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生活保護の扶養照会、「仕送りした」親族は0.7% 朝日調査生活保護を受ける人の親族に対して、仕送りができるかどうかを自治体が尋ねる「扶養照会」について、全国74自治体を調べたところ、親族から受給者への仕送りにつながった例が、照会したうちの1%未満にとどまることがわかった。朝日新聞が、2021年度まで2年間の実績を調べた。扶養照会は、民法上で「扶養義務」がある3親等までの親族が対象。主に親や子、きょうだいに照会する自治体が多く、厚生労働省は、高齢の親族などは対象から外しても「差し支えない」としている。今回の調査で、各自治体が照会対象としてリストアップした親族のうち、実際に照会した割合(照会率)を計算すると、数%から約8割まで差があることもわかった。照会では、仕送りのほか、定期的な訪問や電話などによる「精神的な支援」が可能かも聞く。親族に知られることを理由に申請をあきらめる人がいるとして、生活困窮者の支援団体などの間では批判の声が強い。朝日新聞は扶養照会について、全国の県庁所在市、政令指定市と東京23区の計74市区にアンケートや情報公開請求を実施し、今年1月までに回答を得た。調べたのは、20、21年度に保護の開始が決まった世帯に関し、照会した親族の数▽照会を受けて仕送りした親族の数▽仕送りの金額など。74市区では、両年度に開始が決まった計20万6513世帯について、親族のべ22万7984人に扶養照会をしていた。その結果、仕送りをした親族はのべ1564人(約0・7%)だった。1千人への照会で、仕送りにつながったのは7人に満たない計算になる。両年度に74市区で保護の開始が決まった世帯数は、全国の5割強にあたる数字になる。照会したうち仕送りが得られた割合を自治体別にみると、全体の8割にあたる60市区で1%未満だった。うち水戸市など8市区は、2年ともゼロだった。---福祉事務所関係の知人に聞いても、「経済的援助」(仕送り)を受けている受給者など、まあまあ100人に一人、という話で、0.7%という数字はそんなものだろうと思います。保護を受けるまでは援助していても、受け始めた途端に安心してやめてしまう、という例も少なくありません。もともと親子兄弟と完全に縁が切れているという例も非常に多いようです。ただし、経済的援助は100人に一人でも、精神的援助はそうではありません。親子兄弟との縁が完全に切れている人が多いとは言っても、それでも多くの受給者は親族との何らかの交流があり、引用記事にあるように、福祉事務所的には「定期的な訪問や電話」のやり取りだけでも、十分に「精神的援助の範囲に入るのだそうです。当然のことながら、福祉事務所のケースワーカーだって、経済的援助が受けられる受給者が極めてまれ、なんてことは承知しており、そんなものに何の期待も抱いてはいませんが、それでも精神的援助には多少の期待を抱いて扶養照会を送るのだそうです。何度か紹介した「健康で文化的な最低限度の生活」という漫画(ドラマ化もされた)には、ビリビリに破いた後、それをセロテープで張り合わせて「援助不可」と書いた扶養照会の回答が遅れてくるシーンが描かれています。知人も、おおむねそれと同様の回答を受け取ったことがあるそうですし、知人の同僚にも、大筋似た経験をしたケースワーカーはいるそうです。それでも扶養照会を送るのは何故か。そういう決まりになっていて厚労省が求めているから、ということもありますが、それがすべてではないようです。万が一の際、というのは、受給者が入院したり亡くなったとき、ということですが、親族の連絡先が分からないと非常に苦労することが多いそうです。例えば受給者が入院する、親族がいれば親族が入院の手続きをしてくれますが、いなければケースワーカーが病院から呼び出されて手続きを求められる、のみならず保証人欄に署名を求められる場合すらあるそうです。ケースワーカーは入院の(に限りませんが)保証人になってはいけない、というのが鉄則ですが、書かないなら入院は無理です、などと言われることもあり、そうでなくても言外のプレッシャーもあって、署名せざるを得ない場合もあると言います。姑息な手段ですが、欄外に「××福祉事務所誰それ」と書くこともあるとか。入院だけでなく介護施設も同様です。残念ながらケースワーカーをやっていれば、そのような事態をゼロにはできないようですが、それでも極力そんな場面を減らしたい、連絡が付く親族は把握しておきたい、とは考えるものだそうです。さらに厄介なのが受給者が亡くなったときです。死亡届の届出人には、ケースワーカーはなることができません。親族、アパート等で亡くなった場合は大家、病院で亡くなった場合は病院長、となります。しかし、大家にお願いしても断られる場合があるそうで、そうすると親族が最後の望みの綱になるわけです。更に言えば、今は室内で孤独死した人の身元確認も、歯形記録の照合がDNA鑑定が必要です。鍵のかかった室内で死んでいたら他の人の可能性なんかないだろうと思うのですが、警察は身元確認ができない限り死体検案書に名前が入りません。歯科通院歴がなければ、親子兄弟の誰かとのDNA鑑定しかありません。まあ、最後の手段として、届出人になる人がまったくいない場合の死亡届け出のやり方はあるにはあります(本当に身元不明の行き倒れの死亡届に準じる)。しかし、それはその後の「火葬の費用は誰が、どう出すか」ということにつながるのですが、諸事情から極力避けたいことだと聞きます。行旅死亡人端的に言って、届出人がまったくいない死体検案書では葬祭扶助の対象にする余地がなく墓地埋葬法の行旅死亡人の扱いになるけれど、その場合費用は全額区市町村の持ち出しになってしまう、ということです。というわけで、親子兄弟誰も連絡先が分からない、という受給者が入院したり亡くなると、ケースワーカーがひたすら苦労することになるようです。それぞれの個人にとっては、死は生涯に一回ですし、入院も健康であればそう頻繁なことではありませんが、元々高齢者、障害者、病人が多い生活保護受給者100世帯を受け持つケースワーカーから見れば、受給者の入院も死も頻繁です。それが全部ケースワーカーの肩にのしかかってきたらとても保たないのです。だから、福祉事務所から見れば親族の緊急連絡先を少しでも把握するために、扶養照会は必須なのです。もちろん、全部が全部ではありません。DV逃げ母子の虐待元夫とか、そういう場合は扶養照会はしないのも鉄則だそうです(現実問題として、高齢単身者と比べれば母子世帯が入院したり亡くなる可能性は圧倒的に低いです)。また、長期間交流なく扶養期待性が著しく低い場合も扶養照会はしなくて良いし、現実問題として受給者が強く拒否する場合は扶養照会はしないそうですが、それでも、ケースワーカーとしては、経済的援助など期待はしていないけれど、せめて緊急連絡先の電話番号だけでも書いて返信を下さい、というのが本音だということです。扶養照会が保護申請の足枷になるというのも分かるのですが、それが必要な理由もあるわけです。
2023.03.30
