まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.02.16
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東出昌大の独立にあたって、
所属事務所のユマニテが文書を発表しました。

おりしも、
濱口竜介の映画「ドライブ・マイ・カー」が、
米アカデミー賞の4部門ノミネートで注目されているさなか!



「東出昌大は村上春樹原作の映画を降板」と書かれていました。

(おそらく彼の代役は岡田将生です)



今回の文書のなかで、
ユマニテ社長の畠中鈴子は、
東出に対して、怒りを超えた「徒労感と虚しさ」を表明しています。


独立したタレントの活動に対して、
隠然と圧力をかけて妨害する話はありましたが、


あからさまに世間に対して発信するのも珍しい。

おそらく、
ユマニテの畠中鈴子は、

>非があるのはもっぱらタレントのほうであり、
>事務所の側はあくまで被害者なのだ


…と主張することで、
今回の契約解消を社会的に正当化したかったのでしょう。
そうでもなければ、
こんな文書をわざわざ世間に公表する必要はないのだから。

そうした企業戦略もなく感情にまかせて書いた文章だとすれば、
あまりに幼稚な一人語りだと言わざるをえません。


かつてとは違って、現在の芸能事務所には、
タレントに圧力をかけるほどの力がないのかもしれません。

だからこそ、

世論を味方につけるための演出なのだろうと思う。

あるいは、違約金などの問題で、
今後、争っていくことを念頭に置いているのかもしれません。



ちなみに、

こうした一連の経緯に対して、不思議なほどに"予言的"です。

2018年の「寝ても覚めても」は、
消えた恋人と同じ顔の男に溺れていく女性の物語。
ここで、東出昌大は、
唐田えりかの恋人役を一人二役で演じていました。

キネマ旬報ベスト・テン第4位。
ヨコハマ映画祭作品賞。


そして、東出昌大は、
2020年1月の『週刊文春』で唐田えりかとの不倫を報じられます。





同じく2020年、
濱口竜介が脚本を担当した「スパイの妻」は、
関東軍による細菌戦の実態を告発しようとした男の物語。

ここで、東出昌大は、
主人公の妻をひそかに慕いつつも、
やがて無慈悲な軍人へと変貌する若い男を演じています。

キネマ旬報ベスト・テン第1位。
ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞。




そして現在公開中の「ドライブ・マイ・カー」は、
脚本家の妻に先立たれた演出家の男の物語。
ここで岡田将生は、
かつて主人公の妻と浮気していた若い俳優を演じています。

かたや、東出昌大のほうは、
離婚後の恋愛を『週刊文春』に報じられています。

カンヌ国際映画祭 脚本賞・FIPRESCI賞・エキュメニカル審査員賞。
ゴールデングローブ賞 非英語映画賞。
全米映画批評家協会賞 作品賞・監督賞・脚本賞。
ロサンゼルス映画批評家協会 作品賞・脚本賞。
ニューヨーク映画批評家協会 作品賞。
ボストン映画批評家協会 作品賞・脚本賞。
トロント映画批評家協会賞 作品賞・脚本賞。
アジア太平洋映画賞 脚本賞・作品賞。



はたして、濱口竜介の映画のほうが予言的なのでしょうか?
それとも、現実の人々こそが、
作品の登場人物のように「物語」を演じているのでしょうか?


…端的にいうならば、

柴崎友香や村上春樹の小説にせよ、濱口竜介の映画にせよ、
それらの「物語」は現実社会と 同じ構造 で作られているのだと思います。


同じ構造のなかを生きるかぎり、
小説や映画の登場人物であろうと、
現実の社会を生きている人間であろうと、
あらかじめ仕組まれた人生を運命的に生きるしかありません。

すぐれた作家の物語がしばしば予言的なのは、そのためだと思います。


>>濱口竜介による"斉藤由貴論"





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最終更新日  2022.02.18 04:58:21


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