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2015.07.17
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『ほっこりぽくぽく上方さんぽ』という本を手にしたが・・・
関西案内として、いけてるんやないけ♪

京阪神の微妙な違いや見所を知るとなれば・・・
関西ネイティブのお聖さんの本がいいんじゃないでしょうか。

関西の戦時、終戦時ころといえば、関西ニューカマーの大使にとってはミッシングリンクであるが、この本でその穴を埋めようという意識がはたらいたのかもしれません。


【ほっこりぽくぽく上方さんぽ】
田辺

田辺聖子著、東京美術、1999年刊

<「BOOK」データベース>より
お聖さんと一緒に出かけませんか?上方の心懐かしきたたずまい、現在のぬくもりに触れる旅へ-。あたらしい関西案内。
【目次】
1 始まりはミナミ/2 大阪ベイエリア/3 キタを味わう/4 ちょっとそこまで…/5 南へ、神の国へ/6 京都慕わし/7 上方モザイク

<読む前の大使寸評>
京阪神の微妙な違いや見所となれば・・・
関西ネイティブのお聖さんの本がいいんだろうね。
ちょっと古い本なので、楽天ブックスに画像が無かったけど。

rakuten ほっこりぽくぽく上方さんぽ


キタの住民、お聖さんが釜ヶ崎、上町台地あたりを巡っています。

<オダサクと坂の町>よりp16~29
 昭和41年にも再び釜ヶ崎で暴動が起きた。釜ヶ崎の碁会所で火事があり、消防車の出動が遅いというので労務者と消防士の間で言い合いになった。それがきっかけで警察の派出所やタクシーに投石、火つけが行われた。2千人が騒いで機動隊が出動し、騒ぎは三夜つづいた。警官たちが悩まされたのは雨あられと降る投石である。町のまん中でどこにそんな石があるかと思われるが、これは南海電鉄阪堺線と国鉄関西線の線路の石を取って投げるのだから無尽蔵である。

 しかも大阪人の間の噂話では、男たちは石を投げるのにいそがしく、取りにいくひまがない。女たちが汚い乳母車や買物車に線路の石を積み、
 <一個〇円、二個で〇円>
 と売り歩いていたというのだ。大阪人は何というたか。
 <エラい奴ちゃの、さすがは大阪モンや、はしこい。そうでのうてはあかん。ほめたる>
 何をほめとんねん。ほんとに見当はずれなほめ方をするのが大阪人である。この騒ぎがきっかけで、大阪府、大阪市、大阪府警は相談して釜ヶ崎を明るい清潔な町にすることを申し合わせ、名称も変えよやないか、と<あいりん地区>に改めたのである。なお、線路の石を今後も無尽蔵な武器に用いられてはたまらぬので、南海電鉄と国鉄に対し、石を取りのぞいてアスファルトや敷石にするよう、協力を申し入れた。南海と国鉄はとんだとばっちりであった。

 ともあれ、<あいりん地区>のある西成区もごくふつうの市民がふつうの庶民的生活を営む地域であるにはちがいない。釜ヶ崎や西成を詠む川柳作家、西川晃さんの句は明るい。
「十字架がおかまの胸に垂れ下がる」 晃
「立飲みの父を持つ子が立読みし」 晃

 この、ほっこり味が大阪風である。いちばん、ほっこりには関係なさそうな釜ヶ崎でも大阪人の<うちら>へ入ると、とたんに、ほっこりと、おかしな味になってしまう。しょうがない。そういう遺伝子を、大阪人はインプットされているとしか思えない。何でもほっこり味にしてしまう。

 さて、ぽくぽくあるきが、あるきはじめ早々、釜ヶ崎で寄り道してつまづいてしまったが、私はいっぺん、かねてより見たいところがあった。
 上町台地の坂である。大阪にも坂があるのだ。神戸に坂が多いのはよく知られているし、私自身、坂のてっぺんに住んだことがあるが、大阪は平地だから、ほとんど坂はない。しかし一部に高台がある。従って平地をつなぐ道路は坂になる。

