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午前中は教授会。午後はプレゼミをめぐるティーチイン。夕刻はインターゼミ。本日のキーワード。東アジア国際学生ネットワーク・東大北京大精華人民大ソウル大・キャンパスアジア構想・単位互換・シンポジウム・日米学生会議・北京・環境・経済・食糧・英語が社内公用語・時代の風・中央リニア幹線・マグレブ・東京大阪67分・2030-40年の社会のイマジネーション・買い物と温泉・質の高いリピーター・根の深い観光立国論・情報の磁場・2040年に一億人・アジアダイナミズムとの連動・定住人口と移動人口・移動をテコにした活性化・マルチハビテーション・多摩川・多摩ニュータウン・カーシェアリング・たま電気自動車・3つの首都圏米軍ゴルフ場・1000人未満・エコポリス・川崎メディカル特区構想・羽田第四滑走路・アジア大交流時代・道の駅、、、。
2010/07/31
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30日の日本経済新聞夕刊の「追想録」は7月3日の急逝した梅棹忠夫先生(民族学者)の記事だった。タイトルは「知的生産貫いた革命家」で、書いたのは編集委員の中沢義則さんだ。先日この中沢さんから電話取材を受けたが、梅棹先生の生涯を語る素晴らしい記事にまとまっていた。また、梅棹先生の笑った顔写真がいい。梅棹先生が京大人文研究所で最初に採用した助手の石毛直道(現在国立民族学博物館名誉教授)が贈った梅ジャムの話題から始まって、後半は中学生時代に書いた「山城三十山記」と最後に監修したDVDブック「カラコルム・花嫁の峰チョゴリザ」をあげ、「知的活動を山で始め、山で終えたのは、生涯を「探検」に懸けたスケールの大きい行動派学者、梅棹さんらしい。」と締めくくっている。私のインタビューは次のようにまとめられていた。---------「それでも梅棹さんを「先生」とあがめる、自称「梅棹門下生」は全国にいる。多摩大学教授の久恒啓一さんもそのひとり。「梅棹先生は学者の専売特許だった知の世界、学者の秘技とされていた知的生産を一般に解放した革命家だった」という。 久恒さんが梅棹さんのベストセラー「知的生産の技術」(岩波新書)を読んだのは刊行翌年の70年。九州大学の学生で、「僕のバイブルだ」と思った。日本航空に入社したが、知的生産に思いを抱き続け、仲間と書いた本が認められて大学教授に転じた。「私と同じように、あの本をバイブルにした人たちが立ち上げた勉強会「知的生産の技術研究会」が私の原点、だから梅棹先生は恩師です。」------------そうすると、名著「知的生産の技術」が世に出た1969年の翌年の1970年に、「知的生産の技術」研究会が誕生しているが、1969年に大学に入学した私がこの本を読んで知的生産に目覚めたのと知研の誕生は奇しくも同時だったということになる。--------------春学期最後の講義。全15回を終えてアンケートに総括的な感想をもらったが、反応はよかった。昼休みは、出原先生、池田部長と多摩学資料センター関係の打ち合わせ。今泉先生、樋口先生とiPad談義。九段サテライトで大学運営会議。夜は京王永山に戻りゼミ生と飲み会。寺下、松本、宮城、高倉、加藤という面面。2年生から4年生。同じ居酒屋には英語の先生達、近所の居酒屋には金子ゼミの飲み会。今週で春学期の授業期間が終了するので、先生たち同士やゼミの飲み会が花盛りだった。
2010/07/30
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* 9時:出勤。秘書と打ち合わせ。スケジュール、講演資料、、。 * 9時半:学長室ミーティング * 11時:ホームページ改善打ち合わせ * 12時:教員ラウンジで趙先生、金先生、今泉先生、諸橋先生、樋口先生、、。いろいろなプロジェクトが進む。iPad談義。 * 13時:多摩大総研会議。松本先生、中庭先生。懸案事項に光。 * 13時半:高野課長と打ち合わせ。 * 14時半:NHKにいた尚美学園の小池先生来訪。視点・論点。 * 15時半:プロジェクトマネジメントの江崎先生から久しぶりに電話。知識を知恵に変える法。 * 16時20分:春学期最後のホームゼミ。3つのチームに大学PR誌「ラポー」の取材が入る。 * 18時半:諸橋学部長、大石さん、杉本さん。山本さん。教授会などの件。
2010/07/29
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「超える会・TOKYO」の7月例会で講演。市川猿之助に縁のある赤坂の「うま家」の2階。2世・3世の経営者の会で、会長の近藤洋介さんとは仙台時代の知り合いだ。老舗のケーキ屋の跡継ぎだったが、いつのまにかバスケットリーグの興隆のための仕事をしている。テーマは「アタマとココロの革命を」にして、図解コミュニケーションと人物記念館の旅の両方を駆け足で概観してみた。 * 以下、参加者の企業名。H&S・オータパブリケーションズ・ビュアベリージャパン・J・ART開発・ネオレックス・東洋レコーディング・田邊ホールディングス・ポアール・日の丸リムジン・平川会計パートナーズ・アヤリノ・日本運行システム・スコープ・三洋物産・ウェバトーン・KM・タツオザワ事務所・ワールドワントレーディング・アメリエフ・J・あrt・インディペンデンス。 * 以下、参加者の肩書き。代表取締役・営業部長・サロン支配人・代表・ファウンダー・肖像写真家・専務取締役・取締役開発本部長・代表取締役営業本部長・常務・取締役制作部長・専務取締役グランシェフ・取締役社長室長。懇親会では、自動車運転手の派遣業をやっている村山さんと、パチンコ企業の経営者・廬さんと一緒で、それぞれの業界の話を聞いた。名刺交換したタクシー業界の人からはこの猛暑で売り上げが2割ほどアップしているとの話で、猛暑が続いて欲しいということだった。暑くて歩くのがかなわないのでタクシーを利用する人が増えているそうだ。----------昨日あたりから書店に並び始めた「図解で身につく!ドラッカーの理論」(中経文庫)が好調だとかで、もう大きな増刷が決まった。
2010/07/28
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多摩大ホームページは学長室で所管しており、毎日のように更新を重ねてきました。学内情報の収集、細かいデザイン、学内の動きへの感度、各セクションとのコミュニケーション、全体のコンセプトの中での微調整、新しいメディアへのトライアル、広報センス、、。ホームぺージはまさに生き物で、日々成長を続けているので、手を抜いたら終わりになりますから、緊張感を持って仕事を継続するこちが大事です。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、ホームページの神は、細部に宿っています。最近の多摩大ホームぺージの更新からめぼしいものをピックアップします。 * Podcast「現代の志塾 多摩大チャンネル」公開http://www.tama.ac.jp/info/podcast.html * 多摩大学のゼミページ公開http://www.tama.ac.jp/guide/seminar.html ホームゼミ・プロジェクトゼミ・プレゼミ・インターゼミを総覧できます。 * 大学データに田村学園概要(PDF)を掲載http://www.tama.ac.jp/guide/data.html * 【最新情報】Student Research Conference 2010 Summer 開催http://www.tama.ac.jp/news/release/index.html#100723src * 経営情報学部インターンシップ:提携企業(2009年度実績)を公開http://www.tama.ac.jp/career_support/006_internship.html * 多摩大学総合パンフレットを公開http://www.tama.ac.jp/pamphlet2011/index.html#page=1 電子書籍風に読むことができます。 * Podcast「現代の志塾 多摩大チャンネル」の動画公開http://www.tama.ac.jp/info/podcast.html 第一号は寺島学長の教育に対する思いが語られています。第二号からは対談を中心に流します。 * 教育と研究に関する報告書にマネジメントレビュー 2010年第1号(No.4)を掲載http://www.tama.ac.jp/guide/documents.html 多摩大総研の広報誌。多摩学。 * インターゼミの研究企画発表の動画を掲載http://www.tama.ac.jp/guide/inter_seminar.html 学長ゼミの様子が動画でご覧いただけます。 * インターゼミのプロジェクトページ、研究企画発表会の資料掲載http://www.tama.ac.jp/guide/inter_seminar.html パワーポイント資料。 * 2011年度入試情報公開http://www.tama.ac.jp/info/exam2011/index.html * 2009年度多摩大学地域プロジェクト報告会の動画掲載http://www.tama.ac.jp/guide/managementcenter2009.html 11の地域ゼミの発表会の様子。 * グローバルスタディーズ学部設置計画履行状況報告書の公開http://www.tama.ac.jp/guide/project/sgs.html 湘南キャンパスの状況。
2010/07/27
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仙台でひと仕事終えて夕食は駅前で摂る予定だったが、ゲリラ豪雨で駅前は水浸しという情報が入り、急遽少し離れた勝山館で摂ることになった。今年は先日の郡山もそうだったが、どうやら水難の年らしい。仙台時代に親しくしていた富田さんと横野さんと三人。富田さんは私のゴルフの師匠で、横野さんは知研を始め様々のプロジェクトで一緒に戦った仲間だ。いろいろな話題がでたが、樹木葬の話が興味深かった。一ノ関で十年ほど前からやっているらしいが、里山保存と墓苑を組み合わせたアイデアで賛同者が増えているようだ。考えかたがすばらしいと思った。最近はどの店に行っても冷房が効き過ぎている。今日の店もお客の様子に関係なくただ冷やすことがサービスと心得ている。女性はショールを羽織っているし、男性も寒そうにしているのに気がつかない。寒くて喉の様子がおかしくなった。最近行った喫茶店もそうだったが、サービスする側はずっと中にいるから気がつかない。講演に行ったら「ギンギンに冷やしときました」と自慢そうに言われて驚いたこともある。お客さまの立場に立つということは、言うは易く行うは難しだ。久しぶりに旧友と会って愉しく過ごしました。
2010/07/26
