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大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の大地震は死者5人と負傷者300人以上を出したそうなのだが、今回の地震では再び大都市の災害に対する弱さが浮き彫りとなっており、モビリティにおいても例外ではなく多くの人が帰宅の足を失いTVのニュースでは淀川に架かる長い橋を徒歩で渡る人の列が放映されていた。これはある程度は仕方ないことで関西圏や首都圏の都市鉄道は朝のラッシュ時には10両以上の列車が数分間隔で走るっており、1両のディーゼルカーが1時間に1本しか走らないローカル線と比べれば、止まった際に影響を受ける人の数が段違いになることは多くの人が理解できるはずで、多くの人が集まる大都市が災害に弱いのはある程度は仕方がないと言われているのだ。 今回の地震は月曜日の午前8時ぐらいという時間帯も影響したそうで、多くの人が通勤途中だったりすでに勤務先に到着していたりして自宅にいなかったという。東日本大震災も地震が起きたのは14時46分だったのでやはり多くの人は勤め先におり、大通りの歩道は徒歩で家路に向かう人の列であふれバスやタクシーを待つ長蛇の列ができたという。もしこれが夜だったら多くの人は自宅におり、明朝まで時間の余裕があるので会社は休業などの措置をとれたはずで、阪神淡路大震災は明け方だったのでほとんどの人が自宅で寝ており、建物の倒壊や火災で多くの命が失われたものの帰宅困難者はさほど問題にならなかったという。今後は大阪の会社も東京のように臨時宿泊のための用意をする必要がありというのだ。 地震に強いモビリティでは今回の大阪府北部地震と7年前の東日本大震災で、ともに路面電車の阪堺電車と東京都電がいち早く動き始めたことに注目されており、他の鉄道が都市内を通過する際に用いる高架橋やトンネルは地震が起きた後の点検に時間が掛かるが、路面電車はその名のとおり道路上を走っているから被害が見つけやすく直しやすいという。しかも自動車よりはるかに重い電車の走行を前提として軌道は固められているから被害にも遭いにくく、ライトレールやLRTではなくあえて路面電車というと、海外のライトレールは都心では地下を走っていたりもするので我が国の道路上を走っていることを強調したかったためだという。もうひとつは路面電車のスピードが遅いことも地震対して有利だというのだ。 日本の路面電車は大正時代に公布された軌道法で最高速度が40km/hに制限されており、これについては時代錯誤だという意見も多々あるけれど最高速度が40km/hに抑えられているからこそ復旧が早まるという可能性はあるというのだ。バスやタクシーは路面電車より前に動き出しているが1台で輸送できる人数に限りがあるうえに道路が渋滞すると前に進めないという。今回の大阪府北部地震でも各所で渋滞が発生したように、東日本大震災では都市部でいうと普段は地下鉄で30分の距離をクルマで6時間以上要し、途中で動き始めた地下鉄に乗って帰ってきたというエピソードがあるとされることから、路面電車の利用は今後の大都市での地震の際に参考になる取り組みと言えるという。 もうひとつ地震に強いモビリティとしては自転車があって、もちろん路面状況に注意しながらの走行が基本ではあるが、東日本大震災では一部の人がその場で自転車を購入したという。大阪北部地震では大阪府も対応に追われたのだが、公共交通機関がストップする中府職員も通勤方法を自転車などに切り替えるなどして足早に登庁し情報収集に当たったという。大阪府北部で発生した地震に伴う交通機関の混乱への支援処置として、大阪府と兵庫県で提供する11カ所の駐輪所でシェアサイクルを無料で利用できる措置を実施したという。今回はソフトバンクグループの自転車シェアリング「ハローサイクリング」が、阪神地区で無料自転車を貸し出して話題になったが、収益的にはマイナスだが宣伝効果はあったといわれている。
2018年06月30日
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最近の日本の子どもたちについて「食が細く、怪我が多い」とか「甘いものが好きで、禁止してもこっそり食べてしまう」に「ジュースばかり飲む」などその乱れや歪みに困っているという悩みがあるそうなのだが、よくある朝食メニューの一例を見比べてみると「朝はパン派」ではロールパン2個と目玉焼きにウィンナーにサラダとヨーグルトで、「朝はご飯派」ではご飯とお味噌汁に焼き魚とほうれん草のおひたしで、どちらが太る朝食でどちらが痩せる朝食だというと、痩せる朝食は「朝はご飯派」だという。一見するとどちらも品数が多くバランスが取れており、朝食は野菜もたんぱく質も乳製品も揃っているので栄養バランス的にはさほど大きな問題はないが、「朝はパン派」の朝食が日常化しているようであれば注意が必要だという。 改めて見る日本の食卓は西洋文化によってバラエティ豊かになり、またいい意味での日本化によって様々な料理が日本人の味覚に合うようにアレンジされ、根付いていっているように思います。朝食に味噌汁や焼き魚、夜には時間をかけた煮物という昔ながらの習慣は変化し、朝はパンとコーヒーとヨーグルト、お昼はサラダとスパゲッティ、夜にはお肉と野菜、と欧米化してきている家庭も多いです。もちろん時代の変化に逆らう必要はないと思いますが、伝承されてきた食文化を忘れる、無視すると歪みが生まれます。ゆっくり「食材の味を引き出した」ものではなく、ファストフードに代表される「味付けされた」ものが増えている事実に目を向け、それを食べている自覚を持ち、今の時代に合うバランスを見つける努力をすることが必要だという。 「朝はパン派」と「朝はご飯派」の決定的な違いというとそれは「油」の量で、ご飯茶碗1杯分で脂質は0.4gほどなのだが、ロールパンは2個で4.8gとされさらに目玉焼きとウィンナーを油で焼けばその分油の摂取量はさらに増えてしまうというのだ。ロールパンに限ったことではなく一般的に主食がパンの場合はウィンナーやベーコンなど必然的に油っぽいおかずと組み合わせることが多い上に魚よりも肉を選ぶ傾向が強く、さらにパンにジャムやバターなどのスプレッドをつけるとそれだけで一気に糖質・脂質の摂取量が増えてしまうというのだ。そのうえたまに食べる程度であれば問題ないが、ほぼ毎日パン食の場合食べるおかずがほぼ毎回同じというケースに陥りやすいため要注意だというのだ。 つまり1食の栄養バランスは良くても1週間や1カ月単位で見ると栄養バランスに偏りが出て代謝が落ちてしまうため、代謝を活発にして痩せ体質を作るにはあらゆる栄養素を体内に揃えることが必須で、毎日同じものばかりを食べているのはダイエットにおいてはマイナスということになってしまうというのだ。一般的なパンは小麦粉からできていることから小麦粉は小麦を粉砕したものなので、粒になっているお米に比べると早い時間で消化でき、消化が早いということはそれだけ空腹になりやすいというのだ。必然的に昼食までの間の間食が増えたり強い空腹により昼食でカロリーの高いものを選んだり過食につながってしまうが、朝食がご飯の場合は腹持ちがパンよりもぐんと良くなるため昼食まで強い空腹を感じないというのだ。 朝は前日の夕食から10時間近くたっているため胃腸が空になっており、食べ物を良く吸収するという状態だとされ、例えば水をすでに含んでいるスポンジは水を吸わないのに対し、乾いたスポンジは水をぐんぐん吸収するということと同じで、朝は空っぽの腸に食べ物を送りこむわけですから栄養素をタップリ吸収するという。脂質の多いパンの朝食が太りやすいのは腸の吸収の良さも関係しているというのだ。そこでパン食で痩せるメニューにするにはどうしたら良いかということなのだが、精製されているパンよりもライ麦パンや全粒粉パンのように未精製のパンのほうが腹持ちは良い上に栄養価が高くとてもヘルシーだという。そして腸での糖質・脂質の吸収を緩やかにするためには野菜の繊維で腸に膜を張るのが有効だというのだ。
2018年06月29日
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農林水産省東北農政局が発注した東日本大震災の農地復旧工事で、公正取引委員会は農林水産省東北農政局OBを通じて入札情報を不正に入手し工事を受注したフジタに対して、独占禁止法違反の取引妨害を認定再発防止に向けた排除措置命令を出したという。昨年から農林水産省東北農政局が実施した東日本大震災の農地復旧工事5件の総合評価落札方式の入札で、工事を巡って談合の疑いがあるとしてフジタを含む建設会社に立ち入り検査を実施していたが、複数社に再就職した農林水産省東北農政局OBが仲介役になっている可能性もあるとみて実態の解明を進めてきた。フジタに在籍する農林水産省東北農政局OBが現役の農政局の技術評価担当職員に技術提案書への助言や添削を依頼していたという。 公正取引委員会によると実施された5件の総合評価落札方式の入札で、フジタに在籍する農林水産省東北農政局OBが農政局の技術評価担当職員に技術提案書への助言や添削を依頼しただけでなく、入札に参加していた他社の技術評価点や順位も問い合わせていたというのが。5件の入札のうち4件は2件ごとに一括審査方式を適用しており、一括審査した2件の入札のうち先に落札した建設会社はもう一方の工事を受注できない方式なので、1社が5件の入札で受注できる工事は最大3件に限られていた。フジタは農林水産省東北農政局OBが職員から入手した情報を基に技術提案書の作成や入札に臨み、技術提案に対する職員の事前の助言や添削が功を奏し3回の受注機会で2件の工事を落札しているという。 農林水産省東北農政局が発注した東日本大震災の農地復旧工事を巡る入札不正問題で、農水省はフジタに再就職した農林水産省東北農政局OBの働き掛けに応じて技術提案書の添削などをした職員1人を免職にし、競合他社の技術提案書を提供した職員3人を1~6カ月の停職にする懲戒処分を発表した。併せてこれらの職員のうち2人がOBから金品や接待を受けていたことも明らかにしたという。今回の入札不正問題では公正取引委員会は農林水産省東北農政局7人が未公表の情報を漏らしたなどとして、農林水産省に再発防止を申し入れていたそうで、これを受け農林水産は昨年3月から独自に進めてきた農林水産省東北農政局発注工事の談合疑惑調査も踏まえ関係職員の処分を決定したというのだ。 農林水産省によると免職にした職員は5年間にフジタに再就職した農林水産省東北農政局OBに対して、フジタが提出を予定している技術提案書9件に対して助言や添削をしただけでなく、入札書提出前にフジタの技術評価点や基礎点による順位に予定価格の基礎となる検討段階の設計金額を漏らし、農林水産省東北農政局OBから総額1万4千円程度の野菜を複数回にわたって受け取っていたという。また6カ月の停職にした職員はフジタに在籍する農林水産省東北農政局OBの働き掛けに応じて、競合他社が過去に受注した工事の技術提案書2件を提供していたという。その見返りとして7000円程度の飲食の接待を受けたほかゴルフ場に車で送迎した謝礼として1万4000円程度の金券を受け取っいたという。 農林水産省は農林水産省東北農政局職員の処分と併せ公正取引委員会が再発防止の排除措置命令を出したフジタを1カ月の指名停止にすると発表している。さらに今後のフジタの刑事訴追の可能性も視野に裁判で公契約関係競売等妨害罪の刑が確定した場合の違約金の請求にも言及しているという。実際に行政職員が入札情報を受注企業に漏らした過去の入札不正問題では公正取引委員会が、事件を摘発した後に関係者が起訴され有罪判決を受けているケースもあるという。今回の農林水産省東北農政局の入札不正問題では公正取引委員会が談合を認定してはいないが、行政職員が受注企業に未公表の入札情報を漏らすなどした構図は過去の官製談合事件と同じだとされている。
2018年06月28日
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日本でもかつては多数の夜行列車が運転されていたのだが、夜行列車とは夜間から翌日の朝以降にまたがって運転される旅客列車のことで、古くは夜汽車と呼ばれることもあるという。また夜行列車のうち寝台車を主体とするものは寝台列車とかブルートレインとか呼ばれ、多くの夜行列車は深夜帯には主要駅をのぞいて旅客扱いを行わないが、深夜発早朝着で運行距離が短い列車では深夜であっても多数の駅で旅客扱いを行うものがあるという。この夜行列車の最大のメリットは深夜という非有効時間帯を利用して目的地に移動できることにあるのだが、そのため他の競合交通機関の最終便より遅く出発し、始発便より早く目的地に到着する設定の場合最もその効果を発揮すると言われてきた。 たとえば出張先に朝早く着かなければならない場合には前日の早いうちに会社を出て目的地に入って泊まらなければならないし、夜行列車を使えば会社を夜遅くに出ても朝早くに目的地に着き仕事に間に合ったというのだ。昭和49年10月号の「国鉄監修 交通公社の時刻表」によると東京駅を発車する東海道・山陽方面の夜行列車で毎日運転の定期列車は12本あり、その多くは車内にベッドを設けて寝られるようにした寝台列車だったという。それから40年以上が過ぎた今年の5月時点では貨物列車を除いたJR線の定期夜行旅客列車は、東京~出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」と、私もよく利用していた東京~高松間を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸」の2本だけになってしまったというのだ。 しかもこの2本は東京~岡山間では連結して走ることから、東京駅ではわずか1本しか発着していないということになっているのだ。貨物列車はいまも夜行運転の列車が多数あるが旅客の夜行列車はなぜここまで減ってしまったのかというと、その最大の理由は高速交通の発達で「夜行列車の利点を生かせる区間」が減ったためといえるそうなのだ。日本では全国の鉄道網が一通り完成した明治時代中期以降に夜行列車が運行されるようになったとされるが、当時の長距離列車は昼夜を問わず走らないと目的地に到着しないものであり、必然的に夜行列車となってしまっていたという。当初は座席車のみによる運転であったが、1900年に現在の山陽本線などが日本で初めて寝台列車の提供を行ったとされている。 かつて機関車は夜行列車牽引の主力であったが電車化や廃止などによって使用される機会は激減しているそうで、特に近年では寝台特急「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」の廃止などで機関車の稼働率は極端に低くなっているそうなのだ。国鉄分割民営化後に新車を投入した列車はE26系を用いた「カシオペア」だけで、電車も「サンライズ出雲・瀬戸」のみとなっているという。客車の多くは国鉄時代に製造されたもので老朽化が進んでおり、牽引する機関車についても「カシオペア」や「北斗星」を牽引するJR東日本所有が2010年夏以降に電気機関車を置き換えられたものの、他社では昼行客車列車自体の減少や消滅も相まって機関車の新型車両へ置き換えは進んでいなかったというのだ。 しかも高速道路の整備が進んで運賃の安い夜行高速バスが相次ぎ登場したこともあって価格の優位さは失われていき、これに加えて近年は低運賃の航空便も登場し、夜行列車の運行にとどめを刺したといわれている。ちなみに海外でも夜行列車は減少の傾向にあり、とくに欧州では高速鉄道の整備に伴い運行区間の短縮や廃止が相次いでいるという。ドイツを中心に運行されていた夜行列車「シティナイトライン」は運行会社が一昨年に夜行列車の事業から撤退しているそうなのだ。それでも新幹線上を走行する夜行列車は座席車・寝台車ともに現在まで存在していないが、新幹線夜行運行などから検討して発着時間帯の設定自由度が従来の夜行列車より高く有望とするなど一部の学者は新幹線の夜間運行を検証しているそうなのだ。
