まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.09.11
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カテゴリ: 東宝シンデレラ
上白石萌歌の新作『adieu3』。

先行して発表されていた1曲1曲は、
あいかわらず通好みで敷居が高いかなあと思ってたけど、

アルバムを通して聴いてみると、意外にキャッチーで、
なにより曲順がとても良い。

アーティスティックな度合いは増してるはずなのに、
不思議なくらい、すんなり耳に馴染んできます。

結果的には、今までの中で、
いちばんポピュラリティを感じる仕上がりになっている。




小袋成彬が作・編曲をした「ワイン」。

タイトルどおり大人っぽいというだけでなく、
やはりYaffleの編曲とは毛色がだいぶ違います。

ネオソウルというか?
英国系のクラブソウルというか?
ソウルジャズ風のクールで官能的なサウンド。

これまでは前面に出ていなかったけど、
こういう感じが、小袋成彬の本来の音楽性にいちばん近いのかな。
そして萌歌にとっては、けっこうな挑戦。



じつは、上白石姉妹は、

これは、現在の20代の若者の全般的な傾向でもあります。

まあ、
日本人はもともとソウルミュージックが苦手なのです(笑)。
とくに女性で「ソウル好き」なんて人は珍しかったし。
昔だったら、ちょっと異質だと思われても仕方なかった。


マイケルやスティーヴィーやホイットニーを聴くのが精一杯で、

いまでも一般の日本人は、
ジェームス・ブラウンやアレサ・フランクリンまでは、
なかなか受け入れられないのが実情ですよね。

例外的に、
1990年代に青春時代を過ごした世代のみが、
比較的よくR&Bに親しんだのです。
そして、宇多田ヒカルやMISIAや平井堅などが、
日本の音楽シーンのなかにもR&Bを導入しました。

けれども、2000年代以降になると、
ふたたび日本人はソウルミュージックから疎遠になって、
(というより洋楽全般から疎遠になってる)
上白石姉妹の場合も、その例外とは言えません。



萌歌は、J-WAVEの番組「LOVEFAV」で、
洋邦のいろんな曲を流したけど、
わたしが記憶している限り、
ソウルミュージックはひとつも選曲していないはずです。
(サッチモの「ラ・クカラーチャ」はかけたけど)
萌歌のレコードライブラリーのなかにも、
ソウルミュージックの作品は一枚もないんじゃないかと思う。

唯一、黒人の音楽があるとすれば、
ボブ・マーリーのレゲエのレコードだけですよね。

もともと、日本人の洋楽に対する嗜好は、
米国経由ではなくて、あくまでも英国経由なのです。
これは、萌歌の場合にも完全に当てはまる。

ジミヘンも、レゲエも、英国経由の黒人音楽だから。

近年のクラブ系のR&Bやヒップホップも、
ことごとく英国経由で日本に入ってきてるっぽいし、
小袋成彬のサウンドにも英国的な解釈は入ってるんだと思いますが。




一方、
姉の萌音が3年前までDJをやっていた、
ニッポン放送の「good-night letter」では、
スティーヴィーの「心の愛」をかけたことがあります。

日本人にもっとも愛されたソウルナンバーだとはいえ、
この選曲でさえ、わたしにはちょっと意外でした。
いまだに、このときの選曲は謎に感じている。

萌音は、
由貴ちゃんのチャリティミュージックソンに参加したとき、
「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」を歌い、
Mステに出演したときには、
リトグリのかれんの声が、
「変声期前のマイケル・ジャクソンにそっくり」と言って、
彼女に「I Want You Back」を歌わせてたこともある。
なので、ジャクソン5の音源を姉妹で共有してる可能性はありますね。

とはいえ、
萌音の場合も、とくに「ソウル好き」とまでは言えないと思います。



そんななかで、今回、
萌歌が小袋成彬のジャズソウルみたいな作品に取り組んだのは、
面白い領域への新しい飛躍だと言っていい。

楽曲自体、
日本語の歌としてはかなりユニークで、
出来上がりもとても上手くいってます。

姉の萌音が、新作の『name』で、
カントリーみたいな土臭い音楽に挑んだのも驚きだけど、
今回の萌歌のチャレンジも、
なかなかに新鮮で、また次の展開が楽しみになりました。

萌音が、より男らしく健康的になってるのに対して、
萌歌のほうは、ちょっとアンニュイで官能的になってるかも。


もし萌歌がソウルミュージックを聴いてたとすれば、
(聴いてないと思うけど…)
ダニー・ハサウェイとか、ロバータ・フラックとか、
そこらへんかなあ??マーヴィン・ゲイとか??







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最終更新日  2024.06.17 13:18:00


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