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「30歳からの人生リセット術」(創元社)が書店に並び始めました。この本を書いた意図を「はじめに」に書いていますが、若いビジネスマンに役立てて欲しいと念じていますので、「はじめに」の文章を掲載します。-----------------私は30歳になったときのことを今でもよく覚えています。それは苦い思い出です。なぜなら、30歳になったときの私には「何もなかった」からです。20代を振り返ると、惨憺たんたるものでした。仕事はロクにできない、大した能力もない、恋愛も失敗ばかりしている。周りの人と比べても、「自分にはこれができる」と自信を持って言えることがない……。自分は「何者でもない」ことをまざまざと思い知らされました。大学時代の私は、勉強はあまりしませんでしたが、クラブ活動には精一杯打ち込み、とても充実した4年間を過ごしました。しかし、会社に就職してからは、毎日のように飲み歩き、雀荘に繰り出し、本を読んだり、人生について考える時間もなく、家に帰れば寝るだけ。会社にはいつも始業ギリギリに出社していました。当時勤めていた工場の始業時刻は8時45分で、私の出社時刻は、決まって8時45分、早くて8時44分でした。タイムカードにはお行儀よく「8:45」か「8:44」を打刻。いま振り返ると、赤面の至り、情けない思いでいっぱいになります。ただ、誤解のないように書いておくと、仕事に対しては、自分なりに一所懸命に取り組んでいました。決して怠けて、いい加減に過ごしていたわけではありません。とはいえ、将来についてなんのビジョンも目標もないし、目の前にある仕事だけをがむしゃらにこなして、あとは遊びまくるだけ。仕事も仕事以外のことも、完全に地に足がついておらず、空回りしているだけの状態だったのです。人生、これではうまくいくはずがありません。そうした状況の中で、30歳になった私が実感したのは「何者でもない自分」だったのです。もっといえば、私は自分が「凡人」であることを強烈に自覚しました。さらには「路傍の石」であることを思い知らされもしました。路傍の石、つまり、自分はその辺に転がっている石ころの一つにすぎないということです。20代の初めまでは、多少なりとも人より秀でたところがあると自負していたため、30歳になって、自分が凡人であって、さらには、路傍の石にすぎないことを思い知らされたときは、さすがにショックでした。弁解めいたことを言うわけではありませんが、私は、世の中のほとんどの人は凡人であると思っています。もっと言えば、なんの努力も工夫もしなければ、路傍の石で終わってしまうと思っています。「自分には何か特殊な才能がある」とか「オレは天才肌だ。オレの才能は凡人にはわからない」などと思っている人がいるかもしれませんが、そうした考えのほとんどは、間違いなく「勘違い」だと言い切れます。努力も工夫もしない「天才」は存在しない。このことを理解できない限り、「こんなはずじゃなかった」「オレのことは誰もわかってくれない」といったグチや責任転嫁をいつまでも続けることになってしまうのです。「自分探し」という言葉が一時期、ずいぶんと流行りました。「ぼくは今、自分探しの真っ最中なんだ」とか「私は自分探しの旅をしているところなの」というふうに。今でもこの言葉を使う人はいるように思います。しかし、この「自分探し」ですが、私に言わせると、かなりおかしな言葉に感じます。「探す」というからには、すでに「自分」がどこかにあることが前提になっているはずです。きつい言い方をするようですが、若いときには、「いくら自分を探しても、自分はどこにもいない」と思ったほうがよい。もちろん、あなたはそこに存在しているのですが、何の努力もせずに「『何か』ができるあなた」は、どこをどう探しても、見つかるはずはないのです。とはいえ、今でこそ、このような達観したことを言っていますが、若いころの私は、まさに自分探しをしていました。少なくとも、私の20代は、この自分探しの期間だったように思います。「こんなはずじゃない」「オレはもっとできるはずだ」「オレは特別な何かを持っているはずだ」。こうした気持ちが心のどこかにある一方、何も成すことができない自分にもどかしさといらだちを覚えていました。今にして思えば、私の20代は「錯覚と幻想」の年月だったように思います。ただ、そうやってもがきながらも、さまざまなことに挑戦していました。たとえば、20代後半にロンドンに赴任することになったときは、貯金はいっさいしないで、現地でしか経験できない観劇や観光をすると心に決め、実際そのとおりにしていました。そうした経験も、いまになって思えば、その後の自分の糧にはなっていると思います。しかし、当時を振り返ると、やる気だけが空回りし、その結果、何かを生み出すこともなく、ただ時間が過ぎ去っていっただけでした。だからこそ、30歳になったとき、私は自分の無力さをつくづく実感したのです。それからは、もう自分探しなどに精を出しませんでした。いくら探しても、見つかる自分など、ないことがわかったからです。ならば、どうするか。自分を作り上げていくしかない。つまり、自分探しではなく、「自分づくり」をするしかない。そのことに、改めて気がついたのです。自分づくりの大切さに気づいたきっかけは、「ロンドン空港労務事情」というレポートをまとめたことでした。ちょうど30歳のときです。このレポートを名古屋大学の労働経済学の小池和男教授に送ったところ、『中央公論』を紹介すると言われて、大変驚きました。若い一介の会社員が書いたレポートが、一流雑誌に載る可能性があるとはつゆにも思わなかったからです。この出来事は私の目を開かせてくれました。「あぁ、そうか。自分の足下を掘ればいいんだ」ということに気づかせてくれたからです。つまり、自分が今している仕事、自分が今いる現場、そこを掘り下げれば、社内だけでなく、社会全体にも通用する仕事ができるんだ、ということに気がついたのです。迷いの吹っ切れた私は、主に客室乗務員の労務問題について、どんどん深く掘っていきました。すると、その分野に関して、どんどん詳しくなる。社内では、おそらく誰よりも詳しくなったはずです。さらに、研究のテーマを少しずつ広げていきました。「欠勤の研究」もその一つです。「人はなぜ休むのか」「欠勤とは何か」「農閑期における休み」といった、欠勤についての文化的・歴史的な背景も研究するようになったのです。今にして思えば、20代の私は、「何で」自分をつくっていったらよいかわからなかったために、それを探し続けていたのかもしれません。それが「ロンドン空港労務事情」というレポートをまとめたことで、「何で」「どのように」自分をつくるべきかが見えた。それはつまり、自分の足下を深く掘ることだったのです。人生には、自分の生き方を見つめ直すタイミングが必ず一度や二度、あるように思います。私の場合は、たまたまそれが30歳になったときに訪れました。それが年齢のせいなのか、はたまた、そのとき置かれていた状況がそうさせたのか、今もって正確な答えはわかりません。しかし、私はそのとき、まるで「自分の生き方をリセットする」ような感覚を味わいました。読者の中には、かつての私と同じように、「自分はこのままでいいのだろうか?」「何かを変えていかなければいけないはずだ」、そんな思いを抱えている人は多いのではないでしょうか?特に、私と同じように、社会に出てからある程度経験を積んだ30代になって、ふと、今までの生き方を考え直したい感覚に襲われる人は多いのではないかと想像します。本書は、私が自分の人生をリセットして以来、ビジネスの現場、人生の現場で身につけてきた、よりよく生きるためのアイデアや技術を伝えるものです。この本の内容が、一人でも多くの方の生き方に関する刺激やヒントになれば、著者としてとても嬉しく思います。
2010/07/25
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リレー講座補講の寺島学長の講義のポイント。 * 多摩は日本の政治のリトマス試験紙。無党派層が多い。多摩市長選でみんなの党が善戦した。 * 相関に目覚めた人が知的な人。 * 大英連邦を持つ英国のしたたかさと、大東亜共栄圏諸国から反発を受ける日本。 * もともと米軍駐留は冷戦時代のソ連を仮想的として想定。なぜ沖縄に日本の米軍基地の75%があるのか。 * 数千人の米軍のために多摩と座間に米軍ゴルフ場がある。駐留経費の7割を負担している思いやり予算から経費が出ている。ゴルフ場は抑止力とは関係ない。 * 日本の米軍基地はコスト負担が小さく米は引くに引けない状況。引けば予算面から縮軍になる。だから「抑止力」にこだわる。 * オバマ大統領は今後縮軍に入ることを宣言。5年間で1兆ドルの軍事予算を削減する。5000億ドル水準に持って行く。(3000億ドルだったが、9/11で7000億ドルに膨張。それを2000億ドル減少させる) * ゲイツ国防長官「自国のホームグランドで精一杯。同盟国へ配慮する余裕はない。自前でやって欲しい。ただし日本はコスト面で有利だから例外」 * 米軍基地は、「占有権を日本に、管理権を米軍に」というシンガポール方式に変えていくべきだ。 * ドイツの地位協定の改定、中国の領土確保などは時刻の主権回復を時間をかけてやっている。 * いつまでも外国軍隊の駐留という事態にしておくわけないはいかない。-----「世界の構造転換と日本の進路を考える基本資料」から。 * 川上インフレ・川下デフレ。10年4月:素材原料187.0、中間財110.5、最終財87.3(耐久消費財69.0、非耐久消費財101.7)2000年を100。 * 貿易構造。09年。米国13.5%、中国20.5%、大中華圏30.7%、アジア49.6%。中国・アジア依存の深化。上海協力機構26.6%。 * 速報(2010年1-4月)。米国12.6%、中国20.0%、大中華圏30.7%、アジア50.4%。 * 2010年4月。米国12.5%、中国21.0%、大中華圏31.7%、アジア51.5%。 * 日本は大中華圏で4.8兆円の出超。近隣に依存する景気回復。 * 鉱物性燃料14.2兆円、食料品5.0兆円、つまり食べ物のとエネルギーを19.2兆円輸入。そのための財資として主力輸出品目たる自動車6.7兆円、半導体等電子部品3.4兆円、鉄鋼2.9兆円の合計13.0兆円を輸出。これが日本という国の生業。 * アジアダイナミズム。アジアは世界のGDPの25%(日本11%)が、2030年に40%、2050年に50%。19世紀初頭はインド、中国、日本で50%だった。---------------9時から学部運営会議、その後、学部長・事務長と相談、昼食は知研の八木会長と。望月先生。寺島学長。リレー講座。聖蹟桜ヶ丘で八木さん、家内と懇親会。
2010/07/24