2018年06月27日
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世界に生育する植物のうち約90%が受粉を動物もしくは虫に依存しているとされているが、おしべにできた花粉をめしべに運ぶ動物または虫のことをポリネーターと呼び、ハチもまたポリネーターの1種だとされており、特にハチは農業界においても重要なポリネーター「ハナバチ」として意図的に導入されてきたという。ミツバチについての解説を読んでみると、ミツバチはハチ目ミツバチ科に属する昆虫の一群で世界にミツバチ属は9種確認されていて、亜種を含め世界では24種のミツバチが養蜂に用いられているという。日本ではミツバチいわゆる蜂蜜を取るための養蜂用のミツバチはセイヨウミツバチとニホンミツバチの2種類が主に用いられ、特にニホンミツバチはトウヨウミツバチの亜種であるとされている。 そのミツバチは花粉を媒介し農業生産にとって重要な役割を担なっているが、群れが崩壊する異変が相次ぎ国内外で報告がなされている。ミツバチの失跡や大量死の原因として指摘されるネオニコチノイド系農薬なのだが、欧州では今春に一部成分の使用禁止が決まったという。日本はダニや病気を含む「複合要因説」を取って巣箱を避難させる被害防止策を指導するにとどまっている。神経毒のネオニコ系農薬の影響が疑われ欧州連合は使用を一部制限するなど対策を取ってきたが、今年2月に欧州食品安全機関がミツバチの維持にとってリスクが高いとの評価を発表し、これを受けて欧州委員会は「イミダクロプリド」を含むネオニコ系農薬の成分3種の屋外使用の禁止を決めたというのだ。 これに対して日本の農林水産省はネオニコ系農薬が影響する可能性を認めながらも稲作のカメムシ防除に重要だとの位置づけにより、他の殺虫剤に比べて人や水生生物への毒性も弱いというころから、養蜂家と農家が情報共有して水稲の開花期に巣箱を退避させて被害を減らす方策を取っている。農薬を登録するときのリスク評価について毒性の強さだけでなく、さらされる量を考慮する改善策を検討中というが使用ありきの対応に変わりはないという。欧州のような制限を必要としない根拠として農林水産省は欧州では表面に農薬を付着させた種を大型機械でまく方法が多く農薬の粉塵が巻き上がりやすいとされるが、日本で一般的な産業用無人ヘリコプターでの散布ということで使い方の違いを挙げているという。 巣には蜜や蛹や女王蜂が残されているのに働きバチがいなくなってしまう現象を「蜂群崩壊症候群」とよばれ、専門家の中には「残留基準を緩和し、新たな成分を登録するなど世界の流れと逆行している」と批判する声も多く、日弁連などは暫定的な使用禁止を求める意見書を農林水産大臣に提出しているという。別府湾を望む大分県の養蜂業差によるとミネラル豊富な海藻を畑にまいて肥料にし、無農薬・無化学肥料の循環型農業に取り組む養蜂家は、周辺からネオニコ系農薬を遠ざけることを決めたという。近くのミカンや稲作の農家に協力を求め別の農薬の散布を請け負うことを条件に使用をやめてもらったところ、ほとんど全滅してしまっていたミツバチの巣が倍々で巣分かれし現在は21群まで増えているという。 ネオニコ系農薬とはタバコに含まれるニコチンに似た物質を主要成分とする農薬の総称で、1990年代に登場し殺虫剤などの用途で使われているという。神経伝達物質アセチルコリンの受容体に結合し神経細胞を興奮させ続けて昆虫を死に至らせるが、成分が根や葉などから吸収され作物全体に行き渡る浸透性に優れ少量で高い効果が長期間続くことなどから普及したといわれている。生態系への影響や子どもの脳の発達に悪影響を及ぼす可能性を指摘する専門家もいるが、日本では稲作においてカメムシ防除のためにネオニコチノイド系農薬が使用されており、その際には植物体からネオニコチノイド系農薬が暴露されるのではなく、ネオニコチノイド系農薬が融解した水面から暴露されるとされるという。
2018年06月26日
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日本銀行のマイナス金利政策などにより銀行が利益を出すことが難しくなり、「今後、銀行口座を持っている人から維持手数料を徴収する可能性がある」という報道もされていることもあり、私のように気になっている人も多いという。これまで銀行でかかる手数料といえばATM時間外手数料と振り込み手数料の2つだったのだが、今後は硬貨の両替だけでなく単に口座を持っているだけで維持手数料がかかる可能性があるというのだ。「銀行にお金を預けてあげているのに手数料を取られるなんて」と憤る人もいると思うが、利用者は「預けたお金を運用してもらって、そのお返しで現在は超低金利でごくわずかですが利子をつけてくださいね」とか、「お金は安全に管理してくださいね」という思いで銀行にお金を預けていたというのだ。 ところが超低金利時代によって前者の「預けたお金を銀行が運用する」という効果が小さくなってしまい利用者が受け取れる利子は当然少なくなるし、後者の「お金を安全に管理する」ためのコストが大きな負担になっていくのだ。給与の振り込みのほか公共料金の口座振替や住宅ローンの支払いなど、さまざまな用途に合わせて複数の金融機関の預金口座を使い分けていると、金融機関側ではこのような口座を維持・管理するために、人件費や通帳の管理費にATMの設置費用などのコストがかかってしまい、ほとんど使われていない口座も含めて通帳1冊ごとに毎年200円の印紙税を税務署に納めていることから、それなら「利用者から維持手数料をもらおう」というのはある程度理解できるというわけなのだ。 現金両替をメガバンクが一斉に引き上げると大手地銀も後に続く背景には、長引くマイナス金利や貸出先の先細りに悩む銀行の経営事情が絡んでおり、時間外の引き出しが無料になる預金残高の条件も引き上げを進めているという。超低金利が続く中厳しい経営環境も絡み銀行は今までは低く抑えられていたサービスの対価を見直そうとしているという。窓口における両替は人件費のかかる窓口から両替機の使用を促そうという訳だが、去年まで50枚を上限に無料だったが今年1月から口座開設者でも無料は30枚まで、口座を持たない場合はたとえ1枚からでも324円の手数料を徴収するという。101枚以上の場合も料金を引き上げ仮に2000枚両替の場合は、今までが1080円だったのに1728円もかかることになるというのだ。 両替手数料の引上げは口火を切ったに過ぎず、銀行は振込手数料の他にATM利用に係わる手数料も着々と進めるという。三井住友銀行の場合は口座残高が10万円以上なら午後6時以降の引き出しは無料だったが、預金残高にかかわらず108円の手数料を徴収するようになっている。みずほ銀行の場合も時間外手数料・コンビニATM利用手数料の条件となる口座残高が10万円から30万円に引き上げられている。海外では口座維持手数料を徴収するのが一般的だが日本では戦後に官民挙げて貯蓄を奨励していた上、銀行間の預金獲得競争が激しかったこともあって口座維持手数料という発想がそもそも無かった。しかも高度成長期の企業は慢性的な資金不足状態にあって集めた預金は右から左へ融資されていたという。 日本のATMは小銭が入金できるうえ通帳読み取り機能を備えるなど機能が充実しており、海外に比べて導入単価が高いことから運用管理には月々数10万円かかると言われている。ネット送金などが普及し現金取引が減る中で銀行は利用頻度が下がるATMのコストを抑え込みたいというのだ。また共通化に当たっては各行で仕様の異なる通帳も障害となることから、記帳機能を持たない簡易版タイプで開発される方向となっているそうなのだ。金融全般のかじ取りを担う「銀行の銀行」である中央銀行からも援護射撃もあって、日銀副総裁の一人は昨年末の講演で「銀行が適正対価を預金者に求めずに口座を開設し、振り込み・預け入れや払い出し・記帳・両替などのサービスを提供することは難しくなった」と意見している。
2018年06月25日
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私は年の割には白髪も少なく毛髪については何の心配もしていないのだが、禿の悩みは古今東西老若男女問わず永遠の悩みのようで、ひと昔前までは「ハゲを治すのは不可能」とまで言われていたそうだが今はそうではないという。医療が発達しハゲの根本の原因が判明しつつあるこの時代においては適切なハゲ治療・対策・予防を行えばハゲは解決できると考えられているというのだ。ハゲの原因の中で最も有力視されているのがジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンだとされ、テストステロンと呼ばれるホルモンとリダクターゼという酵素が結びついてできるこの男性ホルモンのジヒドロテストステロンによって、髪の毛の成長サイクルが乱され抜け毛や薄毛が進行してしまうと考えられているというのだ。 毛髪は爪と同じように皮膚の付属器官で本質的には皮膚の一部なのだが、単に皮膚の上に生えているのではなく皮膚が形を変えて分化したもので、言い替えれば毛髪は大地に生えている雑草のようなものではなく大地そのものが形を変えて成長しているようなものだという。発生学的には外胚葉から発生しここから発生しているものには表皮の他に神経系感覚器官や脳髄などがあってこれらは色々関連をもっているという。一本の毛髪の皮膚の表面に出た部分を毛幹部と言い皮膚の中に埋もれている部分を毛根部と言うが、毛根は毛包という鞘状のものに包まれていて成長期にある毛髪が目に見えて成長することから分かるように、毛髪はこの中を伸びて皮膚表面に現れ出て外へ外へと押し出されて伸び続けていくというのだ。 ハゲの種類は多数ってその中でも特に押さえておきたいハゲの種類をピックアップすると、若くしてハゲてしまう症状を指す若ハゲは男性ホルモンが原因で発症するそうで、男性型脱毛症と同義ともいい主に遺伝の影響を強く受け早ければ10代〜20代前半で、多くの髪の毛を失ってしまう場合もあるといわれている。男性型脱毛症の典型的な症状として知られ生え際部分の髪の毛がM字型に後退しハゲ上がってしまうM字はげは、前頭部の薄毛・ハゲ、生え際の薄毛・ハゲとも言い多くの男性が悩むハゲ方の1種と言えるとされている。つむじ・頭頂部周辺の髪のボリュームがなくなり薄くなってしまうこともあり、早期発見や早めの対策・治療を行えずにいる方も多いというのだ。 日本人の頭髪は約10万本生えているそうで、そのような中で理化学研究所と医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズは性の頭皮から採った髪の毛のもとになる細胞を培養し、大量に毛髪を増やす技術を開発したと発表したそうなのだ。髪の毛のない部分に移植すると再び毛が生えるというが来年にも男性型の脱毛症の人への臨床研究を始め早ければ2年後にも実用化を目指すという。理化学研究所の研究グループが開発してきた技術を発展させ、グループはヒトの頭皮から採った細胞を培養し毛包の細胞を作ったというのだ。毛のないマウスの背中に移植するとそこから毛が生えたそうで、今回は種類の違う三つの幹細胞品質を保ちつつ効率良く作る機器を開発し細胞を大量に増幅させることに成功したそうなのだ。 毛髪をつくる細胞は毛球の中心あたりから分裂し毛の色を作る色素細胞の作ったメラニン色素を取り込みながら角化を進めて毛髪を成長させていくというのだが、この髪の毛のもとになる細胞を培養するという新しい技術を使うと移植後に毛髪が再生し生え替わりのサイクルが持続するという。毛のないマウスの背中に移植してアレルギー反応が起きないかとか、腫瘍ができないかなど安全性を確認するが、来年にも国内には約1800万人いるとされる男性型の脱毛症を対象に臨床研究を始めるという。「今回の成果で研究面の段階を越えた。毛髪の再生医療は社会的関心が高い分野だ。日本発の産業化を目指したい」と話しているが、毛髪の成長のための栄養は血液中の栄養からとるのが基本原則だというのだ。
2018年06月24日
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日常的に忙しい日本人の中には慢性的な疲れを感じている人も少なくないとされるが、せっかくの休みが仕事や会社のためになっている人も少なくないという。休んで体調を整えたり趣味に打ち込んで英気を養ったりできておらず、すべての活動がそうとは言わないが気がつかないうちに自分のためではなく仕事や会社のための活動をして週末を過ごしている状態に陥っている人が多いと言われている。そして無意識のうちに月曜日に疲れを残さないことを考え人生がすべて会社中心に回っている日本人が多いというのだ。そこでスタンフォード大学スポーツ医局のアスレチックトレーナーは「パフォーマンス低下をもたらす慢性的な疲れの原因は、働く時間の長さだけでなく休み方にもある」と指摘しているというのだ。 世界的にも日本人は働きすぎだとよく言われているのだが、休日の日数も日本は少ないかというと「データブック国際労働比較」によると、日本の年間休日日数は137.4日でこれはイギリスとほぼ同じだとされ、いちばん多いドイツやフランスでも145日ですから休日の数そのものは少なくないことがわかるというのだ。では「休日の過ごし方」に目を向けるとどのような実態が見えてくるのかというと、忙しく働いた週末にはできるだけ体力を使わないように出掛けず家で過ごす人も多いという結果になっているというのだ。厚生労働省が実施した「実際の休日の過ごし方」調査によると、休みの日に「何もせずにゴロ寝で過ごす」人は25%で、「インターネットをして過ごす人」は41.5%にも上るというのだ。 ところがせっかく休みがあっても「家で寝ていたい」とか「休みの日くらい、体を動かさず、回復を図りたい」など体を動かさずにじっとしていると、実は疲れは取れないどころかむしろ増大する可能性すら指摘されているというのだ。人間の体が「じっとしている」のに適さないことはさまざまな調査によって判明しているそうなのだが、たとえば「立っている」より「座っている」ほうが体に負担が少ない気がするが内実は大きく異なるという。「座位行動研究の第一人者」といわれるオーストラリアのネヴィル・オーウェン博士によると日本の成人は平均して1日に約7時間座っており、世界の平均は約5時間でこれは世界一の長さだとされ、勤務中は席から離れられない日本のオフィスを象徴するかのようなデータだというのだ。 「座位行動研究の第一人者」とされるオーウェン博士によると座ってばかりいると血流ばかりか代謝も悪くなり、狭心症や心筋梗塞に脳梗塞・糖尿病のリスクも高まるとのことだが、アメリカではスタンフォードの医学部も「座りっぱなしの勤務態勢の見直し」を唱えているというのだ。ノーベル生理学・医学賞の選考委員会があるスウェーデンのカロリンスカ研究所でリサーチャーとして活躍したアンダース・ハンセン氏によると、脳をはじめとする中枢神経はそもそも「体を移動させる」ためにできていて、原始時代からその構造はあまり変わっていないそうなのだ。しかしコンピュータ等が仕事の大部分を担うようになった現在では、ビジネスマンは忙しければ忙しいほど動かなくなっているのではないかというのだ。 選手がプレー中にケガをしたときトレーナーがアイシングをする場面を見るが、アイシングには「炎症を抑える」ほかに「痛みをマヒさせる」という目的もあって、ひどいケガでないかぎりある程度体を動かしたほうが回復は早くなることはスポーツ医学でも確認されている事実だという。伸び縮みをするのが筋肉の自然なあり方なので動かさないと筋肉はどうしても固まってしまうことからアイシングでマヒさせて、あえて少し歩かせたりしたほうが筋肉という観点でも回復が多少早まるというわけだというのだ。スポーツ医学の世界で唱えられている「動的回復」は脳・内臓・筋肉レベルで体のリカバリー機能を促進する作用があり、日常生活に取り入れることができれば疲労回復効率と日中のパフォーマンスを確実にレベルアップさせるというのだ。
