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佐さんの2号機、昭和56年(1981)にデビューした本田スカッシュです。最高出力3馬力の強制空冷2サイクル単気筒エンジンを搭載。CDI点火装置とオートチョークの採用によりエンジン始動も容易。全長1,280mm、シート高653mmというミニサイズながら、ゆったりとしたフロアスペースをとり、乗り心地の良い大型シートを採用。さらに角型ヘッドライト、フロントフード埋込み式ウインカー、一体成型テールライトなどにより、個性的なスタイルのスクーターとなっている。 また、スクーターとしては初めて、折りたたみ式ハンドルを採用したタイプも用意。四輪車にも積めるほどの軽量(46kg)、ミニサイズで格納性にすぐれている。セル付きは、12V。キック式は6V仕様。佐さんから修理を依頼され、持って帰って各所の点検。ナンバープレートに貼ってある自賠責のステッカーを見ると平成13年10月。ということは、最後に動いたのは最短で9年前あたりか。ヘッドライトが割れている以外は、欠品部品は無さそうであるが、タンクキャップを開けてビックリ玉手箱。ドロドロの錆び錆びです。さて、これが復活するのでしょうか。試しに、キックをしてみるとピストンは動く。更にプラグを外してキックを試すと火花は飛んでいる。電気系統は大丈夫そう。セルが付いているので12V仕様か。念のためにバッテリーで確認するとやはり12V。ハンドルは折りたたみ式ではない。これから暇を見つけてはコツコツと修理を楽しんでみよう。
2010.11.29
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佐さんのバイクの紹介です。ヤマハ SR400です。SRは昭和53年(1978)に誕生したヤマハを代表するビッグシングルスポーツです。エンジンH313E型399cc 空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒、最高出力27ps/7000rpm、最大トルク3.0kgf・m/6500rpm、燃料タンク容量12L。2008年にSRは販売30周年を迎えました。同年9月の自動車排出ガス規制強化に対応できなかったことから生産を終了しましたが、2009年フューエルインジェクションを搭載して復活しました。このバイクは2008年の最終モデルだそうです。生産終了と思って買ったのに、翌年再生産が発表されたので、何か複雑な心境との弁。SRは良いですよね。あの、ビッグシングルならではの味わい深い鼓動感。ティアドロップ型のタンク。ふんだんに使われた美しく輝くクロームメッキパーツ。そして、SRの代名詞ともいえる、キックスタートも.....佐さんは神戸のカスタムショップでフルカスタムを行ったばかりで、もう原型を留めない程カスタムされています。しかし、メガホンマフラーの音がいまいちと言うところでしょうか。
2010.11.27
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代打の野武士が最後の仕上げの検定に挑んでいる時間、仕事が手に付かない。今日が最後の教習になるかも。それとも大番狂わせがあって2軍の出番が来るのか。さて、注目の結果は....コマーシャルの後でお伝えします。(CM。みんなで遊ぼう笏取り虫。笏取り虫の輪を広げよう。)控室で乗車準備をしている所へ運命の報告。全員合格!やった。教官が始めて笑った。長い長い特訓も今日で終わりを告げたのだ。しかし、ちょっと複雑な心境である。だが、次にオジントリオに待っていたのは、究極の二者選択である。教官はもう何時でも勝手に免許試験場の受験をしても構わない。但し、受験代は個人持ち。もう1つは公安委員会の審査に通った後に、ここで卒業試験を受けても良い。費用は無料だ。さあ貴方ならどうする。と選択を迫る。ここまでやったのだから、免許試験場の大舞台で自分の腕を試したいという気持ちは大いにあった。また、一発で仕留める自信もあったので、この大勝負を逃したら一生後悔するとも思ったが、何故か全てが終わった瞬間、張り詰めていた糸が切れて、気持ちが萎えていた。また、タダで取ろうして来たのに、検定代はおろかビタ一文も払ってやるか。と言う言い訳も脳裏を駆けめぐった。検定を受けるとして、当日体調不良とか不測の事態が起こり、もし落ちたら....2回目を受ければ良いというような生やさしい問題ではない。野武士のプライドが灰燼と化すのである。もう大型二輪免許を諦めるかも知れない。さんざん迷った挙げ句ここでの卒験を受ける事にした。何と気の弱い事か。悪魔の声があんた一生後悔するで。と、ささやく。でも決めたのだ。平成17年12月1日から始まった教習は、平成18年3月10日に終わった。実に3ヶ月である。同年5月公安委員会の審査が通り、卒験の準備に入った。2ヶ月のブランクを10日程でとり戻し、5月27日教官から今日試験する事になったから受けてもいいよ。と電話があった。なんで、いきなり今日の今日なのですか。心の準備もあったものではない。卒験は2名。私がトップバッターである。試験官は見たことも無い人だ。これが今までの集大成だ。何ヶ月振りだろうか、野武士としての闘士がフツフツと沸き上がる。今日は心に決めていた事がある。この卒験に合格する事は当然だが、ノーミスで屈辱の代打の仇を討つのだ。しっかり見てろよ教官!乗車し、キーを捻る。自分でも不思議なくらい冷静だ。課題を次々とクリア。コースを一巡し出発地点に帰ってエンジンを止める。失敗は無かったと思う。バイクから降りた瞬間、足が震えた。かなり緊張していたのだ。合格は確信していたが、そんな事よりも要は満点かどうかである。すぐに試験官に呼ばれた。「流石に良く練習していますね。言うことは何もありません。」満点だ。見たか教官!試験官は続けて「それから1つだけ、ここでは急加速で運転していたけど、公道ではもっとゆっくりな加速でいいですからね。」とにこやかに言う。当たり前だ、あんな乗り方をしていてはバイクが壊れるし、第一燃費が悪くなる。2人目の野武士がスタートした。上手いものだ。順調である。スラロームもヒョイのヒョイのガク。あれ~。バランスを崩して倒れた.....いや残っている。究極のテクニックで不死鳥の如く立ち直った。後で聞いてみると、スラロームの途中で突然ギアが抜けたのだそうだ。緊張のあまりシフトレバーを踏んでしまったのだろうが、試験官もよく立ち直ったな。と感心していた。さすが野武士、最後まで見せ場を作るとは。