まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.01.28
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NHK「探偵ロマンス」第1話を見ました!



舞台は、1919年 (大正8年) の帝都=東京です。
画商の廻戸庄兵衛 (原田龍二) がピストルで殺害されます。

当初は怪盗ピスケンの犯行と疑われました。

ちなみに、現実の「ピス健」とは、
1925年に連続ピストル強盗事件を起こした大西性次郎のこと。
台湾、満州、上海、朝鮮などを渡り歩き、
偽名と変装と軽業を使い、警察に挑戦状を送りつけながら逃げ続けた。
ドラマでは「守神健次」の偽名を使っています。
かたや、関西の興行ヤクザだった嘉納健治も、
やはり「ピス健」と呼ばれていましたが、
こちらは大河「いだてん」に登場した嘉納治五郎の甥にあたる人物です。



しかし、
どうやら真犯人はピスケンではなく、
(草刈正雄) が10年前にかかわった事件の犯人、
すなわち怪盗 「イルベガン」 のようなのです。

1909年 (明治42年) のイルベガン事件について知っているのは、
会員制倶楽部 《赤の部屋》 を経営している蓬蘭美摩子 (松本若菜) です…。
彼女のほんとうの名は「久代」のようです。

白井三郎は、
このイルベガン事件をきっかけに探偵を辞めたらしい。
(岸部一徳) も、そのあたりの事情を知ってる。



実際の歴史に照らしてみると、

1909年には、
当時18才だった 伊達順之助
探偵の岩井三郎がその正当防衛を立証して、順之助は釈放されている。

その後、
伊達順之助は、大陸に渡って馬賊となり、
1916年の張作霖爆殺事件や満蒙独立運動に関わっていきます。
イルベガンの正体は、この伊達順之助なのでは?

伊達家の人です!


このへんの話は、
安彦良和「乾と巽-ザバイカル戦記-」 とか、
ルパン三世 PART6「帝都は泥棒の夢を見る」 とか、
渡辺典子の「いつか誰かが殺される」 とか、
…そのあたりにも通じる内容。

もともと「イルベガン」とは、
シベリアのテュルク系神話に登場する竜のような怪物のことらしい。

なお、
蓬蘭美摩子の《赤の部屋》には、
ロシア情勢に詳しい外務次官の後工田寿太郎 (近藤芳正) や、
上海帰りの貿易商である住良木平吉 (尾上菊之助) も出入りしています。
彼らも大陸の情勢について何か知っているのでしょう。





これも現実の話ですが、

ドラマの舞台である1919年には、
当時25才だった平井太郎 (のちの江戸川乱歩) が探偵を志し、
岩井三郎の事務所の面接を受けて不合格になっています。

どうやら平井太郎は、
松崎天民の書いた 「探偵ロマンス」 (1915) という実録本を読んで、
日本初の探偵である岩井三郎に興味をもったらしい。

ドラマの白井三郎は、
この岩井三郎をモデルにしているわけです。

横溝正史が昭和7年に書いた「呪いの塔」には、
江戸川乱歩をモデルにしたとされる探偵・白井三郎が登場します。


さらに同じく1919年、
平井太郎は、小学校教師の村山隆子と結婚しています。

平井太郎は、その2年前に、
三重県の鳥羽造船所に入って庶務課に勤めたのですが、
このときに地元の村山隆子と知り合ったようです。
≫ 江戸川乱歩とシンフォニアテクノロジー

ドラマで彼女を演じているのは石橋静河です。



平井太郎は、当時、
東京市本郷区の団子坂で、
2人の弟とともに「三人書房」なる古本屋を営んでいました。

ドラマでは、
時子 (本上まなみ) の夫婦が、
D坂にある古本屋 《二人書房》 を営んでいる設定です。
平井太郎 (濱田岳) は、郷田くん (泉澤祐希) とそこに下宿している。
この郷田初之助が、鳥羽の造船所時代の友人という設定になっている。

なお、江戸川乱歩は、
「赤い部屋」「D坂の殺人事件」などの短編を書いており、
「屋根裏の散歩者」には郷田三郎なる下宿人も登場します。




1923年、
すなわち大正12年には、
関東大震災が起こって 浅草のオペラ館 が崩壊。

その年に、江戸川乱歩が作家としてデビューします。

今年は、
乱歩の作家デビューから100周年になります。
≫ 土曜ドラマ「探偵ロマンス」制作と出演者



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最終更新日  2024.06.20 05:34:28


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