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2006.06.09
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カテゴリ: お役所システム
猪瀬さんのメルマガによれば、悪いのは小泉さんではなくて、真犯人は?は他にいるのだそうです。
道路権力のメカニズムについてアガサ・クリスティ風に解明していたので、抜粋して転載します。

調査報道がとろい高給新聞も、犯人あつかいされているので・・・
わが意を得たりとの思いがします。


真犯人は?

●小泉内閣が発足したのは5年前です。いま、メディアは小泉首相を批判して
います。日本のジャーナリズムにおいて一つ重要なことを言いますと、日刊ゲ
ンダイという夕刊紙がありますね。サラリーマンが一杯飲んで「このバカヤロ
ー」とか言って帰りに読みながら帰ってく。日刊ゲンダイはそういうものだと
思って読んでいるから、それはそれでいい。新橋のサラリーマンが「バカヤロ
ー」とか「総理大臣がいけないんだあ」とか言っていれば、まあ今日のところ
は電車に乗って帰れる。

 だけど朝日新聞が日刊ゲンダイじゃあ困るんですが、日刊ゲンダイを上品に
しただけで同じなんですね。

●そこで本題は、小泉政権の権力とは何かということですが、日刊ゲンダイ的
な表現というのは総理大臣が全て悪いんですね。時の権力者ですから。しかし
小泉さんは、どこまで権力を掌握していたかということがまず重要ですね。
まず第一回目の委員会は官邸の非常に形式ばった部屋で、偉い人がいっぱい
並んでいました。七人の委員プラス官房長官やなんやかんや並んでいるところ
で第一回。サッカーでも弱いチームは勝つ時にはピーって笛が鳴った時に一気
に先制攻撃をかけますね。そこで一気に「情報公開をやらなきゃダメですよ、
小泉さん」と言って、みんな反対するんですけど、会議の情報公開が決まった。
民営化委員会は公開ということになった。

 民営化委員会は虎ノ門の雑居ビルに委員会室がある。そこは政府のようする
にあんまり霞が関で重要視されないような、役所がいっぱい、その機関が虎ノ
門の森第十ビルというところにあるんですよ。その3階のフロアーが、道路公
団民営化とか行革推進事務局とかいろんなものがあるんです。そういうところ
で始まった。そのときにですね、公開したら、事務局が意地悪してですね、代
表記者だけだと。ということはまあ、記者クラブの記者。十何人しかいない。
そこで僕が猛烈に抗議をしたら、フリー記者も、みんな入れると。

 僕がいろんな資料請求を繰り返した。どんどん資料がでてきてそれを議題に
して展開する。ところが、そこであれっと思いはじめたのは、公開すると新聞
記者って書かないんですよ。路線別の収支とか、全部細かく、いままで当局が
絶対に表に出さなかった資料がどんどん出てきているのにも関わらず、僕が分
析して表にしたりグラフにしているのにも関わらず、あんまり書かない。リー
ク記事を書くんです。道路公団側がチラッとリークする。同じ資料なのに公開
されたテーブルで出した資料というのは新聞記者は、有り難味がない。裏から
こっそり渡すと一面トップを飾ったりする。

●権力というのは、国土交通省の正統派権力。これは経世会がずっとバックに
いたわけですから。古賀誠さんは、当時道路調査会長ですから、経世会じゃな
いけれど、道路族です。だから正統派の権力ですね。そこに今井敬さんみたい
な正統派の経団連の名誉会長や、東大土木名誉教授、中村先生がいるわけです
から。

●今度は道路公団。道路公団も一つじゃないです。
 道路公団の技術系権力。道路公団の事務系権力というのがありますね。道路
公団の技術系権力と道路公団の事務系権力は同じ会社なのに犬猿の仲なんです
ね。それで、まず道路公団の技術系権力は、藤井治芳という建設省の事務次官
を勤めた人が天下りしているから、じゃあこれは国土交通省の言うことを聞く
かっていったらそうじゃない。藤井治芳という人は、天下りしたけれども、そ
れは道路公団の技術系のプロパーと一種の取引をすることによって、自分の権
力を維持できたんですね。技術系権力。だから国土交通省と対立関係にある。
なぜならば、日本で一番素晴らしい道路は、道路公団が発注権限を持っている
んですね。つまり高速道路です。

 国交省は偉そうにみえても国道の発注権限しかない。ほこりが舞っているよ
うな。ピカピカの高速道路の発注権限は道路公団なんです。ですから国交省は
面白くない。あるいは逆に言えば道路公団の技術系にとって、この発注権限は
絶対に渡さないと、国土交通省に対して思っています。

 ではそのバックに誰がいるか。やっぱり用心棒をそれぞれ頼まないといけな
い。国交省の用心棒は経世会。お互い利益を交換しあっている。じゃあ公団技
術系の用心棒は誰か。たとえば亀井静香さん。亀井静香と経世会は仲が悪い。
だから亀井静香は小泉さんが総理大臣になるとき、小泉さんを応援するわけで
す。それがあとで裏切られたと言っていますけどね。

