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50歳を過ぎると「ドライマウス」に悩む人が増えるというが、日本語では口腔乾燥症といい唾液の分泌量が減ることで文字通り口が乾燥する病気だという。健康な人間は1日1.5リットルの唾液を出すそうなのだが、重症のドライマウスだと分泌量はその10分の1になってしまうこともあるといわれている。ドライマウスがひどくなると舌や粘膜に痛みを感じるようになり、やがて食事をとるのも難しくなるというのだ。唾液には抗菌成分が含まれているがそれが減ることによって細菌やウイルスにも感染しやすくなるし、唾液の分泌が減ると虫歯菌や歯周病菌が歯や歯茎から洗い流されず長時間定着するため虫歯や歯周病の進行が早まり、歯周病になると歯が抜ける大きな原因にもなってその影響は全身に及ぶとされている。 「唾液は糖尿病やストレス・筋力の低下に服薬などで分泌量が減るが、心身ともに健康な人は年を取っても唾液が減らない。唾液の分泌量は心身の健康度を表している」と語る鶴見大学歯学部病理学講座の斎藤一郎教授は、歯科大学の附属病院で初めてアンチエイジング外来を開設した「口のアンチエイジング」の第一人者として知られている。年を取ってドライマウスになると唾液の分泌量が減ってしまう影響で、歯周病が進みやすくなり口臭も強くなるという。ドライマウスがひどくなると舌や粘膜に痛みを感じ食事をとるのも難しくなるというのだが、唾液の分泌量を増やして歯周病や口臭を防ぎ、いつまでも清潔で若々しい口元をキープするにはどうしたらいいかということになってくる。 斎藤教授に対策を聞いたところブラッシングとクリーニングということで、基本は毎日の歯磨きだというのだ。ブラッシングによって歯垢を取り除き歯茎の血行を良くするとともに、「半年に一回は歯科医院に行き、プロにクリーニングしてもらうことが大切」と斎藤教授はアドバイスしている。そして食事はよく噛むことが大切で「唾液腺は筋肉に裏打ちされているため、噛む力が衰えると唾液の分泌量が減る。よく噛むことで唾液もたくさん出る」と斎藤教授はかたっている。シュガーレスのガムを愛用するのもよいが、タバコを控えることが大切だというのだ。タバコは口臭が強くなるだけでなく歯周病にもなり、米国の調査によるとタバコを吸わない人に比べて1日20本吸う人は4.72倍で、31本以上吸う人は5.88倍も歯周病になるリスクが高まるというのだ。 これはニコチンが歯茎の血行を悪くしタールによって歯垢が落ちにくくなるためなのだが、それにむやみに薬に頼らないことも大切だというのだ。医薬品の副作用でドライマウスが起こることも多いとされ、「日本の医薬品の使用量は欧米の40倍とも言われるが、降圧薬・睡眠薬・抗アレルギー薬・抗うつ薬など、多くの薬に唾液の分泌量を抑える作用がある」といわれている。ちょっと調子が悪いからと安易に薬に頼るのも考えものだというのだ。人と会ってたくさんしゃべることも有効だそうで、口の周りの筋肉を鍛えると唾液腺も活性化し唾液の分泌量が増えるそうなのだ。そのためには積極的に人と会うことも効果的だそうで、会話を交わし口角を上げて笑うことで自然に口の周りの筋肉が鍛えられるというのだ。 60歳以上の高齢者44人に好きな曲を3曲歌ってもらった結果、唾液の量が増えコルチゾールというストレスホルモンが減ることからカラオケも有効だというのだ。歌で唾液が増えたのかというと「口の周りの筋肉を使ったというフィジカル面と、歌うことで副交感神経が優位になったというメンタル面、ふたつの理由が考えられる」というのだ。コルチゾールが減ったのもリラックスして副交感神経が優位になったためで、「歌のストレス解消効果」が医学的に証明されたということのようなのだ。「カラオケが好き」な人だけに限らず「カラオケが嫌い」な人も効果は変わらなかったというのだが、歌はストレスを解消し唾液を増やして「口の中」から若返らせてくれるということから、口臭予防やアンチエイジングのため歌うことも必要なのだろう。
2016年01月31日
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美味しいお酒は心地がよく若干の高揚感と小さなことへの執着が軽減されるというのだが、私もこのような快楽を感じたことがあると思っている。また適度な飲酒は体には「良薬」だと言われていることも本当だと信じて晩酌は欠かさない。年齢を重ねた今でも自分は頑健だと過信して「酒だ、酒だ、酒持ってこい」と、得意げに飲んでいる左党の一人だと自負している。それでも若い時と同じペースで飲んでいると、メタボや高血圧といった生活習慣病がいつの間にか忍び寄ってくるもので、「尿酸値とγGTPの高さは左党の勲章」とは言ってはみても、医者に「そもそもアルコールは体にとって『毒』。適量を超えた飲酒を長年続けていると、やはり様々な疾患リスクが高まります」と具体的な数値でリスクを明らかにされてしまっている。 「多目的コホート研究」という研究によって科学的に裏付けのある根拠が得られることで、日本人に適した生活習慣や健康維持に必要な要素が明らかになっていくとされるが、例えば飲酒の習慣を調査する項目では、飲酒の「頻度」・「酒別」・「量」について、5年ごとに同じ形式の質問に調査参加者たちが回答するというのだ。こうして14万人もの追跡調査によって飲酒と疾患発症との関連が明らかになってきたそうなのだ。研究者によると「左党の皆さんが気にしている『糖尿病』でいうと、飲酒機会が『週1日未満の人』のリスクを1とした場合、男性では1回当たりの酒量が『1合未満』、『1~2合』・『2合以上』と増えるほど発病リスクがやはり上がります」と、具体的な例を挙げて説明している。 また「多目的コホート研究」という研究によると飲酒量とがん全体のリスクの相関では、「飲酒量が増えるほど、罹患するリスクが高まることがわかっています。ここでも多目的コホート研究から明らかになってきたことがあって、それがズバリ『適量飲酒』と『休肝日』です。研究結果を見ると純アルコールに換算して、日本人にとっての適量は日に23gということがわかります。酒類に置き変えると、ビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度です。これだけを聞くと『それだけ』と思われるかもしれませんが、週に換算して約150gまで飲めると考えれば決して少ない量ではありません。1日当たりの総量を気にするよりも週当たりの総量として見直せばいいのです」と言い、そこに加えて大事になるキーワードが「休肝日」だというのだ。 私のような左党としては毎日の晩酌が何よりの楽しみだが、やはり休肝日を設けることは健康維持のためにそして体を思いやるためにも必要な配慮になると言うのだ。「たとえ少量であっても毎日アルコールを飲めば、肝臓はアルコールをアセトアルデヒドに分解する作業を繰り返します。毒であるアルコールを日課のように分解するとなれば、細胞にはやはり大きな負担。1週間当たりの純エタノール摂取量が450gを超す男性の場合、休肝日が『ない人(週5~7日飲む人)』は、『ある人(週1~4日飲む人)』に比べ、1.8倍の死亡リスクになる。1週間の飲み計画を立てて2日以上の休肝日を設け、エタノールの摂取量は150gを超えないようにする。これがコホートからわかった最善策です」 ということのようなのだ。 さらに研究では日々口にする食事に留意すれば疾患のリスクがさらに低くなる可能性が示されており、「野菜と果物を良く摂取する人たちでは、例えば食道がんのリスクが低くなる結果が報告されています。飲酒習慣のある人は、これらの食材を積極的に取るように心がけるといいかもしれません」と語っている。飲酒習慣がある人においてはビタミンB群の中でも特に「ビタミンB6」をたくさんとっている人たちは疾患のリスクが低かったという。「もちろんだからといって特定の食材や栄養素を取れば、疾患のリスクを下げるという単純なものでもない。生活習慣病の要因にも関わる『塩分』・『糖質』を控えること、さらに偏りのないバランスのいい食事をとることが大事ですよ」、このことが健康的に飲むことの「肝」ということなのだろう。
2016年01月30日
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2月に予定されるTPPの閣僚会合と署名式が行われるニュージーランドに甘利氏を派遣することにしていたのだが、野党の各党は「説明責任を果たしていない」などと反対したが、政府は野党の同意が得られなくても甘利氏を派遣する方針でいたし、甘利明経済再生担当相自身も疑惑について「自分でポケットに現金を入れたというような事実はない」と述べていた。甘利氏が会見で違法な現金受領を否定するとの見通しを示し、官邸関係者は「秘書に関しては別だが、甘利氏に関する部分についてはきちんと説明できる」と強調していたのだ。それが週刊紙による現金授受疑惑報道から「説明責任を果たす」と繰り返していた甘利明経済再生担当相が、昨日の記者会見で急転直下辞任を表明したのだ。 神奈川県大和市の事務所で甘利氏と面会して封筒に入れた現金50万円を差し出し、これを受け取った甘利氏は「パーティー券にして」と述べたが、総務担当者が「いや、個人的なお金です」と言うと封筒を内ポケットにしまったといわれている。その後に横浜市内で開かれた甘利氏を囲むパーティーで総務担当者は、甘利氏本人から「うまくいっていますか」と声をかけられたという。秘書が受け取ったとされる500万円のうち300万円については、甘利氏関係団体の政治資金収支報告書に記載されておらず、甘利氏側の関係者は周囲に「300万円は返した」と説明していたが、週刊誌で詳細に報じた秘書たちの「口利き」や、「多額接待」疑惑の具体的な内容に関する説明は今後に残されているのだ。 衆院予算委員会の審議日程を巡って与野党の理事が断続的に協議し、与党側は今月末からの実質審議入りを目指していたが、甘利氏が辞任したことにより実質審議入りは2月なる見通しだという。安倍首相は「経済再生や環太平洋パートナーシップ協定をはじめとする重要な職務に引き続きまい進してもらいたい」と述べて甘利氏を続投させる意向を示していたが、最重要閣僚の醜聞による辞任だけにコトは深刻で、参院選勝利そして憲法改正を目指す「安倍カレンダー」が総崩れしそうな雲行きなのだ。スキャンダル発覚の場合はまずは否定して防御態勢をとるというのだが、今回ばかりは「党内でも逃げようがないと思っている者が多い」と言われていたとおりの結果となったそうなのだ。 事件の全貌浜で不明だが千葉県白井市の建設会社側から甘利氏側への献金額は、政治資金収支報告上で確認できる分では2013年と2014年の2年間で計394万円になっており、現金供与や接待は少なくとも1200万円とされ、収支報告と食い違えば政治資金規正法に触れるというのだ。総務省や神奈川県選管に出された甘利氏関係の収支報告書によると、甘利氏が代表の「自民党神奈川県第13選挙区支部」に建設会社名義で計276万円の寄付の記載があったというが、甘利氏系列の神奈川県議が代表の「自民党神奈川県大和市第2支部」に会社名義で100万円、甘利氏の資金管理団体「甘山会」には総務担当者名義で18万円が献金されていたそうなのだ。 政策を実行する政党の運営は党員が払う党費や自助努力である事業収入でまかなうのが本来の姿なのだが、現実はそうではなく国費である政党交付金や献金に依存しており、議員数などに応じて分配される政党交付金が157億8千万円で最も多い自民党は、寄付金とされる献金も26億5千万円と多いのだ。そればかりか自民党本部とは別に献金の受け皿となる政治資金団体「国民政治協会」からも23億円が入金されており、国会に議席を持つ全政党が集めた企業・団体献金の98%を自民党が占めているというのだ。献金をしている企業はアベノミクス効果で上向き気配の業績をさらに加速させたい意図があり、問題が多いとされる政治献金は今後も増え続きそうだといわれているのだ。です。
2016年01月29日
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諺に「法は、道徳の最低ラインである」とあるように社会ルールの中には「マナー・エチケット・儀礼・常識」等があるが、これらを犯した場合はよほどのことがない限り警察に呼ばれたり逮捕されたりはしないだろう。「国家権力によって制裁されるべき責任」を伴うものとして「国会等で制定したルールを守る責任」を「法的責任」と呼ぶのだが、これに対し「国家権力によって制裁するほどの責任」ではないが、「常識に照らし、社会批判を受けてもしかたのルール違反に伴う責任」を「道義的責任」と呼ぶそうなのだ。私の所属している建設業界にはこの「道義的責任」というのがよく問題となっている。耐震補強工事を進めている滋賀県長浜市の市立湖北体育館で屋根と躯体との不都合が見つかった事件もこれなのだ。 滋賀県長浜市が昨年の12月に発表したところでは、市立湖北体育館の耐震補強工事は昨年の7月に着手し今年の2月に完了予定だったが、繰越工事という事で4月にずれ込む見込みだというのだ。この湖北体育館は1979年に竣工した鉄筋コンクリート造の地上2階建で、延べ面積は2042m2の鉄筋コンクリート躯体の上に鉄骨トラスの屋根を設置する鉄骨置き屋根構造となっているそうなのだ。建設時の設計・監理者は滋賀県大津市にある建築設計事務所が行い、施工者は岐阜県養老町の建設会社が行っていたという。長浜市文化スポーツ課の担当者によると耐震補強工事を進めていた昨年の11月の検査で、接合部44カ所全てに緊結不良が見つかったというのだ。 接合不良の内訳は「ベースプレートとナットの間に座金がないことによる締め込み不良」が24カ所と一番多く、 ボルトの長さ不足や ボルトが短くて天板にも届いていないことによる締め付け不足が19カ所となっており、 ボルトの傾斜が1カ所とこれら全44カ所で躯体とベースプレートの隙間に無収縮モルタルを埋め込むといった対応も取られていなかったというのだ。長浜市の担当者によると「縦揺れの大規模な地震があれば、崩落した可能性が高い」と危険性が高かったと話している。長浜市は建築基準法が公共建築物に求める3年に1回の定期点検を実施していたが、屋根と躯体の接合部は床から高さ12mの位置にあり、目視では施工不良を確認できなかったというのだ。 長浜市は建設当時の施工不良と考えており、今後進める是正工事や再見積もりに必要な費用として912万円を、建設時の設計・監理者と施工者に請求する方針だという。施工年度から法的な瑕疵担保責任や不法行為責任の時効を過ぎているが、道義的責任があるとの考えかれ必要経費を施工業者に請求するというのだ。施工者である建設会社の代理人である弁護士は「道義的責任は認識しており、支払いには前向きに考えたい。支払う金額については、市と協議のうえ決めたい」と話しているそうなのだ。設計者の建築設計事務所の担当者は「取材には応じられない」としているが、刑法の世界に「道義的責任論」と「社会的責任論」の対立があってこの一件でも問題となるそうだとされている。 簡単にいうと「道義的責任論」とは犯罪者には自由意思があり、違法な行為の選択と適法な行為の選択の分かれ道に立った場合、自分の自由な意思で違法な行為を選択したのだからそれから生じた結果に対して責任があるというものなのだ。つまり適法な行為を選択することも可能であったからなのだが、当人の及ぼす影響力に応じて自然発生するとされている。今回の施工不良の工事でも道義的責任は免れないものの、瑕疵についての予見可能性や結果回避可能性がない以上、説明義務や信義誠実義務違反を理由とする過失があるとすることはできないということのようなのだ。しかも時効が成立していることから建設会社が必要経費を支払う義務はないのだが、公共事業の場合は結果的に支払うことになりそうなのだ。
2016年01月28日
