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2015.07.25
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『旅の大様』という本を手にしたが、パラパラと斜め読みしたところ、過酷な旅や迷子体験などが語られています。
これこそ、旅の楽しさの本質ではないかと思うわけで・・・ええでぇ♪


【旅の大様】
王様

四方田犬彦著、マガジンハウス、1999年刊

<「BOOK」データベース>より
グルジアで盗難に遭い、ロンドンでアパート不法占拠に参加し、サハラ砂漠で寿司ネタクイズに興じ、パゾリーニの墓を訪ねる。市場で迷い、絵葉書を送り、奇妙な料理を食べ、土産物屋でボラれる。…筋金入りの旅のアマチュアがつづる、哀しくもおかしい旅の記憶。

<読む前の大使寸評>
パラパラと斜め読みしたところ、過酷な旅や迷子体験などが語られています。
これこそ、旅の楽しさの本質ではないかと思うわけで・・・ええでぇ♪

Amazon 旅の大様


この本で、旅行中の災難を見てみましょう。
大使もサウジアラビアでの通関には往生こいたのだが・・・
この災難と比べたら、まだ生ぬるかったようですね♪


<災難とその対策>p14~17
 何かの気配に気がついて、ハッと目が醒めた。三人の若者がわたしの足の下に置いた荷物に手をやって、それをこっそりと運び出そうとしている。慌てて叫ぼうとしたが、そのうちのひとりがどうやら刃物らしきものを突きつけ、小さな声で何かをいった。
 やがて彼らは仕事を終えると、ふっと姿を消した。あっという間の出来事で、わたしはしばらく狐につままれていたかのように、呆然としていた。同行の二人から少し離れたところで長椅子に身をもたせかけていたのが災いしたのである。ほどなくして恐怖の感情が蘇ってきたころに、彼らが駆けつけて来た。わたしはパスポートや現金はおろか、カメラ、メモ、日本までの航空券、そして着替えの衣類まで、ほとんどすべてを奪われてしまったのである。

 さて、これからが大変だった。駅の公安の連絡を受けて、二人の刑事が駆けつけて来る。彼らはともに、同郷の独裁者スターリンそっくりの顔と体型をしていて、わたしこそが犯人であるかのように警察署まで連れて行った。二日間にわたってみっちりと事情聴取があり、奪われたもののことごとくをわたしは報告しなければならなかった。
 ロンドン製Tシャツで、表に大きく「レノン」と書いてあります、といったぐあいである。それはいくらのものかとか、スターリンその1が尋ねた。20ドルくらいでしたと、わたし。それはわれわれグルジア警察の職員の半月分の給料だと、スターリン2がいった。1のほうが、わたしを叱りつけるような口調でいった。「」

 読者のなかには、わたしがどうやって彼らと意思疎通可能だったか、疑問に思う人もいるだろう。そう、われわれはなかに二人の通訳を介しながら、英語、ロシア語、グルジア語を往復しつつ話を進めたのだ。どうして取調べがこんなに念入りだったのかといえば、われわれ一行が、女王陛下はもとより、当時の独裁者ガムサフルギア大統領とも面会していたためである。警察側はわれわれを、西側のきわめて重要なジャーナリストにちがいないと、勝手に思いこんでいたためだった。その結果、わたしは睡眠4時間の日が二日続くことになった。

 結局、写真家と記者はアゼルバイジャンに出発、パスポートを持たないわたしはモスクワへ戻ることになった。災難の直前まで滞在していたホテルへと、わたしはすごすごと引き返してくた。
 二人のスターリンたちが書いてくれた証明書のおかげで、ともかくも宿泊と朝食だけは確保されたが、気の落ちこみようはただごとではない。強盗たちがちらりと見せた光り物の不気味な感じは、いつまでも脳裏を去らなかった。喪った現金が惜しいとはそれほど感じなかったが、さあこれからコーカサスを抜けて中央アジアを横断し、中国との国境のところにまで足を伸ばそうと目論んでいた矢先に、情けなくも一番最初の都市で躓いてしまったのだ。このことの挫折感は大きかった。
(中略)

 翌日、飛行場に行ってみると、前日の同じ時刻に出発する便がようやく24時間遅れで出発するというところだった。二人のスターリンが権限でもって乗客たちのなかから一人を引き摺り下ろし、わたしを乗せた。ほとんど無一文のままモスクワの空港に到着したわたしは、証明書のおかげでなんとか外国人専用ホテルにありついた。もっとも夕食を食べにレストランに行く金などあるわけない。ロビーをぶらぶらしていると、いかにも娼婦といったなりの、ミニスカートに毛皮のコートの女が片言の英語で話しかけてくるのだが、こちらには答える気力さえなかった。もう自分はけっしてソ連に来ることはまいだろうから、最後にコレを眺めておこう。そう思ったわたしは、腹をすかしたままカリーニン通りを散歩した。

