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経済学として芸能資本主義を扱うさいに基本的視点となるのは、彼、彼女らが芸能「資本」によって、労働力「商品」として雇用されるのではなく、資本の循環に必須な「原材料」としての生産手段、厳密に言うと、「不変資本」として利用、消耗されるということである。ここが重要なので、繰り返し読んでいただきたい。労働力商品として雇用されるのは、芸能プロダクションの社員、テレビ局のアナウンサーたちだ。 この芸能資本主義の資本によって原材料商品となるのは、雇用形態従って契約形態(専属マネジメント契約か専属エイジェント契約か)によって内容規定は異なるが、現状で、固有の芸能人、タレント、ジャーナリスト、タレント議員、アスリート(現役か退役かを問わない)たちだ。芸能資本主義に必要なパソコンや消耗品と同じ位置付けの原材料商品だ。インターネットで、アメリカで活躍しているアーチスト(アクター)が自らのことを商品として位置づけ、自ら輝くことを使命としているといっていたが、まさに核心を付いていると思った。 一方、芸能資本に位置付けられるのは、いわゆる芸能プロダクション、映画会社、テレビ局、インターネットTV及びこれら芸能資本と取引関係にある関連会社、サプライチェーンである。 資本主義は実体経済での譲与価値生産が行き詰まり、相対的な縮小を余儀なくされるに従って、「芸能資本主義化」せざるを得ないというのが、ここでのエッセンスだ。芸能資本主義には、前夜すなわち歴史があり、「芸能資本主義に先行する諸形態」が考察されなければならない。静御前、河原芸人、小屋掛け、興業ヤクザの世界だ。しかし、この検証のためには人生がもうひとつ必要になる。あるいは「芸能経済学会」が必要なのかもしれない。 芸能資本主義「商品」の性格特性に関する試論は、このブログですでに示した。お笑いに関しては、いわゆる反社会的勢力との黒い癒着が取りざたされているが、以上にのべたようなことが解明されて、初めて浄化の道が開けるのではないか。 私はお笑いが好きだ。アホの坂田ややすしのようなお笑いさんが現れないことを寂しい思いでテレビを見ている。議論が健全な方向に進み、そして笑いながら死にたいと思っている。
2019.08.29
お断り この推理小説はフィクションであり、実在の人物や団体等は一切関係がありません。 山梨玲子は、依頼の女性にお茶を薦めてから言った。「ご依頼の向きは、お電話で概ね分かりましたが、お引き受けする前に詳細をお聞かせください」 横浜、山下公園の殺人事件から1ヶ月が経過した。依頼者の沢田淳子は言った。「主人の死について不審なことがあるのですが、警察ではなかなか言えなくて。それで内々に調べていただきたいと思って」「神奈川県警では聞いてもらえないということですか」と、山梨は夏警部を思い浮かべながら聞いた。「いいえ、そういうわけではないのですが、主人は最近急に帰りが遅くなり、私に内緒のお金を、しかも、かなりの金額を持ち歩くようになって。以前はそういうことはなかったのですが」 沢田淳子は、悔しそうな表情に涙を浮かべて言った。 なるほど、と山梨は思った。「ご主人にそういう変化が出たのはいつ頃でしょうか」「半年ほど前からです。それに」と、沢田は続けた。「帰りが遅いときに限って、シャツに香水の臭いがするのです」「問い詰められたのですね」「ええ、女の勘で。でも所属の芸人さんたちの世話をする機会が増えて、何もやましいところはない、芸人は濃い香水をつけるから移るんだろう、というので、それ以上追求することはできないし、うやむやになっていたのです」「ご主人のパソコンはどうなさいましたか」「ええ、県警の警部さんからも同じことを聞かれたので、主人はスマホで何でもやっているので、パソコンをやっているのはあまり見たことがありませんとお答えしておきました」「では、まだ誰もパソコンは見ていないのですね」「はい、私はパソコンは使えませんし。そのままになっています」 山梨はまだまだ聞きたいことはあったが、とりあえずパソコンを手がかりにして進めることにした。「ではこれから契約書を作成して、明日にでもお持ちしますから、パソコンを拝見させて下さい」と言って、沢田淳子を見送った。 