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昨日は仕事から帰ると晩酌しながらTVを見続けていたのだが、「リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権」で日本がイラクを下し、6大会連続の五輪出場を決めたのだ。この世代としては3連敗中だった鬼門の相手に打ち勝ったわけなのだが、ケガのため前の試合等に出ていなかったFW鈴木武蔵が突破口となり、前半26分に日本がカウンターで先取点を奪って試合を有利に進めていた。鈴木選手が左サイドを駆け上がりクロスを送ると、FW久保裕也が飛び込み右足で合わせ見ていても本当にきれいな得点で先制した。しかし同43分にコーナーキックからのイラクの攻撃をクリアーミスから始まり、GK櫛引が2度弾いたがそのこぼれ球を押し込まれ同点に追いつかれてしまったのだ。 日本よりも1日少ない中2日での試合でイラクの監督は「心身ともに準備が大変だった」と心配していたとおり、後半の立ち上がりにはイラク選手が強烈なシュートを見舞われ少し心配したが、その後はイラクにボールを支配されても決定機をつくらせずにいたのだ。同点で迎えた後半に日本はFWオナイウ阿道を投入し、さらにはFW浅野拓磨を送り込んで打開を狙っていたのだが、両チームとも無得点で延長突入かと思われたロスタイムに、MF原川がミドルシュートを決めて日本は劇的な勝利を収めたのだ。最後に大きなチャンスを原川選手が生かして五輪出場を決めたのだが、手倉森監督は激戦を「厳しいと言われる中でも、自分たちが可能性を信じていた」と感無量の様子で振り返っていた。 「僕自身、イラクに勝ったのが初めて」と喜んだ決勝点をあげた川原なのだが、オリンピックのサッカーの歴史を振り返れば男子は1936年ベルリン五輪で初出場し、メダルを獲得したのは私が子供のころの1968年メキシコ五輪の銅メダルだけなのだ。1つ上の世代が挑んだ2012年のロンドン五輪は惜しくも4位だったし、ブラジルに勝った時には決勝トーナメントすら進めなかったのだ。リオデジャネイロ五輪で48年ぶりにメダルを獲得すれば、日本サッカーの歴史が塗り変わるくらいの成果になるのだ。今回の「リオデジャネイロ五輪最終予選兼U-23アジア選手権」で私が注目していたのは、この試合でも先制点を挙げたスイスのヤングボーイズで活躍しすでに世界を相手に戦っている初招集されたFW久保裕也だったのだ。 サッカーは格上だと思われていたイラクに勝ってオリンピック出場を決めたのだが、テニスのグランドスラムである全豪オープンでは、男子シングルス準々決勝で第7シードの錦織圭選手が第1シードで世界ランク1位のN・ジョコビッチに敗れたのだ。仕事から帰ってすぐにTVを見たのだが試合は第3セットに入っており、錦織選手のショットはことごとくラインを割ってミスしてしまい、ジョコビッチ選手がその隙を逃さず確実にチャンスをものにしていたのだ。スコアだけを見るとジョコビッチ選手の圧勝に思える内容なのだが、試合を見てみると錦織選手も決して調子が悪いわけではなかったようなのだ。解説者によると相手が世界ランク1位・ジョコビッチだったことで、自然に無理をしてしまっていたというのだ。 技術的には4回戦までの試合は堂々たるトップ選手の試合ぶりだったし、今の錦織選手の技術が足りていないというわけではないそうなのだが、勝負が懸かった時にいかにいつものプレーが出し切れるかという意味での経験値が足りないというのだ。錦織選手も試合後に「出だしは凄く良かったけど、第1セットの第6ゲームを落としてミスが増えだした。全く相手に関係なく自分のミスだった。ああいうのが出るとトップの選手には勝てない」と語っていたそうなのだ。そして「良いプレーは出ているのであまり落ち込みたくはないが、世界1位との差はきょうの試合を見るとまだまだある」ということを反省していたのだが、1932年の佐藤次郎以来となる日本男子全豪ベスト4には届かなかったのだ。
2016年01月27日
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厚生労働省と日本年金機構は保険料を払いたくないなどの理由で、厚生年金への加入を逃れている悪質な事業主について、刑事告発するかどうかを判断するための新たな基準を策定する方針を固めたという。すでに機構と警察庁が基準作りに向けた協議を始めたもようで、本来は厚生年金の対象なのに国民年金に入っている従業員は推計で約200万人に上り、政府として厳しい対応が必要と判断したということのようなのだ。国民年金の場合は保険料が月額約1万5000円を加入者のみが負担するのだが、厚生年金の場合は給与に応じた保険料を加入者と事業所等が折半して払う仕組みで、加入者が将来受け取る年金額は国民年金より多くなるとされている。 厚生年金とは常時5人以上の従業員を使用する個人経営の法定16業種の事業所で、国や地方公共団体に各法人の事業所で常時従業員を使用する者、船員として船舶所有者に使用される者加入する保険制度なのだ。国民年金が「1階部分」といわれるのに対して、「2階部分」とされる制度で正式には「厚生年金保険」といわれている。わかりやすく言えば、5人以上の会社か法人であれば強制加入ということになっており、ちなみに営利と非営利の分け隔てもないとされていることから、株式会社・有限会社・合資会社・合同会社・社団法人・財団法人・NPO法人などすべての法人が対象となるのだ。厚生年金は国民年金と連動して支給される場合がほとんどで、手厚い給付が受けられるというメリットがあるのだ。 しかし企業の負担が大きいというデメリットもあり、それが厚生年金加入逃れの問題を引き起こしているとも言えるのだ。しかも平成29年9月以降からは保険料率が18.3%になり、これを社員と企業が折半して国に納めることとなっている。しかも雇用保険料や健康保険料の負担も発生することから、体力の無い企業には偽装してでも強制加入を逃れたいという心理が働くというのだ。不正が発覚すれば悪評が流れ取引先からの信頼は失墜することになり、「ブラック企業」という不名誉なレッテルを張られ、求職者が集まらないという事態にもなりかねないのだ。社員の士気低下を招いたり社員が大量離職したりすることも考えられ、いずれにせよ最悪の場合は倒産に追い込まれてしまうことにもなるというのだ。 国税庁による企業の税関連情報と厚生年金の加入記録をつきあわせた結果、厚生年金の加入対象となる可能性がある事業所は現在全国に約79万あるとされ、全国の機構職員を中心として2年後までに79万事業所の実態を調査する方針だというのだ。このことは塩崎厚生労働相が衆院予算委員会で答弁しており、厚生年金に加入する資格があるのに未加入になっている人が約200万人に上るとの推計を明らかにし、厚生労働省と日本年金機構は保険料を払いたくないなどの理由で厚生年金への加入を逃れている悪質な事業主について、刑事告発するかどうかを判断するための新たな基準を策定する方針を固め、民主党の長妻議員の質問に厳正な対応を約束したという事のようなのだ。 塩崎厚生労働相は「本来は厚生年金に入れるのに国民年金であるならば大変な問題だ」と述べており、未加入者の年代別内訳は20歳代71万人で、30歳代なら52万人・40歳代では44万人の50歳代35万人というように、自営業者や学生ら国民年金加入者約1805万4千人から抽出調査した結果をもとに具体的な数字を挙げたとされている。厚生年金への加入を違法に逃れている事業者がいる問題で、悪質なケースは刑事告発を含め厳しく対応する方針を示したそうなのだ。もっとも現行でも検査を拒否した、虚偽の報告をしたりした場合は、6月以下の懲役か50万円以下の罰金を科す規定があるというのだが、調査を行ったことも少なくこれまで罰則が適用された例はないというのだ。
2016年01月26日
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大雨被害や地震などの大災害が相次ぐ中で各地の自治体では職員の長時間労働が課題となっているそうなのだ。被災者の対応や復旧などで深夜勤務や休日返上が続くからだというのだが、専門家は過重労働を防ぐため災害時の適切な人員配置を防災計画に盛り込むべきだと指摘しているという。昨年9月の関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では、育児休暇などを除いた全職員492人が出水時に出勤したというのだが、災害発生後3週間の時間外勤務は休日出勤を含めると平均139.2時間となり、最長は部長の342時間で時間外勤務手当は管理職も含め総額1億3000万円に上ったという。主査兼係長ら十数人は9月の給与支給額が100万円を超えていたという。 この給与について市民の賛否は分かれて「市職員も被災したが、業務を優先した。働いた分だけ給与をもらうのは当然」と理解を示す声の一方で、「被災し働けない市民も多い中、市職員はもらい過ぎ」との意見もあったというのだ。昨年12月の市議会でも市会議員からの質問によって給与額が明らかになると、常総市には批判の電話やメールが寄せられたという報道がなされたばかりだったのだ。この件に関して常総市の飯田恒夫人事課長は「あの勤務実態では残業代が増えるのは仕方ない」と説明していたのだが、ただし時間外勤務手当が市財政を圧迫する可能性があることから、10月以降は時間外を代休に変えて、超過勤務は計約2000万円に抑えているそうなのだ。 東日本大震災では岩手県大船渡市が2011年3~4月の時間外手当を支払わず、健康維持を兼ねて代休に振り替えたというのだが、大船渡市役所の担当者は「経済的に苦しむ市民も多い中、職員が厚遇されていいのかという意見もあった」と明かしている。宮城県岩沼市も代休を取るように奨励しており、時間外勤務は1カ月の最高で1人150時間にとどまり、岩沼市政策企画課の担当者は「時間外手当を抑制し、休養も取れるメリットがあった」と話しているが、労働基準監督署の調査では超過勤務手当の不払いがあったという指摘がなされている。また「災害はいつ起きるかわからない。住民にいち早く避難を呼び掛けることができるよう、職員は日ごろから情報伝達の方法や、取るべき対応を意識することが大切」と話している。 一方で災害時には自治体職員は膨大な事務作業のほか、市民から叱責されることも多いため疲労がたまりやすいといわれている。福島県立医科大の前田正治教授は「自治体職員のケアが課題として取り上げられることが少ないが、復旧復興の先兵であり、つぶれたら元も子もない。使命感を持って働きながらも、休暇もなく対応が長期化すると燃え尽き、うつ病などの精神的疾患の危険性が高まる」と指摘している。また静岡大防災総合センターの牛山素行教授は「災害時に時間外勤務手当が増えるのは当然。過重労働を防ぐ対策が必要」とし、一度に全職員を招集せず交代要員を残したり、他自治体に応援要請したりして適切な人員配置を防災計画に盛り込むことを求めている。 人事関連の専門書を見ると「要員計画」とは「事業運営のために必要な人材を量的・質的に確保し、配置するための計画である」と記されることが多いのだが、それは経営計画に連動して策定されるものであり、単年度計画であれば当該年度の事業運営上の人材ニーズや長期計画であれば長期的な人材ニーズを充足させるために策定・実施されるというのだ。その「手法」については「マクロ的手法」と「ミクロ的手法」がある。「ミクロ的手法」は「積み上げ方式」とも呼ばれ簡単に言えば部門・職種・階層別に必要人員を報告させそれを合計したものである。一方の「マクロ的手法」とは「労働分配率」や「損益分岐点」などから適正人件費を算出し、必要な要員数を求めるものであるとされている
2016年01月25日
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私も毎年のように調査に協力しているのだが、公共工事の設計労務単価は入札の予定価格を算出する際に用いるもので、毎年10月に実施する全国の実態調査をもとに、普通作業員や鉄筋工など50職種について47都道府県別にそれぞれ設定することになっている。調査した労務費の平均値は実態を適切に反映するように、職種による人数の多寡を考慮した加重平均としており、増減率は加重平均同士を比較した値となるように調整するのだが、全国全職種の増減率を単純平均すると4.9%の増加となっているそうなのだ。数年前までは年度ごとに労務単価を定めていたが、実勢価格を迅速に反映させるため適用時期を2カ月早めており、2月から前倒しで適用するのは今回で3年連続となっている。 国土交通省は今年2月から適用する公共工事の設計労務単価を公表したのだが、1日8時間当たりの全国全職種の平均値は1万7704円で、前年より6.2%引き上げとなっている。法定福利費相当額の加算など算出方法の変更によって単価が大幅に上昇した一昨年以降、徐々に伸びが鈍化していたが再び増加率が高まっているのだ。特に東日本大震災で被災した岩手県・宮城県・福島県の3県では、入札不調の発生などを考慮した単価の引き上げ措置を継続している。これら3県の平均値は1万9457円で前年比6.8%増となっているのだ。また国土交通省は設計業務などの技術者単価を、今年2月から平均で約4%引き上げると発表しており、3年連続で4~5%程度の大きな上昇が続いている。 業務の技術者単価は職種ごとに決まっており、設計業務で最も上昇率が高かったのは前年比5.99%増の主任技術者で日額6万3700円となっている。もっとも主任技師は0.81%増の4万9900円にとどまっており、平均値は3.93%増の4万3871円となっている。測量業務で最も増えたのは測量助手で、9.4%増の2万5600円だが、0.78%増の2万5700円だった測量技師補に100円差まで迫っているそうなのだ。地質調査業務の技術者単価の日額は2万3200~3万9900円で前年比は2.56~6.68%増となっている。労務単価の上昇を受けて平均落札率が工事とコンサルタント業務ともに4年連続で上昇しており、工事は前年度から0.51ポイント上がって92.43%で、コンサルタント業務は0.78ポイント上がって84.21%となっている。 全建総連の賃金調査結果や全国の県連・組合での組合員からの聞き取りから、賃金の上昇傾向は確かに見られるものの職種や現場に地域による偏りも大きく、比較的上昇幅が高いゼネコン・野丁場の現場でも設計労務単価の水準には及ばず、組合員もその実感を得られていないのが実態となっていることが問題となっている。太田昭宏国交相は「公共事業の円滑な執行にさらに万全を期す。現場に従事する技能労働者に、この賃金上昇という好循環が及ぶことを期待する」と記者会見で改めて強調しているし、国土交通省も建設業団体や民間発注者に対して技能労働者への適正水準の賃金を確保するよう要請しているが、建設業の入職者が思うように集まらない要因として他産業に比べた待遇の悪さがしばしば挙げられているのだ。 技能労働者の賃金水準の目安となる公共工事設計労務単価は、数年前までは長期低落傾向が続いていた。建設業の未来を切り開くために技能労働者の確保育成と処遇改善は欠かせない課題であり、業界を挙げた真剣な取り組みが求められているのだ。公共工事設計労務単価は公共工事の予定価格の積算用単価として諸経費を含まない金額として公表しているにもかかわらず、現場において建設労働者の雇用に伴い必要な賃金以外の経費を含んだ金額と誤解され必要経費分の値引きを強いられている。その結果建設労働者に支払われる賃金が低く抑えられているとの指摘があることから、建設労働者の雇用に伴って必要となる法定福利費の事業主負担額等の経費を公共工事設計労務単価に加算した金額を公表しているのだ。
2016年01月24日
