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2014.06.19
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カテゴリ: 気になる本
「なんどい ダボ!」
神戸や摂津の住人にとって播州弁ですごまれたら・・・怖いでぇ。

でも播州弁や河内弁は、けんかの時は断然優位に立つわけで・・・
その口調を覚えておくべきかと思ったりする(笑)

冗談はさておいて・・・
最近、我が娘が播州人に嫁いだことや、このところの「軍師官兵衛」の放映に触発されて、播州が気になるのです。

図書館で「播磨気質」という本を借りたのだが、播州が面白くレポートされています。


<ダボ、ワレ・・・>p13より
 レシーバーの奥から、どすのきいた声が響く。ぶっきらぼうに「〇〇は何番どい?」。問い返す間もなく「ワレ、はよ調べんかい」の追い打ちだ。答えにまごつけば「オンドラ、ドアホ」ととどめの一撃をくらう。

 聞きしにまさる播州弁の迫力だ。姫路電電局の番号案内「104」と「105」にかかる問い合わせ電話は1日2万本余り。そのうちの何本かは「理由もなくののしられる」という恐怖感を交換嬢に与えて切れる。「一生懸命調べているのに、親にも言われたことのないような言葉で口汚くののしられて・・・。よほど逃げて帰ろかと考えた」とは、但馬の浜坂から出てきて勤続27年というベテラン職員が語る初出勤の思い出だ。


播州の中心地といえば姫路であり、姫路のシンボルと言えば姫路城となるのだが・・・・播州人はこの姫路城を誇りに思っているかといえば、この本の刊行時1989年は、そうでもなかったようです。


<あてがいぶち>p29~31より
 「せめて年1回でいい。気分を新たに登閣してもらえたら・・・」
 姫路城管理事務所で、香山宏所長が嘆く。姫路市のシンボルであり、市民の心のふるさとであるはずの姫路城。その天守に市民がさっぱり登ってくれないというのだ。姫路青年会議所が58年(1983年)8月に行った調査では全登閣者のうち市民はわずか5.1%、年間登閣者約85万人からはじくと4万人余りに過ぎない。さんざんの数字だ。
 登閣者だけではない。裏側の姫路公園は碁、将棋をする老人や散歩の親子連れがちらほら見られるだけ。同じ播州ながら、明石城の早朝体操、散策、スポーツなど市民あげてのフル活用ぶりとは対照的だ。

 世界に誇る名城がたったの23円50銭―。明治新政府が出した廃城令に伴い姫路城が売りに出された時の落札値(明治十年)だ。米価に換算すると今の約20万円ぽっち。市民の反対運動も起こらなかった。後でことの重大さに気づいた陸軍省幹部が動き、すんでの所で命運を今日につないでいる。
 対する明石城は市民運動に救われた。小学校建設用材に転用が決まったが“落城”寸前に地元藩士らが総決起し、現存する東西二櫓(やぐら)を守り抜いた。保存運動、現在の利用状況ともまさに市民の城である。
 二つの城の間になぜこれほどの差が生じるのか―。播磨の民衆史などに健筆を振るう作家の寺林峻さんは「姫路城があてがいぶちの城だったからではないか」とみる。

 確かに、池田一族が百万石の財力と威信をかけて築城した堅固な連立式天守閣は徳川政権の押し付け。豊臣方の本拠、大坂をにらみ、西国の外様諸侯を封じ込めるのが狙いだった。輝政の死後、池田家は転封され、代わって本多、松平、榊原、酒井など譜代大名が入国したが禄高は15万石程度。城は国力に不似合いの飾り物となり、藩主のめまぐるしい交代は領民から活力を奪っていった。