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中経出版から「図解で身につく!ドラッカーの理論」(中経の文庫)の見本をもらった。来週発刊。文庫版で600円。テスト販売では好調の由。初版は大きな部数になったので、楽しみだ。ドラッカーブームだが、文庫本はこの本以外にはないそうだ。「しかし、こういう箴言の総体としてのドラッカーを、私たちは十分に理解できているとは言えないようです。「論語読みの論語しらず」」ということわざがありますが、「ドラッカー好きのドラッカー知らず」になっている人の方が多いのではないでしょうか。逆に言えば、そこにまたドラッカーを図で読み解くという本書の小さくない意味と役割があるはずだと考えています」本日(23日)の日経新聞の一面の下の広告欄に創元社の欄があり、「30歳からの人生リセット術」の広告が出ていた。同じく日経新聞の中澤記者から梅棹忠夫先生に関する電話インタビューを受けた。名著「知的生産の技術」の意義と背景、面会時の質問への回答、梅棹語録、この名著との学生時代からの関わり、、などについて話した。----------- * 午前中は講義。 * 午後はまずプレゼミ。 * 中経出版の編集者来訪 * 夕刻から品川の大学院で講義、その後、社会人大学院生達との飲み会。
2010/07/23
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7月3日に国立民族学博物館を創設した梅棹忠夫先生が亡くなり、連日のように様々の新聞で業績や人柄の紹介が行われている。その一環として名著「知的生産の技術」の関係者ということで、私にも新聞社からインタビューも申込みがあった。先生との思い出、感銘を受けた言葉などを思い出そうと、ブログ「今日も生涯の一日なり」を検索すると下記の記事がリストアップされ、2004年以来折りに触れて書いた内容を手にすることができた。ここにある文章を読み直しながら、コメントを考えることにしよう。-----------------* 2010-07-15 「反体制の詩人」佐高信と寺島実郎の対談から* 2010-07-07 白虎隊記念館、会津藩校日新館、会津大講義* 2010-07-06 郡山で水難* 2010-05-28 「誰でも書ける修士論文の書き方」* 2010-04-08 「達人に学ぶ 知的生産の技術」(NPO法人知研・NTT出版)* 2010-03-27 予告!「達人に学ぶ 知的生産の技術」(知研編著・NTT出版刊)* 2010-03-01 「年賀状の歴史」---人生の定点観測* 2010-02-24 「知の現場」が快走を続けている--日経・産経・河北* 2010-02-23 NPO法人知的生産の技術研究会が出す次の本が進行中* 2010-01-27 動画特集--「知研」関係の動画です。出版パーティの様子も。* 2010-01-18 古書店から、ツイッターとネット事業までのミニツアーの日* 2009-07-16 「梅棹忠夫著作目録(1934-2008)」--この大いなる知的生産* 2009-06-28 札幌に温泉博士・松田忠徳教授を訪問ー温泉学に目を開かされる* 2009-06-05 「修士論文の書き方講座」(大学院)を開講---作法より方法を学べ* 2009-03-25 「あの人検索SPYSEE」 --人脈検索サービスが面白い* 2009-02-16 週刊ダイヤモンドで連載を開始--「学び直しの5冊」* 2008-11-15 インターネットラジオをPodcastで--勝間和代のブックラバーズ* 2008-11-10 「勝間和代のBook Lovers」(J Wave)に出演中です* 2008-11-01 J-WAVEの「勝間和代のBook lovers」出演の収録* 2008-06-01 梅棹忠夫先生の米寿を祝う会--梅棹忠夫の世界* 2008-06-00 2008-06-01 梅棹忠夫先生の米寿を祝う会--梅棹忠夫の世界* 2008-03-11 人生が変わる! 人物伝ベスト10* 2008-01-14 おすすめの自伝10書を選ぶとしたら、、、、* 2007-11-21 外国人向け第二日本語「ローマ字日本語」のすすめ* 2007-08-15 o [カテゴリ未分類]「言論人よ、群衆と真剣に向き合え」(梅田望夫)--中央公論8月号CommentsAdd Star* 2007-07-04 o [カテゴリ未分類]大学事務職員のための高等教育システム論(山本眞一)CommentsAdd Star* 2007-07-01 o [カテゴリ未分類]「免疫力」を説く安保徹先生が免疫力が低下した、と反省の弁を語っている話CommentsAdd Star* 2007-06-06 o [カテゴリ未分類]事業構想図と人生鳥瞰図を用いた人物論CommentsAdd Star* 2007-04-04 o [カテゴリ未分類]小説家、画家、詩人、文学者、学者、軍人、経済人、教育者、音楽家、役人CommentsAdd Star* 2007-02-20 o [カテゴリ未分類]河井寛次郎記念館CommentsAdd Star* 2007-01-27 o [カテゴリ未分類]大宅壮一文庫---「本は読むものではなく、引くものだ」CommentsAdd Star* 2006-07-16 o [カテゴリ未分類]「日本沈没」CommentsAdd Star* 2006-06-28 o [カテゴリ未分類]若者の歴史上の偉人に対する感性CommentsAdd Star* 2006-06-12 o [カテゴリ未分類]ナポレオン狂CommentsAdd Star* 2006-05-18 o [カテゴリ未分類]「知研フォーラム」289 号は170ページの大作(NPO法人知的生産の技術研究会:梅棹忠夫特別顧問)* 2006-05-04 o [カテゴリ未分類]梅棹忠夫の「日本探検」CommentsAdd Star* 2006-04-27 o [カテゴリ未分類]知的生産の技術研究会・仙台CommentsAdd Star* 2005-11-29 o [カテゴリ未分類]ブログに写真・図解を入れる実験中CommentsAdd Star* 2005-02-18 o [カテゴリ未分類]八木哲郎さんCommentsAdd Star* 2005-02-14 o [カテゴリ未分類]司馬遼太郎CommentsAdd Star* 2004-11-20 [カテゴリ未分類]九州大学探検会(創部40 周年記念会)の探検講座で講演CommentsAdd Star
2010/07/22
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午後から夕方にかけて多摩市永山にあるマイプリントという企業の研修講師をつとめた。大学から車で5分ほどのところにある。年賀状印刷と婚礼印刷を二つの柱とする企業で、年間120億円ほどの売り上げがある。先日、研修に先立って印刷工場を見学したが、磨きあげた素晴らしいシステムで運用していた。研修テーマは「図解による仕事の見える化」。以下、事業案内のホームページから。http://www.myprint.co.jp/ * 年賀状印刷。年賀状印刷109万件/年の受注実績は国内トップレベルメーカーです。厳選された箔押し・香り付き・筆文字等の豊富なデザインをご用意しております。 少量多種の年賀状印刷物を、コンピュータの集中管理にて生産からお渡しまでをサポートし、スピードと正確性を実現しました。主要取引先:アスクル ヤオコー ダイエー イトーヨーカドー ファミリーマート コープこうべ マイカル サークルKサンクス 西友 ライフコーポレーション 郵便局 * 婚礼印刷。全国約1500社のホテル・結婚式場と取引させていただいております。 カードの本場欧米で人気の招待状や、日本の伝統を活かした招待状等の多彩なデザインに、盛上印刷や箔押しなどの特殊印刷加工を施すことで、美しく、また高級感のある製品に仕上げます。常に新しいデザインを研究し、時代に合った商品を提供することで、お客様ひとりひとりに満足感を与えたいと考えております。また、印刷物に限らず婚礼に係わる商品も多数取り揃えております。婚礼事業: 目黒雅叙園 ヒルトン福岡シーホークホテル ザ・ペニンシュラ東京 城山観光ホテル ホテルニューグランド 株式会社ホテルオークラ シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル 株式会社ラヴィス 名古屋マリオットアソシアホテル 株式会社ブライダルプロデュース ウエスティン都ホテル京都 IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社 リーガロイヤルホテル ホテルグランヴィア20名ほどの受講者の予定だったが、15名と担当常務と教育担当者と合わせて、計17名となった。人数が少し減った理由は、韓国企業からの来訪が急遽あったこと、また担当常務は次回参加できなくなったというが、その理由は海外出張が決まったからだった。ニッチな分野で大きなシェアを持つ企業もすでにアジアとのビジネスが日常になっていることをうかがわせる。システム課、経営企画、人事課、購買課、年賀推進という管理部門が中心で、編集チーム、入力チームという生産部門の人もまじっている。部長、課長、チーム長というレベルの人もいるが、ほとんどは30代の若い人である。多摩大という大学の教員として、多摩地区にある身近な企業がどのような事業を展開しているのか、どのようなテーマを抱えているのか、そしてどのような人材を必要としているのかを理解するいい機会である。採用やインターンシップなどでの連携もはかっていきたい。地元でのこういう研修の機会も徐々に増やしていきたい。6-7時間ほどの研修だったが、熱心に取り組んでもらった。 * 全体図のなかでどの立ち位置にいるのかを明確にすることによって、他の関連部署とのかかわりもわかてくる発見がありました。答えがだせずに煮詰まった時は図で整理することを行っていきたい。 * 個々の業務の深さがみえてくうようで面白いと思った。自分の理解度を知るためにも、他者の理解を求めるためにもとても有効 * 物事をより深く理解するためのツール。 * まず大枠、全体像を理解してもらうときに、特に効果的 * 社内、社外に向けて資料を作成することが多いので今回学んだことが活かせる。 * もっと組織での業務にシフトさせる必要があると感じた。普段から仕事の目的を明確にする必要性も感じた。 * 自分の作成した図に今まで評価を受けたことがなかったためとてもためになりました。 * 改めて業務の細部を知らないのだと再認識しました。普段あまり接点がない部署についても理解できた。 * ○と矢印、大小などシンプルな方法でできることは新しい発見でした。 * 自分の業務の見直しができてよかった。他部署の業務もくわしく理解できた。 * 頭を使い疲れました。このメンバーを対象に来週2度目の研修を行う予定。
2010/07/21
