稼業でいろいろな事件を解決していくというものだ。この柚木、とにかく女好きで、女性に対すると、歯の浮くようなセリフが次々と自然に出てくるようなタイプだ。ところが、この台詞が、独特のテンポで、なかなか面白い。そのくせ、どこか女性に対して辟易しているようなところがあるのだ。 今回紹介する「刺青(タトゥー)白書」(樋口有介:東京創元社)は、やはり「柚木草平シリーズ」の一つであるが、外伝といった感じのもので、柚木は、少し後ろに下がって、主人公を、ちょっと変わった女子大生の三浦鈴女(スズメ)、愛称スズメちゃんが演じている。天然のぼんやり屋さんで、小学校のころ、自分をいじめていたという同級生が謝りに来るまで、自分がいじめられていることにきがつかなかったというエピソードがあるくらいだ。化粧っ気もなく、服装も実用本位で、度の強いメガネをかけているが、実は美人のようで、(本人は意識していないようだが)中学の同級生の左近万作から、コンタクトにしないことを、「ちゃんと美人なのにもったいないな」などと言われている。感性の方も、ちょっと変わっていて、何しろ卒論のテーマが、「江戸時代における春本の社会学的効用」だそうだ。しかし、ぼんやりしているようで、なかなか鋭いところもあり、この作品では、立派に主人公として活躍している。○「刺青白書」(樋口有介:東京創元社) スズメがたまたま街であった、中学時代の同級生・伊藤牧歩は、見違える位に華やかに変貌していた。アナウンサーとしてテレビ局への就職が決まったという。そして、牧歩といっしょにいた、中学時代の野球部のエース・左近万作は、不良のような風体になっていた。とこらが、得意の絶頂だった牧歩が、隅田川で水死体で見つかる。その数日前には、やはり中学のころの同級生で人気アイドルの神崎あやが隅田川沿いのマンションで無残に殺されるという事件が起きていた。二人には、右肩に、薔薇の刺青を消した跡があった。そして、更なる事件が起きる。 中学を卒業して6年、スズメの同級生は、みんな変わってしまった。牧歩やあやのような華やかな変貌だけでなく、ヤンママになったり、風俗嬢になってしまったものもいる。変わらないのはスズメだけだ。その変わらないスズメが、野球をあきらめていた万作の心を動かし、再び野球への情熱をとりもどさせる。一方、変わったものは、たとえ一時は華やかに見えても、結局は悲惨な運命をたどっていく。この作品は、移ろいゆくもののはかなさ、変わらないことのすばらしさを訴えているような気がする。○応援クリックお願いします。 柚木草平シリーズのレビューは当ブログ貴賓館「本の宇宙(そら)」にも掲載しています。○「誰もわたしを愛さない」の記事はこちら○「不良少女」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 24, 2008
コメント(12)
今日は、先日行った、JR岩国駅の構内で見つけた面白いものを紹介しよう。 まずは、錦帯橋の模型。これは、改札をくぐった先に、設置してある。錦帯橋は、美しい形が有名な、天下の名橋だ。○錦帯橋の模型 改札を出ると、「宇野千代」のコーナーが見える。宇野千代は、岩国市(当時は玖珂郡)の出身で、「おはん」などの作品で知られる。ちなみに、彼女の作品はまだ一冊も読んだことはない。○宇野千代のコーナー ○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 23, 2008
コメント(12)
鳥取駅のホームに上がると、色々な列車が入っていた。まずは、第3セクターの智頭急行の「スーパーはくと」。智頭急行の路線は、因美線智頭駅から山陽本線上郡駅間だが、「スーパーはくと」は、JRの路線にも乗り入れ、鳥取と京都を約3時間で結ぶ。智頭急行のドル箱である。○スーパーはくと 続いて、同じく智頭線をと通り、岡山まで行く「スーパーいなば」。こちらは、鳥取、岡山間を約2時間で結び、JR西日本が運航させている。智頭線は、京阪神に向けて建設されているため、「スーパーいなば」は、上郡駅まで行くと、山陽本線を反対向きに走り出す。だから、今まで前を向いて走っていたものが、後ろ向きに走るようになり、これが苦手な人は、座席を反対向きに回転させている。○スーパーいなば 最後は、若桜鉄道の列車。若桜鉄道は、因美線の郡家駅から若桜駅間を結ぶ第3セクターである。元々は、JR西日本の若桜線であったが、盲腸路線のためか、JRの手を離れ、第3セクターとして生き延びている。営業距離19.2km。こちらも、JRと相互乗り入れをしているため、鳥取駅から出ている列車もある。一度だけ乗ったことがあるが、なかなか風情のある沿線風景だ。○若桜鉄道さくら1号(完)○応援クリックお願いします。 ○「鳥取県散歩3(鳥取駅周辺)」はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 22, 2008
コメント(14)
