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「大きめ(30センチくらい)で、しかも軽いフライパンが欲しい!」という母の切実な希望に応えるべく、姉・私・家内の三人で東京下町・河童橋道具街まで買い物に行って来ました。 で、せっかくそこまで行くのなら、ついでに浅草寺をお参りしていくことにしたのですが、今日は土曜日、さすがに人込みがすごかったです。桜もそろそろ5分咲きくらいになっていましたしね。 で、仲見世を通り、途中「九重」のあげまんじゅうだとか、何とか言う店の「10円饅頭」なんかを買いながら浅草寺にお賽銭を投げ込み、その後とりあえず腹拵えをすることに。 ところが浅草でモノを食べるというのが、案外ひと苦労なんだ、これが・・・。 いや、もちろん店はそれなりにあるんです。しかし、ガイドブックで紹介してある店は、とにかく馬鹿高い! 裏通りの路地裏みたいなところにある小汚い洋食屋のランチが3千円? こっちの天麩羅屋は「創業明治三年」で、天麩羅懐石1万5千円?! 私の健全な経済観念からいうとこんな値段ありえませんが、それでも結構人が並んでいましたなあ・・・。 その一方、お好み焼きやだとか、一杯飲み屋みたいなのは沢山ありますが、何だか場末みたいな感じで、とても私たち一行が入るような店じゃない。それで散々迷った挙げ句、「江戸っ子」とかいうちょっとキレイめな、しかし値段はリーズナブルなお店に入ってみたわけですよ。 しかし・・・。散々待たされた挙げ句出てきた「天麩羅ランチ」は、小さな大正海老一尾を二つに割って、二尾のように見せかけた海老天とカボチャの天麩羅、それに具がタマネギだけのかき揚げ、それだけだったのでした・・・。こんなもん名古屋で出したら、一ヶ月以内につぶれるな。なのに、客は店の前に行列しているんですよ。まったくわけ分からん! 多分、「浅草値段」っていうのがあるんでしょうね。しょぼい具材をケチ臭く使ったものに、不当な値段つけて売って、それで下町・庶民の街でござい、というようなスタイルだけはとるという・・・。まったく、これだから下町って嫌いよ! さて、つまらんものでお腹を満たした我らは、気を取り直して河童橋へ。ここは噂には聞くものの、私も姉も、もちろん家内も初めて行くところなので、ちょっと楽しみ・・・。 しかーし。結果から言うと、大したことなかったですなあ。古本の世界における神保町、電機関係における秋葉原みたいなものを想像していたのに、そんなレベルのものではなかった。こんな程度で「道具街」を名乗るかねえ・・・。 大体、フライパン買おうってったって、種類がぜんぜんない。どこへ行っても同じような種類のものしかない。しかも、こんなの近所のイトーヨーカドーで同じのがもっと安い値段で売ってた、っていうようなものばっかり。もちろん、母の希望するような薄手で大きくて軽いフライパンなんてどこにもありゃしない。 ちなみに、母がこれまで使っていたフライパンは、私がアメリカのドラッグストアで9ドル99セントで買ったもの。ちゃんとテフロン加工もしてあって、ウソ!っていうほど軽いんです。ところが、このモノの豊富な日本で、しかもプロも買いにくるという河童橋道具街で、同じようなものが買えないというのですから情けない。 ってなわけで、今日は散々歩き回った割には、ほとんど収穫のない買い物となったのでした。 しかもお土産として買った「九重」のあげまんじゅう、家で食べたら油がかえってしまって、とてもまずいものでした。これ1個150円以上したのに・・・。 浅草ってところは、東京観光の目玉であり、外国人の観光客も沢山目にしましたが、こんなところで食事して、お土産買って、それで「日本はこんなところだった」なんて言って貰いたくないなあ。 ほんと、私にとって浅草とは、なんの魅力もないところでございます。荷風が愛した町だろうが何だろうが、私にとっては眼中ないって感じですね。下町だの浅草だのの雰囲気が好きだとかいう人が多いですけど、皆さん、ほんとにほんとにこの街好きですか? 皆が「下町はステキだ」って言っているから、これがいいんだ、と思ってません? そんな馬鹿馬鹿しい下町幻想なんかに囚われず、「王様の耳はロバの耳」ってはっきり言ってやった方がいいんじゃないかと、ワタクシは思うのであります。 浅草にしても、河童橋にしても、ろくなところじゃねえ! 二度と来ないぜ! あばよ!
March 31, 2007
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昨夜、実家に戻ってから一夜明けた今日、父に付き合ってデジカメを買いに東京・町田にある「ヨドバシカメラ」に行って来ました。 以前父が愛用していたリコーのデジカメが壊れたので、その買い換えなんですが、私もカメラのことに特に詳しいわけでもなし。しかし、どうせならキャノンとかニコンとかペンタックスとか、そういうカメラメーカーのがいいんじゃないの? という程度の知識でヨドバシに行ったわけですよ。 で、行ってみると、あるある、まあ様々なデジカメが所狭しと・・・。でまた、以前と比べても小さく、軽くなってますなあ。デジカメの世界の日進月歩って凄いですね。 で、非常によく出来た、しかも感じのいい「いいだ」さんという店員さんのアドバイスを得ながら、値段と性能、使い易さなどを父と私で検討することしばし。そして結論として買い求めたのが「ニコン・クールピクス・S500」というモデル。今テレビでキムタクが宣伝している奴ですな。 しかしこの選択は、我ながら良かったのではないかと思います。というのも、実に使い易いんですわ、この機種! 父が前に使っていたリコーのデジカメや、私が使っているキャノンのデジカメと比べても、使い易さがぜんぜん違う。特にジョグ・ダイヤル的な部分がすごく使い易く、デジカメに詳しくない私ですら、すぐその場で使い方に習熟出来てしまうほど。しかもシャッタースピードは早いし、小さくて軽いし、画面は大きいし、手ブレ補正とか顔認識とか、一通りの機能は付いているし、値段もそこそこ安いし、もう言うことないですわ。これこれ! ↓【決算10台限定特価】*無くなり次第価格変更になります。Nikon COOLPIX S500シルバー ということで父も私も大満足で帰宅したのでありました。キムタク、偉い! そして午後、今度は私が父にプレゼントした新型のパソコンのセッティングをしました。私自身初めて触るウィンドウズ・ヴィスタマシンですが、パソコン自体の設定、インターネットの接続、メールの設定、プリンターとの接続など、一応やり遂げました。ふ~。 しかし、今回買った富士通の売れ筋ノートパソコン、「FMV-NF50U」という奴、今いちだったかな・・・。特にダメなのは「ワード2007」の変換スピード。ほんと、遅いですよ。時間にしたらわずかなもんでしょうが、一瞬、「アレ、エンター(変換)押したっけ」と思うほど遅い。それにキータッチも私の現在使っている「シンクパッド」と比べると玩具みたいですし。 そんなわけで、今日の収穫から言いますと、ニコン・クールピクスは大成功、富士通のビブロは中成功といったところ。でも、今まで父が使っていた「ウィンドウズ98」マシンと比べれば天と地ですから、善しとしておきますか。 とまあ、今日は朝からずっと「デジタルな一日」となったのでありました、とさ。それでは、皆さん、お休みなさ~い!
March 30, 2007
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このところずっと編集作業に没頭していた論文集、昨日、印刷所に入稿しました。ひゃ~、やれやれ。これで一仕事終わったぜ! ま、この仕事はこれで片が付いたのですが、それとは別に、近い内に英語の教科書を自ら編纂・出版しようかと思っていることもあったので、ついでにそのことも印刷所の人に尋ねたり、参考までにその印刷所で発行している様々な本を見せてもらったりしてきました。 出版社ですから、倉庫には当然、色々なデザインの表紙の本が並んでいるわけなんですが、「こういう表紙デザインなんていうのは、毎回、著者の方と相談で決めるものなんですか?」と尋ねたところ、「いや~、こういうのは外注ですよ」とのこと。どうやらデザイン専門会社には、本の表紙デザインのサンプルが山のようにあって、そこから印刷所の方で適当に選んでくるらしいんですな。もちろん、有名な著者の場合なんかは別でしょうけれど、大半の出版物なんて、そんな感じでいい加減に表紙デザインが決まっていくらしいですよ。どうりで、この世につまらんデザインの本が溢れているわけだ・・・。 あと、今度出そうと思っている英語の教科書は、ツヤツヤした紙を表紙に使おうと思っているので、「表紙にツヤツヤの紙を使うと値段が高いのですか?」と聞いたら、「ああ、あれは艶のある紙を印刷に使っているのではなく、普通の紙に印刷したあと、ワックスみたいのを吹きつけるだけなんですよ」ですって。ほ、ほう。そういえば1930年代末のアメリカのペーパーバック本の製本の際、そんなふうなやり方をすると聞いたことがありましたが、あのやり方は今でも通用するんですな。 ま、そんなことをあれこれ勉強しつつ、さらに色々見回っていると、「この本、うちの会社としては売れているんですよ~」と手渡された本があるんです。 それは『赤ちゃんの名前百科』(うろ覚え)みたいな名前の本で、中を開くと様々な人名があいうえお順に並んでおり、それぞれ漢字の意味やら由来やらが書かれている。ま、いわばどうってこともない本ですわ。こんなもん、どこにでもあるでしょ。なのに、なぜこの本が特に売れるわけ? そしたら、この本が売れる秘訣を教えてくれたんですが、何とこの本、一番重点的に置いてもらっているのが、長距離フェリーの中の売店なんですって。 長距離フェリーですと、船に乗っている時間が2日に渡ることもあるじゃないですか。そうすると退屈しきった乗客たちが、なーんか読むものはないかと売店を物色するわけですよ。で、そういうところにポンとこの種の人名本を置いておくと、これがミョ~に売れるらしいんですな。暇つぶしになるんでしょうかね? は、は~ん。それにしても、長距離フェリーね・・・。いいこと聞いちゃった! じゃ、私が出そうと思っている英語の自習本もフェリーとかで売っちゃおうかな! 退屈に耐えかねて、「もうダメだ、退屈でたまらん! 英語の勉強でもしよう!」なんて思う人がいるかもしれないし。 ま、道によって賢しと言いますか、業界によって色々な裏技があるもんで・・・。勉強させてもらいましたわ。 さて、今日の私ですが、今日はこれから愛車プジョー306を駆って、一路東京の実家に戻ります。ということで、明日からはまたしばらく東京から「お気楽日記」を発信することになりますが、引き続きご愛読のほど、よろしくお願いしや~す! それじゃ!
March 29, 2007
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今日は元同僚にして恩師の名誉教授、H先生ご夫妻と家内ともどもお昼をご一緒してきました。 いつも奢っていただいてばかりいるので、今日は私たちがお招きする形にしました。で、ご夫妻をお連れしたのは名東区にある「茉莉花(ジャスミン)」という中国料理のお店。中国料理をベースにしながらも、モダンで創作料理的な料理を出すので、我々は贔屓にして時々食べに行く店なんですが、この店ならある程度お歳を召した恩師ご夫妻にも、あまりしつこくなく召し上がっていただけるのではないかと思ったので、ね。 で、今日のお昼のコースは「カンパチの中華風刺身」「蟹の身入りスープ」「飲茶2種」「魚介と野菜の旨煮」「特製焼きそば」といった料理が出された後、杏仁豆腐とコーヒーがつく、といった感じ。いつもながら、おいしかったです。特に「特製焼きそば」が旨いんだ! H先生ご夫妻も、「おいしかった!」と言っていただいたので、こちらも満足です。 で、例によって食事をしながら様々な話題が出たのですが、一つびっくりしたのは、H先生の奥様が遭遇なさった「空気清浄機爆発事件」。 2ヶ月程前、奥様がご友人の方と喫茶店でお茶を飲んでいらした時のことだそうですが、このご友人の方が花粉症で、ポータブルの空気清浄機を首から下げていらしたんですって。今、乾電池で動くそういうものがあるらしいんですね。 すると突然、大音声と共にその空気清浄機が爆発! 火柱が上がり、ご友人の方が火炎に包まれるという事態に! H先生の奥様もまさかそんなことになろうとは想像もしていなかったので、非常にびっくりされたそうですが、すぐさま店の人と協力してご友人の身体に水をかけて火を消し、救急車で病院へ直行されたのだとか。 ところで救急救命病院というところは、その名の通り、生命の危機を救うのを目的としているので、火傷の場合、特に気道に火傷を負っていないかということをまずチェックするんですってね。気道に大火傷を負うと死んでしまう場合もあるので。しかし、幸いなことにご友人の方は、首の回りなどに2度から3度の火傷を負ったものの、気道は大丈夫だったのだそうです。しかし生命に別状がないと見ると、救急救命病院の方では「仕事、終了。あとはお好きなように」というような感じになるのだとか。ちょっと、不親切ですよね・・・。ま、その方は結局、別な病院に大分長いこと入院されたとのことですが。 で、そのポータブル空気清浄機が爆発した原因は、適切な充電池でないものに充電してしまったためらしいですが、それにしても身につけていたものが火柱を上げて爆発したなんてコワイですよね! もしアメリカでそんなことがあったら、何億円というような規模の訴訟モノですな。何せ、ハンバーガーショップのコーヒーが熱過ぎて火傷したというようなことで訴訟を起こすお国柄ですから。 ま、そんなびっくりするようなお話なんかもあって、会食は賑やかに進み、2時間ほどおしゃべりを楽しんだ後、お開きということに。H先生ご夫妻は、最近、車を替えられたので、そのパリパリの新車を駆ってお帰りになられました。 ということで、今日は久し振りにH先生ご夫妻にお目にかかることができ、楽しい午餐をとることができ、私たちもすっかり満足の一日となったのでした。今日も、いい日だ!
