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2017.04.27
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カテゴリ: アート
図書館で『アンドリュー・ワイエス水彩・素描展』という本を、手にしたのです。
ワイエスの水彩・素描の習作を集めた、わりと地味な本であるが・・・ええでぇ♪
この本の画像をネットで探したけれど見つからなかったので、ワイエスの絵を添えることにしました。



ワイエス

常葉美術館編、印象社、2006年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし。

<読む前の大使寸評>
ワイエスの水彩・素描の習作を集めた、わりと地味な本であるが・・・ええでぇ♪

ci.nii. アンドリュー・ワイエス水彩・素描展


ワイエスその人と彼が描いた<もの>を、見てみましょう。
p10~11
<アンドリュー・ワイエス<時間>を描いた人:海野康男>
1.ワイエスはどんな画家か。
 初期の画集「クリスティーナの世界」のほとんどの作品は、メイン州の海辺に「座礁して風雨にさらされた船のように」立っているオルソン家の、普通ではとても画題にはならないような一画とそこにある「もの」をかいている。例えば、破れた窓ガラスから出入りしている燕が飛ぶ納屋の天井、穀物袋が置かれている台所の片隅、種子用のトウモロコシの吊り下げられている寝室などである。
p50p50,51

 2番目の画集「カーナー農場」に描かれているものも同じようなものである。ワイエスの作品を多く所蔵している生地チャッズ・フォードにあるブランディワインリバー美術館の館長ジェイムズ・H・ダフは、「(人々にとって)アンドリューは<古びた納屋を描いた画家>であり、多くの愛好者たちは、アンドリューは壊れた門や窓を見つけたら、絵にしないではいられないだろうと言う」と述べている。

 ワイエス自身も、著名なイラストレーターであった父N.C.ワイエスが、「私の絵があまりに色彩に乏しいので、画家としての将来を心配していた」と言う。絵が売れないだろうという意味であった。

 しかし、ワイエスの絵は売れた。彼の最初の個展、1937年、20歳のとき、ニューヨークのマクベス・ギャラリーにおける「第1回アンドリュー・ワイエス水彩画展」でメイン州を描いた水彩画は好評で、全作品が1日で完売となった。この伝説的な成功の後、ワイエスは全米の美術商や美術館キュレーターから追い回される存在となった。

 そして、ワイエスの作品の中で最も有名な「クリスティーナの世界」・・・ピンクのワンピースを着た、身体に障害のある女性が草原をはるか彼方に自分の家に向かって這って行く後ろ姿を描いたもの・・・が成立した31歳の1948年頃、それは一つの頂点に達した。以後、ワイエスの作品はアメリカ国内において常に歓迎され、アメリカ人の<心>、アメリカの<原風景>を描く国民的な画家として名声を博している。

 彼は、1961年ケネディ大統領から「メダル・オブ・フリーダム」を、1988年にレーガン大統領から「ゴールドメダル大統領賞」を受賞した。美術大衆の人気を背景にした社会的評価だと言う向きもあるが、現代アメリカにおけるワイエスの地位を推し量ることができよう。
(中略)

 もちろん、ワイエスの類まれな、「写真のごとき明瞭な視覚性」とも言われるリアリズムの技法のすごさが彼の絵の魅力を大きく支えている。しかし、彼は事物や風景の現実のままの再現を目指すような単純な具象の画家ではない。ワイエスにとって技術は本質的なものではない。どのように描くかは、具象のリアリズム以外の・・・もちろん彼はこの手法しかとらない・・・画面の構成、組合せ、消去、暗喩、象徴などの表現の工夫において意味をもつものであり、もっとも重要なのは何を描くかということである。

 彼が描いた「もの」や「人」が、また「風景」や「光景」が、ワイエスが感じていたものとほとんど変わらない濃さで絵を見る人々の内面に共感を呼び起こすのは何故か。それはリアリズムという武器の効果であるとともに、ワイエスが描いたものが、人間にとってある<普遍なるもの>をもっているからである。


『アンドリュー・ワイエス水彩・素描展』1
『アンドリュー・ワイエス水彩・素描展』2

アンドリュー・ワイエス水彩・素描展画像





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Last updated  2023.03.02 14:01:15
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