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2017.02.05
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カテゴリ: 歴史
図書館で『民家ウォッチング事典』という本を手にしたのです。
全ての項目が絵と説明文が開いた2ページに収まっているという構成なので、たいへんビジュアルで親しみやすい。著者の絵心もなかなかのもんやでぇ♪



民家

吉田桂二著、東京堂出版、1987年刊

<「BOOK」データベース>より
民家はバラエティーに富んだ存在だから、これを通観して断片をひとつにまとめることはできない相談だが、心に刻みこまれた民家の映像を、育てることができるのではないか。断片は、それに注目する目を持たなかったら、拾い集めることはできない。そんな目を自分の目にすることに、この本が役立ってくれたら、ということで、書名を「民家ウオッチング事典」とした。
【目次】
高八方造り/高塀造り/雀おどり/港町/切り落し造り/反り棟造り/十村役/ひんぷん/塗り家造り/じょうご造り/武家屋敷/曲り家/寄棟屋根/かぶと屋根/切妻屋根/入母屋屋根〔ほか〕

<読む前の大使寸評>
全ての項目が絵と説明文が開いた2ページに収まっているという構成なので、たいへんビジュアルで親しみやすい。著者の絵心もなかなかのもんやでぇ♪

rakuten 民家ウォッチング事典


町屋の通り土間を見てみましょう。
通り土間

p116
<町屋の生活に欠くことができない通り土間>
 町屋の間取りは、ごく大ざっぱに言い切ってしまえば、どこでもほとんど同じと言っていい。部屋数とか家の大小とか、多少のつくりの違いを無視してしまうなら、それほどの違いがあるっわけではない。しかしそんなことを言うと、農家だって大同小異ではないか、という反論があるだろう。

 けれども町屋と農家のどちらに地方性が濃厚かというなら、これは農家に軍配を上げないわけにはいかない。自然発生的な農村に比べ、都市というのはどこでも人為的なものだから、地方性が意外と少ない。

 では、町屋に見られる最も大きな共通性は何か、というなら、それは通り土間でしかないだろう。通り土間は町屋が町屋として成立しうる底辺をなす重要な要素である。もっとも長屋のような規模の小さな家にあっては別になる。

 農家と町屋の違いの最たるものは、家の密集度だ。家が密集して隣家と密接し、家の横に余地がなく、土足のままで家をまわって家の裏にゆけないとき、家の中に貫通して土間を設ける通り土間は必須の施設となる。

 今の生活だったら、土足のまま家の裏にゆくことができなくても、さして困ることはないが、台所や便所などが家の奥にあって、そこと表との間の物の運搬、たとえば薪とか汚物の汲み取りなど、土足のままの方が都合のよいものが家の奥にあれば、通り土間は欠くことができない。

 土足でなければならない生活が、もし家の奥にないなら、通り土間は必要でないだろう。しかし町では地価が高く、特に通りに面した部分では顕著であるし、間口の大小によって課税したところもあった。このため町屋には間口が狭くて、奥に長い家が多くならざるをえない。家の通りに面した部分は経済価値の高い部分だから、そんなところに台所や便所を取ることはできない相談だ。

 そこは家の表側として大切なスペースである。こんなわけで、通り土間は町屋に共通する最大の要素となった。 



神戸市に在る「箱木千年家」を見てみましょう。
千年家箱木千年家

p34
<現存する最古(15世紀)の民家・千年家>
 古い民家を訪ねてゆくと、住んでいる人に、この家は何百年たっている、などということをよく聞かされるが、たいていの場合は明治以後の家が多い。江戸時代にさかのぼる家は、それほど多くは残っていない。

 では、現存する家でもっとも古い家はいつごろのものでどこにあるのか。それは箱木千年家と呼ばれる家で、新神戸駅よりなお北の、神戸市のはずれにあって、室町時代後期、1400年代末と推定されている。この家は元禄の頃、すでに千年家と呼称されたというのだから大変なものだ。

 千年はオーバーだが、その頃でさえ二百年、今では五百年もたっている。ちなみにいえば、千年家と呼ばれる家はもう一軒ある。古井千年家と呼び、同じ兵庫県だが、もっと山中、中国自動車道よりも北にあって、こちらの方は室町時代末期、1500年代であるという。

 このふたつの千年家はよく似ていて、軒が非常に低くて、かがんで入るほどだし、土壁が柱の外面についているので、中からは柱が見えるが、外は土壁が塗りまわあれていて柱が見えない。内部には細い柱が林立している。

 民家は古い家ほど用材が細いのだ。かんなのない時代なので、刃の丸い手斧でけずってあるため、木材の仕上面に細かい凹凸がある。間取りは家の東半分が土間で内厩を区分し、家の西半分は板床で表側に一室のおもて、奥は二分されてなんどとおえだが、おえの方は土間に開放されている。おもては座敷で儀礼の部屋、おえが居間でなんどが寝間である。

 貧相な家にしか見えないであろうが、この程度で土地の権力者の家であったのだ。したがって一般が住む家はおして知るべしだ。室町時代でさえ、太古さながらの竪穴式住居に住んでいる人がいたという。





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Last updated  2017.02.05 00:16:14
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