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2014.08.26
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カテゴリ: 歴史
図書館で「黒田官兵衛―稀代の軍師」という本を借りたのは、まず第一に、大河ドラマ放映中というミーハーな理由であり・・・・
それから、播磨の英傑・黒田官兵衛を知っておきたいわけです。
なんといっても、ドングリ国は播磨のお隣であるからです♪

この本には「官兵衛を歩く」という神戸新聞連載記事のコーナーもあり、大使もそのうち官兵衛ゆかりの地を訪ねようと思っているところです。


黒田

播磨学研究所編、神戸新聞総合出版センター、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
データ無し

<読む前の大使寸評>
大河ドラマ放映中でもあるが・・・
播磨出身の黒田官兵衛の足跡をたどるには、播磨に隣接するドングリ国は絶好の地に在るわけです♪

大使は関西ネイティブではないのだが、この歳にもなると、ご当地の 播磨気質 なども、気になるのです。

Amazon 黒田官兵衛―稀代の軍師


ドングリ国の民としては、黒田官兵衛と播磨とのつながりについて、まず知っておきたいのです。

<近江、備前福岡、そして姫路:橘川真一> よりp68~71
 姫山には、おそらく御着城の支城みたいなものがあったのでしょう。重隆は大百姓の竹森新右衛門のところに身を寄せますが、わずか一振りの太刀と一領の甲冑が武士の面影をとどめているだけだったとあります。その日の暮らしにも困る有様でしたが、ここで黒田一族の力が発揮されるのです。司馬さんは、黒田一族は商才に長けていたのではないかというのです。商売上手で合理的だったとあります。

 そんななかで姫路・広峯神社と御師たちを知って、結びついていきます。御師は、神主に仕える一種の布教者で、御札(神符)を配って歩いていました。重隆は、御札に付ける薬の調合を頼まれます。幸い黒田家には家伝の目薬があり、これが大変な人気になりました。黒田家はこれによって、財を蓄え、のちの基礎を築くのです。

 兵庫県の南部辺りの民俗調査をしていますと「広峯講」という村組織に出くわします。この「広峯講」というのは最近までありました。30年以上前になりますが、地域の調査をしたときのことです。稲の豊作を祈るのに広峯神社へ行って御札をもらい、それを貼っておく習慣がありますが、これを司るのが「広峯講」でした。官兵衛の当時、広峯神社は強い勢力を持っていたと思われます。御師の屋敷跡が今でも少し残っていますが、その御師たちが御札を持って回っていく広峯の勢力は、相当広い範囲に広がっていた、ほぼ播磨全域から周辺地域まで広がっていただろうと思います。

 ここで出てくるのが目薬です。「玲珠膏」と呼ばれ、蛤の殻の中に軟膏を入れたものです。この話は『黒田家譜』などには記録されていません。だが、広峯神社では明治初めまで扱っていたようです。

 当時の播磨は、三木城の別所氏がいちばん大きな勢力でした。中播は小寺氏、西播は赤松氏の諸流が支配していました。すべて赤松一族ですが、この三つの勢力が争ったり、あるいは共同してことに当ったり、そんなことを繰り返してきたようです。姫路へやって来た黒田家は、小寺氏に仕えて家老職になり、姫路城主にまでなっていきます。そういうときに三木合戦が起こったのです。

 播磨の有力者、別所、小寺、赤松は、はじめは織田信長につきます。織田信長は天下統一を果たすために、西国の毛利氏と大坂の石山本願寺の二つを攻めることになります。この毛利攻めの先陣だったのが別所、小寺、赤松だったわけです。信長はこの3人を京都に呼んで馬などを与え、味方につけます。ところが総大将としてやって来た羽柴秀吉が播磨に入ると、別所が叛乱し、小寺も叛く、ということになっていきます。播州が全部、信長に反旗をひるがえしたのです。このときただ一人、秀吉についたのが小寺氏の家老であった黒田官兵衛でした。

 こうして官兵衛は西国攻めのなかで頭角を現していきました。司馬さんは、官兵衛の近代的な考え方が、その第一の理由だろうと言っています。官兵衛の頭の働きは商人の働きで、非常にクールで取引が上手、そして相手と自分の欠点・長所をよく見る頭があったといいます。そして、日本が戦国の群雄割拠で千も二千もの小地域に分かれているよりも、一つの地域になったほうがいいという感覚を持っていました。さらに播州の平定をせねばならない、それができる器量のあるのは別所でも毛利でもなく、織田信長だと考えていたのです。

 こんな近代的な考え方が官兵衛を武将として名を上げる人にしていったのだろうと、司馬さんは語っています。私もそうだろうと思います。秀吉側に付いてから官兵衛の戦略がはじまったのでしょう。



<秀吉と官兵衛と半兵衛:加来耕三> よりp227~229
 信長支持を打ち出した官兵衛でしたが、それでも信長からすると、たくさん来た使者の一人でしかありませんでした。信長の文献に、官兵衛が出てくることはほとんどありません。
 しかし、摂津守護の荒木村重を差し置いて、その西の中国方面軍司令官のポストを射止めた秀吉からすれば、官兵衛はどうしても必要な人間でした。