March 28, 2007
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たまに東京の実家に帰った時など、駅などでタダで配っている『R25』という雑誌を持ち帰ることがあるのですが、無料の雑誌にしては内容豊富で、結構読みでがあるなあ、と感心していたワタクシ。 そしたら、あれ、今ネット上で読めるんですね。最近それを知って、原稿書きに疲れた時など、ちょいとネットに接続し、読んで楽しんでいます。まだご存じない方、ちょっと見てご覧なさいな。これこれ! ↓R25 ね、結構面白いでしょ? 私、もともと「出版」というものに興味アリアリということもあって、以前紹介した『WB』(←要するに以前の『早稲田文学』ですよ)にしてもそうですが、広告料だけで収益をあげる無料の雑誌というものにすごく興味があります。最近では無料の漫画雑誌まであるそうですが、それで経営(というのかな?)が成り立つというところがすごいですよね。 ちなみに、専門的なことを言いますと、雑誌そのものの販売による収益には期待せず、雑誌に載せる広告料で稼ぐ、という発想自体は結構昔からあるんです。1893年、アメリカでフランク・A・マンシーズという人が『マンシーズ』という雑誌を10セントという格安の値段で売り始めるのですが、これが「広告料に頼った雑誌出版」の最初と言われているんですな。つまり、広告料重視の方向性自体は100年以上前からある。 だったら、今、私が編集している大学の紀要とかも、広告載せてタダで作れないかな~。 でも、何の広告載せるんだ? ま、この紀要、日本全国の主要な大学の英語関係の学科に送っているので、大学の英語の教科書なんか作っている出版社の広告でも載せますか・・・。 なんて・・・うーん、我ながら発想が貧困! ま、今のところ他に思いつかないですけど、それ以前の問題として、文科系の論文集も、もっとエンターテイメント性を押し出して、大人の読者なら誰でも楽しく読めるようなものにしないとダメですよね。仲間内だけで読まれるような論文集作ってるようじゃ、一般の広告なんてとてもとても・・・。 話が大分逸れましたが、私もいっちょ頑張って、誰もが笑って読める、そして広告がとれる、爆笑文学論でもぶちあげないといかんですな。おーし、原稿書くぞ~! ・・・とその前に『R25』でも読んで一息入れますか。(ワタクシの場合、勉強時間より休憩時間の方が長いんだよな~・・・。)
March 27, 2007
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昨年の4月に出版された『アメリカ文化史入門』、私もその中の1章を担当したのですが、こいつの売れ行きがいいらしく、700部増刷されるとの連絡が来ました。やった~!これこれ! ↓アメリカ文化史入門 なーんだ、たった700部・・・と言うなかれ。この種の学術書の初版なんて、数千部単位ですから。それを売り切って、なおかつ増刷の必要があるというのは、なかなかどうして、大したもんなんです。それに増刷すれば、たとえ雀の涙ほどであろうとも、印税が入りますからね! で、嬉しいなあと思っていたら、今度は私も項目執筆で参加している文学関係の事典がこの4月にいよいよ発刊されるとの知らせが! ま、担当分の執筆自体は随分前にやったので、それが世に出ることすら半ば忘れかけていましたけど、ついに出ることになったんですなあ。ちなみにこの事典の正式なタイトルは『英語文学事典』(ミネルヴァ書房・2007年4月刊予定・4500円税別)でございます。 ま、もっとも事典の方の原稿は「買い取り」なので、私がいただけるのは最初にもらう原稿料だけ。その後いくら売れたとしても印税は発生しません。でも、売れない事典より売れる事典の執筆をした方が気分がいいので、あとひと月ほどしてこの本が書店に並ぶようになったら、皆さん買って下さいね~! とまあ、立て続けに私の関係した本の出版にまつわるニュースが入ってきたわけですが、こう言うと何だかすごく仕事しているみたいに聞こえるでしょ? 自分でもそんな錯覚がしてきました。私が編集している英文科の紀要も、明後日印刷所に入稿と決まりましたね。これも4月の半ばには出版されるでしょう。今書いている雑誌原稿にしたって、5月半ばには活字になるのかな? あ、それから私が大学紹介を書いている老舗受験雑誌の特別号も、もうすぐ出回るんだった! おお! マジで仕事してるって感じがしてきた! ってなわけで、気分よく原稿書きをしている今日のワタクシなのでした。今日も、いい日だ! 頑張るぞ~!
March 26, 2007
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先程、大相撲春場所が終わりました。幕内最高優勝は白鵬。優勝決定戦を制しての2度目の優勝でした。 しかし・・・。千秋楽最後の2番、あれは一体何ですか? 見苦しいにもほどがある。 まず結びの一番の「朝青龍対千代大海」戦。立ち会い、いきなり横綱が体を開いてのはたき込み。いくら勝ちたいか知りませんが、場所納めの一番、しかも横綱・大関戦で横綱側の注文相撲なんて聞いたことないですよ。ああっ、もう、見苦しい! そして続く「朝青龍対白鵬」の優勝決定戦。今度は白鵬が立ち会い左に飛んでのはたき込み。朝青龍はつい先程自分がやった術中にまんまとはまったことになったわけですが、それにしても誰もが期待する優勝決定戦の大一番で注文相撲とは・・・。 今日は立行司の木村庄之助が52年間の行司生活に終止符を打つ大事な日だったのに・・・。そんな大事な日に彼が裁いたのが、見苦しい注文相撲の2連発だったとは、何ともやりきれません。 朝青龍、白鵬、お前ら二人とも見苦しいぜ! お前らの今日の相撲は優勝の名誉に値しない。日本全国の大相撲ファンの嘆きと憤りを聞け! ・・・・・・・・ とまあ、横綱・大関の卑しい相撲のおかげですっかり興ざめの場所となったわけですが、気を取り直して、その他の見どころを拾っていきますか。 まず、今場所一番の見どころだったのは、豊真将の成長ぶりですね。前々からこいつは伸びるぞと思っていた力士ですが、今場所は立ち会いの遅さも改善され、その分自力が発揮出来るようになってきました。前頭上位で11勝を上げたとなると、来場所は三役昇進の可能性大。ま、まだ三役に定着するところまでは行っていないので、あるいは勉強の場所となる可能性もありますが、それも時間の問題で、来年の今頃は関脇からさらに上を目指せるくらいの位置にいることでしょう。豊真将の師匠は元寺尾の錣山(しころやま)ですが、彼は師匠として非常によく勉強し、かつ熱心に後進を指導している人なので、豊真将は師匠にも恵まれましたね。 実際、相撲の世界で師匠に恵まれるかどうかは大きな問題で、例えば琴光喜なんか、もし師匠がもっといい指導をしていれば、今頃大関になっていたはず。残念なことでございます。琴欧洲、琴奨菊など、佐渡ヶ嶽部屋には素質のある力士がいるのに、どうも伸び悩んでしまうのは先代・佐渡ヶ嶽の責任じゃないかなあ・・・。となると、先代を継いだ新・佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)の奮起に期待するしかないですが、ちょっと頼りないような気もします。琴ノ若は優し過ぎるんだよな~。 師匠の善し悪しといえば、稀勢の里なんかも、もう少し師匠が面倒を見ないとイカンのじゃないでしょうか。彼の相撲を見ていても、彼が土俵の上で何をしようとしているのか、まったく分かりませんものね。押したいのか、突きたいのか、それとも組みたいのか・・・。あんながむしゃら一方の素人相撲では、とても上位で通用しないでしょう。先場所に続き今場所も負け越しましたが、当然です。また問題は相撲だけではありません。稀勢の里の土俵上の態度、あるいは土俵を下りた後の態度もまるでなっていない。ああいうのをそのままにしておく師匠は、一体何をしているのか。猛省を促したいところです。 ところで、豊真将と共に今場所もう一人注目を集めたのは、栃煌山というのが新入幕力士。まだ前頭下位なので、私は彼の相撲をあまり見ていないのですが、一番だけ見た限りではなかなか堂々たる勝ちっぷりでした。しかし、新入幕にはビギナーズラックもあるので、彼の出世予想は来場所以降ということにしましょう。 この二人の他は・・・あんまりパッとしませんでしたねえ。特にダメなのは大関陣。千代大海は負け越し、魁皇と琴欧洲が8勝でようやく勝ち越し、栃東は勝ち越した後、頭痛(!)で休場ですか・・・。ま、栃東は7日目までいい相撲を取っていましたけど、後はダメですなあ。特にダメだったのは琴欧洲。このところ私の期待を裏切るような相撲ばかり取っていますが、何をやっているのか。ライバルの白鵬の優勝を見て臥薪嘗胆、奮起を促したいところです。 また優勝した白鵬ですが、彼の今場所の相撲もぼろぼろで、本来の相撲がとれたのはせいぜい1、2番でしょう。それでも優勝するんですから、その点は大したもの。でも、先に言いましたように、優勝決定戦で注文つけるようじゃ、私の評価を得られるはずもなし。顔を洗って出直して来いや! ってな感じです。 冒頭で言いましたように、今日は朝青龍と白鵬という不届き者どものおかげで、さんざんな千秋楽になってしまいましたが、ホント、いつになったらもっと気持ちのよい大相撲が見られるようになるんでしょうか。なんか、それを思うと気が遠くなるような感じがしますが、それでも気をしっかりもって、そういう日が来るのを一日千秋の思いで待つことにしますかね。
March 25, 2007
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幸福だった昨日から一夜明けた今日、我が家に異変が! 昨日までピンピンしていた家内の具合が朝から悪いんです。身体がだるいようで、熱もある。 風邪かなと思って寝かせておいたのですが、そのうちに身体の節々が痛いと言い出します。ありゃりゃ、この急展開からするとインフルエンザじゃないの?! というわけで、こりゃいかん、タミフルの出番だ! と思い、早速病院に連れて行こうとしたわけですが、ここで問題発生。 何と、土曜日の午後、開いている病院・医院が近くにない。どこか一つくらいあるだろうと思って電話をかけまくったのですが、見事にない・・・。 いや、それはもちろん「急患」に対応してくれる病院はありますよ。だけど、インフルエンザは「急患」とまでは言えないですよね・・・。 かくして、憐れ我が妻は、医者にもかかれず、タミフルももらえず、うんうん唸っております。それを横目になす術もない夫たる私は、居ても立ってもいられんじゃないですか。 それにしても、なんでまた地域の病院・医院が揃って同じ曜日・同じ時間帯に休診時間を設けるんですか? そんなもん、各病院・医院が休診日・休診時間を少しずつずらしてくれれば、どの曜日・どの時間帯であれ、必ずどこかの病院・医院が開業しているということになるのに・・・。 医療のように緊急性の高い社会的システムに、空白時間を作るんじゃない! とワタクシは声を大にしていいたい。 ・・・ついでに言わせていただくならば、全国一斉の「新聞休刊日」も止めなさい。各新聞社は代わりばんこに休刊日を設定しなさい。 ま、新聞の件はアレですけど、病院・医院については、真剣にそう思います。例えば、「土曜の午後は日本全国の警察業務はお休みです」なんてことがあってはいけないように、医療施設だって、常にどこかがオープンしていなきゃいかん、ってことですよ。 家内の急病を機に、世の医療制度にはこんなところにも欠陥がある、ということに気づいて、義憤やる方ない今日の私なのでした。まったく、わけ分からん!!