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関西空港で『荷物を次々とぶん投げる作業員』が物議...関西エアポート「乱暴かつ不適切。当該の貨物事業者にすでに注意した」今年3月21日に関西空港の一般の人も立ち入れるエリアから撮影された映像には、作業員が次々と荷物をぶん投げている様子が映っています。関西空港を運営する関西エアポートによりますと、映っているのは日本国内にこれから配送する荷物を仕分けするエリアだといいます。梱包されているとはいえ大切な荷物が次々と、時には回転しながら飛んで行く衝撃的な光景です。ツイッターに投稿されて物議を醸すこの動画。関西エアポートは「当社はあくまで空港を運営する事業者で、被害者は荷主ではあるが、動画に映っているような仕分け方は乱暴かつ不適切だと認識している」とした上で、「当該の貨物事業者にすでに注意したほか、他の貨物業者にも注意喚起を行っていく」としています。---荷物を預ける立場としては、荷物を投げるなんて勘弁してほしい、とは思います。ただ、残念ながら預けた荷物は丁寧には扱われない、これは現実であり、引用記事の件は氷山の一角でしょう。とりわけ、航空貨物の扱いは乱雑です。私は、2回目にメキシコに行った1996年、ギターを買って日本に持って帰って来たのですが、その時、ギターを何とか機内持ち込みにしようと思ったのですが、持ち込みはダメと言われ(より小型のチャランゴ、ロンロコ、マンドリンを持ち帰った時は機内持ち込みできたのですが、ギターはでかいのでやむを得ないところでしょう)しかも、預ける際に「荷物の紛失には責任を負うが荷物の損傷には責任を負わない」という同意書に署名させられました。まあ、一般的知識として飛行機の預け荷物は乱暴に扱われることは知っていたし、持ち込めない事態はあらかじめ予想できたので、事前に弦は完全に緩め切って、ハードケースの内側、隙間という隙間には古新聞を詰めるだけ詰めた状態で空港にもっていきましたが。実は、その数年後ハードケースが壊れた時に気が付いたのは、あまり「ハード」なケースではなくボール紙製だったんですけどね。それはともかく、やむを得ず預け荷物としたギター、メキシコ市のあちこちを巡って捜し当てた、一番いいギターだったのですが、その飛行機への積み込み方はお察しのとおりです。そのとき搭乗したのはユナイテッド航空のメキシコ-サンフランシスコ便で、機種はA320だったことを覚えています。A320は貨物コンテナを搭載できるはずですが、何故かコンテナを使用せず、荷物を満載した車両から、直接機内の貨物室に荷物を投げ込んでいました。はい、文字どおり投げ込んでいたのです。荷物の積み込みと乗客の搭乗が同時並行で、私は窓側の席だったので、ぶん投げているところがよく見えました。ご承知のとおり、旅客機の貨物室は客席の床下にあります。作業員が投げ込む度に、床下からはドン!ドカン!バキッ!っと、音と振動が伝わってくるのです。ナローボディー機とは言え、百数十人乗りの決して小さくはない旅客機の床下からこれだけ音と振動が伝わってくるのだから、どれだけの勢いで投げ込んでいるか、分かろうというものです。で、私のギターも荷物の中に見えたのですが、投げ込む前にこちら側の貨物室が一杯になったらしく、荷物を積んだ車両は反対側に行ってしまったので、私のギターが積み込まれる瞬間は見ていません。が、反対側から積み込みが再開すると、また、バキッ!ドカン!という振動も再開したので、投げ込み方は推して知るべし、です。その後、サンフランシスコでの乗り継ぎ時、成田に帰国した際ターンテーブルに乗せられるまで、どんな扱いをされたかは見ていませんが、メキシコ市のベニト・フアレス空港と大差ない扱いであったことは予想が付きます。結果的に、ハードケースは傷だらけの状態でギターを引き取りました。ただし、幸いにも、傷だらけなのはケースだけで、肝心要のギター本体は傷一つありませんでした。弦を緩めきったことと、新聞紙の緩衝材のおかげです。で、そのギターは27年経った現在でも私が使っているメインのギターなのですが(ケースは数年後に変えましたが)、ただし最近は滅多にギターに触らなくなってしまいました。これがそのメキシコ製ギターです。以下の弦楽器は、幸い機内持ち込みで持って帰ることができました。ボリビア製マンドリン(2001年購入)同じくボリビア製ロンロコ(大型チャランゴ・1994年購入)ギター以外の荷物に関しては、私は国内旅行でも海外旅行でも、飛行機を使う旅行でスーツケースを使ったことはなく、常にバックパック(登山用のザック)を使っています。中身も衣類などがほとんどで、カメラなど壊れやすいものは当然入れませんから、これはどんな勢いで投げようが、絶対に壊れません(笑)。一度、ワインを持って帰ったことがありますが、それも衣類とタオルでぐるぐる巻きにして荷物の真ん中付近に入れておいたら大丈夫でした。バックパックは、鍵がかけられない、刃物で切り裂けば簡単に破れるので、窃盗対策としてはよろしくないでしょうが、乱雑に扱われた場合の耐久性は最強です。というわけで今回はたまたま乱雑な扱いが見えてしまったので話題になりましたが、そのような扱いは航空貨物の(いや、おそらくは物流全般の)標準だと思った方がよいでしょう。そうでなければ、預け荷物は搭乗の1時間以上前でないと次の便に載せますとか、降機後、預け荷物がターンテーブルから出てくるまで一時間以上必要です、というのを許容するしかなくなります。なかなか丁寧な扱いと速達性は両立し難いものです。
2023.03.28
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4月から公務員定年引き上げ 国・地方、人手不足に対応現在60歳となっている国家公務員と地方公務員の定年が、4月1日から61歳に引き上げられる。その後も2年ごとに1歳ずつ引き上げ、2031年度に定年を65歳とする。シニア層の職員が持つ知識や経験を生かすとともに、少子高齢化が進む中、深刻化する人手不足に対応する狙い。民間企業でも同様の動きが広がるか注目される。年金支給開始年齢が65歳に引き上げられる中、60歳で定年退職すると無収入の期間が発生する。現在この期間は再雇用制度で対応しているが、政府は定年延長によりシニア層の職員の働く意欲を維持しつつ、経験を生かし若手のサポートなどに当たってもらう考えだ。厚生労働省によると、65歳以上への定年引き上げを実施している民間企業は22年6月時点で25.5%。21年に成立した改正国家公務員法は、定年を23年度から段階的に引き上げることや、60歳に達した職員は原則として管理職から外す「役職定年制」の導入を盛り込んだ。給与は当面の間、60歳時点の7割水準とする。地方公務員も同様の対応を講じる。定年が2年ごとに1歳ずつ延長されると、定年退職者がいない年が生じるが、従来のような退職者を補充する形の採用では、若い人材を安定的に確保できなくなる恐れがある。このため政府は定年の引き上げ期間中も継続して一定数を採用する特例的な措置を検討。地方公務員についても、総務省が自治体に対し、複数年度で採用者数を平準化するなどの対応を求めている。---あーあ、とうとう定年延長が始まってしまうのですね。超個人的には、公務員の定年延長にはがっかりです。定年まであと何年と指折り数えていたところから、急にあと5年延長と言われたら(私は経過措置にも引っかからず、定年が完全に65歳になる年代です)がっくり来ます。65歳までの雇用に関しては、私の勤務先には65歳までの再任用制度があるんだから、それでいいじゃん、って思ってしまいます。ただ、超個人的にはともかく、社会的には必要な措置であることは、残念ながら認めざるを得ません。年金は65歳まで出なくなりますから。私の勤務先は65歳までの再任用、再雇用制度が導入されていますが、全国の自治体を見回すと、田舎の自治体などでは再任用、再雇用制度が整備されていない役所もあるようです。また、おそらくどこの役所でも同じでしょうが、近年公務員の人気はかなり低下しており、国の若手キャリア官僚でも退職者が相次いでいるという話を聞きます。事情は地方公務員も同じです。若手、中堅の優秀な人が続々と辞めています。数年前までは「公務員は優遇されている」と公務員バッシングが盛んでしたが、あっという間に公務員(とりわけ教員に著しいようですが)はまともな民間企業に比べて(もちろん、世の中にはもっとひどいブラック企業は多々あるにしても)魅力のない仕事になりつつあります。新規採用者の競争倍率も、どんどん下がっています。もちろん、少子高齢化で新たに就職する新人に人数がどんどん減っていることも、倍率低下の一因でしょう。