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東日本大震災で壊れた東北地方の高速道路の復旧工事をめぐり、入札で談合の疑いがあったとして東京地検特捜部と公正取引委員会は、独占禁止法違反の不当な取引制限容疑で工事に関わった舗装業者への強制捜査に踏み切った。昨年1月には公取が業者20社を捜索し刑事告発を視野に調査していたそうなのだが、特捜部も昨年末から各社の事情聴取を進めていたそうなのだ。関係者によると談合の疑いがあるのは東日本高速道路東北支社が2011年8~9月に発注した復旧舗装工事12件で、一般競争入札で事前に話し合って落札業者を決めていた疑いが持たれているというのだ。予定価格は税込みで約7億~約21億円とされ、舗装業者12社が1社ずつ総額約176億円で落札していたというのだ。 関係者によると談合を行っていた20社のうち「NIPPO」・、前田道路」・「日本道路」の大手3社が「幹事社」と呼ばれる談合の調整役を務めていたそうで、これに世紀東急工業を加えた4社が参加業者の意向を聞き取った上で、前田道路の東北支店に集まって協議し工事の割り振りを決定していたそうなのだ。世紀東急工業が残りの各社に連絡したというのだが、受注した業者は全国紙の取材に談合に応じたことを認め、「一日でも早く復旧させるため、調整は必要だった」と説明したというのだ。別の業者も「復旧工事が増え、大手業者も手が回らず、振り分ける必要があった」と明かしているのだが、東日本高速道路東北支社によると12件の復旧工事は「条件付き一般競争入札」で行われたそうなのだ。 工事の落札額は約20億8700万~約7億4800万円ということなのだが、落札額が予定価格に占める割合である落札率は平均94.77%となっているそうで、うち7件で談合が疑われる95%を超えているし4件は99%台だったという。しかも震災直前の10年4~11月の11件の平均は80.23%で約14ポイント上昇しているというのだ。談合業者と言われている12件は1社ずつ均等に受注しており、特定の社に偏らないよう事前調整した疑いがあるという。事業費の大半は11年度補正予算の「有料道路災害復旧事業費」である約490億円が充てられているというのだが、公正取引委員会の聴取に複数の業者が談合を「早期復旧に必要だった」と必要悪だというような供述しているというのだ。 震災後は建設工事全般で資材や人手不足で工事費が高騰しており、公正取引委員会は上限ぎりぎりで落札して利益を確保するために談合が行われたとみている。東京地検特捜部と公正取引委員会は入札に参加した複数の業者を独占禁止法違反の不当な取引制限容疑で家宅捜索行っているそうなのだ。一部の業者は「全面的に協力したい」とコメントしているなど特捜部などの聴取に談合を認めているといわれているが、独占禁止法違反の不当な取引制限容疑での特捜部の強制捜査は、2014年2月の北陸新幹線の雪害対策工事を巡る事件以来約2年ぶりとなるというのだ。特捜部などは入札に参加した十数社を順次捜索し押収した資料の分析を進めて全面的な操作を行うというのだ。 また東日本大震災で被災した農業施設の復旧を巡り、東北地方の自治体や農業協同組合が発注した農業用施設整備の入札でも談合を繰り返していた疑いが強まっており、公正取引委員会は独占禁止法違反の不当な取引制限容疑で、東証1部上場の井関農機など農業設備メーカー7社の立ち入り検査を始めているというのだ。公公正取引委員会は不正による落札総額は少なくとも約160億円に上るとみており、7社は震災後に発注されたイチゴや野菜栽培用の鉄骨ハウスやパイプハウス・暖房装置などの入札では、立ち入りを受けた5社が1件ずつ約24億7300万〜約6億9900万円で落札しており、落札率は99・12〜94・81%という上限価格に極めて近い額で落札しているというのだ。
2016年01月23日
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衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」が昨年の12月にまとめた答申に対し自民党内で異論が強まっている模様で、その答申は衆院定数を現行の小選挙区を295の比例選180から小選挙区6と比例選4の10議席削減するものとなっている。定数削減と「1票の格差」是正で定数が減る県に自民党所属議員が多いことなどが理由なのだが、自民党内では代替案を模索する動きもあるという。「衆院選挙制度に関する調査会」の答申に従う意向を明言してきた安倍首相の発言との整合性も問われそうなのだが、大島衆院議長は自民党の谷垣幹事長と自民党選挙制度改革問題統括本部長である細田博之幹事長代行らと衆院議長公邸で会談し「調査会の答申を尊重すべきだ」との考えを伝えたという。 この答申通りに削減を実現すれば昭和21年の衆院選時の466を下回り戦後最少となるということなのだが、答申のポイントは都道府県ごとの小選挙区の議席配分を、従来の方式より人口比を反映させる「アダムズ方式」を採用することだと言われている。「アダムズ方式」は選挙区の議席配分法の一つで、米国の第6代大統領のアダムズが提唱したとされ、日本では「1票の格差問題」などを受け衆院議長の諮問機関である「衆院選挙制度に関する調査会」が、9種類の議席配分方式を検討した中で、都道府県の人口をある定数で割って得られた値の小数点以下を切り上げて1議席にする議員数を、その自治体の議席数とする「アダムズ方式」を採用することなどで意見がほぼ一致しているそうなのだ。 この「アダムズ方式」では定数が1議席となる都道府県がなくなり、各都道府県の人口比を反映しやすいといった利点がある。またこれを実施した場合は1票の格差が「1.568倍」となり、最高裁の判例による基準をクリアできる見通しとなるが、自民党の谷垣氏ら執行部側は「党内に慎重論がある」などと明確に反対しているのだ。調査会の答申によると選挙区定数を6減らした上で「アダムズ方式」で配分すると、東京が3増となり埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県といった人口の多い県が1増となるというのだ。その半面青森県・岩手県・宮城県・新潟県・三重県・滋賀県・奈良県・広島県・長崎県・熊本県・鹿児島県・沖縄県と、私が住んでいる愛媛県は定数4議席から3議席と1減となるというのだ。 また比例代表は全国11ブロックを維持しブロックごとの定数配分も「アダムズ方式」で行うと、この場合は東京ブロックへの配分が1増え東北・北関東・東海・近畿・九州の5ブロックで1ずつ減ると「7増13減」となり、都道府県間の最大格差は1・621倍に縮小するというのだ。最高裁は選挙区間の「1票の格差」が最大で2・13倍だった2014年衆院選について、「違憲状態」との判断を示していることから格差是正に早急に取り組む必要があるとの考えで一致している。その上で自民党の細田博之幹事長代行は人口の増減に応じて、現行の10年ごとに定数を見直す方式を、5年ごとに区割りを見直し比例代表の定数削減を求めている。民主党の枝野幸男幹事長は小選挙区で人口50万人あたり定数1を配分し15議席減らす案を提示している。 維新の党の松野頼久代表は定数を全体で約3割減らすことを求めており、「小選挙区制が投票価値の平等をめぐって憲法違反の重大な欠陥をもっていることを最高裁が厳しく断罪したことは重大だ」と小選挙区制の廃止を訴えている。「衆院選挙制度に関する調査会」の佐々木会長は会合後の記者会見で、定数削減に慎重な意見もあったことを紹介し「これだけ削減して国会が役割を果たせるのか。政治に判断を委ねることになる」と述べたというのだ。この選挙制度の改正は少しずつ現実味を帯びてきた夏の参院選と同日選となる衆参ダブル選挙に影響を与えるとされているというのだ。衆院選を「違憲状態」とした最高裁判決のままでは安倍首相の「解散権」の行使が難しいということも言われているのだ。
2016年01月22日
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同じような食べ物として「肉の燻製」を一言で定義づけるのは難しいとされているが、昨日のTVで面白い特集を行っていた。私は肉の加工品で一杯飲むのが大好きなのだが、大ざっぱに言ってしまえば「ベーコン」は塩漬した豚肉をそのまま燻煙したもので、「ハム」は塩漬した豚肉を燻煙・ボイルしたもので、「ソーセージ」は塩漬した肉を挽肉にして練り合わせたもので燻煙とボイル工程の有無は色々 と言ってよいということみたいだ。ただし骨付きハムや生ハムはボイル工程を行わないし、このカテゴリー分けに当てはまらない製品もたくさんあるそうなのだ。また「ハム」は豚の腿肉等を塩漬けして熟成させて、型に詰めてから更に燻製にしたうえでボイル等して作る加熱食肉製品だともいわれている。 本来は豚の脂肪があまり無い赤身等を塩漬けしたものを「ハム」いうそうなのだが、皮付き・骨付きの腿肉を80日以上塩漬後に低温で10日以上燻煙をして仕上げるというのだ。日本では皮付きの豚肉は非常に入手が困難ということなのだが、特別に取り寄せて長期間の熟成と燻製によって醸し出される独特の上品な風味と食感は、まさに「ハムの原点」とか「ハムの王様」と言えるのが「骨付きハム」ということのようだ。豚の腿肉から骨を取り除いた骨抜きハムは「ボンレスハム」と呼ばれ、背肉・腰等の肉を使ったロースハムは肉の部位をさすそうなのだ。程好い赤身と脂肪や肩肉を使ったのがショルダーハムで、バラ肉を使うベリーハムや他にはプレスハム等があるそうなのだ。 豚の腿肉その物がハムという語源だそうで、生ハムは塩漬けにして加熱せずに乾燥させながら熟成させた豚腿肉のハムで、普通のハム等に対し製造工程で約3倍の塩を使うので塩辛くなるそうなのだ。もっとも今は熟成させた後で塩抜きを行うそうあのだが、それでも塩分が多いことから健康には注意が必要だとされている。プレスハムは「寄せハム」とも呼ばれ、豚肉等の主原料に鳥肉や魚肉・澱粉等を加えて、燻製したものを味付けせずに水または薄い塩味で煮る等して作るハムの一つだそうなのだ。ベーコンは豚のばら肉等を塩漬けにして熟成させ、糸や布で巻いたりせずにスモークした保存食品で、あばら骨辺りの肉を塩漬けしていることから原料の関係でハムに比べ脂肪分が多いそうなのだ。 ショルダーベーコンやロースで作るロースベーコン等もあって、ベーコンはスモークの時点でハムの様にケーシングと呼ばれる元はソーセージを詰める腸の事で、今は食肉加工時に使用する型や包み全般作業を表す、型に詰めたりさらし布で巻いたり凧糸で縛ったりする作業をせずに裸で吊るして作るそうなのだ。また肉の部位でいうと豚のばら肉その物もベーコンと言うそうなのだ。そしてソーセージというのは、肩肉等を挽肉にしたのちに塩漬けにして熟成させ、調味料・香辛料を加え腸等に詰めて燻製させたり蒸煮したりする保存食品のことをいうそうなのだ。径の太さ等によって「ウインナーソーセージ」・「フランクフルトソーセージ」・「ボロニアソーセージ」」と呼び名が異なるそうなのだ。 乾燥する事によって水分活性を低下させ保存性を持たせたソーセージは、「乾燥度」や「製法」・「香辛料」の違いによりサラミを代表とするドライソーセージと、モルタデラ等のセミドライソーセージに分類されるそうなのだ。サラミソーセージはサラミスが発祥の地といわれるドライソーセージの代表的なもので広く世界中で作られており、カルパスは豚肉や牛肉を黒こしょうやガーリックを加えて乾燥しボイルしたセミドライソーセージの一種だそうで、語源はスラブ系の言葉でソーセージという意味だそうなのだ。このように種類の多いソーセージなのだが、日本ではドライソーセージのうち牛肉及び豚肉のみで作られた製品は、すべてサラミと呼ばれて製造販売されているそうなのだ。
2016年01月21日
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私が住んでいる愛媛県松山市の興居島という島は松山港の一部となっているのだが、フェリー乗り場の浮き桟橋に接続する杭式桟橋の臨港道路が20~50cm沈下した。腐食した鋼管杭が圧縮変形を起こしたのが原因とみられる。沈下した臨港道路は幅が14mで延長は13mだというのだが、直径508mmの長さ18mの鋼管杭9本で鉄筋コンクリートの桁と床版や舗装などを支える構造となっている。全ての杭で腐食や変形が見つかったというが、現場を調査した愛媛大学大学院理工学研究科の森伸一郎准教授は、「飛沫帯の集中腐食で鋼管が薄くなり、自重に耐えきれず破壊を起こしたとみられる。上部構造の床版も損傷がひどい。状況を一言で表現するなら『杭式桟橋の崩壊』だ。構造物の性能が完全に失われている」と指摘する。 管理者である愛媛県は国土交通省と合同で現場を調査したというが、鋼管杭が床版との境界付近で激しく腐食し、肉厚が減少して圧縮変形したのが沈下の原因だと推定したそうだ。岸壁からの跳ね返りで飛沫が掛かりやすい陸側の路面の沈下量が大きいことから、陸側の杭の変形が引き金となって全ての杭に波及したとみている。港湾管理者の愛媛県によると「5年に1回の点検を義務付けた港湾法の改正を受け、点検を実施する予定の他の臨港道路では下部構造も対象とする考えだった」としている。この臨港道路が竣工したのは1977年で鋼管杭を点検した記録は残っておらず、過去に1度も点検していなかった可能性があるそうだが、松山港は来年度にその点検を実施する予定だったが間に合わなかったというのだ。 愛媛県は一昨年度に詳細点検業務を発注しているが対象は路面のみで、このときの点検では路面の変状などは報告されていないという。愛媛県港湾海岸課の課長は「当時は路面に変状が現れているかチェックすれば事足りると考えていた」と語っているが、愛媛大学の森准教授は「鋼管杭の腐食は、最も気を付けなければならない損傷の一つ。杭桟橋形式であるにもかかわらず、適切に点検しなかった管理者の不作為が招いた事故だ」と指摘している。金属の水中における腐食は本質的には同じで、電気化学的な機構によって起こる金属のイオン化反応であるとされるが、特に海水中の酸素供給は腐食速度の大きな要因として考えられ、金属の腐食は電子を放出する陽極反応とこれと同時に電子を受け取る陰極反応で起こるのだ。 土木構造物の基準では一般的に鋼杭の腐食しろについては、上部構造の耐久性や重要性から1.0~2.0mm程度に設定されており、平均値に2倍の安全率を考慮した年間平均腐食率0.02mmを採用し、外面1mmを腐食しろとして考慮しているため、おおよそ設計的には50年の耐久性を有していると考えられている。私も何度も由良港は利用しているのだが、現場を見れば道路が桟橋形式であることはすぐに分かるのだ。「点検の受注者にも善良な管理者としての注意義務である『善管注意義務』がある。杭の点検が必要だと発注者に指摘すべきだった」と森准教授は指摘しているが、愛媛県は国土交通省の協力を仰ぎつつ事故のメカニズムの解明や復旧方法の検討を進めるというが、専門家による委員会などは設けない方針のようだ。 鋼管杭は昭和30年代の後半より広く利用されるようになっており、防食工がほどこされていない無防食構造物についても定期的に調査点検等を行い、腐食により構造物の機能が損なわれないように注意する必要があるとされている。腐食した鋼管杭の補修工法の設計・施工を実施する際には鋼管杭の腐食状況と残存強度との関係を把握しておく必要があるのだが、桟橋に用いられた鋼管杭を対象に腐食状況を超音波厚み計及び光マイクロ測定器を用いて調べた結果、L.W.L.付近では腐食が著しく進行しており板厚が薄くなるだけでなく鋼管表面の凹凸も大きいことが判明したという。愛媛県の港湾海岸課長は「床版は取り壊すことになりそうだ。鋼管杭の下部をどれだけ再利用できるか、残存耐力を調べたい」と説明している。
2016年01月20日