2018年06月23日
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私は一切タバコを吸わないが、規制の対象となる飲食店は政府案では全体の45%と「骨抜きだ」と元厚生労働大臣が非難している受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議している衆院厚生労働委員会で、自民党の穴見陽一衆院議員が参考人として意見陳述した肺がん患者にやじを飛ばしていたというが、参考人にやじを飛ばすのは極めて異例だというのだ。健康増進法改正案では公共の場での屋内禁煙を初めて罰則付きで義務付けたが屋外は規制の対象外で、衆院厚生労働委員会で屋外での喫煙について長谷川一男日本肺がん患者連絡会理事長が「なるべく吸ってほしくないというのが患者の気持ち」と訴え後に自民党の穴見陽一衆院議員が「いいかげんにしろ」とやじを飛ばしたという。 受動喫煙対策を巡っては以前にも自民党の大西英男衆院議員が自民党の部会で「がん患者は働かなくてもいい」との趣旨の発言をして批判されているが、長谷川一男日本肺がん患者連絡会理事長は新聞社の取材に「喫煙者を差別する意図は全くない。受動喫煙での死亡をどう防ぐか、もっと議論してもらえたら」と話している。衆院厚生労働委員会の高鳥修一委員長は穴見陽一衆院議員を口頭で厳重注意したそうで、衆院厚生労働委員会として長谷川一男日本肺がん患者連絡会理事長に謝罪する意向を示したという。発言について穴見陽一衆院議員は「参考人を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという思いでつぶやいた。今後、十分に注意したい」とのコメントを出している。 大分県選出の自民党の穴見陽一衆院議員は問題が多いとされる自民党が政権を奪還した衆院選で初当選した3回生で、実は全国に計801店舗を構え大分市に本社のあるファミリーレストランチェーン「ジョイフル」創業者の長男で、現在は運営会社の代表取締役相談役で元社長だという。相談役ながら代表取締役にはなっているそうで95万5千株を保有する第4位株主でもある。ジョイフルは現在、全面禁煙化は行っていない。直営店の732店舗のうち308店舗では、「気流を調整して煙が禁煙席に流れない仕組みを設けている」というが、残る424店舗とフランチャイズ店では席を分けた分煙にとどまり分煙化には積極的でなく、ネット上には「禁煙席に煙が流れてくる」とか「服がたばこ臭くなる」といった意見が多いという。 穴見議員は相当な喫煙者だということなのだが、「ジョイフルは分煙といいながら壁も仕切りもなにもなく、店に入って右側が禁煙席で左側が喫煙席という意味のない分煙体制で、禁煙席に座っても服がタバコ臭くなる」と、分煙とか言いながら仕切りもなくただの席だけ分けるという仕様となっている店内の状況は、自民党の穴見陽一衆院議員の「喫煙者を必要以上に差別すべきではない」との価値観が多少なりとも影響しているからだというのだ。ジョイフルは「今回の件は非常に申し訳なく思っている。だが、衆院厚生労働委員会での発言はあくまで国会議員として述べたものであり、当社とは無関係だ」と回答し、「ジョイフル各店が『分煙できていない』との批判は承知しており、そのことは真摯に受け止めている」としているそうなのだ。 客席面積が100平方メートル以下の既存店で喫煙を認めている政府案は不十分で、国民の健康を守ることはできないとされている政府が国会提出した受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案さえジョイフルは、「今後は分煙化の仕組みを整えるつもりだが、ゆくゆくは全面禁煙化を進めたいと考えている」と語っている。全面禁煙化に踏み切る要因は「飲食店など屋内施設を原則禁煙とする健康増進法改正案が今国会で成立間近になっていることを踏まえたため」というが、「実施の時期や具体的な計画については答えられない」としている。塩崎前厚労大臣の案においては「受動喫煙をなくす」と「国民の健康と命を守る」という姿勢が明確に示されていたが今の現政府案はその姿勢が大幅に後退していると言われているのだ。
2018年06月22日
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長時間労働やそれにともなう過労死や過労自殺の相談を受ける「過労死110番」が設置されてから30年を迎え、記念シンポジウムが東京都内で開かれたそうなのだが、世界でも通用する日本語となっている「過労死」なのだが、過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士が「国会で働き方改革関連法案が議論されているさなかでも、現実の職場では次々と働く人の命と健康が奪われている」と報告した。過労死110番は1988年にスタートしこれまでに約1万2000件の相談を受けてきたそうで、これまでの30年間を振り返るとともにさらなる努力が必要との認識から「過労死の予防・補償をどのように進めていくか」をテーマに研究者や医師代表の講演を多くの人が聞いていたそうなのだ。 2000年ごろまでは過労死の死因のほとんどは脳梗塞や心臓などの疾患だったが、最近では自殺が半数を占めるようになった。また、20~30代の人からの相談が増えたという。過労死防止学会代表幹事でもある森岡孝二関西大学名誉教授は30年の活動を高く評価しているが、世界に「カローシ」という言葉が広がった1991年11月には「全国過労死を考える家族の会」が結成されている。森岡名誉教授は日本の労働時間の長さや過労死や過労自殺の具体例だけでなく政府の防止対策も紹介した。しかし労働時間短縮の一方で除外協定があり、労働組合が対応して来なかったことも指摘し、大組合でなく少数の弁護団や家族の会が過労死運動の中心になりえたのはメディアの支持があったからとも強調したという。 天笠崇代々木病院精神科科長は過労自殺に焦点をあて、長時間・過重労働・裁量性のなさやハラスメントがうつ病や自殺を招いているとし、労働者の 6割が職業生活に強い悩みをもっており、不安・ストレスを感じ労働相談ではいじめ・嫌がらせ件数が増えているとしていた。ストレスチェック制度などができたものの総合すればメンタルヘルス対策は後退していることにも触れ、努力に不釣り合いな報酬や長時間労働・対人関係のストレス・過重労働・ハラスメントなどがうつ状態を進めると解説し、この点からも政府が導入を急ぐ高度プロフェッショナル制度は疑問が大きいと語ったそうなのだ。高度プロフェッショナル制度は高収入の一部専門職を労働時間規制から外す制度だが対象が拡大する懸念が指摘されている。 労働問題に詳しい法政大の上西充子教授は「企業は高プロをやりたがる。導入されれば、対象業務を広げてくれ、年収要件を下げてくれ、ということになってくる」と語っており、弁護団幹事長の川人博弁護士は発生する過労死への迅速な対応だけでなく、労働時間の正確な把握法や労働間隔のインターバル制普及を緊急な課題と指摘した。日本労働弁護団幹事長の棗一郎弁護士は変形労働制やフレックスタイム制など法定労働時間規制で、1日8時間の1週40時間規制を受けずに働く労働者が既に6割に上ると指摘したうえで「これ以上、柔軟な働き方を増やしてどうするのか。高度プロフェッショナル制度を通す必要性はどこにもない」と強調し高度プロフェッショナル制度の創設に改めて反対した。 働き方改革関連法案を審議している参院厚生労働委員会は参考人5人の意見陳述と質疑を行ったそうなのだが、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、企業に働き方の見直しを提案する「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長は「導入したいという企業はほとんどない」と現状を伝えて、「導入する企業は極めてマネジメント能力が問われることになる」と制度運用が難しいとの認識を示し、その上で「私たちがコンサルティングしている企業で、高度プロフェッショナル制度を導入したいと言っている企業はほとんどない」と述べたという。連合の役員も「どのような仕事、職種でも、いかに高度、高年収であっても、過重労働により心身がむしばまれることがあってはいけない」と語ったそうなのだ。
2018年06月21日
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日本代表はロシアW杯のグループリーグ初戦で前回大会8強、FIFAランキング16位のコロンビア代表と対戦し、2-1で競り勝つ金星をあげ初戦で大きな勝ち点3をもぎ取った。 キックオフ直前にエンドを交代して幕を開けた運命の第1戦は開始早々に大きく動き、前半3分に日本はクリアボールを香川選手がワンタッチで前線に大きく蹴り出すと、最終ラインの裏に抜けてきたボールに反応した大迫選手はDFダビンソン・サンチェスが対応にもたつく間にうまく体を入れ替えそのままゴール前で。GKとの1対1から放った。その左足のシュートはGKダビド・オスピナに阻まれたがこぼれ球を香川選手が左足でシュートをすると、これがペナルティエリア内でMFカルロス・サンチェスのハンドを誘いペナルティキックを獲得した。 得点機会を右腕で阻止したカルロス・サンチェスは一発退場となり、ペナルティキックを獲得したうえ開始早々に数的優位に立った。ペナルティキックのキッカーを務めた香川選手は冷静にゴールキーパーの動きを見て正面やや右に流し込んだ。香川選手のW杯初ゴールが貴重な先制点となり前半6分に日本が立ち上がりにリードを奪った。その後一度は同点とされたが後半28分に本田選手の左足で蹴ったコーナーキックに大迫選手がサンティアゴ・アリアスと競り合いながらヘディングで合わせると右ポストを叩いてボールはゴールネットに吸い込まれた。コロンビア代表のホセ・ペケルマン監督は試合後の会見で「通常は11人対11人で戦う。最初の3分で重要な選手を失ってしまったのは大変なことだった」と首を振っていた。 コロンビアとすればまさかの黒星発進となったわけだが「まったく違うことを予想していた。初戦は勝ちたいと期待していた」と悔しさをにじませたペケルマン監督は「プラスの要素があるとすれば、チームは重要な選手を失ったあとも同点にすることができた。それは良かったと思う」と自分に言い聞かせるように話していた。コロンビアメディアは「まさかの敗戦」といった様子で失意を隠せず、「守備の不注意、日本が弱いコロンビアに先んじた」と辛辣な意見を記したうえで、「コロンビアにとって大打撃」との見出しで報道し、別の新聞でもC・サンチェスの退場で数的不利になったことに言及する形で「コロンビアはハラキリをした」と自滅に近い敗戦だったの見解を示し数的不利の状況を覆せなかったことを強調したそうなのだ。 渋谷のスクランブル交差点には平日の夜にもかかわらず大勢のサポーターらが集結し、皆で喜びを分かち合ったが現場は大混乱となったという。日本代表の勝利後には歩行者用の信号が青になると同時に横断歩道上に駆けだしたサポーターらがジャンプしながらハイタッチを繰り返し、誘導のために交差点周辺に警視庁が設置した鉄柵が人の押し合いで倒れ転倒する人も続出したという。信号が赤になってもサポーターらが横断歩道を渡りきれず救急車両が通れなくなる場面もあったそうなのだ。警視庁はトラブル回避のため数百人の機動隊員らを投入しており、ソフトな語り口で誘導することで知られる「DJポリス」が「ルールを守り、マナーのある行動をとってください」などとアナウンスしてもなかなか混乱は収まらなかったという。 3度目のグループリーグ突破へ白星発進した日本代表の西野朗監督は試合後のインタビューで「選手たちが落ち着いて試合に入った。先制し、リズムができた。タフに戦ってくれた」と選手らをねぎらっていたが、サッカーライターの上野直彦さんは今回の立役者について「今日の勝因は柴崎岳。攻撃でも守備でも常にコロンビアにとって嫌なところにいた。コロンビアの選手のレッドカードもあるけど、西野監督の采配が良かった」と解説していた。海外メディアは「日本が10人で戦ったコロンビアから勝利を得た。コロンビアは悪夢のスタートを切った」と驚きをもって紹介し、また前回のブラジル大会でベスト8入りしたコロンビアは「ポーランドとセネガル戦を残し、惨めな敗北を喫した」と手厳しい記事を載せているという。
2018年06月20日