これらのことから考えて、私の個人的な感情は措いて、政府の政策として公務員の定年延長を行うことは、やむを得ないことです。私の勤務先の再任用制度では、給料は現役時の6割(フルタイム勤務の場合)でしたが、定年延長によって給料は60歳時の7割になったので、1割給料はアップするようです。ただ、今までの制度は「定年退職して再任用」だったので、60歳で退職金がもらえましたが、定年自体が延長されるので退職金は65歳までもらえなくなります(退職金の計算は60歳時点の給料で計算されるので、退職金自体が減るわけではありませんが)。なんというか、勤務日数も仕事量もプレッシャーも何も変わらないのに、給料だけ7割、というのも釈然としません。今までの再任用制度でもそれは同じなのですが、「退職」という区切りを経た後で給料が減るのは、個人的にはなんとなく納得がいく話゛す。このあたりの感覚は、私個人のものなので一般的に広く共有はされないかもしれませんが。ただ、幸いなことに、当面のところ60歳以上には短時間勤務という選択肢が用意されます。これは現行の再任用制度でもある制度ですが。私も、65歳までフルタイムで働くなんてもう無理と思ってはいますが、同時に60歳以降無職というわけにもいかないこともまた事実です。年金が出る65歳まで、というか、私が65歳になるとき、年金受給開始年齢がもっと上がっているかもしれませんが※、そこまで無収入ではとても耐えられません。※団塊ジュニア世代のはしりである私の年代から定年が65歳に延長される、ということは、年金もきっと同じだろうと踏んでいます。年金も、我々が受給できる年代に差し掛かるところから、支給年齢が引き上げられるんでしょう、多分。というわけで、できることなら60歳で退職して、別の仕事に転身したいところですが、遺憾ながらそのときに採用してくれる勤務先があるかどうかは定かではありません。なので、60歳になったら退職の上で短時間勤務を選択するでしょうね、間違いなく。フルタイムだけはもう勘弁です。
2023.03.26
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フランスで年金改革めぐる抗議続く ボルドーでは市庁舎に放火年金受給年齢の引き上げに反対する抗議デモが続くフランスで23日、南西部ボルドーの市庁舎玄関に火が放たれた。フランス政府は今月初め、年金受給年齢を62歳から64歳に引き上げる法案を強行採択したが、これに抗議するデモが連日続いている。マクロン大統領は、年金改革は必要だと法案を擁護。ボルヌ首相も、将来的な年金システムの大赤字を防ぐための改革だと説明している。ボルドーでは、デモ隊が警察と衝突した後、夕方になって市庁舎の玄関が炎に包まれた。出火原因などは明らかになっていないが、火は消防隊によって速やかに消し止められた。この日はフランス全土で100万人以上がデモに参加。内務省によると、パリでは11万9000人が抗議に集まった。パリでの抗議はおおむね平和的だったが、マスクを着けた暴徒と警察が散発的に衝突した。ロイター通信によると、暴徒らは店舗の窓を割ったり、街灯や標識などを破壊したり、ファーストフードのマクドナルドの店舗を襲撃したりしたという。~抗議参加者は~「この改革にも反対しているし、民主主義がもう何の意味も持たないという事実にも本当に反対している」、「私たちの声が政治に反映されていない。うんざりしている」と語った。AFP通信が取材した別の参加者は「抗議することで、自分たちの声を届けられる(中略)他の方法では改革案を取り下げられない」と話した。~フランスでは1月以降、年金受給年齢引き上げをめぐる抗議集会が9回開催されており、労働組合は28日にも10回目の実施を呼びかけている。3月6日にストを開始したパリのごみ収集業者は、27日までストを続けると発表した。---市役所に放火とか、暴徒が破壊行為というのはよろしくありません。しかし、その点を除けば、政府の政策に反対する者が手デモやストなどの抗議行動を行うことは正当な権利であり、そこに多くの国民が参加している、つまり政治への批判がきちんと機能している状況は、「うらやましい」と思わざるを得ません。さらに言えば、問題となっているのは年金の支給開始年齢引き上げですが、それが62歳から64歳に引き上げられる、ということ。日本の場合はとっくに年金の支給開始年齢は65歳になっています。※※共済年金ではない(=公務員ではない)女性に限り、経過措置で厚生年金部分は現在62歳支給開始です。それも1966年生まれからは65歳支給開始になります年金支給開始が早いのは、それだけ少子高齢化が深刻ではない(実際、フランスの合計特殊出生率は1.8~2.0で推移しており、日本よりずっと高い)ことの証左でもあり、そのことも含めて、うらやましい限りです。日本では、ストなんてほとんど絶滅状態だし、デモは絶滅していないですが、「年金支給年齢引き上げ反対」なんて掲げようものなら、高齢者叩きの大好きな競争原理主義者たちがさらにバッシングを過熱させかねない状況です。しかし、そのような社会情勢で政治が良い方向に向かっているかと言えば、全然そうではないことは一目瞭然と思います。もちろん、フランスだって理想郷でも何でもなく、問題はいっぱいあるでしょう。逆に、日本にも良いところはいっぱいあります。それでも、ことこの面に限っては、フランス国民の反応はきわめて正常だし、日本人一般の近年の反応は異常だと思わざるを得ません。
2023.03.24
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岸田首相、歴史的なウクライナ訪問 ブチャを視察日本の岸田文雄首相は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談するためウクライナを電撃訪問した。岸田氏は21日午後、首都キーウに到着し、その後、ロシア軍による民間人の虐殺と戦争犯罪が行われたとみられるブチャを訪問した。ウクライナ外務省のエミネ・ジャパロワ第1外務次官は、岸田氏のウクライナ訪問を歓迎した。ジャパロワ氏はツイッターへの投稿で、「この歴史的な訪問は、ウクライナと日本の団結と強い協力の証しだ」と述べた。日本の首相が戦闘の続く国や地域を訪れるのは、戦後初めてとされる。G7のアジアのメンバーによるウクライナ訪問も初。アジア地域の米国の同盟国としても初めてのウクライナ訪問となった。日本の外務省によれば、今回の岸田氏のウクライナ訪問はゼレンスキー氏の招待によるもの。岸田氏は23日に日本に帰国する見通し。岸田氏は今回の訪問で、ウクライナへの連帯と揺るぎない支援を直接伝えるほか、ロシアのウクライナ侵攻を断固として拒絶するという。---ロシアの不当な侵略と戦うウクライナへの支援の一環として首相がウクライナを訪問することは、悪いことではありません。ただ、当然のことながら、それはウクライナを支援するための手段の一つ(それも、実質的な支援というよりは多分に象徴的な意味合い)であって、それ自体を目的とするようなものではないはずです。ところが、現実には主要先進国の首脳でウクライナ未訪問なのは岸田首相だけ、などということが取り沙汰されて、なんとしても岸田首相ウクライナ訪問を実現させることが目的化してしまった現状(それは、必ずしも岸田首相自身の問題ではなく、報じたり評価したりする側の問題ですが)には、少なからず違和感を感じます。ヨーロッパ諸国や米国にとっては、ウクライナ侵略はすぐとなりで起こっている深刻な事態ですが、日本にとっては、いかにロシアが隣国とは言っても、深刻度がヨーロッパ諸国よりは低いことは否めません。したがって、NATO加盟各国首脳が続々とウクライナ訪問をしているからといって、日本が「バスに乗り遅れるな」と焦る必要はなかったのではないかと思ってしまいます。それに、今回の件はインド訪問をダシに使った印象が拭えません。先日は、インドが主催国であるG20外相会議を林外相が欠席したことが批判を浴びました。そのインドは、ロシアよりの姿勢を見せています。事前に秘密裏に情報提供くらいはしているでしょうけど、インド側の心証が良い、とは思い難いものがあります。それとは別に、この件は一般には事前に報じられなかった一方で、ポーランドから鉄道でウクライナに移動する際は、NHKと日本テレビが事前に情報を得て、その映像を撮影しているようです。要するに政権としてかっこいい姿を宣伝したかったのでしょうけど、場所が戦地だけに、その色目が破綻を招く可能性もあったと思うのですが、というかそんなことが問題ないなら、最初から秘密にせず、「今日これからウクライナを訪問してきます」と公表してもよかったような気がします。何にしても、今ひとつ釈然としない思いのあるウクライナ訪問と私は感じました。