March 24, 2007
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今日はうちの大学の卒業式でした。今日の名古屋地方は雲一つない晴天に恵まれ気温も上昇、まさに卒業式日和でしたね。スーツや袴姿も華やかな卒業生たちは皆、この日を楽しそうに迎えていました。ちなみに、今年の着物の柄は圧倒的に「桜」のデザインが流行していて、キャンパスに一足早い桜が咲いたようでしたネ。 また、最近の傾向としては、卒業式に親が参加することが多くなっているようで、今日も随分沢山の親御さんを見かけました。一昔前なら、二十歳を越えた子供の卒業式に親が出てくるなんて・・・と言われそうですが、アメリカでは大学の卒業式に卒業生の家族が参加するのはかなり普通に見られる光景ですので、私は肯定的に見ています。いいじゃないですか、苦労して育てた子供の晴れ姿、そりゃひと目見たいと思うのが親心でしょう。 しかし、今日のハイライトは、何といっても「謝恩会」でしたね! 顧みるに、昨年の謝恩会は、それはそれはひどいものでした。そのあまりのひどさに、私は表面的に笑顔を作りながらも心の中ではさめざめと泣いていたのですが、その時の惨めさがいかなるものであったかについては、以下をご参照下さい。悪夢の謝恩会 しかーし! 「冬来りなば春遠からじ」と言いましょうか、「朝の来ない夜はない」と申しましょうか、はたまた「待てば海路の日和あり」とでも申しましょうか、今年の謝恩会は素晴らしかった! こんなにステキで華やかな謝恩会は、ホント、10年ぶりくらいじゃないかなあ! 会場となったのは「名古屋ガーデンパレス」というホテルの広々としたバンケット・ルーム。もうこの時点で、リッチな感じがするでしょ。昨年の「寿司詰め居酒屋」とはエライ違いです。 そしてもちろん、謝恩会のあるべき姿と言いましょうか、卒業生たちが教員たちより先に会場入りし、準備万端整えてくれていたことは、言うまでもありません。そして係の学生の先導で教員たちが会場入りすると、スポットライトと盛大な拍手でお出迎え。いやー、照れるなあ! 会の事前の打ち合わせも完璧だったので、オープニングのスピーチと乾杯もテンポよく進み、待ちに待った立食タイム! で、またこの料理がおいしかったんだ! 質的にも量的にも完璧。ホテルの従業員たちもテキパキと空いた皿をじゃんじゃん片づけてくれるので、その点でも気持ちがいい。 そして次はお決まりのビンゴ・ゲーム。これも下手にやると結構白けるものですが、マネージメントが良かったので、60人近い大所帯だったにも関わらず、参加者全員が一体となって盛り上がりました。 そして、またしばしの歓談の後、14人の教員一人一人にゼミ生たちから感謝の言葉と花束&プレゼントの贈呈があり、これに対し我々も簡単なスピーチで応えるという形で会は進行していきました。これもなかなか面白いもんで、それぞれのゼミの雰囲気も分かりますし、スピーチの途中で言葉につまる卒業生などがいると、それはそれで微笑ましくも感動的です。教員の中にも、感動のあまり号泣する人までいましたからね! で、その後、教員全員が雛壇に上がって写真撮影なんかがあり、会はお開きに。 しかし、そこからもう一つ盛り上がりがあったんです。我々教員とのお別れにと、卒業生たちが二列に並び、両側から手を伸ばして人垣を作り、そのトンネルの中を教員たちが通っていくという演出だったんですな。何だか、そこまでやられるとは思っていなかったので、ちょっと恥ずかしかったですけど、こういうのは楽しまなきゃ損だと思ったので、私はトンネルを通過しながら全員とハイタッチしてきました。 これが、今年の素晴らしい、素晴らしい謝恩会でございます。もう、昨年の悪夢がウソのように楽しかったし、いい雰囲気でした! 上出来、上出来! しかも、私にとって嬉しかったのは、この会の総代表となり、企画・立案・実行のすべてにわたって指揮をとったのが、私のゼミの教え子だったということです。やっぱり、釈迦楽ゼミ、やる時はやるね! 我が英文科「最強の軍団」と言われることの多い釈迦楽ゼミですが、今年のメンバーは特に粒揃いでした。我が7人の娘たちよ、俺はお前たちを愛しているぜ! 昨年、ほんとに惨めな気持ちで帰宅した謝恩会でしたが、今年は一年間の苦労が吹き飛ぶような幸せな気持ちで謝恩会の会場を後にしたワタクシだったのでした。今日も、いい日だ!
March 23, 2007
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今日は宇宙航空工学のF博士と雑談を楽しんでいたのですが、その時に面白い話題が出ました。エアバス社が鳴り物入りで開発したスーパージャンボ、A380のことなんですが。 このところ日本でも紹介されることが多いこの超ド級の大型ジェット機。こんなでかくてデラックスなものが空を飛ぶようになったのか・・・と感心する方向の取材ばかり目にしますが、実はこれ、航空工学的には「?」なところの多い飛行機なんですって。 話を単純にするために、例えば長さが2倍の飛行機を造るとします。すると体積としては2の3乗で8倍の大きさになるわけですよね。重さも当然重くなる。と、それを飛ばすには大型の羽根と大型のエンジンが必要になるわけで、燃費も悪くスピードも遅い飛行機になってしまう。しかも滑走路が長くなるので、着陸出来る飛行場も限られ・・・というふうに、航空力学的にはどんどんドツボにはまっていくわけですよ。 しかも、この飛行機の素材はアルミ合金なんです。これが最大の時代錯誤。 これからの飛行機の素材、それは「非金属コンポジット」なんですな。丈夫で軽く、加工が楽。価格はアルミ合金より高いですけど、アルミ合金に特殊加工(ものすごく面倒臭い削り出しをやるそうですが・・・)を施す費用まで含めれば、その差はきわめて小さくなるので、これからの飛行機は皆、このコンポジット製になると言われている。ちなみに、このコンポジットの技術を持っているのは、東レをはじめとする日本の繊維産業なんだそうです。あと、三菱の技術も随所に活かされているんですって。 で、賢いボーイング社はこうした新しい日本の技術を駆使しながら、世界初のコンポジット・ジェット、「ボーイング787」をもうじき完成させるそうです。もちろん、大きさは、小回りの利く常識的なサイズ。 つまり、昔ながらの金属製ジェット・エアバスA380と、先進のコンポジット・ジェット、ボーイング787が、今年、ほぼ同時に発表されることになる。となれば、もうどちらが先進的かは目に見えているので、かくして憐れエアバスA380は、専門家たちからは「最後の金属製飛行機」「空飛ぶ恐竜」などと呼ばれているのだとか・・・。 というわけで、飛行機産業においては、アメリカ・日本の連合軍(=ボーイング)の方が、フランス・ドイツ連合軍(エアバス)より、どうやら上を行っているらしいんですな。そんなこと、我々日本人はあまり気づいていませんけどね。 そんな話をF博士に伺ったら、何だかエアバスのスーパー・ジャンボのニュースに感心することがアホ臭くなってきました。日本の報道機関も、スーパー・ジャンボについて単に「すごーい!」なんて感心してないで、ちゃんと内実まで報道して、あれが本当はどういうものなのか教えてほしいですよね・・・。 ま、いつものことながら、F博士の話には蒙を啓かれます。たまに専門外の方の話を聞くのって、ためになりますね。 さて、私の大学では明日はいよいよ卒業式。一年納めの日ですから、気合入れて過ごしたいと思います。その模様については、明日また。それでは、お休みなさい!
March 22, 2007
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何だか毎日遊んでいるようですが、今日の夜は3年前に卒業したゼミ生数名と飲み会をしてきました。場所は名古屋駅前に最近できた高層ビル、「ルーセントタワー」内の某レストラン。 しかし日本国内で唯一バブルっぽい名古屋だけあって、駅前の再開発はすごいですな。今回、ルーセントタワーなるところに初めて行きましたけど、なかなかお洒落なビルでしたよ。ま、お洒落過ぎて、例えば上階に行くにはどうしたらいいのかすら、よく分からないところもあるのですが・・・。 それはともかく、25歳の妙齢のお嬢さん5人に囲まれての会食、楽しかったですよ~。 しかし、彼女たちも就職して3年経つと、仕事の何たるかもだいたい分かってしまうし、周囲ではそろそろ結婚の第一次ラッシュも始まり出すし、このまま働き続けるか、職場を変えるか、結婚のことを考えるか、なんて選択肢の中で悩む年頃です。 ということで、今日の話題も彼氏のことが多かったですね。5人のうち1人は現在彼氏募集中。2人は6年越しのお付き合い中。残りの2人は新しく付き合い出した彼とラブラブです。 ま、ラブラブの連中はいいのですが、問題は募集中の子と付き合いの長い子たち。 付き合いが長いことのデメリットは、いつ結婚に踏み切るべきか、そのきっかけが分からなくなってしまう、ということなんですね。それだけ長い付き合いになると、ま、そのまま結婚まで行くのかな、と女性の方は思うわけですが、男の方がどう思っているのかよく分からず、しかもなんとなくそういう話を避けるような様子が見られたりするので、なかなか切り出せなくなってしまう。果たして、このまま付き合っていていいのだろうか・・・。その辺が彼女たちの悩みなんですな。分かる、分かる。 一方、彼氏募集中の子は、自分がどういう人と付き合いたいのか、ようやく少し分かってきた、と言っていました。彼女の前の彼氏は優柔不断な男だったので、次はもっとリードしてくれる男がいいな、と思っていたんですって。ところが、友達からそういう「引っ張っていく」タイプの人を紹介され、ちょっと付き合ってみたら、ぜんぜん合わなかった。 つまり、引っ張っていく一方の男でもなく、優柔不断な男でもなく、その中間の男。時にはリードし、時には譲り合い、そうやって折り合って行ける人がいい、ということがようやく分かった、というわけですが、いざそういう人を探すとなると、これがなかなかいない、というんです。なるほど、そうかも知れません。 というわけで、彼女たちの悩みはほんとによく分かるのですが、こればかりは「こうすればいいよ」というアドバイスがききませんからね。彼女たちがいい人と出会うこと、いいタイミングで結婚のきっかけを掴むことができることを祈るばかりです。 でも、そんなことをいいつつも、彼女たちは花も恥じらう25歳ですからね。人生の中でも一番華やかな年頃。みんなとても輝いて見えました。いいですねえ、若いということは。 そんな若さ溢れる教え子たちと一席を共にして、今日はとても楽しく過ごすことができました。また次に会う時は、そろそろ何か人生の重大な転機の報告の一つや二つ、あるかも知れないなあと思いながら、帰路についたワタクシだったのでした。今日も、いい日だ!
March 21, 2007
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今日は案外出費の多い一日となってしまいました・・・。 というのも、地下鉄「本郷」駅近くにある行きつけのギャラリー、IDFで現在開催中の展示を見に行って、浅井千里さんという方が作ったガラスの器(杯)が気に入ったもので、つい買ってしまったからなんです。 しかし、今回の浅井さんの作品、売れてましたねえ。ほとんどの作品に「売約済」の赤ポッチが付いてましたから。実際、グラスも花瓶も皿も皆気の利いたものばかりで、なかなかいいんですわ。以下、ギャラリーIDFのURLを掲載しておきますので、興味のある方はぜひ覗いて見て下さい。我々が買った杯の写真も載っていますよ!ギャラリーIDF で、気に入ったものを買えた喜びでつい気が大きくなってしまい、その後、名古屋芸術大近くのカフェ、「デリス・アプリコ」でお茶までしちゃった。私はNYチーズケーキを、家内は苺のケーキを食べましたが、特に苺のケーキがおいしかったなあ。デリス・アプリコ で、さらに調子に乗った我らは、今日の夕食は「カフェ飯風」で行こう! ということに衆議一決。トマトとキャベツとソーセージでポトフ風の具沢山スープを作り、これにオイル・サーディンやパテなんかをつけて、パンとワインでいただくことに。どうせなら食材も本格的にしようということになり、これまたお気に入りの手作りハム・ソーセージの店、「アルザス」でパテとソーセージを購入しました。この店のは旨いんだ!アルザス でも、そんな風にあちこちで買い物をしたばかりでなく、本屋に寄って本は買う、スーパーに寄って食料品は買う、薬局に寄って薬は買う、クリーニング屋に寄って服を出す・・・ってなことをやってたら、あらら、財布がカラだ・・・。一体、一日でいくら使っちまったんだ! 先日、「村の鍛冶屋」という懐かしい歌(→「しばしもやまずに槌うつ響き」で始まる歌です。ご存じでしょ?)を久し振りに聴き、その4番の歌詞に「稼ぐに追いつく貧乏なくて」という一節があるのに気づいて感動したのですが、それをもじって言うならば、今日の我が家の場合、「使うに追いつく稼ぎはなくて」ということになりそうでございます。 でも、まあ、ね。いつもいつも贅沢しているわけじゃなし、たまにはこういう日もありますわ。 ということで、今日は買ったばかりのガラスの杯でワインを飲みつつ、アルザスで買ったパテとソーセージなどを楽しみながら、楽しい夕餉となったのでした。今日も、いい日だ!
March 20, 2007
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今日は午前中は読書、午後は原稿書きで過ごし、割と捗りました。 そんな充実感もあって、夕食は家内と寿司を食べに行くことに。というのも、何だかこのところ妙に寿司が食べたくなっていたものですから。あるでしょ、そういう時。 というわけで、行きつけの寿司屋の暖簾をくぐったという次第。今日はカウンターに座って、食べたいものを思う存分、注文しちゃいましたよ。 ま、寿司自体は「回って」くるんですけどね・・・。 しかし、回転寿司ってのは、凄いですね。あんなの、世界中どこを見渡したってないでしょう。そういう意味では、外国のお客さんを接待するなら、下手な高級レストランに連れて行くより、こっちの方がよっぽどいいんじゃないでしょうか。最近、寿司の食べられる外国人も増えていることですし。 とまあ、そんなことを考えながら寿司をつまんでいるうちに、考えはさらに進んで、逆にこのシステムを外国に輸出出来ないだろうか、なんてアイディアが浮かんだんですけど、ダメですかね? 例えば「回転サンドイッチ屋」をNYにオープンするとか・・・。 一皿50セント均一。で、白いパン、胚芽入りパン、ライ麦パン、フランスパン、クロワッサンなんかがグルグル回ってくるわけ。それから具にするハムとか、野菜一式も皿に乗って回ってくる。で、客はそれらをチョイスしながら自分の好みのサンドイッチを作っていく、と。もちろん、コーヒーやビールなんかも回しちゃいましょう! 名前は・・・「サブウェイ・サンド」の逆、「エル・サンド(=高架鉄道サンド)」で決まり! ・・・と家内に話したら、「そんなの、パンがすぐにカラカラに乾いちゃってダメよ」と速攻ダメ出しされました。我が家の場合、これが多いんだ・・・。私の奇抜なアイディアの平均寿命は、だいたい10秒ですね。秒殺です。 でもねー、回転レストラン、外国で受けると思うけどなあ。 あと思うのは、「パチンコ」ね。ラスベガスのカジノにある、あの糞つまらないスロットマシン、あれを日本のパチンコに替えたら、カジノの歴史が変わると思うな。なんでそれが実現しないのか、ワタクシは不思議で仕方がないです。アメリカのカジノ関係者で日本のパチンコ屋に入ったことのある奴、一人もいないのかしら? あるいは逆に日本のパチンコ台製造業者の中で、アメリカ進出を考えたことのある奴、一人もいないの? あと、日本の霊柩車も絶対受ける。ハリウッドの目立ちたがりのセレブとかが絶対食いついてくる。 ま、それはどうでもいいか・・・。 とにかく、今日は仕事も捗り、お寿司も食べられて、すっかり満足したワタクシだったのでした。今日も、いい日だ!