今日紹介するのは「親不孝通りディテクティブ」(北森鴻:講談社)だ。北森鴻による、博多を舞台にした連作短編集である。ここで蛇足ながら、タイトルについて、補足を加えよう。「親不孝通り」は、福岡市の繁華街天神地区にある「天神万町通り」の通称である。かって、大手予備校があり、そこへ通う予備校生が通っていたことから、この名がついたという。「ディテクティブ」とは、もちろん「探偵」という意味である。○「親不孝通りディテクティブ」(北森鴻:講談社) この作品の主人公は、屋台でバーを営む鴨志田鉄樹(テッキ)と結婚相談所の調査員根岸球太(キュータ)の二人である。二人は高校時代からの腐れ縁で、「鴨ネギコンビ」の通称で通っている。テッキは、沈着冷静でどこか影を抱えているような感じだが、キュータは、考えなしに行動するお調子ものといった感じだ。もちろん名探偵は、テッキの方で、キュータはにぎやかしといったところだが、対象的な二人を組み合わせることにより、作品が面白さを増している。主人公が二人ということで、物語の語り部も、テッキとキュータが交互に入れ替わりながら話が進んでいくが、決して読みにくくはない。 収録されているのは、次の6編。○セヴンス・ヘブン キュータの勤める華岡結婚相談所客だった天野夫妻が不審な死を遂げる。第一発見者のキュータは、動転して、ドアノブの指紋をふき取って逃げてしまう。○地下街のロビンソン ライブハウスの魔女こと「歌姫」が、テッキに人探しを依頼する。一方キュータは、地下街で、ロビンソンクルーソーを彷彿させるような浮浪者を目撃する。○夏のおでかけ テッキは、毎年7月の終わり頃、2週間程店を閉めて行方をくらます。キュータは、テッキを訪ねてきた美女に下心を抱き、テッキを見かけたと嘘をついて、二人で下関へ。ところが、そこには、本当にテッキの姿があった。○ハードラック・ナイト テッキの屋台を、高校のクラスメートだった奈津美がtズ寝てきた。屋台の近くでは、夏海という女子高生が殺害されるという事件が発生していた。○親不孝通りディテクティブ テッキの店では、「雪国」というカクテルが永久欠番になっている。それは、ヒデさんという男が好きだったカクテルであった。○センチメンタル・ドライブ 高校時代、鴨ネギコンビの恩師だった華岡を襲うのを邪魔された米倉が、瀬川と名を変えて博多の街に舞い戻ってきた。そして、キュータが襲われる。 作品は、鴨ネギコンビの掛け合いでテンポよく進んでいき、面白いのであるが、出てくる話は、かなり凄惨なものであり、最後はかなりショッキングな終わり方であった。 ○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら○博多の屋台と言えば「長浜ラーメン」
October 21, 2008
コメント(10)
「どろろ」と言えば、言うまでもなく手塚治虫の代表作の一つで、48の魔物に体の48か所を奪われた青年百鬼丸が、こそ泥のどろろと、体を取り戻すため、妖怪を倒しながら旅を続けるという話である。映画にもなっており、本ブログでも、レヴューを書いたことがある。その時にも、ちょっと紹介したが、その続編として、「ヤングチャンピオン」に連載されているのが「どろろ梵」(道家大輔/手塚治虫:秋田書店)だ。今日紹介するのは、その1巻目である。 ○「どろろ梵1」(道家大輔/手塚治虫:秋田書店) こちらは、時代は変わって現代が舞台だ。その昔、百鬼丸はどろろと別れて、妖怪を倒す旅を続けていた。ある時戦った女の妖怪に百鬼丸は殺されてしまう。驚くことに、その妖怪はどろろだったのである。それから500年。百鬼丸は、女となって転生する。そして、体を取り戻すために妖怪を倒し、どろろを殺すために探す旅を再開する。 第1巻では、猫妖怪に取りつかれた少女梵を助けたことから、百鬼丸は梵と行動を共にするようになる。梵は美少女だが、髪の毛がドレッドヘアで、最初ナメクジの妖怪か何かが取りついているのか思った。この漫画では、500年前の百鬼丸も、やっぱりドレッドヘアでレゲエの人みたいな感じだったし、作者はレゲエ好きなのだろうか。 百鬼丸が女になったというのは面白いが、これが何か今後の展開に影響してくるのだろうか。まさか、単に面白いから、女の子にしちゃったというんじゃないよね。500年後にも片手、片足には刀が仕込んであったが、これも一緒に転生したのか?それにしても、女の子に転生しても名前が「醍醐百鬼丸」はないだろう。 妖怪になったどろろは、かなりの美少女だが、どうして頭から尻尾が生えてる? いろいろ突っ込みどころは多いが、読んでいると結構面白く、次の巻が気になってしまう。○映画「どろろ」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら ***** 追伸 *****本ブログの貴賓館「本の宇宙(そら)」には、哲学的で日本趣味にあふれた小説「優雅なハリネズミ」のレビューを掲載しています。併せてご覧ください。
October 20, 2008
コメント(14)
倉吉市から、山陰本線で東へ向かうと、普通列車なら1時間弱で、鳥取県の県庁所在地鳥取市の表玄関、JR鳥取駅に着く。鳥取県は、徳川時代は、岡山県と同じ池田氏によって支配されていた。元々、鳥取池田藩の祖は、岡山の領主であったが、池田光仲のときに国替えをされ、鳥取の領主となった。ちなみに、鳥取池田藩は、輝政と徳川家康の二女・督姫の間に生まれた忠雄の系統なので、外様でありながら、親藩に準じた扱いを受けており、禄高も宗家の岡山池田藩より5千石多い、32万5千石であった。○JR鳥取駅 列車の乗り換えに、少し時間があったので、駅の外に出て、駅周辺を散歩してみた。鳥取には、昔住んでいたことがあるが、訪れたのは、本当に久しぶりだ。あまり風景は変わってないようで、何もかも懐かしい。○鳥取駅前風景(続く)○応援クリックお願いします。 ○「鳥取県散歩2(鳥取県を走るバス)」はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら○鳥取と言えば「松葉ガニ」
October 19, 2008
コメント(10)
