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作者が誰かから聞いたりしたエピソードを集めたスケッチ集。テーマや芸術的表現があるわけでもなく、誰かから聞いたちょっと気になるような話をそのまま書いた普通のスケッチなので特に見所はない。実際に誰かに会って直接話を聞いた作者にとっては面白いかもしれないものの、それを又聞きの形でひとつのエピソードだけ抽出されて読む読者にとっては相手の人となりがわからないぶん面白みも失われる。★★★☆☆【送料無料】回転木馬のデッド・ヒート [ 村上春樹 ]価格:420円(税込、送料別)
2012.07.29
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バイセクシャル変態のJが痴漢少年と知り合ったりする表題作とその他の短編。三人称。一章ではどこかの田舎に映画を撮りに行く物語だけれど、素性のわからない人物が一挙に登場すると各登場人物の思考の掘り下げも浅くなり、読者は変な人が変なことをしていると傍観するだけで、誰にも共感もできずにしらけてしまう。そのうえ第一章の内容が第二章にプロットとしてつながらず、何のために第一章のエピソードを展開したのか意味不明。村中で不倫した女をのけものにする田舎者ととっかえひっかえ不倫する都会人を比較するつもりだったのかもしれないものの、主人公一味が当時の倫理観からみてどの程度の変態なのか状況がわからない。これが書かれた昭和38年当時は破廉恥な描写をするだけで面白かったのかもしれないけれど、現代に読んでも特に面白くもない。二章ではJの物語というより痴漢少年の物語で、Jに主人公としての存在感がなく、Jの視点にする意義がない。場面を展開する筆力はあるのだけれど、物語の展開の仕方に失敗している。昭和ごろの性的倒錯した人間の苦悩のようなものを若干は表現したのかもしれないものの、物語としてつまらない。併録の「セヴンティーン」は左翼かぶれの厨二病の高校生がサクラで右翼のふりをしたら右翼の大物に認められてガチ右翼になる話。誇張されてる感じはあるものの、テーマがはっきりしていて時代観を反映してる分だけ表題作よりもうまくまとまった仕上がりになっている。★★★☆☆【送料無料】性的人間改版 [ 大江健三郎 ]価格:420円(税込、送料別)
2012.07.29
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13人と犬1匹の大家族の一家にハンガリーからの留学生ボラージュが彗星のように突然やってきて帰っていく話。三人称で主に妻の敦子の視点から物語が展開する。80年代末の日本がバブルでソ連がまだ崩壊していなかった頃の時代が舞台だけれど、主婦の目線で物語を展開したせいで時代のダイナミズムが物語に取り込めていない。その上、家庭を物語焦点にしてしまったせいで共産主義からきた外国人留学生という存在が物語を異化しておらず、家庭内にトラブルが起きるという程度でしかなく芸術的要素はない。三人称なのに視点の移動が乏しく三人称の利点を活かしきれておらず、共産主義から来た留学生の目線で日本がどう映るのかがあまり書かれていない。物語は敦子の妹夫婦が離婚しただの妹の長男が不良グループに加わっただの娘が不倫して捨てられただのという雑多な昼ドラ風エピソードが延々と続くだけでボラージュの存在意義がなく、物語の構成も視点移動の技術面でも失敗している。薄っぺらいエピソードが連なる昼ドラ風凡作で見所はない。★★★☆☆【送料無料】彗星物語 [ 宮本輝 ]価格:660円(税込、送料別)
2012.07.23
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旋風に襲われて故郷が破壊されたらどさくさにまぎれて好きでもない女が告白したので振ったという表題作とその他の短編集。一人称の回想形式。森を散策する楽しみを感じられなくなった少年時代の喪失感と純愛への憧れを混ぜた構成でヘッセらしい仕上がり。短編でプロットに工夫もなく、回想形式にしたことで描写や感情表現が単調になっているのが物足りない。★★★☆☆
2012.07.17
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フィリップ・マーロウという探偵が誰かを撃ったり誰かに撃たれたりする短編集。マーロウの一人称と、マーロウが出てこない三人称の短編があり、続けて短編を読んでも飽きないような本の構成になっているのはよい。ハードボイルドの文体が優れているというよりも、銃撃戦とか探偵とかが好きな人はそれだけで十分面白いだろうから、くどくどした背景の説明をせずにさっさと悪党と銃撃戦を展開してくれるほうが面白く読みやすい。誰かの死に対してウェットな感情表現がなくさくさく物語が進むのはよいものの、ヘミングウェイのような小説的技法を使ったりするわけでもなく、エンタメの域を出ない仕上がりで一度読んだら読み返すことはなさそう。★★★☆☆【送料無料】事件屋家業価格:756円(税込、送料別)
2012.07.17
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アメリカ文学初期の旅行記やエッセイなどの散文。リップ・ヴァン・ウィンクルが山で一晩寝たら20年経っていた話などは怪奇短編小説として面白い。他の旅行記やエッセイなどはつまらないわけでもないものの、現代に活かせる思想が書いてあるわけでもなく、アメリカ文学研究者でもなければ特に読む必要もなさそう。★★★☆☆【送料無料】スケッチ・ブック [ ワシントン・ア-ヴィング ]価格:504円(税込、送料別)
2012.07.17
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第二次世界大戦に参加する予定が延びたニートがいらいらする話。主人公の一人称の日記形式。主人公が価値観が異なる人と対峙することによって、主人公なりの価値観が浮かび上がってきて、金持ちになった兄の上流階級意識を拒否して共産党からも離れ、何も仕事をしていない生活を恥じつつ、神を信じていて戦争には賛成していることが人間的であると考えているらしい。小説の焦点はこの主人公の思索なのだけれど、主人公に思想家としての魅力があるわけでもなく、物語自体が面白いわけでもない。主人公はいらついてあちこちで喧嘩をするだけで、プロットにひねりもなく、人間的であるということについての思想も戦時下の当事者にしては浅い。終盤になってようやく戦争と死についての自問自答で思考が掘り下げられるものの、主人公が最終的に何の動機で戦争に参加するのかという思想がはっきりしない。日記形式にしたせいで物語として散漫になり、これから先主人公はどうなるのだろうという好奇心も起きない。しかも最後は入隊して終わりというそのままのオチで物語として何の工夫もない。退屈なうえに長編という二重苦。★★★☆☆
2012.07.13
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