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安倍晋三首相が1億総活躍社会の実現で掲げる「希望出生率1・8」の達成に向け、「保育の受け皿」の整備目標を40万人分から50万人分に大幅拡大するための必要経費を平成27年度補正予算案に緊急対策として盛り込むこととしているそうなのだ。待機児童を解消し女性の就業機会を増やすとともに、不妊治療への助成も拡充するというのだ。また「介護離職ゼロ」の実現を目指し特別養護老人ホームなど介護サービスの整備計画も上方修正し、保育と同様に50万人分の「介護の受け皿」つくりを進めるという。安倍首相の指示を受け厚生労働省が検討してきた40万人分からさらに上積みし、介護の在宅・施設サービス整備をはじめ、介護者の負担軽減を図る介護ロボットの活用とともに補正予算案に盛り込んでいる。 政府は閣僚や有識者でつくる「1億総活躍国民会議」で緊急対策をまとめ、」補正予算案を国会に提出しているのだが、全国で整備された介護施設の定員数が計画の7割しか達成できていないことが、大手新聞社の調査で分かったそうなのだ。建設費高騰や介護の人手不足が主な原因だとされてはいるが、政府は第3次安倍晋三改造内閣の目玉政策「1億総活躍社会」ということで、昨年「介護離職ゼロ」を掲げ従来の整備計画を引き上げ、2020年代初頭までに施設を中心に新たに50万人分の受け皿を作る方針を示しているのだ。介護サービスの整備は自治体が3年ごとに計画を立てることになっているのだが、現行計画の達成すら難しい状況で実現に向け人材確保など対策の強化を迫られそうだ。 介護士や保健士が不足しているという調査は、先月に都道府県と政令市や東京23区の計90自治体を対象に実施されており、特別養護老人ホームや老人保健施設・有料老人ホームなど主要な介護施設について、昨年度までの3年間の整備計画と実績を聞き全自治体から回答を得ている。その結果は3年間で全国の介護施設定員数を計19万8158人分増やす計画だったのに対し、実際には72%の計14万3257人分しか増えていなかったそうなのだ。このことを受けて首都圏にある国家公務員宿舎の跡地を、特別養護老人ホームなど介護施設の事業者に優遇して貸し出す方針を固めているが、この優遇制度で事業者側の負担を軽減し施設の拡大を目指すというのだ。 高齢化の進展で特養入所待機者は約52万人に上るが、介護施設は地価の高い首都圏を中心に不足しているという。国家公務員宿舎の跡地利用は安倍首相が記者会見で提唱した「介護離職ゼロ」に向けた具体策の第1弾。特養を増設して入所待機者を少なくし、親などの介護を理由に仕事をやめる、年間約10万人といわれる介護離職者を減らしていきたい考えだ。具体的には介護施設が不足している首都圏の宿舎跡地を約90カ所選定し、特養などを運営する社会福祉法人に優先的に格安で貸し出すというが、事業者が新たな施設を計画する場合は地価の高い首都圏では負担が大きく、介護施設の建設に必要な敷地整備をためらうケースが指摘されているためだというのだ。 国家公務員宿舎の跡地は駅近くに立地するなど利便性が高く、介護施設の建設に必要な敷地面積の広さも確保している物件も多いという。跡地を売却するのではなく原則50年の「定期借地権」を設定して、賃料も優遇し事業者の初期投資を抑えるというのだ。国や自治体による現行の補助金制度も合わせ事業者は整備負担が大きく減ることになるという。国家公務員宿舎の跡地の貸し出しは来年度からスタートし、首都圏以外への拡大も検討する方針だというが施設増設による介護職員の雇用増加も期待できるという。国家公務員宿舎は消費税率引き上げや東日本大震災の復興費用を賄うための増税を控え身を削るとして、全国にある1万684カ所のうち約半分の5046カ所を廃止する計画で跡地の売却を進めているそうなのだ。
2016年01月19日
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一般住宅やマンションの空き部屋などに有料で観光客を宿泊させる民泊なのだが、昨年11月に発生したパリ同時多発テロでは、実行犯が襲撃前、知人を介するなどして一般のアパートに宿泊した可能性が浮上しており、身元申告が求められるホテルなどを避け潜伏したとの見方もあるといわれている。このこともあって多くの外国人観光客が訪れる地域を管轄する警視庁など全国の警察本部は、安倍政権が推奨している民泊の広がりの実態把握に乗り出す方針だという。民泊をインターネットで仲介する事業者に対し、貸主と宿泊者それぞれの本人確認などを義務付けることも検討されているが、警察関係者は「ホテル不足は深刻。民泊の広がりに法整備が追いつかず、管理の甘い施設が続出する恐れがある」と懸念している。 民泊関連の事件と言えば京都府警は昨年10月に、無許可で賃貸マンションの空き部屋を客室として貸し出す大規模な違法営業行為を繰り返したとして、京都市内のマンションなど関係先を家宅捜索し旅館業法違反の疑いで旅行会社役員らを書類送検しているが、このマンションは44室のうち36室が客室として使用され中国人観光客らであふれかえっていたという。テロや犯罪の温床となる懸念が浮上している民泊なのだが、身元確認がおろそかになりテロリストや犯罪者らの滞在先になってしまう恐れがあるというのだ。宿泊施設の不足解消の決め手とも期待され、規制緩和やルール作りが本格化しつつあるが、警察当局は実態把握や警戒強化などを検討している。 警視庁の関係者も「民泊が無軌道に広がれば大きなリスクになる。グレーゾーンの宿泊施設はテロや犯罪のインフラとなりかねない」と指摘しているそうだが、旅館業法の目的は衛生状態の維持や宿泊者名簿による治安の確保などで、「そうした網の目から抜け出た存在になれば、従来のホテルなどと比べ、はるかに目が行き届きにくくなる」と警察幹部は話している。警察関係者は「身分を明かさず、周囲に目立たない場所を簡単に確保できれば、テロリストや犯罪者には好都合なことこの上ない。法整備の行方を注視したい」と強調している。ところが政府の規制改革会議は訪日外国人客らをマンションなどの一般住宅に、有料で泊める民泊の拡大に向けた規制緩和策を今まで以上議論しているというのだ。 民間の経済団体から買い物といった消費拡大で10兆円超の経済効果があるとの試算が示されていることもあって、こうした需要に後押しされる形で管理の甘い民泊が増えれば悪用の懸念は増すことなど考えていないようなのだ。警察幹部は「テロリストのみならず、振り込め詐欺組織にアジトとして悪用されたり、不法滞在の外国人の住み家にされたりすることも想定される」と話しているし、主要国首脳会議が5月に迫るほか東京五輪・パラリンピックも控え、違法な宿泊施設の実態解明も急務だが、捜査関係者は「摘発された京都のようなケースはまれ。現状の把握さえも困難で、事件化は難しい」と指摘している。厚生労働省が設置した有識者による検討会は民泊のあり方に関する中間報告をまとめる方針だとされている。 消費拡大の経済効果があると試算を示したのはIT業界を中心とする経済団体「新経済連盟」で、訪日客による外食や買い物などの増加で約10兆円と宿泊設備の関連投資で約1兆円の効果があるとしている。先行事例から民泊拡大によって地域住民と騒音などのトラブルが予想されることについて経済団体「新経済連盟」は、仲介営業を届け出制とすることや宿泊者名簿の作成を義務づけることを提案している。許可制にして仲介営業を規制すべきだとの意見が出たそうなのだ。世界的な民泊仲介サイトには国内の民泊情報がずらりと並んでおり、旅行者はサイト上に提示された部屋の写真だけでなく、間取りや宿泊料などを参考に宿泊先を見つける仕組みだというのだ。 また急増しているのが利用する側の外国人宿泊客と住民とのトラブルで、各自治体には「外国人の出入りが頻繁になって怖い」とか、「夜中に大勢で騒ぐ声が聞こえる」といった相談や苦情が相次いでおり、都内の自治体担当者は「最近は『分別されていない大量のゴミが放置される』といった苦情も受ける」と明かしている。ルール作りに動き始めた政府は国家戦略特区で部屋の広さや設備などの一定条件を満たせば民泊を認める方針を決定だとされているが、特区に指定された自治体も宿泊期間などを条例で規定する方向だとされている。住民側からも「意に反して居住施設が民泊利用される不安や騒音などのトラブルをどう解消していくかの有効策にはならない」との指摘もあるといわれている。
2016年01月18日
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日本企業で常態化する長時間労働が男性や女性に何をもたらしているのかを考える「長時間労働の呪縛」が、長時間労働が嫌で大企業を辞めた男性のブログが共感を呼ぶ一方、人気漫画「課長島耕作」の作者の弘兼憲史さんからは「残業をいとわず、仕事を一生懸命やる人も必要ではないか」という意見があったそうなのだ。長時間労働は社会にどのような影響を与えているのかとでは、日本では「男は仕事、女性は家庭」といった性別役割分業意識が他の主要国以上に強く、女性が孤立して子育てしている実態もあるというのだ。長時間労働に対しては若者の間で「ブラック企業」ということもあって抵抗感が強まり、「残業ゼロ」改革などということに乗り出す企業が出てきているという。 その一方で全体的なことになると依然として労働時間は長いままにとどまり、過労死が多いことも国際的にも知られているのだ。多くの職場で続く長時間労働と影響を受ける家庭を調査してみると、パート勤務の女性が大手製造会社に勤める夫の仕事ぶりを話していた。夫は大学時代の同級生だということなのだが、大学卒業後はこの女性自身も金融機関に勤務し、長時間労働を体験していたそうなのだ。現在の夫の職業は国内の営業部門の担当で月の半分は出張で家を空けるそうなのだ。女性は結婚する際「製造業はもう少し人間らしい生活をおくれるのかな」と思ったそうなのだが、出張していないときも夫は残業が多く「子どもたちが小さいころ『パパはまた会社に帰っちゃったの』と言っていたほどだったという。 この一家は夫の社宅で暮らしていたのだが「子育てに関わりませんでした」ということで、帰る場所が家ではなく会社だと思われていたというのです。「同じ社宅に住むほかの家族も『夫はいないと思って生活している』と言っていました」いう生活をしており、夏休みに女性と子どもたちで旅行に行き、夫は来られるときだけあとで合流するのが通例だったという。女性が留学生のホストファミリーとして毎年さまざまな国の学生を受け入れるようになると、どの国の留学生も父親不在の家庭環境を不思議に思うそうなのだ。「日本人は仕事のために生きているように思える。生きるために仕事をするのが本当なのに」と、オランダ人留学生が語ったのが印象に残っているそうなのだ。 病院に勤務する看護師は「夜勤は月に8回。体力が続かず辞めていく同世代の看護師は多いです。医療関係者はみな、長時間労働です」と話していたのだ。女性が多く働く職場では夜勤の免除など子育てに配慮した制度はあるが、「欠員補充はなく、他の看護師に負担がかかるため、なかなかフルには活用できません」ということだった。肩代わりで夜勤が月10回を超え疲弊して辞めていった若手も多く、夜勤負担の少ない外来部門への異動を希望してもなかなか移ることはできないというのだ。加えて「病院では学習会や委員会など、業務時間外の拘束時間が長い」と言い、医師を講師に症例の研究を行う学習会への参加は任意になっているそうなのだが、学習会で討議された内容は患者さんへのその後のケアの前提になるというのだ。 看護師として学習会で話し合われた内容はすべて把握する必要があるそうで、その学習会は月3~4回は入っており、「自分が参加しなかった回の学習会で扱われた症例の患者さんを、その後自分が担当看護師としてお世話する可能性を考えると、参加を断るのは難しいです」とのことだった。仮に業務時間内に行おうとしても「ナースコールはひっきりなしで患者さんは待ってくれない。全員がそろうのは、どうしても時間外になってしまいます」と語っていた。このように日本は他の主要国に比べて長時間労働している人が多いといわれ、経済協力開発機構の資料では昨年の1人あたりの平均年間総実労働時間は、日本は1730時間程度で主要国では米国に次ぐ水準なのだが、この数字はパートタイム労働者も含んだものなのだ。 厚生労働省の審議会資料によると週ごとの労働時間でみて、正規雇用者のなかで週60時間以上働いている人の割合は男性で16.9%、女性で7.5%に上っているというのだ。「週60時間以上」とは定時が1日8時間で週5日勤務している場合、1日4時間以上残業していることになっているというのだ。長時間労働がなぜ必要になるのかという原因や社会的な背景を探ると、「日本で求められる『高品質のサービス、接客』は、サービスを提供する側の長時間労働が前提になっているのではないか」というのだ。「お客さんのために多少の無理は当たり前というサービス業界で、時間外対応はしませんというのは難しい、「過剰なサービスを要求している私たちが、長時間労働を生んでいる」との指摘もなされている。
2016年01月17日
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一定の条件を満たせば月に5日間は在宅のほか事業所以外のどこでも業務ができる制度を設けた会社があるそうで、働き方に自由度や柔軟性を高め働きやすい環境で社員の能力を引き出して生産性を高めるのが狙いだというのだ。自動車大手も在宅勤務を拡充するなどこうした動きが業種を問わず広がりをみせているが、仕事とプライベートを両立・調和するワーク・ライフ・バランスもこの流れを後押ししている。総合商社などが残業をなくし早朝勤務手当を付ける「朝型勤務」を採用したのも同様な目的なのだが、慢性化する人手不足への対応や育児や介護に追われ、やむなく離職せざるを得ない社員をつなぎ止める少子高齢化時代ゆえの負の側面も、企業に働き方改革を迫る大きな要因となっているそうなのだ。 それでも安倍首相の肝いりで国家公務員に導入した官製版の朝型勤務「ゆう活」は、定時退庁者の比率が導入開始の時期から終了まで65%にとどまり、かけ声倒れに終わった感は否めないとされている。じつは朝型勤務がブームになる前から朝早く出社する社員が増えているそうなのだが、労働基準監督署に勤務する労働基準監督官は「朝早く出勤しているサラリーマンが近年増えている」という。その労働基準監督官は「企業に立ち入り調査したときに、必ず労働時間と残業代の支払い状況をチェックしているが、当然始業前の勤務状況も見ています。ところが、朝早く出勤していても残業代を支払っている会社はほとんどありません」とサービス残業が横行している実態を証言している。 その労働基準監督官は「会社の担当者になぜ払っていないのかと聞くと、朝早く出勤するのは業務命令ではなく、本人の自由意志なので申告もしてこないと言うのです。どこの会社でも申告しないのが慣例になっているようですが実態はサービス残業であり、ほとんどの企業は違法状態にあるといってもよいでしょう」と語っている。終業後のサービス残業に目を向けがちであるが法律違反の「朝型サービス残業」が放置されているのだ。リーマン・ショック以降はどこの会社でも残業規制が厳しくなり、ノー残業デイを設けたり残業時間を減らしたりすることに専念している。21時に消灯し社員を会社から閉め出すところもあり、無理矢理帰させられるので仕事が終わらない社員もいるというのだ。 その結果家に持ち帰って仕事をする社員もいれば会社に朝早く来て昨夜の仕事をしている社員もいるはずなのだ。特に会社を早く出ることはワーク・ライフ・バランスの観点からも推奨されており、会社にとっては時間外勤務手当の削減につながり社員にとっても私生活や家族との時間を享受できるウインウインの施策となっている。ところがその実態は「持ち帰り残業」や「朝型サービス残業」を生み出しているのだ。つまり朝型勤務が違法残業の温床になっている可能性もあるというのだ。政府は人事院勧告を受け来年度から自衛隊などを除く国家公務員全員を対象にフレックスタイム制を導入し在宅勤務の活用を広げる方針で、「官」が率先して働き方改革に取り組む姿勢を鮮明にしたい意向だとされている。また「長年手つかずの日本社会の構造的課題である少子高齢化の問題に真正面から挑戦したい」ということで、塩崎恭久厚生労働相は連合の新年交歓会であいさつし、連合が反対している労働基準法改正案について「皆さまの関心の高い法案であり、この国会での成立を期したい」と述べ今国会での成立に強い意欲を示したそうなのだ。労基法改正案は働く時間ではなく成果に応じて賃金を支払う新たな労働時間制度の「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入などが柱で、昨年の通常国会で継続審議となった「残業代ゼロ」法案ということで、法律で定めている休憩・休息時間の付与や、深夜労働に日曜・祝日労働などに関する労働時間規制の適用を外すものとなっている。
