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2016.08.28
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カテゴリ: アート
図書館で『小村雪岱 物語る意匠』という本を手にしたのです。
小村雪岱の版画と装丁による本は、宝石のように美しいのだが・・・この本の装丁もまあまあでんな♪



小村

大越久子, 埼玉県立近代美術館、東京美術、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
小村雪岱は、大正から昭和の戦前期にかけて、装幀、挿絵、舞台美術など、多彩な分野で名を馳せた美術家です。本書では、雪岱の仕事に共通する天性の魅力を「意匠」ととらえ、その才能を最も開花させた装幀と挿絵の世界を中心に紹介します。
【目次】
1 鏡花本の世界/2 ふたりの女おせんとお傳/3 装幀の仕事/4 挿絵の仕事/5 雪岱のわすれがたみ

<読む前の大使寸評>
小村雪岱の版画と装丁による本は、宝石のように美しいのだが・・・この本の装丁もまあまあでんな♪

rakuten 小村雪岱 物語る意匠


挿絵といえば、モノクロームの線描画が主となるが・・・
雪岱の挿絵が素晴らしいわけで、線描画の達人というべきか♪

p120
<挿絵の仕事>
 雨や家並みを刻む繊細だがゆるぎない直線、ひょろりと引き伸ばされた女の姿態、小さな画面の中の深い奥行き、光とも闇ともつかない白と黒の面がぶつかり合う大胆な構図、凄みのある場面にふと揺れる秋草、群のリズムと個のリズムの使い分け・・・・。

 硬と軟を織り交ぜつつ、意表を突く解釈で挿絵に独自の境地を切り開いた雪岱。感情表現の起伏は控えめながら、彼ほどに見せ場を心得、洗練されたモノクロームの味わいを生みだす挿絵画家はそういない。その挿絵の一枚一枚は、もし小説を離れたとしても十分に鑑賞に堪える独立独歩の魅力を持っている。

 挿絵のデビューは、装丁の仕事が少しずつ注目されてきた大正11年。里見淳が『時事新報』に連載して「多情仏心」である。資生堂に出社し、夕方までに1枚仕上げて帰りに新聞社に届ける毎日であったというのだら呑気な時代である。続く鏡花の「山海評判記」で古今東西が混沌とした時空表現の洗礼を受け、雪岱調の片鱗があらわれてくる。この辺りからぐっと注文が増えてきて、昭和8年、江戸情緒を得意とする邦枝完二の「おせん」で江戸と現代の感覚との調和がとれた洒脱な作風が評価され、誰もが認める人気挿絵作家として一気に花開いた。

 後に「髷物以外のものも描きたかった」と漏らしたほど、股旅物をはじめとする時代物にお呼びがかかることが多く、純文学から大衆小説まで、生涯に200作に及ぶ作品を手がけた。愛用していたのは、腰のやわらかい面相筆である。

 雪岱が活躍したのは、大量印刷の技術と全国的な流通網の整備に伴う大衆文芸の隆盛期であった。読んでも見ても楽しい廉価な雑誌として、まず大正11年4月に、雪岱の活躍の場となった『週刊朝日』と『サンデー毎日』が、さらに『キング』『大衆文芸』『富士』『オール読物』などが続々と発刊され活況を呈した。新聞の発行部数も伸びた。

 挿絵は雑誌や新聞の売上を大きく左右したことから、読者の興味をそそるように、小説の引き立て役以上の力量が求められ、浮世絵系、正統派の日本画系、洋画系、そして挿絵を専門とする画家たちが腕を競い合った。紙上はさながら賑やかな展覧会場のように沸き立ったが、その中にあって雪岱の挿絵は平明で凛とした強さがあり、特に浮世絵風の美人を描かせたら右に出る者がいなかった。

挿絵1

挿絵2

挿絵3
小村雪岱の画像 より

『小村雪岱 物語る意匠』1





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Last updated  2016.08.28 00:01:08
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