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バウムはここ数年、驚くほど定着率が上がりました。年間の離職率は十~十五%程度です。けれど逆に言えば、まだ年に数名は「バウムの方針が合わない」という理由で、辞めていきます。彼らの「合わない方針」とは、大体同じです。それは、「社内イベントや研修・勉強会が多過ぎる」。外部の方から見ると、ずいぶん羨ましい理由だと思います。社内にコミュニケーションの機会や研修・勉強会の制度が無いから、わざわざ休日に自分のお金を使って外部の研修に参加したり、飲み会を開く。そんな人達が大勢居る中で、バウムではコミュニケーションを取る機会も、研修や勉強会もそのほぼ全てを就業時間中に、なおかつ会社のお金で行います。しかし、一部の職員はこれが納得出来ない。彼ら曰く「そんな暇があるなら、もっと現場でご利用者様対応をするべきだ」。なるほど、もっともだと思います。私もそうであったら、どれほど嬉しい事か。バウムがこの社内イベントや研修・勉強会に掛ける時間とお金は尋常ではありません。当然、私も相当の労力を割いています。使うお金も年間二千万円以上です。もし、彼らの言う通りこの社内イベントや研修・勉強会が無くなれば、私はもっと経営に専念出来る。しかし、現実はそんなに甘くない。なぜなら、バウムの職員は、その半分以上が「コミュニケーションが苦手です」とはっきり言うから(自覚が無い職員も少なからず居ます)です。逆に言えば、「コミュニケーションが得意です」と言い切る職員はほぼ居ません。サービス業にも関わらず、です。他人と話す事が苦手、自分の思いを伝える事が苦手、他人の思いを推し量る事が苦手。そういう人しか基本的には入社しません。でも、別にそれはそれで構いません。福祉の世界に入る時重要なのは、知識でも経験でもスキルでもなく、「想い」だと私は考えています。なぜなら、知識も経験もスキルも訓練次第で身につける事が出来るが、「想い」はそれが出来ないからです。しかし、サービス業において、お客様とのコミュニケーションが苦手、とは言っていられません。だからこそ、訓練が必要です。しかし、苦手な人に「仕事以外の時間を使って得意になってこい」、と言ったところで上達するでしょうか?しません。だって苦手な人はそもそもどうすれば上達するのかを知らないから。知っていれば、彼らもとっくに実践して、苦手意識を克服しています。いえ、厳密に言えば、上達方法は知識として知っているかもしれません(最近は啓発本の類が沢山出ているので)。しかし、実践しません。なぜなら「苦手だから」。普通の人は自分自身には甘い。休日返上で、自分の苦手な事に積極的にチャレンジするほどの猛者なら、これもまたとっくに克服しているはずです。再三言いますが、この仕事はコミュニケーションが苦手とは言っていられません。だから、就業時間中に訓練をするのです。それが社内イベント。仲の良い友人でもなく、家族でもない、今まであまりしゃべった事のない人とコミュニケーションを取るのはとても大変で、面倒臭い事だと思います。でも、その大変で面倒臭い思いをしなければ上達しません。さて、これは研修・勉強会でも同じ事が言えます。毎日毎日仕事をして、帰って来てから、もしくは休みの日に皆さんは勉強をしたいですか?したくないですよね。普通はそれが正しい(中には見習うべき勤勉な職員もバウムには居ますが、ごく少数です)。もちろん、帰ってから家事に育児に、という職員も居ます。さらに、昨今はワークライフバランスという言葉もあります。そう考えると、専門職だからと言って、仕事以外の時間に勉強をしなさい、とは言えません。むしろ会社としては、休みの日は思いっきり遊んでリフレッシュして下さい、と言います。では、いつ知識を蓄えれば良いですか?もう就業時間しかありませんよね?さらに言えば、私の行っている毎週の勉強会は、会社の方針や社会人としてビジネスマナーを学ぶ勉強会です。これにも不満が出る。専門知識を得る為の勉強会ならともかく、なんで会社の方針やビジネスマナーを毎週学ばなければいけないんだ、と。これも簡単です。理解していないし、出来ていないから。いくら専門知識を学んでも、挨拶一つ笑顔でお客様に出来ない職員は、福祉職員失格です。でも、これが本当に出来ない。朝一番に事務所に出勤してきて、ぼそっと「おはようございます」。私が事務所に入ってきても、そっぽを向いて「おはようございます」。会社のトップにそっぽを向いて挨拶が出来る職員たちです。当然ご利用者様にも同様にそっぽを向いて挨拶をする。我々の仕事はサービス業です。お客様にサービスを提供する事で、初めてその代価を得る事が出来る。そういう意味では、バウムの方針に納得がいかない職員の方が正しい。しかし、コミュニケーション能力も、知識も、スキルも、基本的なビジネスマナーでさえも未熟な状態でお客様の前に出て、質の高いサービスを提供出来るのでしょうか?そして、就業時間中はサービス提供時間だと言って、その代わりに全社員が就業時間外で学びの時間を作るのでしょうか?それが出来なければ、いつまでも質の低いサービスを提供し続ける事を良しとするのでしょうか?では、面接の段階で、コミュニケーション能力が高くて、知識もスキルも持っている人だけ採用すれば良いではないか、と言われるでしょうが、それこそ夢のまた夢。そんな優秀な人材は中小企業には入ってきません。特にこれからの時代は労働者人口が減少し、慢性的にどの業界も人材不足が加速します。我々はそんな時代の中で、コミュニケーション能力も、知識もスキルも無くても「想い」がある人材を、どのように教育して戦力にしていくのかを考えなければいけない。一部の能力のある職員に甘え、潰れるまで負担を強いる組織ではなく、飛びぬけた職員が居なくても、全員で支えあえるような組織を作る。その為にも社内イベントや研修・勉強会はどうしても必要になってくるのです。理事長 笹谷 寛道