当然合格である。これで全てが終わった。あれほど心臓に悪い特訓を行った戦場ではあったが、もう明日から戻れないと思うと一抹の寂しさも込み上げて来る。こんな大変な事とは知らず甘い言葉にホイホイと乗ってしまった自分に後悔した事もあるし、時間と労力を考えれば教習所で普通に免許を取った方が楽だったのも事実である。しかし、精神面や洞察力の強化、大型二輪を扱うための基礎からのテクニック。今までチンタラ乗っていた普通と大型では全てにおいて天と地程の差がある事など様々な事を身を持って体験できた事は今後の大きな糧となった。教官のキツイ言葉攻めで落ち込んだ者。一発合格で免許を手にした者。教官のイケズにブチ切れてやめて行った者。教官の男気で教習中止を免れた者。様々な者がいた。免許を取った。と、いうより人生教訓の場だったような気がする。今でも貴重な経験をしたと思っている。後は、高速走行のテクニックを教授願える場があればと思う。この教習を紹介してくれた荒さんに感謝したい。運転免許試験場で新しく手にした免許証には小さく「大自二」と印刷されていた。この虫眼鏡で見ないと見えないような三文字のために、延べ半年かかった事になる。帰りに教習コースを覗いて見ると、今日も試験をやっていた。頑張れよ。と、心の中で励まし、ふと、空を見上げると、雲一つ無い真っ青な五月晴れの空が広がっていた。
2010.11.25
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試験場の下見も終わって、後はネクストバッターボックスで出番を待つばかりだ。もうやる事は全てやった。練習も自分で決めたコースを思うように走るだけだ。時には教官の留守にフリー走行を行う事もある。もう教官も何も言わなくなった。私の質問に答えるだけである。10人連続合格も最後の野武士集団がトライするのみである。9回表2アウト2ストライク3ボールまで追い詰めた。いよいよ大詰めである。オジントリオは出番に備えて何時にも増して腰痛のマッサージや五十肩のケアを念入りに行うのである。ところがである。事もあろうに、監督は我々オジントリオに代打を送ったのである。大型二輪のモニター生は少数であったので、球を粗末にはできない。監督は、あと一息と言うところで、全てをオジントリオに任せる程お人好しではなかったのだ。失敗は絶対許されないのである。もし、オジントリオに任せて検定当日バイクの引き起こしでギックリ腰になって、そのままバイクと共に倒れ込むような失態を犯したならば、この学校は末代までの笑いものになってしまう。と思ったかどうかは定かではないが、とにかく我々は最後の詰めに失敗したとき、再度の10人連続に起用されるということだ。これは私にとってもオジントリオにとっても大変な屈辱であった。今までのこの張り詰めた気持ちはどうなるのだ。エーイ何処へぶつけてくれようか。道理で最近普通二輪の野武士が、教官に口説かれて大型の練習をしていた理由がここに来てわかった。しかし、冷静になって考えると、もし自分が教官の立場だったらどうする。普通二輪の野武士は皆若い、しかも、つい先日一発合格を果たしたばかりである。この土壇場に来て、2軍から上がったばかりの選手を起用するよりは、1軍を使った方が確率は高い。下手に情けをかけて、今までの苦労を水の泡にはしたくない。と思うのは当然だろう。私でもそうすると思った。果たして代打が最後の検定に挑んだ。さて、その結果は如何に....そしてオジントリオの運命は....壮絶なる戦いを繰り広げた教習物語はとうとう感動の最終章に突入する。乞ご期待。次回の書き込みが待てない方は前売り券をお求め下さい。
2010.11.24
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運転免許試験場の検定を受ける為には、教官が行う審査試験が必要となる。もう3ヶ月も特訓をしているのに、審査の命令が下されない。終わりのない教習ではあるが、そろそろ不安になってきた。そんな、2月の終わり頃、運転免許試験場に下見に行くのでコースを覚えなさいと、デジカメで撮った試験場のコース図の写真が壁に3枚貼られた。3枚というのは試験場のコースはAコース、Bコース、Cコースの3コースがあり、試験毎にコースをランダムに変えるようになっているのである。それにしても審査試験はどうなったのであろうか。もう無しになったのだろうか。教官に聞いてみようと思ったが至ってナイーブで内気な性格の私としてはとても聞けない。下見は3月3日と9日の2日間にわたって敢行された。モニター生の生え抜きの精鋭10名程が教官の運転する護送車に乗せられて、試験場に乗り付けたのだ。始めて見るコースは、広ーい。ガンガン走れそうだ。これが夢にまで見た大舞台か。思わず武者震いだ。待合い室前でミーティング。大型と普通に分かれて実地検分に入る事にする。ふと、コースの反対側の窓の外を見ると、野武士が言っていたスズキの小汚いイケズなバイクが野ざらしで置いてあった。コース図を手に歩いて確認。見落としそうな所は教官がアドバイスをする。これだけ広いと全ての課題に余裕を持って望めそうである。実際に確認して見ると、Cコースにトリッキーな所が1ヶ所あって一番難しそうであった。Cコースに当たりませんように。(何と弱気な事か。)一通りの確認作業が終わって、時間が余ったので、検定試験を見学する事になった。今日の受験者は4人である。この中に野武士はいない。バイクはCB750F。教官は試験場の車種に合わせ同じバイクを導入したと言っていたが、嘘ではなかった。カラーリングまで同じ。服装や態度を見たところ一般の民間人のようである。試験は、車寄せから乗車して、すぐ右折し、また車寄せに後ろから入って来るまでの、ほんの数十メートルは、バイクに慣れるためのウォーミングアップという事で、採点はしない。1人目 乗車手順からもうダメである。確認も甘々である。それでも、課題走行までは行ったが、そこで検定終了。2人目 波状路で転倒。検定中止。顔を洗って出直して来い。3人目 途中で検定中止。累積と思われる。4人目 この人が一番粘って、完走と思われたが、帰るコースがおかしい。完走成らず。この時ばかりは自分のことは棚に上げて、評論家になったようなつもりで、興味深く見学するが、我々素人が見てもこんなんで良く来たな。と、思えるようなライディングである。全然参考にならないので、帰って練習する事にした。検定コースよ。待っとれよ。今度来る時は、お前は野武士が相手だ。心配するな苦痛は与えない、一発で仕留めてやる。
2010.11.23
