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2006.11.04
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カテゴリ: 映画
コーマン!(衛生兵)という叫びを聞いた気がして、帰還した後もたびたび、幻聴のさきを振り向くもと衛生兵。

帰還後の兵士たちの日常に、悪夢のような記憶が頻出したのでしょう。
映画でも、過酷な戦闘と帰還後の戦意高揚プロパガンダがフラッシュバックしてドキュメンタリーのように描かれています。

硫黄島メモリアル

むかし「硫黄島の砂」という戦意高揚プロパガンダのような映画を観た記憶がかすかにあるのですが・・・・
この「父親たちの星条旗」はプロパガンダを描いた映画でもあり、ストレートな反戦ではないかも知れないが、戦意高揚とは相容れない映画なんですね。

イーストウッド監督が言います。

私が観て育った戦争映画の多くは、どちらが正義で、どちらが悪だと描いていました。しかし、人生も戦争も、そういうものではないのです。私の2本の映画も勝ち負けを描いたものではありません。戦争が人間に与える影響、ほんとうならもっと生きられたであろう人々に与えた影響を描いています。どちらの側であっても、戦争で命を落とした人々は敬意を受けるに余りある存在です。


硫黄島の戦いは、国単位で争った地上戦としては最も過酷なものだったかもしれないが・・・
この壮大な喪失を描く映画で、何か語るとしたらやはりイーストウッド監督のことばになるのでしょう。
事実を風化することなく記憶することが、双方の死者に対する最善の弔意になるのかもしれませんね。


熱いハートで、クールな戦争映画を作ったものです。
戦争の実相を描くには正統な手法と思われるこのような映画作りは有りそうで、あまり無かったようです。

ということで、イーストウッド監督の弁をさらに紹介します。

 確かに両サイドから描いていますが、アメリカ側からの視点は戦闘場面だけではありません。硫黄島はアメリカ海兵隊にとって最大の激戦地でした。でも私が描いているのはあの島で戦った兵士たちが帰還後、どのような人生を歩んだが、戦争のために彼らの人生がどのように変わったかを描くことが主眼です。硫黄島の経験がネガティブに働いた人もいるし、まあまあの人生を歩んだ人もいますが、特にクローズアップしたのは擂鉢山に星条旗を掲げて生還した3人です。彼らはとても有名になり祖国に戻って国債を集めるために政府に利用されたのです。国債を売って戦争費を集めるために利用されたのです。ですから彼らにとってこの戦争は個人的な影響が大きかったのです。心の葛藤さえも与え、戦いのインパクトがその人たちを変えていったということが、アメリカ側のエピソードが描くところです。

 日本側は守備の立場でしたが、あの島に行った兵士たちはもちろん生き残って国に帰りたいと思ったでしょう。でも最初から帰ることはできないと覚悟して行った人たちです。私は彼らの気持ちや死を覚悟するとはどのようなことか共感できず、出来る限り日本兵の気持ちになろうと一生懸命自分で勉強し、共感できるように持っていきました。2005年4月に硫黄島へ行ったとき、島を歩いて本当感動しました。多くの母親があの戦争で息子を失ったのです。それは日本側もアメリカ側も同じです。ですからこの映画はどちらが勝った負けたの映画ではないのです。戦争というものが、特に若い人たちの人生を中断させ、あるいは人生を失わせて、どういう効果・結果を及ぼしたかを描くことが日本側のポイントです。 


死傷者2万8千人を出す硫黄島戦にアメリカでは衝撃を受け、空襲を中心とする「味方に犠牲を出さない戦争」へと傾斜を深めていったようで・・・・
日本にはより過酷な代償を払わされる契機ともなった硫黄島戦だったようです。

それにしても、当時のアメリカ人の感覚が現代とさほど変わらないのが興味深いですね。
戦中も戦後も変わらない生活を続けたアメリカ社会の強大さと、価値観を変えることもなく現代まで連綿として戦争を続ける異常さが気にもなった次第です。

ところで、この映画で多数の上陸用舟艇、実物の戦闘機(コルセアなど)が登場してくるが・・・ものすごい迫力です。
アメリカ映画が求めるリアリズムには、いつもながらその物量に圧倒されるが・・・
このあたりは日本映画が不得意とするところでしょうね。

「父親たちの星条旗(FLAGS OF OUR FATHERS)」
製作報告記者会見レポート
「散るぞ悲しき」
FLAGS OF OUR FATHERS






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Last updated  2007.03.17 12:01:47
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