March 19, 2007
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先程『情熱大陸』って番組を見るともなく見ていたのですが、今日取り上げられていたのは漫画家の桜沢エリカさんでした。 ま、私はこの人のことは名前以外、ほとんど何も知らなかったのですが、今43歳なんですってね。つまり、私とは完全に同年代ですわ。ハイティーンの頃ディスコブームがあって、20代でバブルを通過して・・・。 で、その後売れっ子の漫画家となった彼女は、今でもがっつり仕事して、稼いで、稼いだお金をディスコ通いやブランドものの購入で使って、そこで充電してまたがっつり仕事する、ってな生活を続けている。 その一方、ご結婚もされ、子供も二人。しかし、家事などはご主人が担当されているようで、普通の主婦の生活というのとはまるで違うタイプの日常を過ごされているんですな。 は~。すごいですね。なんか、たった一人でバブル継続、みたいな感じ。ま、私が理解できる、あるいは惹かれるタイプの方ではないですけど、彼女がやっておられること、およびそのエネルギーには敬服の一語。 大体、漫画家って職業自体、並の人に勤まるもんじゃないですもんね。 で、また感心してしまうのは、彼女の漫画に対するポリシーです。桜沢さんは、「知らないことは書けない」というのがポリシーなんですな。だから、例えば「年収数億円というようなIT長者の恋愛を描く」となったら、実際にそういう人物に会いに行って取材するわけ。で、その過程で、年収数億円の人間はどんなものを食べているのか、何を飲むのか、どんな時計をしているのか、葉巻の吸い方ってどういうものか・・・といったようなことを、全部自分で一応は体験して、それからようやく漫画の主人公の人物造形をしていくんです。 ま、もちろん、彼女のような有名漫画家ともなると、出版社の方でお膳立てしてくれるのでしょうけど、それにしたって、そういうことができるようになったのは彼女の実力ですから。大したもんですわ。 とにかくそんな調子で、仕事をバンバン依頼され、様々な取材と体験をしながら、漫画を描き、バリバリ稼ぎ、夜遊びし、時には母親になり、ということを繰り返しておられる彼女の日常は、傍で見ていてもすごく充実しているように見えます。 ま、あれだけ色々やっていれば、生きているって感じがするんだろうな・・・。 こういうのを見ると、いかに怠惰な私も「少し頑張らなきゃ」って気がしてきます。ちょっとハッパをかけられましたよ。特に、彼女が私と同年代なだけに、ね。 おーし、ワタクシも桜沢さんに負けてはいられません。明日は一つ気合入れて、ディスコに繰り出そう! ・・・じゃなくて、勉強しよう!
March 18, 2007
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『ナイト・ウォッチ』という映画をDVDで見ました。 配給は20世紀フォックスでしたけど、基本的にはロシア製のSF映画でありまして、舞台はモスクワ、セリフはロシア語。彼の国のSF映画を見るなんて、初代『惑星ソラリス』以来かな・・・。 で、その内容なんですが、この映画、いわゆる「超能力者モノ」でありまして、世界中にこれだけ人間がいると、中には「異種」と呼ばれる超能力者が生まれることがある、という前提から始まります。でまた、この異種にも正義を司る「光」チームと、悪を司る「闇」チームの2種類があって、この均衡の上に人類の平和が保たれているというんです。 ただ、どちらのチームに所属するかは個々の異種がどこかの時点で自分で決めないとダメらしいんですな。で、その決意の時点がいつなのかはケース・バイ・ケースらしく、大人になってから自覚する人もあれば、子供のうちに所属が決まることもある。 この映画の主人公のアントンは、恋人に裏切られたことに悩み、闇の異種(人間界では呪術師)のオバサンのところに行って、呪いの力で彼女を取り戻そうとするんですな。で、呪術師のオバサンに呪いをかけてもらっていると、そこに「光」チームの監視員が到着! 闇のパワーを勝手に使っちゃダメよ、ということで呪術師のオバサンを逮捕しちゃうんですけど、それがきっかけでアントンも自分が「異種」であることに気づくんです。 で、以後彼もまた「光」チームの一員となって、世界平和のために「闇」チームと戦うわけですが、そんな時、凄い「闇パワー」がモスクワに出現! で、その闇パワーの根源となっている女性の追跡が始まるのですが、どうやらそれがアントンの別れた恋人だということが判明。そして、色々あった末、彼女が闇パワー全開になっちゃった理由も明らかになり、この問題は無事解決して一件落着するわけ。 ところがその女性には12歳になる男の子がいた。これがどうやらアントンの子供らしいんですけど、この坊やもまた異種で、「闇」チーム側に引き入れられそうになっているんです。 さてアントンは、自分の息子でもあり、すごい超能力の素質をもっていると思しき男の子を「闇」チーム側の魔の手から奪還できるのか! ってな話です。ま、三部作の一作目らしいんですけどね。 で、この映画に対する私の印象批評点ですが・・・ 51点。不合格です~! B級映画としても見る価値なし! ま、ロシア発・『マトリックス』を越える映像革命! みたいな宣伝文句に興味を惹かれて見てしまったわけですが、この映画のどこが映像革命なわけ? と言いたくなるほどフツーです。どこにも驚くほどの映像はありません。っていうか、相当な低予算ムービーですよ、これ。 おまけに、「人類は気づいていないかも知れないけど、実はこの世の平和は『光』と『闇』を代表する超能力集団の勢力均衡によって、辛うじて保たれているのよ」みたいなアメコミ好みの設定自体、陳腐すぎる~。こんなの『X-MEN』をはじめ、もう腐るほど繰り返されてきたじゃないですか。今度ニコラス・ケイジが出る『ゴーストライダー』だって同じようなもんじゃありません? もう、こんなレベルの低い映画、続編なんか作らなくていいです~。 この映画で唯一良かったのは、映画の途中で出てくるパラパラ・アニメシーンだけですね。ああいうアニメの美しさは、きっと東欧の美的センスなんでしょうな。本作の51点のうち、50点はこの30秒のシーンの点数です。 なかなかいい映画って、ないもんですね・・・。もうそろそろ『カポーティ』がDVD化されてレンタル店に出回る頃ですから、今度はそれに期待しようかな。 さて、今日は久々に週末アフィリエイトと参りますか。 今回は「教授の時計ショップ」の新入荷、フォッシルの時計を紹介します。アメリカで1980年代に生まれたこのメーカー、時にはあまりにも斬新すぎて一般ピープルには理解出来ない世界を作り出していますが、今回はそんな驚きのフォッシルの時計の中から、まだまともな部類をピックアップしてみました。女性ものも何点か選んでおきましたので、興味のある方はぜひ覗いて見て下さい。これこれ! ↓教授の時計ショップ
March 17, 2007
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いやあ。昨日の深夜。ぶっとびました・・・。 いや、コンピュータで作業中、「メールのトレイを最適化します。この作業には数分かかります」みたいな表示が出たんです。時々出ますでしょ? で、そうかいな、と思って最適化してもらっていたわけですよ。すると・・・ 突然、シャットダウン! 嫌な予感。 コンピュータが再起動したので、不安を抱えつつアウトルックを開いてみると・・・ ああああああああ・・・・・・ 2006年10月から昨日までの分の「受信トレイ」がきれいさっぱり消えているじゃあーりませんか・・・ そんな・・・。ここ最近のメールの受信記録が全部飛んじまったぜ・・・。 その後、色々悪あがきしてみましたけど、結局消えてしまったものは元には戻らず・・・。 ひゃー。最近人からメールで依頼されていたこと、会議の予定、そういうものがすべてパーですわ。どうしよう・・・。 ま、そういった直接的な被害もさることながら、それ以上に、自分の生きた証が一年半分消えてしまったようで、すごい焦燥感! そして不安! なにが「最適化します」だよ! 「最悪化」してるじゃんか、バータレ! というわけで、昨夜は心労のあまり、よく眠れませんでした、とさ。 皆さんも、「最適化します」の甘言に騙されませんように! ご用心、ご用心。
March 16, 2007
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今シーズンはテレビ・ドラマが豊作だったようですね。『華麗なる一族』とか『ハケンの品格』とか『ヒミツの花園』とか。 ま、私はどれも見ていなかったのですが、『ハケンの品格』については家内から毎回粗筋を聞いて爆笑していました。篠原涼子と大泉洋、なかなか名演だったんですって? で、聞くところによると、哲学者の鶴見俊輔氏も初回から欠かさず見ておられたそうですが、それだけ考えさせるところのあるドラマだったのでしょう。タイトルからして、なかなか穿ってますしね。そんなに面白いのなら、私も見ればよかった・・・。 しかし、このドラマが扱っている様々な問題の中で、特に篠原演ずる「大前さん」の資格フェチぶりには、私もかなり共感するところがありますね。 ま、正社員と違って、頼るところのない派遣社員としては、可能な限り資格をとり、スキルアップして、できるだけ高く自分を売り込むことが非常に重要になってくるのでしょうが、翻って自分のことを考えると、逆にいかに自分に「資格」がないか、ということに愕然としてしまいます。 実際、「教授職」なんてものは、厳密に言えば「資格」でもなんでもないんですから。 例えば小・中・高校の先生、あれは「教員免状」という立派な「資格」があってやっているんです。でも、大学の先生にはその種の「教員免状」なんてないですからね。優秀であれば、小学卒だろうが中学卒だろうが、大学の先生になれます。 逆に言うと、大学の先生が大学を辞めたら、ほんとに無資格のただの人ですわ。ま、医学部の先生は医師国家資格があるから別でしょうが。 でも、そう考えると、そら恐ろしくなってきますなあ。仮に私が大学をクビになった場合、職安に行って何をアピールすればいいんだろう。1「文章、割とうまいです」2「大相撲のこと、詳しいです」3「車の運転、好きです」4「本は割と読む方です」・・・・ ダメだ、ダメだ、こんなんじゃ! で、これらの「長所」に続いて「夜型なので朝早いのは苦手です」「体力はありません」「風邪ひき易いです」「見かけの割に歳くってます」といった「短所」がズラズラ続くのですからね。これじゃ絶対再就職は見込めません。 ね。教授でござい、なんていうとちょっと世間体はいいようですが、薄い板一枚下は奈落の底ですよ。 ワタクシも、大前さんのように資格が欲しいっ! って気になってきますわ。 じゃ、何の資格とりますか・・・。 まずはバイクと大型免許かな。いざとなれば佐川急便ってことで。それから出版関係に勤められるよう、「CAD」技術を含めたコンピュータ関係の資格も欲しい。あと、調理師免許。これは趣味と実益を兼ねて。「カラー・コーディネイター」なんかも、とりあえず、ね。それと、健康増進も視野に入れて合気道初段。あ、そうそう外国語方面もスキルアップしておきますか。でも今どき英語だけではアレなので、もう一つ、イタリア語かポルトガル語あたりをチョイス。 ま、差し当たってはこんなところかな~。 でも、私だけでなく、『ハケンの品格』見て資格取得に走った人、走ろうと考えた人、多いんでしょうね。そういう意味でも、なかなか見どころのあるドラマだったのだと思います。再放送があったら、絶対に見ーようっと! さて、今日の私ですが、今日は割と勤勉に論文を書き、とりあえず一本、脱稿しました。昨年4月に某学会でシンポジウムの講師を務めた時の原稿を、論文の体裁に書き直したんですけどね。出来は・・・ま、普通かな・・・。パリッパリの新作ではないので、今一つ充実感が薄いですけど、それでもこれが活字になれば、それなりに満足感が出てくるだろうと思います。 とはいえ、一難去ってまた一難。今度は、某雑誌に載せる原稿書かなきゃ。大前さんと違ってロクな資格がないワタクシとしては、少しでも沢山文章書いて、業績を稼いで、大学をクビにならないようにしないとなりませんのでネ。 さ、もういっちょ、頑張りますか!