上橋菜穂子の「守り人」シリーズは、全部で10巻出ているようだが、その4巻目に当たるのが「虚空の旅人」(上橋菜穂子:新潮社)である。既にこのブログでもレビューしているように、前の3つの巻では、すべて女短槍使いのバルサが主人公であったが、こちらは、新ヨゴ皇国の皇太子チャグムが主人公で、バルサは、チャグムの思い出話の中にしか出てこない。どうも、「○○の守り人」という題名のものが、バルサが主人公で、「○○の旅人」という題名のものが、チャグムを主人公にしているようだ。○「虚空の旅人」(上橋菜穂子:新潮社) この作品では、チャグムは、サンガル王国の新王の即位儀礼に招かれている。サンガル王国は、多くの島々を支配している海の王国だ。この国が成立する過程で飲み込まれた小国の王たちは、「島守り」という昔ながらの呼び名で呼ばれ、婚姻を通じて、サンガル王家と深い絆を結んでいる。実は、この国は女たちの国であり、王家の女たちは、婚姻で結ばれた島守りたちに強い影響力を及ぼしているのだ。ところが、この島守りたちに不穏な動きがあり、そこには、南の大国タルシュ帝国の影があった。チャグムと星読博士のシュガは、罠にはまったサンガルの王子タルサンを助けて、タルシュ帝国の呪術師・ラスグと対決する。 前3作を読んで、この作品を読むと、チャグムが、精神的にも肉体的にも大きく成長しているのを感じる。彼は、自分自身を、皇太子として危うい性格と言っていたが、それは、自分自身をきちんと見ることができるまで成長した証であろう。彼なら、いつか、新ヨゴ皇国の皇族のしきたりである「薄布」を通してでなく、民と向き合える為政者になるだろうことを感じさせた。○応援クリックお願いします。 ○「精霊の守り人」の記事はこちら○「闇の守り人」の記事はこちら○「夢の守り人」の記事はこちら○「守り人」シリーズ 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 18, 2008
コメント(14)
泊まったホテルから見た徳山の風景。向こうに見える煙突が、いかにも工業地帯らしい。○応援クリックお願いします。 ○泊まったことのあるホテル「アルファワン徳山」と「ビジネスホテル青木」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 17, 2008
コメント(6)
夜のJR徳山駅。徳山も長州藩の支藩である徳山藩の城下町。周南市の玄関口だ。○応援クリックお願いします。 ○泊まったことのあるホテル「アルファワン徳山」と「ビジネスホテル青木」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 16, 2008
コメント(2)
JR岩国駅。岩国は長州藩の支藩である吉川藩の城下町。名橋錦帯橋で有名な街だ。○応援クリックお願いします。 ○岩国の銘酒「五橋」 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 15, 2008
コメント(0)
このブログで、よく「灼眼のシャナ」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川書店)を紹介しているが、既に11巻まで読了した。番外を除けば、今のところ全部で16巻まで出ているので、7割程度読み終わったことになる。この物語は、人間の存在の力を喰らい、世界のバランスを乱す「紅世の徒」(ぐぜのともがら)と、それを阻止しようとするシャナ達フレイムヘイズとの戦いを描いたものだ。紅世の徒に存在の力を食われた者は、この世に何の痕跡も残さずに、はじめからいなかったことになってしまう。しかし、それでは、世界に急激な歪みが生じ、紅世の徒の存在を、フレイムヘイズたちに教えてしまうことになる。そこで、紅世の徒は、食った人間の存在の残り滓を使って、トーチという代替品をつくり、ゆがみが一時に生じるのを防いでいる。しかし、トーチは所詮は存在の「残り滓」である。徐々に存在感が薄くなり、やがては完全に消滅してしまうのである。「灼眼のシャナ 0」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川書店) 今回紹介するのは、その番外編ともいえる「灼眼のシャナ0」だ。「しゃくがんのしゃな」、「しんでれらのしゃな」そして「オーバーチュア」の3作品を収めた短編集である。最初の二つは、表題からもなんとなく分かるように、本篇のパロディとして書かれたものである。「しゃくがんのしゃな」は、たんいドタバタ騒がしい感じであるが、「しんでれらのしゃな」はかなり笑える。何しろ、優柔不断な悠二王子をめぐって、シャナのシンデレラと吉田一美のサンドリヨン(シンデレラもサンドリヨンもどちらも「灰かぶり」という意味らしい。つまり、二人のシンデレラが王子を張り合う話だ。しかし、パロディなので、本篇の方を10巻くらいまで読んでないと、面白さが半減するかもしれない。シンデレラ(シャナ)の継母の役が天目一個というのには笑った。何しろ鎧武者の姿である。悠二王子の妻を決める舞踏会では、悠二から、「置き物じゃなかったのか。」なんて言われている。 「オーバーチュア」は、前の二つとは打って変わって、シリアスな作品だ。これは、まだシャナが悠二と出会う前の話である。シャナ(このころはまだシャナという名は付いていなかったが便宜上こう呼ぶことにしよう)はある街で、存在の力を食われてトーチとなったばかりの少女・大上準子と出会う。シャナは、大上準子の存在を借り、まだ痕跡の残る「紅世の徒」の居所を探る。出てくるのは、最弱とも言えるような「紅世の徒」。しかし、人間にとっては、大きな脅威である。描かれているのは、準子を取り巻く親やボーイフレンドの愛情。しかし、準子は既にこの世のものではない。「紅世の徒」を倒しても、やがて、準子の存在は人々の心から消え、この世に存在したという痕跡も残らなくなってしまうのだ。ちょっと切ない話である。 ○応援クリックお願いします。 ○「灼眼のシャナS」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら******** 追伸 ********本日から、仕事のため旅に出ます。コメント等へのお返事は、金曜日以降になります。また、更新も、メールによる暫定更新となります。