2023.03.22
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家族旅行で静岡の川根温泉に行ってきました。元鉄道ファンの私か行き先を決めたわけではなく、なんと相棒がここに行きたいと言い出したのです。(私はむしろ、沖縄に行きたかったのですが)川根温泉と言えば大井川鐵道、大井川鐡道と言えばSL保存運転です。もちろん元鉄道ファンの私はそのことは知っているわけですが、相棒はそれを知っていて行きたいと言い出したわけではないようです。が、SL列車があると言ったら、案の定乗りたいと言い出しました。実のところ、私も大井川鐡道に乗ったことはないのです。というわけで・・・・・・東海道線金谷駅に隣接する大井川鐡道の金谷駅。こんな小さな駅だったんですか!!実は、大井川鐡道は一駅となりの新金谷駅が中心駅で、SL列車も新金谷駅から発着します。大井川鐡道には現在運転可能なSLが3両あり、C11が2両とC10が1両です。ほかにC12とC56が1両ずつ、休車状態ということです。残念ながらこの日は雨で、結構激しく降っていましたが、傘を片手に頑張って撮影しました。C11が牽引するかと思ったら、やってきた機関車はC10でした。旧国鉄のタンク機関車の中で、C11が一番知名度が高く、製造数も380両なのに対して、C10はたった23両しか作られていません。ホームに入線しました。「さくら」のヘッドマークは旧国鉄およびJRがかつて運行していた寝台特急「さくら」のヘッドマークと同じもののように見えます。それにしても、客車7両を連ねた大編成をこんな小さなタンク機関車1両で牽引できるのか、と思ったら、後ろに電気機関車が補機としてついているんですね。後で調べたら、C10が単独で牽引できる客車は4両までだそうです。もっとも、この電気機関車自体、相当の年代物ですが。そして、この客車がまたすげー年代物でした。我が家が乗車したのはオハ47という車両でしたが、内装などはボロボロです。もちろんドアは自動ではなく手動です。家山駅に着きました。昨年秋、台風被害によって大井川鐡道は各所が寸断され、現在は家山-千頭間が不通になっています。大井川鐡道はコロナ禍で乗客が減少し赤字となっていたことから、この復旧費用を捻出できずに、公的支援を要請する状況になっています。SL列車も現在は家山駅までの運行となっています。で、この日宿泊の川根温泉ホテルまでは代行バスで移動しました。で、翌日は無事晴れました。本来宿の最寄り駅の川根温泉笹間渡駅。前述のとおり台風被害のため運休中で列車は来ません。無人のホーム。お茶の産地だけに、あっちもこっちも茶畑だらけでした。桃の花が満開です。列車の来ない鉄橋。しかし、家山-千頭間は運休中ですが、その先の井川線は運行しており、大井川鐡道は南北に分断された状態になっています。だからそのままにはしておけないはずですが、お金がなくてどうにもならない状態なのでしょう。帰路は、晴れたので家山駅まで歩きました。絶景です。上流の畑薙ダムなどで水がせき止められているので、大井川の流量はかなり少なくなっています。家山駅では、ちょうどSL列車が到着したところでした。前日と同じC10による牽引でした。うーん、C11ではなかったか。はSL列車ではなくEL(電気機関車)列車にしたのですが、実は電気機関車牽引と言いつつ、この列車は後ろに蒸気機関車をつなげたまま新金谷まで運行するようです。蒸気機関車の向きを変える転車台は、新金谷と千頭にしかなく、家山までの運行の場合は、機関車の向きを変えられないので、そのまま後ろ向きに戻るわけです。もっとも、この手のタンク機関車は、転車台のないローカル線での運行を前提に、後ろ向きでの運行ができるように作られています。前日は雨でしたが、晴れて大井川もよく見えます。あっという間に新金谷につきました。C10は切り離されて機関庫へと戻っていきます。乗り換え時間が5分しかなかったので、車窓からC10をお見送り。金谷からは各駅停車と新幹線を乗り継いで、あっという間に東京に帰りました。次に来るときは千頭まで全線復旧していることを祈ります。
2023.03.20
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共産が再び党員を除名 志位氏の辞任求める著書を出版した古参共産党は17日、在任期間が22年を超える志位和夫委員長の辞任を求める著書を出版した古参党員、鈴木元氏を党の規約上最も重い除名処分にしたと発表した。党は2月にも党首公選制を主張したジャーナリストの松竹伸幸氏を除名したばかり。除名された鈴木氏は17日、東京都内で記者会見し「除名される筋合いはない」「党のイメージをダウンさせ、混乱させるだけだ」と訴えた。鈴木氏が所属していた党京都府委員会の発表によると、党は鈴木氏の著書について「事実無根の攻撃を書き連ねている」と批判。松竹氏と同時期に著書を刊行したことなどを「党攻撃のための分派活動の一翼を担った」として党規約違反による除名を決めた。ーーー先に松竹氏を除名したのに続いての除名騒動です。松竹氏については、以前からブログ「編集長の冒険」「超左翼おじさんの挑戦」を愛読し、著書も読んだことがありますが、鈴木氏はその松竹氏のブログでの著書の紹介で初めて知りました。だから、これまでどのような主張をされてきた方かは、最近志位委員長の退陣を求める著書を松竹氏の「かもがわ出版」から出版した、ということ以外は、正直なところ存じ上げません。松竹氏の主張はうなづける点が多々ありますが、鈴木氏の主張については、それは分かりません。ただ、ひとつ確実に言えることは、鈴木氏はかつて、京都の共産党で重要な役割を担っておられた方であり、共産党の統制衰退を憂い、将来について真剣に考えていたということです。その提言が全面的に正しいかどうかは分かりません。少なくとも「志位委員長は辞任せよ」という主張が、党中央にとって受け入れら難いものであることは分かります。だからといって除名というのは、自分たちの気に入らない意見、都合の悪い意見は全部排除、と言っているに等しいと思わざるをえません。私のような(すごく熱心な支持者ではないけれど)約半分の票を投じてきた「半分支持者」でさえ、この一連の共産党の行動には心が寒くなります。ましてや、一般国民からそのような態度がどう見えるのか、そこに思い至らないのでしょうか。党内の都合が、一般国民からより多くの支持を得ることよりも重要だ、ということでしょうか。だとすれば、それはもはや視野狭窄としか言いようがありません。以前にも書きましたが、共産党のような主張の政党が一定の勢力を持つことは、日本の政治状況がこれ以上悪化しないために必要なことであると私は思っています。それなのに、その共産党が、あえて言えば勝手に自爆しようとしている。さすがの私も、この一連の共産党の行動には怒りしか感じません。共産党の「主張」は大筋において正しいと今も思っていますが、「行動」は全面的に間違っていると思わざるを得ません。そう書くことは、知り合いの党員や地方議員のことを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、それでも間違っていることは間違っていると言うしかありません。