March 15, 2007
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今日はホワイトデー。皆さんはいかがお過ごしでしたか? ま、「バレンタインデー」自体、その起源が疑わしいわけですが、「ホワイトデー」となるともっと疑わしいわけで、そういうのに乗って踊らされるのは、ちょっと癪なところはあります・・・ ・・・ありますが、そこは「方便」でね。こういうチャンスを使って、奥さん孝行をするのも、いいことなのかも知れませぬ。ということで、私は毎年この日に、家内に花を贈るのを習わしにしています。ちょうど時期的に春先なので、いつもメインにする花はチューリップ。色は毎年変えますが、今年はピンクのチューリップを中心に、白い小菊や薄紫の花をあしらって、春らしい花束を作ってもらいました。 しかし、花束だけではちょっとイベント性が足りないかな、と思ったので、今日のランチは私が作ることに。 なーに、大したランチではありません。でも春なので、アサリがおいしいのではないかと思い、メインは「スパゲティ・ボンゴレ・ビアンコ」にしました。これにジャガイモのポタージュ、ベビーリーフを入れたシーザーズ・サラダ、それに白ワインを合わせ、食後はコーヒーとアイスクリーム。アイスクリームは「31アイスクリーム」の3月の新作、サクランボのアイスです。 ボンゴレ・ビアンコなんて、作るの簡単ですよ。まずニンニク一かけを刻んで、それをオリーブオイルで炒めます。そこへ砂出ししたアサリをガラガラっと入れ、すぐに白ワインを注いで蒸し焼きにします。で、アサリの口が開いたところに4センチくらいの長さに切り揃えたアサツキ(万能ネギで代用可)を適量(4本分くらい)入れ、同時に規定時間マイナス1分で茹であげたスパゲティをドサッと入れて掻き混ぜ、あとは塩加減を調節しておしまい。ものの10分で完成ですわ。唯一注意すべきは塩加減で、アサリ自体に塩味がついていることが多いので、塩味がきつくなり過ぎないように気をつけて下さいね~。 かくして、今日のランチは「釈迦楽亭・パスタランチ」ということにして、春らしい花束を添え物に、家内と二人でおいしくいただきました、とさ。 それにしても家の中に花が飾ってあるのは、いいもんですね。切り花って、正直、安いもんではないし、いつもいつも家に飾れるほどゆとりもないですけど、こういう機会を捉えてちょいと奮発するだけで、家の中に春がやってきたように感じられます。ご同輩の男性諸君、たまには奥さんを喜ばせるためにも、花でも買って帰りましょうや! たとえ「友が皆、我より偉く見ゆる日」でなくても、ね! ところで、今日はお茶の時間も少し贅沢に行こうと思い、ランチ用食材の買い出しのついでに名古屋郊外・日進市香久山にある「ミルグレイ」というケーキ屋さんでケーキを買ってきたんです。買ったのは苺のタルトとモンブラン。苺のタルトは私用、モンブランは家内用です。もうせん、テレビでタレントさんがモンブランを食べるのを見て、家内が「食べたーい」と言っていたのを思い出したものですから。で、お茶の時間にリーフティーを淹れて食べたのですけど、おいしかったですよ~。香久山の「ミルグレイ」、教授のおすすめ!です。これこれ! ↓パティスリー ミルグレイ ま、それはいいのですが、今日のミルグレイ、大半が男性客でしたね。しかも全員昼休みに会社を抜けてきたと思しきスーツ姿のサラリーマンばっかり。そんなこと、普段ではありえないのですが。 でもって、彼らが買うのは「シュークリーム10個ちょうだい」とか、「これと、これと、これと、これ、全部2個ずつ」みたいな感じ。会社に持ち帰って女性社員に配るつもりで買っているのがミエミエ。要するに、アレは義理チョコへのお返しなんでしょうな。 は~。サラリーマンも大変だ・・・。 でも、大真面目な顔してケーキをどっさり買っていく同年代のサラリーマンの顔見ながら、なんだかんだ言って日本人の男って、真面目で優しいんだな~、と思いましたね。 ワタクシのようなラテン系の男(←ホントかよっ!!)とは全然方向性が違うけど、そういう真面目で優しい日本男児ってのも、いいもんなんじゃないの? なんてちょっと思ってしまった、今日のワタクシなのでした。
March 14, 2007
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今日は朝もはよから愛知学院大学歯学部の附属病院に行ってきました。 と言っても、歯の治療ではありません。麻酔科の事前検査。 そう、私はあまりにも嘔吐反射が強いので、普通の歯科では治療ができないのであります。全身麻酔の6割くらいの強さで麻酔をかけ、ほぼ意識のない状態で治療するんです。で、今日はその麻酔の適性を検査してきたわけ。心電図・血圧測定・血液検査・尿検査などなど。 いや、最初は「笑気ガス」くらいで何とかならんかな~と思っていたのですが、麻酔科の先生に一笑に付されてしまった。「これやってダメなら、あれをやる、なんてことしません。最初から完璧にやります」ですって。 でもさすがは愛知学院。懇切丁寧な説明と完璧な事前検査で、ケア万全。そうなると、私としては「先生にお任せします!」ってな感じですわ。まさに「まな板の上の鯉」状態。 ちなみに、この治療法ですと、まず静脈から麻酔入れるわけですが、ものの15秒で意識がなくなるそうです。しかし、完全に意識がなくなると治療に差し支えるので、大声で呼べば答える程度の意識は残すのだとか。もちろんそんな状態ですから、治療中は常に脈拍・血圧・呼気内二酸化炭素濃度などをチェックしつつ、麻酔の濃度を濃くしたり、痛み止めを加えたり、心臓がやばくなれば、それを防ぐ薬を投与したり、といったことをするのだとか。もう、ほとんど手術ですね。 でも、これだけ大掛かりな麻酔をかけながらの治療でも、通常の歯科治療と比べて1回あたりわずか3000円高なんですよ。すっごく安いと思いませんか。普通の歯医者さんで、毎回、オエオエの苦しみに耐えることを思えば、喜んで3000円出します。 ま、実は私、数年前に親不知を4本一気に抜いた時もこの方法でやってますので、大体様子は分かっており、不安はありません。いや、むしろ気持ちいいもんですよ、麻酔って(爆)。 というわけで、本番の治療は5月半ばと決まりました。手術待ちがあるのでね。ま、詳細はその時また報告しますわ。 ところで、検査を終えて会計の列に並んでいると、待合室のテレビが何故か延々と飛行機を映しています。あれ? 着陸しかけたのに、また上昇しちまったぞ? なんで? と思ったら、まさに全日空機が胴体着陸に備えて、予行演習やってたのでした。着陸の衝撃で前輪が出ることもあるとのことですが、今回は残念ながら出なかった。となると、次は胴体着陸の本番です。ひゃ~、えらいこっちゃ! というわけで、私は食い入るようにテレビ画面に見入っていたわけですが、不思議だったのは、テレビを見ていたのはほぼ私一人だったこと。周辺には会計待ち、受け付け待ちの人が30人くらいはいらしたのですが、彼らはこのニュースにまったく無関心の様子でした。み、皆さん、あと10分後には、60人の命を乗せた飛行機が決死の胴体着陸しようってんですよ! 心を一つにして応援しなくていいんですか! 皆さん、ご自分の歯が痛くて、それどころじゃなかったのかなあ? ま、そんな患者さんたちの無関心にも関わらず、全日空機は見事に着地を決め、乗客乗員全員が無事だったとのこと、よかった、よかった! しかし、もし自分があの飛行機に乗っていたらと思うと、コワイですなあ。そうなったら、パイロットに任すしかないですもんね。乗客の方は、まさに「まな板の上の鯉」だ・・・。 ん? 「まな板の上の鯉」? このセリフ、確かさっきも言ったぞ。 ということで、今日のキーワードは、「まな板の上の鯉」に決まり!
March 13, 2007
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今日は定年で大学を去る教授を送る送別会があり、私もそれに出席してきました。 うちの英語科は総勢15人ですが、そのうち海外出張している人などを除いてほぼ全員出席。これだけのメンバーが揃った飲み会なんて、このところ久しくなかったので、なかなか盛り上がりましたね。中華料理だったので、紹興酒も進んでしまいました。 しかし、さすがに13人もいるとテーブルを2つにせざるを得ず、長老組と若手組に分かれることに。私はもちろん若手組にもぐり込みました。こっちの方が気楽でいいですわ! で、長老組の先生方が「定年後の過ごし方」といった渋い話題で盛り上がっているのを横目に、若手組は若手組らしい話題で勝手に盛り上がってました。演劇の話、映画の話、車の話、それから不健康自慢と話題も色々。 あと、どこも同じでしょうが、こういう場で楽しいのが「業界の噂」。どこどこ大学の誰それが、どんなこと言った、どんなことやった、って奴ですけど、ね。 で、今回、話に出ていたのが四方田犬彦氏の話。 四方田さんって明治学院大のすっごく優秀な先生なんですけど、この人が最近『新潮』に「由良君美伝」を書いたんです。由良君美さんってのは、もうとっくに亡くなられた方ですが、東大駒場の教授で、四方田犬彦さんの先生だった人。要するに教え子(四方田さん)が先生(由良さん)の伝記を書いた、ということなんですが、これが業界では結構話題になっているわけ。 ま、もちろん一つには由良君美という伝説的な学者さんが、実際に駒場の先生としてどんな人だったのかということに対して、業界人なら誰しも興味があるわけですよ。で、その点に関して、四方田さんの書かれた伝記はなかなかよく書けているらしい。 しかし、その一方で、この由良君美伝に対しては、かなり激しい批判も出ているのだそうです。ま、実際にその伝記を読んでいない私が言うのもちょっと危険ですけれど、読んだ方の話を聞いていると、どうもこの伝記には「東大」っちゅーものに対する自慢と恨み、そして「由良門下」であったことに対する自慢と恨みが充満しているらしいんですな。だから、そういうものへの理解がない人から見たら、相当鼻持ちならない伝記に映るらしい・・・。 ひゃー、読んでみたい~! いや、実は私もこの伝記については前々から噂は聞いていて、『新潮』を買いに書店に走ったのですけど、その時にはもう売り切れていて、結局手にいれられなかったんです。いやー、やっぱりもう少し粘って探し出せばよかった~・・・。 ま、いいや、そのうちどこかで見つけて読もうっと。 しかし、東大ってところも、なかなか難しいところのようで・・・。 で、そんな話題で盛り上がっていた時、同僚のKさんが「それを言ったら釈迦楽さんの母校だって、相当なもんじゃないですか」などとお戯れを。 Kさん、最近どこかの学会で、私の母校出身者の一団と飲んだらしいのですが、その時、その連中の「体育会系のノリ」にびっくりしたんだそうです。特に「年功序列がものすごくはっきりしている」ということには驚愕したのだとか。Kさんのような部外者から見てすら、誰が誰より年上というのが、言葉づかいで分かった、と言ってましたね。 あ・・・、それ、分かる気がする。 そうなんですよ、私の母校。特に英文学系の人たちの年功序列はすごいかも知れない・・・。 言っておきますが、私はそういうのとはぜんぜん違いますからね。私はアメリカ文学系ですから。同じ英文科でも、アメリカ文学専攻の方には、そういう仕来りはないんです。ざっくばらんで、オープンなもんですわ。 ですから私もたまに母校の英文学系の先生方、先輩・後輩に接したりすると、彼らの間にある鉄の団結にタジタジとなることがあります。ワタクシ、この輪の中に入って行けな~い、みたいな感じになりますからね。母校を出て、15年も母校とは無縁の大学に勤めていると、大分カラーが抜けてくるようで・・・。 しかし、いずれにせよ、あまり学閥のカラーが濃いところで仕事をするのも、疲れそうな感じがしますな・・・。 その点、私の現在の勤務先大学はいいですよ。まったく学閥がない。私の所属している科にしたって、東大・早稲田・慶應・筑波・名古屋・南山・東北・広島・神戸・・・といった具合で、出身校がまるでばらばら。しかも専門が多岐にわたっているので、互いに干渉する糸口すらない。その点に関しては、気持ちいい~って感じです。 ま、そんなわけで、今日は学閥のしがらみのないところで楽しく学閥のお噂で盛り上がった、ってなところですわ。 でもね、そんな馬鹿話をしつつ、次の紀要に載せる企画の話なんかも出てきたりしましたし、その点ではなかなか実り多い飲み会でした。今日の主役である定年退職の先生も喜んで下さったようですし。最近、この種の会合が少なくなっている我が英文科ですが、たまにはこういう会を催すのもいいもんですな。 ということで、「今日も、いい日だ!」 ということにしておきますか。
March 12, 2007
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家の近所に「業務用スーパー」なるものが誕生したので、一体どんなものなんだろうと興味が湧き、ものは試しで行ってみました。 ま、大きさは小さめのスーパーマーケットくらいの大きさなんですけど、売っている品物は確かに安かった、かな・・・。 たとえば大きな箱入りのコーンフレークが88円とかで売っていたりする。コーンフレークって案外高いもので、普通400円くらいはするじゃないですか。それなのに、この店では88円。その他、缶ジュースなんかは一本30円、フルーツの缶詰なんかも60円とか、そんなもんです。 要するに、生産地の問題なんですな。お、安い! と思って商品の表示を見ると大概中国製品であったり、タイ製品だったりする。うーむ、そういうことか・・・。 ちょっと笑ったのは、「丹波の黒豆」とでかでかと書いてある黒豆の煮豆の大パック。ほとんど1キロくらいはあるかと思われる黒豆の煮豆、しかも「丹波の黒豆」が298円なんて、お買い得~と思って手に取って表示を確認すると、「丹波産の黒豆の種を中国で育てて製品化した」みたいなことが書いてある。おいおい、それって「丹波の黒豆」って言うのか? その他、「さすが業務用スーパー」と思ったのは、レトルト製品が安く豊富なこと。しかも聞いたことのないメーカーのばっかり。「業務用カレー」とか「業務用コーンポタージュ」なんて書いてありますけど、一般のレストランとかで出されるカレーとかスープって、ほんとにこういうレトルトなんでしょうか? あと、冷凍食品コーナーもすごかったですよ。冷凍野菜も大パックでごろごろ置いてありますし、冷凍ハンバーグも山積み。あと、衣もついてただ揚げるだけの状態になった各種フライ素材が所狭しと並んでいる。冷凍コロッケ、冷凍カツ、冷凍アジフライなどなど・・・。 というわけで、何だか素性の知れない有象無象の食品の山にたじたじとなった我ら夫婦は、最初の意気込みはどこへやら、結局あまり買わないで帰って来てしまいました。だって、合成保存料とか、そういうのが沢山入っていそうな感じなんですもーん。 でもね、そんなこと言いながらも、缶入りデンマーククッキー298円! とか、1キロ入り小倉餡パック198円! とか、業務用レトルトカレーうどん1個67円!とか、ちょこちょこ買ってきてしまったのでありました。わっはっは! しかし、世の中面白いもので、贅沢しようと思えばきりがないですけど、合成保存料とか着色料とか、そういうものには無頓着に、とにかく節約することを先決に生活しようと思えば、これまた相当に安上がりな生活ができるようになっているんですなあ。 ま、節約一方の生活というのも寂しいですから、たまにはちょっとだけ贅沢もして、そのバランスの中で上手にやりくりしていくってのが、一番いいのかな。 でも、とにかく「業務用スーパー」なるものを覗いてみて、いい社会勉強になりました。今度ここを訪れる時は、そうですね、もうちょっと勇気を出して、「業務用サバの味噌煮」でも買っちゃおうかな!