翌朝、10時に山梨玲子は沢田淳子のマンションを訪ねた。マンションは山手線の恵比寿駅の近くにあった。そしてパソコンの電源を入れた。ログインにパスワードは設定していなかった。保存用のホルダも作ってなく、最新版のウインドウズが、あまり使われた形跡はなかったが、観光地やグルメなどのサイトがブックマークされていた。気になるサイトもあったが、あとでゆっくり見ることにして、スルーした。 メールはchromeで共有されており、フリーメールが使われていた。ざっと送受信メールを見ると、会社の仕事関係のものが多かった。芸能事務所のマネジャーが仕事だったと分かった。メールと閲覧されていたサイトは一括して、持参したUSBに保存して、持ち帰ることとした。なくなっていたスマホは、家中を探したが出てこなかった。犯人が持ち帰ったに違いなかった。 山梨は、夏警部の娘の蜜柑との待ち合わせ場所へ向かった。藤堂麻里矢も来ることになっていた。山梨は二人が来るまで、USBをノートパソコンに差し込んで、送受信メールを見ていた。メールのパスワードは、ワードに記録してあった。山梨のノートパソコンは、通信衛星に対応できた。(続く)夏光一郎警部シリーズ(既刊)(既刊)『野獣の美学殺人事件』文芸社、2011年『リオの蝶殺人事件』文芸社、2011年『磯の香りの謎殺人事件 夏光一郎警部巨大地震と戦う』文藝書房、2011年『夏光一郎警部 猫の一分 美人博士とブッチーの活躍』Kindle版『夏光一郎警部 夏光一郎警部 湯河原発量子力学の女』Kindle版『連続僧侶殺人事件(上)夏光一郎の試練』Kindle 版『連続僧侶殺人事件(下)』Kindle版『夏警部 ブラック企業を追え 中国塩城に舞う鶴の化身』Kindle版『夢を売る女』Kindle版
2019.08.28
一週間ほど入院していた母が退院した。白血球が減少していたということで、生理食塩水の点滴で様子を見ていたが、どうやら風邪だったようだ。23日から26日まで津山駅前のアルファワンに滞在し、史跡の訪問の合間に病院へ行っては、話し相手になってやる。 「お寺に帰りたい」「○○は優しい」「○○はどうした?」「大学が忙しいのか?」等が口癖で、記憶が堂々巡りをする。思考に一貫性がなくまだら模様で堂々巡りをする。 私の息子夫婦に子どもがいないことを気に掛けている。私が定年を迎えたことは知らせており、非常勤でたくさん授業を持っていることも話してある。それでも「小遣いはあるか?」などと気を使う。 本音を言うと、定年退職のあとは働くつもりはなかった。しかし母親の手前、ぶらぶらして「小遣い」を貰う身にやつしたくはないから働いているのが本音だ。母親の前では、いつもかっこをつけていたいのだ。 私の声も加齢で、だんだんしわがれてだみ声になっていく。母には聴こえずらい低周波で、大声を出せば聞こえるというものではない。少しオクターブを上げると聞こえるようだ。だから大事なことは筆談にする。米とソーメンを送るというから、紙に米とうどんを送るように書いておいた。 (2019年8月27日)
2019.08.27
芸人商品の属性研究序説 ここでいう「芸人」とは、「芸」を生計の資として売って生きるあらゆる階層の人びと、誤解を恐れずに言うと、資本主義の発展によって、実体経済に機械や、さらにはコンピューターが導入され、それらがAIと結びつくようになると、サービス経済化が進み、「笑い」や「芸」「感動」「躍動」「美」「情動」等を自らの身体表現の結果としての「商品」を売ることを使命とする、資本の自己増殖の結果としてのあらゆる形態の利潤、その派生形態の税収によって養われる、自営的存在の不生産的階層としての人びとー芸能人的職種、タレント、ライター、クリエイター、弁護士、タレント議員、首長、コメンテーター、フリーアナウンサー、大学に寄生するエセ教員等が「芸人」資本主義の担い手として登場し、行き場所を失った資本は、更なる増殖を求めて芸能プロダクションやスポーツクラブ、養成学校などへ流れていく。資本主義のこのような発展段階を芸能資本主義と規定し、グローバルな角度から分析する経済学の分野を「グローバル情動資本主義」と呼ぶ。。 既存の経済学は、近年急速に拡大し影響力増している、これら社会集団に関する分析を著しく欠いている。 