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2012.08.14
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カテゴリ: 気になる本
べつに終戦記念日に合わせて借りたわけではなかったが・・・たまたま図書館で借りた「もう、神風は吹かない」という本に、読むほどに惹かれたのです。



【もう、神風は吹かない】
特攻
シュミット村木眞寿美著、 河出書房新社、2005年刊

<「BOOK」データベース>より
敗戦の後に飛び立った元特攻兵、映画『ホタル』のモデルとなった元特攻兵、沖縄に不時着した元特攻兵…狂気の作戦の果てに生き残り、戦後を生きてきた数少ない生存者と家族の声を丹念に追った、戦後六十年を画する感動のドキュメント。

<大使寸評>
特攻に関する本は多く読んできたが・・・・人権、反戦という視点で迫る著者のわりとストレートな粘りに好感が持てるのです。
日本人は映画『ホタル』のように情緒に流れるが、それはこの著者の本意ではないようです。
表紙の見慣れない写真はたぶん艦爆だと思うが、著者が聞き取りしたパイロットに示したオマージュだと思います。

Amazon もう、神風は吹かない


この本のエッセンスを紹介します。

<生き残った者の島>p181~183
 翌日、山の上から見ていると、米軍の船が、打ち落とされた米軍搭乗員の同胞をヘリコプターで助けているではないか。死ねと言われて送り出された者たちにとって、これはむしろ不思議な、しかし泣きたくなるような光景であった。
「ああいう軍隊もあるんだなあ」
 5月26日の深夜にまた2機の救援機が飛んできた。最後の飛行機だという。残りの全員が2機に乗り込んだ。一行はシラミにまみれ髭ぼうぼうの乞食の集まりのようだった。大貫さんは、別れの泡盛をあおって泥酔していたという。もう、パスしたかったのである。どうせ生きては帰れないから、酔っ払ったまま死にたかったのだ。島で玉砕を覚悟していた守備隊の人たちからたくさんの遺書や手紙を預かって、飛行機は離陸した。
(中略)
 生き残りの特攻隊員は、トラックで福岡市内の沖縄航空作戦のための第6航空軍司令部に搬送された。帰ってきたことを司令官に伝えるから待てと言われた待ったが、2時間しても誰も来なかった。ボロをまとった髭ぼうぼうの薄汚いヒョロヒョロの敗残兵を見るのが嫌で誰も出てこないのか・・・。しかし、命令でここに来たのではないのか・・・。すべての命令どおりに事が運んだから、今ここで待たされているのではないのか。
 2時間過ぎた。参謀が入ってきた。最初の言葉が、「なんでおめおめ帰ってきた。死に損ないの卑怯者。臆病者、そんなに死ぬのが怖いか」。それから、「死んだ仲間に恥ずかしくないのか」。
 司令部の意図が分かり、一同は驚愕し、混乱した。
 「飛行機を下さい。再出撃をさせて下さい」と言うと、「貴様らにくれてやる飛行機はない」という。
 「じゃなんでここにいるんですか。再び出撃するためにここに出頭しているのではありませんか」と大貫さんは訊いた。
 「黙れぇぇ!」
 そして、2日間立ち上がれないほどメチャメチャに殴られた。その後、振武寮へ収容されたのである。要は帰って来たこと自体が間違っていたのである。監禁された大貫さんたちは、20日間にわたる死に勝る屈辱を受けたのだ。

 「司令部はどうしてあなたたちをそんなふうに扱ったのでしょう?」
 「生きて帰ってくるとは思っていなかったんでしょう。沖縄か海に突っ込むか、撃墜されたと思っていたのでしょう。特攻隊員に30人も生還されて、困ったんですよ。われわれは彼等のお荷物になったんだと思います。本土決戦のために多少の飛行機はあっても、それをわれわれにまわすつもりはなかった。彼等自身の問題が束になってわれわれのところに降りかかってきた。思い出したくもないのです。
 あれが彼等の限界だったんです。われわれをもっと上手に使うことができなかった。当局は、振武寮の事実を極秘にし、このことを伝えるちゃんとした歴史資料もありません。日本の軍隊があんなものだとは、思ってもみませんでしたね」
 「現在、神風を美化したり、ロマンティックな英雄のイメージを伝える人がいますよね。それと、実際にあなたが体験したことを思えば、そんなものは・・・」
 「神風特攻隊に関しては、複雑なものがあります。なんで今日、特攻を美化するのか。陸海軍あわせて六千人ほどが死んでいるんです。飛行機にしても人間魚雷にしても、外国の人が考えられないようなことを日本人はしたのです。あれが役に立ちましたか?ほとんど何の役にも立っていません。そうでしょう。状況は敗戦に向かっていたんですよ。今日思えばあんな無駄なことをする必要はなかったんです。
 当時は、戦争は始めたからには勝たなけりゃいけないと思いました。負けたらどんな目に遭うか分からない。軍も早く対策をとらなければならなかっただろうし、私も若いながら、何かをしなければいけないという気持ちはありました。しかし、あんな作戦をしなければならなかったとは、私は当時も今も思いませんね。 (後略)」