October 14, 2008
コメント(12)
土曜日の夜、フジテレビ系の土曜プレミアムで「フラガール」をやっていた。正直、それほど期待を持って観始めた訳ではないが、これが、思いがけず感動的で、久しぶりに良い映画を観たという感じであった。○DVD「フラガール」とフラダンスドレス 時代は昭和40年。かっては黒いダイヤとも持て囃された石炭の時代は過ぎ、既に、石油の時代になってきていた。大幅な炭鉱の縮小を余儀なくされるなか、起死回生のため、フラダンスショーを売り物にする常磐ハワイアンセンターが設立される。この映画は、「山」を守りたいとハワイアンセンターに活路を見出そうとし、フラダンスに挑戦する女性たちの物語である。ところで、この常磐ハワイアンセンター(現在はスパリゾートハワイアンズと名前を変えている)は実際にある施設であり、登場人物にもモデルとなるがいる人が何人かいるようだ。 当時は、日本でハワイ気分を味わえるというアイディアは画期的だったようで、常磐ハワイアンセンターは現在に至るまで興業的にも成功しているようだ。もっとも、成功をずっと維持していっているのは、最初のアイディアだけでなく、それに続く相当の努力も大きかったのであろうが。 しかし、新しいことをやる時には、それについて来られる人ばかりとは限らない。どうしても、新しいことをすぐには受け入れられない人の方が多いだろう。例えば谷川紀美子の母親がそうだ。娘がフラダンスの練習をしていることを知って怒り、紀美子は家を出ていくことになる。しかし、娘の練習風景を目にし、ハワイアンセンターのヤシが寒さで枯れるのを防ぐためのストーブ集めを率先して行うようになる。 フラダンスの講師として招かれた平山まどかは、最初は投げやりだったが、やがて真剣に指導に打ち込むようになり、生徒たちの絆が強まっていく。炭鉱で落盤事故があったときも、生徒たちが帰らずに、自分たちの意思で舞台に立ったことを非難され、その責めを一身に背負って、炭鉱を離れようとする。その時、生徒たちが、まどかを引き留めるシーンは感涙ものであった。 この物語は、男たちに代わって、違うやり方で「山」を守ろうとする女たちのたくましい姿を描いているといえよう。 蒼井優が普段以上に可愛く見えた。フラダンスもかなり練習したようで、うまいのに感心した。ところで、緋牡丹お龍の藤純子(現:富司純子)さん、こんなお母ちゃんの役をやるようになったんだな。最初は気がつかなかった。(監督)・李相日(出演)・松雪泰子(平山まどか)・蒼井 優(谷川紀美子)・豊川悦司(谷川洋二朗)・岸部一徳(吉本紀夫)・富司純子(谷川千代) ほか○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら***** 追伸 *****当ブログ貴賓館「本の宇宙(そら)」にも、「ブライトノミコン」(ロバートランキン著)に関するレビューを掲載していますの併せてお読みください。
October 13, 2008
コメント(14)
出雲と言えば、大国主の昔から、日本の故郷のようなものである。その出雲へ出かけたとき、バスに乗る前に、売店で買ったのが、この「『出雲抹殺」の謎」(関祐二:PHP文庫)だ。○「『出雲抹殺」の謎」(関祐二:PHP文庫) それにしても、出雲は興味深い。神々が活躍する出雲神話はいうまでもないが、とっくに廃止されたはずの国造家が、出雲では、今なお続いているとのことだ。また、天皇家に「日継ぎ」の神事が伝わっているように、出雲国造家にも「火継ぎ」の神事が伝わっているという。 出雲神話は、記紀神話の3分の1を占めている。しかし、かって、出雲は、神話の中にだけ存在し、その実在性を疑われた時期もあったという。その理由は、めぼしい考古学上の発見がなかったからだ。ところが、近年の考古学上の大発見により、出雲が存在したことは疑いの余地がなくなった。 たとえば、昭和59年から発掘調査が行われた「荒神谷遺跡」では、実に358本の銅剣、16本の銅矛、6個の銅鐸が出土したのである。更に、平成8年には、「加茂岩倉遺跡」で銅鐸39個という、これまでの常識を覆すような量が発掘された。確かに、出雲は、存在したのである。 平安時代の「口遊(くちずさみ)」に、「雲太、和二、京三」というものがあった。建物で最も大きいのは、出雲大社、二番目が東大寺大仏殿、三番目が平安京大極殿という意味である。これも、平成12年の発掘調査で、合計で直径3メートルにも達する三本柱が出土し、信憑性が高まった。出雲は、ヤマト建国に関わっていたに違いないが、なぜかヤマトでは、出雲神は、祟るものとみなされていた。なぜ、ヤマトの成立とともに衰退していったのであろうか。 前半は、出雲の謎と近年の考古学上の発見などが、よく整理してあり、非常に面白く読める。出雲についての基礎知識をつけ、観光を楽しむのに役立つであろう。しかし、後半は、作家らしく、空想の翼を広げすぎているのではないか。また、ロジックも良く分からない。関氏は、出雲神話を、神宮皇后が北九州で勢力を伸ばし、それをヤマトが討った事件の反映だとしているようだが、それだと、現に出雲に特別扱いされてきた国造家が存在することや、出雲大社がなぜ作られたのかなどの関係がよく分からないのではないだろうか。○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 12, 2008
