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2024.04.30
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​​​​ チャン・リュル「群山」元町映画館
​​ 映画を見終えて、感想を書きあぐねていた作品ですが、とりあえず 備忘 のために感じたことのメモをそのまま書きつけておこうと思います。映画は チャン・リュル監督 「群山」 です。​​
​​​​​ チャン・リュル という監督は、韓国の監督だと思い込んでいましたが、中国の 吉林省 の方で、所謂、 朝鮮族の三世 だそうです。
 彼が作品として描いている 「柳川」、「福岡」、 そしてこの 「群山」、「慶州」 と、日本列島の西の町から朝鮮半島をたどっていることの意味について、とても興味深く思いますが、そのあたりの見当がつかないのが、感想が書けない理由でもあります。​​​​​

 作品は、ボクが見る限りですが、旅する複数の男女、あるいは男男と、その町に住んでいる人々との出会いによって描かれていますが、単なる名所めぐりではなくて、登場する人たちのそれぞれの体験や記憶という、別の時間が背景化されることで、町を映している映像の意味が重層化される印象が共通していました。
​ たとえば、この 「群山」 でも、一瞬、何時のことなのかわからない困惑に連れ込まれるシーンがあったりしたと思うのですが、そのあたりも、言葉にするにはボンヤリしてしまってうまくいえません。​
​​​​​ もう一つは、たとえば 「柳川」 という、列島の西の端、九州の水郷の町を舞台にした作品では登場人物の名前が町の名前に重ねられることで、町の歴史と、そこにやってきた旅人の記憶が重ねられている印象が残りましたが、この 「群山」 では、主人公、旅する詩人 ユンヨン 「母の生まれ故郷」 という設定で、本人にはあり得ない 「既視感」 が映画を動かしているようなのですが、うまくいえませんね。​​​​​
​​​​​​​ ついでに、もう一つ、九州で生まれて、今はこの町で、母の死を見たことで心を閉ざしているらしい娘と暮らしているという、 宿の主人 のキャラクター、 尹東柱 という日本で殺された詩人の名前の登場、なによりも、旅をしている 主人公が詩人である ということが、かなり大切なつながりで描かれていたと思いました。
 今、映画の中で生きている 一人一人の記憶 朝鮮族という 民族の歴史 が出会う場所に、 チャン・リュル という監督の、それぞれの作品があるという印象なのですが、うまくいえませんね。​​​​​​​
 静かで、穏やかな会話が記憶に残る作品でした。 ​拍手!​
監督 チャン・リュル
脚本 チャン・リュル
キャスト
パク・ヘイル(ユンヨン)
ムン・ソリ(ソンヒョン)

パク・ソダム
2018年・121分・G・韓国
原題「頌」
2023・08・03・no103・元町映画館no194
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最終更新日  2024.04.30 23:45:55
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