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課題走行も一通り終わると、次は法令走行であるが、課題走行時でも法令走行に注意しながらやっていたので、確認やウインカーのタイミングなどは体が慣れている。コースを間違えないように慎重に走っていたら教官が何をチンタラ走っとんなら。バイクは加速がいいので、思い切ってスピードを出せ。アメンボのようにピッ。ピッ。ピッ。とメリハリをつけて走らんか。と、のたまう。とうとう私は鳥はおろか昆虫にまでなれと言われてしまった。狭い教習コース、そんなに急いでどこへ行く。と、思うのだが、優等生は、ハイ、わかりました。と返事をするだけである。それからは、信号からの発車や前に車やバイクがいない時には、1速でアクセルをガバッと開けてロケット発車だ。タコメーターの針が跳ね上がり、エンジンが唸りを上げる。狭いコースのため、一番長いストレートでも3速までしか入れられない。殆ど1速。たまに2速で次の曲がり角が来てしまう。ロケット発車の見返りは、強力なブレーキングだ。最初はガツンと掛けてスピードを殺し、ポンピングでピタッと止める。ブレーキングが甘いと止まれない。スピードがあまりにも速いので、コースを完全に覚えるのは当然であるが、道路の右付け、左付けや、ウインカーのタイミングなど一瞬で判断しないと、全て遅れてしまい。教官の餌食となる。ただ、何故かコーナーだけはゆっくり走れという。コーナー手前の直線部分でブレーキングを完了させ、十分すぎる程スピードを落としてトロトロと廻るのである。ショボ~。教官がのたまうには、走れる所では思い切ってビュンと走り、見通しの悪い所や、狭路などはゆっくり走る事により、走りにメリハリがつく。それを見た試験官は「おっ。こいつは上手いな。」と思うのだそうである。ほんまかいな。
2010.11.22
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12月も半ばを過ぎると、早くから入校していた精鋭達が教官の最終審査に合格して満を持し、野武士となって免許試験場に放たれ一発試験に挑む次期となった。大型二輪は10人連続だが、普通二輪は8人連続である。数人が纏まって、教官の運転するオンボロ護送車で試験場まで運ばれるのである。私と同世代と覚しき者(これを仮にオジントリオと呼ぶ事にする。)が3名程いたが、皆一同に心から野武士の健闘を祈った。第1回の挑戦は、全員一発合格。オジントリオに安堵のため息が広がる。あれほど練習したのだ、まあ当然と言えば当然である。しかし、合格者が出るという事は、自分の死刑台への道が一歩一歩近づいている事になるのだ。思わず身震いしてチビリそうになる。野武士達は英雄となり、交付されたばかりの免許証を持って帰って来た。感想を聞いてみると一番危なかったのは意外にも検定前に行うバイクの8の字引き回しだったそうである。何じゃそれは。検定の前には、大型バイクが倒れた時や、故障の時にもキチンと扱えるかどうか試すために、引き起こしと引き回しが行われる。ボロボロのナナハンだったそうであるが、このバイクの前後輪共空気を半分くらい抜いてあるのだそうで、押して歩くのに重い上に、動きが悪い。8の字で倒しそうになった。あれは気を付けろ。とアドバイスされる。運転免許試験場ともあろう所が、整備不良のバイクで試験をするとは何事だ。と、ここでわめいても仕方がない。全てはお上が決めた事。しかし、また不安材料が1つ増えた。そんなある日、司令部から乗員1名玉砕との第1報が入る。その場の空気が一瞬にして凍り付いた。まさか。詳細はどうなっているのだ。情報が錯綜して正確な事がわからない。伝令は何をやっているのだ。落ちるとしたら、累積の点数オーバーは絶対無い。一発アウトだ。スラロームのパイロンに当たったか。いや、クランクか。まさか、一本橋か。第2報が待ちどうしい。第2報が来た。玉砕は普通二輪で急制動。きゅーせいどぉ~。何で。ひょっとしてフロントがロックして転倒。まさか~。そんなドジを踏むような野武士はいない。どういうこっちゃ。訳わからん。詳細な話しを聞くと、こうだ。時速40キロ超えで急制動に突入。美しいフォームで楽々停止線手前でストップ。完璧と思ったところ、無線にもう一度やって下さい。の指示。再度美しく決めた瞬間検定中止の指示があったとの事。なんじゃそりゃー。どないなっとんねん。問題は、制動開始線らしい。ここでは制動開始線の真上でブレーキングの練習をしていたため、その通りにしたら、試験場では制動開始線をフロントタイヤが過ぎてからブレーキングをしないとダメらしい。という事であった。何と理不尽な。オジントリオは言葉も出ない。ほんの10センチが命取りになったのである。恐るべしお上の検定。この事件は、我々オジントリオを更にビビらせるに十分な出来事であった。
2010.11.21
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教官は雨の日も積極的に乗れという。検定の日が晴れるとは限らないので、雨の日のテクニックも必要ということだ。特に急制動などは停止距離がかなり違うのである。その日は雨であった。しかも夜。暗いので当然昼間よりは見にくいのであるが、雨が降るとコースに周辺の光が反射してよけいに見にくい。今日は外周を廻るのである。教官が立っているコーナーを時速30キロから始めて5キロずつ上げて、何キロまで出せるかの実験である。(そんな実験は敢えてしなくて良いと思うのだが....)教官はもし、失敗して転けて怪我しても知らんよ。と、のたまう。これはどういう意味なのだ。自己責任という事か。もし、転けて怪我をしても救急車も呼んで貰えず自分で這って病院まで行けという事なのか。こんな危ない課題は検定には無いので拒否します。と言いたかったが、モニター生の精鋭としては、後には引けないのである。1周目30キロ。何てことはない。普通に廻れる。2周目35キロ。これも大丈夫。3周目40キロ。タイヤが滑りそうで怖いが、何とかクリア。4周目45キロ。コーナーで45キロに到達していないのに突然フロントタイヤがズルッと10センチ程滑る。ワッ。思わず背中に冷や汗が流れる。こりゃ限界だわ。命あっての教習だ。もう止めようと教官に許しを請うが、教官はまだやれという。鬼だ。5周目。もう死んでやる。やけくそでコーナーに突っ込むと、今度はズルズルッと20センチぐらいフロントがもって行かれる。ヤッタ。オダブツだ。と思った瞬間、奇跡的にクリア出来ていた。ここで教官のお許しが出た。雨の日のコーナーは危ないだろが。