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2012.03.07
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カテゴリ: 歴史
『中国化する日本』を読み進めています。
すでに中国脅威論に染まった大使の読み方は、どうしても「敵の本質とは何か?」という読み方になってしまうのです。
与那覇さんは、そんなナショナリズムを超越し、学者の分をわきまえて論を進めるので・・・・
もうひとつ、大使には響いてこないのです。(読み方が良くないだけかも?)


<明朝は中国版江戸時代?>p61~63より抜粋
 このように見てくると、ポスト宋朝時代の中世日本というのは「時々だけ中国に似た政権が樹立されるのだが、おおむね短命に終わる」という独自の地政学的状況にあったことがわかります。
 だとすればあ(私のように)中国史に不案内な日本人が中国を理解するには、この逆を張ればいい。宋時代以降の近世中国とはしごく稀に日本に似た政治体制が構築されるのだが、すぐまた壊れてしまう地域だと思っておけえばいいのです―この「しごく稀」な例外の一度目が、モンゴル帝国崩壊後に成立した明朝でした。
 これは、なぜ古代以来の最新先進国だったはずの中国が、近代西洋のような世界支配に失敗したのか、という問いの答えとも密接な関係があります。1400年代前半に行われた鄭和の大遠征のような海外拡張政策が継続されていれば、ヨーロッパの大航海時代などというものは出現せず、とうの昔に中国は世界経済の支配者になっていたはずというのが、現在の欧米のグローバル・ヒストリーの標準的理解ですから、21世紀の今になって尖閣沖での漁船衝突やら中国海軍の空母保有やらに慌てふためく日本人などというのは、時勢に600年以上遅れた滑稽な存在です。

 モンゴル帝国が衰えたのは、銀不足により紙幣に依存した結果、経済が混乱したためだと見られています。今のように誰もが不換紙幣に慣れていれば、銀不足でもどうということはないのですが、一般人が銀との兌換を諦めきれない状況の場合、紙幣が銀に交換できないことは、帝国の正統性を揺るがしてしまう。
 人類が金本位制を完全に諦めたのは第二次大戦期であり、最後の兌換紙幣だったドルと金の交換が停止されるのが1971年のニクソン・ショックですから、モンゴル帝国は遅れていたのではなく、進み過ぎていたがゆえに滅びたというべきでしょう。 
 ところが当時は、そう考えられないのが人間というものです。モンゴル人を北方に追いやって明朝を建国した洪武帝は、銀に依存した経済政策こそ亡国の元凶と見なして、中国史上珍しい「反グローバル化」政策をとります。

 中国大陸で後の徳川日本のような社会の建設を目指したのが、明という例外的王朝といえましょう。鄭和の艦隊は、この洪武帝の統治を否定して即位した永楽帝の決断によるものでしたが、なにせ明朝の基本線が鎖国政策であるので、彼一代の事業で終わってしまった。
 かくして、中国は世界覇権を掴むチャンスを失い、その隙間をヨーロッパが埋めることになったのです。

 明という例外的王朝が無かったら、中国の世界覇権が完成していただろうということで・・・・今と違った(恐ろしいような)世界が出現していたのでしょうね。
これは、SFとして書けば、結構面白いかも。



<窓際族武士の悲哀>p103~105より抜粋
 近世日本の身分制が、「隣国中国ではとうの昔に廃止されているにもかかわらず、あえて選ばれた身分制」である点は先に申しました。言い方を変えると、宋朝が身分制度を廃止してしまった時点で、東アジアは(ヨーロッパのようなド田舎とは異なり)身分制を維持するにはそれなりの手当てが必要な社会になってしまっていたということです。身分が下のものでも、そこそこメリットを感じられるようなしくみでなければ、自明のものとして身分制度を押しつけることなど不可能なわけです(何度でも書きますが、現に中国では身分自由なのですから)。
 かくして、徳川日本の身分制は「地位の一貫性が低い身分制」という、世界史的に見てユニークな形態をとります。 社会学の分野では、「政治的な権力者が、経済的にも資産家で、文化的にも優越者である」ような社会を「地位の一貫性が高い社会」といいます。「ある指標で優位な地位を占める人が、他の指標でも優位な地位を占める社会」であり、ざっくばらんにいえば、特定の勝ち組がすべてを独占して「敗者にはなにもくれてやらない」社会ですね。

 典型は、ここでも近世の中国です。科挙の合格者は官僚になって政治的な権力を振るう一方、往々にして合格前から兼ねていた地主や商人としての副業も(お役人とコネをつけたい人々が殺到して)ますます繁盛し、贈賄や領民からの搾取をはじめとした「役得」を含めて経済的にも大儲けができます。また、当然科挙にうかった時点で文化的な威信も絶大で、頭がいいばかりか生きながらに儒教道徳を体現した人格的にも高邁この上ない存在として衆庶の期待を背負うことになる。権力も富も威信もすべて独占するわけです。
 これに対して、近世日本というものは身分制社会でありながら、実は「身分が上のものがすべてを独占して下のものにはなにもやらない社会」(地位の一貫性が高い)ではなく、「身分が上のものが名を取る分、下のものが実をとる社会」(地位の一貫性が低い)だったのです。


 日中の成り立ちがこれだけ違っていれば、民衆の価値観が違うのは当たり前であり・・・・
「同文の民」などと甘いことを言っているのが、ガラパゴス日本なのかも知れないですね。
(こんな読み方でいいんでしょうか、與那覇さん)


とにかく、猛る人民解放軍を政権中枢が押さえているように見えるけど・・・・急カーブを描く軍拡は多少なりとも鈍化する気配は出るでしょうか?

様変わりの人民解放軍2





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Last updated  2012.03.07 17:22:11
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