2016年01月16日
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環境省が学校給食で発生した食べ残しや調理くずなどの食品廃棄物について、 全国の市区町村に対して行った調査の結果を発表しているのだが、児童・生徒1人当たりの年間発生量は17.2キログラムでこのうち食べ残しは7.1キログラムだったそうなのだ。 欠席した児童・生徒分を除いて計算した給食の提供量に対する「残食率」は6.9%だったそうなのだが、学校給食の実施状況について調査したところ、学校給食センタ-等の複数の学校の給食を調理する「共同調理場」で学校給食の調理を行っている割合が約50%と半数だったという。「単独調理場」と「共同調理場」を併用して行っている割合が約29%で、「単独調理場」のみで行っている割合が約19%となっているそうなのだ。 給食といえば欠食生徒が多いなどの理由から昨年の12月に辞めた大阪市の橋下徹前市長が、「デリバリー方式」で導入していたのだが生徒からは非常に不評で、ある女子生徒は学校給食を「おいしいという人はほとんどいない」と橋本前市長に迫ったというのだ。「デリバリー方式」というのは校内に調理室を設けず業者が調理した仕出し弁当を学校の配膳室に届けるもので、米飯は65度以上で温蔵しているが、おかずは食中毒防止のため10度以下で冷蔵保存されるというものなのだ。子供の食育に詳しい相愛大の坂本廣子客員教授は「健康的なことはもちろん大事だが、食べ物は『おいしい』ことも大切で、食べることを強制するだけではますます給食が嫌いになってしまう」と指摘していたのだ。 その大阪市立小・中学校の生徒が給食の3割弱を残していることが、環境省の調査で分かったそうで全国の小中学校平均の4倍に上るというのだ。大阪市は仕出し弁当を配る「デリバリー方式」を採用し食べ残しの多さが問題となっているが、実態が明らかになるのは初めてで残飯になった食材費は推計年5億円にもなり食材費全体の約25%だったという。大阪市内の16校を抽出し今年度の1学期で月2回おかず・米飯・牛乳の食べ残しの割合を重さで調べ、残飯になった年間食材費も推計している。その結果おかずは30%が残され無駄になった食材費は4億4000万円となっていた。米飯は17%で3700万円だし牛乳は9%で3300万円だったというのだが、生徒から「冷たい」・「味気ない」との声が出ており多く残ったとみられる。 環境省の調査では小・中学校の全国平均は昨年度6.9%で、大阪市と同じく調理を民間委託する名古屋市立中学校でも10.5%だった。給食の食材費は原則として自己負担で1食あたり300円程度だと言われており、年間165日前後を提供する予定で食材費の合計は約20億4千万円を超えている。一方で業者の調理・配送費用は大阪市が支出しており、約18億円を計上していることから給食費で2億円以上儲けていることになっている。もっとも1年間の給食費滞納額が約5700万円に上っていることから、橋下前市長の改革路線で生徒たちの大事な給食にすら予算をかけないことが横行するようになり、冷凍に近い状態で生徒の元へ送られ冷え切った飯を食わされていることが分かったということのようなのだ。 冷え切った飯を毎日3年間食わされたら生徒が「餌だ」というのは無理も無いことで、飽食とかそういうことでは無く身体を作るべき時にしっかりとしたものを食べるべきで、今回紹介された給食内容を見る限りとてもそういうものを出してもらえてないということのようなのだ。「デリバリー方式」給食の旗振り役である橋下徹前大阪市長も「味の評価は好き嫌いの側面が大きい」ととらえ生徒指導での解決を目指していたというが、「毎日『おいしい』と言われるような給食にしなきゃいけないのかな、という思いはある」こう漏らしていたそうなのだ。橋下前大阪市長が同じように食べて文句を言わないというなら考え直す可能性も無くは無いが、さすがに餌というかゴミみたいなものを食わされる生徒の身にはとても同情してしまうのだ。
2016年01月15日
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私の何度も監督をしたことのある落橋防止装置工事で、ブラケット等の溶接不良が全国で続出した問題では、国土交通省が設置工事の元請け会社に対して、製品の受け入れ前に全ての溶接部で非破壊検査を実施するよう義務付ける再発防止策をまとめたという。落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会」の第3回会合で、委員長の森猛法政大学教授は冒頭の挨拶で「多重のチェック体制を構築すべきだという基本方針を持って再発防止策を取りまとめたい」と述べた。これまで抽出検査が一般的だったが桁や橋脚など橋本体並みに検査水準を引き上げるというのだが、国土交通省は全数検査に変わっても「検査費は率計上に含まれる」として積算を見直す考えはないとしている。 鋼桁や橋脚などの主要部材の鋼材等で完全溶け込み溶接を実施した箇所は、基本的に道路橋示方書に基づいて全数を検査している。しかし落橋防止装置などの付属品については道路橋示方書に検査に関する明確な規定がないので、施工する元請け会社が検査抽出率を決めて材料検査をしていたのだ。現場ではミルシートを受け取って規定に適合する製品であると認定していたのだ。ところが落橋防止装置問題の発端となった京都市の勧進橋では、元請け会社のショーボンド建設が、検査抽出率を10%と施工計画書で指定していた。製品を製作会社の工場では全納品数の20~30%を製作した段階で、全数の10%に相当する製品を抜き取り北陸溶接検査事務所に検査を依頼していたという。 不良品は検査品の抽出後に製作した部材で溶接の手抜きをしていたものとみられ、さらに検査事務所も不良データ隠蔽に加担していたというのだ。そこで再発防止策を議論する「落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会」は、検査抽出率の不明確さが不正を生む土壌になったと分析し、特別な理由がない限り鋼桁や橋脚と同様に溶接継ぎ手全長で一律に検査を義務付けることを提言したそうなのだ。国土交通省は落橋防止装置で溶接不良がまん延していた理由として落橋防止装置特有の事情があるとみており、大地震時以外に応力が掛からないことから溶接内部に製作時の不良傷があっても、亀裂など目に見える変状に進展しにくいことが不正の原因であるとしている。 「溶接で手抜きをしても分からないだろう」という心情が、製作会社などに働いた可能性が高いわけなのだが、そのため全数検査の義務付けは落橋防止装置に限ったという。それ以外の付属品の溶接部には現状で全数検査を強制する考えはないというのだが、全数検査の義務付けで気になるというのが、その増額費用を誰が負担するかだというのだ。溶接部の非破壊検査費は共通仮設費の技術管理費内にある「品質管理のための試験に要する費用」などに含まれるということで、国土交通省は「従来も製品全数で溶接部の非破壊検査を提案し、実施している施工会社はあった。全数検査の義務付けに伴って、共通仮設費率を含む積算体系を見直す予定は今のところない」としている。 私も経験があるのだが製品の10%の抽出検査として、試験所などに支払っている額は20万~30万円になるのだ。これを全数検査の場合には単純計算でその10倍と考えれば、200万~300万円に膨れ上がってしまうのだ。既設橋梁への落橋防止装置の設置を地元業者に単体で発注するケースも多く、ほかの補修・補強工事と一体で大手が受注するようでなければ、全数検査に伴う費用が百万円単位では元請け会社にとって軽視できない負担となってしまうのだ。 国土交通省は積算の歩掛かりや率などが実態と乖離していないかを毎年調査しており、「実態と大きく異なっているという調査結果が出れば、見直すことになるだろう」というが、しばらくは検査に伴う総額分を上乗せして入札に挑む施工会社が増えるだろう。
2016年01月14日
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路上に寝込んだ人が車にはねられる事故が年末から相次いでいるそうで、東京都内では昨年は死亡事故が前年の5件から10件に増えたそうなのだ。飲酒の機会も多い冬のこの時期に警視庁は元日から「寝込まナイトキャンペーン」を始めているというのだ。それでも東京都墨田区の区道で無職の70代男性が道路中央に横たわっているところをトラックにひかれて死亡したそうなのだ。近くの居酒屋で酒を飲んで路上で寝てしまったと言うのだが、警視庁によると東京都内で昨年に路上寝で死亡した10人のうち飲酒していたのは7人で、初めての試みとして路上寝込みに絞った活動ということで、送別会時期の3月末までトラックやタクシー・バス協会にビラを配り、飲み屋などの飲食店や街頭で注意を呼び掛けるという。 千葉県習志野市内の市道でも酔いつぶれて道路で寝込んでいたとみられる男性がクルマにはねられる事故が起きており、被害者の男性は全身強打で死亡しクルマは現場から逃走しているそうなのだ。千葉県警・習志野署によると警察が事故発生を認知したのは、習志野市津田沼の市道を通りかかった人から「頭から血を流した男性が倒れている」との通報が寄せられたからだったという。現場に急行した習志野署員が倒れている男性を確認して、男性は近くの病院に収容されたが全身を強打したことが原因でまもなく死亡したという。所持品から現場近くに住む35歳の男性と判明しているが、男性の着衣にはタイヤ痕があり警察では現場の状況から、路上で酔い潰れて寝込んだ男性が通過車両にひき逃げされたものと推測している。 現場は幅員約4mの直線区間で一方通行だったそうなのだが、警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始し、不審車両の目撃情報が無かったかどうか調べを進めているという。千葉県警でも「路上寝込みは大変危険です。路上寝込みによる交通事故が発生しています。飲みすぎたと思ったら、家族を呼ぶか、タクシーなどで確実に家まで帰りましょう。また、運転者の方も路上で寝込んでいる人を発見したら運転中の場合は、ハザードランプを点灯させ、手前で停止してください。 速やかに「110番通報」をお願いします。 警察官が到着するまで、その場で待機をお願いします」ということを広報で注意していたというのだが、泥酔者に注意しても耳に入る前に寝込んでしまったということなのだろう。 また神奈川県警のまとめによれば、道路上で寝込んでしまった人が車にひかれた事故が昨年には24件発生しており、事故の内訳では死亡者は11人に重傷者が4人、軽傷者が9人となっているそうなのだ。死亡者の内の10人は酔っ払って道路上で寝ていたということで、神奈川県警によると「お酒に強い・弱いに関係なくアルコールによる影響は起こるそうで、『ちょっとだけだから・・・』とか『自分は大丈夫』などの自分を過信した考えはやめ、電車やバス・タクシー・運転代行サービスなどを利用しましょう」と、歩行者に道路上で寝込まないように注意するそうだが、「素面の人はそんな危険な道路上でなんか寝込むわけがない」ということみたいで、あまり話題にならないそうなのだ。 昼間はちゃんと働き夜はどこかでしこたま飲んだという人が多いサラリーマンは、よく駅のベンチで爆睡しているとされているし、路上に寝ていて通報される人が急増しているという話題ということで、路上寝の問題点について注意を調べてみると、「車道にはみ出すことで交通事故に巻き込まれる」・「川などの近くで寝ると水中に転落する恐れがある」・「傷害事件などの被害者になる可能性がある」などを挙げている。路上寝は道路交通法違反の摘発対象になると指摘されていることから、路上寝は道路交通法違反に本当になるのかを調べたら、「第七十六条の4-二」に「二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ち止まっていること」となっていた。
2016年01月13日
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「踊り場」に差し掛かったとも言える私の所属している建設産業なのだが、今年はインフラ維持管理の重要性がますます高まりそうだといわれている。昨年の9月に閣議決定された「第4次社会資本整備重点計画」では、「インフラの戦略的な維持管理・更新」が重点目標の冒頭に掲げられたことから、インフラの管理者には来年度までに長寿命化行動計画の制定が求められているとのだ。また重点計画では「メンテナンス産業の競争力強化」がうたわれており、国土交通省では今年から「インフラメンテナンス国民会議」の設立を予定しており、メンテナンス産業の育成や活性化に向けた産官学共同の取り組みが進むといわれている。私の事務所でもこのことからコンサル出身者を採用して担当者にしているのだ。 また東日本大震災や中央自動車道・笹子トンネルの事故などを経て、激変が続く建設産業界では新しい制度や事業に技術が目白押しだし、昨年の9月に起こった関東・東北豪雨で大きな被害が発生したことを踏まえ、国土交通省は今後5年間に約8000億円をかけて全国の直轄河川で堤防のかさ上げや補強を実施すると発表している。対象とする堤防延長は約3000kmだそうなのだが、国土交通省が公表した「水防災意識社会再構築ビジョン」で明らかにしており、喫緊の課題である防災に関してはハード・ソフトの両面で施策が進むという。例えば国土交通省が昨年まとめた「気候変動適応計画」が本格的に動き出し、集中豪雨の頻発による自然災害の増加などへの対応が加速するそうなのだ。もっとも来年度予算を見てみると建設投資は昨年度に続いて2年連続で前年度を下回る見通しのようで、「国土強靭化」と言いながら政府建設投資の大幅な減少が影響しているという。一方で来年の4月に予定されている消費税の再増税を前に、駆け込み需要で民間住宅投資は増えるとみられている。そのような予想からか東京オリンピックを意識した建設ラッシュで、建設業の人手不足が指摘されるなか求人倍率は6.18倍と高水準となっている。人不足が深刻となっている中で建設業の従事者は3.8%減となっているそうなのだが、建設業は求人案件数が300万件に対して志望者は僅か6万2千人だといわれており、企業側は採用が厳しい中で求人数を減らさざるを得ないのが実情のようなのだ。 昨年の建設業界の大事件と言えば杭工事資料の改ざん事件なのだが、改ざんが業界全体に広がった背景には業界の風潮や企業風土の問題があると指摘されている。社会の信頼回復に向け建設業界は改善を急ぐべきだが、それ以上に重要なのは建設業界が抱える構造問題や緩んだ体質を改めることだという意見が強いのだ。工事全体の管理責任を持つ元請けの違反を認識していながら是正を指導せず、行政当局にも通報していなかったことは建設業法違反なのだ。法定の管理体制さえ形骸化していた実態にはあきれてしまうのだが、心配なのはこうした状況が技術者不足で建設業全体に広がっている可能性で、技術者不足は相当前から市提起されており、抜本的な改善策が早急に必要という事なのだろう。 工事を専門分野ごとに分担する体制は不可欠だが、本来必要でない企業が入り込めば管理は複雑になり余計な経費も発生するわけなのだが、今回の事件を担当している有識者委員会は意図的な耐震偽装で建物の安全性を損なった「姉歯事件」と、今回の問題は次元が違うとし法改正や罰則の導入には踏み込まなかったのだ。意図的な耐震偽装で建物の安全性を損なった「姉歯事件」後に、建築基準法等を厳しく改正したことから工事実施において多くの障害が出たことによるものだとされているのだ。ただ法令の順守を怠りデータの重要性を軽んじる点では共通していることから、今回の改ざん事件にでも工事の発注者を含め建設業界全体で危機感を強めるしかないということなのだろう。
2016年01月12日