と、のたまう。危ないのはコーナーではなくてあんたの命令だろうが。と言ってやりたかったが、優等生は、ハイ。良く分かりました。と返事をするのである。教官 よう転けんかったなあ。あんな路面で。私 まぐれですよ。教官 見えとったの。私 ヘッ。何が。教官 わからんのか。最初と路面が違うだろが。路面が違う?雨は教習前から降っており、濡れ方は同じ。それとも光の加減か。どういう事だ。さっぱりわからん。教官 バイクから降りて路面を見てみ。路面を歩いて見る。穴のようなものも無いし、コーナーを行ったり来たりするが何も変わった所は見あたらない。かなり長い間、路面を見ながら考えるが、これはと言う解答が見つからない。何でこの寒い雨の中、カッパを着てナゾナゾをしないといけないのだ。教官は知らん顔をしている。私 何も変わった所はありませんが。何の事かわかりませんけど。教官 まだわからんのか。路面をよく見ろ。今度は、雨の中、濡れた路面に這いつくばって本格的な鑑識作業に入る。すると、コーナーの真ん中辺りの少しイン側に牛乳瓶の底程の径に丸めた錆びた針金を発見。もしやと思い、手に取ってこれですか。と、尋ねる。教官 やっとわかったか。コーナーを曲がるときに異物を見逃してどうする。小さな石ころでもタイヤが乗ったらバイクは吹っ飛ぶで。さっき、もし、これを踏んどったら病院行きになっとるで。教官は私が外周を廻っている間に、ポケットからそっと出して放り投げたのだ。砂かけばばあも真っ青になるような意地の悪さだ。鷹の目じゃないとそんな小さな物まで見えません。私の目は猛禽類ではないのだ。危ないと言う事は説明すればわかる。生身の体で試さなくても良いではないか。と、言いたい気持ちをグッと抑えて、心の中だけで叫んだ。
2010.11.20
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一本橋は長さ15メートル幅30センチの橋(正確には段差)を10秒以上(普通二輪は7秒以上)で渡り切る課題走行で、橋にフロントタイヤが乗った時点からフロントタイヤが降りた時点までの計測となる。簡単に言うと如何に長く橋の上に留まる事ができるかという事だ。私の最も得意とするステージである。最初の方こそ慣れない事もあり、粘ろうと思い何度か落ちたが、後は楽勝だ。ポイントはギアは1速、進入スピードをグッと抑えて真っ直ぐ橋の上に乗る。ニーグリップをガッチリして、視線は遠く彼方。橋は絶対見ない。スピードが上がったらリヤブレーキで調整。これだけで大抵は無難に通過できる。しかし、完璧にこなすにはもう一つテクニックがある。ある日、教官が今日は一本橋だけやるぞ。と言って。橋の前に居座る。いつものように鼻歌交じりで、楽々通過。何回か繰り返した後、橋の上で突然リヤに衝撃。何が何だか分からない内にリヤタイヤが脱輪。エ!うそ~。マズイ所を教官に見られた。気を取り直して、2回目。橋の上でまた、リヤに衝撃。思わずバックミラーで後ろを見ると、そこにはこの世とは思えない恐ろしい光景が映った。教官の悪魔の手が私のバイクのリヤカウルを横から押しているのである。何というイケズをするのだ。ただでさえ不安定な一本橋を超低速で渡っているのに、横から押されたらそりゃ脱輪するわな。私 押されたら落ちてしまうのですが。教官 チョット押された位で落ちてどうする。検定の日に急に横風が吹いたらアウトになるで。ヘッ!横風。それは伊勢湾台風ぐらいですか。それとも室戸台風ぐらいですか。そんな大風が吹いたら検定は中止だろうが。と思ったが、優等生はハイ。そうですね。と答えるしかないのである。それからは、橋の上にいる間中、右や左から不意にカウルを押される特訓が続く。落ちる回数もだんだんと減って来る。粘れるようになって来たのだ。橋の上では体を動かして体重移動でバランスを取るのは難しいので、自然にハンドルを小刻みに動かす事によってバランスを取るようになる。このテクニックを発見さすためのイケズだったのか。分かったぞ。もう伊勢湾台風でも落ちません。教官は新米若手を連れてきて、オマエとどこが違うか分かるか。ハンドルをよく見ろ小刻みに動かしているだろうが。と、教えている。イケズ~。何で、私には最初から教えてくれない。
2010.11.19
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直角が2つある狭路であるが、入口と出口も直角に出入りするので実際には4箇所となる。初めてトライしたのは夜だった。教官がついてこいと言うので後ろを走る。そんなに難しいとは思わず後ろをついて行くと、スピードがだんだん遅くなり止まりそうな超低速となる。我慢しきれずに、足を付くと、足を付いたら減点になる絶対つくな。とのたまう。だけど遅すぎ。直線はおろかクランクなんてとても曲がれない。教官は半クラとリアブレーキを使えと言うが、スピードがないとすぐにふらつく。このコースで最もトリッキーなのが、クランクから出てすぐ左にあるS字に入るところである。180度の回転になるため、バイクをクランクの出口の右側一杯に付けてハンドルを左いっぱいフルロックするまで切らないと曲がれない。少しでも右いっぱいに付けられなかったり、フルロックまで切れなかったらアウトだ。翌日、色々考えた末思いついたのがバイクを垂直にするからバランスが取りにくいのであって、バイクを倒した反対側に体を倒した方がバランスが取りやすいのではないかと思いセローでやって見るとこれがまたアッサリと出来るのである。よし、これだと思い教習でやっていると、教官がバイクを倒すな。バイクは垂直なままでバランスを取れ。と怒る。う~ん参った。これは難しい。クランクの練習をしていると前方に先輩教習生がいた。遅く走っている積もりでも、相手の方がまだ遅い。速度を更に落とすと今度はふらついて我慢しきれずに足をついてしまう。すると教官の雷。悪循環である。何故できない。しかしこれが私の現実の技量である。教官が見るに見かねて私を後ろに乗せデモンストレーション。腰で微妙にバランスを取りいくら遅くてもふらつかない。一番難しいS字の入り口などは曲がる途中でバイクをフルロックで止めたまま抜け方の説明をする余裕である。テクニックの差をまざまざと見せつけられたが、ショゲていても仕方ない。そこで8の字練習を行う事になる。8の字の成果は如実に現れた。超低速でバランスを取るには、ニーグリップでお尻を少しシートの左右に動かす事と、半クラ、リアブレーキの絶妙なさじ加減で出来る事がわかった。後は練習次第だ。教官にやっとわかりました。と言うと。ほんまにわかったの。と不思議顔。それからは自分でもどんどん上手くなるのがわかる。止まりそうな超低速で直線を走り、クランクではハンドルフルロックの途中でバイクを止める事も出来るようになったのだ。あの難しいクランクからS字の180度回転も、超低速でバイクを右側いっぱいにつけ、殆どスピードが無い状態で素早く左右の確認。そのままハンドルをフルロックまで切って、半クラとリヤブレーキで時間を掛けて少しずつ回る事も出来るようになった。新米教習生が後ろについた時には、超低速に拍車を掛ける。バックミラーを見ると皆我慢しきれずに足をついて玉砕である。フフフフフ...... 若者よ練習が足りんのう。最後には教官からそこまで遅く走らなくてもいい。もうちょっと速く走れと指示が出た。ついにクランクを制覇した瞬間であった。