2023.03.18
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ガーシー氏、議員資格失う 参院で除名決定、欠席で初参院は15日の本会議で、国会欠席を続けて「議場での陳謝」の懲罰も拒否した政治家女子48党のガーシー(東谷義和)参院議員を「除名」とする懲罰を正式決定した。同氏は議員資格を失った。国会議員の除名は72年ぶりで現憲法下で3例目。欠席に基づく除名は初めて。憲法58条は、国会議員を除名するには出席議員の3分の2以上の賛成が必要と定める。採決は記名投票で行われ、賛成は235票、反対は政女党の浜田聡氏の1票だった。議決を受け、尾辻秀久議長が除名を宣告した。採決に先立ち、ガーシー氏の代理として浜田氏が本会議で弁明し「(ガーシー氏に投票した)国民の声を否定することは許されない。多数派による不平等な措置だ」と処分を批判した。自民党の世耕弘成参院幹事長は本会議後、記者団に「このような懲罰に至ったことは大変遺憾だ」と述べた。立憲民主党の田名部匡代参院幹事長も「全国民の代表という自覚が全くなかったと言わざるを得ない。除名は当然だ」と断じた。---私はNHK党(「政治家女子48党」に党名変更していますが、その名は口にするのもバカバカしいふざけた名前と思えるため、あえて旧称を書きます)は大嫌いだし、以前の記事にも書いたように、ガーシーなんて明らかに詐欺師(比喩ではなく本物の)なのに、当選させる有権者もどうかしている、と思っています。ただ、それでも有権者の支持を得て当選した国民の代表、という事実は事実です。その国民の代表から、除名というかたちで議員の地位をはく奪することは、本来はあってはならないことです。だから、本来なら除名という処分には反対です。が、ことここに至ってはどうしようもありません。議員になったら議会に出席する、それは就職したら出勤する、というのと同じで最低限度の地位に基づく義務というものです。「リモートワークもあるではないか」という声も聞こえてきそうですが、どんな仕事でもリモートでできるわけではありません。リモートワークの環境整備もない中で一人で勝手に「リモートワーク」は、「サボリ」と同義語です。現状、国会の議事、討論、採決は登院して行うものであって、登院しないということは議員としてのいかなる活動も行わないというこどす。したがって、除名という処分には「やむを得ない」と言わざるを得ません。後味は大変よろしくないですけど。そもそもは、こんな人物、こんな党を当選させるからこんなことになるのです、という話は以前に書きました。悲しいかな、政治不信が深刻であり、与党も野党も信頼されていないから、こんな党に票が集まった、ということなのでしょう。ただ、もちろんこれまでも様々な政策を掲げた新党が登場し、国会に議席を得たこともありますが、その政策への賛否や実現性は別にして、どんな政党、政治家でも何らかの主張を掲げてそれを実現するために国会での質問等の政治活動を行ってきたわけです。しかし、ガーシーの場合は、主張を実現するために、国会の場で一切何も活動せず、というよりむしろ活動しないことを掲げて立候補し、当選してしまったわけです。有り体に言えば、彼に実現したい政治的な主張があったわけではなく、犯罪捜査から逃れて不逮捕特権を手に入れる手段として立候補しただけでしょう。政策やその手段の当否、賛否以前に、当選しても政治に取り組む気がまるでない、という意味で議会制民主主義を否定していたというしかありません。テレビ局の取材に対してガーシーが、「僕が悪いなと思ってるのは、選んでもらったにもかかわらず何もできなかったこと」などと語ったことについて、ジャーナリストの江川紹子が、「『何もできなかった』ではなく『何もしなかった』では?」と指摘したと報じられています。。まさしくそのとおり、と思ってしまいました。より正確に言えば、最初から何もする気などなかったのではないかと思いますけどね。やはり、そのような人物を公認したNHK党の責任は重いでしょう。そして、いかに政治不信が深刻とはいえ、そのような人物を当選させることが、政治をよい方向にもっていくことがあり得るのか、票を投じた有権者も、そこは考えた上で票を投じるべきであったと思います。ここまで書いたところで、警視庁がガーシー前議員の逮捕状請求という報道がありました。不逮捕特権がなくなったので、国会会期中でも問題なく逮捕できるようになったわけです。今後はガーシーがいつまでドバイにいられるのか、というところが注目されます。旅券返納命令が出れば、不法滞在者となるので、強制退去となり、強制送還されたところで逮捕、ということになるでしょう。きちんと法の裁きを受けてください、としか言いようがありません。
2023.03.16
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政治に無関心「悪くない」 麻生氏、健康に例えて持論自民党の麻生太郎副総裁は12日、千葉県八千代市での街頭演説で、日本は他国と比べて国内情勢や治安が安定しているとして「政治に関心がないことは決して悪いことではない。健康なときに、健康に興味がないのと同じだ」と持論を述べた。その上で、統一地方選に向けて「健康でも手遅れにならないように定期健診を受ける。同様に4年に1回、皆さんにチェックしてもらうのが選挙だ。ぜひ関心を持ってほしい」と呼びかけた。---「健康なときに、健康に興味がないのと同じだ」だそうですが、日本の現状、政治状況は果たして健康なのでしょうか?改善しない経済状態、少子高齢化、増大する一方の財政赤字、自衛隊の拡大と増税、統一教会と政治の関係、右往左往するコロナ対応、与党議員の傲慢・・・・・・、どう考えても相当に重篤な病人だと思うのですが。そして、健康に無関心なのは健康な人だけ、とは限りません。糖尿病でも暴飲暴食を改められない人、飲酒で体を(家族や生活全体も)壊してもまだ飲酒をやめられない人、在宅酸素でもタバコを吸い続ける人、より中にはそんな、不健康なのに健康に関心を持たない(関心を持たないのか、もはや能力的に関心を持つことができないのかはさておき)人は大勢います。その先には死しか待っていないません。というわけで、政治の健康状態が極めて悪いにもかかわらず国民が政治に関心を持たないのは、非常に悪いことであり、その先には非常によろしくない未来しか待ち受けていないのです。もっとも、国民は政治に無関心かどうかは分からないですけどね。無関心というより、絶望しきってあきらめの境地なのかもしれません。正直なところ、私自身にもそんな感覚はありますから。それにしても、麻生はかつて「ある日気が付いたらワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていた、あの手口に学んだらどうか」という問題発言をしましたが、国民が政治に無関心である間に、政治家が好き勝手なことをしたいというのが本音なんでしょうね。しかし、その先に待っているのは、ヨーロッパ中を蹂躙し、ユダヤ人虐殺をはじめとする数多くの残虐行為を行い、ドイツ自身も国土を焦土と化し1945年5月のベルリン陥落、ドイツ降伏、その後44年続いた国家分裂という破滅でした。
2023.03.14
