まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.02.01
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NHK「探偵ロマンス」第2話を見ました!
ピスケンはイルベガンに射殺されちゃった??

蓬蘭美摩子 (松本若菜) のほんとうの名は「相馬久代」でした。
彼女の姉の京子は、かつて白井三郎 (草刈正雄) の助手だったようです。
お勢さん (宮田圭子) という老婦人も登場しました。




1909年のイルベガンの事件が、
伊達順之助による 不良学生 射殺事件かと思いましたが…


なんか違うっぽいw


射殺事件というより、
爆破事件(もしくは放火事件)のように見えるし、

犠牲になったのは、不良学生じゃなくて、
お勢さんの夫と、久代(=美摩子)の姉の京子でした。

そして、その京子は、
なぜか鳥羽の村山隆子 (石橋静河) に瓜二つだった!

白井三郎は、

たんに取り逃がした…ってことのようです。

お勢さんの孫の正一郎も、いまは行方知れずになっている。

なお、
お勢さんは宝石「イルベガンの卵」の指輪をもっていて、
美摩子の背中には「イルベガンの刺青」が彫られています。

…どゆこと?




お勢さんといえば、
江戸川乱歩に「お勢登場」という作品があります。
乱歩が生み出した稀代の悪女です。正一という息子もいる。

NHKでは、満島ひかりもお勢を演じています。
倉持裕も、このキャラを使って舞台作品を仕立てている。






さて、
第2話で、いちばん怪しかったのは、
上海帰りの住良木平吉 (尾上菊之助) でした。

読みは「すめらぎ・へいきち」です。

秘密倶楽部の噂話によれば、
彼は、殺された画商の廻戸庄兵衛から、
「人脈」「シベリアの事業」「美しい踊り子」を引き継いだらしい。
もともと秘密倶楽部の会員は、
みんな ロマノフ家 と関わりをもっているようです。

なお、日本語の「すめらぎ」には"天皇/君主"の意味もありますね。

住良木は、
お勢さんと密会していたようにも見えます。
「優しい人は悲しい人です…」などと、
お勢さんと同じようなことを言ってました。

さらに住良木は、
踊り子の美少年お百に、
「白粉の匂いがする…」と言われ、
彼からの接吻の求めを"おあずけ"にしていた。

美摩子と将棋を差していたときには、
将棋よりも囲碁のほうが好きなのだと言い、
その理由について、
「みんなで手を取り合い世界を染めていくのが美しい」
からだと語っています。

…みんなで世界を染める?

それって、スペイン風邪のこと?
それとも、 共産主義思想 のこと?
名前が「平吉」だけに平等主義者なの?
秘密倶楽部「赤の部屋」って、コミュニストの赤かしら?



あらためて当時の時代背景を確認してみます。

1905年に日露戦争が終わると、
日本とロシアは、米英に対抗すべく協約を結び、
満州を南北に分け合っていました。

1909年のイルベガンの事件は、そのような時期に起こっています。

日本とロシアは、
1914年にはじまった第一次世界大戦でも、
事実上の同盟関係にありましたが、
ロシア革命によってロマノフ王朝が倒れ、
1918年にロマノフ家の人々が処刑されたので、
反革命軍(白軍)は、ロマノフ家の財宝を、
満州の日本軍に預けたといわれています。


皇室に奉納された58個のイースターエッグで、
一般に 「ファベルジェの卵」 と呼ばれるものです。
現在でも7個が行方不明だそうです。


ドラマの舞台である1919年は、
ちょうど第一次大戦が終わった年にあたり、
前年からのスペイン風邪の大流行の真っ只中でもあり、
まだロシア革命も進行中でした。

ソビエト連邦が成立するのは、震災前年の1922年。
すなわち、江戸川乱歩が作家デビューする前年です。



ドラマでは、
東京の街に不良学生たちがあふれ、
壁には「南無阿弥陀仏」などの落書きがされている。
治安が悪化しているのですね。

白井三郎は、
そんな不良学生と廻戸殺しの関係をほのめかしました。




初回から気になっていましたが、
浅草のスラム街はアヘン窟のようにも見えます。

ちょうど「鬼滅の刃」の舞台に重なりますが、
大正時代の浅草は、吉原遊郭の全盛期ともいえる。
踊り子のお百も、なにやら 男娼 のようです。

実際、
戦前の浅草は男娼の巣窟だったそうです。



お百といえば、
講談や歌舞伎に登場する「妲妃 だっき のお百」がいます。
毒婦として知られる悪女キャラです。

江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」のなかでも、
下宿人の郷田三郎が女装をしたときに、
「自分が妲妃のお百にでもなった気持」と口にします。



それから、これも初回からのことですが、
平井太郎 (濱田岳) と白井三郎が、
巨大な下水道 のなかを走る映像が何度か出てきますね。

たとえば「レ・ミゼラブル」を見ると、
すでに18世紀のフランスの地下には、
巨大な下水道が張り巡らされていたのが分かります。
パリの上下水道は1740年ごろに完成しています。

かたや東京の下水道は、
ようやく1914年に中島鋭治の計画による工事がはじまり、
三河島の下水処理場が稼働するのは、やはり震災前年の1922年。

なので、1919年の段階では、
下水道はまだ稼働前で、絶賛工事中だったのでしょうね。







話は変わりますが…

近ごろ、
松本若菜をドラマでよく見ますね~。
「ファーストペンギン!」でも、
「クロサギ」でも「夕暮れに手をつなぐ」でも。
とくに今回の松本若菜は際立って美しい!

お百を演じる世古口凌も美しかったです。



そして、
大橋トリオがつくった萌音の歌も美しかった!

こんな歌でしたね…

生まれた時代、世界、私ではない私で出会えたら
そんな夢見てたの…

キーワードは 「夢を見る」 ということ。

耽美と頽廃がもたらす幻想や、
革命・災害・戦争の予感のなかで、
時代そのものが不思議な夢を見ていたのでしょう。

江戸川乱歩の「一寸法師」もあります!


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最終更新日  2024.06.20 05:33:20


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