2010.11.18
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さて、ようやく出発である。今年の夏はことのほか暑かった。9月に入ってもまだ涼しくなる気配は少なく、汗をかいている頭にヘルメットをかぶり、グローブをつけ90/6に跨る。シールドを下ろしクラッチを握る。静かに1速に・・・とはならずガッチャン、現代のバイクよりは変速ショックが大きい。フジイのスタッフにお礼を言い、静かにクラッチを放す。この時17:49、積算距離は53,346km。スムーズなエンジン回転に合わせスルスルと走り始める。このトルク感がたまらん、と内心ニヤニヤしながら教えてもらった近くのガソリンスタンドにすぐに到着。ハイオクガソリンを満タンにする。16.6L入り、トリップメーターを0にする。この90/6のガソリンタンクは24L入り、予備は約6Lである。本当は4Lなのだが、以前ガソリンコックが壊れ純正を引くも欠品。仕方なく比較的新しい年式のコックを手に入れたが、どうも正規用のパイプが長く、残り4Lにならない。もう少し切って短くすると4Lになりそうだがその加減が難しそうであり、そのままになっている。満タン時の積算距離は53,347kmであった。休憩のたびに時間と距離とを記録しておきたいが、メモに書くのも面倒なので止まるとすぐにメーターの積算距離を自分のパソコン宛にメールすることにした。すると時間は自動的に記録されるので考えなくていい。スタンドを出発する直前に距離をメールしておいた。18:00ちょうどだった。ついでに女房の携帯にもメールしておく。「これから出発するぞ」すぐに返事が返ってきた。「ゆっくりしていたんだね」そう、GSの分解を興味深く見ていたもので・・・。(女にはワカルマイ!)再び90/6に跨り高速入り口を目指す。東京外環自動車道、川口ICはすぐに見つかりETCゲートをくぐる。さあこの先高速を降りるのは遙か750キロ先、バイクが壊れるか、体が壊れるか、何が起きるか分からない、と多少不安を覚えながら加速。エンジンの機械部分は大丈夫でも一抹の不安を覚えるのは電気関係。発電機、ダイオード、レギュレター、コイル、当たりまえながらすべて36年選手である。点検しているとはいえ、点検時良くても何時壊れるかは神のみぞ知る。その時はその時さ、とあきらめましょ。あっという間に100km/h、3700回転。いい加速だねー。絶妙なるバランスの左右ピストンは荒ぶることなく仕事を行い、フライホイールはその挙動を乱すことなく定速回転を続ける。大泉JCから関越自動車道に入り、鶴ヶ島JCから首都圏中央連絡自動車道、八王子JCから中央自動車道へと教えてもらったとおり、間違えずに走ることができた。あまり無理をせずに100km程度走る毎に休憩しようと思い19:10藤野PAに滑り込む(53,439km)。この頃には日は暮れライトを点けての走行になっていた。ここはパーキングなのにコンビニだった。コンビニ内をウロウロしていると、何と娘が集めている「ご当地グッズ」が大量にあるではないか。関東地方の6県分程を買い込んだ。お腹もすいたので軽い食事を摂る。このパーキングはダイオードのイルミネーションがしてあり、ちょいと参考になるかと写真を撮っておいた。近頃のデジタルカメラは暗くても良く撮れる。どこまで眠らずに走ることができるかわからないが、一応名神多賀SAで仮眠をとろうと決めていた。多賀には風呂と仮眠施設があるらしい。今まで利用したことはなく、初めて利用してみよう、と考えつつ出発。藤野パーキングエリアのイルミネーション
2010.11.17
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このステージは2速で行う高速8の字と1速で行う低速8の字に分かれる。高速は、スピードを上げるとだんだんRが大きくなって膨らむのでその分バンク角を深くとらなければならない。練習を積む事によってまずまず出来るようになるが、低速はナメてはいけない。1速で普通に回っていたら、教官が来てもっとゆっくりと小さく回れ。ストッパーに当たるまでハンドルを一杯に切って回れ。とのたまう。いくらハンドルの切れ角の浅いオンロードでもそんな事はやった事がありません。トライアルバイクではないのだ。それでもやれと言うので練習を重ねフルロックはできたのだがその瞬間に転倒してしまった。情けない。教官がデモンストレーションを見せる。バイクに跨ったままハンドルフルロックで小さく回る。その内にハンドルから両手を離してアイドリングだけでその場でグルグル回る。うそやろ。これができたら木下サーカス行きだ。練習の合間にスタンディングの姿勢で、バイクを走らせブレーキで一端静止して倒れる前に再び走らす。ハンドルを切りながら止めて再び走らす。こんな芸当の命令も下される。最早大型バイクでするような事ではない。低速8の字ができるようになったら今度は、坂道を指さしてあそこでやれ。とのたまう。坂道での8の字は難しい。特に下り坂はリアブレーキを掛けて少しずつ半クラを使って進め、車体を傾けないようにしつつハンドルフルロックで回る。常に転倒の恐怖がつきまとう中、慎重に練習するが、ちょっと気を抜いたとたんに3回程転倒した。坂道の転倒は大変な恐怖であるし、重いバイクを起こすのが大変だ。早くしないとガソリンがこぼれるしプラグがかぶる。寒い中、頭から湯気を立てて恐怖の坂道8の字をやっている横で、教官はCB400でジャックナイフをやって遊んでいる。不気味だ。もうこれ以上過酷な命令が無いのを祈るだけである。しかし、まだあった。極めつけは、ハンドルから左手を離して右手一本で高速8の字をやってみ。とのたまう。この域に至ってはもう教習を通り越して、曲芸の領域だと思うのだが.....