これらの階層は、テレビ、雑誌等のマスメディア、小屋掛け、ライブ会場、劇場等で芸を披露し、ギャラという対価を得るのみならず、番組等の制作者の意図を満たすべく、芸を磨き、反転化した自己を観客(聴衆)に提供する。それは一見して「美」を売るビジネスに見える。しかしその「美」は性フェロモンが充満する、「官能」産業とも言える。 私は大学教員だが、このような舞台芸術を日々大学の教室の教壇で演じている芸人(役者)である。私の友人で、今有名私立大学の学長をしているM教授は「大学教授は役者だ」を口癖にしていたが、別な意味でまったくその通りになった。以下は「芸人」全般に当てはまるわけではないが、少なくともいくつかは当てはまる性格特性だ。 1 自虐的人生観 笑を売る 媚を売る 脱羞恥心 ↔ ポジティブ 2 自己顕示欲 ↔ 内省的 ニヒリズム 3 オプティミズム ↔ 厭世観(悲観主義) 3 虚栄心 ↔ ブランド志向 ↔ 高級マンション 外車 4 義理人情 ↔ 宵越しのカネは持たず 5 センセイションシンキング ↔ 6 自己愛性パーソナリティー障害 ↔ 7 ナルシズム(自己愛) ↔ 8 マザーコンプレックス ↔ 9 積極的 ↔ 消極的 10 攻撃的 ↔ 防衛的 11 開放的 ↔ 閉鎖的 ↔の右側には対義語が入る。共生、清貧、自他一如、勤倹誠実、虚心たんかい、といった性格特性は今後検討する。 8を除いて、すべての芸人(商品)に当てはまる性格特性だ。芸人は「商品」だということは誰も否定しないだろう。芸人商品は資本家によって原料として仕入れられ(オーディションやエントリー、昔は路上での引き抜き)、訓練とPRによって商品としてテレビ局や劇場に売られていく。芸人商品は会社に所属しない「モノ」としての商品であり、彼らが人間であるのは「専属マネジメント契約」と「専属エイジェント契約」の文言の中においてである。真に人的でありたいなら、インディーズであるしかない。 (以上の性格特性は検証中であり詳細は上書きして公開します) これらの性格特性は、最近高速道路等で危険な煽り運転を繰り返し暴行に及んだ犯人の性格特性に通じるほか、煽られたとして、隣国に煽りをかけ、煽り合戦を演じている某国の官邸政治に似ている。この煽り政治家の周辺には煽りを煽る「同乗者」がおり、上に挙げた芸人的役割を果たしている。 (2019年8月22日)
2019.08.22
私の母は91才。私の年の71を足すと162。昭和と平成を生き、令和の時代も悠々と生きている。血圧を下げるクスリを飲んでいるらしいが、それ以外はとくに健康不安はない。ただ、ちょっと足が悪いので、移動の時は車いすに頼っている。 私の父は他界したので、足し算の仲間には入れない。私の妹の70を足すと232。実は母には育ての娘がおり、彼女は私の従姉なのだが、その年75才を足すと307歳となる。西村正子といい、嫁いだ先の倉敷に住んでいる。 私は母を題材にして2冊の本を書いた。『青空が輝くとき』と『母』の2冊だ。電子出版でも書いた。それらの本を書き終り、もう思い残すことはない、母について書いておかなければならないことはすべて書いたと自分に言い聞かせ、安心しきっていた。 ところが。妹の延子が言うには、1年前に生まれたひ孫が「大学へ入るまで生きる」、と言っているそうだ。91足す大学入学の19を足すと110、私は90になっているー果たして私は生きているだろうか? でも90まで生きたとしたら、あと20年はゆうにある。20年は長い。 将来のことは一寸先は闇、あれこれ思案してもしょうがない。ただ、はっきりしていることは、母については、もっともっと書いておかなければならないということだ。書いておかなければならないことが山ほどあるということだ。 その母が、延子と延子の次女、その長男と一緒に、私の住む静岡県の藤枝へやってきた。母は何度か私の自宅へ来たことがある。それなりに思いでもある。その思い出のアルバムに、2019年8月のことを記すことができてとてもうれしい。私の自宅は狭いので、駅前のホテルに泊まってもらった。翌日、静岡市の浅間神社を案内して、岡山県の津山市へ帰っていった。母親と、もう一緒に歩くことは無理だが、たとえ車いすでも、連れ添って歩けることに無上の喜びを感じる。(2019年8月18日 つづく)