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日本の父親たちが育児や家事に関わる時間は先進国の中でも最低水準なのだが、そこにはいくつかの理由があることがわかっているそうなのだ。明治大の藤田結子准教授が解説した実例では、不動産会社で働いている男性の奥さんはパートタイム勤務で子供は4歳なのだが、毎日残業をしていて帰宅時間はだいたい夜10時ごろになるという。そのため平日は育児・家事はまったくしないことからときどき奥さんけんかになりますが、奥さん自体仕方がないとあきらめ気味だというのだ。残業が多く「子どもたちが小さいころ『パパはまた会社に帰っちゃったの』と言っていたほどだったという。関西大学の大和礼子教授らの研究によると父親が育児・家事をする・しない理由は三つに大別できるそうです。 まず父親と母親が置かれている「状況」に左右されるそうで、労働時間が長いことは一つの状況であり、そのほかに「母親の勤務時間が短い」・「育児を手伝ってくれる祖父母が近くにいる」などの状況も、父親の育児・家事へのかかわりを減らす要因になるというのだ。次に父親と母親のそれぞれの「収入」が育児・家事負担の割合を左右することがわかっており、通常は父親と母親で収入や学歴の高い方が育児・家事に関わる交渉で強い立場をとるという。多くの場合は父親の収入の方が高いので母親の育児・家事の負担が増えるというのだ。ところが母親に十分な稼ぎがあると父親の家事分担が増えやすく、収入が同レベルなら父親の分担割合も増えやすいということのようなのだ。 働き方が多様化し一部ではあるのだが育休を取得したり、家族のために転職したり出世につながる転勤を断ったりする父親も現れていつそうで、つまり父親本人の意思で長時間労働などの「状況」を変えることも可能になっているというのだ。それにもかかわらず大半の父親が仕事中心の生活を送るのは「男なら稼ぐべきだ」とか、「男なら出世すべきだ」という規範が強く仕事を減らさないからだというのだ。日本の企業の多くは中核的な社員を無限定に働かせ競わせる人事制度を取っており、この制度と「男らしさ=出世」という規範が強固に組み合わさっているというのだ。「男は出世することが重要だ」という規範も強く内面化しており、出世レースから脱落しないよう自ら進んで長時間働いているというのだ。 実例によると職場で同僚や上司に育休取得の希望を伝え、「帰ってきたら机ないんじゃないか」と一度言われたものの、運よく周囲の理解を得ることができ育休取得まで何とかたどり着いたというのだ。ところが3カ月の育休を取得して復帰した後には上司が代わっており、パタニティーハラスメントを受けるようになったというのだ。妻の体調が悪い日に早めに仕事を終え子供に食事をさせ風呂に入れていると上司から電話がかかってきて「育児は仕事をしない理由にならないぞ」と怒鳴りつけられたというのだ。専業主婦の妻を持つこの上司は育休明けでも妻が働いていることは「個人の事情」であるから、「会社が育児に配慮する必要はない」と言い放ち日々残業を強要したというのだ。 この上司は「仕事第一」の価値観を持っていて、「忙しい部署で長時間働くことが優秀な社員だ」と言うそうなのだ。このように「パタハラ」をする男性はハラスメントをしている自覚がないようで、本人にとってみれば「真剣に」仕事をしていない部下を指導しているだけなのだという。 連合が報告した調査では「パタハラ」をされた経験者の65.6%が、「誰にも相談せず、子育てのための制度利用をあきらめた」と回答しており、これまで「男らしさ」は「仕事で稼いで家族を養うこと」と同一視されてきたというのだ。この意識によって女性よりも男性の方が育休の権利を主張しにくい状況になっており、弱みを見せること自体が「男らしくない」とみなされ、育児をしようとしてハラスメントを受けた場合なおさら言い出せず表面化しにくいとされている。
2016年01月11日
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日本の父親たちが育児や家事に関わる時間は先進国の中でも最低水準なのだが、そこにはいくつかの理由があることがわかっているそうなのだ。明治大の藤田結子准教授が解説した実例では、不動産会社で働いている男性の奥さんはパートタイム勤務で子供は4歳なのだが、毎日残業をしていて帰宅時間はだいたい夜10時ごろになるという。そのため平日は育児・家事はまったくしないことからときどき奥さんけんかになりますが、奥さん自体仕方がないとあきらめ気味だというのだ。残業が多く「子どもたちが小さいころ『パパはまた会社に帰っちゃったの』と言っていたほどだったという。関西大学の大和礼子教授らの研究によると父親が育児・家事をする・しない理由は三つに大別できるそうです。 まず父親と母親が置かれている「状況」に左右されるそうで、労働時間が長いことは一つの状況であり、そのほかに「母親の勤務時間が短い」・「育児を手伝ってくれる祖父母が近くにいる」などの状況も、父親の育児・家事へのかかわりを減らす要因になるというのだ。次に父親と母親のそれぞれの「収入」が育児・家事負担の割合を左右することがわかっており、通常は父親と母親で収入や学歴の高い方が育児・家事に関わる交渉で強い立場をとるという。多くの場合は父親の収入の方が高いので母親の育児・家事の負担が増えるというのだ。ところが母親に十分な稼ぎがあると父親の家事分担が増えやすく、収入が同レベルなら父親の分担割合も増えやすいということのようなのだ。 働き方が多様化し一部ではあるのだが育休を取得したり、家族のために転職したり出世につながる転勤を断ったりする父親も現れていつそうで、つまり父親本人の意思で長時間労働などの「状況」を変えることも可能になっているというのだ。それにもかかわらず大半の父親が仕事中心の生活を送るのは「男なら稼ぐべきだ」とか、「男なら出世すべきだ」という規範が強く仕事を減らさないからだというのだ。日本の企業の多くは中核的な社員を無限定に働かせ競わせる人事制度を取っており、この制度と「男らしさ=出世」という規範が強固に組み合わさっているというのだ。「男は出世することが重要だ」という規範も強く内面化しており、出世レースから脱落しないよう自ら進んで長時間働いているというのだ。 実例によると職場で同僚や上司に育休取得の希望を伝え、「帰ってきたら机ないんじゃないか」と一度言われたものの、運よく周囲の理解を得ることができ育休取得まで何とかたどり着いたというのだ。ところが3カ月の育休を取得して復帰した後には上司が代わっており、パタニティーハラスメントを受けるようになったというのだ。妻の体調が悪い日に早めに仕事を終え子供に食事をさせ風呂に入れていると上司から電話がかかってきて「育児は仕事をしない理由にならないぞ」と怒鳴りつけられたというのだ。専業主婦の妻を持つこの上司は育休明けでも妻が働いていることは「個人の事情」であるから、「会社が育児に配慮する必要はない」と言い放ち日々残業を強要したというのだ。 この上司は「仕事第一」の価値観を持っていて、「忙しい部署で長時間働くことが優秀な社員だ」と言うそうなのだ。このように「パタハラ」をする男性はハラスメントをしている自覚がないようで、本人にとってみれば「真剣に」仕事をしていない部下を指導しているだけなのだという。 連合が報告した調査では「パタハラ」をされた経験者の65.6%が、「誰にも相談せず、子育てのための制度利用をあきらめた」と回答しており、これまで「男らしさ」は「仕事で稼いで家族を養うこと」と同一視されてきたというのだ。この意識によって女性よりも男性の方が育休の権利を主張しにくい状況になっており、弱みを見せること自体が「男らしくない」とみなされ、育児をしようとしてハラスメントを受けた場合なおさら言い出せず表面化しにくいとされている。
2016年01月10日
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今問題となっている落橋防止装置工事で、落橋防止装置の溶接不良は香川と長崎の2県を除く45都道府県の687橋で見つかっており、発覚した会社以外でも12の製作会社が不正を働いていたとされている。ブラケット等の溶接不良が全国で続出した問題では、国土交通省が設置工事の元請け会社に対して、製品の受け入れ前に全ての溶接部で非破壊検査を実施するよう義務付ける再発防止策をまとめたという。国土交通省が示した再発防止策は検査する会社との契約形態にも踏み込んでおり、製作会社の社内検査を請け負っている企業ではなく公正性を疑われない第三者の検査会社を、元請け会社が選定して契約する一方で、不正を働いた製作会社の品質検査を強化する対策には触れていないのだ。 製作会社などへの品質管理体制に踏み込んだと言えるのが「ISO9001を取得している製作・検査会社の活用促進」ぐらいで、現状では既設橋への落橋防止装置を製作している実際の会社は、従業員が数人や数十人規模の町工場や鉄工所が多く、今のままの契約額で品質管理を充実させて製作を続けられる企業はほんの一握りと考えられている。このため落橋防止装置の製作から撤退する企業が今後増えるはずだというのだ。従来は材料が現場着単価という事もあって、元請け会社が現場近くの鉄工所に製作を委託することで製品の運送費を浮かせていたのだが、製作会社が一部に限られるようになると運送費などが掛かり製作費自体も高騰する可能性があるといわれている。 それでも第三者検査で製品100%の検査が義務付けられれば、製品全数に対して厳格な品質管理体制を構築せざるを得なくなるというのだ。技量不足や知識不足による溶接不具合の製品が使われていたことが分かっているのだが、溶接不具合の背景にある問題の一つに設計の不十分さがあって、完全溶け込み溶接が難しいまたはできないような図面を設計者が描いていることが、溶接不具合を生む遠因として一部の識者から指摘されていたというのだ。再発防止策を検討するうえで業界からは、「施工時に溶接が困難とならないように設計する必要がある」とする道路橋示方書を踏まえた設計を心掛けるよう、建設コンサルタント会社などに再周知することを国土交通省に求めているというのだ。 そのほか有識者委員会では土木関係工事で慣例として使っていた溶接記号の誤認も不具合を生んだ一因だと指摘しており、現状では慣例で完全溶け込み溶接を「K記号」で表しているが、それを認識しておらずに完全溶け込み溶接にしなかった例や、道路橋示方書の記載内容に従わずに溶接してしまった例があったことから、再発防止策でも契約図書における溶接種別の明確化を求めているそうなのだ。スタッド溶接の良い所は一瞬でスタッドと母材が溶接されるので熱影響が非常に少なく済み、薄い板などにネジをティグで溶接したら鋼板は歪んでしまうのだがスタッド溶接ならほとんど歪まないとされている。もちろんわずかには歪みはするが溶接加工の製品としては全然問題ないレベルで収まるとされている。 鉄筋・鉄骨の構造物の柱などをコンクリートの基礎に埋め込まれた板にスタッド溶接しており、溶接工としては「手溶接法」や「半自動溶接法」の規定された資格を有し、事前にその現場溶接条件・溶接環境・溶接方法に応じた十分な能力がある溶接工を採用しているのだ。資格としては「JIS Z 3801」の溶接技術検定における試験方法および判定基準等があり、施工前溶接性試験として重要構造物では、使用する溶接工及び溶接条件を用いて試験材による施工前溶接性試験を実施して溶接工の技量や溶接条件を確認することにしているのだ。現場溶接部検査として全溶接部に対し寸法検査含む外観検査を行っているが、構造物の重要度やガス圧接などでは放射線透過試験や超音波探傷試験を採用しているのだ。
2016年01月10日
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全国の水道は市町村や複数の自治体がつくる企業団などによって整備が進み、1978年には普及率が9割に達したそうなのだ。一昨年度の国内総延長は約65万4千キロで、普及率は97.7%となっている。それが水道管の老朽化が進み総延長の1割以上が、法定耐用年数の40年を過ぎていることがわかったというのだ。普通の水道管は「地方公営企業法施行規則」で法定耐用年数が40年と定められており、70年代やそれ以前に敷設された水道管は強度が十分でなく、整備が進んだ1970年代の水道管が更新時期を迎えているが、人口減による水道料金収入の落ち込みが影響して更新が遅れているもいう。水道管の破損などトラブルも相次いでいることから厚生労働省は対策を検討しているそうなのだ。 全国的にも水道管の破裂や水が漏れ出す事故が急増しており、「いつ・どこにいても手に入る安全できれいな水」という、世界一とされてきた日本の水道が危機を迎えているというのだ。主な原因は水道管の老朽化で高度成長期に作られた全国各地の水道管が、一斉に耐用年数を迎えていることが原因だというのだ。水道事業を担う各地の自治体は次々と起こるトラブルの応急処置に追われており、浄水場から各家庭に届くまでに漏れ出してしまう水は30%にもなると見られているとまで言われている。水道管は整備から40年以上が経過し水道管の漏水による損失を重く見た自治体では、老朽化した水道管の補修のため今年度中に水道料金の改定を実行しようということを考えているというのだ。 私の住んでいる松山市でも水道料金は平均17.5%値上げし、さらに市の予算からも補填して水道管の更新にかかる費用を賄う予定だという。厚生労働省水道課は「古い水道管は地震などの災害時に破損する恐れもあるため更新が必要」としているが、厚生労働省が日本水道協会の水道統計を分析したところ、法定耐用年数を過ぎた水道管は約6万8千キロで、初めて水道管延長の1割を突破したというのだ。一方で一昨年度に更新された水道管は約5200キロで全体のわずか0.79%だというのだ。厚生労働省はこのままのペースだと耐用年数を過ぎる水道管は15年後には56%に達すると予測している。水道管の更新が進まないのは原資になる料金収入が人口減少や節水機器の普及で減少しているためだというのだ。 料金収入のピークは約2兆5000億円だったが近年は約2兆3000億円程度に減っており、水道事業を巡ってはここ10年くらいで279の自治体や企業団が、料金の値上げに踏み切っており減収が主な理由だとされている。更新投資というのは行ったからといってそれによって増収が期待できるわけではなく、やればやるほど経営は苦しくなるというのだ。そうした選択肢の中で料金改定といった値上げを計画しようとしても、なかなか思いどおりの引き上げができなかったり、あるいは人員の整理が進んでそうした水道を支える人材が不足したりということで、全体のそういう厳しい状況の中で更新投資になかなか手がつけられずに、先送りされてきたというのが実態なのだという。 担当者は「人口減による減収は深刻。老朽化で漏水事故も増えており、このままでは水道事業が立ちゆかなくなる」と危機感をあらわにするが、人口減少などで料金収入が減ったうえ東日本大震災後の人件費高騰で更新や施設の耐震化費用もかさむようになり、担当者は「赤字を避けるためにはやむを得ない」と話している。水道施設の老朽化が進み待ったなしの対応が迫られているが、人口が減り財政的な制約が増す中借金をして水道管を更新し、後の世代に負担を回す手法は難しく料金負担を求めざるを得なくなる。街づくりの視点に立ってどの施設を優先的に残し統廃合していくのか、費用を負担する住民にも選択を委ね納得できる形で水道事業の将来像を決めることが求められているという。
2016年01月09日