2010.11.16
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急制動は、時速40キロから11m(路面が濡れていたら14m)以内に停止するという課題走行である。そんなに難しい事とは思っていなかった。実際そんなに難しい事ではないのであるが、その日は違っていた。教官が今日は急制動をやる。メーターを見ながら時速43キロまでスピード上げて制動開始線手前でアクセル戻し前後のブレーキを掛ける。やってみ。と命令する。外周を回って、交差点の確認。メーターをじっと眺めて43キロを待つ。ふと顔を上げると制動開始線が目の前だ。アッ遅れた。何を血迷ったのか、クラッチを一杯に握ってブレーキを掛けていた。当然エンブレが効かないので、停止線を遥かに超えてストップ。教官が何でクラッチ握るの。と穏やかな中にも鋭い眼光で静かに言う。それから、レバーは2本指で握ったらダメだと言ったろーが、まだ直っとらんのか。今度やったら辞めてもらうで。2回目の急制動。頭の中でレバーは4本指で、時速43キロ、クラッチは握るな。....繰り返し暗唱しながら走ると、もう目の前に制動開始線が迫っている。何が何だか分からない内、咄嗟に制動開始線手前でブレーキを掛けてしまった。しかも事もあろうかまたクラッチを握っている。絵に描いたような同じ失敗である。教官は呆れて声も出ない。3回目の急制動。外周を回る間、これはマズイという焦りと、もう絶対に失敗はできないというプレッシャーと、操作手順で頭の中がグチャグチャになって、もう訳が分からない状態になっている。既に冷静な判断もできない状態である。どうしようと思った時には既に制動開始線を過ぎていた。時速43キロまでは覚えているが後は記憶がない。たぶん、同じようにクラッチを握って停止線の遥か彼方で止まったのだろう。色々な事を一度に言われて頭で処理できなくなったのである。そう、完全なパニック状態に陥ったのだ。教官が激怒し、パニックになってどうする。そんな事では二輪なんか乗れるもんか。平常心を保てんでは教習にならん。と、どやされる。クラッチを握るこの手が悪いんか。ん。この手か。この手。手。手。クソ。この手が悪いんか。落ち込んだ。あんな簡単な急制動ができないなんて信じられない。この日ばかりは、もう辞めようかと弱気の虫が頭をもたげた。しかし、冷静になって考えてみると、教官はもう首だとは言っていない。もしかしたら、一発合格という恐ろしくプレッシャーが掛かる試験に不屈の精神で挑むための試練を与え、這い上がってこれるかどうか試しているのかも。と思った。教習の時間が終わり、バイクを仕舞おうとしたとき、教官が来て今まで聞いたことのないような優しい声で、あんたには是非免許を取って欲しいと思っている。と初めて本音を聞かされた。やはり思っていた通りだった。アメとムチである。しかし、この教官ただ者では無い。何食わぬ顔をして人の心理を良く読み、多くは語らないが、話しにも説得力がある。私は彼の手のひらで遊ばれているようだ。私は単純である。それからは気分も楽になり、いくら怒られても意に介さない。平気のへの字である。教官のプライドを踏みにじるきつい言葉のプレッシャーなんかに負けていては、一発合格の大勝負のプレッシャーには太刀打ちできないと確信したのである。後日、急制動の再トライ。コーナーを回って直線に入り交差点の確認。43キロを確認。制動開始線手前でアクセルを戻す。制動開始線にフロントタイヤが乗ったと同時に視線を遠くして、リヤタイヤがロックしないようにブレーキング。エンブレも効いて停止線から1m以上手前で停止。止まる寸前にクラッチを握りエンスト防止。完璧だ。慣れてしまえばたわいもない。ブレーキを掛けたときに、体をグッと沈ますようにすれば尚よろしい。教官から、試験では交差点の確認は必要ない。ブレーキを掛けたまま止まってエンストしても構わない。とアドバイスを受けるが、モニター生の精鋭としてはエンストなどとそんなブザマな事はできない。
2010.11.15
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一定の間隔で並べられたパイロンを縫って7秒以内(普通二輪は8秒以内)で走りきる課題走行だ。私の最も苦手とするステージである。ギアは2速、素早い体重移動、アクセルのON、OFF、リヤブレーキでの速度調整、目線等を完璧に7秒以内で行わなければならない。しかし、教官は5秒台で走れとのたまう。パイロンを倒すと教官の雷が落ち、自分でパイロンを直す。何十回となく走るのだが、タイムは6秒程で縮まらず、たまにリアガードパイプがパイロンをかする。教官の後ろに乗せて貰って、ラインの取り方を確認するが、速すぎてさっぱり分からん。バイクから降りてアスファルトに残ったフロントタイヤとリヤタイヤの通過痕から進入角度を確認する鑑識作業開始。翌日もスラロームだけを練習するが、どうも上手く通過できない。何故かギクシャクし、昨日とは明らかに違う。パイロンをよく監察して見ると、何と、パイロンが1個分全て内側に寄っているではないか。バカヤロー。誰がこんないたずらをしたのだ。どうりで通りにくいと思ったわ。とパイロンを直していると教官がやって来て、何やっとんなら。勝手な事するな。元に戻せ。と怒鳴る。この狭い中を走るんですか~と尋ねると、当たり前じゃー。これで6秒を切れ。切れなんだらやめろ。とのたまう。それからはずーとこの狭いパイロンの中を走る事になるのである。これはイジメですか。その後も、バイクをバンクさせた時に頭が動いている。頭は常に地面と垂直にしろ。目線はパイロンを見るな常に進行方向の先を見て感覚で乗れ。リアガードパイプとパイロンの隙間が狭い。と矢継ぎ早に無理難題を押しつける。私の目は後ろにはついていない。当たらんかったら良かろうがーと言い返す気持ちをぐっと抑えて、はい。分かりました。と優等生は返事をするのである。それでも年令を考慮しての事か私などはまだ怒鳴られるだけで済んだが、若者は同じ失敗を繰り返すとバイクから降ろされ。腕立て伏せを延々とやらされるのである。ここはトレーニングジムですか。それから数日、パイロンの位置が元に戻っていた。走ってみる。何と呆気ない。あれほど窮屈だったスラロームが嘘のように楽々と通れる。しかも5秒台でだ。なるほど、こう言う事だったのか。スラロームを攻めるコツは、クリアするパイロンは見ない、アクセルONで車体を起こしながら素早い体重移動。これを左、右と同じようにとにかくリズミカルに行う事だ。スラロームの規定は7秒なのだから、安全重視で6秒台でも良いのではと教官に尋ねると、試験中にもしバランスを崩してタイムロスがあったらどうする。1秒あったら取り返せるが0.5秒だったら無理な時もある。だそうである。5秒台が至上命令。
2010.11.14