2019.08.17
お断り この推理小説はフィクションであり、登場人物と団体等は実在のものとは一切関係がありません。 それから2週間後、鳥取県の白兎海岸を若い男女が散歩していた。登りはじめた真夏の太陽を背に受けて、国道沿いのコンビニで買ったパンを、朝食がわりに食べながら、波打ち際を歩いていった。「因幡の白兎のはなし、本当かしら」 女性が男性の右腕にぶら下がって言った。「神話だしね。でもロマンがあって楽しい」 大阪の大学で日本史を専攻している若い男が答えた。夏休みを利用して遊びに来ていた。山陰の空は抜けるように青い。「あら、何かしら、あれ」と言って、女性が目の前の岩肌のところを指差して言った。「なんだろう。行ってみよう」 女性は男性の後に従った。大きな三角形の岩が3つ、波打ち際に聳えるように浮かんでいるのだが、そのうちの一つに、男性の死骸らしきものが打ち上げられていた。死体を確かめた二人は、腰を抜かすほど驚いて、手に手をとって、何度も転びそうになりながら、コンビニに駆け込んだ。 鳥取県警察のパトカーが到着したのは、110番通報から30分くらいたってからだった。地元の派出所員が、県警の中村警部に発見者の学生を紹介した。死体は浜辺の砂の上へ降ろされていた。鑑識も数名やって来て、写真を撮っている。「あの大きな岩の途中に引っ掛かっていたんです」 仰向けにされた死体の顔に、大きなアザができていた。着衣は乱れ、露出した肌は、ごつごつした岩の鋭利な刃によって切り刻まれていた。顔の判別もつかないほどに、死体は損傷が激しかった。岩に何度も打ち付けられたのだろう。昨晩は風が強かった。死体はかろうじて若い男だと分かった。 中村警部は、部下に付近の住宅ーといっても国道沿いに数軒しかなかったがーへの聞き込みを命じた。しかし収穫はなかった。 中村警部は、コンビニの従業員に聞き取りを始めた。深夜から早朝にシフトで入っていた学生アルバイトへ電話で聞くと、11時半ころに駐車場の外れに一台の車が入り、夜食を買って出ていった二人連れがあったことを覚えていた。12時以降は店を閉めるので、深夜の情報はそれしかなかった。学生アルバイトがシフトで入ったのは午後8時で、数人の客は女性と高齢者ばかりであった。アルバイトの学生は、死体を確認しに来ると言って電話を切った。 アルバイト先のコンビニへ来た学生は、 「確かにこのひとでした。焼き鳥を5本買って行きました」 と言って、変形した顔を直視しながら答えた。「だいぶ酔っていた様子で、焼酎を買って、もう一人の男性と店を出ていきました」「連れの男性はどんな風でしたか」「それが、確か男の人でしたが、自動ドアの外で待っていたので、よくわかりません」「すぐに車で出ていったのですね」「それは分かりませんが、20分くらいして戸締りの準備で外へ出たときには、車はありませんでしたから、12時までには車はなくなっていたことになります」「何か喋りませんでしたか? どんなことでもいいんです」「ええ、酔っていたので、大丈夫ですか、と言ったら、聞き間違いかも知れませんが、ハクトがどうとか、言っていたよでした」と、アルバイトの男は答えた。「ハクトって言ったのですね」「はい、確か。そう聞こえました」「その少しの時間の間に、連れの男が犯人だとすると、酔った男を殺害して、男は海で岩にたたきつけられた。そんな感じですか。中村警部の部下が言った。「この先に崖がある。そこから突き落とされたのかも知れない。とにかく、死因と死亡推定時刻の判定を待とう」鳥取県警は、明日の捜査を期して現場を引き上げた。 翌朝、徹夜で科学捜査を担当した所員から、報告がきた。 死因は溺死、死亡推定時刻は前夜の未明の1時前後。胃の内容物は夜食の肉類と未分解のアルコール、からだの傷は岩に打ち付けられた時に出来た傷と判明した。頭に固い棒状のもので殴られた痕が認められた。 死体は持っていた免許証から、大阪のドリーム・リサーチというコンサルタント会社社員、年齢は35才。大阪府警察の協力を得て、犯人割り出しに繋がる情報収集に全力を投入することとなった。(つづく)夏光一郎警部シリーズ(既刊)(既刊)『野獣の美学殺人事件』文芸社、2011年『リオの蝶殺人事件』文芸社、2011年『磯の香りの謎殺人事件 夏光一郎警部巨大地震と戦う』文藝書房、2011年『夏光一郎警部 猫の一分 美人博士とブッチーの活躍』Kindle版『夏光一郎警部 夏光一郎警部 湯河原発量子力学の女』Kindle版『連続僧侶殺人事件(上)夏光一郎の試練』Kindle 版『連続僧侶殺人事件(下)』Kindle版『夏警部 ブラック企業を追え 中国塩城に舞う鶴の化身』Kindle版『夢を売る女』Kindle版