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震度6弱を観測した地震の震源地となった大阪府高槻市城西町のスーパーチェーンには、飲料水やカップ麺などを買い求める客が殺到し商品が品切れになる店が相次いだという。売り場にミネラルウオーターやお茶がなくなり「本日のお水は完売致しました。ご了承下さい」と書かれた紙が張られていたそうで、冷凍食品や総菜などもほとんど売り切れたという。男性店長は「水とお茶の売れ方がすごかった。翌日に出す予定だった商品もあっという間になくなった」と話していた。買い物に来た近くの主婦は「今日だけで5軒以上のスーパーを自転車で回った。この店にも水がなかった」と肩を落としていたが、店内に約10あるレジカウンターに長蛇の列ができ缶詰やペットボトル、カップ麺などを買い物かごに数多く入れていたそうなのだ。 震度6弱を観測した地震で通学路沿いにブロック部分が約40メートルにわたって倒壊し、小学4年の女児が犠牲になった高槻市では、浜田剛史市長が記者会見して謝罪したという。夜には高槻市教育委員会幹部が会見し倒壊したブロック塀は高さ3.5メートルで建築基準法に基づく規格に適合しておらず法令違反の状態だったことを明らかにした。国土交通省によるとブロック塀の規格は建築基準法施行令で、高さ2.2メートル以下とし鉄筋は直径9ミリ以上などと規定しているが、一定の基準で構造計算すれば2.2メートル超でも設置は認められていることになっているというのだ。今回被災した小学校は45年くらい前の開校当初はフェンスが設けられていたが後にブロックが積み上げられたとしているが時期は不明という。 大阪府教委は東日本大震災後に災害発生時の児童生徒や教員らが取る対応をまとめた「学校における防災教育の手引き」を改訂し、大阪府内の全公立小中高校に配布して各校に対し登下校中に地震が発生した際はブロック塀から遠ざかり、ランドセルなどを頭にのせて落下物から身を守るといった指導の記載はしている。倒壊したブロック塀は法令に基づき塀の安全点検をしたとの記録が見当たらず塀の補強もなされておらず、今後は安全確保の徹底が課題となりそうだという。コンクリートブロックの主要メーカーでつくる「全国建築コンクリートブロック工業会」の担当者は「鉄筋の耐用年数は20~30年。設置者にはぐらつきなど定期的な点検とともに、老朽化した塀は撤去・改修をお願いしたい」と話している。 今回の地震について都市防災学が専門の中林一樹首都大学東京名誉教授は「典型的な都市直下型地震。自治体を中心に対策は進められてきたが、追いついていない部分で被害が出た」と指摘し、「ブロック塀の規制に罰則はなく、自治体の財政問題もあって建て替えや耐震補強が進んでいなかった。今回のような倒壊は起こりうると思って対策を進めるべきだ」と促しているそうだ。また阪神・淡路大震災で動いた「六甲・淡路島断層帯」の北側の延長上に当たりその影響かも知れないとし、「六甲・淡路島断層帯は、有馬―高槻断層帯と重なるように高槻を経由して京都付近まで伸びています。地震では揺れが六甲付近で止まっていたので、そのとき残されたエネルギーが今回放出されたのかも知れません」と話している。今回の大阪の地震に加え、ここのところ千葉県や群馬県で地震が発生し桜島では爆発的噴火も発生しているが、これらは一見無関係に思えるのだが東日本大震災でプレートが大きく動いたことで日本列島全体の地震活動が活発になったことが遠因にあるという。気になるのは今後30年以内に最大でマグニチュード9クラスが見込まれる南海トラフ地震との関連で、南海トラフ地震のサイクルは100年に一度だとされ、すでに前回から72年が経ちプレート間のひずみがかなり溜まっているとの予測がなされている。南海地震が起きる前には近畿地方で地震が多くなることが知られていて、今回もその一つと捉えることができることから、西日本での大きな直下型地震に気を付ける必要があるというのだ。
2018年06月19日
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この週末に行った世論調査で先週行われた米朝首脳会談を評価する人は半数近くに上ったのに対し、北朝鮮の非核化は7割近くが「実現するとは思わない」と答えたというこの件で西村官房副長官はTVの報道番組に出演し、安倍首相は日朝首脳会談の実現に意欲を示してはいるが、日朝首脳会談の開催について「8月や9月は難しい」との認識を示したという。しかも日朝首脳会談の実現によって安倍首相が拉致問題を解決するとは「思わない」という人も半数以上に達し、依然として北朝鮮の姿勢には懐疑的な見方が根強い結果となっている。西村官房副長官は「8月とか9月とか、これまでの状況から考えると、そう簡単に成果が出るのは、なかなか難しいんじゃないかと思う」と述べたそうなのだ。 米朝首脳会談で米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長は、米朝両国の新しい関係樹立や朝鮮半島の永続的かつ安定した平和体制の構築だけでなく、北朝鮮と韓国の板門店宣言の再確認と朝鮮半島の完全な非核化、そし朝鮮戦争で戦死した米兵の遺骨回収の4項目について合意したという。西村官房副長官は米朝首脳会談後に北朝鮮のメディアが「拉致問題は解決済み」との従来の主張をしたことについて、北朝鮮が拉致問題を認識していることの裏返しでもあると指摘し、そのうえで日朝首脳会談が実現するには「拉致問題や核・ミサイルも含めて、成果が出ることが必要だ」と強調した。もっとも北朝鮮の核の問題は日本にとっての脅威だが北朝鮮との交渉に日本は具体的に参加していないのが現実なのだ。 しかも北朝鮮との交渉の前提となる拉致問題については、米朝首脳会談でトランプ大統領によって触れられたものの解決への道のりはほど遠いのが現状だ。それなのにトランプ大統領は北朝鮮の非核化の費用について「日韓両国が負担するだろう。彼らは支援しなければならないとわかっている」と述べ、アメリカが北朝鮮の非核化のコストを負担するつもりがないことを明らかにしている。このトランプ大統領の発言を受けて安倍晋三首相は「日本の立場は明確だ。非核化を進める上で、国際原子力機関頑張ってもらわなくてはいけない。かかる費用については、核の脅威がなくなることによって平和の恩恵を被る日本等が負担するのは当然だ。このお金は北朝鮮に行くわけではない」と述べているという。 そこで北朝鮮の非核化にはどのくらいの費用が必要になるのかということなのだが、イギリスのユライゾンSLJキャピタル社が試算したところ、北朝鮮の非核化には10年間で2兆ドル必要との結果が出たという。これは日本円で換算して約220兆円になるが韓国と折半するとしても巨額な負担になることは間違いない。しかも日本はすでに北朝鮮の非核化に巨額の費用を払っているというのだ。20数年前に行われた米朝枠組み合意に基づいて作られた朝鮮半島エネルギー開発機構に対して、日本は国際協力銀行から約473億円の貸付を行い、朝鮮半島エネルギー開発機構が国際協力銀行に支払うべき利息約42億円を負担しているうえに、日本政府としては約4200万ドルを拠出していたがこれらは焦げ付いたままだという。 今回の米国がこだわった「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言は共同宣言に盛り込まれなかったが、ソウルで行われた日米韓外相会談後の会見でポンぺオ国務長官は「完全な非核化の中に検証可能で不可逆的の意味が含まれる」と修正したが、北朝鮮の労働新聞は「朝鮮半島の非核化を成し遂げていく過程で、段階的・同時行動の原則を順守することが重要との認識をともにした」とだけ報じている。安倍首相の言うとおり朝鮮半島の非核化は日本にとって極めて重要だがその実現の確実な保証もなく、米国の言うまま220兆円という巨額の負担にホイホイと応じるのはいかがなものか、今の段階で安倍首相が「負担は当然」と明言するのは愚の骨頂だと言われても仕方がないことだろう。
2018年06月18日
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毎日の入浴習慣は心身共によい影響を与えるそうなのだが、ここで注意すべきこととして入浴はシャワーを浴びるだけの「シャワー浴」ではなく、湯船にしっかりと浸かる「浴槽浴」である必要があるという。浴槽浴にはシャワーだけでは得られないメリットが多くあって、医学的効果は具体的にどのようなものかというと、浴槽浴が心身に与える効果は大きく分けて3つあって、「温熱作用」に「静水圧作用」そして「浮力」だという。湯船に浸かるとそれだけでモヤモヤが解消し健康にもなると感じる方も多いが、入浴は健康効果がある一方で体への負担も大きいとされており、入浴好きが高じて温泉や入浴に関する研究を深め温泉療法専門医の植田理彦博士を顧問とする『高齢者入浴アドバイザー協会』を立ち上げた鈴木知明氏はこう語る。 「特に温度差、水圧は血圧や心拍を直撃するので要注意。また、湯温だけでなく脱衣場と浴室の温度差にも気をつけましょう。服を脱ぐだけでも温度差で血圧が上がります。冷房が効く夏場も、脱衣場が寒くならないように注意を。湯温はぬるめの39℃±1がおすすめ。熱い湯が好きな人も、最初は低めから。心臓から遠い足先から順に桶10杯ほど湯をかけ、湯温に慣れさせます。女性はあまりしませんが、頭からかぶると脳貧血予防になります」そして強調する高齢者への最大のアドバイスは最初の浸かり方だという。いきなり首まで浸かると心臓への圧迫が強すぎことから、浴槽にイスなどを置いてまず初めの3分ほどは肋骨の下まで湯に浸かる半身浴をして、その後はゆっくり肩まで浸かるのがベストだというのだ。 それと浸かりっぱなしよりも浴槽縁に座ったり体を洗ったりしながら、5分浸かって休み8分浸かって休み3分と浸かる時間を分割する分割湯と、体に負担をかけずじっくり温まり湯の中で手先足先をこまめに動かすと効率的に末端の血流がよくなるという。「血圧は、入浴直後に上昇後、徐々に下がりますが、急降下すると転倒の危険もあるので高齢者は要注意。勢いよく湯から立ち上がるのはNGです。上がる前に手先だけ冷水に浸して慣らしてから立ち上がるとよいでしょう。また浴後は体をよく拭いて肌を乾かし、充分休むことが大切。湿ったまま冷風に当たると、体に負担になります」と鈴木氏は語っている。また入浴中は汗などで400~500mlもの水分が奪われることから入浴15~30分前と浴後にコップ1杯の水も必須だという。 お湯の温度についてでは実はこの温度のわずかな差でも、体に与える影響が正反対と言っていいほど違ってくるそうで、その境となるのは42℃だといいお湯の温度がこれよりも高くなると体に悪影響を及ぼすそうなのだ。人間の体には自律神経という神経があって循環器など生命を保つための体の働きを自律的に調整してくれているが、自律神経には体を興奮させる「交感神経」と逆にリラックスさせる「副交感神経」の2種類があるという。42℃以上の熱いお湯に入ると交感神経が刺激され体は一種の戦闘状態に突入してしまい、血圧が上がり脈は速くなり逆に胃腸など内臓の働きは弱まってしまうという。お湯の温度を設定するときは42℃よりも少しぬるめでかつ体温よりも高い、38~40℃の範囲に設定するのがよいというのだ。 それと就寝中は水分補給ができずもっとも血液粘度が高くなるのが朝なので、起き抜けの朝風呂や同じ理由で運動直後の入浴は避けた方が安全だという。また食後すぐの入浴は消化不良の原因になるので注意が必要だという。日常のお風呂だけでなく温泉も堪能するとよいそうで「温泉は地球の恵み。日本全国47都道府県すべてに温泉があります。無類の温泉好きとしては、どの泉質もそれぞれのよさがあり、どこもおすすめです。むしろ全国の温泉を訪ね歩き、日常から離れてお湯を楽しみに来たというワクワク感こそが、もう1つの健康効果なのです」と鈴木氏はアドバイスしているが、高齢者やそのご家族は注意点をよく知って入浴の健康効果と幸せ感を存分に楽しんでもらうとよいというのだ。
2018年06月17日
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地方の工務店などの経営者は「この建設好況は3年ほど続くだろうが、それが終わったら休廃業しようと考えている。苦労も多い仕事なのでせがれには継がせない」という方が多いという。そして建設技能労働者は今後10年にわたり約110万人離職するとの試算を日本建設業連合会が発表しており、考えられることは建設業における生産力は現状よりもさらに厳しくなり、生産力が破綻しかねない状況が待っているということなのだ。ゼネコンと専門工事会社との関係の変化でいえばこの十数年間により団結が失われ、その結果工事現場のラベルは各ゼネコン名を冠にしていても実際に作業する作業員はエリアごとに混在するようになっているのだ。ある時は鹿島建設で別の時は大林組からの仕事を請け負う専門工事会社が増えたというのだ。 リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件を受けて大林組がまとめた再発防止策が建設業界で波紋を広げているが、大林組が発表した再発防止策は「同業者との接触ルールの厳格化」や「監視機能の強化」が柱で、3年前に制定した「独占禁止法遵守プログラム」に再発防止策を盛り込み今月から開始するという。同業者との接触ルールの厳格化では同業者が同席する懇親会は原則禁止とし、日本建設業連合会などの業界団体や技術団体および発注者が公式行事として主催する懇親会の参加には事前の承認手続きをするという。これまでは主に営業部門を対象に「同業者との会合等報告制度」を運用していたが、営業部門に限らず全ての役員および従業員を報告対象とし設計部門や施工部門の従業員も該当するという。 監視機能の強化では従業員の送受信メールを監視し同業者が宛先および発信元となっているメールは内部監査部門が内容をチェックするという。新たに盛り込まれた同業者との接触ルールの厳格化の対策は従業員のプライベートにまで規制を設けているとも解釈されるが、大林組広報部の担当者は「あくまでも業務に関するものであり、プライベートに及ぶものではない」とコメントしている。もっとも会社と従業員の認識にズレが生じているようで、ある大林組従業員は今回の対策について「建設工事の受発注に関わりのない部門の従業員からすると、当事者意識が湧かない人も多くいるのではないか」とか、「同業者の友人はいるが、会社の考えなのでこれからは一緒に飲みに行けなくなる」と打ち明けている。 一方清水建設は再発防止策を発表したいるが、組織体制改正によるコンプライアンスの強化や同業他社との接触ルールに関する行動基準などの見直しを行うとしている。具体的な内容については「充実化を図っており、まだ整備段階」と回答しているが、鹿島広報室の担当者も「組織的な対応としてこの4月から新たに総務管理本部を設置している。リスク管理を行う総務部とコンプライアンスに関する業務を担当する法務部を統轄した」とコメントし組織体制を改めるという。元検事の郷原信郎弁護士は大林組が打ち出した防止策について「『談合防止至上主義』のような、徹底的に厳しい内容だ。法的責任を問われる事態さえ回避できればいいという印象を受けた」と話してこの建設業界の傾向を歓迎している。 郷原信郎弁護士は「大手建設会社は、情報交換や技術面での協力により新たな技術を開発し、社会に貢献することも求められている」と大手建設会社の役割を踏まえたうえで、「談合防止策として同業他社との接触を禁止すればいいと、問題を単純に捉えてはいけない。大林組の突出した動きを、業界全体のスタンダートにするべきではない」とコメントしている。昔は仕事を取り価格をつり上げるための談合だったが、今はなんとか仕事をこなす目的での談合をしていると言われているが、ほかの業界では生産力以上の仕事が来たら断るが、建設業は独特の風潮で「次は仕事を回さない」などと言われるのを恐れて仕事を断らない。もっと地域の工事はなるべく地域の会社で行うように制度設計を変更することも必要だという。
2018年06月16日
