日日是口実

「十代目金原亭馬生・東横落語会」

​買ってしもうた…買ってしもうた…買ってしもうたぁ（笑）!!税込38,500円!!…高いっ!!…でも高くないっ（支離滅裂）!!落語ファン待望の商品と言い切っていい、超豪華ＣＤブックが3月15日に小学館から発売された。ネジネジ親父こと（笑）中尾彬の義父！池波志乃の父！そして志ん朝師の兄にして、志ん生師の長男!!…別にいちいち羅列するこたぁないのだが（苦笑）その早世が惜しみても余りある、十代目金原亭馬生師の“東横落語会”での音源が網羅された、ＣＤ20枚組・全50席（初収録が46席！）のＣＤブック。ハイパー高額商品ながら、何の躊躇もなく昨年末に予約をして、今日買ってきましたヨ。西新宿ミュージック・テイトで!!上に美濃部一族の名前を羅列しちゃったけども、このセットのキャッチコピー（公式ＨＰの）に、私ゃ惚れた。「『志ん生の長男』でも『志ん朝の兄』でもない、馬生ならではの世界をお楽しみください」​実にいいフレーズ。これ、その通りだと思う。---------------------------------------------------------------私の周囲の落語好きは、志ん朝ファンも、当然志ん生ファンもたくさんいるのだが…圧倒的に馬生ファンが多い。フワフワとした軽さの志ん生師、流麗な語りの矢来町に比し、独特の間合いと、俳句に通じるような「無駄な説明を省いて、少ない言葉で情景を表現する」馬生師に、みんな惚れている。言い間違いが激しかったり、当日の体調によって出来不出来が激しかったりする？点が、今までお父さんと弟に比べて正当な評価が得られなかったところなのかもしれないが、このＣＤで新たにファンが増えていくかもしれない。この文を書いている時点では、１枚目と２枚目しか聴いてないのだが、これでもう「買って正解！」と喜んだ（笑）。「ざる屋」の上田昇（主人公。霧島じゃないよ）のヘンテコなキャラクターに笑い、「狸賽」での子狸の可愛らしさに唸り、「もう半分」の飲み屋の女将の冷たさ・残酷さに息を飲んだ。落語のＣＤ、ひとりで部屋で聴いているときは、笑いもせずに淡々と聴き流すことが大半なのだが、馬生師のこの東横の音は、ついつい笑ってしまった。これは凄いことだと思う。そして解説本の濃厚さ！これがまた凄い。和田尚久さんの解説、草柳さんの音源解説、ウチの保田先生や山本益博さん、直弟子である伯楽師・雲助師・当代馬生師が語る思い出話も、実に結構！中でも、娘さん３人（志乃さん・由紀子さん・寿美子さん）の鼎談が読み応え満点で、かなりオススメ。ただ保田先生から直で聞いて爆笑した、東横での馬生師の大失敗の顛末が、保田先生のとこに書かれていなかったのが少し残念だった…でもまあ、あの話は書けないか（笑）。--------------------------------------------------------------んなこたぁともかく、これから連日、寝る前にちょこちょこ馬生師の世界を堪能していけそうだ。確かに超高額セットではあるが、落語好きな方は、ちょっと無理をしてでも購入すべき商品ではないかと思う。