2019.08.17
2019年5月1日から、天皇の退位に伴う新元号「令和」 がスタートしたが、万葉集に収録された和歌のような、期待される令和の清く平和なイメージとは逆行する方向へ突き進んでいるように思えて仕方がない。万葉集の歌とはこうだ。―万葉集「梅花の歌」―初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。 かつて「一億総ハクチ化」を指摘したのは、松本清張と大宅壮一らであったが、彼らが原因に挙げたのは、茶の間へのテレビの侵入であった。いま「一億総ハクチ化」の原因を上げるとすれば、それはスマホと劣化した政治だろう。政治が劣化すると人身もまた劣化する。 今回は、難解かつ意味不明ともとられかねないテーマを掲げたのですが、筆者は真面目くさって考えています。しかし、そもそも何が「人間的」なのか、百人いれば百通りの意見があり、人間性が崩壊すると言っても、人間性の定義に、崩壊しているかいなか、崩壊しているとして、如何に崩壊しているかの選択肢(恐らく20位はある)を掛け算すると膨大な検証を必要とする。 しかし、また、そもそも「人間とは何か」と問いかけると、性善説から性悪説へ、生物学的な人間観、医学的なそれ、心理学的なそれ、哲学的なそれ、文学的なそれ、宗教的なそれと選択肢が多く、議論をするのに収拾がつかなくなる。では令和の時代になって、人間はその人間性を向上させているのか、はたまた劣化しているのか答えを見いだすことはできないのだろうか? 70年前と比べて人間性は劣化しているだろうか? その事を証明出来るだろうか? 出来るというのがここでの答えである。 令和の事件簿を紐解いて見ると、平成末期から、ア 高齢者によるブレーキ踏み間違い等による悲惨な事故とその放置、イ はんぐれ集団によるオレオレ振り込め詐欺、ウ 小中高校でのいじめと放置、エ 政務活動費等不正使用、オ 公務員(警察)によるパワセクハラ、カ 国会議員の暴力など不祥事の続出等事件、キ 官邸、官僚組織による公文書偽造・隠ぺい、改竄、忖度、ク 危険煽り運転(致死)の横行、ケ 施設、家庭での高齢者虐待等が続出しており、とどまるところを知らない。これを政(まつりごと)の乱れに起因する社会人身の乱れと言わずして何と呼ぶのか。 「政が乱れると人身が乱れる」とは、政権与党のある著名な政治家の言で、天変地異が起きるというところまで拡張して論じる人もいるが、人文現象を自然現象と関連付けるのはいかがなものか。しかし人身が乱れるのに乗じて自然災害が甚大化、人災化するということはあり得る。非科学的になるかもしれないが、筆者は社会科学の分野ですでに50年の研究歴を有し、政治経済学的手法で政治に関してもことあるごとに分析を行ってきた。 現政権下で官邸に権力が集中し、この権力におもねる官僚たちが牛耳る民主主義の破壊は、歴代のどの政権よりもひどい、最悪の内閣だといってよい。というよりも、私が担当している経済学や財政学の授業をそれなりに真摯に受け止め、まとめる能力のある学生の知的水準よりもかなり低レベルの政権だと言わざるを得ない。はっきり言うと、学生たちの民主主義理解にも達しない「不可」の水準だ。
2019.08.14
お断り この推理小説はフィクションであり、登場人物と団体等は実在のものとは一切関係がありません。 山梨玲子はスタッフ数人と探偵事務所を営んでいた。最初は自分と学生アルバイトの二人でやっていたが、信用を得ながら依頼件数を増やしていった。浮気、素行調査は極力減らしている。山梨は今この時点では、昨晩の事件の関係で、仕事の依頼が来るなど考えてもみなかった。「警部、その節はお世話になりました」と、山梨は挨拶した。「こちらこそ」と、娘の蜜柑が挨拶した。山梨と蜜柑は初対面なのだが、そつがない。「被害者は、東京のユニバーサルプロダクションの社員で沢田研一といいます。