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私も土木の技術屋なのだが明治維新以来わが国の近代化に貢献してきた土木技術者が、その「技術者集団」としての要件を整える柱とし他学協会に先駆けて倫理規定を制定した高邁な見識は誇れるものだと思っている。ところが公共工事における不祥事に端を発した技術者への不信や技術に対する批判に応えるとともに、地球環境問題への対応という新たな課題に応え現在および将来の土木技術者が担うべき使命と責任の重大さを認識した結果「土木職員の倫理規定」を定めているのだ。それが国のかんがい排水事業の関連工事をめぐって便宜を図った見返りに業者から現金を受け取ったなどとして、北海道警捜査2課などは収賄容疑で国土交通省北海道開発局元課長の西脇康善容疑者を逮捕したそうなのだ。 また贈賄容疑で富山市の建設会社「トーエス」社長の細川豊容疑者を逮捕したが、警察は西脇容疑者の逮捕容疑として北海道別海町の北海道開発局根室農業事務所が発注した太陽光パネルの設置工事で、細川容疑者の会社の資材を使うように便宜を図ったばかりか、細川容疑者の会社が下請けになれるよう便宜を図った見返りに、関西方面への旅行代や現金計約60万円を受け取った疑いが持たれているという。事件の舞台となったのは酪農が盛んな道東の別海町で国が進めている大規模なかんがい排水事業の関連工事で、警察によると西脇元課長は4年前から根室農業事務所でこの事業全体の予定価格を見積もるための設計業務などを担当していたということのようなのだ。 このうち西脇元課長が業者側に便宜を図ったとされているのが家畜の排せつ物を肥料として再利用する処理施設を稼働させる太陽光発電に関する工事で、この工事を請け負ったのは地元の業者だが西脇元課長は富山の業者が製造販売していた特殊な資材を工事に使うよう自ら設計書を作成し、元請け業者にも指示していたということのyぷなのだ。北海道開発局などによると西脇容疑者は2年前の3月まで北海道開発局根室農業事務所で太陽光発電設備工事の担当課長を務め、西脇容疑者は当時工事の設計を担当していて資材の仕入れ先や下請け業者を事実上決められる立場にあり、富山市の建設会社「トーエス」の細川容疑者の会社が作った特殊な資材が設計に入っていたというのだ。 北海道開発局によると逮捕された西脇元課長は昭和56年に採用されて以来、今回のかんがい排水事業など農業土木の分野の業務に長く携わり、根室農業事務所では公共工事を担当し、その後は函館開発建設部に異動し去年10月に自己都合で辞職したという。西脇元課長と仕事をしたことがあるという地元の建設業界に詳しい男性は、「常に先を読みながら部下に次々と指示をしてバリバリ仕事をこなす熱心な人だったので、彼が担当した仕事はスムーズに進んだ覚えがある。人柄についても、特に問題に思うようなことはなかった」と話している。元課長の逮捕を受けて北海道開発局は「極めて遺憾です。事実関係の確認に努め適切に対処し、綱紀の保持についてはなお一層の徹底に努めて参ります」というコメントを発表している。 今回の事件のように発注者側の中心的な役割を担っていた公務員が便宜を図るのは公務員の職務行為の典型で、こうした公務員の職務行為に関して対価を企業が交付するとか、あるいは公務員が対価を要求するのは単純贈収賄の典型で5年以下の懲役となるそうなのだ。それ以外にも「職務に密接に関連する行為」に対して企業が対価を交付することや、公務員が対価を要求することも単純贈収賄になり、公務員が職務に基づいて事実上影響力を持っている場合が「職務に密接に関連する行為」だというです。企業からすれば従前から取引を通じて付き合いのある公務員に依頼して別の取引を担当する公務員を紹介してもらい、取引の受注に向けて口利きをしてもらっても、公務員が他の公務員に働きかける行為に含まれるという。
2018年06月15日
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所有者不明の農地が増え続け近隣農家や農業委員会に重い負担となっているが、中山間地では山林化した土地が多く調査は難航するそうで、所有者が死亡しその子孫が分からないケースも多いという。農水省は所有者不明の耕作放棄地を知事裁定で農家に貸し出す仕組みを始めたが、開墾が必要な農地も多く「誰が管理するのか」とか「活用できない農地こそ問題」と切実な声が出ている。条件の厳しい中山間地で所有者不明の農地の問題が深刻さを増すと言われており、農家と役場職員が農地の利用状況を調査するが対象農地は地図と照らし合わせる確認作業は時間を要し、登記上は農地でも山林化した耕作放棄地は相当数あってその面積は把握できず多くは所有者も分からないという状況となっている。 農地の登記名義人について固定資産課税台帳および住民基本台帳上のデータとそれぞれ照合したところ、登記名義人が死亡していることが確認された相続未登記農地は全国で47万6529ヘクタールだそうで、さらに登記名義人の市町村外への転出などにより住民基本台帳上ではその生死が確認できず、相続未登記となっているおそれのある農地は45万7819ヘクタールだという。現状では農地の全ての所有者が分からない場合でも50%以上の地権者が同意すれば農地バンクは最長5年間の利用権を得られる。農作物を安定的に収穫できるようになるには短期間すぎて延長せねばならず手続きが煩雑だとの批判が出ていたことから、新しい制度では所有者不明の農地について10年をめどに利用権の期間を長期化するという。 また農水省は固定資産税などの管理費用を負担する相続人が簡単な行政手続きをすれば農地バンクに預けられるようにも改めるそうで、自民党の農林関連の会合で示したという。農水省によると正確な所有者が分からない農地は全農地の約2割にあたる93万ヘクタールに上るとされており、代替わりごとに相続で所有権が細分化されているためで農地集約の際に地権者の同意を得るための作業が長引く要因となっている。こうした未登記農地でも実際農業が行われているが、たとえ現時点では問題はなかったとしても今後は現在の所有者が離農した場合には、先代にさかのぼって相続人調査を行い登記書き換え手続きが必要となることから、農地活用の大きな妨げになることが懸念されている。 農水省は農地バンクを通じて農地を意欲のある農業者や農業法人に集積し農業の競争力強化を目指すそうで、平成35年度までに大規模農家や法人が耕作面積に占める割合を8割にする目標を掲げている。しかし農地バンクは新たに貸し出した農地の面積が6万2千ヘクタールと前年度比で約3割減少しており、農水省は「貸し出しやすい農地の供給が一巡した」と分析している。また森林所有者に占める不在村地主の割合が2割を超え、林業関係者の間では過疎化・相続増加に伴う相続人把握の難しさが指摘されていた。農業では死亡者名義のままの農地が集約化や耕作放棄地対策の支障となるとして長年問題になっているが、所有権が不明で利用されにくい農地を円滑に集約できるかが目標達成のカギを握るという。 森林では所有者の死亡後に相続登記がされないことで、林道の整備や間伐の実施などについて相続人の同意を得るにも連絡がなかなかとれず、管理上の問題となるケースが多発しているという。都市部に暮らす相続人は相続した森林の所在すら知らないことも少なくないと言われており、全国の私有地の2割はすでに所有者の把握が難しくなっている。面積に当てはめると四国はもちろん九州を上回る規模で、自治体の公共事業の用地取得でも同様の問題は起きているそうなのだ。「用地取得ができれば工事は7割済んだも同じ」といわれるように、用地取得の交渉や手続きの大変さは関係者の間でしばしば指摘されてきていたが、閣議決定した土地白書でも8割が土地の所有権を「放棄を認めても良い」と回答している。
2018年06月14日
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トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による両国史上初の会談はシンガポールで実施されたが、トランプ大統領と金委員長は合意文書に署名し、その後トランプ大統領が会見を開いたが合意に関して口から出てくる内容は中身が薄い上、日本に「丸投げ」とも取れる話が多く歴史的な会談は日本にとっては重石となるかもしれないという。焦点だった北朝鮮の「完全な非核化」への道筋は示されず、金正恩朝鮮労働党委員長は悲願だった「体制保証」の具体的な確約こそ得られなかったものの、対等な立場で米国とのトップ会談を成し遂げ大きな外交成果を勝ち取ったとされる。今回の会談で超大国の米国との関係が改善したと判断し北朝鮮への圧力を強めていた国々が態度を軟化させる可能性もあるという。 トランプ米大統領は米朝首脳会談後の記者会見で「当面制裁は続ける」との方針も示してはいるが、北朝鮮の非核化に向けた動きを見極めていく姿勢を強調したという。北朝鮮の非核化で必要となる費用について「韓国と日本が大いに助けてくれる」と述べ、「制裁を受けており、費用を払えるのか」と記者が質問するとトランプ大統領は、「韓国と日本が大いに助けてくれると私は思う。彼らには用意があると思う」と答えたという。さらに「米国はあらゆる場所で大きな金額を支払い続けている。韓国と日本は北朝鮮のお隣だ」と強調したそうなのだ。トランプ大統領は先月に米朝首脳会談の開催を取りやめるといったん発表した際にも、「不幸にも米国が軍事作戦を取る場合、韓国と日本はあらゆる財政負担を喜んでしてくれる」としていたという。 今回も「私たち米国が北朝鮮助ける必要はない。米国はこれまでも様々なところでコストを払ってきた。韓国は北朝鮮の隣国で日本もそうだ。彼らが北朝鮮を助けて、北朝鮮を助ける上で素晴らしい仕事を成し遂げるだろう」と答え、北朝鮮から求められる莫大な経済支援の費用は日本と韓国だけで出すべきで米国は「われ関ぜず」を決め込む方針だというのだ。経済支援となっても韓国の経済状況が良くないなかでとても韓国だけで賄えるものはなく、トランプ大統領の発言があったように日本も協力せざるを得ないというのだ。ただし日本は日朝平壌宣言をしている関係から国交正常化なしの経済支援はあり得ないし、拉致問題の解決なしに国交正常化もありえないという立場となっている。 しかも米朝首脳会談後の記者会見でトランプ大統領が「米韓合同軍事演習」を凍結すると発言したことは防衛省にとっても予想外で、制服組からは「合同演習は対北朝鮮への圧力だけでなく、部隊の能力を維持する上で不可欠。正直驚いた」との声が聞かれたという。ある自衛官は「有事に即応するには韓国軍との訓練が欠かせないはずだ。北朝鮮が非核化に向けて何ら行動していない段階で、合同演習を当面中止して大丈夫なのか」と話したそうなのだ。 トランプ大統領は実施しない理由に経費節減を挙げただけでなく在韓米軍撤収にも言及しており、防衛省幹部は「将来の在韓米軍削減への道筋を付けるのではないか」と指摘し上で「在韓米軍の動向や体制は日本の防衛力整備に大きな影響を与える」している。 拉致問題を解決せずに北朝鮮への経済支援をするとなったら、拉致被害者の家族たちや日本の世論からも強く反発が起こる可能性は高いのだが、日本が拉致問題を解決できないままずるずると北朝鮮への経済支援がなされるという。韓国の有力者も「北朝鮮がもし、日本と国交正常化することになったら、無償の植民地賠償金を貰うことを期待するでしょう。だからなのか北朝鮮も最近あまり日本の悪口を言わないですよね」と語っている。そして「日本の世論を考えれば、拉致問題解決なしに国交正常化はあり得ないし、やってはいけないです。しかし、北朝鮮は拉致問題を解決する気があまりないと思います」というのだ。安倍晋三首相はトランプ大統領から経済支援を強く要請されて果たして断れるかが問題だだというのだ。
2018年06月13日
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日本全体を覆う深刻な人手不足の問題の活路はやはり外国人労働者に見いだすことになりそうだというのだが、政府が閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込むとされている。実現に向け秋の臨時国会に入管法改正案を提出する方針だというが、技能実習制度の修了者や修了と同等の技能や日本語能力を問う試験に合格した外国人を対象に、最長5年の就労期間を認めるもので政府は来年4月創設を目指すという。これまで政府は労働力不足への対策としてまずは定年を迎えた高齢者の活用がなされ、その後は女性の労働市場への参加の促進や人工頭脳やロボットの導入が提案され、そしてようやく外国人労働者の本格的な受け入れが議論されるようになっているという。 政府が公表した骨太方針案は外国人労働者の受け入れ拡大を盛り込んでいるが、九州でも多くの外国人が人手不足の深刻な分野を支えており、技能実習生や留学生アルバイトの現場にはなお課題も多いという。昨年11月に技能実習に加わった介護職種では。宮崎県延岡市の「メープルウェルフェアーサービス」が中国人女性2人を実習生として受け入れることになったそうで介護の認定では全国第1号となるという。メープル社によると2人は中国遼寧省の介護施設で勤務した経験があるというが、入国後に受け入れ窓口となる監理団体の研修を経て8月からグループホームなどで働く予定だという。小野真介社長は「日本式介護の技術移転を図るため、2人には核となってほしい」と期待を込めているという。 もっとも制度開始から7カ月を経ても認定は2人だけで、厚生労働省によるとサービスの安全を確保するため、入国要件に日本語能力試験の合格を課しており、母国の研修に時間がかかっているという。福岡県内の監理団体幹部は「日本語の習得が難しい上、介護の賃金水準は安く、希望者が集まらない。送り出し側の実情も考えなければ、労働力不足の解消につながらない」と話している。今回の骨太方針案は実習生が入国1年後の日本語能力の要件を満たさなくても、引き続き在留できる仕組みの検討を盛り込んでいるが、骨太方針案は留学生の卒業後の日本での就職促進も明記している。もっとも既に貴重な労働力となっている「出稼ぎ留学生」の対応には触れず「週28時間以内」の就労制限などにも課題を残している。 創設する在留資格は「特定技能」で農業や介護・建設など5分野を対象にする方針だとされるが、業種横断の基本方針として3~5年の技能実習修了者か修了と同程度の技能や日本語能力を問う試験の合格者を対象にするという。報酬額は日本人と同等以上だというが移民政策とは区別するため家族の帯同は認めず就労期間も5年を上限としている。新制度では農業法人などが外国人と契約し年間を通じて幅広い作業ができるようにするほか、派遣会社から収穫期に合わせて外国人を全国に派遣できる形態を想定している。関係者は「非常に使いやすい制度になる」と歓迎しているが、基本方針を踏まえた上で各業種の所管省庁や法務省で業種別の方針を定め、国家戦略特区では秋にも外国人労働者の受け入れが始まるという。 大幅な規制緩和に区域限定で検証して問題点などを踏まえた上で全国展開の是非を判断するが、他の規制緩和での安易な全国展開に飛び火しかねないともいわれている。政府が新たな在留資格を設け外国人就労の拡大に大きくかじを切るのは、留学生や技能実習生が技術の習得を名目としながら実際は人手不足の業界を支える重要な労働力となっている現状に限界が生じているからだとされている。外国人を「労働者」として正面から受け入れることで慢性的な人材不足を補う効果が期待されるが、事業者側が「安価な労働力」として活用する懸念は残り人権上の配慮も重要な課題となるの懸念も残っており、海外との人材獲得競争の激化が予想される中日本も外国人のための労働や生活相談体制を整えることが課題になっている。
