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隙を突いた二人目が侵入してくるが、破裂音に動きが止まる。無防備になったところをゴドックは見逃さず、確実にひとりを退ける。「こいつ、銃持ってやがる!弾切れを狙っていくぞ」狙い通りに弾を避けて、シュライが充填する隙を狙うもゴドックに阻まれる。敵がシュライの銃弾を避けてくれているうちは、まだ戦える。だが、時間が経つにつれ、多少の傷は構わず前に出て来ようとする。(ここからが本番ですか。どこまで耐えられるか、ですね)シュライは出し惜しみせず撃ち続ける。ついに弾が当たると痛みはあるが、耐えられないほどではない。「なんだよ、おもちゃか。ふざけた真似しやがって」敵の士気が上がり、状況は不利になるが、二人はあきらめてはいない。銃声が間隔を狭めて鳴り響き、そして訪れる静寂が、反撃の合図となる。しかし、踏み出した一歩目で銃弾が飛んでくる。「銃が一丁だと言った覚えはありませんよ?数当たれば我慢できないはず」両手に銃を構えてシュライは奥の手を披露する。(シュライが奥の手を出したか。最終局面だな)ゴドックは守備に専念しているが、前に出る時を見定めている。(シュライが弾切れする前に終わらせないと・・・)焦って前に出る間合いを間違えれば、一瞬にして終わる。だからといって、ヨーディたちが間に合うという確証はない。ここで出なければ、二人で勝つ可能性はなくなるが・・・。生まれた迷いから、守り続けていた身体が攻勢に転じる瞬間をとらえきれない。さらには、剣をはじかれ押し込まれる。(マズい)なだれ込もうとしたところをシュライが止める。意を決してゴドックは攻勢に転じ、剣を振り払って押し返す。そこから追撃するため、剣を突き出して仕留めに行く。またすぐに剣を引き抜いて目の前の敵に備える。ゴドックが作った時間でシュライはできる限り弾を充填する。ひとりずつ倒していきたいが、二人も疲れが見えてくる。「これ以上の時間はかけられない。全員で行くぞ」こうなると今までのようにはいかず、シュライも剣を手にゴドックの隣に行く。ゴドックは右側にいるシュライを気遣いながら戦う。「悪い、もっと早く仕掛けておけば・・・」「いまできることをやる。それだけです」
2020/07/26
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ヨーディのうしろでケジは笑いをこらえきれない。「ここまで読み通りだと、なんだか拍子抜けだな」そんな様子をヨーディは注意するが、本人は気にも留めない。「ここは武を極めた者の出番でしょう。俺の役目は終わりっと」「おわってねぇ。成し遂げてこその策略だろ?」ケジはおしゃべりをやめてヨーディに付き従う。ヨーディはじりじりと前に出る。「お前らの時間稼ぎにあわせるつもりはない。向こうも心配だし」「作戦がばれてるからなんだってんだ!防げば俺たちの勝ちだ」ヨーディは部屋に戻るため前に進む。「うしろは任せたぞ」ケジは一歩遅れてついていく。「無暗に突っ込むのは作戦にないって!」残った二人はこの日も不安を抱えながら、いつか来る敵を待つ。「この時間を狙って襲撃してくるに違いない」ケジの予測に対して、どう対策するかを考えていく。ヨーディの独断でゴドックとシュライに部屋の守備を任せる。「戦い方としては、狭い部屋を生かしたものになる。 中にさえ入り込まれなければ、二人でも十分対抗できる」戦い方を指南するため、武器を手に取らせる。「お前は銃使うのか?シュライ」「自作なんで、殺傷能力はあんまりないですけど・・・」シュライの荷物には大量の弾が入っている。シュライが飛び道具を使うということは、うしろからの攻撃になる。残りのゴドックが必然的に前衛に決まる。ヨーディとケジを相手にここの動きを確認する。「相手は二人以上いるだろうけど、落ち着いて動けば問題ない」連日の練習によって、二人の息も合い始め、シュライが弾を充填する間合いもわかるようになってくる。「戻ってくるまで何とか耐えてくれ」ヨーディたちが出ていく前の言葉が習慣のようになってきている。二人になってからしばらくして外がざわめき、戸が勢いよく開け放たれる。「金出すなら、命だけは見逃してやろう」数人が襲ってきているが、落ち着いて相手の動きを観察できている。「そんな気は全くないってか、死んでも恨むなよ」最初の一人が動いて、ゴドックが受け止める。その動きを予想して残りの者たちも半歩ずつ前に詰めてくる。
