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2017.02.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
<『折り返し点』2>

宮崎さんの近作『風立ちぬ』は、かなりジジ臭くて子ども向きではなくてがっかりしたが・・・
『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』を生んだ栄光の時代を回顧するのも一興かと思うのです♪




宮崎

宮崎駿著、岩波書店、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』から最新作『崖の上のポニョ』までー企画書、エッセイ、インタビュー、対談、講演、直筆の手紙など60本余を一挙収録。宮崎駿12年間にわたる思想の軌跡。

<読む前の大使寸評>
近作『風立ちぬ』は、かなりジジ臭くて子ども向きではなくてがっかりしたが・・・
『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』を生んだ栄光の時代を回顧するのも一興かと思うのです♪

rakuten 折り返し点


土木工学の権威・中村良夫氏との対談を見てみましょう。
p169~171
<人・町・国土が元気になるために>
宮崎: 我々の業界でもこの映画のコンセプトは何ですか、テーマは何ですかとか聞かれます。皆、言葉でそれが伝わる気でいる。うそなんです。メッセージはこうですと言ってそれですむならそれだけ渡せばいい。その方が2,3行で済むンですから。映画観る必用ないでしょう。メッセージとかテーマで映画つくっているんじゃない。

中村: 大きな公共事業を試行錯誤的にやっていくのは難しい。ただ住民に任せるだけじゃうまくいかない。専門家に任せてもうまくいかない。専門家には専門家の業がある。エゴイズムが。私自身がエンジニア出身だからわかります。エンジニアは技術を試し斬りしたくなるんです。よくないですね。

宮崎: 職場がコンピューター化して彼らと付き合うようになってわかりました。あれは試し斬りの固まりですね(笑)。とにかく新しいことをやりたい(笑)。

中村: 私の恩師が恐ろしいことを言ったんです。「国防の専門家である軍人が国を滅ぼす。経済の専門家が経済を、農業を滅ぼすのは農業の専門家だ」と。専門家には危険な一面がある。土木のエンジニアも国土を滅ぼさぬよう気をつけなければ・・・・。

宮崎: だから専門家やデザイナーのほかにプロデューサーがいなくてはだめですね。プロデューサーは相当柔軟な権限と気転の利く頭や言葉を持っていなくてはいけない。いろんな能力がいる。プロデューサーの位はもの凄く高いんです。ただ責任を取らされるかもしれないとおびえる人達がいくらいてもしようがない。「責任は俺がとるよ」と軽く言える人間でなくてはいけない。

 それからディレクターにあたる者がいると思うんですが、ディレクターはとんがりきっていいのです。これは俺の作品と思い込んで。だけどそれを社会の中でどう位置づけるか、どういう宣伝をすれば人に受け入れられるか、お客さんが来てくれるかも含めてちゃんと全体のスポンサー対策をやれるプロデューサーがいなくちゃだめです。

中村: 戦前は仕事も少なかったし、官の直営で、一つの橋をやるならたとえば建設省の一人の技術者がずーっと最後までやった。だからエンジニアであると同時にプロデューサーでもある人が、全体を見られたわけですよ。それが最近は管理社会がすすんで担当者がコロコロ替わる。

宮崎: 誰がプロデューサーやるのか、コンペで選んでもいいんです。政党と同じで、だいたい裁量権を渡してできあがった時に作品を批判すればいいんです。相当にくそみそに言われるけど多数決でやってもだめなんです。

中村: 技術のシビリアン・コントロールが必要なのでしょう。出身はエンジニアでもなんでもいいのですが。英国のヒースロー空港が満杯になったのでマップリンという所に第3空港をつくるかどうか諮問された。その委員長は歴史家なんですよ。エンジニアではなかった。答えはノーでした。

宮崎: 陸軍士官学校上がりの将校よりも、予備役で市民生活やった人の部下の方がずっと死ぬ数が少なかったと言うんです。ノーマルな人が、ここで踏ん張ったってしかたがないとか、ここにいなきゃだめだということをちゃんと判断できる。それと同じようなことが都市づくりにもあるんでしょうね。

 僕が今日ぜひ考えなくてはいけないと思ったのは、地下水汚染とかダイオキシン、そういう片付けないといけない問題はいっぱいあるけれど、それを片付けた後、どういう町をつくるかということです。その考えが自分にもない。でも、公園をつくる時のプロデューサーは公園の専門家じゃないほうがいいですね。

 どうやったらこの町が住み良くなるかとか、この町を売り出そうと考える。ある意味では素人です。そういう人材は道楽から出てくると思うんです。藤森照信さん!あの人、道楽ですよね。本人はどう言っているか知りませんが、最初に彼がやった諏訪湖のそばにある「神長官守屋資料館」、あれ道楽以外の何物でもないですね。それだから、とてもいい感じです。いい仕事というのは、やらなきゃいけないところを全部やるんでと思わなきゃできないわけです。自分の仕事をやりとげたいでしょう。
(中略)

 子供たちに何が一番説得力があるかというと「ここはこうやってうまくやりました」という場所が日本に1ヶ所でもあれば、大人に対する信頼がずっと増すと思うんですよ。僕らはブロック塀がいけないとか全部パーツのせいにしているけど、建て方、色のつけ方、様式とか、地形を生かすと魅力的な都市ができるはずですね。

中村: 特に日本の場合、自然というより地形です。地形が持っている力というのは大変大きい。東京の町は坂があると必ず石垣ができる。あれはなかなか魅力的なものですね。

宮崎: 映画の舞台も東京近郊のどこでもいいからと言いながら、ちゃんと坂のある所を選んでいるんですよ。坂を選ぶと実に意味ありげな空間になって、歩き甲斐のある楽しい道になります。

 ただ絶望的なのはあまりに人間が増えたので地形が平らだろうが何だろうが家が建っているということです。飛行船に乗って三百メートルの上空の東京の空から2時間見たことがあるのですが、結論としていやになりましたね。地平線の霞のかなたまで家が並んでいる。<


ウーム 東京都の豊洲市場の設計疑惑でも、土建専門家が関与していましたね。
中村さんは「景観工学」を提唱したエンジニアだけに、ユニークな意見が見られます♪
『折り返し点』1





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Last updated  2017.02.20 21:37:21
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