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同僚の樋口裕一さんから誘われて、サントリーホールで行われた「六本木男性合唱団倶楽部10周年記念公演」である「最後の手紙」の初演を聞きに行ってきた。この演目は三枝成彰さんの作曲。三枝さんは1962年(昭和62年)の東京芸大一年生のときに読んだ「人間の声」という本を読んだ。第二次対戦で亡くなった人たちが、家族、妻子、恋人、友人に宛てて遺した手紙を編集した本で、この手紙を主題とした音楽作品をかきたいと思ったという。 50年近く暖めた構想である。その202人の手紙の中から、12ヶ国13人の手紙を取り上げ、それを音楽にし、オーケストラと男声合唱で表現しようという企画である。六本木男性合唱団には私の友人も入っていたが、今では222人がおり、今回の参加者は171名だそうだ。教師、医者、政治家、弁護士、ビイネスマンなど実に多彩な人たちがリストにあがっている。外国人も10人。羽田、鳩山、菅という首相、首相経験者もこの合唱団のメンバーだ。この公演に際して多い月は二日に一度の練習をしてきたという。譜面を読めない人は9割だそうだからここまでくるには大変だっただろう。メンバーの中で名前を知っている人をあげてみる。浅葉克己、島田雅彦、鈴木寛、辰巳拓郎、田崎真也、奥田瑛二、昇地三郎、露木茂、羽田孜、林芳正、江田五月、ケント・ギルバート・近衛忠輝、高野猛、鳩山由紀夫、服部克久、、、。こういう人たちが忙しい時間をやりくりして合唱にエネルギーを割いている姿を想像するのは楽しいことだ。フランスのレジスタンスの16歳のアンリ・フェルテの手紙、日本のルソン島で戦没した改造社の桔梗五郎の妻への手紙、日本空襲で戦死したアメリカのウィリアム・thディマン・シュンケル、ブルガリア人でパルチザンとして射殺された詩人・ニコラ・ヴァブッツアロフの妻への手紙、ポーランドのユダヤ人女性、イタリアの学徒ロベルト・ナンニ、中国のイエン・ユイ、イギリスのパトリック・ホールースヴェン、朝鮮の同区率運動かで詩人のユン・トン・ジュ、ソビエトの作家・イエフゲニイ・ペトロフ・、ドイツ兵ヘルベルト・ドウックシュタインのまだ見ぬわが子への手紙、トルコのミザーク・マノウキアンの妻への手紙。彼らの手紙をさんまざまな音楽に乗せて重厚で強い迫力で訴えかけてくる。日本語の字幕も用意されている。三枝さんの反戦の思想を余すとこなく表現した作品であり、ひしひしとその想いは伝わってきた。会場に来る途中で浅田次郎の「終わらざる夏」という小説を読んできた。これも第二次大戦末期の話で、最初は東北と東京が舞台になっている。兵士としてとる赤紙の原案をつくる滝沢村の戸籍係、本土決戦に向けて45歳に近い老兵として徴用される編集者、親不孝を重ねる鬼軍曹、などが描かれているが、さりげない表現が胸を衝く。電車の中でも自然に涙がでてくる。しかし、「最後の手紙」には共感はするが、こういう感じが出ないのはなぜだろうか。小説と音楽の違いだろうか。音楽という芸術は、個人と人類が一気に結びつく。特殊が普遍につながっている。個人の死と世界の平和が時空を超えて関係を持つ。誰もが賛成だが、それに至る道筋は明らかではない。今回の作品にも、個人と組織、個人と国家の葛藤は描かれてはいない。会場では、鳩山、羽田、塩川、江田など政界の重鎮や著名な評論家などもみかけた。始まる前には樋口さんと一緒に三枝さんにご挨拶する機会もあった。帰りながらわたしの音楽ライフの師匠・樋口さんの解説を聞く、感想や質問を投げかけ、腑に落ちる説明をしてもらう。いずれにしても、三枝成彰さんの思想、執念、そして合唱団を率いるエネルギー、またレベルの高い聴衆を集めるカリスマ性と志の高さには感心した。
2010/07/20
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「葦わけ小船」(あしわけおぶね)は、本居宣長の 20代の作品で、宣長の文芸論の処女作である。「よい歌」とは何か、を論じている。歌はまさに「本」であり、すべてはここから生まれているということだ。宣長の生涯のテーマ「物のあはれ」に通じる所論である。 * 善悪、吉凶、うれい、かなしみ、よろこび、いかり、そのいずれにも役立つのが歌であり、こころがあふれ、ことばが幽玄のふかみにとどいていれば、鬼神もこれに感動するのである。 * いったい好色の道ほどふかく人情に根ざしたものはなく、すべてのひとがそれをねがうのだから、恋の歌が多いのは当然である。 * 歌にはしらべがなくてはならない。 * 歌の道の根本は風雅なのだから、平生からこころのもちかたはもとより、身のこなし方にいたるまで、温雅をむねとすべきである。 * 歌の学問のためには「万葉集」第一だが、歌をよむ手引きとしては、「万葉集」は三代集(「古今」「後撰」「拾遺」)におとる。 * 「新古今」の名歌は、花と実のふたつをそなえて、じつにみごとである。 * 何万年をへようと、人情という根本にかわりがないかぎり、よみつくされることのないのが、この歌の道である。 * 志を述べるものが詩であり、その詩をながく声をひいてうたうのが歌である。 * 春のおとずれをきく朝から、雪にとざされる年の暮れ、ひとつとして歌の趣向にならないものはない。 * 見るもの、きくもの、あるいは、うつりかわる四季の風物などを、おりにふれ、こころにふれて歌によみ、それに工夫をこらす、という習慣ができていれば、この世の中につまらないものはひとつもない。 * はじめは風雅をしらなかったひとが歌や詩をまなぶうちに、やがて花鳥風月をたのしむこころをそだてたりするのは、、、 * 情でも、ことばでも、とにかくなにか手がかりをみつけたら、それを中心に考えをすすめてゆく。そうすれば自然にこころもしずまることを、よくしっておく必要がある。 * 歌はその人情をよむものなのだから、人情にふさわしく、しどけなく、はかなく、つたないものであるのは当然である。 * わが国にある連歌、俳諧、謡、浄瑠璃、小唄、童謡、俗曲などは、みな歌からでたもので、歌の支流、あるいは音節や形式上の変種である。そこでこういうものと歌を比較するのは見当ちがいである。 * じっさい、民情をしる手がかりとして、歌ほど役に立つものはない。 * 「てにをは」は、歌がいちばん大事にすることである。いや、歌にかぎらず、すべてわが国のことばは、「てにをは」のはたらきによってはっきりした意味がきまるのである。 * 「万葉集」は、勅令にもとづいて編纂されたものではなく、またきびしい選択をへたものでもなく、ただ大伴家持などが私人の資格で聞書をすうようにしてあつめたものなので、玉石混淆のきらいがあり、その中にはとるにたりない歌もかなりまじっている。
2010/07/19
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本居宣長の「宇井山踏」は、宣長が畢竟の大作「古事記伝」を 34年の歳月をかけて書き終え、門生たちから学びのための道しるべを書いて欲しいとの懇望があったのにようやく答えることにした書物である。何を学ぶか、いかに学ぶかが主題である。漢意(からごころ)を排し、日本に帰れという主張は、中国を欧米と置き換えて読めば現在の私達へ向けたメッセージにもみえる。儒教道徳に染まりきった幕末の時代に、本居宣長の思想の強い衝撃が明治維新を生んだことに思いを馳せる。何を学ぶかということもあるが、この書はいかに学ぶかという視点からも多くの示唆が与えられる。寛政十年(1798年)十月二十一日の夕べに書き終えている。200年以上前の宣長69才の書である。 いかならむうひ山ぶみのあさごろも浅きすそ野のしるしべばかりも * しょせん学問はただ年月長く、うまずおこたらずに、はげみつとめることが肝要である。 * 晩学のひとも、つとめてはげめば、おもいのほか効果をあげることがある。また暇のないひとも、おもいのほか、暇の多いひとよりも効果を見せもする。それだから、才のとぼしいこと、まなぶことの晩いこと、暇のないことなんぞによって、こころくじけて、やめてはならぬ。 * 道をまなぼうとこころざすひとびとは、第一にからごころ、儒のこころをきれいさっぱり洗い去って、やまとたましいを堅固にすることを肝要とする。 * 古事記、日本書紀。古語拾遺、万葉集。続日本紀、日本後紀、続日本後紀、文徳実録、三代実録。(日本書紀よりあわせて六国史。朝廷の正史)。延喜式(「祝詞」)、姓氏録、和名抄、貞観儀式、出雲国風土記、釈日本紀、令、西宮記、北山抄、そして古事記伝。伊勢物語、源氏物語。 * 漢籍を見るには、とくにやまとたましいをよくかためておいて見なくては、かの文辞の綾にまどわされもしようぞ。この心得が肝要である。 * 皇国の学をこそただ学問といって、漢学をこそ区別して漢学というべきところである。 * まずよそのことばにかかずらわってわが内の国のことを知らないのは、くちおしいわざではないか。 * 力のかぎり、古代の道をあきらかにして、その趣旨を人にも教えさとし、本にも書きのこして「おいて、たとい五百年、千年の後にもせよ、時節めぐり来て、上これを取り、これをおこなって、天下にさずけほどこすであろう世を待たなくてはならぬ。これぞ宣長のこころざである。 * 「古事記」は、、、ただ古代よりの伝説のままに、書きぶりは至極みごとなものにて、上代のありさまを知るにはこれにおよぶものがない、、、。それゆえに、このわれも壮年より数十年のあいだ、身もこころもかたむけて、この記の伝四十四巻をあらわして、古学のしるべとはした。 * わからぬところはまあそのままにして読みすごせばよい。、、ただよくわかっているところをこそ、気をつけて、深くあじわうがよい。 * 総じて漢籍はことばがうまく、ものの理非を口がしこくいいまわしているから、ひとがつい釣りこまれる。 * すべて神の道は儒仏などの道とちがって、是非善悪をうるさく詮議するような理屈は露ほどもなく、ただゆたかに鷹揚に、みやびなものにて、歌のおもむきこそよくこれに合ってぴたりとする。 * 古きをしたいとうとぶというなら、かならずまずその根本の道をこそ第一に深く心がけて、筋目をあきらかにしてさとるべきっことなのに、これをさしおいて、末にだえかかわりあうのは、まことに古きを好むというものではない。
2010/07/18
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神保町で神田古書センタービルを探訪。一階から九階まで専門の違う古書店を歩く。上の階に行くほど怪しげな世界になっていく。「国史大事典」は145000円の値段がついていた。「福沢諭吉の手紙」(岩波文庫)と「日本を問い続けて--加藤周一、ロナルド・ドーアの世界」(岩波書店)と新潮新書1冊を購入するが、1000円でおつりがきた。いろんな人物を取り上げて現代への教訓にする、、。古本のインターネット検索、、。大学図書館、、。15時から九段サテライトで地域活性化マネジメントセンターの会議。16時20分からの本日のインターゼミの冒頭のミニ講義は、北東アジア。金教授の講義の後、寺島学長のコメント。 * 日本にいる「在日」という人々は三つに分けられる。韓国を支持する「在日韓国人」、北朝鮮を支持するかもしくは親兄弟・親戚が北朝鮮にいる「在日朝鮮人」、そして韓国・北朝鮮の両国を支持するかもしくは日本への帰化人「在日コリアン。 * 上記すべてを含む在日コリアンは、1910年の日韓併合を機に誕生し、その数は100万人。今年2010年は日韓併合100周年にあたる。 * 在日コリアンは、20世紀に植民地・朝鮮戦争・冷戦・朝鮮半島分断という歴史と戦争に翻弄され、朝鮮半島と日本との間に埋没した不条理の産物。 * 世界の移民(ディアスポラ)。ユダヤ人1500万人(1500年の歴史)。華僑5500万人(500 年)、印喬2500万人(300年)、海外コリアン700万人(100年)、日系260万人(140年)。 * 韓国の北朝鮮経済研究は質量ともに充実。主要大学には北朝鮮学部を設置。行政機関、シンクタンク、大企業には必ず北朝鮮研究部がある。 * 韓国の北朝鮮学会は400名。日本の現代韓国朝鮮学会400名の内、北朝鮮研究者は40名に過ぎない。 * ワールドカップへの参加。韓国は1954年、北朝鮮は1966年、日本は1998年。 * 古代日本と朝鮮半島。白村江の戦い。「大和朝廷の原点は百済」という研究も。 * 秀吉の朝鮮出兵で、日本は陶芸工を連れてきた。彼らは後に日本名を買い、日本人の苗字となっている。島津藩。 * 古代には渤海と日本海を通じた大きな交流があった。 * サムソンなど韓国大企業は、日本の中小企業の投資に意欲。日本・韓国・台湾のネットワークが形成されつつある。 * 多摩学の追求、人材交流などを通じ、アジアに視界をひろげること。 * 意外な「関係」の発見が、気づきと目覚めをもたらし、何かをつくっていく。各グループの討議が熱心に続く。終了後、常連の金先生、菅野先生、長田先生に加え、中庭先生、趙先生、酒井先生、諸橋先生といつもの蕎麦屋で懇親会。