March 11, 2007
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今日のこと、というより昨日のことなんですが、私の同僚で「兄貴」と慕うK教授が、さる会議から戻ってくるなり、「世知辛いことになってきたよ~」とのたもうたんです。 何のことかと思ったら、大学評価のことなんですわ。 昨年国立大学が独立法人化し、文部科学省の直接の監督下に置かれなくなったことはご存じの方も多いと思いますが、それにともなって国立大学がちゃんと運営されているかどうかを見張る「大学評価機構」という団体が作られたんです。で、日本中の国立大学は、ものすごい大金を払って(!)この大学評価機構から「評価」を受けなければならなくなったわけ。 そういうと、世間の人は「それは当然だろ」と思われるかも知れません。しかし、外部団体が大学を評価するとなると、見るのは「数字」だけですからね。実質を見ないで数字だけで判断する。 しかし、大学ってところは商売やってんじゃないんですから、数字だけ見て成績出されても困るんですよね~。 で、困るところへ持ってきて、今回K教授が聞いてきたところによると、どうやら大学全体の評価だけでなく、個々の教員の評価も出すことに決まったらしい。 つまり、「平成19年度以前の過去3年間に何本の業績があるか」で、各教員の評価を出すらしいんですわ。しかし先にも述べたように、その際、見るのは「数字」ですから、過去3年間に画期的な論文1本書いた教授より、下らない論文3本書いた人の方を高く評価する、ってことです。オー、ノー! めっちゃ世知辛! ということでK教授と私、思わず二人してそれぞれ自分の過去3年間の業績数を胸算用してしまったことは言うまでもありません。 ま、自分で言うのもなんですが、兄貴にせよ私にせよ、全国レベルで見てもそれなりにいいセン行っているとは思うんですよ。しかし、業績の中身を無視し、数だけで評価されるとなると、もうちょっと上乗せしておいた方が評価機構の覚えがいいのかも・・・。でも、今年度ももうおしまいだし、上乗せするチャンスは来年度しかないしなあ・・・。 やばい、業績稼がなきゃ! というわけで、すぐさま来年度の大学紀要への投稿申し込みに走ったK教授とワタクシだったのでした。 しかし、「大学評価機構」の査察、レベルが低いね! 教員の個人評価するのはいいけど、業績「数」だけでなく内容評価まで踏み込むなり、もっと長いスパンで見るなりしてくれよ~。数年に一冊いい本を出す方が、毎年ちょこまか愚にもつかない紀要論文書くより世のため学界のためになるだろうに! ・・・と、不満たらたらなワタクシではあるのですが、しかし今回のことがきっかけで、ちょっとやる気も出てきました。 前にもブログに書きましたように、ワタクシ、うちの大学出版会の編集委員なんですけど、こうなったら自分で本書いて、自分で編集し、大学出版会から出版して、それを業績にしちまおうかな、なんて悪ダクミを思いついたんです。 これも以前ブログに書きましたように、ワタクシ、数年前から「ベーシック・イングリッシュ」というのにはまっておりまして、英語の授業ではそれを教えているんです。で、その教材はすべて毎回自前でプリントを作り、学生に配っているのですが、このプリントをまとめてしまえば、割と簡単に教科書ができるじゃないですか。 で、これを自分で編集して大学出版会から出版してしまえば、授業の時に学生に売れるわけですよ。毎年確実に数百部単位で売れる。しかも、これは自分の本ですから、自分の好きなように表紙のデザインから何からすべて決められるわけですよね。これは楽しそうだ! で、信じられないことに、うちの大学出版会の印税って、驚異の50%ですからね。通常の5倍ですわ。これならすぐ元とれる。っていうか、むしろ儲かります。 しかも儲かった上に、たとえページ数にして60~70ページくらいの小冊子であろうと、「大学出版会から単行本1冊出版」という業績も残せるじゃん! 大学評価機構の覚えもぐっとよくなるわけですよ・・・。 頭いいね、ワタクシ! それ、やろ。決まり! ということで、何だか急に楽しくなって、やる気が出てきたワタクシなのでした。大学評価機構、バンザーイ!
March 10, 2007
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今日は野暮用があって、午後から金城学院大学に行って来ました。 「金城学院大学」と言っても、多分、名古屋ネイティヴの人じゃないとピンと来ないでしょうが、名古屋では有名なお嬢さん学校でございます。名古屋には「(愛知)淑徳」「椙山女学園」「金城学院」という3つの有名なお嬢さん学校がありまして、その頭文字から「SSK」と称されておるんですよ。名古屋で育ったお嬢さんなら、この3つのうちに入っておけばとりあえず胸張ってられるみたいな、ね。 中でも金城学院というのは、「金持ちで、お城みたいな家に住んでいるお嬢さんが行くところ」ということになっていて、たいていの学生さんが通学バッグとしてエルメスを持っているらしい・・・。ま、噂ですよ、噂。 ちなみに、この大学の沿革というのは面白くて、19世紀末、アメリカの南部長老派教会の宣教師たちがその母体を設立した、ということになっております。 しかしこの宣教師たち、もともと日本なんか眼中になくって、最初は中国に宣教に行ってたんです。で、中国で宣教活動に携わっていたんですが、宣教要員の交代か何かがあって、一部がアメリカに帰国することになった。 ところがその帰国の途上、東シナ海かどこかで海が荒れて、宣教師たちが船酔いしちまったんですな。だもんで、途中日本に寄って休憩していくことになった。で、たまたま名古屋にしばらく滞在することになったのですが、ついでだからここも宣教しちまえってことになり、それで金城学院の母体ができた、と。 大分前に聞いた話なので、かなりあやふやですが、確かそんなような事情だったはず。 つまり、金城学院ってのは、「船酔い」でできた学校なんですな、あっはっは! ちなみにアメリカ文学との絡みで言いますと、この南部長老派・中国宣教団のメンバーを両親として中国で育ち、その経験を後に小説にしてノーベル賞とったのが、パール・S・バックでございます。パール・バックの『大地』って、タイトルくらいは聞いたことあるでしょ? アレですよ、アレ。 ま、それはさておきまして、現在の金城学院、なかなか立派です。 キャンパスも広いですし、キリスト教系の大学ですから立派な教会なんかもあったりして、ス・テ・キ。しかも、ちょうど薬学部を新設したところで、そのモダンな新学部棟がそびえ立っておるじゃないですか。ワタクシの勤務する大学のボロ校舎とは随分違うなあ・・・。 でまた、所用のために私が訪れた先生の研究室、ワタクシの研究室の倍くらいの広さがある~。 第一、研究棟にエレベーターがあるじゃん! 毎日3階にある自分の研究室まで階段を昇り降りさせられ、かたじけなくも足腰を鍛えさせられているワタクシとはえらい違いでございます。 でまた、金城学院の研究棟からの眺めがいいんだ! 大学の北側にある雑木林の向こうに瀬戸の街並みが広がり、そしてその遥か先には雪をいただいた山並みが! あれは恵那山じゃありませんかしら? でもって私がお会いした教授曰く、「ほれ、向こうに見えるのが体育館。でもってその向こうにテニスコートとゴルフ場があるんですよ。ま、私のためのゴルフ場だわな」ですって! うらやまぴー。 それにしても、有名私立大って大学運営が上手なんですなー。設備から言ったら国立大なんて敵わないですもん。それに学部の新設にしたって、かつてうちの大学が必死になって計画していた時は、当時の文部省に鼻の先で笑われた上、後ろ足で砂かけられましたけど、金城学院なんて「薬学部」みたいなおいしいところさらっと作っちゃうじゃないですか・・・。何なの、この差は? まあね。隣の芝生は青く見えるって言いますから。あんまりよそのことを羨ましがっても仕方がないのかも知れません。それに、金城学院には金城学院の悩みがあるのかも知れませんし、ね。 それにしても、よその大学を訪問する度に、教授の境遇にも色々あるなぁ、と思わされるのでありました。 あ、最後に一言。金城学院のお嬢さん方は「ケバい」との噂を聞いておりましたが、チラホラと見かけた学生さんたちは、ごく普通でしたね。やっぱ、噂を鵜呑みにしちゃ、いけませんな。
March 9, 2007
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今日は版画家・池田満寿夫が亡くなってから10年目なんだそうです。もうそんなになりますかねえ・・・。 私が池田満寿夫に興味を持ち始めたのは、その少し前にヘンリー・ミラーに対して興味を抱くようになったことがきっかけでした。もう随分前のことになりますが、ロサンゼルスとサンフランシスコの中間あたり、太平洋を見下ろす1号線沿いに「ヘンリー・ミラー記念館」というのがあって、たまたまそこを訪れた私は、ミラーが描いた水彩画に一目惚れし、以後ミラーの画集はもとより、ミラーの絵に関するものであればどんなものでも片っ端から集めて読むようになっていたのです。 で、そしてその過程で出会ったのが、池田満寿夫の書いた『池田満寿夫 絵画を語る』(白水社Uブックス)という本でした。この本の中には、若き日の池田満寿夫がいかにヘンリー・ミラーに惑溺したか、またそのミラーにロサンゼルスで偶然出会い、互いの絵を交換するまでになったか、といったような、私にとっては興味津々なことが書かれてあったんです。しかも池田満寿夫がいきいきと描くミラーの風貌・人柄は、私がミラーの絵から受けたミラーの印象をまったく裏切らないものだった。 ま、それはある意味、当然のことなんですね。というのも、後で分かったことですが、池田満寿夫とヘンリー・ミラーには共通点が多いんです。ヘンリー・ミラーも池田満寿夫も、ともに若き不遇の日を過ごした経験を持ち、また世に出てからはそうした苦しかった過去を何度も何度も言葉にして、繰り返し語り続けているんですな。ミラーにとって自らの過去を語ることがすなわち生きることであったように、池田満寿夫にとっても自分の人生の航跡を執拗に綴り続けたることが生きている証だった。つまりミラーも満寿夫も、ともに「自伝」に執着し続けたと言っていい。 ミラーは絵も描く小説家として、一方の満寿夫は小説も書く版画家として、ともに己の来し方を語り尽くそうとした。二人の芸術家の波長が同調したのは、そういう本質的なところで共通点を持っていたゆえではないかと、私は思います。あるいは、池田の方が先輩のミラーを見倣ったという方が正しいかも知れません。ミラーが『性の世界』という著書の中で言い放った「私はあらゆる女の子宮を覗き込みたい欲望を持つ」という言葉に、非常に強い衝撃と共感を得たと池田自身も語っていますが、そういう欲望を口にする(あるいは作品として表現する)勇気を、池田満寿夫はミラーから教わったんですな。そういう根源的な欲望を人前に晒さなければ、まともな自伝というものは書けないわけですから。 とにかく、『絵画を語る』をきっかけとして、ミラーだけでなく池田満寿夫の著書もすべて集めたいという願望を抱いた私は、以後、古書店や古書市を覗くたびに彼の著書を探すようになりました。そして今では主要な著作(小説類は除く)は大概揃えたのではないかと思います。その中で私が特に好きなのは『私の調書』『私自身のアメリカ』『複眼の思考』『思考する魚』など、彼が雑誌などの求めに応じて書いた自伝的エッセイや画論の類です。これらの本は今では古書店でしか買えないものばかりですが、少し探せば見つけられる程度には市場に出回っているので、もし興味のある方がおられれば、ご自分の足で探してみられるのも一興ではないでしょうか。もちろんインターネット上の古書店をあたるのも一つの手段ですが、古書蒐集の醍醐味は、時間をかけてゆっくりと狙い定めた本を手に入れていくことにこそありますからね。 で、これらの本を読んで私が感心するのは、池田満寿夫という人の天性の文章力です。若いときから文章を書くことは得意だったようですが、無造作なようでいて、とても行き届いた文章だと思います。あるいは、本当は周到な文なのだけれど、不思議と肩の力が抜けた文章だ、と言った方がいいのかな? 絵を描く人に文章家が多いのは多くの人の知るところですが、池田満寿夫もその例外ではありません。例えば私は岡本太郎の格調の高い文章を高く買うものですが、満寿夫の文章はまたそれとは異なる独特の親しみやすさを持っています。 ちなみに、いつも思うのですが、池田満寿夫にしても岡本太郎にしても、私よりはるかに年上ではありますが、どういうわけか苗字より名前で呼びたくなる人たちですね。「満寿夫がこんなことを言っていた」とか、「太郎がそんなことを書いていた」とつい言いたくなってしまいます。 しかし、その太郎も死に、満寿夫も死んでしまった。太郎が死んで11年、満寿夫が死んで10年。早いものです。 今日は池田満寿夫が死んで10年目の記念日ですから、夕食後にでもまた彼のエッセイを繙き、それをもって私なりの供養とすることにしましょうか。池田満寿夫絵画を語る
March 8, 2007