コメント(14)
JR倉吉駅の近くに、倉吉市の観光案内所である「倉吉ほっとプラザ」がある。その前は、バスターミナルになっており、ここから、鳥取県中部の観光地へ向けてバスが出ている。○倉吉ほっとプラザ ところで、鳥取県には2つのバス会社がある。日ノ丸自動車と日本交通であり、それぞれの会社のバスは日ノ丸バス、日交バスという。鳥取県は日本一人口の少ない県であるが、バス会社の名前はでっかい。その心意気やよし。○日ノ丸バス○日交バス(続く)○応援クリックお願いします。 ○「鳥取県散歩1(倉吉天女伝説)」はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 11, 2008
コメント(8)
このブログで、以前「喰霊(GA-REI)」というコミックスを紹介したが、その外伝に当たるのが、この「喰霊 ~追儺の章~」(瀬川はじめ:角川書店)である。本編の主人公は、霊の見える体質で剣の使い手の弐村剣輔と霊獣白叡を操る土宮神楽との高校生コンビであるが、こちらの外伝の方の主人公は滝口ツイナという女子高生。恋で思いが高ぶると、周りにいる人の霊力を吸い取ってしまい、体調不良にさせてしまうという困った体質の持ち主だ。舞台も、本篇の東京から、京都に移っている。 ツイナは、自分の体質を呪いだと思って、恋をしないと決めていたのに、高校で生徒会長の帝先輩に一目ぼれ。ところが、帝先輩は、環境省機密機関「超自然災害対策室」の除霊師だった。なんとか帝先輩の役に立ちたいツイナは、霊に襲われているところを助けてくれた飯綱を師匠と仰ぎ、なんとブルマー姿で特訓を始める。果たして特訓の成果は?ツイナの恋は実るのか? 本篇もある程度ラブコメ的な要素はあるのだが、この外伝の方は、本篇のような重いテーマからくるような制約が少ないためか、ずっとラブコメ的な要素が強く、そこかしこで笑える。こちらの方も、シリーズ化してほしいものである。○応援クリックお願いします。 ○「喰霊(GA-REI)1~3 」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 10, 2008
コメント(12)
こちらの写真はJR倉吉駅だ。鳥取県の中部の拠点倉吉市の表玄関である。○JR倉吉駅 ところで、羽衣と天女に関する伝説は、日本各地に伝わっているが、ここ倉吉にも同じような話がある。倉吉市のシンボル打吹山のふもとに天女が舞い降り、水浴びをしていた。それを見た農夫は、天女の美しさに魅入られ、羽衣を隠してしまう。天に帰れず、しかたなく農夫と結婚した天女は二人の子供をもうけるが、やがて羽衣を見つけて、天に帰っていく。残された子供たちは、打吹山で、母の好きだった音楽を演奏して、天女を呼んだが、二度と帰っては来なかったと言う。この子供たちが「打吹童子」である。写真は、なぜかガソリンスタンドの前に置かれている、打吹童子の像。○打吹童子の像 この倉吉市の人々が買い物に集まるのが「パープルタウン」。映画館もあるショッピングセンターだ。○パープルタウン(続く)○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 9, 2008
コメント(14)
先日紹介した上巻に続いて、今日は、「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (J.K.ローリング/松岡佑子 :静山社)の下巻である。上巻を読んだ時点では、あと一冊で、本当に終わるのかと心配していたが、さすがに1冊が560頁もあれば、大抵のことはできるようで、無事に話が完結した。下巻は、さすがに、「ハリー・ポッター」シリーズ全7話の集大成ということで、内容はかなり波乱万丈である。「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (J.K.ローリング/松岡佑子 :静山社) この巻では、ダンブルドアとスネイプの若き頃のことが明らかになる。ダンブルドアも、スネイプもそれぞれ大きなトラウマを抱えていたのだ。スネイプの子供時代のことも出てくるが、映画でアラン・リックマンがやっているスネイプをそのまま子供にした絵が頭にチラつき、ちょっと不気味だった。もう一つ明らかになったのは、ロンの母親のウィーズリー夫人が、実はものすごく強いということ。元々肝っ玉母さん的なきゃらだが、実はヴォルデモートの次くらいに強いのではないかと思えるほどだ。(笑) 最後に、どんでん返し的に、意外な事実が明らかになるが、これは、「想定の範囲内」(ちょっと言い方が古いか)といったところか。○「ハリー・ポッターと死の秘宝」(上)の記事はこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 8, 2008
コメント(8)