2010/07/17
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7月20日発行の新著の見本が届きました。大阪の創元社の30代初めの若い編集者からの要請があり、悩み多き30代に向けての「人生論」という内容になりました。従来多かった仕事論よりも、人生全般を扱っています。「30歳からの 人生リセット術」というタイトルで、表紙の手触りのいい装丁となり、気に入っています。「世代」「「個の世界」「立ち位置」「決断と行動」「情熱」「出会い」「変化」「時間管理」「成長」「お金」「健康」「関係」「交流」「生き方」という14章に分かれています。以下、目次を掲げます。introduction はじめに何者でもない自分 答えは、自分の足下にある 求められることに、応え続ける * Chapter 1_generation 世代いま、30代であることの意味 -団塊の世代の子どもたち -恵まれない世代が秘めた可能性 -人生80年の時代に30代は、青年期 スタートはいつでも切れる * Chapter 2_individual 個の世界「公・私・個」のトライアングル 「個」を持つと、勢いが生まれる 「公・私・個」が持つ相乗効果好きなことを、ただ続ける ライフワークは、変わってもいい テーマを持てば、世界が広がる 「個の時間」を確保する方法一日の中での「公・私・個」を考える 一週間の中での「公・私・個」を考える * Chapter 3_position 立ち位置若いころは「見えない」 見晴らしが良い位置に行く 2段階上の立場で考える 全体最適を見据えた仕事をする * Chapter 4_decision & action 決断と行動自分が深く関われば、決断できる どちらを選んでも、全力を尽くすだけ 「人に相談しない」という勇気 本気でやる人間は、誰も止められない * Chapter 5_passion 情熱現代のビジネスパーソンの理想像 今に生きる渡辺崋山の教え 30代は怒濤の仕事量をこなせ 死ぬ気で仕事をする * Chapter 6_encounter 出会い旅をすることの効用 異業種交流会を名刺交換の場にしない 外的世界の拡大は、内的世界を深化させる * Chapter 7_change 変化転職したければ、転職するな 「四つの自由」で転職を考える * Chapter 8_time-management 時間管理「時間主権」を確立しよう 自分と約束する 時間主権を拡大する方法 * Chapter 9_self-development 成長ビジネスパーソンの勉強の仕方 意義ある資格の取り方 情報の本質をつかまえる プロの情報にアクセスするツイッターを使って英語を学ぶ 新聞の価値 「学び」を得る本の読み方 * Chapter 10_money お金貯金よりも自己投資を いつの時代もお金に余裕のある人は少ない 4分の1天引き貯金法お金の使い道を「目的別」で考える お金と自由の関係 * Chapter 11_condition 健康健康を自分にプレゼントする 体を動かすことを、あきらめない 「身心一如」の精神 記録に残すことが支えになる * Chapter 12_relation 関係人間関係の悩みにエニアグラム 9つの性格タイプ 自分と相手のタイプを知る エニアグラムでその人のOSがわかるあらゆる関係をつなぐカギ * Chapter 13_communication 交流「コミュニケーションの回路」を開けておく 出世しても、絶対に偉ぶらない 森鴎外に学ぶ公私のケジメ 人脈マップをつくる高め合える友人を持とう 家族を持つことで成長できる 婚活のススメ * Chapter 14_style 生き方「目標設定型」と「積み上げ型」 才能より努力を重視する 本居宣長に学ぶ継続する力 * postscript おわりに---------------本日の講義で、参院選の選挙の投票に行ったかというアンケートを取りました。結果は選挙権のある人の55%が投票に行ったという結果になりました。投票の数日前に同僚の先生が特に情報を提供せずに投票に行くかというアンケートをとたっところ25%だったという情報をもらいました。私の講義では、各政党のマニフェストをまとめた新聞記事を配ってそれを材料に図解に挑戦するという趣向を凝らしたところ、66%という予想投票率になりました。25%と66%の差の41%が「教育効果」ということになります。
2010/07/16
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「新しい世界観を求めて」(佐高信・寺島実郎:毎日新聞社)を読了。反体制に立っている佐高信と肌合いの違う寺島実郎との対談は、互いの立ち位置をくっきりと浮かび上がらせた。寺島の考えていること、本音がより直截に出てきた内容になっているので、大変に面白く、触発されながら読み終わった。司馬遼太郎も梅棹忠夫も対談の名手であったが、対談という言う知的装置は同時代の巨人という相手との知的緊張と人間的紐帯の中で、その本質がより先鋭に出てくるという仕掛けを持っていることを改めて感じた。新しい世界観を求めて以下、寺島側に立ってきた私の琴線に触れたそういう部分のみをピックアップしてみた。 * 私は誰かのブレーンになることで満足できるほど単純ではなく、受け身の人間でもありません。 * ポピュリズムの行き着く先は、歴史の教訓が教えているのは確実にファシズムなんですよ。(フランス革命のナポレオン、ワイマール共和国のヒットラー) * 本当の意味での社会政策、さらには本当の意味での分配の基軸を再考する必要がある。、、誰が分配の恩恵を被り、誰が分配を負担していくのかということについて、明確な政策思想を打ち出して方向性を定めていかないと、、 * 僕は石橋湛山という人の見識を非常に尊敬しているんですが、、、軍国主義が吹き荒れている時に、「小日本主義」を掲げて満州を放棄してでもアジアとの連携を図るべきだと言っていた。 * (日米関係の抱える問題)いま我々が議論しているテーマというのは、現代の条約改正なんですよ。、、情念と時間がかかる。、、普天間問題はあちこちに迷走していたけれども、あれがきっかけとなって条約改正が行われたと総括するような形にしていかなればいけないと思うんです。 * 僕はリベラル保守という立場で一貫しているつもり、、 * サバイバル・ゲームですから、僕はそこが他の人と違うんですよ。取材して歩き、見て論じるだけではなく、問題を解決しなくてはいけない。 * 小学校の時に、僕が生徒会長をやっていた時、、 * 市井のの人というのが一つのキーワードになりますね。言い換えるならば、それは民族の地力と言えるでしょう。 * 「種」((類は人類、種は民族や国家、個は個人)のところに身を置いて議論すると、右からも左からも現実に批判される。その気迫がなかったら、とても発言などできません。だから、個から類へ飛ぶ。そうすれば誰も反対できないわけですから。 * 「小さな正義」と「大きな正義」、、。方法論がよくないというような「小さな正義」、、大事なのは「大きな正義」、、。時代を変えたり、社会を変えたりするもの、、。その軸を失ってはいけない。 * 僕の視点は、問題の本質がどこにあり、いかにその問題を解決するかにあります。、、責任を共有し実務を実行する。 * 僕は小田実よりも加藤周一を敬愛している。 * 僕が共鳴心を働かせる人間は国境を越えて闘った人です。 * 「こいつはダメだ」と思ったら歯牙にもかけず、その人物には五分と時間を使いません。 * ほとんどの人に襲いかかってくる中年の危機があります、、自分の能力の限界や人間関係を含めて様々なことで挫折し悩みます。、、問題はそれをいかに乗り切るかです。、、それぞれの人たちが、どういう形で自分の中年の危機を乗り切ったのか。いろんな意味で興味があって対談を続けてきました。 * 人間は人間によって育ちます、、。 * 「リベラルである」とは「相対的である」という意味です。絶対的な価値に酔いしれないことがリベラルということです。つまり、自分の頭で物を考えているかどうかです。、、自分の頭で考える力のある人間がリベラリストなんです。 * 私自身は、生身の人間として体制と帰属組織に身を置きながらも、体制との知的緊張を失うまいとの思いで「体制の全体知」を求めてきた人間だが、「反体制の詩人・佐高信」の潔い目線は常に心に置かなければならないと感じている。
2010/07/15
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細川護煕「内訟録--細川護煕総理大臣日記」を読む。内訟録元熊本県知事の細川は92年 5月の日本新党結成後、直後の参院選で4議席、翌年の東京都議選で20議席、そして93年7月の衆院総選挙で35議席を獲得した。自民党は過半数を大きく割り込み、自民党を飛び出した新生党の小沢一郎は細川を首班に立て非自民非共産の政権を樹立した。この政権は結果的には8ヶ月で瓦解した。記録を大事にするという家訓のあった細川は、総理時代に日記をつけることを決心する。16年前の記録を整理し、歴史的な政権交代のさなかに世に出した書物である。表現上の特色は、「明言せり」「事実ならん」「いわざるをえぬ」など文語調の日記であることだ。また様々の決断の時に中国の古書や世界のリーダーの言などが随所に出てくることも特徴だろう。政権の内部、外部の関係者の証言も随所にあり、新聞の「首相官邸」は毎日下段に記されているのでどのような状況の中で総理が書いた日記かがわかる。「このところまさに内憂外患、、。深更ひとり書斎にありて、来し方行く末、日本国の将来につきさまざまに思いをめぐらす中で、自らの出処進退につき、このあたりが総理の職を辞すべき潮時とはらを固む。、、小沢氏に取りあえず電話にて私の意中を伝え、氏もその決意なら致し方なしと了承す。」鳩山由紀夫官房副長官「総理の平然とした態度に関心もし、また、人間らしさの欠如に怖さも感じた。党首代表者会議はあっけなかった。、、新生党の小沢一郎代表幹事は目を瞑り涙をこらえているかのようにみえた」山崎拓議員「選挙の翌日、YKKで会って「細川を担ぐ以外に数が足りないので、細川のところに行こう」という話でした。あの発想は小沢氏もしたけれどYKKもしたんですよ。確か小泉が言い出したと思います。しかし、瞬間タッチの差で遅れた。愕然としましたよ。」細川は今日の時点でのインタビューに次のように答えている。 * こちらに私心がなければ何ていうことはないですよ。 * 西郷さんを読んで一番、印象に残っていることは無私ということと謙虚さということです。 * 私にとって一番参考になるのは幽斎ですね。幽斎はは常に中庸を行った。中庸とは右と左の中間ということではなくて、大道を行くということなのですが、それははやはり歴史感覚から生まれるものですね。 * つまるところははらが坐っているかどうかだけなんですよ。やることは断固としてやるという私心のない人が、5、6人いたら、大抵のことはできる。現下の政治情勢の中で読むと、当時の関係者の言動が興味深い。小沢、鳩山、菅などの現在の主役たちの息づかいが聞こえてくる本だ。細川護煕は突如新星のように中央政界に現れ、非自民非共産の歴史的政権を担当し、すぐに寂靜の中に入った。見事な出処進退である。細川は「天の時」を知った人物だが、この「内訟録」も出すべきときに出した書物である。--------------------午前は、大手文具メーカーから二人みえて事業展開の相談。面白い展開になるかも知れない。午後は、品川で研究開発機構評議員会。総合研究所、情報社会研究所、統合リスクマネジメント研究所、知識リーダーシップ総合研究所という4つの研究所と学部・大学院の相互の情報交換の場。