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私、NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組が好きでして。もともと衛星ハイヴィジョン用に作られた番組のようですが、それを一般の衛星放送や地上放送でも順次放送しているらしい。名古屋地方では今日の深夜12時の放送なので、今から楽しみ。 こう言っちゃ身も蓋もないですが、ワタクシ、はっきり言ってアジア系の外国に行ってみたいという気がまるでなく、外国=欧米という欧米かぶれの人間なので、この番組でも欧米の街を歩くという回だと特に楽しみに見ちゃうんですよね~。 でまた欧米、特にヨーロッパの「街」が、いいんだ、これが・・・。いいというのは、風景として美しいというばかりでなく、そこに人の静かな暮らしが見えて楽しいんですね。 大体欧米の町っていうのは、川に隔てられていたり、あるいは中世時代からの古城や大聖堂があったり、はたまたローマ時代の城壁が残っていたりという形で、「ここが○○の街」という明確な区切りがあるじゃないですか。で、そのコンパクトにまとまった古い街のたたずまい自体の美しさは言わずもがなですが、その古い街が決して死んでいなくて、今なお昔と変わらない人の暮らしがある。 例えば「お店」一つとっても、日本のスーパーマーケットのように薄っぺらな店なんてどこを捜してもない。そこにあるのは昔からある職人の店、例えば楽器を作ったり、靴を作ったり、帽子を作ったり、お菓子を作ったりする職人が働いているのが外から見えたりする、そんな店なわけですよ。つまり、そこで作ってそこで売っているという種類の店が中心なんですな。作り手の顔が見えるわけ。また食料品のお店だって昔ながらの八百屋であり、肉屋であり、酒屋なんです。 でまたラテン系の街なんかだと、そんな街の一角に地元のおじさんやおばさんが集ってビールを飲んだり、おしゃべりをする場所があって、賑やかにやっている。それらすべてが数百年前とほとんど変わらない調子で続いているんだろうな、ということが見ていれば分かります。もちろん、数百年前と今とでは随分変わったところもあるのでしょうが、本質的には変わっていないと思わせるようなところがある。まさに、「ここに人間の生活あり」という感じがヒシヒシと伝わってくるんです。 ヨーロッパの街というのはかくのごときモノですから、パリッ子がパリを自慢し、ロンドンッ子がロンドンを誇り、バルセロナッ子がバルセロナを愛し、ケルンッ子がケルンを愛でる理由が分かります。そりゃ、こういうところに生まれ育てば、「わが街が世界で一番」と思うでしょうよ。 それに比べて、例えば東京の丸の内界隈のビジネス街を歩いたって「企業」の顔が見えるばかりだし、新宿の雑踏を歩いたって「商売」の顔が見えるばかりでしょ。面白いことなんかなーんもない。 また私が現在住んでいる名古屋郊外の街にしたって、単に茫洋と広がる新興住宅地ですからねえ。静かでいいですけど、他には何もない。愛そうったって、愛すべき「とっかかり」が何もないですもん。 大体、名古屋近郊を自動車で走り回っていて、ここがどこの街だと明確に意識することなんかないですもんね。というか、どこからどこまでが街で、どこからどこまでが街と街の間の中間地帯かすら分かりません。 ま、たとえば浅草に生まれ育ったから浅草が好きとか、京都に生まれ育ったから京都が好き、というようなケースはあると思いますが、今日本人の大部分が暮らしている「住宅地」ってもの、あれは果たして「街」なのかどうか、私は疑問に思います。 そういう、街ですらないところに住んでいる日本人の一人として、「世界ふれあい街歩き」に登場するような世界各地の街並みというのは、ほんと、羨ましくて仕方がないですなあ。 ということで、今日の深夜もまた、そんな世界の街並みを羨望の眼差しで見つめつつ楽しむことにいたしますかね。この番組、教授のおすすめ! です。
March 7, 2007
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4月からの演習でシェイクスピアの『リチャード三世』を読むものですから、下調べをしようと思い、この史劇を久しぶりに再読しました。 文部科学省の差し金で今や日本中の大学から由緒ある「文学部」が消えつつあり、それに伴って「英文科」も縮小の一途。そんな中、シェイクスピアを読むなんて、まさに常識はずれの掟破りなんですけど、私はこの演習をもう既に7~8年は続けています。 で、なんでこの時代にシェイクスピアを読むか、という理由なんですけど、その一番の理由はやっぱりシェイクスピアは面白いということ、そして少なくとも英語圏の文化を研究しようというのなら、たとえそのごく一部であれ、シェイクスピアの何たるかに、直に(=原書で)接しておくのも無駄ではなかろう、ということですかね・・・。 しかし、それと同時に、私は個人的に「教育」ってものには「思い出作り」の側面が大きい、と思っていることもあるんです。つまり、人生の中で一度であれ「シェイクスピアを原書で読んだ経験がある」という思い出があれば、それはその人にとって後々貴重な誇りになるだろう、という気がするんですよ。いや、実際に半分くらいしか読めなかったとしても、その人の書架にシェイクスピアの原書が一冊残ることになり、たとえばその人の子供が「これ何の本?」と聞いた時に、「これはお父さん(お母さん)が学生の時に読んだシェイクスピアだよ」と言えるだけでも、子供に対する善き教育になる、と、私は思うのです。 ま、私にはそんな思いがあるものですから、このところずっとシェイクスピア演習を続けているのですが、最初の四年間で四大悲劇(『リア王』『マクベス』『ハムレット』『オセロ』)を読んだ後、『ヴェニスの商人』『ロメオとジュリエット』『ジュリアス・シーザー』と読み進め、それでこの4月からは『リチャード三世』というわけなんです。 しかし、実のところ、次に読む作品として『リチャード三世』に決めるまでにはちょっと悩みまして。 というのも、『真夏の夜の夢』とか『お気に召すまま』あたりを読むか、それともいっそ達観して『嵐』でも読むか、はたまた元に戻って『ハムレット』あたりを読み直すか、などと色々考えたわけですよ。しかし、喜劇や晩年の作品は学生には難しそうだし、四大悲劇に戻るのはこちらが面白くないし。 で、あれこれ悩んだ挙げ句、逆に初期の作品の中から、昔読んで面白かった記憶がある『リチャード三世』はどうかなと思いつき、思いついた途端にエイヤっと決めちゃったんですな。 しかし、そう決めはしたものの、前にこの作品を読んでから随分時間が経っていたので、それで今回、授業の予習として事前に再読してみたわけですよ。しかし・・・ ・・・以前、学生時代に読んだ時は内容だけ追いながらざっと読んで「面白い」と思ったものの、今回じっくり読み直してみると、あんまり面白くないですな、この史劇(爆)。 ま、結局、悪党が権謀術数の限りを尽くして王権を簒奪する話ですから、当然グロスター公(リチャード三世)の一人芝居になってしまう。そうなると、このマキャベリストの悪党ぶりしか楽しむ要素がないわけでして。つまり、脇役がぜんぜん面白くない。 しかし、私思いますに、シェイクスピアの芝居ってのは、脇役を楽しむものなんじゃないの? (by 釈迦楽) ま、その辺のことを考えると、やっぱり『リチャード三世』は、シェイクスピアの全作品からすれば、まだまだ習作の域を出ないんじゃないかしらん。今回あらためて読み直して、そう思いましたわ~。 ただ、これ読むとイギリスの「薔薇戦争」時代の事情がよく分かります。プランタジネット朝の時代からランカスター・ヨーク両家の王権争奪時代を経、この両家の争いに終止符を打ったヘンリー7世をもって新たなテューダー朝が起こる、その辺の歴史がまさに『リチャード三世』の背景ですから。それゆえ実際の演習では、作品そのものもさることながら、そういうイギリスの歴史のことも併せて学生に勉強させないと、面白くならないんじゃないでしょうか。 ま、そのことが事前に分かっただけでも、早めに予習しておいて良かったですわ。 それにしても、本ってものは、時間を経て読み直すべきものですな。読み直すと、以前とはまるで違う読後感を得ることがあり、そのことによって読み手である自分自身の心境の変化とか、成長の度合いが計れますから。四大悲劇にしたって、学生の頃は『マクベス』が一番いい、なんて思っていましたけれど、今は『ハムレット』が一番面白いと思っていますからね。それだけ、私も変わったということなんでしょう(・・・か?)。 ま、いい方、深い方に変わったのなら、いいんですけど・・・。そのうち、「やっぱり『リア王』が泣ける」なーんて思い始めたら、ひょっとしてワタクシの耄碌の度が進んだということになるのかも知れません。くわばら、くわばら・・・。
March 6, 2007
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今朝の新聞を読んでいたら、高速道路のサービス・エリアやパーキング・エリアに家庭ゴミを持ち込む人が多くて困っている、との記事が載っていました。 それによると、高速道路に持ち込まれる家庭ゴミの量は年々増加し、今ではその処分のために年間15億円もの費用がかかっているのだとか。中には電機製品などの粗大ゴミやペットの死骸まで捨てていく人もいるそうで、そのモラルのひどさは目も当てられないそうです。 で、その記事は「他に有効な対処法はなく、引き続き人々にゴミ捨てのモラルを訴えていくしかない」とまとめてありました。 ふーん、なるほどねえ。 しかし、この問題について、ワタクシはまた別な考えがありまして。 ま、もちろん粗大ゴミを置いていくとか、ペットの死骸を置いていくとか、そういうのは論外ですよ。それはモラルの問題。 しかし、家庭ゴミを捨てていく、ということに関しては、ワタクシはある程度理解するんですよ。 だってそうでしょ。例えばこれから家族旅行に行こうって時に、たまたまその日がゴミ回収の日じゃなかったとする。そういうことはよくあります。で、2~3日家を開けようというのに生ゴミが捨てられないとなると、夏場なんかはキビシイですよ。といって、その日の宿泊先のホテルに生ゴミの袋を持っていって「これ、捨てて下さい」というのも、ねえ・・・。 じゃ、もう、旅の途中、高速道路上のサービスエリアにでも捨てていく他ないじゃん。 ね? そう思いませんか? つまりね、人がサービスエリアのゴミ箱に家庭ゴミを捨てていくには、それなりの理由があるってことですよ。ですから、「モラル」に訴えるだけでは限界があると思うんですよね~。 じゃ、高速道路上のゴミ問題、どう解決すればいいか。簡単じゃないですか。サービスエリアのすぐ脇にゴミ処理場を作る! それしかないでしょう。 なにせこのゴミ処理場は、ゴミ収集の必要がない! だって、高速道路の利用客が自分の手でゴミを持ってきてくれるんですもん。で、ゴミを燃やした熱を使って温水を作り、サービスエリア内の洗面所などで使ったり、冬場なんかはサービスエリア施設の暖房に使いましょう。あるいは、いっそサービスエリア内に温水プールくらい作っちゃうか! どう、釈迦楽流のこのアイディア? 少なくとも私自身、高速道路上のサービスエリアに家庭ゴミを持ち込んでもいいとなったら、すっごく便利だと思うなあ。 この問題に限らず、例えば駅前の道端に不法に止められた自転車の問題にしても、モラルに訴えて解決しようとするより、「自転車は庶民の足なんだから」ということで、鉄道会社自体が十分なキャパをもった無料の大型駐輪場を駅に付設した方がいいと思うんですよね。 なんでもかんでも「モラルの低下」を嘆く前に、そこに「必要」を見ないといけないことがあるんじゃないの? 高速道路上のゴミ問題に関連して、そんなふうに思うワタクシなのでありました。
March 5, 2007
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楽天ポイントが貯まったので、またまたジャズのCDを買ってしまいました。クリフォード・ブラウンというトランペッターの『スタディ・イン・ブラウン』というアルバムです。 クリフォード・ブラウンってのは、1930年生まれ、13歳でトランペットを手にし、神童と言われるも何故かデラウェア州立大で数学を専攻(!)、その後トランペッターの大先輩ディジー・ガレスピーに説得されてメリーランド州立大学音楽科に入り直し、「バード」ことチャーリー・パーカーやドラマーのアート・ブレイキーと共演したりした後、1954年からドラマーのマックス・ローチと組んで伝説の「ブラウン=ローチ・クインテット」を結成。「ハード・バップ」時代の先駆けとなるも、その活動わずか2年足らず、弱冠25歳にして自動車事故死という、いかにも夭折のジャズマンらしい生涯を送った人でございます。 ま、こういうのはジャズの入門書を繙くとどこにでも書いてある情報でありまして、ジャズでも何でも、本から入ろうとするのがワタクシの悪い癖なんですが、これも善し悪しでね~。 と言いますのも、ジャズの本を読んで「次はこの人の作品を聴いてみよう」と思い、複数の専門家が共通して絶賛しているアルバムを選んで買うじゃないですか。すると・・・ ぜーんぜんダメ! というケースが多いんですなあ。 で、『スタディ・イン・ブラウン』なんですが、夭折の天才トランペッターの作品であること、ジャズ評論家たちお墨付きであること、さらにカッコいいタイトルにも惹かれて買ってみたものの、冒頭の「チェロキー」という曲を聴いた瞬間からガックリ・・・。なんですか、これは。昭和中期の大衆演芸とかサーカスで使われたような、あるいはちんどん屋さんのようなフレーズ。それに続く曲もワタクシにはピンと来ないものばかり。 こ、これが「ハード・バップ」というものですか。だったら、「ハード・バップ」はワタクシの趣味には合わないなあ。 ま、技術的な面から言えば、クリフォード・ブランのトランペット奏法というのは天才的なのかも知れず、そういうところを専門家は見るのでしょうけど、こちとら素人からすれば、少なくとも名のあるジャズ・ミュージシャンの誰が誰より上手か、なんてことは分からないわけで、そうなると結局その曲が好きかどうかしかないですよね。 そういうふうに見ると、クリフォード・ブラウンの『スタディ・イン・ブラウン』、ワタクシの目には大した作品には見えません。 あー、またつまらないCDを買っちまったぜ! 視聴しないで買った私も悪いのですが。 しっかし、ジャズ評論家というのは数多いるけど、「この人の奨めるCDは絶対損しない」というような評論家がいないなあ・・・。もうこうなりゃ、自分がジャズ評論家になるしかないか・・・。 ま、そこまではやらないにしても、もうちょいジャズというものが分かってきた段階で、「ジャズ入門」的な講義を大学でやろうかな、とも思っているんです。私は「アメリカ文化概論」という講義を担当しているのですが、この題目であれば、そういう内容の授業をやってもいいのではないかと。 しかし、そこまでやるのであれば、もう少しペースを上げて色々な作品を聴かないとなあ。ま、次、どんな作品を買うかを考えるのもジャズの楽しみなんですけどね。 とりあえず今思い描いているのはチック・コリアの『ナウ・ヒー・シングズ・ナウ・ヒー・ソブズ』という作品です。以前買ったコリアの代表作『リターン・トゥー・フォーエヴァー』はまさに噴飯もので、こんなものを奨める評論家どもは一体全体どういうセンスをしているんじゃ! と思ったものの、この間ちょっと『ナウ・ヒー・シングズ』を視聴したら割と好みだったので、もう一度だけチック・コリアを試してみようかなと思っているんです。またガッカリさせられるかも知れませんが。 ほんと、なかなか極めがたい音楽ですな、ジャズってのは。ま、ジャズだけじゃないか。音楽全般に難しいかな。 よく「音楽は世界共通の言語」だなんていう奴がいますが、おふざけでないよ、と言いたいですな。むしろ「音楽は理解不能な言葉の海」っていうのがワタクシの実感です。しかしその海の中から、自分に理解できる数少ない、しかしキラめく砂粒を探すこと。それがワタクシにとっての音楽鑑賞、って感じですわ。