「上町台地は、大阪城から南へ幅およそ2キロの南北に細長い高台である。西側は急傾斜の崖となっており、西側斜面を東西に刻んだ谷は、生国魂神社から一心寺にかけての、真言坂・源聖寺坂・口縄坂などの急坂となっている」(大阪春秋77号)

 つまり太古、難波はほとんど海だった。淀川の河口にいくつか島があって、これが世に言う難波の八十島。そして海から屹然とそびえていたのが上町台地で、古代の難波の都もここにあったのだろう。港があり、外国使節を迎える迎賓館もあったろう。やがて石山本願寺ができて、大坂城ができて、大坂のまちが興る。
 坂の下も次第に海がしりぞき、陸地となり町になった。坂は庶民のくらしを見てきたわけである。

 そういう坂をオダサクも歩いている。
 私は大阪でもキタの生まれだから、ミナミの、日常生活に密着したような路地の坂、早くいえば路地坂(そんな言葉はないが)は知らない。オダサクの歩いた坂道を見たいと思いながら、大阪の上町まではなかなかいけない。イラストのあおきさんに、
 <大阪の坂道、知ってますか>
 と聞くと、あたし、大阪生まれじゃないもんで、とのこと。大阪在住歴はまだ浅いそうである。

 ともかくいってみようと上町台地の下を南北に走る松屋町筋へ車を走らせた。下寺町1丁目の源聖寺、そのちょっと南にあるのが、これが有名な源聖寺坂で、碑があるからすぐ分かる。長い石畳がつづき、はるか彼方に急な石段が望まれる。両側はお寺の塀、<大阪に江戸時代あり>というおもむきである。私は爪先上がりの石畳に、早くも息切れし、目もくらみそうになる。
 <何かあるんですか、この坂に。いわく因縁が>
 若いあおきさんはリュックを背負い、かるがると足を運ぶ。さすがに若いだけに息も切らさない。
 <あるんですよっ。ともかく色っぽい坂なんですっ>
 私はモノもいえない。坂道はキライだ。キライだが何と美しい坂道だろう。ここまでくると松屋町筋をびゅんびゅん走る車の喧噪がハタととだえる。しんとした石の坂だ。

 <だってお寺ばっかりじゃありませえんか、どこが色っぽいんですか?>とあおきさん。
 <オダサクが・・・・いつも通っていた道・・・・なんですぅ・・・・こ、この上の、上汐町に、い、家があった・・・・あったから、いつも、ここや、く、口縄坂を・・・・ふと、ふところ手して・・・・>

 私は目もくらみ、声もかすれ、必死に石段をのぼる。あおきさんは叫ぶ。
 <あっ、わかりました、色っぽいわけ!ファッションホテルばっかりですね>
 ふと見上げれば、いつのまにかお寺の塀は切れ、両側、片仮名のラブホテルで埋めつくされている。

 源聖寺坂は、思っていた以上に風情のある坂であった。ふっさりと樹々がかぶさり、大阪は緑の少ない町やと私などは思いこんでいたが、この上町台地で見る限り、<森の都>である。木々におおわれた石畳の坂道をゆくと、古い大阪がたってくる。明治の中頃までは、船場あたりの人が天王寺詣りをするには、この源聖寺坂を登り下りしたらしい。それで坂は賑わって、坂の中腹の料亭が繁盛したという。
(中略)

 <なぜあのたぐいのホテルは片仮名が多いんでしょうね>
 <漢字知らんからやろ、それよりも>
 と私はあおきさんの率直な好学心をむりにねじ伏せ、
 <みなさい、日本橋へんのビル群、はるかにかすむミナミの繁華街、なるほど上町台地は高い丘陵だとわかるでしょう。坂の勾配、きついはずです>