2018年06月12日
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旧約聖書には「笑いが病を治す」と記されているそうなのだが、笑うと痛みが軽減することは古くから経験的に知られていたという。「笑い」に関する様々なデータが報告されているが「声を出してよく笑う」を性別でみると男性40%に女性60%で、女性のほうがよく笑うことが分かっているそうなのだ。世代別ではどうかというと「よく笑う」は30代が65%で40代が50%となり50代が45%だという。やはり年齢が若いほうがよく笑うようである調査報告によると、小学生は1日に平均300回笑うが70代では1日に2回程度しか笑わないと報告されている。なぜ年齢を重ねるにつれて笑わなくなるのかというと、これについてはストレス説が有力で、年齢とともにストレスが増え笑えなくなるということのようなのだ。 つまり人間の赤ちゃんには「天使の笑顔」といわれるような寝入りばなに見せる笑顔があり、先の調査では人生で最もストレスが多いのが30代や40代ですが、60代や70代のほうが「笑い」の回数が少ないことからストレス以外の要因も大きいのではないかとの見方もあるという。つまり脳機能が「笑い」と密接に関係しているのではないかということのようで、大人は1日に平均17回笑うと報告されているという。もっとも「笑い」といっても単に笑顔になるだけでなく、「ハ、ハ、ハ」と声を発する「笑い」もあり、ほとんどの動物は笑顔ができますがヒト以外では知能の発達した猿以外笑い声を発することができないというのだ。つまり笑うことは脳にとって非常に高度な作業であるということのようなのだ。 落語や漫才を見て「笑い」を楽しんだがん患者は見ていない患者に比べ免疫機能が向上した可能性があると、大阪国際がんセンターの研究グループが発表しているが、その研究は大阪に拠点を置く芸能事務所の松竹芸能と米朝事務所に吉本興業の協力で、昨年5月から実施され通院中のがん患者70人を3グループに分け、桂文枝さんの落語やオール阪神・巨人さんの漫才など公演を病院で鑑賞してもらったという。研究グループによると昨年5~6月に公演を4回見たグループはがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞などが増加して免疫を高め、がんを抑える作用を持つたんぱく質「インターロイキン12B」を生み出す能力も、平均で健康な人の1.28倍から1.66倍に向上したという結果が出たそうなのだ。 若くて健康な人の体にも1日3000~5000個ものがん細胞が発生しているというが、これらのがん細胞や体内に侵入するウイルスなど体に悪影響を及ぼす物質を退治しているのが、リンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞なのだ。人間の体内にはナチュラルキラー細胞が50億個もあり、その働きが活発だとがんや感染症にかかりにくくなると言われている。私たちが笑うと免疫のコントロール機能をつかさどっている間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが活発に生産され、笑いが発端となって作られた善玉の神経ペプチドは、血液やリンパ液を通じて体中に流れ出し、ナチュラルキラー細胞を活性化させるという。その結果がん細胞やウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃するので免疫力が高まるというのだ。 また1日100回笑うと15分間のエアロバイクをしたのと同等の運動効果があることが分かっているそうで、1日15分笑うと40kcalの消費になりこれを毎日続けると、1年で2キロの脂肪が減る計算になるというのだ。また「微笑み」や「笑顔」は脳をリラックスさせるが、意識的に声を出して笑うほうが脳だけでなく全身に与える運動効果が高いといえるそうなのだ。生活の質を尋ねたアンケートでは特に痛みの症状の改善がうかがえ、笑いを楽しんだ後の気分を調べると緊張や抑うつ・怒り・活気などの項目で改善が見られたそうなのだ。大阪国際がんセンターの松浦成昭総長は「笑いを楽しむことで、がんの苦痛から少しでも解放されることは示せた。治療に役立つのはまだ先で、遠い将来に期待している」と話しているそうなのだ。
2018年06月11日
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いつもの起床時刻よりも早く起きなければならない朝はなんだか憂鬱なものなのだが、予定外の早朝起床は、なかなか変わらなかった乱れた睡眠習慣を立て直す良いきっかけになるというのだ。多くのプチ不調や美のお悩みを解決してきた生活習慣改善サロン主催のナイトケアアドバイザーの小林麻利子氏が、温泉入浴指導員や食生活管理士といった立場から最新のデータ研究を元にサロンに通う女性の自律神経の改善を行うという睡眠と入浴を中心とした生活に合った無理のない実践的な指導早朝起床の対策と睡眠習慣を立て直す方法をアドバイスしてくれる記事が、自律神経を整えるためのあらゆる方法だけでなく生活習慣の悪さに悩む数多くの現代人を救う方法が雑誌で紹介されていた。 多くの人が翌朝早く起きなければならない日の前日は早めに布団に入って寝ようとするというのだが、眠気の波はそう簡単にやってくるものではないという。翌朝の起床時刻がいつもより早かったとしても「いつもの就寝時刻」に眠りにつくようにし、そして就寝時刻の1時間前にはお風呂から上がるようにするとよいそうなのだ。シャワー浴の人もこの晩は特に睡眠時間が短くなるので深い眠りに入れるようにお湯に浸かることを強く進めているという。体の内側の深部体温が急降下すればするほど深い眠りにつくことができるので、お風呂でしっかり体を温めて深部体温を少し上げればその反動でシャワー浴よりも体温を下げることができ、炭酸系の入浴剤を入れたり入浴前に温かいお湯を飲んだりして工夫してから入るのも良いというのだ。 自分自身の乱れた睡眠習慣の立て直しができるのでぜひ守っていただきたいこととしては、そもそも目覚まし時計を設定すると音で無理やり起こされるため寝起きは悪くなるのだが、わざとそのような状態を作っているので、ぜひ目覚ましはセットしてほしいというのだ。ただし何度も音がなるようなスムーズ設定は深夜の深い眠りのときに出る脳波が朝の二度寝の際に出現してしまい、音で何度も起きたり眠ったりを繰り返すことでさらに最悪の寝起きとなってしまうことから一度で起きる訓練をするとよいというのだ。今日から睡眠を立て直すのだという強い意志を持って「1度で目覚めよう」 と心に決めたら意外と1度で起きられるものなので、ここは少し努力して起きてみてほしい語っている。 朝食は早く起きたからと早い時刻に食べずいつもの時刻に食べるようにし、たとえ早く起きたとしても消化器系の体内時計はいつもと同じ時を刻むことから、翌朝からまたいつもの日常生活に戻るわけなので体内時計を乱さないよう食事時刻はいつもと変えないするのだという。早朝にゴルフ等の予定のある夫のために早く起床した方は朝食を作らないようにして、ご主人も翌朝はいつもの時刻に起床するわけなので、ゴルフだからと早めに朝食を食べてしまえば消化不良を起こしてしまうこともあるというのだ。早朝は脂肪をため込む物質が多いこともわかっているのでご主人の健康のためにも作らないことにして、おにぎりかサンドイッチのような何か食べるものを持たせて極力いつもの朝食時刻に食べるようにするべきだという。 そして乱れた睡眠習慣を立て直すために最も重要なことは「絶対に二度寝をしない」ということのようで、家族のために早朝起床した人も家族を送りだしてからまたご自身が早朝出発をする必要がある方は電車の中などでついウトウトと二度寝をしがちで、ここで眠ってしまうと気持ちがよいためその場では睡眠不足を解消できるので一見よさそうですが、「乱れた睡眠習慣を立て直す」ことではマイナスになるという。また昼食を食べようが食べまいが人は13時~15時頃眠気を感じるメカニズムがあり、20分以下の昼寝は仕事や家事のパフォーマンスを上げる最高の作用があるので習慣づけるとよいという。単純作業や退屈な時間を過ごすと覚醒度が下がりがちになるので眠くならない努力も必要だという。 このように睡眠不足状態で1日過ごしたので覚醒時間が長くなりさまざま発見されている睡眠物質がたくさん分泌し、そのお陰で夜はいつもよりぐっすり眠ることができるはずなのだが、そのためにまずは翌朝に起きる時刻から6時間半以上前に眠りにつけるよう就寝時刻を定めるとよいそうなのだ。まだまだ睡眠時間6時間未満の方が多いというが、眠りの深さだけでなく睡眠時間自体にも体を修復してくれることが最新の研究ではわかっているので、最低6時間半は眠れるよう設定する必要があるという。最適な睡眠時間がわからない人は3日以上ある長期休みのときなどに同じ就寝時刻で寝始め何時間眠ればすっきり起きられるか探っておき、就寝時刻を設定したらあとはその時間通りに眠れるようにすればよいというのだ。
2018年06月10日
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勤務中にスマートフォンで競馬の馬券を購入するなどしていたとして、大阪府岸和田市消防本部は春木分署勤務の消防士長の男性を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表している。監督責任を怠ったとして当時の上司である消防士長の男性を戒告に、岸和田市消防署長を務める消防司令長の男性については訓告とした。大阪府岸和田市消防本部によると停職となった男性は山直分署に勤めていたギャンブル依存症なのか平成28年5月~29年3月ごろまでの勤務中に約20回にわたり私用のスマートフォンのアプリで馬券を購入していたとされ、市民から情報提供があり発覚したというのだ。岸和田市消防本部の矢野常和消防長は「誠に遺憾。市民に深くおわびし、信頼回復に努める」とコメントした。 競馬の馬券を購入することは公営ギャンブルであることから違法ではないが、そもそもカジノは刑法の賭博罪で禁じられているのだ。国会ではカジノを含む統合型リゾート実施法案について野党はその整合性についても追及を強めているが、政府側は「公益性」や「公的な管理監督」など賭博を合法化する要件を定めた法務省見解を踏まえ、刑法との整合性はとれていると反論している。収益の一部を国庫や自治体に納付する仕組みを「公益性」の根拠とするそうなのだが、法案では戦後初めて「民設民営」による賭博を解禁するのだ。民間事業者が利益を求めれば公益性に矛盾しないか課題は残るし、ギャンブル依存症の経験者は推計で約320万人いる。カジノができることで依存症患者が増えるとの不安も出ているのだ。 安倍晋三首相は衆院内閣委員会でカジノを含む統合型リゾート実施法案について「カジノを含む統合型リゾートは世界と日本各地をつなぐ交流のハブになる」と経済効果を強調しているが、これに対し野党はギャンブル依存症患者が増える恐れがあると追及しており、本格的な論戦は始まったばかりだが与党はもう6日衆院内閣委員会で採決し今週中にも衆院を通過させる構えで審議を急いでいたというのだ。カジノを含む統合型リゾート実施法案の衆院審議が大詰めを迎えているわけだが、今国会中の成立をめざす与党は内閣委員会で強行採決に踏み切る構えだが野党は反発している。カジノを成長戦略とすることの是非や賭博を禁じる刑法との整合性など重要な論点の議論は尽くされていないからだという。 安倍首相は目指すカジノを含む統合型リゾート像を「これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設として、世界中から観光客を集める」と説明ししているが、野党はカジノの負の側面を問題視しているのだ。依存症対策について安倍首相は「週3回、28日間で10回」の入場回数制限などを挙げ「世界最高水準のカジノ規制を導入し、万全の対策を講じている」と理解を求めたが、立憲民主党の阿部知子議員は「週3回は多すぎる」と批判している。利用者の7~9割が日本人になるとの民間や自治体の推計を示し「主たる顧客のターゲットは近隣になるのでは」とただしたが、石井啓一国土交通相は「国内外を問わず、多くの来訪者を引きつける魅力ある施設の整備を考えている」とし正面から答えなかったという。 衆院内閣委員会はカジノを含む統合型リゾート実施法案の採決を見送っいぇおり、与党は理事会で採決を主張したが立憲民主党や共産党などは山際大志郎委員長の解任決議案を提出する構えをみせて反対した。与党は来週にも強行採決し衆院通過を目指すという。与党が今週中の採決を強行しなかったのは与野党対決型の新潟県知事選が投開票されるためで、自民党幹部は「マイナスの影響を避けた」と認めている。立憲民主党の辻元清美国対委員長は党会合で「選挙前に採決すると都合の悪い法案。カジノ隠しだ」と批判している。与野党は内閣委理事懇談会で改めて審議日程を協議するが、与党の思惑通りに進んだとしても参院での審議に一定の時間が必要で、成立させるには会期の延長が避けられない状況だという。
2018年06月09日
