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2015.11.03
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カテゴリ: 気になる本
図書館に借出し予約していた『潜水艦(歴群「図解」マスター)』をゲットしたのです。
とにかく、この本の目次を見ると分かるように・・・
潜水艦オタクとしては、この本は押さえておくべきでしょうね。



潜水艦

白石光著、学研パブリッシング、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
潜水艦の歴史、種類と役割、構造、各部の機能、兵装を中心に体系的に図解。わかりやすい解説と徹底的な図解により、潜水艦の「本モノの知識」が身につく!!
【目次】
第1章 潜水艦とは?/第2章 潜水艦の発達史/第3章 船体構造と水中での機動/第4章 潜水艦の内部構造/第5章 潜水艦の動力/第6章 航法・探知・通信システム/第7章 潜水艦の兵装/第8章 戦術・運用/第9章 対潜水艦戦

<読む前の大使寸評>
潜水艦オタクとしては、この本は押さえておくべきだろう。

<図書館予約:(10/06予約、10/31受取)>

rakuten 潜水艦(歴群「図解」マスター)


大戦中期以降、アメリカが大量投入した潜水艦によって通商破壊作戦が実施されたが、日本海軍は有効な反抗策を取り得ず、手痛いダメージを受け続けた。何故か?
そのあたりの戦術について、見てみましょう。

p146
<単艦戦術と群狼戦術>
 第一次大戦から第二次大戦の初頭までの潜水艦は比較的単独で行動していた。だが、通信技術の発達によって、Uボートの集団運用が可能になると「群狼戦術」が誕生した。

 潜水艦が本格的な海洋兵器として外洋へも進出するようになったのは第一次大戦時であった。しかし当時の通信技術では、陸上の司令部と個艦の双方向通信は不可能ではないにしろ難しく、一方で、すでに電波の逆探知技術が登場していた。

 そのため、隠密行動がすべてといってもよい潜水艦としては、司令部との通信はあえて危険を冒してまで行われねばならない必須事項ではなかった。同様に潜水艦同士の通信も難しかったため、結局のところ、当時の潜水艦は嫌でも「一匹狼」として単艦行動をするしかなかった。

 単艦行動における戦術は二つに大別できる。ひとつは、あらかじめ司令部が決めた哨戒区内を巡回し、そこに入り込んできた敵艦船を撃沈する「待ち伏せ戦術」。もうひとつは、敵の主要航路に沿って比較的自由な針路での哨戒航海を行い、自ら「獲物」を探し出して沈める「放浪戦術」である。

 両戦術とも、第一次大戦のみならず第二次大戦でも用いられたが、前者の場合はもし当該の潜水艦が撃沈されてしまったとしてもおおよその喪失海域の見当はつく。しかし、後者の場合はどこで失われたかが不明なことも少なくなかった。

 第二次大戦が勃発すると、当初は前大戦時と同様の運用がなされた。だが通信技術の発達で司令部や個艦間の双方向通信が可能となったため、ドイツ海軍では1940年6月、敵輸送船団を発見したUボートが無線で僚艦を呼び集めて集団で襲う「群狼戦術」を行って大戦果を挙げた。そこで連合軍は、対潜哨戒機や各種対潜艦艇を大量投入し、ドイツ海軍の暗号解読に加えてレーダーやHF/DF(高周波方位測定装置)を用いた「Uボート狩り」を実施。その結果、1944年2月になると損害に比べて戦果が著しく減少し、ついに群狼戦術は消滅した。

 一方、アメリカ海軍は潜水艦に装備したレーダーや無線電話を駆使し、原則3隻単位で行う独自の群狼戦術を1943年10月から実施。太平洋戦域で対日戦終結まで続け、多大な戦果を得ている。


海上自衛隊も採用しているAIP機関を見てみましょう。
p106
<AIP機関>
 原子力潜水艦を保有できない国にとって、原潜同様に空気にあまり依存しないAIPは重要な技術となっており、燃料電池やスターリング機関などが実用化されている。

 潜水艦は隠密性が命であり、これを維持するための最良の方法は、作戦行動中は一切浮上しないことで。しかし、通常動力では定期的な大気の取り入れが不可欠であり、最低でもシュノーケルが使用できる潜望鏡深度までは浮上しなければならない。

