森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.08.13
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生活の発見誌7月号50ページよりの引用です。

意識的に症状を治すことを目的にしては治らない。
症状を治すために人生を生きているのではない。
人生を現実に即して生き抜く、幸せを求めて、症状というハンディを持ったまま、現実の中で生き抜く過程で、いわば、副産物として症状からの解脱が達成されると思う。
基底になるのは、あくまで現実社会である。

これは森田理論の神髄を的確に指摘されていると思う。
症状に対して正面から取り組んでいっても症状から解脱することはない。
むしろ症状に注意や意識が張り付いてしまい、精神交互作用で蟻地獄に落ちていく。
神経症は益々悪化して、ついに固着してしまう。


神経症から回復するということは、100%神経症のことばかり考えていた頭の中を、90%、80%、70%、60%、50%とその比率を軽減させる療法です。
そのくらいまで減少させれば、どんなに不安、恐怖、違和感、不快感があろうとも、神経症の克服宣言をしてよい。さらに不安にとらわれやすいという神経質性格を、プラスに活かすことを考えて実践できるようになれば、神経質性格に生まれてきてよかったと思えるようになる。

不安などを根こそぎ取り去ろうとすると、自分のアイデンティティも失ってしまう。
不安にとらわれやすいという特徴は、天から与えられたギフトのようなものだら、ありがたく活用させてもらうという気持ちを持ち続けた方がよい。
余裕のできた10%、20%、30%、40%、50%の部分で、日常茶飯事、仕事、勉強、家事、育児、趣味のことを考えて生活を立て直していく。

そうすれば、神経質性格がプラスに作用する。
気づきや発見、関心や興味、アイデアや意欲が生まれてくる。
無気力、無関心、無感動という状態を抜け出して、人間に生まれてよかったと思えるようになる。症状を抜け出して、そういう状態を目指しているのが森田理論である。
つまり森田理論は症状を克服するという理論であると同時に、人生観の確立を目指す理論なのです。割合としては、神経症克服4割、人生観の確立6割ぐらいと認識していれば間違いない。

私は、神経症克服は、別に森田療法でなくてもよいと考えています。
薬物療法、カウンセリング、認知行動療法などの他の精神療法でも構わない。

ところがいったん症状が軽減した段階では、森田理論学習を始めることが大切になる。
ここで手を抜いては、別の症状を生み出して元の木阿弥になる可能性が高い。
症状の発生がなくても、生きていくことが自体が苦しみそのものになってしまう。
人生を謳歌し、味わいのある人生を送るためには、神経質者としての人生観の確立を目指す必要があるのです。このことをぜひ頭の片隅に入れておいてもらいたいと思います。
そのための強力なツールとして森田理論学習があるのです。





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Last updated  2020.08.13 06:45:09
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