2010/07/14
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人物記念館を巡っていて不思議に思っていたことの一つは、小説家、画家、彫刻家などの記念館は多いが、実業人・経営者の記念館はあまりないということだった。書物、絵画、彫刻などは形があり、展示する方向が明確であるからだろうと考えていたが、起業家や企業家は「企業」という生き物を産み、その生き物が成長しているから、企業自体が人物記念館であるということなのだろう。安定した大企業となった企業の中には、創業者の事績を示す記念館らしきものがあることもある。例えば、大阪のパナソニックの松下幸之助、今日との島津製作所の島津源蔵などは、創業の精神を忘れないため、そして企業のDNAを確認するために立派な記念館を擁している。さて、今日の企業を創った明治期を中心とするする創業者・経営者は、功なり名を成した後に、美術品の収集に走り、結果として美術館をという形で残っているケースが多い。私達はそういう美術館で行われる展覧会を観ることができるという余慶に預かっている。この夏は、美術館を訪ねてそれを創った創業者、経営者をしのんでみようか。 * 国立西洋美術館。川崎造船初代社長・松方幸次郎 * ブリジストン美術館。ブリジストン創業者・石橋正二郎 * 大倉集古館。大倉財閥設立者・大倉喜八郎 * 五島美術館。東急電鉄創業者・五島慶太 * 静嘉堂文庫美術館。三菱第二代社長・岩崎弥之助、第四代社長・岩崎小弥太 * 畠山記念館。葦原製作所創業者・畠山一清 * 出光美術館。出光興産創業者・出光佐三 * 太田記念美術館。東邦生命保険社長・太田清蔵 * 三井記念美術館。 * 松岡美術館。松岡地所創立者・松岡清次郎 * 泉屋博古館分館。住友家第十五代当主・住友吉左衛門 * 平木浮世絵美術館。リッカーミシン創業者・平木信二 * 根津美術館。東武鉄道社長・根津嘉一郎 * 山種美術館。山種証券創業者・山崎種二 * 安田講堂(東大)。安田財閥・安田善次郎 * 川村記念美術館。大日本インキ * 三井物産創業者・益田孝 * 大原美術館。倉敷紡績 * 三渓園。原富太郎 * 三越の高橋与義雄 * 逸翁美術館。阪急創業者・小林一三 * 王子製紙再建者・藤原銀治郎 * 財界指導者・団琢磨 * 藤田美術館。藤田組の藤田伝三郎 * 野村美術館。野村財閥創始者・野村徳七 * 香雪美術館。朝日新聞創業者・村山龍平 * 滴翠美術館。山口財閥オーナー・山口吉郎兵衛 * 福岡市美術館。電力の鬼・松永安左衛門 * 白鶴美術館。銘酒白鶴7代目・嘉納治兵衛 * アサヒビール大山崎山荘美術館。朝日麦酒初代社長・山本為三郎 * 徳川美術館。 * 彦根城博物館。 * 林原美術館。林原一郎 * 田部美術館。松江藩第何七代藩主・松平出羽守治郷 * 細川コレクション永青文庫。 * パナソニック電工・汐留ミュージアム * 森美術館 * サントリー美術館。サントリー社長・佐治敬三 * 原美術館。ハラミュージアム アーク。実業家・原六郎 * ワタリウム美術館。
2010/07/13
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六本木の国立新美術館で「オルセー美術館展2010」が開催中だ。1900 年のパリ万博を見越して鉄道が延長され、セーヌ河畔にホテルを併設する駅が建設された。旧式となって廃止された駅舎を美術館として変容させるという構想が1986年に実り、19世紀半ばから20世紀初頭までの美術をカバーする美の殿堂である。ここには5000点を超える絵画コレクションがあるが、改修中の期間を利用して「ポスト印象派」の名作中の名作 115点が来日した。これらの絵画は「ベスト・オブ・オルセー」である。よく知っている有名な絵画を数多く堪能した。以下、もっとも印象に残った作品。特に「日傘の女」「星降る夜」「蛇使いの女」がよかった。 * クロード・モネの「日傘の女性」「睡蓮の池、緑のハーモニー」 * シニャック「井戸端の女たち」 * セザンヌ「台所のテーブル(篭のある静物) * モーリス・ドニ「セザンヌ礼賛」 * ファン・ゴッホ「自画像」「星降る夜」 * ゴーギャン「タヒチの女」 * アンリ・ルソー「蛇使いの女」この「オルセー美術館展2010」の作品集には日仏の二人の政治家が「あいさつ」を寄稿している。「同美術館から将来再び一括して外に貸し出されることはおそらくないでしょう。私といたしましては、このような希有の企画が日本の皆様の関心の的となり、貴国と我が国の絆を一層強めるきっかけになることを願ってやみません。」(ニコラ・サルコジ フランス共和国大統領)「このような展覧会が、日本で最も人気の高い美術館の一つである国立新美術館で開催されることに、私たちは大いに喜びを感じ、作品の魅力を余すことなく堪能したいと思います。そしてこれを機に、フランス文化への理解と関心がさらに深まり、両国の関係がより一層緊密なものになっていくと信じます。」(鳩山由紀夫 日本国内閣総理大臣)ファン・ゴッホの「自画像」は、気難しくて遅咲きであった画家人生を感じさせてくれる。ポール・ゴーギャンは40才を迎える頃まで、真価を発揮できなかった。ポール・セザンヌは、56才でようやく礼賛を浴びたが、その後11年後に亡くなっている。
2010/07/12
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参院選民主党大敗。政治の混迷は当分続きます。自らの目の前の仕事に取り組むなかで未来を創っていくことが大事です。------------「生産性新聞」に連載を始めました。テーマは「タイムマネジメント力」です。第1回 豊かさとは自由の拡大である――カネ・ヒマ・カラダ、そしてココロ どのような社会であれ、共通の目標となりうるのは「豊かな暮らし」ではないだろうか。個人にとってもそれを目標に据えるのに異論はでないだろう。しかし問題は、豊かさとは何かということである。よく言われるのは、物質的豊かさと精神的豊かさという比較で、モノは豊かになったがココロは貧しくなったという議論だ。これもわかるのだが何か腑に落ちない感じがある。余暇こそが豊かさの中身であるという主張にも違和感を覚える。 そこで、豊かさとは「自由」の拡大であると考えてみたい。すぐに思いつくのは「経済的自由」である。経済的に自由であるということは、使いきれないほどのお金があるということではないだろう。何かしたい、買いたいと思った時、例えばオペラを見たいとき、お金がかかるからという理由で止めないで済むという程度にお金があるということだ。それで十分だ。 次にくるのは「時間的自由」である。「毎日が日曜日」であると自由は感じないらしい。何かしたいと思いたった時に、やらなければならないことがあってやれないという状態では時間的自由があるとはいえない。天気がよくてゴルフをやりたいと思いたってすぐにできるなら、時間的自由があると言えるだろう。 この経済的自由と時間的自由は、日常はあまり意識に上ってはこないが、「肉体的自由」によって支えられている。健康は豊かさの基礎的条件だ。経済的自由を「カネ」、時間的自由を「ヒマ」、肉体的自由を「カラダ」と言い換えると、経済と時間と健康、つまりカネとヒマとカラダが豊かさを示す指標となる。 ここで疑問が湧いてくる。そういった指標は、実は豊かさを支える部分ではないだろうか。カネやヒマやカラダの自由で何をするのか。ここで「精神的自由」が出てくる。この自由は、やりたくない仕事をやらなくてよい自由、嫌な奴に会わない自由、やりたいことをやる自由、言いたいことを言う自由というように考えてみたらどうだろうか。いわば「ココロ」の自由である。 豊かさとは、肉体的自由(カラダ)を土台に、経済的自由(カネ)と時間的自由(ヒマ)を得て、最終的に精神的自由(ココロ)を得ることと考えたい。 「カネがあるときゃヒマがない、ヒマがあるときゃカネがない」という言葉があるように、経済的自由を得るためには、時間的自由や精神的自由を犠牲にしなければならないこともある。リッチという英語を貧しい時代の日本人は「金持ち」と訳した。しかし金を使う暇のない人をリッチとは言わないのだそうだ。 豊かになるということは、自由が拡大するということである。今後訪れるであろうチャンスやピンチを迎えるとき、「豊かさとは自由の拡大である」という指針を念頭に、自分なりのバランス感覚で、現在と未来の自分をデザインしてはいかがだろうか。
2010/07/11