 齢延寺の向かいが銀山寺、ここは近松の『心中宵庚申』の主人公ら、お千代・半兵衛の比翼塚がある。ついでにお詣りを、と思えば<鉄線コスモス嬢>が指でペケをして門が開かないと知らせる。
 鉄線コスモスというのは私がつけたアダナで、同行の女性編集者さんである。いま時の若い子だから細い手足がやわらかい鉄線のようにすうと伸び、そのてっぺんにコスモスのような花のかんばせが、ひらっとついている。鉄線コスモスの所以だ。

 鉄線コスモス嬢は木立と寺だらけで人通りもない白い道を考え深げにながめ、
 <こんな上品なところにオダサクがいたんでしょうか、なんかイメージが違う気がしますけど>
 緻密な発想のできる人のようであった。
 <なんの、ここはオダサクの通りみちですよ、オダサクはここを過ぎてもっと東の上汐町4丁目、仕出屋「魚鶴」の息子でね、そのあたりはガタロ横町いうて一銭天麩羅屋、活動の弁士、落語家、蝙蝠傘修繕屋なんかが住んでいるような庶民の町、そこをオダサクは絣の着流し、黒いソフト帽かぶって、ふところに小説本入れて、長髪長身、ぎょろっとした眼で下駄を鳴らして突っきり、この坂を下りてミナミへ、安キャバレーのねえちゃんの手を握って、「ぼくと共鳴せえへんか」とくどいていた・・・・>

 <あの、ガタロって何ですか>
 ええトコで話の腰を折るなっ。鉄線コスモス嬢は何かこだわりがあると、いまいち、話にノリきれないという、<こだわり派>のようであった。

 <ガタロ、知らない?>
 <知りません。大阪生まれじゃないもんで>
 大阪人は東京だろうとどこだろうが平気で大阪弁でしゃべる。大阪弁を方言と思っていないせいだ。大阪弁こそ世界に冠たる日本語だと思っているふしがあるが、それと同じく、大阪特有の名詞もつい全国共通語と早合点してしまう。大阪人の悪癖の一つだ。
(中略)

 「別れ話をくちなわ坂の中ほどで」 中田たつお

 いい味の川柳がしみじみ思い出される、ひっそりと情緒ある坂、坂の途中にやわらかい感じの肩の丸やかな石碑があった。「大阪府立夕陽丘高等女学校跡」とあり校歌らしき一節が彫られている。夕陽丘高女。昔の大阪オトコならその名に心ときめかないものはなかった。

 なぜだかここの女生徒は美少女ぞろい、といわれていた。私の知人の男にいわせると、昔の中学生(旧制)は女生徒と連れ立って歩くのはおろか、口をきく、視線をあてるさえ、ご法度であったという。
 <じゃ、顔も見なくてなんで美少女とわかったんでしょうね>と鉄線コスモス嬢の緻密なこだわり。
 <そこですよ、きっと夕陽丘という名にあこがれたのね>と少し嫉妬を起こしている私。
 お彼岸に真西へ沈む夕日を拝んで人々は日想観を行じたが、藤原家隆の、
 「ちぎりあれば難波の里にやどり来て 波の入日ををがみつるかな」

 からこのへんの高台、夕陽丘とついたという。ともあれ少年オダサクは口縄坂の途中にあった夕陽丘高女の美少女の一人に淡い思いを抱いていた。彼の通ったのは高津中学でほど近い。

夫婦

 いったい大阪男たちは夕陽丘高女の美少女を崇拝するのと、『夫婦善哉』の蝶子はんみたいな働きもんの頼り甲斐ある女と、どっちが好きや、というたら<両方欲しい>と厚かましくいう。蝶子はんに嫁いでもらい、<夕陽丘>にあこがれを捧げつづけたい、イモリの黒焼をふりかけたいというのだ。エエかげんにせえといいたい。


ほっこりぽくぽく上方さんぽ(その1)






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Last updated  2015.07.17 15:24:36
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