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2014.06.06
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カテゴリ: 政治
ブラック企業は日本型雇用が生み出したのか? と、思い悩む大使は『これから20年、三極化する衰退日本人』と言う本を再読しているところです。

名ばかり管理職として、サービス残業に勤しんだ大使であるが・・・
それは「終身雇用が保証されているお返しだ」との黙契があったことを思いおこすのだ。(このあいまいな契約が、いかにも日本的である)

だけど、今の若年社員にとって終身雇用など夢のような話ではないか・・・
無くしたものは大きかったが、新自由主義は世の習いと何の見返りもなくそんな構造改革を甘受したのが、我らが団塊世代ではなかったのか?

『これから20年、三極化する衰退日本人』から終身雇用制度のあたりを紹介します。

<中途半端な改革を繰り返す中で中間層が消滅した日本> よりp88~90
 日本を衰退させている三つ目の要因は、中途半端な構造改革を繰り返す中で、日本の長所や強みをどんどんと切り崩していったことだ。終身雇用制度にしても高い勤労意欲にしても、地域社会のつながりにしても、相応に機能していた公務員制度にしても、「改革だ、改革だ」と叫びながら自ら切り崩しているのが今の日本だ。

 例えば、終身雇用制度などはその典型かもしれない。日本のサラリーマンは長時間残業を含めて、企業に対して忠実に働く。その忠実ぶりは過労死という現象でよくわかる。休暇をバカンスとして楽しむ欧米人にとって、死ぬまで働くというのはおよそ理解できるものではない。なぜ、ここまで日本のサラリーマンが会社のために働くのかと言えば、それは終身雇用でギリギリまで企業が面倒を見てくれるからだ。だからこそ、企業と運命共同体で働くのだ。

 もちろん、中高年のサラリーマンが一生懸命に働いたとしても、会社で無駄な残業を繰り返すだけで役立たないとか、生産性が大して上がっているわけではないといったシビアな見方もあるだろうが、それでも会社のことを最優先に考える効果は計り知れないものがある。目に見えて定量的に測れないというだけの話にすぎない。

 しかし、安易にリストラが行われるようになる中で、このような運命共同体的な働き方は今日見られなくなりつつある。リストラが怖くて長時間残業をしているサラリーマンは多いが、彼らはバブルの頃のように生き生きと残業しているようには見えない。多くは嫌々働いているのか、あまり生産性も上がっていない。

 終身雇用制度だけではない。日本独特の制度・慣習・システムなどが切り崩された影響は計り知れないものがある。最もわかりやすいネガティブな影響はおそらく、中途半端に過去の制度・慣習などを切り崩した結果、不安定な中間層の出現に何らかの形で結びついたことだ。
 例えば、終身雇用制度の崩壊で中高年サラリーマンの中には下層に転落する者が続出、若者は採用抑制で非制社員を余儀なくされ、自営業者も地方の切り捨てや規制緩和で追いつめられ、シャッター商店街が続出した。

 世論はとにかく改革を叫び、自らの土台をどんどんと切り崩していった結果、真面目に働いて住宅ローンを払い、自立と自尊心に優れた日本の中間層はあっという間に没落して言ったのだ。
 もちろん、終身雇用制度が時代に合わないものを破壊することが間違っているというわけではない。終身雇用制度が時代に合わないのであれば、それは破壊するしかない。ただし、その場合には終身雇用制度に替わる新しい制度を作り出すべきだ。そうしないと、既存の土台を切り崩すだけで人々の生活は不安定化することは避けられない。

 そのような観点から日本の1990年代以降を眺めると、どう考えても、失敗であると結論せざるを得ないのだ。


斯様に、日本の中間層はあっという間に没落して、過酷な2極社会が出現してしまったようです。

次に、1990年代後半以降の迷走を見てみましょう。

<パイを分配・シェアできない自分勝手な日本人> よりp94~99
 日本人はバブル経済崩壊後、「失われた20年」にさらされ続ける中で、パイを拡大する自信をなくしていき、やがてはパイを拡大して日本人全員が豊かになるという発想を失ってしまったのだ。その一方で、縮小するパイを巡って「お前は不当に取りすぎる」と、誰か相手を見つけて怒鳴りちらしている。
(中略)
 二つ目は、縮小するパイを分配・シェアできないということだ。簡単に言えば、同質性が高く、互助の精神があると言われるにもかかわらず、日本人は互いに少なくなるパイを分け合うという発想がなく「あいつがもらいすぎている」「こいつが楽をしている」と文句ばかりを言っているということだ。
 少し難しい言葉に直すと、所得再配分についてコンセンサスを築けていないのだ。
 まず、1990年代後半以降の日本には、政府を中心にした所得再配分を支持するような気配はどこにもない。具体的に言うと、いわゆる「大きな政府」と「小さな政府」のどちらを選択するのかを国民は決めかねたままだ。大きな政府とは、政府が経済や社会に介入して、企業の活動を規制したり、手厚い社会保障を整えたりする。それに対して小さな政府とは、基本的にマーケットに多くの物事を任せる。

 現代の日本社会に置き換えれば、政府の大小を巡る具体的な対立軸は何だろうか。それは二つだ。一つ目は「税・社会保障を中心とした受益と負担の関係」であり、もう一つは「経済面での自由競争か政府介入か」というものである。
 1990年代後半以降の日本社会は、この二つの対立軸を巡って、大きな政府か小さな政府かを決められない状態が続いている。その象徴が1000兆円にも達しようかという累積財政赤字である。今の日本人が受けている行政サービスと負担している税金の差がこれほど大きいというのは、政府の規模についてコンセンサスが築けていない証拠である。

 確かに、事業仕分けで明らかになったように政府にはまだまだ無駄遣いがある、あるいは、政府は信用できないから税金を払いたくないという政府不信感が強いということもあるだろうが、やはり、今の日本人の受益と負担に関する感覚は麻痺しているとしか言いようがない。

 もちろん、政府の形を決めることだけが所得再配分のやり方ではない。自分達で話し合って自主的に決めることもできる。自助・公助・共助などがそうだが、社会自身も自らの力でコンセンサスを自主的に築けていないのが現状だ。


著者は鋭く分析するので、日本社会のコンセンサス力の無さはよくわかった。



【これから20年、三極化する衰退日本人】
衰退
中野雅至著、扶桑社、2012年刊

<「BOOK」データベースより>
生活保護、増税、資産フライト。2030年、日本人の生活レベルを大胆予測!“負け組”ばかりを生み出す衰退社会から抜け出すために必要なスキルとは何か。

<大使寸評>
2003年にキャリア官僚から転職し、現在は大学の準教授の著者とのこと。
三極化とは、依存する人、搾取される人、脱出する人なんだそうです。・・・
まったく夢も希望もない2030年を予想している本であるが、ほっとけばアメリカのような社会になるわけで・・・・
とりあえず、目先のTPPに反対しようではないか。

Amazon これから20年、三極化する衰退日本人
衰退社会2.0というキャッチコピーに byドングリ







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Last updated  2014.06.06 00:02:48
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