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東京ビッグサイトで開催中の「東京国際ブックフェア」「デジタルパブリッシングフェア」「教育ITソリューションEXPO」に行ってきた。「東京国際ブックフェア」では、生活・趣味実用書ゾーン、出版物流・流通ソリューションゾーン、自然科学書フェア、人文・社会科学書フェア、編集制作プロダクションフェアでは、有名・無名の出版社、大学出版会、宗教団体のブースがたち並んでいる。また、韓国、中国、ブルガリア、エストニア、イラン、イタリア、サウジアラビアなどのバビリオン。創元社の橋本さんとディスカバー21の小田さんにご挨拶。「IT教育ソリューションフェア」では、学校向けセキュリティゾーン、教育用ハードウェアゾーン、e-ラーニング・授業配信ゾーン、学校業務支援ゾーンなどがある。そして目当ての「デジタルパブリッシングフェア」をよく見てきた。グーグル、パピレス、大日本印刷、凸版印刷、モリサワ、共同印刷、などこのフェアはやはり、勢いがある。 * movilibo。月額10,500円からiphone,iPad向け電子書籍を作成・販売できる、電子書籍オーサリングツール。売り上げの60%をお支払い! * wisebook。電子書籍アプリ制作ASPサービス。ウェブ上でJPEGやPDFを変換するだけでアプリが作成できる。 * Google。Googleエディションサービスでクラウドの中に自分の書棚を持つ。読めるのは20%に制限されている。 * モリサワ。電子書籍ソリューションMCBook。 * パピレス。電子貸本Renta。 1冊100円からで48時間閲覧可能なレンタルもでる。「Renta]で検索。iPadですぐに 7000冊読める。雑誌も。、-廣済堂。BokkGate。Appでkosaido。300タイトル。 * DNP。ハイビリッド型書店。 * 真興社。電子書籍販売サイト。 * モバイルボック・ジェービー。小説、コミック、写真集、音声ドラマ。 * Actibook。電子ブック作成そふと。PDFが画像が簡単に取り込める。2010 年は電子書籍元年だ。iPadの発売でビジネスが一気に立ち上がっている。----------九段サテライトでのインターゼミ。今日のミニ講義は大学院の長田客員教授。「叱る経営学」。松下幸之助(小さな間違い烈火の如く叱る)、本田宗一郎(鉄拳で叱る)、盛田昭夫(自分でやる姿をみせて叱る)、稲盛和夫(神に誓ったかというまで叱る)、飯田亮(明るく叱りフォローしない)。企業を成り立たせる3つの精神、市民精神、企業精神、営利精神。「経営は言葉である」。経営言語論というテーマ。寺島「経営を行う人間に興味。偉い人も至近距離に近づくと難しい。この人のためならという人を上下につくれるか、それが人生。」「ソニーと通研工業。井深大との縁。人間性、人間として凄い人だ。」「悪い上司に必ず出会う。自分で自分の人生を。人に生殺与奪権を与えない。折り合いをどうつけるか。」「明日の参院選では必ず投票せよ。」「多摩学」に関する朝日新聞の取材が入った。終了後、諸橋学部長、金先生、長田先生と懇親会。
2010/07/10
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午前中の授業で、先週に引き続き参院選マニフェストの図解に取り組んでもらった。この授業は受講者が250名を超える大きな授業。各政党のマニフェストをじっくり線を引きながら読み、自由に図解していくという趣向だが、民主と自民を比較したり、財政に特化して比較したり、関心のある政党の政策全体を扱ったり、様々の図解が二百枚ほど出来た。とても興味深い図解が集まった。選挙権があるか? 投票に行くか? どの政党に投票するか?(答えられる人のみ)、という質問にもアンケートに答えてもらった。選挙権のある大学生の予想投票率は、66%。無関心は18%と非常に少ない。 * 「行く(○)」と答えた人は49%、△と答えた人は33%、×と答えた人は18%となった。△の半分が投票に行くと仮定すると、予想投票率は66%になる。各政党への投票予定の結果は以下の通り。自民党が健闘、みなんの党にも支持、幸福実現党にも関心。 * 民主党29%、自民党26%、みんなの党11%、公明党8%、共産党8%、新党改革5%、立ち上がれ日本5%、社民党5%、幸福実現党5%、女性党2%、国民新党0%。 * 比例代表48議席を案分すると、民主14議席、自民12、みんな5、公明5、共産4、改革3、立ち上がれ2、社民2、幸福2、女性1、国民0。午後のレゼミを終えて、最近始めたPodcast「現代の志塾 多摩大チャンネル」第二弾の収録。樋口先生と私で「表現力の多摩大」をテーマに42分ほど語り合う。文章と図解を両方学べるという強いッセージを高校生に届けるのが目的だが、いい内容になったと思う。夜は、隔週で行っている品川キャンパスでの大学院の講義。終了後、新宿で京王線の乱れに遭遇し、帰宅は12時半になってしまった。
2010/07/09
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早朝に会津若松を立って郡山へ。東北新幹線で東京、そして多摩に戻る。大学ホームページ打ち合わせ。トップページhttp://www.tama.ac.jp/に「Podcast現代の志塾 多摩大チャンネル」を設置。第一回の寺島学長のインタビューが聴けます。http://www.tama.ac.jp/info/podcast.htmlトップページに「多摩大総合パンフレット」のバナーを設置。パンフがiphoneやiPadでも読めるようになりました。http://www.tama.ac.jp/pamphlet2011/index.html#page=1松本先生、中庭先生と多摩大総研の件で打ち合わせ。学長にいくつか報告。リレー講座は慶応義塾大学の金子勝教授。講義のタイトルは「反グローバリズム:金融資本主義を超えて」。ホームゼミは3つのグループに分かれてディスカッション。夜はホームゼミの「多摩焼きチーム」との飲み会を多摩センターで開催。10人というサイズなのでいろいろと話ができた。私は一次会で帰宅。
2010/07/08
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朝から書いたツイッターで一日を振り返ります。新しいものから順番。1.昨日の梅棹忠夫先生の訃報の日経新聞の記事は、中澤さん(編集委員) が署名入りで書いていました。民博で先生にずっとインタビューを続けていたので、いい追悼記事になっていました。 約4時間前 TwitBirdから2.金曜日にね!RT @kentacoffee @hisatune 今日先生の部屋に伺ったのですが、出張だったのですね。 約4時間前 TwitBirdから kentacoffee 宛3.今朝の福島民報によると郡山駅付近の地下街は大打撃を受けたようです。RT @summer_jyu 大変ですね。気を付けて下さい。無事を祈ります。RT @hisatune 郡山駅前は水浸し。靴をぬいでズボンをたくし上げて、裸足で私も歩いています。 約4時間前 TwitBirdから summer_jyu宛4.会津の財産ですね。RT @iabetaka 修学旅行の引率で宿泊した時があります。安くてすてきですよ。RT @hisatune: 会津日新館を見学 。会津藩の藩校をそのまま再現した素晴らしい施設だ。株式会社で運営しているのが凄い。総合的で知育徳育体育と揃った学校 約4時間前 TwitBirdから iabetaka宛5.会津若松から郡山へ向かっています。郡山から東北新幹線で東京へ。そして多摩に向かいます。 約4時間前 TwitBirdから6.昨日は会津大での講義の後、程学部長と甘泉先生、そして講義にも参加された市議会議員目黒夫妻の四人で会食。目黒さんの三男は多摩大の一年生。会食の場所は日本居酒屋十選、百選に選ばれる店だった。まことに愉しい時間を過ごしました。 約4時間前 TwitBirdから7.今日も生涯の一日なり。会津若松東山温泉の朝。 約4時間前 TwitBirdから8.会津大学「会津It 日新館」で講義。二百人ほどの学生が受講しました。 約17時間前 TwitBirdから9.会津日新館を見学 。会津藩の藩校をそのまま再現した素晴らしい施設だ。株式会社で運営しているのが凄い。総合的で知育徳育体育と揃った学校のだ。 約17時間前 TwitBirdから10.白虎隊伝承史学館。「山川健次郎は白虎隊顕彰の最大の功労者なり」。 約23時間前 TwitBirdから11.飯森山の白虎隊が自刃した場所とその墓。十四歳から十七歳の十九士。山川以下が建てたの殉難の碑もある。 約23時間前 TwitBirdから12.朝早く高速バスで郡山から会津若松へ。会津大学での講義は夕方なのでまず飯森山の白虎隊記念館を訪問。早川館長から説明を受けながら見学する。東京、京都、九州の三帝大の総長だった山川健次郎を詳しくみる。 約23時間前 TwitBirdから13.今日も生涯の一日なり。福島県郡山の朝。
2010/07/07
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東京駅で梅棹忠雄先生の訃報に接し秋田さんと弔電の文案を練る。巨星墜つ、とはこういう場合に使う言葉なのだろう。知研も四十年にわたり顧問としてご指導いただいた。ご冥福をお祈り申し上げます。T出版社と大型企画の進行打ち合わせ。どんな形になるか楽しみだ。久しぶりの東北新幹線で東京駅から郡山へ。物凄い雨が降っていて、駅の階段は滝のように水が流れている。明日の会津大学での講義のために乗り換えで会津若松へ向かう予定だったが、大雨のために、出発できないという車内放送。一時間半待ったが、見込みがないとのことなので、ホテル確保に走る。駅を出ると、道路が川のようになっている。多くの人が途方に暮れている。コンビニは入り口には土嚢が積まれている。大通りをわたるにも、靴を脱ぎ裸足でズボンをたくし上げて歩くしかない。覚悟を決めて水のなかに入っていく。商店街は土嚢で水を掃いたり、水をふせいだりと大騒ぎだ。やっとホテルに入ることができた。
2010/07/06
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「ラポー」という大学の広報誌(季刊)がある。これは在学生、父兄、関係者に配られているが、教育・研究・社会貢献など大学の動きがわかるように編集されている。今、過去のラポーを全て大学のホームページでみれるようにすべく調整しており、近々それらの膨大な情報がアップされる予定になっている。その広報誌の最終面に「”多摩”人物紀行」という連載を書くことになった。今まで多摩地区では、吉川英治、河合玉堂、児島善太郎、赤塚不二夫、中村雨紅、前田真三、中里介山、中村研一、高橋是清、前田国男、山本有三、宮崎駿、太宰治、湯浅八郎、中村四郎、牛島憲之、武者小路実篤、八木下要右衛門、土方歳三、佐藤彦五郎、井上源三郎、昭和天皇、明治天皇、今井兼次、富澤政恕、小島政孝、などの人物の足跡を訪ねたので、この中から数人を選ぶことにしたい。第一回の水木しげるさんを取り上げたラポーの最新号が発行された。--------------”多摩”人物紀行 鬼太郎茶屋(調布市) 調布の深大寺の門前に「鬼太郎茶屋」がある。その2階で「水木さんと調布展」という企画をやっている。水木さんとは、もちろん1959年以来50年以上も調布に住む妖怪漫画家の水木しげるさんである。「ゲゲゲの女房」の亭主と言った方がわかりがいいかもしれない。水木さんは2008年3月には調布市の名誉市民になっている。この鬼太郎茶屋は 2003年10月に開店した。参道の入口近くにあり、そば屋を改造した二階建てである。2階に登る階段から妖怪だらけだ。水木しげるの発明したあらゆる妖怪が狭い空間にひしめいている。そしてうっそうと生い茂る緑の木々を堪能できる木製の「癒しのデッキ」でも、さまざまの資料を見ることができる。等身大の水木さんの写真が立っており、そこに出身地や身長、などさまざまのデータが記されている。その中に、「幸福の7カ条」があった。「 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはならない。」「 しないようではいられないことをし続けなさい。」「 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。」「 好きの力を信じる。」