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3月4日秋ヶ瀬公園ミヤマホオジロとベニマシコを見に行ったのですが、どちらにもフラれました。シメヒレンジャクヒレンジャク、この時は全部で10羽いました。ただし、別の群れもいたので、合計はもっと多いと思われます。ヒレンジャク。今年は2月半ばまで全然渡来情報がありませんでしたが、2月後半以降、この秋ヶ瀬公園だけでなく、東京港野鳥公園、葛西臨海公園、江東区の木場公園など東京近辺の各地で一斉に記録されています。ヒレンジャクミヤマホオジロがいるという場所で待ったのですが、姿を見せず。代わりにアトリが出てきました。オオタカミヤマホオジロにフラれ、ベニマシコにもフラれ、前回撮影したトラツグミも今回は姿が確認できず、収穫はヒレンジャクだけか、と思ったその時コチョウゲンボウ、初めて観察する鳥です。この鳥狙いで渡良瀬遊水地まで行ったのですが見られず、秋ヶ瀬公園で見られるとは。コチョウゲンボウ。メスです。全体にチョウゲンボウのメスよりかなり白っぽいです。コチョウゲンボウ日本語の名前より、英名の「マーリン」の方が知っている人は多いかも。第二次大戦中のイギリスの戦闘機スーパーマリン・スピットファイアが搭載していたエンジンが、この鳥から名付けた「マーリン・エンジン」です。コチョウゲンボウアオゲラ3月11日三番瀬海浜公園秋冬春はいつもいるハマシギズグロカモメズグロカモメユリカモメに酷似しています。左手前ズグロカモメ、右奥ユリカモメ。ひとつ前の写真に酷似と書いたけど全然似ていない、ように見えます。実は、ズグロカモメはほぼ夏羽、ユリカモメは冬羽です。冬羽同士、夏羽同士だと酷似していますが、ズグロカモメの方が冬羽から夏羽に換羽する時期が早いのです。だから、今の時期は容易に識別できます。(どちらも冬鳥ですが、ユリカモメは日本にいる間は夏羽を見る機会はほとんどありません)大きさはこうやって並ぶとユリカモメの方が大きいことがわかるのですが、単独で見たら大きさの差はまず分かりません。ほとんど夏羽だけどすこし冬羽が混ざるズグロカモメ。まだほとんど冬羽のズグロカモメ。ユリカモメと酷似はしていますが、冬羽同士でも識別は可能です。ただ、数多くのユリカモメの中から数羽のズグロカモメを見つけ出すのはなかなか困難が伴いますウミアイサもいました。
2023.03.12
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「心に響くアンデスの音楽と踊りをあなたに」4月15日(土)午後2時~3時30分(開場1時)入場料 500円(小学生以下無料)会場 大田区文化の森ホール JR京浜東北線 大森駅西口から徒歩約16分または東急バス“池上方面”行で「大田文化の森」下車 東急池上線 池上駅から徒歩約23分東急バス“大森方面”行で「大田文化の森」下車演奏・踊りティエラ・クリオージャ 演奏ダンサ・ペルー・パシオン アンデスの踊りデボラ・モラーレス ペルー海岸地方の踊り「マリネラ」定員250名(2月末の時点で100人ほどの申し込みがあるそうです)申し込みは大田文化の森運営協議会まで(事前予約制、申込期限3月31日)わたしinti-solは「ティエラ・クリオージャ」のメンバーとして演奏します。ティエラ・クリオージャ(この時に演奏からメンバーは一部変わっています。)
2023.03.10
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放送法“政治的公平”文書は「全て行政文書」 総務相が認める松本剛明総務相は7日午前の記者会見で、放送法の「政治的公平」に関する政府内のやりとりを記した文書について「全て総務省の行政文書であることが確認できた」と認めた。同日午後に公表する準備を進めていることを明らかにした。一方で、文書の一部には記載内容の正確性が確認できていない文書があるとも指摘した。(以下略)---【速報】高市大臣が辞職を否定 「内容が不正確と確信」放送法の”解釈変更”要求に関する行政文書めぐり野党議員が公開し、安倍政権下で当時の総理補佐官が“放送法の事実上の解釈変更”を求めた経緯が記されたとされる資料が総務省の行政文書であると確認されたことを受け、文書は「ねつ造」と指摘していた高市経済安保担当大臣は、自身に関する部分は「内容が不正確だと確信している」と述べました。高市早苗 経済安保担当大臣「きっちりと調べて、4枚については内容が不正確であるということに確信を持っております」文書に名前が記載されている高市氏は、きょうの会見で自らについて書かれた4枚については内容の正確性や作成者、日時が確認できないとし、「不正確である」と断言しました。また、国会で“文書がねつ造でなければ議員辞職する”趣旨の答弁をしていたことについては「議員辞職を迫られるのであれば、この4枚の文書の内容が真実であると相手側も立証しなければならないのではないか」などと答えました。---一昨日記事を書いたら、あまりにその予想通りの結末になってしまい、ちょっと笑えます。もちろん、別に私に特別な予知能力があるわけではありませんよ。誰でも容易に予想できるお決まりの事態だからです。まず問題の文書は「本物」でした。これは現物を見て、周辺情報に当たれば、偽物であるはずがないというのは前回の記事でも書いた通りです。80ページという現物の全部を見たわけではありませんが、ネット上に出ているその一部を見れば、少なくともあからさまな偽物ではない、国の省庁の公務員が作った文書だ、ということは直感的に分かります。まして、元々総務省のキャリア官僚出身である小西議員が、古巣の文書について偽物を見破れないわけがないのです。そして、早々に本物であるという事実が政府から公表されました。しかし、そう分かっても、どうせ高市は辞職なんかしないだろう、と思っていたし、その予想通りの展開です。総務省は文書を本物と認めたものの、「文書の一部には記載内容の正確性が確認できていない」ともしています。これもまた、前回記事で触れたように、公開を前提として書かれた文書ではないので、発言録の内容を、おそらく複数の当事者のうちの一人からしか聞き取っていないなど、正確性について厳密に検証した文書とは言えないことは確かです。しかし、「間違い」「不正確」と「捏造」は異なるものです。間違い、不正確は、言ってみればミスです。しかし、「捏造」は意図して作成した嘘です。そして、高市はこの文書の自分に触れた部分を「捏造」だと言ったのです。今になって「内容が不正確」などと言っていますが、単に内容が不正確であることを「捏造」とは言いません。「捏造」というのは相手を弾劾する言葉です。国会の場でそんな言葉が飛び出せば、その言葉の真実性、言葉の重みに対する責任と自覚を問われます。だから小西議員は「仮に捏造でなければ、議員辞職するのか?」と問いただしたわけです。そもそも高市が何故この文書にそこまで逆上しなければならないのかが謎です。私はこの文書はざっくり読んだだけですが、その限りでは、この文書の中で圧倒的な主役、かつ印象最悪なのは礒崎首相補佐官(当時)です。「局長ごときがいう話ではない」「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ。」など、何この勘違い政治屋は、としか思えません。それに比べりゃ、高市は、文書の中ではむしろわき役です。そして、「本当にやるの?」「これから安保法制とかやるのに大丈夫か」「民法と全面戦争になるのではないか」など、礒崎のトンデモぶりに比べれば、むしろかなりマシにさえ見えます。もしこの行政文書が本当に捏造だったとするなら、その標的は絶対に高市なんかではない、どう見ても礒崎です。ところが、一番の悪役である礒崎は実質的に文書の内容を認めているに等しい(文書そのものの真実性についてはコメントせず、総務省にこの件で働きかけたことは認めている)のに、それに比べりゃまだマシな言動の高市が「捏造だ」と吹き上がってしまっている謎状態です。想像するに、私の目には「まだマシ」に見える言動が、高市の支持者である極右ネトウヨ層には「生ぬるい」「消極的」「逃げ腰」と受け取られかねないことを恐れたのではないでしょうか。勇ましい強硬論で極右勢力にに媚を売ってきた立場で、そうでない姿を見せられない、ということではないかと思います。