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入校してからこの指定前教習の狙いやシステムが段々と分かってきた。要するに学校側は、公安委員会の審査に合格するために、実績を作りたいのだ。その実績とは大型二輪であるなら、運転免許試験場に於いて1回の試験でしかも10人連続で合格する事が科せられているのだ。連続という事は、9人目で不合格が出れば、アウト。また最初から10人連続を目指すというプレッシャーが掛かるシステムとなっている。モニター教習生は学校の実績作りに協力する代わりに、免許取得までの全費用を無料にして貰える事になり、両者は互恵関係にある事で成り立っている。しかし、学校側はあくまで審査に合格する事が目的であるので、技量の無い者や一発合格の重圧にビビル者はいらないのである。従ってモニター教習生を一方的に止めさす事も出来るのである。運転免許試験場で一発で合格するには、並大抵の練習では無理な事がわかる。最低でも50時間、後は教官が試験を受けても良いとの判断を下すまで、際限無く練習を繰り返すのである。乗車姿勢から課題走行、法令走行に至るまで、完璧に行い初めて走る運転免許試験場の大舞台で一発で仕留めなければならないのである。失敗は絶対に許されない。もし失敗するとその時点で学校から永遠に葬りされる掟となっているのである。何と恐ろしい。聞いただけで血の気が引くような話しである。正に虎の穴だ。こんな刺激的な事は久しぶりである。上等だ。やってやろーじゃないか。この物語は血と汗と涙にまみれた中年親父の戦いを実話に基づき忠実に再現したもので、フィクションではありません。
2010.11.13
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福さんがとうとう大型二輪免許取得のために教習所通いを始めたようです。このニュースを聞いて、平成17年~18年にかけて近所の自動車学校へ通ったのを思い出しました。そもそも、私もつい最近まで普通二輪免許(昔は中型と言っていた。)しか持っていなくて、大型二輪免許に憧れていました。そんな矢先の平成17年11月末の午後、荒さんから1本の電話が掛かりました。今度太さんの近所に某自動車学校ができて今、モニター教習生を募集しているので、行ってみない。太 モニター教習生て何。荒 自動車学校が公安委員会の審査を受ける為に、指定前教習を行う事で、モニター生になればどの免許でも無料で取れるよ。太 何でもタダ。ほんまかいな。荒 そう。太 (間髪を入れずに)行く。すぐ行く。明日行く。と、言うことで11月29日に速攻で入校しました。書類を出して、適性検査や視力検査を済ませ、大型二輪を選んで、書類をよく見ると大型二輪は入校条件に年令30歳以下となっています。そんなの聞いてないよーと文句を言おうとしたら、大丈夫です。と、アッサリ通過。いよいよ12月1日から教習開始です。教習時間はこちらの都合に合わせてくれるし、バイクもCB750Fの新車。これでタダで免許が取れるなんて夢のようと有頂天なっていました。(後で大変な思いをする事も知らずに....世の中そんなに甘くない。)12月1日 教習1日目 品良く印象良くするために、くるぶし迄あるちょっとゴツメのライディングシューズにオフロード用手袋を付け、Gパンに薄めジャンパー着て、ヘルメットはオープンフェイスと模範生のような出で立ちで爽やかに挨拶を交わす。バイクを乗る服装としてはとてもよろしい。とお褒め言葉をいただく。先ずは教官が新車のCBをゆっくり倒して引き起こしです。(教習車は前後にガードパイプが付いているので、完全には倒れません。)でも、腰に不安がある私には少し緊張ぎみだったがアッサリ起き上がりました。次は、センタースタンド掛け。軽量車だと何でもないが、重量車になるとコツがいります。教官曰く「先ずハンドルを真っ直ぐにして、バイクを直立させて、センタースタンドを地面に設置するまで下ろす。そこで左右に少し揺すりセンタースタンドの左右が地面に設置したのを確認して、少し後ろに引きながらスタンドに体重を掛け真っ直ぐ起こす。」言われた通りにやるとホントに力はいりません。次はバイクのエンジンを掛けて外周回りです。私 エンジンが掛かりません。教官 何。私 バイク壊れています。教官 乗車手順を言ってみろ。私 1)バイクの前後の確認。2)バイクに跨ってエンジンを掛ける。3)サイドスタンドを上げて...教官 そこが違う。1)バイクの前後の確認。2)サイドスタンドを上げる。3)バイクに跨ってエンジンを掛ける。,,,,だろうが。私 へ...やってみるとエンジンは掛かる。何で。教官 サイドスタンドを出したままだとエンジンは掛からん。常識だろうが。(鬼教官の片鱗が少し見えた。)私 知らんかった。(古いバイクしか乗った事の無い私は、サイドスタンドにスイッチが付いてるなど目から鱗です。)しかし、私の手順は間違っていましたが、教官の言う乗車手順は今でも間違っていると思っています。何故なら、サイドスタンドを上げて不安定な中、バイクに跨るとバイクのシートに足が当たったりして倒してしまう危険があります。先ず跨って、サイドスタンドを上げて、エンジンを掛けた方が安全性は高いと思うのですが。この辺り荒さんに見解を聞きたいものです。
2010.11.12
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さて、ロングツーリングに備えて様々な準備を整えてきた。ヘルメットはもちろんバイクにつけるサイドバッグも送らねばならない。中にはズボンやジャケット、靴、グローブ、雨具、パンク修理材、車載工具などなど、必要な物を詰め込む。適当な段ボール箱2つにツーリング用具を入れてフジイに向けて黒猫宅急便で事前に発送した。行きは飛行機だし背広を着ていかねばならない。それに研修に参加するので教科書やユニフォームなどでキャスター付き旅行バッグは一杯だ。いよいよ9月9日早朝家を出る。岡山までは電車。岡山からリムジンバスで空港へ。同じ研究会に参加する2人と合流し、9時40分岡山空港を飛び立った。私は飛行機はどちらかというと苦手だ。時々ドンと落ちることがあり、あのフワッとした落っこちる感じが好きになれない。ただ、離陸するときのお尻を持って行かれるような加速感は好きである。バイクの加速に通じるのかも。岡山-羽田間はたったの1時間。快晴でもあり、たまたま座った窓際の席から地上がよく見えた。羽田に無事到着し9日・10日の研究会は・・・ベンキョウさせて頂きましたよ。10日の昼過ぎに研究会は終了し(飛ばしすぎ!)、いよいよ埼玉に向かう。、ところが蕨駅から乗ったタクシーの運転手がフジイの場所を間違えた。地図も住所も渡したのに迷子。この近くだわい、とタクシーを降りてウロウロすると見つかりました。道路を1本間違えておりました。なんちゅうタクシーだ。そんなこんなで15:30ころフジイに到着。愛しの90/6は玄関前で私とご対面。元気そうである。フジイではこのバイクに適したオイルを教えてもらったり、整備の様子を聞かせてもらう。要所を押さえた整備により状況はバッチリだそうである。整備中の写真や動画はCDに焼いて改めて下さるという。楽しみ楽しみ。また、帰りの道は中央道か東名かで迷っていたので状況を教えてもらう。やはり夕方の東名へ出るのは地理に疎い田舎者+ナビのないバイクでは首都高で迷いそうだ。中央道で帰ろうと決め、中央道へ出るルートを教えてもらう。たまたま修理のため入庫してきたGSを分解するというのでしばらく見せてもらった。90/6と同じくエキゾーストのフランジが緩まずタガネでガーーーン、ガーーーン。無理して十数万円するヘッドを壊すよりは、数千円のフランジを壊す方がいいけど修理のスペシャルツール、ハンマーとタガネは心臓に良くない。まだまだ見ていたいのだがぼちぼち出発せねば。岡山は遙か彼方、750キロ先なのだ。ガソリンスタンドや、高速の入り口を教えてもらい17:30に出発。写真は中央道最初の休憩地、藤野パーキングにて、もう真っ暗だ。