「 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。」「 怠け者になりなさい。」「 目に見えない世界を信じる。」一階の妖怪ショップ「ゲゲゲの森」で「日本妖怪大全」「水木しげるワールドの妖怪たち」「水木さんの幸福論」を買う。また、水木さんの言葉を背中に書いたTシャツも購入する。「怠け者になりなさい」というTシャツが気に入ったが、サイズが小さ過ぎるのと大き過ぎるのとしかない。あまり勤勉にやっていると幸福になれないかも知れないと思ったのだが、ないからにはしょうがない。「のんびり暮らしなさい」の方を買う。私は怠け者になってはいけない、と水木さんから言われたような気がした。帰って、「水木さんの幸福論」(日本経済新聞社)を読んだ。日経新聞に連載した「私の履歴書」を中心に「水木さんの幸福論」と「わんぱく三兄弟、大いに語る」と「鬼太郎の誕生」という漫画が付いている。参考になったところを抜き出してみる。「「筋を考えるのが漫画家の生命線です。、、、売れなかった時代でも、原稿料の大半は、漫画の筋を考えるのに役立ちそうな本とか、妖怪の作画のための資料とかを買い込むのに使っていました。 」「妖怪をリアルに再現するためには、表情、動作、背景などを入念に描き込まないといけない。資料を探し、文献を読み、想像力を働かせる必要もあって、総合力で作画に取り組まないといけない、、、」30年近く前、「知的生産の技術」研究会で「私の書斎活用術」(講談社)という本を出したことがある。私はこのプロジェクトの責任者でもあったが、16 人の著名人の書斎を訪問してまとめた。このとき、調布の水木さんの自宅を二度訪問している。確かお寺の墓場の隣に家があった。そのお墓をバックに楽しい話を聴かせてもらったが、その時「この人は本当は妖怪なのではないか」という疑問が頭をかすめたことを思い出す。妖怪のたくさん入った引き出しをみせてもらった。新しい妖怪をつくるには、いくつかの妖怪を組み合わせるのだとの説明だった。また、廊下には南方から買ってきたお土産の妖怪達が並んでいて気持ちが悪かった。その時、やはり「幸福」についての言及があった。天国はどこにあるのかという問題意識だった。そのときのテーマが「水木さんの幸福論」になったのだ。---------------------寺島学長がリレー講座を開講していた帝塚山大学の関係者が来訪され、諸橋学部長と対応した。柳沢学園長、落合副学長、佐藤経営情報学部長、多賀事務局長補佐。奈良にある女子教育から出発した学園で、短大、大学、大学院と着実に業容を広げ、現在では6学部、5000名を擁する大学になっている。1年生から4年生まですべてゼミを行っている。1年はマナー、コミュニケーション、挨拶などの生活指導が中心。2年は導入演習で前期と後期で先生が替わる。また在学中、アドバイザー(担任)を設けている。ゆるやかな連携を模索しようということになった。
2010/07/05
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「、、、、今は「古事記伝」も書きおえたことだからといって、またしきりにうながされては、そうそう捨ておきがたくて、筆をとったものである。、、初学のためにはいささか益になるようなふしもあろうか。 いかならむうひの山ぶみのあさごろも浅きすそ野のしるべばかりも 本居宣長」寛政十年十月の二十一日の夕に書き終える」これは、「宇比山踏」(ういやまぶみ)の最後の部分である。宣長69歳。寛政十年の六月に生涯の大作「古事記伝」が完成したあとに、初学者のための勉強の方法と心構えを書いた入門書である。今日にも通じるありがたいアドバイスだ。以下、こちらの琴線に触れた箇所を記す。 * しょせん学問はただ年月長く、うまずおこたらずに、はげみつとめることが肝要である。まなび方はいかようにしてもよいだろう。 * 才のとぼしいこと、まなぶことの晩(おそ)いこと、暇のないことなんぞによって、こころくじけて、やめてはならぬ。なににしても、つとめさえすれば、事はできるとおもってよい。 * 主として奉ずるところをきめて、かならずその奥をきわめつくそうと、はじめよりこころざしを高く大きく立てて、つとめまなばなくてはならぬ。 * 漢籍を見るには、とくにやまとたまいをよくかためておいて見なくては、かの文辞の綾にまどわされもしようぞ。この心得が肝要である。 * 記紀ののつぎには「万葉集」をよくまなばなくてはならぬ。 * 皇国の学をこそただ学問といって、漢学をこそ区別して漢学というべきところである。 * 天地の間にわたってとくにすぐれた道あり、そのまことの道の伝わっているわが国に生まれて来たことはもっけのさいわいなのだから、いかにもこのとうとい国の道をまなぶべきことは、いうまでもない。 * されば力のかぎり、古代の道をあきらかにして、その趣旨を人にも教えさとし、本にも書きのこしておいて、たとい五百年、千年の後にもせよ、時節巡り来て、上これを取り、これをおこなって、天下にさずけほどこすであろう世を待たなくてはならぬ。これぞ宣長のこころざしである。 * わからぬこところはまあそのままにして読みすごせばよい。、、、ただよくわかっているところをこそ、気をつけて、深くあじわうがよい。 * 総じて漢籍はことばがうまく、ものの理非を口がしこくいいまわしているから、ひとがつい釣り込まれる。 * 自分でなにかの注釈でもしようと、こころがけて見るときには、どの書であろうと、格別に念が入って来て、見方のくえわしくなるものにて、それにつれて、また他のことにも得るところが多いものである。 * すべて神の道は儒仏などの道とちがって、是非善悪をうるさく詮議するような理屈は露ほどもなく、ただゆたかに鷹揚に、みやびなものにて、歌のおもむきこそよくこれに合ってぴたりとする。
2010/07/04
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実篤が三歳のとき、父は死んだ。死ぬ少し前に二人の息子を見て、「公共(実篤の兄)はわるくいって大使にはなれる」、実篤を見て「この子をよく育てて呉れる人があったら世界に一人という人間になるのだが」といった。後年、祖母や母からこのことを聞かされた実篤は、父の言葉を信じ、誇りともし、父を嘘つきにしたくないと思って生きたという。(村松梢風「現代作家伝」)実篤の晩年の仙川の住まいに、夜ふけて電話があった。妻が出てみると、新聞社からで、志賀直哉が亡くなった、急いで弔文を書いてほしい。これからオートバイで受け取りにいくからとの依頼。実篤は苦痛に耐えながら仕事部屋に行き、机の前に坐った。妻も暗澹として居間でずっと起きていた。真夜中を過ぎても、ほかからは何の連絡もなく、もちろんオートバイは来なかった。明け方近くなって、これは変だと気がついた。朝になって実篤はその原稿を引き裂いた。力をこめて何べんも、細かく引き裂いた。それからまもなく、今活躍中の著名な作家同士のおのおのに、相手の死亡通知の電話が入ったというゴシップが週刊誌に載った。(同前)戸松泉以上は、本日、買った「世界人物逸話大事典」(角川書店)の武者小路実篤の項目の一部である。九段サテライトでのインターゼミの前に神保町の古本屋街をひやかすのが私の小さな習慣となっており、本日の収穫がこの大きな事典だ。「英雄伝」を書いたプルタークは、「逸話は単なる経歴よりも、よりよくその人物を端的に示すものだ」と考えていた。逸話は、その人らしさを生生と表している場合が多く、同時に人物の逸話を通して、その時代の雰囲気やそれを好んだ民衆の意識を知ることもできる。 * 作者: 朝倉治彦,三浦一郎 * 出版社/メーカー: 角川書店 * 発売日: 1996/02 * メディア: 大型本 * この商品を含むブログ (1件) を見るこの事典ではその人物の特徴をよく表現している逸話を収集している。調べるのもいいが、読み物として読むのも楽しい。----------午前中は教授会。その後昼食を食べた後、就職をテーマとした教員懇談会。午後は、インターゼミ。長田先生、金先生と蕎麦屋で懇親会。
2010/07/03
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「知の現場」((久恒啓一監修・NPO法人知的生産の技術研究会編)のiphoneアプリをつくって無料でアップしたところ、ダウンロード数が非常に多く、完全版を出して欲しいという要望が強かったため、版元の東洋経済新報社から電子書籍としてを出すことに決まりました。21人の先生達に許諾をいただく作業に入りました。この本は2010年1月発行ですが、この後にiPadの発売があり、読書環境が大きく前進したというタイミングもいい影響があったと思います。初の電子書籍です。知の現場本日、来学したP社の編集者とは、秋の出版に向けて現在進行形の書籍についての相談でした。「人物」をテーマとした本格的な書物となります。また次の企画のユニークなアイデアも出ました。従来のビジネスもの中心の編集者ではなく、歴史物を得意とする編集者との付き合いによって、新たな化学反応が起こりつつあります。双方にとって枠を超えた企画が誕生しそうです。また、この編集者とも電子出版とiPadの話題になりました。今、出版界の話題は電子書籍一色の様相を帯びてきました。--------Twitter のフォロワー数が2000を超えました。http://twitter.com/hisatune
2010/07/02
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多摩大学は自前の広報活動として、ホームページ、メルマガ、ツイッターなどに挑戦してきましたが、この度、Podcastで多摩大の番組をつくりました。「現代の志塾 多摩大チャンネル」というタイトルです。iTunesで番組を無料購読できます。 http://itunes.apple.com/jp/podcast/id379895886 #iTunes「開学20周年を迎えた多摩大学の教育理念は「現代の志塾・「志ある人材を少人数教育で育てる」という意志を、塾という言葉に込めました。志が失われた時代ともいえる今、多摩大学が目指すのは幕末の松下村塾(吉田松陰)、適々斎塾(緒方洪庵)など、志の高い人材が輩出した「私塾」の現代版。本番組は、そんな多摩大学のことをもと身近に体感して頂けたら、との思いから生まれました。多摩大学に集う「人」にスポットをあてた毎回のインタビューから導きだされる「志」が、リスナーの皆様の心に響き、共感の輪が無限に広がっていくことを願っております。インタビュアーPODCASTプロデューサー:早川洋平(キクタス) 制作協力・和金HAJIME。itunes Store/Podcast/ 教育/大学以上/多摩大学 学長室/現代の志塾 多摩大チャンネルhttp://itunes.apple.com/jp/podcast/id379895886第一回は、寺島実郎学長インタビューです。27分14秒。北海道の高校時代のエピソード、リレー講座、インターゼミなど教育に関する話が聞けます。
2010/07/01
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