まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.06.16
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カテゴリ: 東宝シンデレラ
adieuの「ダリア」が公開されました。

小袋成彬のつくった曲は、
『adieu1』のときもそうだったけど、
アルバムのなかでは脇役的な位置づけかもしれません。

でも、
個人的にはとても面白くて、気になってしまいます。

今回の「ダリア」も、
ちょっと埋もれてしまうかもしれませんが、
ファーストインプレッションのあるうちに、


最初に聴いたときは、
とてもオーガニックで、透明感のある曲なので、
ちょっと北欧の音楽みたいだなと思いました。

具体的に北欧の何の曲といわれると、
あんまり詳しくないので分からないけど、
とりあえずシガー・ロスあたり?



ただし、
そもそもダリアはメキシコの国花だし、

それを考えると、
萌歌がメキシコ育ちということを念頭において、
この曲は書かれているんだろうという気もする。


北欧とかよりも南米と考えるほうが妥当なのでしょう。






メキシコの音楽のことはよく分かりませんが、

たとえば、ブラジルには、
70年代のトロピカリアのような音楽があるし、

日本で「音響派」と呼ばれたような、
パンパ周辺の現代フォルクローレがあります。

つまり、南米にも、オーガニックで透明な音楽はある。

とくに、わたしは、
ガル・コスタの「Baby」あたりが、
今回の「ダリア」の雰囲気に近いのかなとも思う。




そして、
こういったオーガニックな音楽の源流として、

ひとつには、
南米の現地のフォルクローレがあるのだけど、
もうひとつの源流としては、
まちがいなく60年代のアメリカ西海岸の音楽があります。

いわゆる 「flower」 の価値観から生まれた音楽です。

じつはブラジルのトロピカリアも、
アルゼンチンの現代フォルクローレも、そこから派生している。


たまたま萌歌が最近、
ママス&パパスに興味をもってるらしいのだけど、
まさにそうしたサイケな時代のなかから、
文字どおり "お花畑" っぽい音楽が生まれたわけです。



そういう音楽は、
現在の西海岸にも生き続けているし、
(YouTubeにはないけど、ギャビー・ヘルナンデスの「When Love」みたいな音楽)

たとえばスティーヴィー・ワンダーは、
79年に映画『Secret Life of Plants』の音楽を書きましたが、
あそこにも60年代の「flower」の残響があります。




今回の歌詞のなかには「愛の花ダリア」とあります。

でも、ダリアの花言葉は「愛」ではないし、
やはり、わたしは、スティーヴィーの曲と同じように、
ここに60年代的な「flower」の価値観があるんじゃないかと思う。



こうした "お花畑" な感じの音楽は、

一面では、
60年代後半の米国ベトナム反戦運動に結びつき、
他方では、
70年代のブラジルで「トロピカリズモ」と名を変えて、
軍事政権からの自由を求める運動に結びつきました。

さらに、80年代になると、
ジョビンが環境保護の運動にまで結びつけています。
(バンダ・ノヴァというのは彼なりのトロピカリズモの試みでした)



そう考えたときに、
今回の萌歌の「ダリア」は、
じつは姉の萌音が大橋トリオと一緒に歌った、
「Little Birds」に近い曲じゃないかなあと思えてくる。

ジョビンの「Passarim」は "小鳥" という意味なので、
大橋トリオの作った「Little Birds」とは、いわば同名曲です。



萌音の「Little Birds」も、萌歌の「ダリア」も、
彼女たちの音楽にとっては中心的な位置づけの作品じゃなく、
どちらかといえば脇役的な楽曲になると思うけど、
ひそかに共通の価値観で通じ合ってるように聴こえるのです。




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最終更新日  2024.06.17 13:32:00


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