反社会的勢力との付き合いについては、厳しく対処しており、沢田研一についても、そのような事実は会社としては承知していないということでした」と、夏警部が切り出した。 藤堂麻里矢は、警部が食事会に誘った意味を解して言った。「聞いたことのあるような名前ですわ」「防犯カメラのリレー捜査を始めたのですが、原場付近のカメラ1台に、確かに傘をさした人物が写っているのですが、そのあとの追跡がまだできていません。傘を持った人物は、巧妙に防犯カメラをかいくぐったのかもしれません。周到な準備を感じます。引き続き映像の分析はしますが」 夏警部は、運ばれてきたワインを手にとって乾杯の仕草をした。蜜柑も、お気に入りのワイングラスを持っている。警察の捜査情報をどこまで一般人に話題にできるかは難しいところだが、藤堂麻里矢は芸能関係者だ。夏警部は、何かヒントが得られないか期待している。「沢田研一というかたですが、芸能雑誌で一度読んだことがあります」 藤堂麻里矢は、微かな記憶を辿りながら言った。「確か、芸人さんの育て方の上手なかたで、雑誌に顔写真入りで紹介されていました。その点は、うちのスタッフも話題にしていたことがあります、ただ噂では反社会的勢力とのつきあいもあるみたいです。詳しいことは知りません」「ユニバーサルプロダクションへは行ってきたのですが、沢田は昨日は休暇をとっていて、トラブルや殺人に繋がることは何も知らないということでした」と、蜜柑が言った。「赤い傘の女性と芸能プロダクションの社員、この二つの情報しかないのが現状です」と、夏は言った。「ネットではよほど注意しているらしく、悪い情報はとくに見られません」「麻里矢さんが見た赤い傘の女性は、果たして女性なのでしょうか」 山梨が、当然のことながら男性の可能性を指摘した。ホールの隅ににおいてあるテレビが、お笑い芸人のトークショーを映している。昨晩の事件のことで何か話しているようだ。4人は耳を済ました。(つづく)夏光一郎警部シリーズ(既刊)(既刊)『野獣の美学殺人事件』文芸社、2011年『リオの蝶殺人事件』文芸社、2011年『磯の香りの謎殺人事件 夏光一郎警部巨大地震と戦う』文藝書房、2011年『夏光一郎警部 猫の一分 美人博士とブッチーの活躍』Kindle版『夏光一郎警部 夏光一郎警部 湯河原発量子力学の女』Kindle版『連続僧侶殺人事件(上)夏光一郎の試練』Kindle 版『連続僧侶殺人事件(下)』Kindle版『夏警部 ブラック企業を追え 中国塩城に舞う鶴の化身』Kindle版『夢を売る女』Kindle版
2019.08.07
底なし沼へ沈む日韓政治経済、草の根戦争 テレビやインターネットで取り上げられている通りだが、軍事転用可能なフッ化水素等品目の輸出に関するホワイト国(グループA)扱いを廃止したことで、草の根交流から芸術作品展示イベントまで、韓国排斥運動が広がりを見せている。 韓国でも同様の日本排斥運動が激化している。これにたいしては、ホワイト条項(グループ)からはずしたからといって経済措置をした訳じゃない、個別に手続きをすれば、何ら問題ではない、ムンジェインは空騒ぎをしているだけだと、コメンテーター総動員で故麻原顔負けのマインドコントロールをしている。マインドコントロールは国民を支配下に置く高度な催眠術で、恐怖政治や、今中国がやっているよな暴力発動と相乗して、効果を発揮する。 GSOMIA廃止を示唆する動きもあり、「北」が短距離弾道ミサイルを盛んに発射していることも、GSOMIA粉砕を狙ったものとなっていると考えられる。ムンジェインか安倍がいなくならない限り沈静化しないという声もある。 名古屋の慰安婦少女像撤去は、補助金つきの行政施設だということと、京アニみたいに携行缶をばらまくぞという嫌がらせが殺到したからだと言う。文化庁から多額の補助金を貰っている立場もわかるが、携行缶をばらまくぞというテロ顔負けの脅しに屈している。テロに絶対屈しないという国の責任者も何も言わない。これでは国策に反するテロは叩きつぶし、国策に合致しているテロは許すというとに他ならない。 種類はどうあれ、右翼と政権中枢と「軍」部が癒着すると戦争独裁国家が現れることは歴史が証明している。その結果、泣きをみるのは「ものを言わない」国民なのだ。 名古屋市を脅迫した右翼の性格特性がよく出ている。すなわち、国家権力主義、暴力主義、貧困、賎民主義、偶像崇拝主義等人類が叡知によって克服すべき後進性を遺伝子に刻み込んだ厭うべき人種だ。河村市長には断固はねのけて欲しかった。 令和の経済戦争は、極東を70年かけて作り上げてきた秩序を一気に崩へと向かわせている。それを許容しているのはオリンピック景気に酔いしれた国民と国民を自由に操ろうとしている狡猾な権力中枢と飼い犬たちだ。