 そこで、運転サイクル中に大気に依存する部分がない動力(非大気依存推進、AIPと呼ばれる)が模索され、第二次大戦中に開発が進められたヴァルター機関がその嚆矢となった。だが、同機関に不可欠なT液は取扱いが厄介な危険物であり、さらに、当時の技術での実用化は難しかった。

 やがて、運転に際して空気をまったく必要としないため、潜水艦にとって理想的な動力である原子力推進が実用化されたが、原子炉の製造、維持、運営はどこの国でもできるわけではない。そこで非大気依存推進が改めて注目されることとなり、現在、以下の方式が実用化されている。

●燃料電池:電気化学反応によって動力となる電力を得る方式で、水素燃料電池を搭載したドイツの212A型潜水艦が知られる。

●スターリング機関:熱エネルギーと運動エネルギーの相互変換のカルノー・サイクル理論に基づく動力。スコットランドの技師ロバート・スターリングが1816年に発明したものを現代技術で実用化し、海上自衛隊のそうりゅう型などに採用されている。

●クローズド・サイクル・ディーゼル:ディーゼル発電機の排気ガス中の二酸化炭素を除去し、酸素を補って循環再使用させる方式で、旧ソ連のケベック級(615型)に採用されていた。

●クローズド・サイクル蒸気タービン:ヴァルター機関の発展改良型ともいえる類似機関。フランスのMESMA(水中単独エネルギー・モジュール)がもっとも知られている。


水上攻撃機『晴嵐』を3機搭載した潜水空母・伊400型潜水艦が興味深いのだが、所詮、潜水艦での航空機運用は戦略的に疑問符が付いています。
p172
<潜水艦での航空機運用>
 潜水艦の初の航空機運用は1915年と意外に古い。第二次大戦の日本海軍は伊400型潜水艦で攻撃も含めた本格的な航空機運用を行い、アメリカ本土史上初めて爆撃した。

 潜水艦から発進した航空機が初めて実戦で使われたのは1915年1月15日のことで、ドイツのU12から離水した1機のフリードリヒスハーフェンFF.29水上機がイギリス本土沿岸部を偵察飛行し、ベルギーのゼーブルージュに帰還している。だがこのときはU12の甲板上にFF.29を乗せ、船体を浸洗状態にして自力離水させたにすぎなかった。

 これに対して、1934年に竣工したフランスのモニター潜水艦『シェルクーフ』はセイル後部に耐圧水密格納庫を備え、正規の艦載機としてマルセル・ベソンMB411水上観測機1機を搭載していた。

 だが、世界でもっとも多くの潜水艦に艦載機を搭載したのは日本である。初めて耐圧水密格納庫を備えて艦載機を搭載したのが1932年竣工の伊5潜で、カタパルトとクレーンも装備。以降、伊6潜から伊14潜までの9隻をはじめ、終戦までに40隻を超える伊号潜水艦が艦載機搭載能力が付与された。

 太平洋戦争における潜水艦艦載機の主流は非力な零式小型水上偵察機だったが、1942年9月、伊25潜から発進した同機が二度に渡ってアメリカ本土オレゴン州を爆撃した。なお、これは今日に至るもアメリカ本土が敵機に空爆された唯一の例とされる。

 やがて日本は戦争の進捗にともなって制海権を失い、空母機動部隊の運用も困難な状況になると、優秀な水上攻撃機『晴嵐』を開発。これを2機搭載する伊13潜と伊14潜の2隻を就役させ、さらに3機搭載の伊400潜、伊4010潜、伊402潜が建造された。この伊400型は当時世界最大の潜水艦で「潜水空母」とも呼ばれたが、結局、『晴嵐』ともども実戦は経験しなった。
 一方、ドイツはごく一部のUボートに組み立て式ローラー・カイトのフォッケ・アハゲリスFaバッハシュテルチェを搭載した。その名のごとくローターを備えた凧で、母艦に引っ張られることにより、「凧揚げ」されて高度約120mまで上昇。上空から有線電話で遠方索敵情報を母艦へと伝えた。


この本も 潜水艦の世界 に収めておこう。





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Last updated  2015.11.03 21:04:47
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