2017.03.31
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昨年の十一月頃から、内定式、内定者研修、内定者ドラフト会議を経て、いよいよ3月は法人内アルバイトが本格始動です。 職場に内定者が来始めると、いつもとは違った緊張感が職場の空気を支配する・・・はずなのですが、あまりそうはならない。良くも悪くも先輩職員は「いつも通り」。 しかし、これではいけません。 学生が「内定者」になり、内定者から「新卒」でいられるまでざっと1年半。この1年半は我々先輩職員にとって、とても大きな学びの時期です。 まず第一に、「今の自分達のレベル」を認識出来る。新卒採用をしていると、今の会社のレベルに応じた能力の学生がやってきます。 子は親を映す鏡、部下は上司を映す鏡、学生は会社を映す鏡です。 バウムが初めて新卒採用を行った時、とても優秀な学生が沢山入社してくれました。今の管理職のほとんどはその当時の職員です。この時の採用活動は私一人で行いました。法人全体ではなく、私が一人で行ったので、この時だけは会社を映す鏡ではなく、「理事長を映す鏡」になった。 二年目からは、法人全体で新卒採用に取り組み始めたので、現状のバウムに合った職員が採用出来た。内定者が来た時、今年は優秀な職員が来たな、と感じたら、それはつまり自分たちがそれだけ成長したということです。 第二に、「法人の魅力を客観的に知る」事が出来る。新卒は、働いていると気づかない、もしくは当たり前になって忘れている自社の強みや魅力を教えてくれます。 当然ですが、学生はバウムに何かしらの魅力を感じて、入社を決めるのです。 それは、ともすると我々が忘れている事の再発見に繋がる事もあります。 ちなみに今年の学生がバウムに決めた理由としては、「教育体制が充実している」「職場の雰囲気が良さそうだった」「自分の得意分野を活かせそう」「女性が活躍している職場」「先輩職員が優しそう」「残業がない」等です。 ちなみに、毎年学生に聞いていると、それぞれの年でトレンドが変化していることがわかります。新卒採用を始めた年は、「これからの会社なので出世がしやすそう」「これからの会社なので色々な事にチャレンジできそう」という意見が多かった。 このトレンドの変化は、もちろん世の中の流れや学生の意識を多分に反映しているようですが、実はそれだけではありません。 例えば、学生がバウムに入社するかどうかを決める材料は、意外に多くはありません。HP、会社説明会、会社見学会くらいです。そこでどういう情報を流すかは、バウムが考えています。 毎年「今現在のバウムの強み」を情報として発信します。それは、いつも同じではありません。 新卒採用当初のバウムは、「発展と可能性の年」として、保守的な学生より、積極的で野心家の学生を採用した。 だから、この時入社した新卒のほとんどが今は管理職になっているのです。 翌年は「土台固めの年」としたので、この年に入社した新卒の多くは管理職を補佐する立場に居ます。 つまり、バウムに足りない、またはこれからの法人の事業構想上必要な人材が来てくれるので、毎年の新卒の顔ぶれを見れば、今のバウムに足りない部分が自覚出来る。 第三に、「理想と現実のギャップを自覚する」事が出来る。 今年度、ある事業所でこんな事がありました。 会社説明会の時に私は「バウムにはほとんど残業がありません」と常々学生に話しています。 ところが、実際、その学生が入社してみると、(新人という事もあり)なかなか仕事が終わらず、結果としてほとんど毎日のように15~30分程度残業していたのです。 しかも、それをしばらくの間現場レベルで処理していて、上司の耳に届かなかった。 これは一大事です。 私は「残業がほとんどない」と入社前の学生にさんざん説明しているのに、現実がこうでは彼らからすると、詐欺にあったようなものです。 いくら仕組みやシステムが立派でも、それを運用するのは人です。仕組みやシステムを整備した事で満足し、運用する職員の教育を徹底しなかった私に責任があると、深く反省しました。 それ以来バウムでは「徹底する事(ここでは残業をしない)」と「徹底する仕組み(来年度からバックヤードを徹底して効率化する為のIT投資を1千万円規模で行う)」をしっかり分けて組み立てる事にしています。 このように、新卒の職員からは、内定者の段階からとても多くの事を学ぶ事が出来ます。自社の強みや自分たちのレベル、仕組みと現実のギャップ等、どれも自社に長年居続けて、客観性をなくした後では気付けない事ばかり。 ですから、私は最終面接を皮切りに、内定者鞄持ちや各種法人内イベント、入社後の鞄持ち、新入職員懇親会等、限られた時間の多くを新卒の職員に費やします。 特に新入職員懇親会は、理事長と新卒職員だけで行われる懇親会なので、現場の仕組みと現実のギャップをとてもリアルに教えてくれる。そこから得たヒントは沢山あります。 新卒職員は我々にとって「先生」です。もっと積極的に彼らとコミュニケーションを取り、学びを深めるべきだと思っています。 理事長 笹谷 寛道
2017.03.02
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