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日本政府は気象庁が北朝鮮付近を震源とする自然地震ではない地震波を観測したと発表したことについて会見を行って、気象庁が北朝鮮付近を震源とするマグニチュード5・1の地震波を観測し、震源は北緯41・6度で東経129・2度の震源の深さは0キロで、「この地震は自然地震ではない可能性がある」とした。米地質調査所でも朝鮮北部を震源とする揺れを確認したとホームページで公表している。菅義偉官房長官は記者会見で「過去の事例も踏まえれば、北朝鮮による核実験の可能性もある」と述べたのだが、その後関係閣僚らを集め国家安全保障会議を開き情報収集と分析を行ったのだが、揺れが観測された場所の付近には北朝鮮の核実験場があって北朝鮮が地下核実験を行っていた。 気象庁によると地震の場合は地震計に記録される波形は小刻みな揺れから始まり次第に振幅が大きくなるが、地下核実験による振動の場合は最初から振幅の大きな波形となるという。今回記録された波形も過去に北朝鮮で地下核実験を行った際に観測された波形とよく似ているということで、気象庁は今回観測された波形について、「過去に北朝鮮で地下核実験を行った際に観測された波形とよく似ている」との談話を発表している。過去に北朝鮮が行った3度の核実験はいずれも北東部の咸鏡北道プンゲリにある核実験場で行われている。朝鮮中央テレビのアナウンサーは緊急発表で「共和国の最初の水爆実験が成功裏に終わった」と述べ、北朝鮮が水爆まで保有していると取れる発言をおこなった。 北朝鮮は今回の核実験の前に「金日成主席の不眠不休の労苦によってつくられた一挺一挺の銃がこんにちは党と革命、祖国と人民を守る銃剣の林になり、主席がここで鳴らした歴史の銃声があったので今日、わが祖国は国の自主権と民族の尊厳をしっかり守る自衛の核爆弾、水素爆弾の巨大な爆音を響かせることのできる強大な核保有国になることができた」と語り、水爆の保有を誇示していたそうなのだ。この北朝鮮の核実験に米国のアーネスト大統領報道官は記者会見で、北朝鮮の緊急発表に対し「われわれの持つ情報の限りでは非常に疑問だ」と述べ、米情報当局は北朝鮮が水爆開発に成功したとはみていないとした上で、北朝鮮の政策や行動が地域を不安定にしていると懸念を表明した。 韓国の情報当局は「北が水爆を開発したという情報はない。核弾頭の小型化にも成功していない北が水爆製造の技術を持っていないと判断する」としている。政府は今回の観測を受け従来の「北朝鮮関連情勢に関する情報連絡室」を「北朝鮮による核実験実施情報に関する官邸対策室」に変更しているが、菅義偉官房長官は会見で「関係省庁幹部を官邸に緊急参集させ引き続き情報の収集・分析を行っているところだ」と説明した。北朝鮮は核兵器の材料となるプルトニウムや濃縮ウランの生産を続け核兵器の材料を増やし続けており、米国研究機関「科学国際安保研究所」も報告書「北朝鮮のプルトニウムと武器級ウランの在庫」を発表し、「北朝鮮が保有しているウランとプルトニウムの量は核兵器15~22個分と考えられる」としている。 韓国国防部の李軍備統制団長は「水素爆弾保有は国内向けの宣伝とみられるが、北朝鮮が既に原爆と水爆の中間段階にある『ブースト型核分裂弾』のことではないかとみられる。北朝鮮が『ブースト型核分裂弾』を開発した可能性が高い」と指摘している。米国は「戦略的忍耐」と称して北朝鮮の姿勢変化を待ち続け、自らは北朝鮮の核問題に関与せず中国に責任を転嫁しているが、北朝鮮が核を廃棄すると考える専門家はいないというのだ。今回の実験以前の専門家たちは北朝鮮がミサイルで核爆弾を標的に命中させる能力を得るにはまだ数年かかると考えていたようだが、その能力を獲得しようとする北朝鮮の意思がいかに強固か明白になり、そして技術を急速に向上させていることも明らかになったということなのだ。
2016年01月08日
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中心部が帰還困難区域となっている大熊町や双葉町では、まだまだ除染の要望が強まっているというのだ。ある関係省庁幹部は「帰還困難区域の除染をどう考えるか議論せず、費用負担が宙に浮いてしまった」と話しているのだ。震災後の閣議決定時点で計画中の除染が具体的にどれを指すかもそもそも明確でないことから、計画外の除染費用を東京電力に請求しないなら財源をどうするのかといったように、議論を先送りにした国の責任は重いというのだ。除染費用は国直轄分や市町村実施分とも環境省が立て替え、実施後に年4回東京電力に請求することになっており、東京電力は国から資金投入されている「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の支援を受けながら環境省に除染費用を支払うことになっている。 「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」は保有する東京電力株の将来の売却益で国庫納付するが、除染費用は来年度予算分を含めると総額2兆6千億円に上り、環境庁の計画策定時であった試算2.5兆円を超えているといわれている。福島第一原発事故の後に成立した「放射性物質汚染対処特別措置法」では、除染などについて「東京電力は請求があったときは速やかに支払うよう努めなければならない」と定めている一方、一昨年の12月に閣議決定された「福島復興指針」には「実施済みまたは現在計画されている除染・中間貯蔵施設事業の費用は東京電力に求償する」とされ、その時点で計画がなかった除染などについては請求の可否が示されていないというのだ。 環境省によると帰還困難区域では閣議決定前に公共施設などで試験的な除染が行われ、東京電力は費用請求に応じていたが、帰還困難区域の主要道路などの除染は閣議決定後に計画され請求の対象ではないとして支払いに応じていないというのだ。この件に関して新聞社の取材に対し環境省除染・中間貯蔵企画調整チームの小野洋チーム長は、「同じ特措法に基づく除染なのに閣議決定前後で請求できるかどうか区別されるのはおかしい。帰還困難区域の除染も請求できると考えている」と主張しているが、経済産業省の資源エネルギー庁電力市場整備室は「閣議決定には計画外の除染を請求するとは書かれていない。東京電力には閣議決定に従うよう指導している」と話しているというのだ。 支払い側の東京電力広報室は「特措法・原子力損害賠償制度、ならびに閣議決定に基づき環境省などから丁寧に内容を聞いた上で、関係省庁と協議しながら適切に対応していく」とコメントしているそうなのだ。賠償や中間貯蔵施設事業を含め総額11兆円に達する原発事故の処理費用について、国がどこまで財政支援し東京電力を救済するのかといったことや、関係省庁や与党内でもさまざまな意見のある支援の線引きをあいまいなままにしてきたことが、新たな難題を生じさせているということのようなのだ。しかも除染費用は東京電力の負担と定められているため10年間で32兆円と設定された復興事業費には含まれず、東京電力に請求に応じなければ新たな財源が必要となるということのようなのだ。 財務省幹部は「環境省とエネ庁で話をして結論を出すことが必要だ」と話しているが、一昨年に与党内で処理費用の東京電力任せを見直す提言がまとめられ、除染などについて新たに特措法を制定して国の財政的関与を打ち出すべきだという声も出たが、世論の反発を考慮し最終的には、「現在計画されている除染を実施した後のさらなる取り組みについては公共事業的観点から検討する」という表現に落ち着いたというのだ。現在も「取り組み」が除染そのものを指すのか環境整備を指すのか提言に関わった議員の中でも認識が分かれ、「除染を公共事業としてやるべきだ」という建設族の議員がいる一方で、「除染は基本的に東京電力の責任だ」という議員もいて結論が出ていないというのだ。
2016年01月07日
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環境省は東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染作業について、森林から放射性物質が飛散することによる生活圏の空間線量の増加が確認されていない上、除染で落ち葉を取り除くと土砂流出などの悪影響が出る可能性があるため、生活圏から離れ日常的に人が立ち入らない大部分の森林は除染を行わない方針を有識者検討会に示した。有識者検討会の委員から異論は出なかったことから環境省は近く除染ガイドラインを改定するというのだが、森林は福島県の面積の7割を占めている。これまでは生活圏から20メートル以内とキノコ栽培やキャンプなどで人が日常的に立ち入る場所については、落ち葉などを除去することになっていたそうなのだが、それ以外については対応が決まっていなかったというのだ。 環境省によると除染を見送る場所については原発事故時に葉や枝に付着した放射性物質の8割程度が土壌表層にとどまり、生活圏の空間線量に影響するような飛散は確認されていないということを公表しているが、東京電力福島第1原発事故に伴う除染の費用負担を定められている東京電力が、環境省の請求に応じない姿勢を示していることも要因だといわれている。具体的な対象は本格化しつつある帰還困難区域の除染で、福島県大熊町で今年着手した帰還困難区域の除染で環境省が立て替える200億円超も完了後の請求が宙に浮く見込みだ。経済産業省は東電を支持する立場を取っていることから、省庁間の意見の対立もあって最終的に誰が負担するか決まらないまま巨額の国費が投じられるというのだ。 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染を巡り、生活圏から離れた大部分の森林について実施しない方針を環境省が示したことに対し、畠福島県副知事らは森林の全面除染に向けた調査研究を続けるよう求める要望書を丸川珠代環境相に提出している。この要望書は森林は福島県の面積の約7割を占めることから、森林除染が住民の帰還を決める大きな要因だと指摘し、森林全体の放射線量のモニタリングや実効的な除染方法を探る調査研究に取り組むことなどを求めたが、丸川環境相は「引き続き地域の声を聞きたい」と明言を避けたそうなのだ。畠副知事は丸川環境大臣との面会後に報道陣に対し「現時点で除染をしないと諦めるのではなく、取り組みを続けてほしい」と話したという。 東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生活圏から離れた大部分の森林を対象としない方針を国が表明したことに、福島県の森林組合や帰還を目指す住民から批判や不安の声が上がっているそうなのだ。村の面積の8割は森林で全域避難が続く飯舘村の森林組合は、避難指示解除後に営林を再開しようと国に除染を要求してきた。佐藤長平組合長は「放射線量が高くて作業員が入れない場所もある。除染しなければ事故前のように林業に従事することはできない」と肩を落としているさ、阿武隈高地の山間部にある葛尾村は来春の避難指示解除を目指しているが、解除後に村で野菜栽培をしようと考えている女性)は「安心して暮らすため本当は除染してほしい」と話していたそうなのだ 福島県が発表した2015年国勢調査の速報値で広野町の人口4323人のうち、男性2746人で女性1577人と男女差が2倍近く開いたという。広野町は「原発事故の収束や除染などに携わる男性作業員の居住が増えているため」とみるが、「作業員のほとんどは住民票を町に移していない」といい、「住民税などが入らないため町の財政難は改善されない」と嘆く。見知らぬ作業員が増えることに不安を覚える町民がいることから、作業員宿舎の集約化も検討しているそうなのだが、町復興企画課は「借り上げた民家や、民宿・ホテルを利用する作業員の実態は正確に把握できない」状況を憂いて、「原発事故によるいびつな人口構成が自治体運営に影を落としている状態だ」と言っている。
2016年01月06日
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これまでも漠然とイメージされてきた内容といえないこともないが、肥満ぎみや高い喫煙率に歯も少ないといった、低所得者の生活習慣の傾向が国の「国民健康・栄養調査」などで数値化をされたそうなのだ。「国民健康・栄養調査」というのは国民の生活習慣など明らかにするための厚生労働省の調査で、その目的は「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ること」だとされている。昨年の12月に公表された最新調査では初めて所得と食生活の関連性に触れ、回答のあった全国3648世帯を「低所得層(=世帯所得200万円未満)」・「中所得層(同200万円以上600万円未満)」・「高所得層(=同600万円以上)」に3分類して分析したというのだ。 健康診断を受けていない人の割合は600万円以上の男性で16.1%だったのに対し、200万円未満では42.9%にのぼり所得が低くなるほど高くなっていたという。食品の摂取という事では米やパン・麺など穀類の1日当たり平均摂取量は、高所得層(=世帯所得600万円以上)の男性は494グラムだったのに対し、中所得層(同200万~600万円未満)は520)グラムで低所得層(同200万円未満)は535グラムで低所得ほど多かったそうなのだ。反対に野菜の摂取量については高所得層が男性322グラム、中所得層は男性288グラムで低所得層では男性253グラムだったという。「肥満」の割合は男性の場合低所得層は38.8%で、高所得層の25.6%と比べて1.5倍だったそうなのだ。 運動に関しては一日の歩数の平均値が特に男性では、所得600万円以上の高所得者層が7592歩で、200万~600万円未満の中所得者層の7606歩であるのに対し、200万円未満の低所得者層では6263歩と1000歩以上の差がついていたそうなのだ。また「歯の本数が20本未満」と答えた人の割合は、男性では高所得者層で20.3%だった一方、低所得者層では1.7倍の33.9%だったというのだ。この傾向は女性でも同じで所得が低いほど歯の本数が少ない割合が高かったそうなのだ。喫煙者の割合は特に女性では高所得者層が5.6%であるのに対し、中所得者層は9.2%で低所得者層は3倍近い15.3%だったそうなのだ。また性別に関係なくすべての年齢層で、所得が低くなるほど外来での受診割合が低下するということだった。 また中年男性は所得が低いほど入院する割合が上昇することがわかったそうで、401万円以上の所得では3.9%だった入院割合が無所得で5.6%にまで増えたそうなのだ。所得別の栄養調査をした厚生労働省の「所得が低い人は栄養バランスのよい食事をとる余裕がなくなっているのではないか。食事の内容を見直すなど健康への関心を高めてほしい」と話しており、コメントが、18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットの言葉とされる「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」に通じ、200年ぶり更新するすごい名言だとネット上で話題になっているそうなのだ。もっとも実際にはマリー・アントワネットが発言したことを示す記録はなく、後世の捏造という可能性が高くなっているそうなのだ。 大手進学塾に勤務経験のある男性は「両親の所得と子供の学力はきれいに正比例する。これは業界内で公然の事実」と話しているが、大手塾では両親の年収や学歴や居住地域などのデータをとることも多く、データから所得による学力格差が見て取れるという。またお茶の水女子大学の研究グループは世帯年収を12段階に分け、国語と算数の平均点を調査した結果、世帯年収200万円未満と1200~1500万円の世帯では正答率に約20ポイントもの差があり、世帯年収と子供の学力が正比例したという。低所得者のサラリーマン200人に行ったアンケート結果では「宝くじは買わなきゃ当たらない」との回答者が89%に上り、「株はリスクを伴うので興味ない」とギャンブルと投資を同一視している人も多かったそうなのだ。
2016年01月05日
