(ヴァジニア・ウルフ『波』鈴木幸夫訳)
エリザベスは、一年に一日しか休みをとれない、貧しい召使いの少女をうたったロバート・ブラウニングの詩のタイトルを思い出そうとした。(アン・ビーティ『蜂蜜』亀井よし子訳)
「物事は明るい面を見なくちゃいけない」とルーク氏は言った。「みんな優秀な番犬になるだろう」(ケリー・リンク『黒犬の背に水』金子ゆき子訳)
アリス、いまよ! 青春なんて束の間よ、束の間なのよ。(ウォルター・デ・ラ・メア『シートンのおばさん』大西尹明訳)
ブリケル夫人の恋は失敗に終わった。夫人の反論がないのをいいことに、彼はいいつのった。自分と妻のあいだでは、何ごとも気軽に打ち明け合う、と。(アン・ビーティ『貯水池に風が吹く日』6、亀井よし子訳)
しかしな、マーティン、向こうへ帰ったら、きみのいる世界にもメリーゴーラウンドやバンド・コンサートや、それに夏の夜があるということが、きみにもわかると思うよ。(ロッド・サーリング『歩いて行ける距離』矢野浩三郎訳)
ジョンはゆっくりとキスをしたので、そのことをクレアが考え、受け入れて、その意味を知るには充分な時間があった。(グリゴリイ・ベンフォード『時の迷宮』上・第四部・4、山高 昭訳)
サマンサは分数から野生の馬の群れを連想する。(ケリー・リンク『スペシャリストの帽子』金子ゆき子訳)
彼は指を突き出して、宙に小数点を書いた。でも、ラルフ・サンプソンはその点にさわれる。彼がさわると、点がバスケットボールに変わる。(アン・ビーティ『貯水池に風が吹く日』7、亀井よし子訳)
アーテリアは肩をすくめた。わかったわ、頭とりゲームをやりましょう。最初はあなたがわたしの頭をドリブルして床を走りまわる。そのつぎに、わたしがあなたの頭をドリブルする。(ニーヴン&パーネル&フリン『天使墜落』13、浅井 修訳)
かつてトイスは、「この世をふり向けば疑問にぶつかる。答えは全部どこかに隠れているのよ」と言ったが、まさにそのとおりだった。(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』30、宇佐川晶子訳)
エドガー・ポウについて、他のすべてを忘れたとしても、あの瞳の印象を捨て去ることはあるまい。ポウの瞳は外を見ているばかりでなく、内も見ているようだ(ルーディ・ラッカー『空洞地球』4、黒丸 尚訳)
サビーヌ、ぼくは探究だとか判断だとか知性だとかいうものに、信頼をおかないんだ。(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年一月二十四日、関 義訳)
「あのねえ」とマイロ。「何も考えずに始めたはいいけど、知らないうちにそれに足をすくわれて身動きがとれなくなってるということだってあるんだぞ」(アン・ビーティ『シンデレラ・ワルツ』亀井よし子訳)
「プランタジネット」ジェレミーは言う。「それも実在の場所だよ。(…)」(ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』柴田元幸訳)
ルーシーにいうつもりはなかったが、ルーシーにあってじぶんにはない資質がなにか、最近分かってきたような気がしていた。(アン・ビーティ『愛している』16、青山 南訳)
彼女の身体を持ち上げて頭の上でぐるぐる回してやると、嬉しそうにきゃっきゃっ声をあげて笑っていたアミラミア。彼女はきっとゆっくり回転しながら、べつの角度から世界を見渡していたのだろう。(コルタサル『女王人形』木村榮一訳)
ペドロは、彼女は頭がおかしいと言う気になれなかった。事実おかしかったからだ。(ブライス=エチェニケ『幾たびもペドロ』2、野谷文昭訳)
地下鉄とは人類の倒錯(とうさく)であり、ジューブにはどうしても馴(な)れることができない。(ジョージ・R・R・マーティン『ワイルド・カード 2 宇宙生命襲来』下・ジューブ 6、堺 三保訳)
彼はベンチから立ちあがり、ゆっくりと遊歩道を歩いていった。あと少ししたら、ヒューバートが朝食のしたくをしているあの続き部屋に戻ることになる。(クリフォード・D・シマック『法王計画』11、美濃 透訳)
けれども彼女が出ていき、裏口のドアがバタンと音をたててしまったとき、ウィリアムは刺すような悲しみが胸をよぎるのを感じた。(トマス・M・ディッシュ『M・D』上・第三部・32、松本剛史訳)
私、ジェラールが好きでも何でもないんですもの。好きになったことは一度もないの。彼のことがほしくてほしくて仕方がない時でも。それがセックスの恐ろしいところだわ。(P・D・ジェイムズ『原罪』第一章・5、青木久恵訳)
パウトは苦痛を与えるのが好きだった。(バリントン・J・ベイリー『禅〈ゼン・ガン〉銃』5、酒井昭伸訳)
レキシントンへの道中は若いペイ中に変装して移動しなきゃならなかった──ビルとジョニーって名前に決めたんだが、これがしょっちゅう入れ替わってある日は目をさますとビルで次の日はジョニーって具合──(W・バロウズ『ソフトマシーン』1、山形浩生・柳下毅一郎訳)
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