<雲わきて流るる果ての>p211~213
 6月3日、当時人口3千人だった伊平屋島に1万人前後の米兵が上陸してきた。それは目を瞠るようなプロセスだった。まずは空襲。艦砲射撃に並行して第一陣の上陸、ドラム缶サイズの防水袋に飲料水を作る。害虫の駆除、侵入不可能な野戦病院と炊事場の設置。その後、第二陣が上陸して戦車を先頭に進むのであった。犠牲を最小限にとどめようというオーガニゼーションにびっくりしたのだった。なるほど・・・なんと飯井さんはそれまで、ピストルにある18発で16人を殺して、あとの2発で自殺しようとさえ思っていたのである。
 上陸して2日もすると、村長や古老が相談して降伏を決めた。飯井さんたちははじめ日本兵として洞窟に残り、村民だけが下に降りて降伏するべきだと考えた。しかし村民は、日本兵は一人もいないことを前提に米軍に平和処置を頼むつもりなのに、日本兵が別の場所に隠れていたのでは信用を失い、皆殺しになるかもしれないから、飯井さんたちも一緒に行動してくれるよう頼むのだった。
 この議論は20時間続いても結論が出ず、若者たちが飯井さんたちと行動をともにすると言いだして、村が二つに割れそうになった。議論していたのは降り続く雨に泥沼と化した洞穴のなかである。飯井さんはふと辺りを見回した。議論が始まって三日目になっている。憔悴して乳の出ない母の乳首を口にいれたままぐったりしている乳児、幽霊のようになった老人老女、老女のようになった若い娘たち・・・この人たちは自分のためにこんなに苦しんでいるのではないか。自分は人々をこんな苦しみに落とし込んだ情けない軍人だ。みんなが幸せになるために命を懸けて戦おうと海軍予備学生に志願したのではなかったか。
「徴兵によって駆り立てられ、国のため、陛下のため、命を賭して戦え・・・では自分を納得させられなかった。ただ単に国家権力に隷属させられるだけで、自分の燃ゆる心、考え、望みさえも無視されロボット人間にされるからだった」
 人のためになろうと、海軍を志願したのに、今、自分はこの村の人たちを苦しめている。この壕内の惨状は、自分の思考の勝手な強情と、海軍軍人の面子がなせる罪状ではないのか。今の自分は、海軍予備学生志願の動機に反逆し、村の人々に不幸と死を与えようとしている極悪人ではないのか。
 飯井さんはいつしか泣いていたという。それを見て、古老の東江さんが言った。
「飯井さん、あなた方二人は海で死んでいたのです。それを村の人が生かしました。軍人として残念でしょうが浦島太郎になったと思って、今から私の息子になって一生この村で生きて下さい」
 飯井さんはこのとき、神を見た心地になったという。この言葉にピストルを土に埋めて、この村の人間になる覚悟をした。軍服を脱ぎ捨て、ボロ着に荒縄をしめた。そして白髪の老人を先頭にみんなで列を作って、三尺のフンドシを白旗としてなびかせながら米軍に降参していったのだった。



<蝉のやかましい朝>p241~243
 振武寮から出た後も、大貫さんは釈然としなかった。
 ―米軍に制空権を確保され、レーダーにより本土より飛来の飛行機は総てキャッチされている状況のもと、大型爆撃機で喜界島までノコノコ救援を送るのは一割の成功率しか望めない。既に二度も飛行機を送って撃墜されているにも拘わらず、あえて救援を強行したのは、なぜなのだろう。

 この疑問は戦後も長い間解けなかった。生き残りの操縦者が喜界島から帰還した際の第6航空軍の言動やその後の処置からして、貴重な大型機を出してまで、何としても救出してやろうという親心など全く感じられなかったので、この過程は謎のままであった。
 大貫さんたちが振武寮に監禁されている間、彼等の言動や状態を記録するために毎日派遣されてきた下士官と、大貫さんは顔見知りになっていた。
 戦後6年ほどして、大貫さんは、この人と全く偶然に再会したのである。その後彼はこの人を何回か訪ねて、やっと当時の話を聞かせてもらうに至り、初めて軍司令部の恐るべき考えを知ったのだというのだ。
 その話とは、

「司令部では、不時着者の救出などは全く考えても見なかったことであり、特攻隊員は突入するか、侵攻途中で撃墜されるか、不時着しても自決するかで、帰ってくることはありえず、出撃日を命日とし、戦死の手続きを執っており、島に米軍が上陸すれば、玉砕するであろうし、まさか50人近い搭乗員が喜界島に集められ救出を待っているだろうとは、これはもう想定外のことで、対策の会議もなかなか結論が出なかったのですが、やっと取り決められたことは、『人間は、一度死に損ねると、二度目に死を選ぶことを忌避する心情になることを考慮すると、喜界島に敵が上陸した場合、彼等は自決するより捕虜になる可能性が多分にある。将来は、本土の飛行場基地の状態、飛行機の性能、数量、特攻作戦の内容を大幅に知悉しており、これ等が敵に知れたら、来るべき本土作戦に重大な齟齬を来たす。よって、いかなる犠牲を払っても、島から連れ出さねばならず、本土までの間で墜とされればそれでよし、万一帰還したら、また考えることとする』、ということだったのです」

 ここで、大貫さんの傷は改めて疼いた。
 司令部が、軍人としての誇りを踏みにじられ名誉を剥奪された搭乗員を敗残兵として扱い、人の数にも入れていなかったことを知り、言葉もなかった。旧軍の本性を見た思いがした。


ところで、国交省の横柄で筋違いの言動が、メディアからよく「平成の関東軍」と揶揄されることがありますね。
国交省には旧軍の言い回しが残っていて、自治体に指示する文書にも載ったりするが・・・・このアナクロニズムに唖然とするのです。
もしかして、旧軍の思考方法がまだ幽霊のように徘徊しているとするなら、即刻改める必要があるし、そして、その同質性に官僚制度の限界を見る思いがするのです。
(その風土に染まらない若き官僚に期待したいものです)







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Last updated  2012.08.14 16:56:30
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