2019.08.07
お断り この推理小説はフィクションであり、登場人物と団体等は実在のものと一切関係がありません。 藤堂麻里矢は、ホテルニューグランドで見たことを話した。「実は、わたし、昨晩警部さんにお話しした赤い傘の人なんですが、ホテルで見たような気がするんです」「気がするとは?」 夏警部は興味を示した。「はい、赤い傘を持った女性が、ホテルのロビーにいたのを思い出したのです。ほんの一瞬だったので自信がないのですが」「何時ごろでしたか」「ディナーショーの夕方の部が始まる前でしたから、午後4時前だったと思います」「その女性の特徴は?」「バンドのメンバーと話をしていたので、ちらっと見ただけですが、濃い色のジーンズのズボンに、上着は白っぽかったと思います。身長は高かったと思います。170センチはあったと思います。」「一人でしたか?」「その時は、一人でした」「その女性を見たのは、その時限りですか?」「傘が印象的だったので、そのあと見ても分からないと思います」「傘の目撃ですね」「そうですね。お役にたちませんね」「そんなことはありません。早速ホテルに問い合わせします」といって、警部は同席していた女性警部補に合図をした。女性警部補は夏蜜柑といった。夏警部の娘だ。蜜柑警部補は席を立った。藤堂麻里矢は蜜柑とはまだ面識がなかった。「ところで麻里矢さん、その節はお世話になりました」「わたしの方こそ。警部のおかげで歌が歌えるようになりました」「山梨玲子さんはお元気ですか?」 夏警部は犯人逮捕に協力した私立探偵を思い出した。事件は芸能界をめぐる利権争いのすえの殺人事件だった。「警部、分かりました」と言って、蜜柑が戻ってきた。「ホテルのフロントで、赤い傘の泊まり客があったのを覚えています。傘が印象的だったそうです。でも、背の高い女性という以外は記憶がないそうです。部屋へ案内した男性スタッフと、朝食会場のスタッフに当たってくれていますので、追って連絡が来ると思います」その時、蜜柑の携帯が鳴った。「はい、そうです」しばらく話し込んで、蜜柑は次のように言った。「予約は電話で申し込まれています。係りのスタッフも、背の高い女性という以外は記憶がないということでした。昨晩の事件の時刻に、鍵をフロントに預けた記録はないそうです。今日のチェックアウトは8時となっています。その時は赤い傘は持っていなかったそうです。以上です」と、蜜柑は報告した。「ありがとう。では早速防犯カメラのリレー捜査を始めてくれ」警部は部下の蜜柑に命じた。「おかげで犯人像に一歩近づきました。赤い傘の女性が鍵を握っています」と言って、警部は麻里矢にお茶をすすめた。「ところで麻里矢さん、久しぶりにお会いできたのが、こんな物騒な事件と重なって申し訳ないのですが、今晩お時間がおありでしたら、お食事でもいかがですか? 蜜柑が喜ぶと思うのです」 警部はある算段を胸に言った。麻里矢は次のコンサートまでしばらく暇なので、申し出を受けて神奈川県警を出た。麻里矢の事務所は横浜駅の北にあった。 約束の時間に、麻里矢と私立探偵の山梨玲子が、レストランに入ってきた。警部と蜜柑は、立ち上がって「ここです」と合図した。夏光一郎警部シリーズ(既刊)(既刊)『野獣の美学殺人事件』文芸社、2011年『リオの蝶殺人事件』文芸社、2011年『磯の香りの謎殺人事件 夏光一郎警部巨大地震と戦う』文藝書房、2011年『夏光一郎警部 猫の一分 美人博士とブッチーの活躍』Kindle版『夏光一郎警部 夏光一郎警部 湯河原発量子力学の女』Kindle版『連続僧侶殺人事件(上)夏光一郎の試練』Kindle 版『連続僧侶殺人事件(下)』Kindle版『夏警部 ブラック企業を追え 中国塩城に舞う鶴の化身』Kindle版『夢を売る女』Kindle版
2019.08.03