 さて、そんな官兵衛は性格的にどういう人間だったのでしょうか。講座のタイトルに「」とありますが、軍師には二通りあります。裏の裏を取る、心中の信用できない人と、逆にまっすぐな人です。まっすぐな人は嘘を言わず信用を得やすいので、実は術をかけやすい。官兵衛も、このタイプではなかったか、と私は思います。また、30歳になるまで、小寺という小さい世界しか知らなかった官兵衛は、世間というものがわかっていませんでした。これが、官兵衛のいいところでもあり、悪いところでもあったように思います。

 天正6年(1578)11月、官兵衛が、謀反を起こした荒木村重を有岡城へ説得に行って捕まり、幽閉されるという事件が起きました。
 おそらく秀吉が官兵衛に、「頼むから有岡城に行ってくれ、お前が行けば村重は考え直すかもしれない」ということを言ったのでしょう。秀吉という人は、だいたい狡いのです。目立つとところは自分でやりますが、危ないところは全部、人にやらせます。さらに官兵衛は主君の小寺政職からも頼まれました。小寺と荒木は裏でつながっていましたから、行けば殺されるとわかっていて、頼んだのだと思います。

 しかし官兵衛にしても、行けば殺されるとわかっていながら、行ったのではないでしょうか。一方で、自分ほどの人間が行けばなんとかなるとも考えていた、そういうふうに、わかっていながら行ったところに、官兵衛の若いがゆえの欠点がありました。

 信長は、有岡城からいつまでたっても出てこない官兵衛を疑いました。「殺されて死体が出てきたのでもない、きっと裏切ったのだろう」。官兵衛は、本来、政職が人質を出すべきところを、自分のたった一人の息子をかわりに、人質として信長に出していました。松寿丸、のちの黒田長政です。信長は秀吉に、松寿丸を殺せと命じました。従わなければ、今度は秀吉が疑われます。この松寿丸の危機を救ったのは、竹中半兵衛でした。秀吉ではありません。半兵衛が秀吉の身代わりとなって、信長の責めを一身に負い、死ぬことを前提に、松寿丸をかくまい、そのおかげで長政は生き残りました。

 これは、のちの関ケ原の戦いを解析する際の、重要なポイントです。徳川家康の東軍が勝てた最大の理由は、黒田長政にありました。長政が福島正則以下、豊臣恩顧の武断派大名をことごとく、家康方に引き入れたから、家康は勝てたのです。長政はおそらく、自分が秀吉に殺されかけたことを知っていたのでしょう。このとき長政は、西軍に付いた半兵衛の息子、重門を説得して東軍に付け、竹中家を救ってもいます。長政は半兵衛への恩義を忘れていませんでした。歴史は連続性のなかでとらえられるべきです。点でとらえては、わからなくなります。なぜ、この人はこのときこんなことをしたのだろう、たとえば、なぜ、長政は関ケ原で東軍に付いたのだろう、その時点に答えはありません。答えはすべて、過去の中にあるのです。

 竹中半兵衛は、よりたった2歳年上なだけですが、よくできた人でした。



<あとがきに代えて:橘川真一> よりp276~277
 姫路城の「お城まつりパレード」で、黒田官兵衛ら黒田武士の行進が人気を集め、沿道の喝采を浴びている。姫路城で生まれた、たった一人の姫路城主・官兵衛がやっと陽の目を見たような気がする。これまであまり顕彰されなかったのは、どうしてなのか不思議でもある。2006年には、生誕460年を迎え、九州・福岡では盛大な展覧会や記念行事が行われたという。播磨でも「黒田武士顕彰会」が設立され、記念フォーラムや、ゆかりの地をめぐるバスツアーなどが催された。やっと官兵衛の顕彰がはじまったといえる。

 戦乱に揺れた播磨で、守護にまで登りつめた赤松円心と双璧をなすのが黒田官兵衛である。中世から近世へと日本が大きく変革していった時代に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という英傑に仕えて、大きな役割を果たした。小さな国人領主だった御着城の小寺政職の家老から身を起こし、信長の播磨攻めでは秀吉の参謀として活躍、三木城の干殺し、備前・高松城の水攻め、そして中国大返し、明智光秀との山崎の合戦、秀吉の天下取り、その背後にはすべて官兵衛の知略があったといわれる。

 人生の三分の二、40年近く播磨で暮らした官兵衛は、生粋の「播磨人」だと言える。それ故に、多くの播磨の武士たちを登用し、その力を借りて大きな仕事を成し遂げたのである。初めて西国の雄・毛利氏の大軍を打ち破ったのは姫路・英賀であり、城を築いたのも姫路・国府山城で、初めて大名になったのも宍粟・山崎であった。豊かであった播磨を足掛かりにして、名将としての名を上げていくのである。そこには「播磨人」としての気骨と、誇りがあった。

 播磨学研究所では、これまで『風は悪党の背に』『赤松一族の盛衰』『播磨戦国史群雄たちの興亡』など、中世を舞台にした講義録を出版してきた。2007年には、黒田官兵衛に焦点を当てた特別講座を開催、この本はその講義録である。






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Last updated  2014.08.26 06:44:42
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