 グルジアの老婆たちのお祈りが効いてきたのか、少しずつ運が向いてきたのはこれからである。夕暮れの街角を歩いてくると、『地球の歩き方』の韓国語版を手にした韓国人学生の一行と擦れ違った。わたしはともかく片言の韓国語で、わが身にふりかかった長い災難のいっさいを説明した。「ちくむ、ちょんまるぴごんね。ぱぷ、もごしっぽよ」とわたし。もうクタクタ。メシ食わしてくれえ、くらいの意味である。

 彼らはこれから友人の留学生の誕生パーティに行くところだといい、わたしを気安く仲間に入れてくれた。信じられないことに、韓国人たちはモスクワでも律儀にキムチを食べていた。

 こうしてわたしは夕飯にありつくことができ、そのあと二食を抜いたまま、翌日の夜にはモスクワ国際空港に入ることができた。すでに疲労は極言に達していた。日本大使館がぶっきら棒に差し出した帰国証明書だけを片手に出国審査を受けようとしたが、係官の若い兵士はソ連のヴィザを提示しないと出国はできないと頑強に主張した・・・・


このような絶望的状況から無事に帰還できたのだから、もう旅行中にどんなことが起きても克服できるのでしょうね♪

四方田さんが「道に迷う悦び」を語っています。
おお わが意を得たりやでぇ♪

<道に迷う悦び>p148~150
 そう、思い出してみるならば、実にたくさんの外国の都市で、迷子になったものであった。はじめて訪れたソウルでは、かの迷路のごとき南大門市場のなかで案内の友人と逸れてしまい、呉服屋街から魚屋街、肉屋街と、同じ場所を1時間ほども廻ったことがあった。あまりに頻繁にウロチョロするので店の人に不信がられ、ひどく心細い思いをしたあげくに、やっと友人にピックアップされたわけだが、ソウルの巨大な胃袋とも呼ばれるこの市場で迷うという体験に、ある種の陶酔感があったことも事実である。

 またモロッコの旧都フェズでは、これもまた群衆で溢れんばかりの旧市街に入りこんだ瞬間から、もう自分がどこにいるのか見当がつかなくなってしまい、しきりと話しかけてくる自称ガイドに悩まされながら、ほうほうの体で新市街へと脱出したこともあった。
(中略)

 結局のところ、旅行という旅行のなかでもっとも強い印象をあとあとまで残すのは、道に迷って困りはてたという体験ではないだろうか。おそらくソウルの市場でひとりきりになることがなかったとしたら、韓国人の肌身に触れる親切さを知る機会は、もっとあとになっていたことだろう。メディナで群衆に揉まれるということがなかったとしたら、フェズの思い出はもっと淡いものとなっていたことだろう。それにあのボストンでの深夜の災難があってこそ、フライッシャーの恐怖映画『ボストン絞殺魔』の本当の面白さがわかったのではないか。

 もちろんあらゆる旅行が、迷子になるという体験を伴っているわけではない。たいがいの場合、わたしはまず未知の邑に到着すると、キオスクなり書店なりで現地の地図を求め、現在位置やホテルの場所、翌日発つことになる町外れのバスターミナルの場所までを、その場でキチンと地図のうえに書きこんでもらったりする。

 にもかかわらず、しばしばわたしは迷ってしまう。片言の現地の言葉で子供たちに道を聞き、そこへ暇な大人たちが加わって、人の群れができる。誰かが、付いていってやろうといい出す。ぼくも一緒にいくよと、子供のひとりがいい、他の子供たちがそれに準ずる。こうしてあっという間にハメルンの笛吹きのような行進が始まり、わたしはさらにぐるぐると周囲を廻ったり、ときには余興でジャッキー・チェンの真似をしたりしながら、ようやくホテルに到着するのだ。

 これが東京での毎日であったとしたら、時間に追われていて、とうてい迷うことの愉しみを満喫することなど、思いつかないことだろう。摂氏35度の日光の下で汗だらけになったハンカチを絞りながらそう考えるたびに、迷うことこそ、実は旅行にあって特権的な行為なのだと、自分にいい聞かせるのである。






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Last updated  2015.07.25 01:43:28
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