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鳥取市は用瀬町総合支所の主任と主事ら3人の男性職員を同日付で懲戒処分などにしたと発表した。市職員課によると主任は今年6月から9月まで病気休暇で自宅療養中にもかかわらず、7月中旬以降に週2〜3日パチンコをしていたとして減給10分の1を6カ月としたそうだ。 鳥取市職員課は「誠に残念で職員への指導を徹底する」と話したが、ギャンブル依存症からの脱却経験を持つ阿部久嗣さんは、「依存症は本人の気持ちの甘えと言われることが多いが、これは病気の一種で、意志だけで脱却できるものではない」と呼びかけている。パチンコメーカーの繁栄はこうしたパチンコにのめり込む「ギャンブル依存症罹患者」と、その周りにいる善良な市民の人生の犠牲の上に成り立っている産業であるという事なのだ。 メーカーが違法に射幸性を高め続けたことにより、1人当たりの消費額が大きく増したからに他ならず、20年前には年間投資額が106万円弱から、昨年は282万円弱と3倍近くにまで跳ね上がっているというのだ。これはあくまで平均値に過ぎず一般には「売上の8割は2割のヘビーユーザーから得られる」ということがマーケティング業界で指摘されていることから、パチンコ業界には年間1000万円以上を消費しているヘビーユーザーが200万人近くもいると考えられているそうなのだ。しかも全国に流通するパチンコ台で玉の流れを左右するくぎが不正に曲げられていることが業界団体の調査で判明し、警察庁がパチンコ業界側に不正機の回収を要請していることが分かっているというのだ。 パチンコ台は一般財団法人「保安通信協会」の検定に合格しなければ出荷できないのだが、不正はギャンブル性を高めるためとみられメーカーが出荷段階で行っていたことが判明されたというのだ。業界団体が違法機械という事で回収の対象機種を精査しているそうで、大規模な回収になる可能性があるというのだ。パチンコ台の多くは盤面の中央にある「始動口」に玉が入るとデジタル抽選が始まる仕組みになっており、デジタル抽選で「大当たり」になると大量の玉が出る仕組みなのだ。警察庁によると不正はデジタル抽選の回数を増やすため、始動口に玉が入りやすくなる方向にくぎが曲げられていた。盤面の左右などにある「一般入賞口」に入ると「小当たり」として10個程度の玉が戻るが、一般入賞口には入りにくくされている。 不正なくぎ曲げは以前から業界関係者らの指摘があり、警察庁は今年4月に一般社団法人「遊技産業健全化推進機構」に実態調査を依頼したところ、「遊技産業健全化推進機構」が6~8月に全国161店舗の258台をサンプル調査したというのだ。すると全機に何らかの改変がみられ検定通過時と同じ状態のままのものは一台もなかった。パチンコは刑法で禁じられる賭博行為から外されている一方、射幸心を高めすぎないよう大当たりなどの出る確率が風営法や国家公安委員会規則などで規制されている。これらの規制で一般入賞口には10分間に数十個が入ることが求められているが、約6割で全く入らない状態だったという。 このため警察庁は「メーカーの出荷段階でもくぎ曲げが行われている可能性がある」として、メーカーで組織する「日本遊技機工業組合」に調査を指示したそうなのだ。「日本遊技機工業組合」は11月に「全35社のうち11社で調べたところ、メーカーの出荷時で検定を通過したものとは異なるパチンコ台があった」と警察庁に報告したそうなのだ。メーカー側の不正は客を獲得しようとする店側の需要に応えることが目的だった可能性があるとして、警察庁は風営法などに抵触する疑いがあるとして問題機種の回収を要請したというのだ。メーカー側は店側と協力して回収することを決めたというのだが、関係者は「回収は数十万台規模になる可能性がある」と話しているそうなのだ。警察庁によると昨年末現在のパチンコ設置台数は約295万台で、ほとんどの機種が違法だったというのだ。 警察幹部は「くぎ曲げによってギャンブル性が高まると、法律で想定しているパチンコとはまったく異なる状態が生まれてしまう」と指摘している。近年はパチンコ人口の減少や同業者との競争激化などの影響を受け、「CRうる星やつら」などのパチンコ機で知られる中堅のパチンコ機器メーカー、奥村遊機が名古屋地裁に自己破産を申請し破産手続き開始決定を受ける等、機種回収の影響が出ているそうなのだ。警察庁でも違法な営業を推進しパチンコユーザーに違法な刺激を与えてのめり込ませて依存症にさせ、その家族からお金を搾り取るような悪徳商売を決して許してはならないという事で、これからも違法機種の摘発だけでなく長年にわたり違法行為を繰り返している業界の摘発を続けるという。
2016年01月04日
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私の住んでいる愛媛県知事は「自治体にも倒産がありえる」ということを言っているのだが、借金が膨らみ自治体が倒産したら人々の生活はどうなるかということが雑誌で紹介されていた。破綻すると今まで当たり前で空気のようなものだった行政を嫌でも意識するそうで、都市圏のある都市ではごみの収集を有料化し1リットルあたり0.8円にすることを決めたところ、住民からは「生活できない」と苦情が殺到したというのだ。基本的に行政サービスの存在は辛い立場になった人のほうが感じやすいものだというが、このごみの収集は自治体の倒産に当たる「財政再生団体」となっている北海道の夕張市では、その倍以上の1リットルあたり2円だという。生活に絶対必要な水も夕張市は全国平均の水道料金と比べると倍以上するというのだ。 また軽自動車はコストが安く若い世代に魅力的な移動手段のひとつだとされているが、軽自動車の税金は自治体ごとに決められることから、夕張市では破綻後に1.5倍になったという。生活をしていれば徴収される市民税や道民税も法律である程度上限があるとはいえ、ほかの自治体より上乗せされており、市長曰く「日本で一番高い設定」になっているそうなのだ。それだけではなく仕事が終わったあと「同僚とフットサルでもやろう」と施設を借りると、仮に利用料が今まで100円だったのが、全国で同じ規模のフットサルコートが300円だとわかれば、夕張市は破綻した自治体なのだから300円にしましょうと施設利用料をあげられるというのだ。割安と思われるような料金はすべて高いところに倣って上げられるというのだ。 現在の夕張市は「全国で最高の負担、最低の行政サービス」といわれており、行政的には何も恩恵はなく負担だけが増えたというのだ。財政が厳しいなら議員報酬をカットして身を切るべきではないのかということで、夕張市は260人いた市職員を半分以下の約100人にまで減らし、議員数も18人から9人に減らし報酬も40%カットしているそうなのだ。身を切るところも徹底的にやっているが「まだ足りない」、だから市民に負担してもらっているというのが夕張市の現実だというのだ。地方公共団体の財政が苦しくなったときに備えて、50年以上前に作られた「地方財政再建促進特別措置法」という法律があり、破綻した夕張市はこの法律に基づいて353億円の赤字を18年間かけて返済する計画を立てているそうなのだ。 古い法律のもとで「財政再建団体」になった自治体は夕張市以外にもたくさんあったが、夕張市は抱えた赤字の金額が半端ではなかったというのだ。自治体が自分たちの裁量で使える財源の8倍の借金を抱えていたそうなのだ。基本的に行政サービスの存在は辛い立場になった人のほうが感じやすいもので、普通に暮らせているうちはあまり意識しないが体を壊して働けなくなって生活保護を受けたり、介護認定を受けてデイサービスを頼んだりするなど、ピンチを迎えたときに意識するというのだ。税金を納めていても日常生活のなかで私たちが「行政はサービスを提供するもの」と感じることは少ない。ところが夕張市はひごろ意識もしなかった空気のような「サービス」が急に薄くなってしまったというのだ。 市町村という小さな範囲の団体が水道やゴミ処理や道路などライフラインを管理している事が時代遅れになっていると言われだしており、こうした管理の単位は県単位で良いのではないかということも議論されている。日本語を主に話すという事から日本という地域への所属意識はなかなか外して考える事はできないが、地域の自治組織、町会の運営はボランティアでやっている精神を市町村の運営に持っていけばよいとも言われだしている。一人ひとりが運営に携わることによって自分たちの住む地域への関心や愛着が湧き、より良くしていこうという気概もうまれてくるというのだ。もっとも全市民が借金を返すためだけに働き続けるということのむなしさを、だれも何も考えていないのも実情なのだろう。
2016年01月03日
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日本で働きながら技術を学んでもらう「技能実習制度」で来日した外国人が、実習先からいなくなる事例が相次いでいるそうで、法務省によると今年は10月末までに約4930人がいなくなっており、年間で最多だった昨年の4847人をすでに上回っているというのだ。よりよい待遇の職場を探しているケースが多いとみられているのだが、この「技能実習制度」というのは海外から発展途上国などの外国人を最長3年に限って受け入れ、技能や技術を学んでもらい送り出し国の経済発展を担う人材を育てる目的で1993年にできた。対象の職種は農漁業や建設・食品製造・繊維関係など約70種で、中国からの実習生が最も多く約17万人いる実習生の約6割を占め、次いでベトナムの2割とフィリピンとインドネシアが続いている。 法務省によると外国人実習生は国際貢献のための制度としてできたが、実際には仕事がきつく日本人が敬遠しがちな単純労働の担い手として活用されており、我が国の労働環境のゆがみが浮き彫りになっているというのだ。外国人の技能実習制度で「失踪」が相次ぐのは賃金の未払いなど労働者の権利が往々にして守られない「ブラック」な環境が一因となっており、失踪者の多くは不法滞在しているとみられており、失踪後に難民認定の申請をして特別の在留資格を得ているケースもあるというのだ。外国人実習生は日本人が避ける仕事を担う労働力でもあるということで、私の所属している建設業界では政府が人口減をにらみ法改正して受け入れを拡大する方針となっているのだ。 女性を支援してきた「コムスタカ・外国人と共に生きる会」の代表は「女性は人身取引の被害者として保護されるべきだ」と指摘しているのだが、農業実習生として熊本県に来た中国人女性の場合は別の場所で働いていて警察に摘発され帰国を余儀なくされたのだが、一昨年の夏まで農業実習生として働いていたという。関係者の話や法廷での証言などによると女性は中国の東北部にある遼寧省のトウモロコシ農家の出身で、中学を中退後に弟の学費や家族の生活費を稼ぐためにレストランで働いたが家計は苦しかった。そんなときに実習生の制度を知り日本へのあこがれもあって興味を抱いたという。また「3年働けばもとが取れる」と現地の仲介業者にこう言われたというのだ。 鶏の飼育などができる養鶏業の実習生の資格で来日したところが現実は違っており、作業は「資格外」の卵のパック詰めで月の手取りは時間外労働を除けば約7万円で、未明まで残業のときもあったが日本語の勉強をしながら働いたという。この養鶏業者が労働基準監督署の調査で資格外作業が発覚し働けなくなると、実習生の受け入れの仲介などをする監理団体の寮でいったん過ごしたがこの団体も別の不正行為がきっかけで営業停止になったというのだ。「稼ぎがないまま帰国すると借金や違約金が残る」と思い寮を出て、つてを頼って熊本県内でホステスとして働いたところを、出入国管理法の資格外労働容疑で逮捕されたという。 「だまされた気がします」とこの中国人女性は熊本地裁の公判で語ったそうなのだ。 福岡地裁の公判では女性が自ら日本語で記した上申書を提出し、日本語で「日本が好きで来た。真面目に仕事したかった」と悔しさをにじませていたという。福岡地裁判決は技能実習生の受け入れや送り出しの体制について「問題があったことは否定できない」と指摘した。この女性が中国側の仲介者に払ったとされる保証金や違約金は、実習生の入国許可などを規定する出入国管理法の関係省令で禁止されている。女性を受け入れた監理団体の関係者は女性が中国で払ったとしていることについて「知らない。借金をしてまで来る理由がありますか」と新聞社の取材に対して話したという。法務省はスマートフォンなどを使って待遇の良い職場探しが容易になっていることが外国人実習生失踪者急増の背景にあるとみているという。
2016年01月02日
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長年にわたって日韓の最大の懸案だった従軍慰安婦問題は、日韓両国政府が年末に合意したことを受け日本の関係者や専門家の間では歓迎の声と、韓国内の反発で問題が再燃することを懸念する声が交錯しているそうなのだ。日本軍慰安婦問題に対する観点は大きく分けて二つあるとされており、この問題を女性の人権が無残に蹂躙された国の犯罪として捉えるのに対し、日韓両国が急いで解決すべき外交的課題とみなしている。前者を原則論とし後者を現実論とも言えるのだが、日本政府は戦争や日本の統治で生じた被害の賠償は、「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済み」との立場であり、今回の日韓両国政府合意でもその立場は崩していないとされているのだ。 韓国政府は日本軍慰安婦制度が当時様々な国内法や国際法に違反する重大な人権侵害であったことを認めて、これを覆せない形で謝罪してその謝罪の保証として被害者に賠償することを求めていたのだ。この賠償請求の核心は慰安婦制度が日本の「国家犯罪」であるため、日本がこれに対する「法的責任」を明確に認めなければならないという内容だったのだ。それが岸田文雄外相は共同記者会見で、「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から日本政府は責任を痛感している」と発言するのにとどまった。これは日本政府が河野談話やアジア女性基金で明らかにした慰安婦問題に対する認識とあまり変わらないものだったのだ。 岸田外相もこれに対して「申し上げた内容以上でも以下でもない。当然歴代内閣の立場に従ったもの」としてこれを再確認している。日本政府は慰安婦制度が日本の国家犯罪であるという事実を認めないまま、外交的にこの問題を最終的かつ不可逆的に解決することに成功したことになったわけだが、日本が認めたのが「法的責任」なのかそれとも「道義的な責任」なのかを曖昧に処理し、外交的合意を導き出すために韓日外交当局が知恵を絞った結果と分析されているそうなのだ。韓日両国が「この問題は、最終的かつ不可逆的に解決された」と結論を出しただけに、今後は韓国政府が日本政府に対して慰安婦問題を改めて取り上げることは困難になったとされるが怪しい限りだともいわれている。 政府の関係者も「当初は慰安婦問題に取り組む韓国国内の団体に距離を置いていた歴代の韓国政府も、次第に動かされるようになった。そうした韓国政府と慰安婦問題を主張する団体の関係が、今回の合意で確実に変わるのかどうかはまだ分からず注視したい」という。前に設立されていた「アジア女性基金」は、元慰安婦に「償い金」を支給するものだったが韓国内の慰安婦支援団体などから反発を受け、支援対象となるはずだった元慰安婦の女性約240人のうち「償い金」を実際に受け取ったのは61人にとどまっているという。今回の韓国政府が元慰安婦支援のために設立する財団にn日本政府が約10億円を拠出することは、韓国側に日本との和解をしようという政治決断があり日本側も政治決断をしたということのようなのだ 日韓両国が慰安婦問題で合意したことを受け米国のライス大統領補佐官は、「米国は合意とその完全な履行を支持し、この包括的解決が国際社会に歓迎されるべき、日韓の和解の重要な意思表示であると確信している」と合意を歓迎する声明を発表している。声明では「米国は両国政府が合意に達したことを祝福する」と表明し、合意内容についても「両政府が、第2次大戦中の『慰安婦』の痛ましい待遇について『最終的かつ不可逆的に』取り組むことを明らかにした」として評価したという。「勇気を持ち、この困難な問題に対する永続的和解を構築しようというビジョンを持った日韓両国のリーダーを称賛する」とも述べ、今回の合意による日韓両首脳の決断と指導力をたたえているそうなのだ。
2016年01月01日
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