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2017.02.26
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『木の住まい』という大型ムックを手にしたのです。
もともと木造住宅を志向していた大使であるが・・・・
予定外の阪神大震災を被災した関係で、熱物に懲りたように鉄骨プレハブ系の注文住宅を建てたわけです。
家は一代の高価な買い物であるだけに、今でもやや悔しい思いがあるわけでおます。



木

大型ムック、朝日新聞社、1984年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし

<読む前の大使寸評>
もともと木造住宅を志向していた大使であるが・・・・
予定外の阪神大震災を被災した関係で、熱物に懲りたように鉄骨プレハブ系の注文住宅を建てたわけです。

amazon 木の住まい


木がつくる生活空間あたりを、見てみましょう。
p23~27
<木がつくる現代の生活空間:吉田桂二>
■木がつくり出す表現の原点は柔和なものでは決してない
 木ばかりだった建具がアルミに変わり、昔どおりに壁に塗っている左官の材料さえ、土ではなく、合成樹脂をたっぷりふくんだ化学製品に変わった。アルミを木の色に似せて茶褐色にし、樹脂壁を土壁に似せ、ボードの表面に木目プリントを使い、イグサ色のビニールで畳をつくる。自然の材料でつくられていたころの、それらの姿の摸倣は、事実として少しも巧みではないが、いかに巧みに行われたとしても所詮はまがい物にすぎない。

 まがい物よりも本物のほうがよい、と思わぬ人はいない。しかし本物はいかにも高価すぎる、という経済原理には抗しがたい。だが、それに流され続けてしまうことは、大げさな比喩だが、食うために流されて戦争に加担してしまうのに似ている。ほかに道はないのか。

■木でつくる骨格をそのままに表現するのが生活空間の伝統だ
 木材資源が豊かだった日本で、木の家が高度に発達してきたのは自然の理だ。しかし、木を惜しげもなくふんだんに使ってきたわけでは決してない。柱を立て、桁で結び、梁をかけ渡して家の骨格をつくり、柱の間に壁を塗り、あるいは建具を立て込んで家にする日本の伝統的な工法は、木材の使用量でいえば、最近、技術導入されてつくられるようになってきたツー・バイ・フォーの工法とくらべて、2割ほども少なくてすむ。つまり用材節約型の工法なのだ。

 成りゆきまかせにすれば、用材を減らせば家が弱くなり持ちが悪くなる。日本の伝統的工法はそれを大工のわざで補い、精緻な仕口の技法を育てあげてきた。そうした技術が今なお、健在とまではいえないけれども、生き続けていることは確かだ。

 日本の伝統的な生活空間の形は、伝統的な工法で組みあげられた家の骨格を、そのまま表現することでつくられてきた。そこでは、木の骨格を仕上げ材で覆いかくしてしまうことでおこる、躯体と仕上げの分離という現代的な現象はおこっりえない。躯体そのものがすでに仕上げの大半をとり仕切って、壁・天井その他の仕上げ材などは補完の意味しか持たない。

 これは伝統的な民家に見られる生活空間の構成原理だが、この例もふくめて、この類型はきわめて多い。現在も、また将来も、伝統につちかわれたこの原理は、なお受けつがれてゆくに違いない。


建築材としての木そのものについて、見てみましょう。
p34
<木を生かして使う:高須賀晋>
 木はもともとが軽く、細工がしやすい材である。難点がいくつか挙げられるが、それも技術でカバーできるようになった。難燃性も耐震性も永続性も得て、今ではますます材料としての優秀さを加えている。

 こうした技術的発達は、不足する資源の面でも加速されている。世界的に木材は乱伐されてきたから、大事に大事に使わねばならない時代である。銘木のたぐいはなおさらで、独占は許されなくなっている。ムクの銘木は得がたく、それを薄く削って張る集成・積層の技術となった。

 たしかにマガイものだが、木にはちがいない。それに、その美しい木肌を多くの人が愛で、心なぐさめられることはやはり素晴らしいことだろう。

 日本人の持ちつづけけた木への愛着は、感覚的に正しかったと思う。だが、豊富なゆえに木は乱用され、一代ごとの共生関係となった。民家で最古のものが室町期、多くが古いといっても江戸末期のものであることを考えれば、木造住宅に文化の積層性は薄かったといえる。

 建て替え、建て替えの歴史が木造住宅だったが、今では許されぬ時代である。逆に、建て替えず、古い基層に新しさを加えていく積層の文化が可能になった時代ともいえる。木との共生は一代ごとであってはならず、木の家も石のように積み重ねていかなくてはならない。

 木肌の持つ温もりと優しさが人を心安らかにすることが、将来ともに変わるとは思えないからである。


 ウン 古民家再生という直裁な行為でなくて、文化の積層性という概念で語るのが・・・ええでぇ♪





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Last updated  2017.02.27 17:47:07
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