 事務系権力は公団ファミリー企業を含んだ世界です。誰がいるのかというと、
塩ジイ。元建設大臣の水野清さん。

 ファミリー企業とは何ぞやということですが、管理費の世界を牛耳っている。
つまり技術系権力というのは、一兆円近い道路工事の発注権限を持っている。
ここの工事の受益者はゼネコンであり、鉄骨メーカーであり。いろんなそうい
う大手の建設関係ですね。ところが、事務系といってもバカにしたもんじゃな
くて、これが年間の管理コストというか、それが四公団で8000億円。そこは全
部、随意契約の世界。行政コスト計算書で現れたファミリー企業だけで80社。
さらに、行政コスト計算書に載らないファミリー企業は200~300社もあります。

 そこでなんにも仕事をしないで、両袖のイスでふんぞり返って、やることが
ないからパソコンの将棋かなんかやっている人々がいるんだけど、それが道路
公団の天下りOBですね。定年間際になって、行くところがなくなるとそこで
年収1000万円くらいもらってアクビしている。末端のプロパーのおじさんが排
ガスを吸っている。

 いま言った事務系権力の人たちがいますでしょう。この人たちが随行員席で
固まっているところに、白髪の70歳くらいの人がいつもそこにいるわけ。これ
がハイウェイ・トール・システムの社長をやっていた人なんですね。つまり事
務系権力はそういう人たち、その人はもともと東大法学部を出て、ずっと道路
公団にいて最後に名古屋管理局長を定年退職して、ハイウェイ・トール・シス
テムに天下りしていた。10年だけで、だいたい1500万円~2000万円の年収で、
退職金と合わせて2億円くらい稼いでいるわけですね。そうやって次の大阪局
長とかいろんな人に順番にポストをまわしているわけです。事務系権力はおい
しいですね。

●それでアガサ・クリスティの話に戻ると、そういうリーク情報を出している
事務系権力の代弁者が、田中一昭委員長代理。あれが拓殖大学の教授だけど、
もともと総務庁の役人で定年退職をして拓殖大学教授になった人です。これが
それに乗せられた。それから川本裕子というマッキンゼーからきた女性。この
二人が完全に道路公団事務系の代弁者でした。

 朝日新聞の経済部、日経新聞の経済部、論説、このあたりの人々がこれに乗
せられていった。
それはだけど、だんだん正体が見えてきたんですね。もともと税金を入れろ
っていうから変だと思った。税金を入れないで処理をするために、道路公団を
民営化するわけですから。税金を入れてもらって、借金を棒引きしてもらって、
ピカピカの会社になって、しかも分割は反対で独占企業体で生き残ると、こう
いう世界を考えていた。だから建設抑制ですよ。技術系権力は建設したいけど、
自分たちは建設投資をしないで、出来たものを管理すればいいわけですから。

 技術系権力は発注権限を維持したいから、ここが、あとで問題となる内田副
総裁なんかの世界ですから。そこで僕は、物語の展開を申し上げると、あんま
り全部言うと読まなくなっちゃうから読んで欲しいんだけど、推理小説ですか
ら。(笑)そこで、アガサクリスティ的にみれば、そいつらはわりと、世論的
には建設抑制だから受けがいいんですが、よく見ると、分割に反対する、税金
投入せよ。これはそういう世界。値下げにも反対ですね。値下げすると収入が
減っちゃうから。国民の敵ですね。ということは新聞には描かれていないこと
だから。

 さまざまな謀略が出てくるから、あたりまえのことを、素直に思う人が大事
です。それと大宅映子さんは、組織に属していない。僕と同じです。僕と大宅
映子以外はみんな組織の人間です。松田さんはJR。道路の権力に関係ない、
と思ったから一番僕は信用していたんだけど、実は民営化委員会の半年後の、
意見書、6月民営化委員会が出来て12月、半年で答申を出すので、会議、会議
の連続で答申をだすんですが、当時は信頼していたJR東日本の松田さんが、
「多数決にしよう」と言い出す。土壇場で。多数決にしたら答申の権威が下が
ってしまうから、多数決は意味がないのに「多数決にしよう」ということを、
12月6日の答申を出す、2週間くらい前から言い出したんです。

●しかしまあ、日本のメディアのレベルの低さには呆れましたねえ。僕はそん
なレベルの低い仕事を一度もしたことがありませんよ。日本の言論とか新聞と
か、そういうもののレベルがなんで上がらないのかって、もしかしてですよ、
あの時に日本が戦争に突入したときの新聞のレベルが低かったんじゃないかと、
というふうに本気で思っていますね。新聞とかメディア。新聞とかメディアと
いうのは、言葉によって現されている世界ですから、考える力ということです
ね。ところが本当の日本人の考える力は、もっとあったんですね。メディアの
軽さの中でそれが殺されていったと。それがこれまでやってきた実感です。
『道路の決着』を読んでいただくとわかるので、読んでみて下さい。

 ということで、真犯人は全てここに書き込んで、めでたく謎は解決したとい
うことです。

(本号は4月20日、関西学院大学東京オフィスで開かれた村尾信尚教授監修の
「丸の内講座」に招かれ猪瀬直樹が講演したものです)








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Last updated  2006.06.09 21:15:22
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