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2016.01.05
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・中国と日本
・越境者の政治史

***************************************************************

【中国と日本】
中国と日本 より
中国

<熱狂的な民族主義は「毒薬」:保阪正康(ノンフィクション作家)>
 中国語圏で広く読まれている日本人論。著者は北京に住む著名な作家で、かつては日本に滞在し、研究生活も体験している。

 日本への関心の深さとその分析が、正鵠を射ていて、日本人も自省を促される。論じる内容は実に幅広く、赤穂浪士から大川周明、そして歌手の岡林信康まで、さらに長崎という街を通じての原爆論、福沢諭吉を引いての入欧論からアジア主義、リッダ空港銃撃の3人の赤軍兵士と、日本史の中を縦横に目配りする。

 日本人とはどのような国民性を持っているかをあくことなく探り続ける。

 それはとりもなおさず中国自身を見つめることになるというのだ。冷静な筆調に加えて、文学者の視点が随所にあり、この種の書としては説得力をもっている。著者が達した結論は、日本の物語から中国人が学ぶべきは、「熱狂的でかつ利己的な民族主義が、もっとも恐ろしい毒薬」ということ。日中双方がじっくりかみしめたい表現である。


張承志著、亜紀書房、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
“戦争50年”を経て“平和70年”の今、人はねじれたナショナリズムの波に呑まれ、曲がりくねった道を歩く。かつての過ちは記憶の外に消されていき、あとに残るのは「人間」のみ。その人間に必要なはずの道徳は、そして人道はどこへいったのか。中国人作家が歴史・文化・人物・平和憲法をとおして、日中の絆、そして日本を見つめなおす。他者への「敬重」と「惜別」の覚悟をもって語られる日本論。
【目次】
第1章 はるかなる東ウジュムチン/第2章 三笠公園/第3章 ナガサキ・ノート/第4章 赤軍の娘/第5章 四十七士/第6章 解説・信康/第7章 文学の「惜別」/第8章 「アジア」の主義/第9章 解剖の刃を己に

<読む前の大使寸評>
過激なナショナリズムを抑える論調は、日中両国の民にとって大切なんでしょうね。

<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>

rakuten 中国と日本



【越境者の政治史】
越境者の政治史 より
移民

<「移動」に焦点、「日本人」とは:吉岡桂子(本社編集委員)>
 明治時代から第2次世界大戦の敗戦まで、「日本人」はどこへ移り住んだのか。そして、地域の秩序にどのような影響を与えたのか??。

 北海道や樺太から、ハワイ、旧満州、朝鮮半島、台湾、南北アメリカと、移住先での国籍、市民権、参政権をめぐる動きと政治や民族意識のありようを包括的にとらえようとした本だ。

 前提となる日本人を、北海道アイヌ、沖縄人、小笠原の欧米・ハワイ系住民、樺太アイヌと、明治維新のおりにすでに日本政府が統治の対象にしていた「大和人」に分けて、考察する。この分解が、日本の移民や植民を考えるときにも、見落としがちな日本のなかにある「民族」の視点を取り戻してくれる。

 「日本人」が広く移住した時代は、日本が主権国家として国境を画定し、外国に触れ、富を外に求め、そして戦争とともにあった。
 日本が支配した旧満州で日本人は、「在満日本人」だったのか、「日系満州国民」だったのか。ハワイで最大の民族集団だった日系人は、米国に対して中国や朝鮮半島からの移民とも連帯する東洋人系市民だったのか、それとも帝国日本の植民者だったのか。

 敗戦後、日本や米国統治下の沖縄へ戻った「引き揚げ」を、戦勝者の連合国側は「送還」と呼んだ。人の動きに焦点をあてた問題意識が、領土の争奪とは異なる戦史を描くことにも通じている。

 著者の関心の出発点がナショナリズムだったとするあとがきを読んでなるほど、と思った。いま日本列島に積みあがるナショナリズムと「大和人」の民族意識の関係など、現在の課題を考えるヒントが潜んでいる気がしたからだ。
 対象に据えた民族と地域の変数の多さから、約500ページの大著となっている。ぐんぐん広がる領域を本書で着地させたあと、どこへ向かうのだろうか。読み終えてはや、次作が楽しみになった。


塩出浩之著、名古屋大学出版会、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
 北海道・樺太へ、ハワイ・満洲・南北アメリカへ。大量に送り出された日本人移民たちの政治統合は、日本およびアジア太平洋地域の秩序にどのようなインパクトをもたらしたのか。移民史・政治史の盲点を克服し、一貫した視点で新たな全体像を描き出す。

<読む前の大使寸評>
戦前の移民史が、現代の移民問題に微妙にオーバーラップしてくるのだが・・・
この本で、新たな視点がみつかるのかも?

とにかく、吉岡桂子委員が推す本とあれば要チェックなんでしょう。

<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>

rakuten 越境者の政治史

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Last updated  2016.01.05 06:37:53
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