まあ、そこはあくまでも私の推測にすぎません。事実として、捏造などという無根拠で無責任な言葉を口にする必要もなかったし、「捏造でなければ辞職するのか?」と問われてそれを肯定する必要もなかったわけです。それなのに自分から啖呵を切っておきながら、いざとなったら「議員辞職を迫られるのであれば~真実であると相手側も立証しなければならない」って、アホかって思いますよ。「迫られる」んじゃなくて自分から言い出したことなんだから実行しろよ、ということに過ぎません。「捏造」なんて言葉を他人に向かって投げつけるなら、当然にその言葉を発した側が捏造を証明する義務を負う、ということです。前述のとおり、「捏造」というのは相手を弾劾する言葉であり、別の類似の言葉で言えば「犯罪(的行為)を犯した」ということです。相手を犯罪者呼ばわりするなら、そう主張する人間がそれを証明しなければならないのは当然です。「お前は犯罪者だ、違うというならお前が無実だと証明しろ」なんて、寝言もいい加減にしろよと言うしかありません。後先も考えずにその場の勢いで勇ましく啖呵を切って、その言葉の後始末もできない人間が、マトモな政治家として人の信頼を得られるなんて思うな、ということに尽きます。法的に辞任を強制する手段はありませんから、高市が今後も居直り続けるならそれまでです。ただ、今後も、自分のケツも拭けない政治家失格人間として、厚顔無恥に生きてください、としか言いようがありません。※問題の文書は小西議員のツイッターのリンク先から読むことができます。全体版抜粋版
2023.03.08
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放送法の解釈めぐり…野党が“政府の内部文書”入手? 高市氏“ねつ造でなければ議員辞職”3日の国会では、野党議員が“政府の“内部文書”と主張する資料で追及しました。これに対し、岸田首相は“本当に政府のものか定かではない”と答弁。高市経済安保相は「ねつ造文書だ」と反発し、本物ならば「議員を辞める」との考えまで示しました。放送事業者のあり方などについて定めた放送法。3日、立憲民主党の小西議員は、政治的公平性の確保の解釈をめぐる政府の内部文書とされるものを、総務省の職員から入手したとして質問しました。立憲民主党 小西洋之議員「2015年5月に高市総務相が突如行った放送法の解釈。その内部文書」政府はこれまで、放送の政治的公平性が確保されているかは、1つの番組をみて判断するのではなく、テレビ局が放送する番組全体をみて判断するとの原則的な解釈を示しています。しかし、小西議員はこの解釈を“安倍政権が極端な内容の番組ならば、1つの番組でも問題視する可能性があるという新たな解釈を加えた”と主張。内部文書とするものによれば、“当時の安倍首相側が、総務省に圧力をかけたことによって解釈が変更された”と訴えました。~岸田首相は、本当に政府のものか定かではないと答弁しました。一方、小西議員は、入手した文書に“当時の安倍首相と高市総務相が電話で意見交換した内容が記載されている”と主張しました。立憲民主党 小西洋之議員「安倍首相からは“今までの放送法の解釈はおかしい”旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示『サンデーモーニング』他。こうした会話、『サンデーモーニング』という言葉が安倍首相の口から発言があったのでしょうか」高市経済安保相「放送法について、安倍首相と何か打ち合わせをしたり、レクをしたことはございません。もしも、私と安倍首相の電話の内容が文書に残っているとしたら、私の電話に盗聴器でもついているのでしょうか。全くそれは、ねつ造文書だと私は考えております」(以下略)---放送法は、放送番組の編集にあたって、政治的に公平であることを求めています。この公平の定義は、個別の番組単位ではなく、放送事業者の番組全体をみて判断すべきもの、というのが2015年までの政府の解釈であり、国会でも政府側はそう答弁してきました。ところが、2015年になって、当の高市総務相(当時)が、答弁で、「一つの番組だけで政治的公平に反すると判断する場合がある」と言い始め、2016年には、違反が繰り返されれば停波(放送中止)を命じる可能性まで言及しました。従来の政府の法解釈を覆したわけですが、今回の騒動は、放送法この解釈変更の政府内での検討過程をまとめた内部資料です。普通に考えれば、それまでの法解釈を変えるなら、それなりの手続きが必要にもかかわらず、「リベラル的な番組憎しのネトウヨ脳で、政治家の暴走で解釈を変更したと言わざるを得ないでしょう。高市が「捏造だ」と叫んでいる一方で、文書に出てくるもう一方の主役である礒崎元首相補佐官は、放送法が定める政治的公平性の解釈を巡り、安倍政権の首相補佐官時代に総務省に働き掛けたことを、早々に認めています。「それのどこが悪い」という文脈でですが。そんなことは一般に公開されていた情報ではない以上、この内部文書が本物(総務省の職員が作ったもの)であることは歴然としています。もっとも、公開を前提としない内部文書だから、そこに書いてあることに事実誤認が含まれる可能性は否定できません。私が思うに、高市は「自分はそんなことは言っていない」または「自分が言ったことを歪めて受け取られた」と言いたいのではないかと思うのですが、それを一足飛びに文書は捏造と言ってしまっただけではないでしょうか。電話の内容が文書に残っているのは、別に盗聴器を仕掛けているわけではなく、あとから電話をかけた側か受けた側のどちらかに聞き取りをしたからでしょう。だから「日時不明」とか、「誰、または誰と電話で協議」といった記述が散見されるわけです。あとから作った聞き取りメモだし、公開しない前提の内部文書だから。そもそも、この内部文書を入手した小西議員の前職は旧郵政省、その後総務省に勤務です。自分の前職場からもたらされた内部文書について、真贋を見抜く程度の経験は当然有しているわけです。そこから考えれば、文書そのものが捏造という可能性はほぼないと見るべきでしょう。ただ、高市は威勢良く「捏造でかなったら辞職する」と啖呵を切ったわけですが、もし捏造でないことが明らかになっても辞任はしないでしょうね。自分だけが「捏造だ」とあくまでも言い張り続ければ済んじゃう話ですから。さて、本題に戻りますが、政府内部でどのようなやりとりがあったのかはともかく、「政治的公平」を個別の番組で判断するとなると、「誰がそれを決めるのか」という問題になります。政権与党の胸先三寸というなら、それはロシアや中国となにも変わらないわけです。どうもTBSのサンデーモーニングが安倍元首相をはじめとするネトウヨ脳な方々のお気に召さなかったようですが、私に言わせれば、「そこまで言って委員会」だの、かつての「チャンネル桜」「DHCテレビ」※などの方がよほど政治的公平に反していると思うわけです。※チャンネル桜やDHCテレビは衛星放送チャンネルでしたが、衛星放送も放送法の規制を受けます。このように、その人の政治的立場によって「政治的公平」の解釈は大幅に異なるわけで、時の政権与党の主義主張に反するものは「政治的公平」に反しているとレッテルを貼って放送局を停波で脅して排除する、なんてことは、言論の自由の死を意味します。
2023.03.06
