仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2022.05.01
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カテゴリ: 宮城
東北本線の敷設に際して白石-大河原-船岡ルートに負けてしまったことは、白石市史など白石サイドの文献には当たっていたが〔下記の過去記事リストをご覧ください〕、角田市側の見方も知りたかった。この点も含めて、馬車鉄道や軽便鉄道の開通に努力してきた近代角田の鉄道の歴史について整理した。


■角田と鉄道〔市郷土資料館の解説〕
 鉄道開設期には煤煙が稲や桑に悪影響を及ぼす等の理由で嫌悪されたこともあった。このことが角田のその後の発展にとってマイナスになった。明治20年に上野-仙台間の鉄道が開通したが、福島-仙台間のはじめの予定線は、丸森-仙台経由であった。阿武隈川水運との関係や平坦な地形による工事の難易度からこのルートが計画された。ところが地元の熱意は稀薄で、鉄道敷設株も集まらなかった。そのため、予定を変更して勾配の急な白石方面に路線が決定した。
 ところが、鉄道が地域の発展に刺激を与えることが認識されると、角田にあっても鉄道敷設の要求が生じた。そこで、明治32年に 角田馬車鉄道 を開通させた。また、大正6年には角田軌道株式会社をつくり、 軽便鉄道 を走らせた。しかし、軽便鉄道は経営困難におちいり、水害もあって、その役目をバスに譲った。その後鉄道敷設は昭和43年の 丸森線 開通まで待たなければならない。このような鉄道に関する出来事は、現在の我々に多くを示唆してくれる。

※年表風に

 大正2年8月 大洪水、江尻の堤防が寸断される。川蒸気船はこれ以来、運転中止となる。
 大正5年10月 角田馬車鉄道株式会社が角田軌道株式会社と改称。馬力から蒸気となり、角田-槻木間を運転する。
 大正6年6月 30人乗ボギー式客車(軽便鉄道)を角田-槻木間に運転する。
 昭和9年10月 省営バス白中線(白石-角田-丸森-中村-原釜)が開通する。
 昭和29年10月 人口規模において 宮城県最大の新角田町 が発足する。

※掲示されていたものから
○(掲示されていた写真)角田馬車鉄道初荷風景 新丁の高橋精米所 大正3年
 (同)江尻閘門を行く馬車鉄道 ラッパを鳴らして合図としていた
○時刻表(角田馬車鐵道株式会社 明治33年7月20日改正)〔漢数字で縦書き〕
 上りは舘山(ママ)發が4本、角田發が6本、その6本が槻木着のようだ。例えば、もっとも早いのは、5時角田發(上野行接續)が6時40分槻木着。舘山發は7時10分(上野行接續)をはじめに午後6時10分發(角田6時50分着止とある)まで。角田發槻木行は午後6時發(7時40分着)まで6本で、初めの2本(5時發、8時10分發)が上野行接續と付記される。

 時刻表の隅には、「途中」として  木沼、櫻、江尻、小坂、等ノ各驛發着ハ馬匹ノ都合ニヨリ5分乃至10分ノ遅速可有之ニ付時間凡そ10分前ニ駐車塲ニテ御接受ケ被成下度候  とある。

(以下は当ジャーナルの整理)
 角田・丸森の鉄道の歴史は、明治32年の角田馬車鉄道(槻木-角田)に始まる。33年に丸森町舘矢間まで延伸。その後、大正5年に蒸気機関車を導入し、角田-舘矢間の間は馬車鉄道として残ったがやがて廃止。昭和4年に営業廃止。
 国鉄丸森線は昭和43年に槻木-丸森間が部分開業。もともと、改正鉄道敷設法(大正11年法律第37号)の別表に記された予定路線〔下記リスト中の記事を参照ください〕では、「27 福島県福島ヨリ宮城県丸森ヲ経テ中村ニ至ル鉄道及丸森ヨリ分岐シテ白石ニ至ル鉄道」とされ、内陸部の東北本線福島、白石から丸森を経て海岸部の常磐線中村(現相馬)を結ぶ横断線だった。しかし、戦後東北本線福島-白石間の急勾配を緩和するために第21項の2の槻木-丸森間が鉄道敷設法予定線に加えられ、当初の横断線の構想を縦断線に変更。この予定線変更の経緯では、急勾配を抱える東北本線白石ルートとの争奪戦再燃の面もあったようだが、結局白石ルートが支線化どころか複線化・電化されて決着する。

(戦後の角田と白石の関係は今後の当ジャーナルの検討課題です。)
 昭和61年7月(国鉄分割民営化に先立ち)第三セクターの阿武隈急行線として開業し、昭和63年に電化及び福島までの全線開通を果たした。

■今回の関連記事
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■関連する過去の記事(角田に関するもの)
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阿武隈急行の輝かしい「日本初」 (2012年10月7日)
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■関連する過去の記事(鉄道敷設など) ●特に角田に関するもの
仙台駅の位置について(その10)新幹線長町駅? (2021年11月14日)
昭和47年仙石線新田踏切事故(続) (2021年10月19日)
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仙台以北の東北本線・仙石線ルートと「松島電車」 (2016年2月11日)
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仙山鉄道 3つのルート (2015年2月13日)
小原新道と白石人車軌道 (2014年8月8日)
松山人車と白石人車軌道 (2014年8月7日)
幻の鉄道計画 改正鉄道敷設法の予定線(その2) (2013年4月20日)
幻の鉄道計画 改正鉄道敷設法の予定線(その1) (2013年4月19日)
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宮城県北の東北本線ルート(再び) (2011年8月24日)
宮城県北の東北本線ルート (2011年8月20日)
仙台駅の予定地(その7) (10年9月6日)
塩竈市内の仙石線と塩釜線の歴史 (10年5月11日)
仙台駅の位置について(その6) (09年10月21日)
仙台駅の位置について(再び) (09年3月10日)
仙台駅の位置について(その4) (07年8月16日)
大河原の尾形安平 東北本線実現に尽力 (07年1月5日)
仙台駅の位置について・続々 (06年7月15日)
仙台駅のはなし・続 (06年7月11日)
仙台駅のはなし (06年7月10日)
宮城県内の東北本線のルートの話 (05年11月27日)





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最終更新日  2022.05.05 22:02:24
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