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昔から「酒は百薬の長」という言葉があるように、昔から「お酒は適量摂取」なら健康効果があるといわれているが、ただし少量の飲酒でも悪影響を及ぼす可能性があるという。「適量を飲む分には死亡率が下がるが、一定量を超えてくると、死亡率が上がってくる」という現象を、専門用語で「Jカーブ効果」というそうで、飲酒量を横軸に、死亡率を縦軸にとるとグラフの形状が「J」の字に似ることからそう呼ばれているというのだ。しかしこの「Jカーブ効果」はすべての病気やすべての人に対して同じ傾向を示すわけではないというのだ。昔から飲酒量と健康リスクについては欧米や日本で研究が進められており、その結果として飲酒量と総死亡について「Jカーブ」の関係にあることが示唆されているというのだ。 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長の樋口進医師によると「コホート研究などにより、飲酒と総死亡率についてはJカーブ効果が認められています。ただし、すべての疾患に対してあてはまるわけではありません。つまり、病気によっては、少量の飲酒でも悪影響を及ぼす可能性があります。少量の飲酒がすべてに対していい効果が出るというわけではないのです」と話している。国内でも大規模コホート研究により適量飲酒が死亡リスクを低下させているという結果が出ているそうで、これは国内の40~79歳の男女約11万人を9~11年追跡した結果で、総死亡では男女ともに1日平均23g未満という日本酒でいうと1合未満では最もリスクが低くなっているそうなのだ。 そのうえ「欧米人を対象とした14の研究をまとめて解析し、1996年に発表された報告では、男女ともに1日平均アルコール19gでの飲酒者の死亡リスクは非飲酒者より低くなっています」とされ、このような国内外での報告から「適量飲酒は死亡率を下げる」ということが通説となっているわけだという。なお樋口進医師は「コホート研究の結果によって、少量飲酒者の死亡率が低いという結果が出ていることは確かです。なぜ全体の死亡率について、適量の飲酒でリスクが低くなるという傾向が見られた。しかし、これは飲酒との因果関係を示すものではありません」。と補足している。また「Jカーブ効果が認められているのは、先進国の中年男女だけ」だそうで日本もその中に入っているそうなのだ。 少量飲酒であってもリスクが高くなるのはどんな疾患かというと「少量飲酒であっても、リスクが上がるのは主に高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がんなどです。これらの疾患は飲酒量に比例してリスクは直線的に上がっていきます。つまり、少量でも飲酒すればリスクは上がります。乳がんは遺伝的な要素が強い疾患ですが、それでもアルコールを飲まないより、飲むほうが罹患リスクは上がります」とし、「肝硬変の場合は、指数関数的な傾向を示します。飲酒量が増えるとリスクが上がるのは同じですが、少量の場合のリスクの上がり方は穏やかで、ある水準を超えると一気にリスクが高くなります」としている。そして少量飲酒でもリスクが高まるわけですから通常の方より飲酒量を抑えるように注意したほうがいいという。 心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や脳梗塞に2型糖尿病などは、少量飲酒によって罹患率が下がる傾向が見られ、そして心筋梗塞などの心疾患が死亡率に及ぼす影響はとても大きいという。つまり先に挙げた少量飲酒によってリスクが上がる疾患より心疾患などリスクの下がる疾患の影響が大きいために、全体の総死亡率としては、Jカーブのパターンになっているというのだ。飲酒はコミュニケーションツールで日常のストレスから解放してくれる楽しみの一つでもあり、例えば高血圧の方が飲酒量を抑えた方がいいのは確かだが過度に神経質になる必要はなく、飲み過ぎの人は飲む量を減らすことから始めて無理のない範囲で量を減らすことさえできればよく、その量も本人が決めることが大切だというのだ。
2018年06月08日
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東京電力福島第1原発2号機の事故処理の進捗が進まないうえに、中間貯蔵施設や最終処分処理場を未だに確定できていなのに原発の再稼働する無責任政府だと非難が多い中、青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設に関西電力が出資するとした報道を受けむつ市の宮下宗一郎市長は、経済産業省資源エネルギー庁で日下部聡長官と会談し事業に対する国の考え方を確認したという。宮下市長が「事業者の意向のみで事業を進めるべきではない」と主張すると、世耕弘成経済産業相は「全くその通り、関西電力は報道を否定している」とした上で、原発で増え続ける使用済み燃料の貯蔵先確保について「各電力会社が連携し対策するよう昨年から要請している」との見解を示したそうなのだ。 そのような中で東京電力は福島第1原発の50代男性作業員が作業後に原発の敷地外で倒れ搬送先の病院で死亡が確認されたと発表したが、死因や作業と死亡の関係は不明としている。東京電力によると男性作業員は協力会社の社員で、午前中まで原発敷地内で防護服を着用し汚染水用タンクの塗装に使う足場の解体作業に従事していたそうで、作業前に体調の異常は見られなかったという。それが作業後に嘔吐しその後原発敷地外の協力会社の事務所でいすに座っていた際落ちるように倒れたという。東京電力によると男性作業員は休憩時間の午前10時40分ごろにトイレで嘔吐し、昼食後の午後0時45分ごろにも再度嘔吐したという。その後敷地外にある協力企業の事務所で同僚と会話していた際に倒れたという。 すぐにこの男性作業員は双葉医療センターに搬送されたが午後4時に死亡が確認されたというのだが、作業前に行われた健康チェックでは問題がないと判断されていたという。男性作業員は平成28年3月から同原発で働いており、既往歴や服薬していたことは確認されているが東京電力は具体的な病名までは明らかにしていないそうなのだ。原発作業員の死亡はこれまで数名と発表されているがこれはあくまでも作業中に体調不良で亡くなった方の数で、契約を終えて家に帰ってから亡くなる方が多いがそれはまったくカウントされていないという。これまで原発作業に携わった作業員はのべ約10万人だが、そのうち約4%にあたる4300人が亡くなっているそうで直接の死因は心筋梗塞が多いという。 福島第一原発で働く作業員が1名亡くなった事が東京電力から公表され、これで発災から作業員の死者は東京電力が公表・認めているだけで累計19人になったそうなのだが、東京電力が詳細を公表する死亡案件は「敷地内で、業務に起因して発生した災害」に限定されているそうなのだ。そのようにして死亡した場合には億単位の多額の口止料が支払われており、口外すると没収されてしまうため家族も一切口をつぐんでいるという。福島第一原発で働く作業員のうち勤務時間外・離職後に亡くなった・病気になった人数を把握している公的機関はどこにもないそうで、東京電力は法律上の義務は負っていないし国も福島第一原発で働いた人達を登録している訳でもないというのが実情だという。 そして東京電力福島第1原発2号機で行われた格納容器内調査では毎時500シーベルトを超える高い放射線量が推計される場所が相次いで見つかっているが、人が近づけば数十秒で死亡するという極めて高い値でニュースは海外にも配信されたそうなのだ。この衝撃的な数値に東京電力などは「改めて申し上げますが、もともと燃料が持っている線量は数万シーベルトある。いまはそれを閉じ込めている状況で530シーベルトや650シーベルトというのは、格納容器の中で確認したもの。新たに発生したわけではなく、外部に影響があるわけでもない」火消しに追われているという。そして「福島第1原発では90カ所以上で放射線量を測定しているが上昇した形跡はない」というのが公式発表だとされている。
2018年06月07日
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事故や事件の被害者をニュースで報道する際に高齢者が無職として紹介されるが、70歳以上になるとおそらく定年退職後は無職で何もせずにブラブラしていても全然問題ないが、無職となるとなぜか気になる高齢者が多いという。退職後に無職と言われるのがいやなら「資格をとる」という方法があって、例えば「社会保険労務士」や「行政書士」・「中小企業診断士」のような国家公認の士業資格をとって開業すれば職業の肩書ができるというのだ。もっとも士業資格は試験に合格するだけではだめで都道府県の社会保険労務士会のような会に入会して年会費を払わないと肩書がもらえないという。幸せな老後を送るカギとなる「現在の存在感」をどう得ればということなのだが、注意したいのは「現役時代の肩書き」にこだわらないことだという。 私のように退職後の肩書なんてどうでもいいことなのだが、どうでもいい細かいことが気になるのが人情で、県庁の職員などでは定年を迎えた元上司がかつての部下たちを誘うゴルフコンペや飲み会が行われているという。その人に聞くと「私を含めた元部下たちは現役時代の肩書きのままで呼びます。それで昔のことが思い出されて心地よいのでしょう。たしかに現役の時はお世話になって恩義があるのでこれまで参加してきましたが、もう定年してから5年も経つと同僚も次第にひとり欠けふたり欠けとなり、私もいつ抜けようかタイミングを計っている」と語っていた。現役時代の肩書きが良いばかりにそれを定年後まで引きずってしまった元上司をこの話をして切れた現役職員は反面教師にするという。 大手食品メーカーの幹部を務めた人の話でも定年後の肩書きが足かせになってしまっているそうで、「現役中はどんな状況でも名刺さえ出せば有名企業ということで驚かれ自らアピールする必要がありませんでした。言ってみれば『名刺依存症』だったのかもしれません。ところが定年後に名刺を持たないようになり、会社の肩書きがなくなった途端、どのように自己紹介すればいいかわからなくなりました。おまけに家電店やゴルフショップなどの会員になろうとしても入会書の勤務先欄を空欄にするのが耐えられなかった。『私は無職です』と誰かに告げることに未だに慣れません」と語っている。「自由業」ということも考えたそうだが「自由業」の定義は時間や雇用契約にしばられない職業ということで使いづらいという。 定年後と言うと携帯電話の電話帳や年賀状は会社関係の名前ばかりで、近所とは定年まで個人としての付き合いをほとんどしてこなかった人も、ある時、町内会の役員に立候補したそうなのだが、「町内会の活動に興味があったのではなく、役員になると渉外用の名刺が支給されるという理由からでした。定年後に肩書きがないという違和感から抜け切れず、なんとかしようと思った。廃品回収の当番など思った以上にやることが多く、肩書きが欲しいなんて動機で始めたもんだから、結局、半年ほどで幽霊役員になってしまいました」と自嘲気味に語っている。このように定年後の人生は「昔の名前」が通用しなくなる。だからといって何でもいいから「今の肩書き」を手に入れれば良いというわけでもないようだという。 女性は「専業主婦」という肩書が一番しっくりハマるそうなのだが、男性も「1年前からは会社を辞めて自宅にいる」と語り、「何をやっているの」と問われれば「料理したり、掃除したりの専業主婦業」と答えるということもアリだという。その回答を聞いくとスムーズに納得してくれるそうで、英語には「アーリーリタイア」という言葉があるそうなのだが、世間ではあまり浸透していない単語ということで、実際に誰かから「アーリーリタイアしたんだ」と言われたことはないという。私なら退職したら書類などに自分のことを記入する時は「専業主婦」の項目するのも面白いなと思っている。そして「もし道端で職務質問にあったら」と仮定すると、やっぱり「無職」と答えるのが一番良さそうだと思っているのだ。
2018年06月06日
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造り酒屋や酒屋の店頭で小銭を支払いその場で立ったまま酒を飲む行為は日本では江戸時代から一般的に行われていたそうなのだが、代表的な立ち飲みの店は酒の小売店としての酒屋に併設された立ち飲みスペースのことで、日本酒や焼酎と言った酒と乾き物やフライ物といったおつまみなどを購入し、店の一角やレジカウンターの隅を借りるかたちで買った酒やおつまみを飲食するスタイルだ。飲食店ではないので店側はサービスできないのが基本であり、椅子を出せないので立ち飲みとなるという。もっとも客が勝手に店内のビールケースなどを持ってきて古雑誌を座布団がわりに座る場合もあって、酒屋で立ち飲みすることを「四角い升の角に口をつけて飲むこと」から「角打ち(かくうち)」と呼ばれているのだ。 このような背景から「角打ち」は工場・炭鉱・港湾が多かった北九州地域に多く、「角打ち」という言葉の発祥地であるという説もある。東北地方では「もっきり」で鳥取県から島根県の東部にかけては「たちきゅう」と呼ばれている。これは「立ったまま、きゅうっとやる」ことが語源といわれている。安く飲むことができる立ち飲み屋を「角打ち」と表現するが、かつての酒屋併設型の立ち飲み屋は酒屋の入口とは別に設けられていたが、これは料理や酒を同一店内で提供しないことで許認可が必要となる飲食店の形態を採らないための工夫だという。主に大都市のドヤ街や公営ギャンブル場周辺などにみられ、顧客は日雇いの肉体労働者が多かったが、単純肉体労働者の激減と嗜好変化により減少の一途をたどっていったそうなのだ。 酒を購入しその場ですぐ飲むことのできる酒販店では個人経営の小規模な店で、酒販店の一角にカウンターテーブルを備えそこで飲むことができる形態が多いが、サービスはなく酒代は酒屋の販売価格のみとなっていた。近頃では新しい店も次々にオープンし女性も気軽に入店するようになってきたという。普通の居酒屋から椅子がなくなっただけという店もあるが、老舗やこだわりの店には立ち呑み屋ならではのルールがあって、立ち呑み屋で大切なのはお金の支払い方だという。お店によって異なるが老舗やもともとが酒屋だった立ち呑み屋はキャッシュオンデリバリーが基本で、150円~300円のつまみと飲み物はビールに日本酒や焼酎・ウイスキーに種類豊富なサワー類が揃っているというがソフトドリンクはないという。 トレイにある程度のお金を置いておくキャッシュオンスタイルでは、なるべく小銭を用意していくのが作法だが両替は絶対お断りというわけではないという。たまたま万札しかなかった場合は両替してくれるのだが「オープンした早い時間の両替や、いかにも当然のように『両替して』と言われるのはちょっと困りますね」とのことだと亭主が語っている。さまざまなつまみがカウンターに並べられ酒のほとんどはコインを入れるとコップに注がれる酒販機で買うセルフ立ち呑みのタイプの店では、焼き鳥も客自身が炭火で焼くし基本的に女性客はお断りしているという。100円を入れる酒販機が並んでいる立ち呑み屋では、「たくさん呑んでいただくために小銭は用意しているので両替も大丈夫です」という。 立ち呑み屋は酒を軽くひっかけて帰る客が多いことから「酔っぱらって来るところじゃないですよね」とか、「仕事の疲れを癒す立ち呑み屋なので、何軒目かで来られるのはちょっと嫌ですね」とのことだが、おいしいつまみと酒をたくさん呑み食いして長居してしまうこともあるし、その点はどの店も拒否はしていないがどの店でも共通している不作法が「泥酔」だという。「立っていられなくなったり寝てしまったりしたら帰ってもらいます」とか、「ひっくり返って怪我したら大変ですからね」や、「大騒ぎするのを聞きたくないというお客さんもいます」ということで、座ってしっぽり呑む店と違い気楽に立ち寄れる立ち呑み屋は他の客との距離が近いことから、周囲に気を遣うことも大切で店の空気に馴染んで呑むのが立ち呑みの流儀だという。
2018年06月05日