 「播州は古くから権力にあらがった政治犯などが流されてきた地。長いものに巻かれることを潔しとしない気骨があった。が、“第二江戸城”に匹敵する巨大な城郭の出現で気力がなえ“寄らば大樹のかげ”というべき播磨気質ができてしまった」と寺林さん。
 お上の意向に唯々諾々と従い、あてがいぶちで満足する気質を播州人に植えつけたとすれば、お城の罪は大きい。どんな時代であれ、権力や権威に抵抗し、反発する精神が独自の文化と創造性を生む源泉であったはずだからだ。

 精神風土の甘さゆえの“あてがいぶち”はまだ続く。姫路を軍都に変えた第十師団も国からの授かりもの。鉄道誘致の夢破れた丹波・篠山町が起死回生策として町をあげて運動、歩兵70連隊誘致に成功したのとはまったく事情が異なっている。



<前進基地>p55~56より
 西日本一の豊かさを誇る播磨国は事が起きるたびに、外部の勢力から狙い撃ちされる。古代には朝鮮半島から渡来人が大量に入り、鎌倉政権誕生後には、いわゆる地頭として関東御家人が次々と入国。さらに南北朝の動乱期には、山陰、北陸諸国から悪党の群れがなだれ込み、そのまま居座った。その他、海を渡って上陸した四国人、明治維新後、職を求めて移住して来た西日本、九州人。播磨人は東西の血が色濃く混じり合い、類がないほどの混血民族と評判されるゆえんだ。




<あとがき>より
 「播磨国の風俗は、知恵があって、しかも義理は知らない。親は子をだまし、子は親を欺く・・・」
 「姫路人は利害関係に敏感で、自分本位の行動に走る。あるいは打算的な行動をとるため、諸集団の連帯性とか、統一性が持続しない」
 いずれも、本書の中で幾度か引用した文章である。ご記憶の読者も多いだろう。というより、これだけ手ひどくやられては播州人の一員として記憶に残らざるを得ない。なぜ、我々はこれほどまでに悪しざまにののしられなければならないのか?

 前者は江戸中期の「人国記」の記述。後者は昭和の時代に信金総合研究所がまとめた地域特性の研究報告書の一節だ。二つの文章の間には、ざっと250年の歳月がある。時代の流れを超えてなお、二つの播州人論は、なぜ、これほど似てしまうのだろう?
 播州人を語るのに、悪口の例は事欠かない。既に本書で紹介したように、利己的、打算的、排他的・・・。あるいは、言葉が汚い、柄が悪い、気が荒い・・・。が、これらの言葉は、本当に播州人像を言い当てているのだろうか?よしんば思い当たるふしがあったとしても、それは播州人の本来の気質にゆえんするものなのか?企画「播磨気質」は、まさしくこうした疑問符の積み重ねから生まれたといえる。

(中略)
 全体を通じて、もっとも力を入れたのは「播州人よ、もっと自信を持とう!」「大国播磨の末裔として、胸を張って播州人と名乗ろうではないか!」という呼びかけである。その意味では、シリーズそのものが一種のキャンペーンであったと言えるが、実は第一部の掲載当初はビクビクものであった。「みな盗賊」「ダボ、ワレ」「あてがいぶち」「殿様商法」「腰くだけ」など刺激的な言葉の連続に「読者から反発の電話が殺到すのではないか」と本気で心配したものである。
が、結果は予想に反して「なかなかおもしろい」「よう書けとる」との声をいただいた。連載途中には、播磨という地域の奥の深さ、とらえどころのない多様性に直面し、つい“腰くだけ”になりそうな時期もあったが、そんな時には「次のシリーズはまだか」「早く始めろ」と励ましの言葉まで数多く頂戴した。播磨の人々のおおらかさ、度量の広さのおかげで、完結できたようなものである。



【播磨気質】
播磨

神戸新聞社編、神戸新聞社、1989年刊

<内容紹介>より
データなし

<大使寸評>
「なんどい ダボ!」
神戸や摂津の住人にとって播州弁ですごまれたら・・・怖いでぇ。

rakuten 播磨気質





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Last updated  2014.06.19 15:38:53
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