2010.11.11
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仕事の忙しい日が続き、レポートを書くのが途絶えてしまいました。最近の電子機器の発達はめざましい。電車に乗ればみんな携帯をいじっているし、耳にはイヤホンが入れられている。音楽を聴きながら何かしている姿を当たり前のように目にする。私はあまりそのようなことはしないのだが、長い時間車を運転していると眠気をもよおし、眠気覚ましに音楽をかけることはよくある。ところがバイクではスピーカーから音楽を聴くことは難しいし、イヤホンを耳に入れヘルメットをかぶると耳が痛くてしょうがない。おまけにコードがじゃま。そこで最近登場したのがBluetoohという無線通信技術を利用したコードレス通信機器。この中に携帯電話が使え、なおかつ音楽が聴ける、という代物が出てきた。何社か、何種類かあるが選んだのはサインハウスという会社のB+COM (ビーコム)Bluetooth バイク インカム、SB213である。連続使用時間・携帯電話最大通話時間:約16時間・オーディオ最大使用時間:約16時間・B+COM 最大使用時間:約10時間・待受け時間:約300時間:電波到達範囲 ・約100mという。33,000円程だった。8月中程に手に入れ早速いじってみる。専用充電池内蔵で、パソコンのUSB端子から充電可能である。携帯電話とのペアリングは簡単にできた。私のジェットヘルメットの中にスピーカーをセットする。幸い私のヘルメットは耳のあたりが少し深くなっていてうまいことセットできた。試しに電話をかけてみて着信ができるかどうかやってみた。当たり前だができた。音楽もかけてみた。音量も調節でき、音楽試聴中に着信があると音楽を中断し電話に切り替わるようだ。これならばと実際にバイクに乗るときに試してみた。するとうまく着信ができない。電話は鳴るのだが、着信ボタンを押しても着信しないときがある。もう一つ。ヘルメットをバイクに置いて離れたとき通信可能範囲外に出て戻ってきたとき自動的に接続してくれない。これはどのBluetooth機器も同じかも。高速でも使ってみた。さすがにヘルメットの風切り音が大きくなり音楽が良く聞こえない状態になる。せいぜい80キロ位までだろうか。或いは風切り音の少ないフルフェイスヘルメットだといいかもしれない。さらに気になる事が。それは100キロ位で走ると音が全体に高音になるように思える。気のせい?あるいは物理学的に考えられること?ドップラー効果?ご存じの方があれば・・・。写真はB+COM Bluetooth SB213 中央の大きいボタンが着信用、右のレバーが音量操作のつまみ
2010.11.08
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11月5日雲一つ無い絶好のツーリング日よりとなり、笏取り虫のメンバーが一同に会してとはならず、松さんも急用で欠席。結局、藤さんと2人でのツーリングとなりました。藤さんの都合で、40分遅れで始まったツーリングは、青空のもと吉備新線を快調に飛ばし、加茂川で前を行くバイク2台に追いつき宇甘渓で休憩。ピカピカの隼とハーレーの男女2人組は、我々のバイクがよほど珍しいのか写真を撮って、年式を聞いてビックリしていました。奥吉備街道を疾走し北房の産地直売店で休憩。地元産の巨大松茸が1本6千円。高いのか安いのかわかりません。月田を通ってR180を新庄方面に左折。メルヘンの里「新庄」で休憩。出発してすぐに立派な本殿が見えた新庄神社に寄り道して、野土路トンネルを抜ければススキが群生する蒜山高原です。時間は丁度1時、今日のお目当ての蕎麦屋「又来・またぎ」に到着。エンジンを止めると店主が出てきて「すいません。たった今蕎麦が無くなりました。」と....仕方がないので、道の駅向かいの「そばの館」に行くが、ここは観光客で満員。すぐにパスして、元祖蒜山手打ちそば瓢泉亭(ひょうせんてい)へ。やっと新蕎麦にありつけました。かなり腰の強い蕎麦でしたが美味でした。隣の常連さんは牛うどんを食しており、この店ではこれが絶品だとか。腹ごしらえができたところで、蒜山大山スカイラインへ、紅葉のピークは過ぎていたと思っていたのですが、この辺りはまだのようです。鬼女台展望台で休憩して、目指すは鍵掛峠です。峠の手前のブナ林は見事に色づいており、黄色に彩られた絵画の中を走っているような錯覚に陥ります。ブナ林を抜けるといよいよ鍵掛峠に到着です。大山の南壁では人気NO1のビューポイントとあって小さな駐車場は車で満車状態。冠雪を帯びた大山の裾野に広がる見事な紅葉を撮影と思ったのですが、生憎厚い雲が懸かり冠雪は一部しか見えません。残念。秋の日は釣瓶落としです。Uターンして道の駅蒜山で名物の「ひらめ」の塩焼きを食して、蒜山ICから帰路につきます。帰りの高速でバイクを交換してR90/6に乗ってみましたが、なるほどスムーズです。エンジンの心地よい響きとシャフトドライブの感じがとても印象的でした。ツーリング動画http://www.youtube.com/watch?v=i2D72Sv1sKEhttp://www.youtube.com/watch?v=mmYtmppWDE4ツーリング写真スライドショーhttp://www.youtube.com/watch?v=Bh5Uf3QgNI4鍵掛峠から大山南壁を望む
2010.11.06
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PB Swiss Tools社のタガネです。PBはドライバー、六角レンチ、タガネなどが有名なスイスのメーカーです。一見、マイナスドライバーに見えますが「タガネ」です。当然、貫通式で握りの頭をハンマーでどつくようになっています。古いバイクを修理(解体)する時に、少々の金具類ならブッタ切れますので何かと重宝します。
2010.11.04
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仕事が忙しい時にはなかなかバイクに乗れません。長い間エンジンを掛けないでいるとバッテリーが弱って行きます。セルが回らなくなったら充電器で充電するのですが、特に250cc用のバッテリーは小さいので寿命も短いようです。しかも、軽四が3,000円程度なのに250cc用は1万円もします。(岩崎 弥太郎風に言うと「どーいてそーなるがぜよ」)そこで、藤さんから教えていただいた有限会社アルプス計器のトリクル充電器の出番となります。この充電器は、バッテリーに繋ぎっぱなしでも過充電にならず、常に満タン状態が保たれるという理想的な充電器です。充電の必要のあるバイクが2台あるので、2台ともバッテリーから配線を取ってコネクタで充電器に接続するようにしています。たまに充電するバイクを変えてやります。これで、乗るときはコネクタを外してセル一発で始動。
2010.11.01
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