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財務省は厚生年金保険から支給される老齢厚生年金の支給開始年齢を原則65歳から68歳に引上げする案を財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会に提示したそうだが、この財政制度分科会という会議で老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げに関する議論が始まった段階だという。老齢厚生年金の支給開始年齢を68歳に引上げする案が出された背景には国民年金や厚生年金保険などの公的年金は基本的に現役世代から集めた保険料をその時点の年金受給者に年金として配分する「賦課方式」という仕組みで運営されており、現役世代の人数が減り年金受給者の人数が増えるといういわゆる少子高齢化の状態になると、その進行の度合いに応じて現役世代から集める保険料を何度も値上げする必要があるのだ。 厚生年金保険に44年以上加入した場合には「長期加入者特例」と呼ばれる制度が用意されており、60歳から64歳に受給する「特別支給の老齢厚生年金」について受け取れる金額が上乗せされる特例だがあまり知られていないという。厚生年金保険の加入期間が44年以上になった場合の特例は特別支給の老齢厚生年金に対するもので、「特別支給の老齢厚生年金」を受給し始めたばかりの人や間もなく受給開始となる予定の人で、厚生年金保険の加入期間が44年に達する可能性がある人は受給金額に大きく影響するため、この特例の詳細を確かめるべきだという。特に中学校または高等学校を卒業後にずっと継続して会社員として働き続けてきた場合は、の44年以上の特例条件に該当する可能性が高いという。 老齢厚生年金の受給開始は60歳から65歳へと引き上げられており、私の該当者なのだが給開始年齢を段階的にスムーズに引き上げるために暫定的な措置として、60歳から64歳までの間に受給できる「特別支給の老齢厚生年金」の制度が作られている。60歳から64歳までの間に受給できる特別支給の老齢厚生年金の支給金額の内訳には、主に「報酬比例部分」と「定額部分」の2つがあって、「報酬比例部分」とは、厚生年金保険の加入期間の長さと加入期間中の給料等によって金額が計算されるものなのだ。特別支給の老齢厚生年金は65歳以降に受け取れる老齢厚生年金を前倒しして60代前半から受給開始する「繰り上げ受給」とは別の制度であるので注意する必要があるという。 長期加入者特例は特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみ受け取れる受給者に対して、厚生年金保険の加入期間が44年以上となれば定額部分も同時に支給を受けることができるというものだ。具体的には次の条件を満たす必要があって「特別支給の老齢厚生年金の比例報酬部分が受給開始年齢に達している」とか、「厚生年金保険の加入期間が44年(528月)以上」や「厚生年金保険の被保険者資格を退職して喪失している」というのだ。例えば1956年7月生まれの男性の場合には老齢厚生年金の支給開始年齢は62歳からで、特別支給の報酬比例部分が受け取れるが定額部分の支給はない。しかし長期加入者特例を適用できれば62歳から定額部分と報酬比例部分の合計額が支給されることとなるというのだ。 長期加入者特例が適用される場合は報酬比例部分に加えて定額部分が支給されることになるが定額部分はどれほどの金額になるのかというと、特別支給の老齢厚生年金の定額部分は簡単な計算式によって計算されるという。長期加入者特例は年金をもらえる金額に大きく影響するわけで、事前に知っておけば退職後の生活設計に役だつというのだ。60歳から特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の受給が開始される人で、60歳で厚生年金保険の加入期間が44年に到達するようであれば、60歳で退職し働くのを止める選択肢も出てくるのだ。また60歳以降も働き続けることで長期加入者特例の対象となるように、厚生年金保険の加入期間が44年以上になるまで働くという目標を立てるというのも一つのやり方だというのだ。
2018年06月04日
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6月になり経団連ルールに配慮していた大手企業も続々と内々定を出しているというが、第一志望から内々定を取れた学生は今から他企業の内々定を辞退するため、今から追加募集を掛けることになる中小企業も多いと予想されているという。平成31年春卒業予定の大学生らを対象とした経団連加盟の大手企業を中心に採用選考活動が解禁され、就職戦線は学生優位の「売り手市場」が鮮明化になっているが、特に中小企業や流通に建設業界では人手不足や学生の「大手志向」を背景に有効求人倍率が10倍前後に達し、約10人の採用枠に対して学生の応募が1人にとどまる事態に陥っているという。人手の確保に不安を抱く企業は多く選考を前倒しする動きに拍車がかかっているそうなのだ。 十年前のリーマンショックの時は私の伊田事務所のような小規模建設業にもとんでもない学歴の人が応募してきていたのだが、当時の総務関係の専務が『いくらなんでもそんなすごい大学出た人と仕事できんわ。恐れ多くて』と言って断った話をしていたのだ。口調から察するに皮肉じゃなくて本心からそう言っていたんだと思うっているが、新聞等でも900人規模の従業員を抱える大阪市内の製造会社の人事担当者は焦りを隠さないそうで、前年実績を8人上回る20人の採用を計画し例年より1カ月以上早い2月に選考活動をスタートさせたが、優秀な学生を確保するため3月末に17人に内定を出したという。リクルートワークス研究所の調査によると来年の卒業予定の大卒求人倍率は1・88倍と7年連続で上昇しているという。 景気回復と人手不足が企業の採用意欲を高め激しい人材獲得競争に発展しているが、あおりを受けているのが中堅・中小企業で、調査では従業員数が5千人以上の大手企業の有効求人倍率が0・37倍だったのに対し千人未満の中堅企業は3・97倍で、300人未満の中小企業に限れば9・91倍となり学生の「大手志向」が浮き彫りになっているという。企業の採用活動を支援する労働局の担当者は「従業員規模が小さい会社であればあるほど、選考時期を早めないと採用計画を満たせないという危機感が強い」と指摘し、流通や建設・製造業では求人数よりも就職希望者が少ない一方で、サービス・情報や金融業では逆の傾向となっており、学生優位の業種と企業優位の業種がはっきり分かれる結果が出ているとしている。 そんな中で都道府県の職員と言えば安定していて地元に貢献できる職業で、地方では特に人気が高いというイメージがあったのだが、公務員採用の厳しい状況について全国で公務員の採用試験などに向けたコースを提供している予備校「東京アカデミー」によると、東京アカデミーも公務員志望者が減る中で学生を自治体間で取り合う競争が起きているという。学生の売り手市場で民間企業が待遇を改善し民間企業の志望者が増加すると公務員の志望者が減少して自治体の間で学生の取り合いが激化というのだ。民間企業が採用活動で積極的な姿勢を強めたのは5年ほど前から。このため自治体は応募者を増やすためほかの自治体と試験日が重ならないようにしたり筆記試験の負担を軽くしたりする動きが出てきているという。 ところが「複数の自治体を受けられるようになり今度は自治体の間で内定者を奪い合うという皮肉な事態になっている」と担当者はそう話しているそうなのだ。私が住んでいる愛媛県でも昨日に募集が終了したのだが、昨年度の試験を受けた事務職では倍率が10倍以上あったが土木職は倍率が1.2倍しかなかったというのだ。さらに「売手市場の中、学生も比較的気軽に内定を断るようになっている」とも話しており、仮に職員が思うように採用できなくなれば都道府県や市町村が担っている行政サービスが十分に提供できなくなるおそれも懸念されるという。土木で人がいなくて困っている状況でそこの試験を受けて土木枠で受けてくれるだけその自治体にとっては好都合だというのが実情のようなのだ。
2018年06月03日
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その人にとって十分な睡眠時間とは日中にたまった疲労や心身のダメージを回復するのに必要な睡眠時間でこれを「必要睡眠時間」と呼び、必要睡眠時間には大きな個人差があるため何時間以上眠れば大丈夫という万人に通用する基準がないというのが科学的に正しい答えだという。一つの目安では20代の必要睡眠時間は平均8時間30分前後、そして年齢ととともに徐々に短くなると考えられており、高齢者で必要睡眠時間を測定した研究はないがさまざまな研究データから70代では7時間弱まで短くなると予想されているそうなのだ。この6時間をどこに落とし込むかということを考えると、70代の方でも午後11時くらいから午前6時くらいの間までコンパクトに寝ないと何回も目が覚めたりとか早起きしすぎたりしてしまうという。 繰り返しになるが個人差によるばらつきがあるので、高齢者の方でも若者のように長く眠れる人もいれば、5時間を切っても大丈夫な人までまちまちだという。「標準的睡眠時間はもっと短いとされ8時間以上眠れるのは中高生くらいまでだそうで、「標準的睡眠時間」と必要睡眠時間は違うというのだ。標準的睡眠時間とは、健康な人が実生活で眠っている時間のことです。多くの書籍には各年代の標準的睡眠時間のグラフが載っているそうだが、国の睡眠研究者が過去に報告されている多くの実験データをまとめたものでは、これまで「健康な人」の標準的睡眠時間は20代で約7時間半、70代では6時間弱とされてきており、必要睡眠時間よりも1時間ほど短いとされるという結果になっているそうなのだ。 この標準的睡眠時間は普段の睡眠習慣に合わせ被験者を検査室で寝かせて測定したものなので、その人が本当に必要とする睡眠時間を測定できているわけではないという。「必要睡眠時間よりも短くたって、健康に過ごしているのだからそれでいいじゃないか」という意見も多いのだが、確かに標準的睡眠時間を確保できている人は短期的には大きな問題は起きないというが、わずかながらでも睡眠不足が日々積み重ねられていることは間違いないという。わずかであるがゆえに長期間にわたって続けてしまい、平日の睡眠不足と週末の寝だめでやり繰りして「なんとかやれている」と思っている人が多いのだが、それは睡眠不足の明確なサインで実は体は悲鳴を上げているというのだ。 最近の研究では平日の睡眠不足と週末の寝だめを繰り返すライフスタイル自体が、生活習慣病やうつ病に認知症などのリスクを高めていることも明らかになっており、経済協力開発機構が実施した調査では加盟各国の平均睡眠時間は8時間25分だという。先進諸国の睡眠時間は経済協力開発機構の平均を超えているが、この調査には15歳から64歳までの働く世代が回答していることから、20代以降の睡眠時間が短くなる世代を含めても8時間半近く睡眠をとっているというのだ。一方の日本人の睡眠時間は7時間22分で「通勤時間が長い」とか「労働生産性が低い」・「寝不足自慢の国民性」等さまざまな要因が挙げられているが、経済協力開発機構加盟国中で最短だったという。 先進国だから24時間社会だからなどの言い訳は通用しないようで、眠れない人は早く眼が覚めるとどうしても朝早く光を浴びてしまい、早朝から午前中に太陽光を浴びると人間の体の特徴として体内時計が朝型になってしまうという。そうすると夕方7時から8時になるとまぶたが重くなり横になりたくなってついウトウトしてしまう。とんでもない早い時間帯から眠気が出てきて早寝をしてまた早く起きるということになってしまうという。睡眠時間は精々6時間なので細切れに寝るよりはコンパクトにぎゅっと詰め込んで切れ目なく寝たほうが体調も日中の気分も良くなると言われている。そして寝床にいるのがリラックスタイムでテレビを見ながら「寝落ち」するのが気持ちよくてそれが至福の時間であればそれはそれでかまわないというのだ。
2018年06月02日
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学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改竄問題等で、大阪地検特捜部は虚偽公文書作成罪などで告発された当時の財務省理財局長の佐川宣寿前国税庁長官らを嫌疑不十分で不起訴としたという。また売却価格が8億円余り値引きされた取引をめぐる背任罪についても、交渉時の理財局長の迫田英典元国税庁長官らを嫌疑事項内で不起訴としたというのだ。そして財務省による交渉記録廃棄を受けた公文書毀棄罪なども含め、財務省本省や近畿財務局に国土交通省大阪航空局で関わった計38人を不起訴とし捜査を終結したというのだ。佐川宣寿前国税庁長官らを大阪地検に告発した一人の木村真大阪府豊中市議は「1年かけてこれかという思い。検察の判断は理解できない」と述べたという。 木村市議は「不起訴になれば、証拠書類などもお蔵入りになり、真実が分からなくなる。起訴して記録を表に出し、裁判所で判断すべきだ」と批判した。さらに「刑事責任と政治的責任は別」とし、3月の証人喚問で証言拒否を重ねた佐川宣寿前国税庁長官について「訴追の恐れがなくなれば、真実を話せるはず。野党には引き続き国会で問題を追及してほしい」と訴えている。告発状を出した神戸学院大の上脇博之教授も神戸市内で記者会見し「怒りを感じる」と述べて、6月上旬にも検察審査会に審査を申し立てる意向を明らかにした。上脇教授は不起訴について「多くの国民は怒りを覚えている。今後、官僚らが文書の改竄や廃棄を簡単にできてしまうことになる。本来は立件できる案件だと思う」と指摘している。 公文書の改竄よりも問題なのは国有地売却を巡る値引き問題なのだが、森友学園が国有地で小学校建設中に「地中からごみが見つかった」と主張し、国が約8億円を値引きした経緯が問われているが、理財局や近畿財務局の職員らが小学校の名誉校長だった昭恵氏らに配慮し自らの保身や学園の利益を図る目的で過大に値引きしたとして背任容疑で告発されているのだ。しかし大阪地検特捜部は籠池元理事長らがごみによる開校の遅れを理由に国に損害賠償を求める意向を伝えていたことや、国に賠償請求できない特約が売買契約に盛り込まれていた点を重視し、値引きの背景、ごみ処理を巡るトラブルや賠償請求を避ける意図があったとして国に損害を与える目的はなかったと判断したとみられている。 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で大阪地検が当時の財務省理財局幹部らを不起訴としたことについて、麻生太郎財務相は「こうした問題が起きたということは極めて由々しきことだ」と述べたうえで、「関与した職員への処分を含めて週明け早々に調査報告書をとりまとめる」と説明しているが、森友学園をめぐる一連の問題に関しては財務省関係者らからも改めて厳しい声が上がっている。国有地取引にかかわる近畿財務局管財部で勤務した経験のある男性OBは「不起訴になったとはいえ、いったん決裁を終えた公文書を書き換えるのは、行政の原理原則からしてあり得ない。他省庁に対しても『同じことをやっているんじゃないか』と疑惑の目が向けられかねず、国民の不信感を招いたのは明らか。その責任は重い」と話している。 森友学園問題で大阪地検が佐川宣寿前国税庁長官らを不起訴処分としたことを受け、立憲民主党など野党6党派の国対委員長が国会内で会談し、佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問や衆参両院での予算委員会集中審議を与党に要求する考えで一致した。麻生太郎副総理兼財務相の辞任も引き続き求める構えだ。佐川氏は証人喚問の際に「刑事訴追の恐れがあるので差し控える」と証言拒否を連発していたが、立憲民主党の辻元清美国対委員長は記者団に「刑事訴追の恐れがなくなったわけだから、ご自身の言葉で語っていただく」と語り、国民民主党の大塚耕平共同代表は記者会見で「公文書の改ざんや虚偽答弁をこれだけ繰り返した人が、何らとがめられないのは極めて遺憾だ」と批判したという。
2018年06月01日
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