March 4, 2007
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今日は英文科の教授連と名誉教授、総勢6名でお昼をご一緒しました。 本当は今年定年を迎えられたS先生を囲んでのパーティーを企画していたのですが、S先生は来年以降も定年延長で大学に残られるということもあって、「お別れの感じが出ないから、それはまた別の機会に」と強く辞退されたものですから、今回は既に退官されている名誉教授のH先生も含めて、久し振りに科の先生方皆でメシでも食おう、という趣旨の気楽な昼食会となったんです。 会場となったのは、名古屋・塩釜口にあるトルコ料理の店「オリエンタルの青い月」。もうこのブログでは何度かご紹介した私のお気に入りの店です。オリエンタルの青い月 で、今日皆で食べたのは、「坊さんの気絶(茄子にタマネギやトマトを乗せてオーブン焼きしたようなもの)」「羊飼いのサラダ」「本日のスープ(ひよこ豆のポタージュ)」を前菜に、「シシケバブ(羊肉の串焼き)」「アダナケバブ(羊肉の串焼きソーセージ)」「チキン・ドネルケバブ(鶏肉の炙り焼き)」「羊のピデ(トルコ風ピザ)」などなど。これにトルコの酒・ラク(45度のスピリッツで、水で薄めると白濁する酒)、トルコチャイ、ドンドルマ(のびるアイスクリーム)をつけ、大満足のごちそうとなりました。これだけ注文し、6人が満腹して支払いは一人2500円ですから安い、安い。初めてこのお店に来られた先生が3人おられましたが、3人ともすごく喜んで、次は奥さんや家族を連れて来る! などとおっしゃっておられたので、この店を紹介した私としては鼻高々です。 というわけで、トルコ料理に舌鼓を打った我らだったのですが、今日のお楽しみはこれだけに留まりませんでした。実はこのお店からほど近いところにお住まいのS先生が我々5人をご自宅にご招待して下さったのです。わーい、楽しみー。 S先生のお宅は塩竈神社のすぐ脇にあるマンションにあります。この辺り、その昔明治天皇が野点をしたということで「御幸山」という名前がついた小高い丘なんですが、名古屋郊外・八事(やごと)の街並みを見下ろす実に景色のいいところで、高級住宅街ですね。ちなみにここにある塩竈神社ってのは、本家・宮城塩竈神社に信仰を寄せる個人がこの地に開いた神社なんだそうで、地元に縁のあるものではないらしいのですが、「安産の神様」だってんで人気を呼び、今では相当な勢力を持っているのだとか。 ま、それはともかく、この高級住宅街にあるS先生のお住まいのマンションも、これがちょっとアメリカの住宅みたいな、日本離れした内装で、洒落ているんですわ。しかもリビングの目の前が神社の桜並木、その向こうにもはるかに眺望が開け、しかも周辺に大きな道路がないので実に静か。なかなか結構なお住まいで・・・。 で、私はS先生の奥様には初めてお目にかかりましたが、手作りのケーキと、ウェッジウッドの茶碗で淹れたフランスの紅茶「マリアージュ」をでおもてなしして下さいました。でまたこのケーキがおいしかった! 思わずレシピを尋ねてしまいましたよ。 で、トルコ料理店に居た時よりもさらにリラックスしてしまった我々は談論風発、ロンドンの街並みの話から最近の金属泥棒の話、大学の現況から薪割りの話まで話題は尽きず、和やかな茶話会となりました。 で、大分日が落ちてきた5時頃お開きということになり、途中までS先生に見送ってもらって、あとは塩釜口の駅までブラブラと歩いて帰ることに。 でまた今日の名古屋はコートがいらないほど暖かで穏やかな一日だったのですが、そんな中、つい先程までの楽しい茶話会の余韻を楽しみながら皆で静かな住宅街を歩いていると、「叔父貴」ことO先生が「こんなふうにのんびり住宅街を散歩するなんて、なんだか久し振りだなあ」なんて、誰に向かってということもなくおっしゃる。しかし、それはまさに私自身が感じていたことだったので、すっかり嬉しくなってしまいました。 大学も「独立法人化」の流れで変革の時期にあり、そのせいもあって雑用が倍増し、何やかやと忙しくなる一方なんですが、その忙しさにかまけて、科の先生方が全員集まってどこかに行くとか、のんびり話す、なんてことが少なくなってしまった。今日の会食は、そんな忘れかけていた楽しみを思い出させてくれる機会になったのですが、O先生がポツリと一言「久し振りだなあ」とおっしゃったのは、私を含め、先生方皆が思っていたことを代弁してくれたんですな。 というわけで、今日は久し振りに英文科の善き団結を思い出させてくれるいい一日となりました。今日は3月3日ですから、本当は女の子の節句なんですけど、ちょっと平均年齢が高くなってきてしまった男の教授連にとっても、ステキな春の節句となったのでした。今日も、いい日だ!
March 3, 2007
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最近ふと思うことなんですけど、日産のリッターカーの「マーチ」ってのは、ひょっとして名車だったのかな、と。 ちなみにここで言うマーチというのは、現行のものではなく、一世代前の旧型の話。というのも、私の周辺でまだあの車に乗っている人、多いんですよね。大体私の住んでいるマンションの駐車場で、私の車のお隣さんも旧型マーチですし。またうちの学生なんかもよくあれに乗っているんですよ。 マーチが新型になってからもう随分経ちます。で、普通ですと新型が出て数年も経てば、町で旧モデルを見かけることが急速に少なくなるもんですけど、マーチだけは旧型が依然として元気に走っているのをよく見るような気がする。造りが頑丈なんですかね? ま、私も代車として何度か運転したことがあるのですが、運転してみるとどうってことない車ですなあ・・・。ただ内外装ともに割と可愛くまとまっていて、憎めない車だな、とは思います。ニッサンマーチ 年式も相当行っているので、今旧型マーチを買おうとすれば二束三文で買えるんでしょうが、パッと見可愛いし、下駄代わりに使うにはちょうどいいのかも知れません。 ま、ただそれだけの話ですが・・・。 でも、なんかね。デビューした時には、さほど爆発的に売れたとも思えない車なのに、旧型になってから、いつまでもそこそこの人気を保って、頑張って走っている姿を見ると、車の人生として、それはそれでいいんじゃないかな、なんてちょっと思ったりするものですから。 というわけで、町で旧型マーチを見かけると、つい「お、元気に走っているな!」と思ってしまうワタクシなのでした。
March 2, 2007
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エリック・シーガルのベストセラー、『ラブ・ストーリー』(1970)を読了しました。『ある愛の詩』という映画がありましたが、あれの原作です。先日ご紹介した『チャップマン・レポート』は200万部越えですが、こちらは映画の影響もあって2100万部のベストセラーですから桁違い。すごいもんです。 で、内容はと言いますと、もうずばり純愛ものでありまして、ハーバード大学の学生でアイスホッケー選手のオリバー・バレット4世と、ラドクリフ大学の音楽科の学生ジェニファー・カビレリ(=ジェニー)がラドクリフの図書館で出会い、付き合うようになる、というところから始まります。ハーバードとラドクリフは兄妹校(?)なので、図書館の相互利用ができる仕組みになっているのでね。 で、オリバーってのが、すんごい由緒ある家の出で、ハーバード大の校舎の多くはこの一族の寄付で建てられたものだったりするほど。一方、ジェニーの方はイタリア系のどちらかと言えば貧しい家柄で、いわば苦学して名門ラドクリフに入りました、みたいな感じ。 ま、もともと「大金持ちのヒーロー」と「庶民派のヒロイン」の組み合わせというのが、「ロマンス」なるものの大前提ですから、オリバーとジェニーはまさに典型的なロマンス・ヒーロー&ヒロインと言えましょう。 でまた、「ヒーローが親と仲が悪い」というのもロマンスの前提であることが多いのですが、『ラブ・ストーリー』においてもそうでして、オリバー・バレット4世は、親父さんであるオリバー・バレット3世と犬猿の仲。ま、この親子の断絶が、オリバーとジェニーの恋にとって垂れ込める暗雲となるわけですよ。 で、この暗雲が本式の嵐になるのは、もちろんオリバーとジェニーが結婚を決意した時です。典型的なWASPのバレット家としては、どこの馬の骨か分からんような、しかもカトリックの、イタリア系の小娘なんぞと息子を結婚させたくないわけ。 というわけで、3世対4世の対立は決定的なものとなり、オリバーは親に背いてジェニーと結婚、その代償として彼は親からの一切の援助を失います。その援助の中にはもちろんハーバード大の学費も含まれていたので、以後オリバーとジェニーは苦学を強いらることになるんですな。また大学を卒業した後も、オリバーが法科大学院に進む間ジェニーが働いて学費と生活費を稼ぐという状況が続いたので、ジェニーが楽しみにしていたパリへの音楽留学の夢もついえてしまう・・・。 しかし、麗しき夫婦愛に勝利の日がやってきます。苦労の末に立派な成績で法科大学院を終了したオリバーは、大手弁護士事務所から引く手あまたで、ついにオリバーとジェニーは幸福でちょっぴり贅沢な生活を手に入れることになるんです。かくして、オリバーとしても、思いがけず苦労させたジェニーに対して、ようやく償いができることになった・・・・・・かに見えたのですが、そこがそれ、これは悲恋の物語ですから、そううまくいくはずがないんだな~。 幸福な日々がスタートしたちょうどその頃、そろそろ子供が欲しいね、ということになったのですが、どういうわけかいつまで経っても二人の間に子供ができなかったもので、そのことを相談すべく夫婦揃って医者にかかるんですな。すると、そこで意外な診断が下されることになる・・・。ジェニーは重度の白血病だったんです。 で、次第に弱っていくジェニーに最高の治療を受けさせるべく、オリバーは3年間も会わずにいた親父のもとを訪れ、(ジェニーの病気のことは伏せたまま)頭を下げてお金を借りるという屈辱まで味わうのですが、その甲斐もなく、憐れジェニーは25歳の若さで死出の旅へ・・・。かくて、真実を知り和解に駆けつけた父・バレット3世の胸にすがるように、オリバーは泣き崩れたのでした・・・ とまあ、そんな感じの悲しい物語でございます。 ま、いわば「これ見よがし」なストーリーですから、その意味では大した小説じゃないんですけど、やはり読んでいるうちに情が移りますからね。ジェニーの病気が重くなり、ついにオリバーの腕の中で死んでしまう場面ともなれば、思わず読者もヨヨと泣き崩れ、みたいな感じにもなりますわ。若い二人の束の間の幸福が、淡雪のように消え去ってしまうわけですからね。 かくいう私も、もし家内がジェニーのように死んでしまったら、と思うと・・・ちくしょう、涙でページが曇って読めないぜ! (・・・なーんて、空想の中で家内を死なせといて、自分はちゃっかり生き残るつもりなんですけど・・・) でまた、ここぞというところで読者を泣かせる名文が出てくるんだ、これが。たとえば冒頭の一節、“What can you say about a twenty-five-year-old girl who died?” とかね。「25歳で死んじまった女の子について、一体何が語れるというのだろう?」、なんて日本語にしてしまうとあんまりパッとしませんが。ほいでもって、極めつけはジェニーの名ゼリフ、“Love means never having to say you’re sorry.” 「愛っていうのは、決して後悔しないことよ」でしょうな。もう、「やられた!」って感じでしょ? というわけで、なかなか甘美な読書体験を味わわせていただきました~。この本、大学生の使う俗語的な表現がちょくちょく出てきて、それがちょっと面倒ですけど、全般的には英語も易しいですし、長い話ではないので、原書にチャレンジしてもいいんじゃないでしょうか。もちろん、それも面倒という方には、映画版もありますよ~。せっかくだから、私も近いうちに見ようと思っております。韓流ブームも去った今、温故知新で懐かしのアメリカ悲恋映画ってのも、いいんじゃないでしょうか!これこれ! ↓Love Storyある愛の詩 スペシャル・エディション
March 1, 2007
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