「実に面白い。」 10月4日(土)は、「容疑者Xの献身」の封切日であったが、これと併せて、フジテレビ系の土曜プレミアムでも、「ガリレオΦ (エピソードゼロ)」をやっていた。以前のテレビシリーズでは、原作になかった新人女刑事内海薫とのコンビで事件に当たっていたが、このガリレオΦの舞台は、湯川学が内海と出会う3年前、まだ、准教授が助教授と呼ばれていた時代である。○ガリレオシリーズ(東野圭吾:文藝春秋社) 今回の事件は、とある島で起きた密室殺人。会社の元社長で今は車イス生活を余儀なくされている友永の、鼻つまみ者の息子が離れの小屋で刺殺され、小屋は炎上する。小屋には内側からチェーンが掛けられ、密室状態であった。事件を調べていた草薙は、たまたま大学の掲示板で、同じバトミント部だった湯川の名前を目にし、調査を依頼する。実は、草薙は学生時代に、湯川に殺人事件の濡れ衣を着せられるところを助けてもらったことがあったのだ。 今回は、湯川と草薙の学生時代の話も入っているが、湯川はやっぱり、学生時代からあの調子だったようだ。ある程度歳をとれば許せるが、学生であれでは、ちょっと考えものだ。きっと大学の先生方もやりにくかったに違いない(笑)。ワンシーンだけだが、「容疑者Xの献身」に出てくる石神が(後姿だけだが)4色問題に取り組んでいる姿が出て来て、きっちりと映画へ繋げている。 ところで、四色問題とは、どのような平面上の地図も、4色あれば塗り分けられるというもので、一見簡単そうに見えるが、多くの数学者が証明に挑み破れていったという、まさに悪魔が出したような問題である。容疑者Xで石神が仕掛けたトリックが「解けそうで解けない」というものだったが、この4色問題とどこか似ている。ちなみに、この4色問題、現在は証明されているが、コンピュータを駆使した、力技によるもので、いわゆるエレガントな証明はまだ行われていない。もしかして、石神も、これに魅入られて、人生が狂ったのか・・・。 おまけに、湯川がビキニ大好きということも分かってしまった。(大抵の男はビキニ好きだが) 塩野谷が、湯川を事件現場に引きとめようと、すごいビキニを持ってきたとアピールしていたのがなんとも面白かった。(嘘だったのが残念) 今回のトリックについては、本当にあの方法で、うまくいくのかは、専門外でよく分からないのだが、ちょっとできすぎのような気もする。はたして、凶器が、あんなにきれいな形に形成できるのだろうか。 それにしても、今回は、口癖の、「実に面白い」が、いつもより多かったような気がするのだが・・・。(原作)・東野圭吾(出演)・福山雅治(湯川学)・長澤まさみ(塩野谷朱里)・渡辺いっけい(栗林宏美)・北村一輝(草薙刑事)・蟹江敬三(友永幸正) ほか○「探偵ガリレオ」の記事はこちら○「予知無」の記事はこちら○「容疑者Xの献身」の記事はこちら○映画「容疑者Xの献身」の公式HPはこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら 本日の貴賓館「本の宇宙(そら)」には、貴賓館オリジナル記事として,ファンタジーあふれる「はいいろの童話集」のレビューを掲載しています。併せてご覧ください。→こちら
October 7, 2008
コメント(8)
金曜日の夜は、日本テレビ系の金曜ロードショーで「ハウルの動く城」を観ていた。もちろん宮崎駿監督によるスタジオジブリ作品だ。公開は2004年11月である。実はこの映画、公開時に、珍しく試写会に当選して、劇場でも観たが、あれからだいぶたっているので、さすがに詳細は忘れていたので、思い出しながら観ていたような感じだ。○DVD「ハウルの動く城」 内容であるが、一言でいえば、魔法で老婆にされた少女と気弱な魔法使いとのラブストーリーだ。簡単にさわりだけ紹介しよう。「荒れ地の魔女」に呪いをかけられて、90歳の老婆になってしまった帽子屋の娘ソフィー(実年齢18歳)は、街を出て荒地でさまよううちに、ハウルの城に出くわし、住みついてしまう。女性の心臓を食べるという噂のハウルは、強大な魔力を持ちながら、戦争を憎む気弱な美青年だった。やがて、ハウルのもとに、国王から、戦争に参加させるため、出頭せよとの命令が届く。王室付きの魔法使いサリマンは、ハウルの魔法の先生。サリマンの苦手なハウルは、ソフィーを代理として国王の元に行かせる。 髪の毛の色が変わったって落ち込んだり、荒地の魔女を恐れたりしている気弱なハウルと、90歳の老婆になっても、慌てず騒がず冷静に行動しているしっかり者のソフィーとの対比が面白い。しかし、ソフィーの年齢が、場面によって変わることがあるのはどう解釈すればよいのだろう。魔法で腰の曲がった老婆になったはずが、時折元の姿に戻ったり、最後の方は、老婆だが腰はしゃんとしている姿が続いたりしている。魔法の効果が、変化することがあるのか、ソフィーの心の反映か、それとも、ハウルの目に、そう映っているということを表現しているのか。 荒地の魔女だが、声を担当しているあのお方に、顔があまりにも似ているので、ちょっと驚いた。それにしても、この魔女、最初は、かなりの大物のような感じだったが、後半とのギャップが激しすぎる。 スタジオジブリ作品らしく絵がすばらしい。また音楽が、映画とよくマッチしており、強く印象に残る。いつまでも音楽が、頭の中から離れていかない感じであった。(原作)・ダイアナ・ウィン・ジョーンズ:「魔法使いハウルと火の悪魔」(監督)・宮崎駿(出演[声])・倍賞千恵子(ソフィー・ハッター)・木村拓哉(ハウル) ・美輪明宏(荒地の魔女) ほか○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 6, 2008