有史以来の人類の歴史は、貨幣経済発展(人間の商品経済への従属)への間断のない、連続と非連続の歴史であった。その過程のなかで、貨幣経済の浸透は一部の者(地域)への富の集中をもたらし、それを基盤として権力者が登場し、富の集中と富の源泉の独占が登場し、再生産されていった。 富と権力の集中は、それにみあった統治形態(中央集権)を生じさせ、生産力に対応した生産様式を形成した。権力者へ「おもねる」そんたく構造は、時代とともに変化するが、「絶対の権力は崩壊する」という真理があるように、現時点での権力へおもねる者たちは、大学、マスコミ、ネット社会、さまざまなコミュニティに、隠然、公然と権力擁護の画策を講じている。やがてこの権力構造は崩壊し(交替)、新権力をおもねる飼い犬たちが登場し、古い飼い犬たちは冷飯を食う。 彼らはかつての茶坊主等が演じたように、報道番組や雑誌、動画サイト等に登場しては報酬を得ている。嗅覚の鋭さと尾を降るタイミングの良さは犬にも劣らない。 日韓貿易戦争における彼、彼女らの尻尾ふりのポイントは、「純粋な(盲目の)愛国心」、韓国敵視思想であり、戦前、戦中の民族差別に近い。「日本経済大国論」「韓国発展途上ナショナリズム論」「朝鮮人野蛮人論」「他者に対するへいげい」だ「無教養」。こうした精神構造を背景に「大東亞共栄圏」がうまれ、東南アジア侵略真珠湾攻撃へと繋がっていった。この記憶は挑戦半島の人たちの記憶=DNAに深く刻まれている。
2019.08.03
お断り この推理小説はフィクションであり、登場人物と団体等は実在のものと一切関係がありません。 翌朝、藤堂麻里矢は朝食の時間が来たので、マネジャーの幸田友里恵に電話した。 「お早う、よく寝られたかしら。昨日は大変でしたね」 「お早うございます。ディナーショーの肩の荷がおりて、たっぷり寝ましたわ。麻里矢さんこそ、わたし余計なことをお知らせしたのではと」 「そんなことないわ。県警の夏警部にしばらくぶりにお会いできて、なくなったかたには気の毒ですけど、情報提供できてよかった」 「県警の殺人課の刑事さんをご存じだなんて、麻里矢さんて凄いわ」 二人は、今後の打ち合わせをするために、階下の食事会場で落ち合った。バンドのメンバーたちは、別のホテルに投宿していた。 「ところで幸田さん、わたし、昨日の事件のことで気になることがあるの」 麻里矢は、食事のあとのコーヒーに手を伸ばしながら言った。早朝のニュースは、昨晩の事件について次のように報じていた。 「昨晩10時半頃、横浜の山下公園で男性の水死体が発見され、神奈川県警は殺人事件とみて捜査を開始しました。死体は、持ち物から東京の芸能プロダクション、ワールドエンターテイメントに勤務するマネジャーの沢田謙一氏、41歳で、死体は登山ナイフにより一突きされ、海へ落とされたことによる溺死と見られています。第一発見者で近くのホテルの宿泊者は、 「岸壁下の海水に浮かんでいるのを見つけてすぐに通報した。辺りには誰もいなかった。黒い傘が開いたまま逆さまに転がっていた」 と、言っているとのことです。 「幸田さん、あなたは先に事務所に帰ってちょうだい。私は時間があるから、これから警察へ寄って昨日のことを少し話して帰るから」 幸田友里恵は何か言いたげに麻里矢を見たが、 「分かりました。事務所でお待ちしています」 といって、食事会場を出た。麻里矢は携帯の夏警部の電話番号を探した。もう3年近く音信不通だが、番号を発信した。 「もしもし、藤堂さんですね。昨晩はありがとうございました」 の返事に、番号をとっておいてくれたことが分かった。 「昨日のことで何か思い出していただけましたか」 と、昔ながらの丁寧な言葉が返ってきた。 「思い出したというほどのことではないのですが、ちょっと気になることがあり、これからお話にうかがいますが、よろしいでしょうか」 麻里矢は単刀直入に切り出した。 夏警部は、神奈川県警の玄関で待つと言って電話を切った。 捜査一課のソファーに案内されて、麻里矢は一課長の挨拶を受けたが、早速本題に入った。 「実は赤い傘のことが気になるのです」 「と言いますと?」 夏警部は身を乗り出した。
2019.08.01
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