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2016.06.10
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『大阪名物』という本を手にしたのです。
・・・おお 東京嫌いの大使向けの本やないけ♪

何でもかんでも東京へという1極集中の風潮に逆らいたい大使でおます。



大阪

井上理津子×団田 芳子著、創元社; 新版、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
厳選約70品、名物案内の決定版にして最新版。みやげもん。うまいもん。ほんまもん。大阪に名物、あります。

<読む前の大使寸評>
何でもかんでも東京へという1極集中の風潮に逆らいたい大使でおます。

amazon 大阪名物


読みどころの多い本であるが、古式こんぶ茶から、いくで!
p8~9
<古式こんぶ茶> より
古式こんぶ茶

 「大阪の誇り」「食の正義の味方」「食文化の守護神」。この店の三代目・土居成吉さんをひとさまに紹介するときに私が使う慣用句だ。大袈裟?・・・いやいや。おちょくっている?・・・とんでもない、大真面目である。

 江戸期に北前船でもたらされた北海道の昆布が、大阪で加工され、塩昆布やとろろ昆布、世界に誇る日本料理の基礎となる昆布だしを生みだした。

 そんな伝統ある大阪の食文化を守り育て、本物を次代に伝えること。それを、創業百有余年の「こんぶ土居」の使命と、最上級の真昆布を揃え熟成させ、昆布生産者の生活環境にまで心を砕き、便利でなければ本物もすたれると「日本の出し」などのアイデア商品を出し続けている。三代目は、まるでいにしえの貴人のように風韻のある方だが、料理人の集う勉強会で、「うまみ調味料を使うのは料理人の恥だと思ってください」と静かな声音できっぱりと諭したりもする。誠にもってこのように清廉な人物を私は他に知らない。

 店は空堀商店街の一角にある。元銀行だった建物を改修した堂々たるものだ。古い建物が壊せるのが忍びなくて、「うちもお金はないんですが」と言いつつ、近所から移転したのは10年ほど前だったか。最寄りの谷町6丁目は私の事務所の隣の駅なので、母の好物の梅味のおやつ昆布や、手抜き家事のお助けグッズ「十倍出し」を買いに、ちょいちょい覗く。するとかなりの確率で知った顔に出会う。

 阿波座の星つき懐石料理屋の主や手打ちうどんの店主など、だしの味が際立つ名店の料理人たちだ。ある日、「僕これにはまっているんですよ」と小さな瓶を指し示したのも、偶然居合わせた割烹の店主だった。早速試し買いした「古式こんぶ茶」に、私もすぐに虜になった。

  「2002年くらいだったか、まともな昆布茶が非常に少ないのでつくったんです。売れなくてもいいと思っていたんですが、売れなくもないんですね。不思議に」と土井さんは微笑む。
 化学調味料や大量の塩を使わずに、きちんと昆布の滋味を味わえる昆布茶ができないか。昆布の粉を湯に溶いてもどろっとして美味しくない。試行錯誤していたおり、ご近所のお年寄りから、「昔は昆布を短冊に切って炙ってお湯をかけて飲んだ」と聞いた。

 化学調味料が広まる以前の話なのだろう。それをヒントに、「味の濃いのに慣れている現代の人にも美味しいと思ってもらえるようなもの」ができた。細切りの昆布を湯飲みに一つまみ入れ、お湯を注いで3分置けば、何ともまろやかで滋味深い、しみじみ心を満たしてくれるような昆布茶になる。ただし、これを東京の友人宅に手土産に持って行き、得々といれたらいつものうまみが出なくて焦った。水のせいらしい。

 そう言えば京都の老舗料亭が東京に出店したとき、「美味しいだしを取るために必要だから」と、わざわざ京都から水を運んでいたっけ。というわけで、必ず軟水を使っていれてほしい。

古式こんぶ茶瓶いり(38g):470円


お次は、白菜キムチやで♪
p42~43
<白菜キムチ> より
 唐突だが、私はO型である。O型は、狩猟民族の裔ゆえ肉食で、乳酸菌食材としてキムチを食べると体に良いらしい。血液型占いなぞ信じないし、ことさら健康志向でもないが、この話は肉食でキムチ好きの私にはまことに好都合。よって喜んで毎日キムチを食べている。どうせ食べるなら旨いものを食べたいから、キムチ屋を見つけるたびに買って食べ比べている。

 そして結論。一番本場に近いキムチがあるのは桃谷だ、と私は思う。桃谷には日本最大のコリアタウンがある。駅に着いた瞬間に焼肉の臭いが電車内になだれ込むと有名な、環状線の鶴橋のひとつ南が桃谷駅。駅前に商店街があるが、ここはまだ“日本”なので、軽くスルーしてアーケードを抜ける。左折して御幸森天神宮の裏手へまわると、極彩色の百済門がたっている。

コリアタウン
 これが戦前から朝鮮市場と通称され、御幸通東商店街と改称し、今はコリアタウンと名乗る商店街の入り口だ。門をくぐると途端に、看板や店と客の会話にハングルが混じりだす。染め粉のような唐辛子の粉が数十種もある乾物屋や豚肉専門店、ありとあらゆる朝鮮食材の店が並ぶ。鶴橋にもコリアンな商店街があるが、こちらはより日常的で、その分値段も少々安めだ。

 キムチ専門店は20軒ほどあり、私の気に入りは、商店街の中ほどにある「キムチのふる里」。2002年にオープンした店は、比較的小ぎれいだし、よそにないものを出して差別化を図ろうと意欲満々ノキムチは60種!済州島から昭和57年に日本に来た、元気で明るい中村順女さんが毎日漬けている。

 大根はカクテキのほかにチャンジャと漬けたもの、干し大根、大根の葉と数種、トラジと呼ばれる桔梗の根っこ、ニラ、トマト、小松菜、大豆、生イカ、明太子、ワタリガニ。なんだってキムチになる。

 白菜キムチは1キロ600円。そう、キロ単位だ。鶴橋には観光客用の小口の真空パックなんかもあるのだが、ここはデイリーな商店街なので、1キロのキムチを近所仕様でドサッとビニール袋に入れるだけ。臭いが気になる人には、アイスボックスなどを準備いただかなくてはなるまい。

白菜キムチ1kg:600円


関西の食の真髄については 『上方食談』 もお奨めです。





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Last updated  2016.06.10 07:57:39
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