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2017.02.11
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カテゴリ: 歴史
図書館で『日本人の「住まい」はどこから来たか』という本を手にしたのです。
日本家屋の間取りが気になり、『「縁側」の思想』、『民家ウォッチング事典』と読んできたが…
その勢いでこの本にたどり着いたわけでおます。



住まい

吉田桂二著、鳳山社、1986年刊

<「BOOK」データベース>より
歴史をちょっとひもとけば、日本人の衣食住は中国や朝鮮の影響ぬきには考えられないはずなのだが。では、おまえは日本以外の東アジアの家がどうなっているのか知っているのか、と自問して愕然とした。何も知らない。建築の専門家ずらをしてこんなありさまだ。―町並み保存運動に情熱を傾け日本各地の伝統的な民家を訪ね歩いた旅の建築家である著者は、日本人の住まいの源を求めて海を渡った。韓国、中国、タイ、マレーシア、インドネシア…。そして彼の地で触れた人々の生活と住まいに驚くべき類似性を発見する。日本の伝統とは何かを問う異色ドキュメント。

<読む前の大使寸評>
日本家屋の間取りが気になり、『「縁側」の思想』、『民家ウォッチング事典』と読んできたが…
その勢いでこの本にたどり着いたわけでおます。

amazon 日本人の「住まい」はどこから来たか


著者は、日本独自のものとして引戸に注目しています。
p305~309
<建具の開閉の仕方に見る引戸主体の形式こそ日本独自といってよい>
 何が日本の家の独自性として残るか。床の間だの何だのというようなものを取り上げてゆけばいくらもあるが、もっと家の基本的な要素にかかわる独自性はないのか、と考えたすえ、思いあたった最大の要素は引戸だった。これこそ間違いなく、どこを見渡しても他にない日本独自のものだ。

 欧米の家の建具の開閉形式が、出入口・窓ともに開き戸式なのは誰も知っていることだが、日本を除けば東アジアにおいても、この点は変わらない。
 引き戸式というのは家を閉鎖的につくるのにふさわしい。その意味は、あまり建具の幅が広いと、スムーズに開閉しにくいし、大きなスペースが開閉のために必要となるので、いきおい開口部の幅がかぎられてくるからだ。

 そうするとタイやインドネシアなど、熱帯の南国で開き戸というのは似つかわしくないということになうが、これらの地帯では、開放的にしたい部分は全く建具なしの完全開放にしてしまうから、建具の形式なんぞは問題にもならない。開き戸がついているのは、夫婦の寝室といったところにかぎられるようだ。

 中国と一口にいっても北と南では大違いだが、中心部をとれば、気候的に見て開き戸形式一本槍というのはよく理解できる。しかし三合院・四合院で中庭を囲む部分の開口部には、もっと開放的な建具がほしくなってもよいように思えるのだが、いかがなものか。柱の間を両開き建具にして、これを連続させているけれども、引戸形式で何ものも残らない開口部をつくっているわれら日本人から見ると、どうにもうっとうしいような気がしてくる。

 朝鮮の家には僅かながら引戸がある。それは両開きの紙障子窓の内側にあって、襖と紙障子の二重の建具を壁の前に両引きに引きあけるタイプ。これについては前にも述べた。しかしあるにはあっても、これは補助的な建具にすぎず、基本的にはやはり開き戸が主体だ。それでいて朝鮮の家が日本以上に開放的なのは興味がある。そのために開放したい部分は建具なしにしてしまうか、さもなければ、開き戸を二枚折りに折り重ねたものを上に吊り上げてしまうという、世にも珍しい朝鮮独自の開閉形式を発明した。引戸を使って引き違いにしても半分しか開放できないが、この朝鮮式なら完全開放になる。しかしまことに思いきった形式ではある。

 日本の場合、建具の伝統形式はいうまでもなく引戸、玄関戸はもちろん、便所の出入口ですら引戸による。近頃は洋風化の浸透で開き戸の使用が多くなってきて、玄関をはじめとして、洋間の出入口にも開き戸が使われているけれども、窓やテラス戸など、開口部の主体は依然として引戸が使われ続けている。

 引戸は日本独自の伝統的な建具形式として間違いないが、それなら一体いつ頃からそうなったのか。朝鮮の家の移入と思われる平安時代の寝殿造りは実物は残っていないが、絵巻物などで見るかぎり、引戸は見当たらない。しかしその後の鎌倉時代になると引戸が出現し、室町時代には主座を占めるようになる。

 どうやらこのあたりが引戸発祥の時らしいが、いつ誰が発明したのかなど、詳しいことは何ひとつわかっていない。思えば、日本独自の建具形式として今なお使われ続け、日本の家の空間の特質を形造ってきた引戸の発明というのは、評価してしきれぬほど偉大な発明だった。

ウーム 確かに引戸は日本建築の特徴的外観ではあるが、発祥の経緯がよく分かっていないとのこと…その事実が興味深いのだが。

『日本人の「住まい」はどこから来たか』1
『日本人の「住まい」はどこから来たか』2





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Last updated  2017.02.11 00:11:24
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