2020/07/19
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翌日、ヨーディたちは作戦会議に移っている。「黒雀を現行犯で捕まえるのは難しそうですね」「その前に何の目的で破壊行動を起こしているのか考えるべき」目的が分かれば、解決策が見いだせるとケジは言う。ヨーディは気になっていたことを聞かずにはいられず、聞いてみる。「ケジ・・・お前のその、恰好はなんだ?」昨日までと違って派手過ぎる服装に違和感を感じている。「俺はハデなのが好きなんで・・・と言うのはウソですけど」依頼の話を聞いてからずっと考えていた持論を展開して意見を求める。「それって・・・あんまりにも極端な気もするが」「こう考えれば応援要請する理由もわかる」このまま状況を見続けたとしても敵の正体が分かりそうにないと、ヨーディはケジの作戦を受け入れる。それから数日、とある部屋では数人が集まってきている。「エインテルが応援に来たというのは本当か?」「そう聞いてるが、あいつら毎日騒いでるだけだぞ!」昼間は何か調べているようだが、夜になるとずっと騒いでいる。計画ではもう少し様子を見るつもりではあったが、すぐにでも実行しようと苛立ちを抑えきれなくなっている。「一応、エインテルだけは注意しておこう。他は名家の御子息だとよ」さらに数日後の夜、ヨーディたちの部屋は相変わらず明かりがついている。虫の音が広がる夜更けに、戸が開いて二人出てくる。「出てきた。作戦通りに行くぞ、ぬかるなよ」夜風にあたりながら、二人はふらふらしながら歩いていく。(よし、そろそろ仕掛けるぞ)と目で合図して一斉に襲撃する。「なんだ?」驚いた声とは裏腹に、軽快な体さばきを見せる。思ったほどの流れを引き寄せることはできず、「エインテルはこっちか。気合入れていかなきゃな」すぐに仕掛けることはせず、距離を保って時間をかける。その理由はエインテルがいるからではなく、こちら側が引き止め役だからだ。残りの実行犯は、もといた部屋に乗り込んでいる。「金目のものを全部出せば、命だけは見逃してやる」だが、そんな脅し文句を言われてひるむわけもなく、「命も金もくれてやるつもりは微塵もねぇ!」
2020/07/12
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数日かけて目的地に向かう間、ヨーディは三人のことを聞いていく。それぞれ同世代ではあるものの、面識があるという程度だという。雰囲気からして性格や特長が異なっている感じがする。三人は未成年で遠征した経験もない、ということを聞いたヨーディは、「おそらくだけど、これ以上、資金が増えることはないと思う。 長期化することも考えて、無駄遣いはしないように気をつけよう」ヨーディの言葉に理解を示しながらも、「多少は持ってきてます」とそれぞれが口にする。「それにしても、お前は荷物多すぎねぇか?シュライ」「そんなことはありません!しっかりと考えればこれくらいは必要です」慎重なシュライに対して、ケジは真裏の考え方をしている。「むしろ現地で金を落とすべきだと思うけどね」意外ともっともなことを言うケジに一同は納得する。一日目の行程を終え、狭い部屋にみんなで休んでいると、ヨーディはゴドックの荷物に足を引っかける。それは予想以上に重く、突っ伏しそうになるのを必死でこらえる。「おもいな!なにいれてんだよ」「あー、すいません!重石入れてるんで」ゴドックは自主訓練に力を入れているようだ。「俺は今回、役に立つかどうかわからないんで」「ほどほどにしておけよ。いつでも動けるように」日程通り、目的地に到着する。「今回、依頼を承りました。エインテル・Y・オルディックと申します」「なんと!あのエインテル殿が来ていただけるとは。感謝申し上げます」挨拶もそこそこに依頼内容について詳しく聞く。ここ最近、器物損壊事件が多くなってきているという。それだけなら応援を呼ぶほどではないが、ひとつひとつの事件が関連していると思っているようだ。その理由が犯行現場に残された印。爪痕を交差させているもの。「我々はそれを黒雀、と呼んでおります」この集団が今後、大きく影響を与えるかもしれない。その前に早急な対処をしなければならないと危機意識が高まり、今回の応援要請に至っている。
2020/07/05
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