コメント(12)
久しぶりに劇場で映画を観てきた。観たのは、今話題の「20世紀少年」。テレビなんかで流れるCMから感じる昭和のレトロな香りに魅かれて観てみようという気になった。原作はYAWARA!で有名な浦沢直樹による同名のSFサスペンス漫画だ。読んだことはないが、1999年から2006年まで週刊ビッグコミックスピリッツに連載されていたらしい。なんとコミックスの単行本で22巻もあるということだ。 この映画の主人公ケンヂは、冴えないコンビニ店長である。ロック歌手を夢見ていたが挫折し、母親と姉の子供の3人で暮らしている。一方世間では、「ともだち」と名乗る謎の男が率いるカルト教団がはびこり、世界は細菌テロによる混乱が続く。ところが、これらの一連の事件は、ケンヂたちが子供の頃遊びで作った「予言の書」に書かかれている通りに起こっていた。ケンヂたちは、すべての裏に、「ともだち」が糸を引いていることを知り、予言の書に書かれた9人の戦士として、テロリストの汚名を着ながら立ち上がる。(実際は、諸般の事情により、7人しか集まらなかったので、この時点で予言は外れているのだが) ところで、この映画に出てくる人類への脅威ベストスリーは、以下の通り。ただし、この映画が、これらに対して警鐘を鳴らしているといったようにはあまり感じなかった。1.カルト教団2.細菌テロ3.巨大ロボット 最初の二つは言うまでもないだろう。ロボットについては、鉄人28号のようなものを連想していたが、出てきたのは、ただでかいだけで実にしょぼかった。既に過去となった時代の話なので、この程度にしないと、当時の技術水準からリアリティが薄れるということもあるのだが、やたら画面を暗くして、ロボットの形をよく分からないようにしているように思ったのは、考えすぎか。 監督は、「TRICK」シリーズの堤幸彦。原作は読んでないので、原作とどう違うかは分からないが、殺されていた大学生が「金田正太郎」だったり、彼の所属していた大学の研究室が、「お茶の水工科大学」の「敷島」教授だったり。そういえば「諸星弾」という名前も出てきた。このあたりのネタ、私たちの世代には、懐かしい響きがあるのだが、若い人にはネタだと分からないかもしれない。このような小ネタの使い方は「TRICK」シリーズとも共通しており、堤監督らしいと思う。しかし、全体に若干ギャグっぽい味付けがしてある割には、細菌テロでは、血が噴き出すようなシーンが何回も出てきて、ちょっとアンバランスな感じはする。ただ、面白いか、面白くないかと言えば、面白いのであるが。 終わり方も、びっくりするくらい中途半端だと思ったら、この作品は、全3部作の1作目だったようだ。ちなみに今後の放映スケジュールは、以下のとおりである。・第1章:2008年8月30日(本作品)・第2章:2009年1月31日・第3章:2009年秋 あんな中途半端な終わり方だと、次が気になって仕方がない。これも敵の作戦か?(笑)(原作)・浦沢直樹:「20世紀少年」(監督)・堤幸彦 (出演)・唐沢寿明(ケンヂ[遠藤健児])・常盤貴子(ユキジ[瀬戸口雪路」) ほか○原作「20世紀少年 1~22巻セット」 (浦沢直樹:小学館) ○「20世紀少年」の公式HPはこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら*** 追伸 *** 本日の貴賓館「本の宇宙(そら)」には、貴賓館オリジナル記事として,主婦探偵の活躍するレスリー・メイヤーの「ハロウィーンに完璧なカボチャ」のレビューを掲載しています。併せてご覧ください。→こちら
October 5, 2008
コメント(14)
仕事で旅に出ていたため、遅くなってしまったが、今日は月曜日にTBS系の月曜ゴールデンで放映された「浅見光彦シリーズ26 津和野殺人事件」のレビューである。先般紹介した「箱庭」はフジテレビ系で中村俊介が主演のシリーズだが、こちらは沢村一樹が主人公のシリーズとなっている。山陰地方は、民放が3局しか入らないので、行く前は観られるかと心配していたが、無事に観ることができた。このドラマは、山陰の小京都と呼ばれる津和野の、古き因習に囚われた旧家に起こった悲しい事件を描いた、旅情サスペンスだ。○原作の「津和野殺人事件」(内田康夫) 津和野のシンボルと言えば、なんといっても太鼓谷稲成神社である。ちなみにここの「いなり」は「稲荷」ではなく、「稲成」と書き、日本五大稲荷の一つとも称されている。赤い鳥居の並ぶ参道はなかなかの趣であるが、夕暮れ時以降は、少し不気味な感じを受けるかもしれない。 このドラマは、この太鼓谷稲成の参道の光景から始まる。風車で遊ぶ幼い少女と、立ち並ぶ赤い鳥居との対比が、これから始まるドラマに十分な期待を持たしてくれる。 一方、ルポライター浅見光彦の母・雪江は、訪れた巣鴨の霊園で、男が死んでいるのを見つける。男の名は朱鷺勝蔵。津和野で絶大な影響力を持つ、朱鷺家の分家の当主であった。勝蔵は、なぜか神津家の墓を開けようとしていたところを殺されたようだ。更に、墓の持ち主である神津洋二が津和野で毒殺される。光彦は、雪江が急に萩に行くと言い出したことから、同行して事件を調べ始める。○津和野太鼓谷稲成参道 光彦たちは、萩で、今回の物語の中心となる樋口実加代、久美の母娘、そして土岐家の現当主である慶四郎らと知り合う。久美には、なぜか訪れたはずのない太鼓谷稲成の記憶があった。そこには、旧家の因習ゆえに起こった悲しい出来事があったのだ。 