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前回の続きです。ここまで、急峻なところは一つもない(根子岳と同じ)なだらかな山だなと思っていたところに、初めて、急峻なところが登場。いや、別にたいしたことはないんですが、一応雪庇の脇を抜けるんで。登りはストックで通っちゃいました。下りはピッケルを持ったけど。一応、絶壁っぽいところです。ここは、無雪期に通った時の記憶と一致している場所です。根子岳が見えました。根子岳午後1時過ぎ、この場所で、時間切れで引き返しました。引き返し地点にて私の前にトレースはなく、私の後ろには私の踏み跡だけ。下山時はピッケル持ちました。必要、というよりは、せっかく持ってきたし(笑)午後なので、朝に比べると鮮明ではなくなってきました。槍ヶ岳が見えます。北アルプス根子岳。このあたりから、シラカバ、ダケカンバ林ではなくオオシラビソやコメツガを中心とする針葉樹林に変わります。根子岳野ウサギの足跡がありました。引き換えし点で笛を3曲ほど吹いたものの、復路の所要時間が読めなかったのでそれ以上は吹かずに引き返しました。しかし、予想以上のスピードで下山したので、登山口まであと少しのところで、改めてみっちりと練習しなおし。下山しました。
2023.03.05
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今日は休暇を取って山に行ってきました。行き先は直前までいろいろ考えていたのですが、最終的に菅平高原から四阿山に行きました。東京も昨日の午前中はあまり天気が良くなく、風も強かったけれど、あれが菅平では降雪になったようです。四阿山と根子岳の登山口に向かう道路も真っ白。登山口は標高1590mなのですが、実はバス停は1330mなので、「登山口」に行くまでが既に登山だったり。舗装された車道歩きですけど、こうなると舗装されていてもいなくても差がなかったり。(降雪後に除雪車が除雪はしたみたいですが)北アルプス大展望。降雪直後でないと見られない景色です。正直言って、この景色を見ただけで満足して、これで帰ってもいいって思っちゃいました。が、登ります。昨年一昨年と3月~4月に根子岳は登っているので、今回はパスして四阿山ほを目指しました。しかし、四阿山もトレースはありません。私と同じバスで来た登山者が一人、わたしより少し前を歩いていたので、その人のトレースしかありません。最初は牧場脇を登ります。以前夏に登った時は、四阿山は暗い亜高山帯針葉樹林、根子岳はシラカバ、ダケカンバの明るい林が中心、という記憶があったのですが、四阿山も登り始めは明るいシラカバ、ダケカンバ林なのですね。樹林帯をだいぶ登って、またまた北アルプス大展望北アルプス北アルプスどんどん登っていきます。このあたりでやっとアイゼン装着。浅間山今日はここに登るか四阿山にするか少し考えて、四阿山にしました。雪は少ない山です。以下次回に続きます。
2023.03.03
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「子供に食べさせるな」コオロギ粉末給食に苦情殺到 試食2回提供の高校困惑「誤解されている」徳島県小松島市内の県立高校・食物科が、コオロギパウダーを使った給食を試食で出したところ、「子供に食べさせるな」といったクレームが相次いでいる。これまで試食を2回行ったが、3回目以降は考えられない状況だという。今後のたんぱく源として昆虫食がクローズアップされているが、新しい食材への拒否反応は相変わらず根強いようだ。~コオロギパウダーを使った給食は、生徒同士が市販の乾燥食用コオロギを食べるゲームをしていたのを見て教諭がその美味しさに驚き、環境を考えるきっかけにと給食導入を考えた。そして、食用コオロギを手がける大学発ベンチャー企業からパウダーの提供を得て、22年11月に1回目の試食を行った。食物科の生徒らが、コロッケに使われるひき肉の代わりにパウダーを使った「かぼちゃコロッケ」を考案して作り、在校生のうち約170人が試食に加わった。食べるか否かは選択でき、給食を考案した生徒は、最初は抵抗感があったものの、香ばしくて美味しい食材だと感じたという。~ところが、昆虫食については最近、著名人らも含めた議論になっており、批判的な意見も多い。給食導入について、ネットニュースのコメント欄などでは、「管理栄養士がいるから 大丈夫じゃない?」と認める声もあったが、「アレルギー大丈夫なの?」「給食で出すなんておかしい」などと懸念する声が多かった。~徳島県教委の学校教育課は2月28日、取材に対し、次のように話した。「小中学校のような学校給食ではなく、専門科目の集団給食として実施しています。生徒がみな一斉に食べるわけではなく、希望する一部の生徒だけが試食しています。大学や企業が安全に食材を提供し、アレルギーについても生徒に説明したと聞いています。高校には、どんな意見が来ているか聞きましたが、今後どうするかは学校の判断になります。教育委員会として、このような給食を進めたり、指導をしたりするものではないと考えています」~---何を食べているかわからない野生のコオロギを採ってきて使ったわけではなく、食用として飼育され、製造されたコオロギパウダーを使用し、当然加熱調理(コオロギパウダー製造過程で加熱処理しているはずですが、それに加えて給食調理の課程でも火を通している)し、なおかつ「コオロギパウダー」であることとアレルギーについてについて説明した上で、希望者のみに提供、この過程のどこかに問題があるでしょうか。コオロギにアレルギーがあり得るとしたら、当然エビやカニも無理、ということになります。この件で私が唯一驚いたのは、この高校には給食があるのか、という点だけです。私は中学までしか給食はありませんでした。高校は、定時制には給食がありましたが、全日制にはありませんでした。私の知る限り、東京では都立私立を問わず、ほとんど同じであるはずです。まあ、それはまったくの余談なので措いて、「無理矢理食べさせられた」というのでない限り、学校の対応が批判されるいわれはないと考えます。もっとも、では自分は食べたいか、食べられるかというと、正直言ってちょっと無理かなと思いますけど。コオロギの形をしていないただのパウダーならどうということはないはずですが、素性を知ってしまうとね。これは理屈とか主義の問題ではなく、感情的な面で無理です。(日本全体が飢餓地獄に陥れば、話は変わるかもしれませんけど)そこがクリアできる人は食べればいいし、そのことになんの問題があるでしょうか。翻って、この件を批判している人の発言を見ると、生食と加熱調理、天然(野生)と飼育(養殖、栽培)をごっちゃにしている人ばかりです。いわく、ゴキブリを食べて死んだ人がいる、ナメクジを食べて死んだ人がいる、ミミズを食べて死んだ人がいる、と。そもそもナメクジやミミズとコオロギはまったく異なった動物ですから、それを同列に論じるのはいかがなものかと思いますが、世の中には生じゃ食えない、あるいは天然の生じゃ食えないけれど、養殖なら食えるものはいくらでもあります。だって、ナメクジとはカタツムリの仲間であり、カタツムリの仲間にはフランス料理の食材として知られるエスカルゴがあります。当然、エスカルゴだって野生のものを生食などしないのは言うまでもありません。そもそも、「貝」というくくりで考えれば、人類は多くの貝を、ごく一部はの例外をのぞき、ほとんどの場合は加熱調理して食べているじゃないですか。カキは生食しますけど、「生食用」と表示されているもの以外を生食するのは危険です。今日、スーパーや回転寿司のお寿司にサーモンは定番ですが、鮭鱒は天然では寄生虫がいるので生食できません。それを普通に生で食べているのは、あくまでも養殖だからです。そのほか、肉類一般をはじめ、生食はできない、しない、加熱調理が前提という食材は、この世に山ほどあります。鶏卵だって、生卵を食べるのはほぼ日本だけです。外国では、生卵を食べる習慣がないから、加熱調理される前提の衛生管理しかされていないので、生食は危険です。そういうところを無視して、食用として飼育されたコオロギのパウダーを加熱調理して食べることを、野生のゴキブリやナメクジを生食することを同列に論じるのは、為にする議論の典型と言うしかありません。
2023.03.01
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