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2011.02.05
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カテゴリ: 歴史
某週刊誌が、かって政権を投げ出したお殿様をつかって、格調ある?中国紀行シリーズを続けているが(もう終わったかも)・・・・
ちょっと違和感があるんですな~。その違和感とは何か?

 漢字文化を礼賛する大使に冷水を浴びせるような「儒教批判、孔子批判」の書を見つけたので紹介します。中国語をよく知る藤堂明保さんは「中国の文化」なんていうような言葉でごまかされては困るとまで言っています。(わりと過激な人である)

大野晋編「日本古代語と朝鮮語」毎日新聞社、昭和50年刊
藤堂明保「中国・朝鮮・日本の古代漢字音」p115~119


 一見ヒューマニズムのように見えるけれども、もともとが「にせもの」であるということを、今日やかましくいい出したわけなのです。それが孔子批判の行われている最初の最大のポイントです。
「差別の上に立ったヒューマニズム」というものはナンセンスである。看板にすぎない。したがって「朋あり、遠方より来る」と申しますけれども、その朋の中にはもともと民は含まれておらない。それは自分らインテリ仲間、つまり士の仲間だけのことであって、初めから民というのは除外されているのです。
 そういう発想法に立って中国のいわゆる士丈夫(インテリ、読書人)というものの階層、士丈夫だけの世界というものが、二千数百年にわたって中国を支配してきた。すなわち魯迅がいうように、中国の旧社会というものは人間を「上等人」と「下等人」に分けたのだ。上等人というのは一割にも満たない。その他大部分の、九割以上の者がいわゆる下等人、すなわち民であって、中国の倫理・道徳・政治・あらゆるものが、「上等人が下等人を食うため」のものであった。--こう魯迅はいうわけです。士丈夫の論理が二千数百年にわたって中国を支配してきているわけです。それが今日孔子批判の起こっている問題点なのです。人間に対する差別感があったということが、まず第一のポイントでしょう。

 その次には、孔子発想のもとには、いつでも古(いにしえ)に帰るという発想があった。新しいことはなるべくやらない、手本を古代に求めよう、という非常に復古的な発想法があった。
 三番目には、「上智と下愚は移らず(論語)」と申しますね。「上智」というのはエリート士丈夫のことです。「下愚」というのは人民のことです。人間の生まれつきはどうにも動かしようがない、上智は上智で、ほといたってエリート人間です。人民というのは愚かなめくらであって、これもまたどうにも変化させようがない。「上智と下愚は移らず」とは、一種の運命論です。生まれつき才能のあるエリートは偉いに決まっているんだ。だめな者は初めからだめなんだ、永遠にだめなんだ、というふうな運命論的な発想が非常に強かった。以上の三つの点がいま鋭く批判されている最中です。

 ところで、いま中国の歴史について申しますと、この「士」というものが「官」の先駆となります。周のあとに春秋・戦国という時代がきますね。このころ士が食客になってくるわけです。あちこちの軍閥のもとに押しかけて、それぞれ食客になり、自分の才能を売り込むわけです。食客はどこに泊まったかと申しますと、これはいわゆる館に泊まった。そしてめしを食わせてもらうかわりに、そこで管理されるわけですから、自由はありません。(一部、文章割愛)そしてこういうふうに権力に管理されている連中がいわゆる後の「官」になってまいります。ですから「士」は食客となり、それから「官」となり、これがいわゆる「官僚」になってくるのです。
 戦国のころには、食客があちこちの軍閥のもとでたくさん養われていた。こういう軍閥乱立の状態を打ち破りまして、そして一人の皇帝のもとにたくさんの官を管理して、そして全国官僚制というものをしいたのが、ご承知の秦の始皇帝です。

 秦の始皇帝の全国官僚制はわずか二代で崩壊いたしましたけれども、漢の時代がそのあとに続いて起こってきます。そしてご承知のとおり、漢は全国にわたって郡県制をしっかりと固めていくわけです。中央・地方官庁の組織も固まってまいります。そしてこの官僚イデオロギーとして取り上げたのが、先ほどの孔子以来の儒家の発想です。ですから「君には忠、親には孝、長幼には序あり、夫婦は仲よくせよ・・・・」、一つ取り上げれば、ちょうど田中角栄さんの「十の反省」みたいなもので、結構なことに違いないんです。けれども、これが何に使われたかと申しますと、この官僚支配体制のイデオロギーとして使われたわけでしょう。ここに儒教が「国家教学」として成立してくるわけです。漢の薫仲ジョが漢の武帝のときに、初めて儒教を国家儒教として確立するわけです。韓非子の発想と孔子の発想とをごちゃまぜにいたしまして、そして官僚支配のイデオロギーというものをここで確立するわけです。
(薫仲ジョの薫もジョもMS-IMEでは漢字が出てきません)

 漢字文化というものの実質はこれなのです。官僚制、ならびにそれをささえる家族制度、上等人間と下等人間の差別、それらを踏まえた秩序を維持するイデオロギーが、漢字文化なのです。ですから近世にいたるまで、90%に達する中国の民は文字を知らなかった。人民にとっては、文字文化なんていうのは何の関係もない、よそごとなのです。「唐詩」などと申しますけれど、それも唐から今日に至るまで、人民に何の関係もなかった、よそごとなのです。漢字文化というのはそういうものです。抽象的に、「中国の文化」なんていうような言葉でごまかされては困るのです。それらは官僚統治体制を完璧にするための文化なのです。


 この本が出たのは、天安門事件以前の1975年であり、その当時に孔子批判があったにしても、中国の本質(二千数百年の官僚支配)は変わらないことを洞察していたわけですね。 
 大使思うに、中国共産党という言わば士丈夫の率いる政治は、官僚支配そのものであり・・・・
論語とか漢詩たらいう中国文化は、この官僚支配と分かち難く続いたものであり、これらに日本人が情緒的に傾倒する様は、ナイーブに過ぎるのかもしれないですね。

 ところで、儒教の優等生とも言える韓国であるが・・・・・

(このあたりに、ついG2嫌いが出てしまう大使である)

かと言って漢字は 現存する唯一の表意文字 に違いはないのだが(ハ~)





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Last updated  2011.02.05 13:50:08
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