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父の「富士の四季」 春 ~水鏡~ この12月15日(月)夜、父が90歳で他界しました。 肺ガンで呼吸が困難となり、救急車で病院に運ぼうとしましたが、これを拒否しての旅立ちでしたので、悲しみより「本当に楽になれてよかったね! お疲れ様でした!」という安堵感が先に立ちました。 父が入院を拒んだのは、自宅で逝きたいという思いの他に、病院での点滴などによる延命治療で「家族に世話をかける期間を長引かせたくない」という、介護する者への深い配慮があったように思われます。 亡くなった後の父の顔は、あんなに苦しんだ人の顔とは思えないほど安らかで、ただ眠っているだけのようでした。 自分が同じ立場だったら、このような愛に満ちた「人生の幕引き」ができるだろうかと、自問せずにはおられません。 来年1月2日の、父の91歳の誕生日を、家族全員で正月に祝えないのがとても残念ですが、家族揃って父を偲びたいと願っております。 父と縁(ゆかり)のあった皆さんとのお別れの記念に、父の愛した富士山の写真を贈れば、きっと喜んで頂けるのではと思い付き、生前父に相談したところ、嬉しそうに同意してくれました。 そこで、父の数多い写真の中から「四季の富士」4枚を選んでもらい、これに最後の富士山撮影旅行で撮った父のスナップを添えて、5枚一組のポストカードをプリントし、通夜と葬儀の会場で父をよく知る皆様に贈呈させて頂きました。 これらの写真を、父を思い出す縁(よすが)として頂けたら、これに勝る喜びはありません。 上の写真はその中の一枚「春」の富士山で、父は「水鏡」という題を付けておりました。 昨日無事に葬儀を終え、今日「喪中」の葉書を印刷して投函し、ホッと一息ついたところです。 今、父を失った淋しさはありますが、不思議と悲しさはありません。 生前に「戦後の苦しい中を、死なずに頑張って生きてくれてありがとう!」「息子2人をここまで育ててくれてありがとう!」「親父さんを父に持てたことを誇りに思っているよ!」とお礼を言ったところ、「こちらこそ、ありがとう!」「世話になったな!」と言ってくれました。 この一言で、何か心が「1つになった」「通い合った」と実感でき、生きている喜びが湧き上がってくるのを感じました。「ちゃんと、言えてよかった!」そう痛感した瞬間でした。 父の大切にしたかったことを、不充分ながらも精一杯大切にすべく頑張れた自分を、嬉しく思っています。そしてそれを支えてくれた家族に心から感謝しています。 今後は、カミサンの大切にしたいことを精一杯大切にしながら、自分の夢を叶えて行きたいと願っています。そして、息子達をサポートし、孫育てを楽しみながら・・・
2008年12月19日
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父と富士山 2008年11月の撮影旅行にて 今、賢ちゃんは「父の介護にどれだけ感謝の心を込められるか」という課題を天から授かっています。 5年前に手術した父の肺ガンが再発し、体の各所に転移も見られ、末期を迎えております。 先月肺炎で入院した時、減塩食で味が無く全く食事が美味しくなかったことから、もう入院はイヤとのことで、カミサンと力を合わせて、我家で介護に努めています。 父は現在90歳ですので、もう手術はできず、痛みが出れば放射線や鎮痛剤で痛みを取る、熱が出れば解熱剤で熱を下げる、といった「もぐら叩き」的な治療しか受けられない状況です。 転移が進み、新たな部位に痛みが出る度に「もういい、早く逝きたい」と嘆くので、何もして上げれられない自分が本当に切なくなります。でも治療で痛みが無くなれば、父や私、弟が撮った富士山の写真をテレビ画面に映すと、嬉しそうに見入ってくれます。 父がまだ歩けた先月、弟が父と私を富士山に誘ってくれたのが、親子3人での最後の撮影旅行となりましたが、その時の写真が父を大いに元気付けてくれています。弟の粋な配慮には脱帽です。 食が細り食べたいものがないと言いますので、カミサンがどんなものを作ったら食べてもらえるか、苦心惨憺してくれています。本当にありがたい限りです。 少し動いても呼吸が苦しくなるので、ほとんどの時間をベッドで横になって過ごしており、筋肉が衰えて体に力が入らなくなって来ていますが、まだかろうじて移動は可能なため、介助する事で入浴をしてもらえるのは幸いです。 湯船に浸かると「極楽、極楽」と言って喜んでくれるのが、何より賢ちゃんには嬉しい父からのプレゼントです。 後何回、湯船に浸かるのを楽しんでもらえるかは分かりませんが、私に命を与えてくれたかけがえの無い父が、安らかで充実した人生の最後を迎えられるように、精一杯サポートさせて頂きたいと願っている今日この頃です。 「人がいい人生だったかどうかを判断するのは、人生を終える時」ですので、父にいい人生だったと感じてもらえるには、どんな介護をさせてもらったらいいのか・・・ 父が生きてくれていている今、私に与えられたこの「恩寵的試練」に、ただただ感謝あるのみです。
2008年12月06日
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