このドラマの原作となった同名の小説「津和野殺人事件」は、浅見光彦シリーズの中でも上位に列せられる作品であろう。津和野の美しい風景と、醜い旧家の跡目争いの対比。そのあたりは、ドラマでもよく表現されていた。(原作)・内田康夫:「津和野殺人事件」(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・村井国夫(浅見陽一郎)・加藤夏希(樋口実加代) ・いしのようこ(樋口久美)・加藤治子 (浅見雪江) ほか●今回ドラマに出てきた観光地 ・萩:明治維新発祥の地 ・津和野:小京都の代表格●原作「津和野殺人事件庭」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら*** 追伸 *** 本日の貴賓館「本の宇宙(そら)」には、貴賓館オリジナル記事として樋口有介の「不良少女」のレビューを掲載しています。併せてご覧ください。→こちら
October 4, 2008
コメント(8)
高田崇史によるQEDシリーズは、桑原崇、棚旗奈々、小松崎良平が中心となって活躍する、蘊蓄系の人気ミステリーである。現在の事件に、歴史上の謎を掛けて、解き明かしていくというのがこのシリーズの魅力だ。このシリーズの本来の主人公は、やたら蘊蓄を語る薬剤師の桑原崇である。これもなかなか変わりもので印象に残る人物なのだが、11作目の「QED 神器封殺」から、もっと変わりもので強烈な個性の人物が登場してくる。その名を「毒草師」御名形史紋という。あまりの個性で、完全に他の登場人物を食ってしまったかのようで、とうとう彼を主人公にした作品までできてしまった。それが今日紹介する「毒草師 QED Another Story」だ。「毒草師」(高田崇史 :講談社) どのような人物か、作品中に書かれていることを要約してみよう。「長身で漆黒の黒髪が肩まで垂れ、白い顔は、能面か蝋人形のように無表情。広い額に細い眉、冷やかな目と赤く薄い唇。顔立ちは整っているが、不気味なほど表情がない。」 ファッションについてもこんな感じだ。「長めの白衣のようなオフ・ホワイトのコート、その下には真っ黒なタートルネックと黒いパンツ。両手に真紅の手袋。」 もちろん、性格の方も、とびっきりの変人である。しかし、彼の名誉のため、間違っても変態ではないことだけは付け加えておこう。でも、こんな人物が、近くにいたら、ちょっと怖い。 今回の舞台は、浅草にある旧家の鬼田山家。この家では、先先代の当主であった俊春が、一つ目の山羊を見て以来、いまわしい出来事に見舞われている。俊春の妻香苗が最初に死産した子は、一つ目であった。そして、先代当主壮次郎と後妻の久乃との間にできた子供もやはり一つ目で、死産であった。 その、壮次郎は、後妻とした久乃との浮気が原因で、先妻の志麻子と離婚していたが、12年前に、「一つ目の山羊を見た」と言って、鬼山田家の離れに立てこもってしまった。その挙句行方不明になり、隅田川で死体となって発見されている。そして、数年前、先妻の志麻子が亡くなった後、こんどは、壮次郎と志麻子の間に生まれた、志子が、「一つ目の鬼を見た」といって、離れに籠ったまま行方不明に。その数日後には、志子の妹の麻子も失踪。さらに、久乃も離れに籠ったまま行方不明になり、家政婦の間宮静子が、「一つ目の生き物を見た」と証言する。離れは密室である。そこから忽然と行方が知れなくなったのだ。鬼にでもさらわれたか、なんとも、不気味な話である。 医療専門の出版社であるファーマメディカルに勤める西田真規は、会社ぐるみで親しい女医の一関先生が、鬼田山家の主治医であったことから、 編集長名で、鬼田山家の事件を調べ始める。同じ職場のフリー編集者篠原朝美もこの事件に興味があるらしく、西田に協力してくれる。しかし、今度は、久乃の子供で鬼田山家長男の柊也が毒殺された。どんどん困惑を深めていく事件を、御名形史紋が、見事に解決する。謎解きで披露される、毒草についての知識がすごい。作者もよくここまで取材したものだ。 このシリーズのほかの作品のように、本作でももちろん、現在の事件に絡めて、歴史上の謎も解き明かされる。解き明かされるのは、伊勢物語の謎。なぜ、題名が、内容に関係のない「伊勢」なのか。そして在原業平の次の歌の謎。「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」 こちらの方も、なかなか興味深い論を展開している。 それにしても、御名形史紋の強烈な個性の前に、これまでに登場人物も霞んでしまった。次の「白蛇の洗礼」も御名形が主人公だし、このまま主役の位置に座ってしまうのか。 ○応援クリックお願いします。 「自家製薬秘辞典」風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 3, 2008
コメント(12)
JR松江駅から少し歩いたところにある「賣布神社(めふ神社)」。 由緒正しそうな風格だと思ったら、松江の産土神だということだ。主祭神は速秋津比賣神。入口に、お祓いの神様との標識が設置されている。○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 2, 2008
コメント(10)
松江の堀川。堀川の観光船が見える。向こうに見える時計台は、下がホテルになっている。○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
October 1, 2008
コメント(0)
全31件 (31件中 1-31件目)
1