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2017.07.12
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カテゴリ: 歴史
図書館に予約していた『戦争まで』という本を、待つこと7ヵ月でゲットしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、歴史や地政学、軍事同盟から説き起こす、ものすごくファンダメンタルなスタンスに驚いたのです。



戦争

加藤陽子著、朝日出版社、2016年刊

<出版社情報>より
この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。
1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき
2章 「選択」するとき、そこで何が起きているのか --リットン報告書を読む
3章 軍事同盟とはなにか --20日間で結ばれた日独伊三国軍事同盟
4章 日本人が戦争を選んだのはなぜか --日米交渉から見える痕跡と厚み
講義のおわりに 敗戦と憲法

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、歴史や地政学、軍事同盟から説き起こす、ものすごくファンダメンタルなスタンスに驚いたのです。

<図書館予約:(12/9予約、7/05受取)>

rakuten 戦争まで


東アジアの地政学を、見てみましょう。
p64~67
<7世紀、東アジアで戦われた、日中戦争>
 それでは、日本という国家が書いた歴史書『日本書記』が、どのような背景で生まれてきたのか、それを中国大陸、朝鮮半島の情勢とからめてお話ししましょう。誰が、どのような意図で、この書を書かせたのか、順々に見ていきますね。まずは、中国大陸と朝鮮半島が連動するかたちで、その中に対立の萌芽が生まれます。

 618年、隋が滅亡し、より強大な中央集権国家である唐が興りますと、朝鮮半島にあった高句麗・新羅・百済の三国は、624年、そろって唐の冊封体制下に入り、唐の皇帝に、臣下の礼をとるようになりました。大陸と半島は地続きですので、7世紀前半のこのとき、唐を中心とする東アジアの国際秩序が形成されたといえるでしょう。

 ところが、半島からさらに海を隔てて東に位置していた倭国は、633年、唐から官爵の授与を受けない関係、つまり、唐からの冊封の外に立つ道を選びとりました。

 唐は南から高句麗を牽制しうる新羅と手を組み、高句麗に圧力をかけます。圧力をかけられた高句麗は百済と結び、錯綜した対抗関係が、大陸と半島の間に結ばれ、このような情勢のもと、日本は高句麗や百済と結び、唐と新羅に対抗するようになります。

 645年になりますと、唐の太宗(第2代皇帝)は、10万の大軍で高句麗の領土に攻め込みました。倭国は、高句麗・百済と親交を結んでおりましたから、このように唐が、軍事的な圧力を直接、高句麗にかけてきたことは、衝撃をもって受け止めたはずです。高句麗の次に、唐が攻めてくるのは倭国なのではないか、と。

 唐がまさに一線を越えた645年という年、倭において、中大兄皇子などを中心とした宮廷勢力が、豪族の長である曽我氏を滅ぼし、国内改革である「大化の改新」を行いますが、それは偶然ではありません。

 中大兄皇子、後の天智天皇が、曽我氏を滅ぼさなければならなかったのは、単なる権力争いなどではありませんでした。それぞれの地域で豪族が連立した状態では、対外的に結束できない。唐からの攻撃が予想され、東アジア世界が軍事的に極度に緊張する中で、倭国としては、国内の権力を、天皇のもとに集中して対外危機に備える必用がありました。
 この国内改革に力のあった人が中大兄皇子、後の天智天皇であり、改革に協力したのが弟の大海人皇子、後の天武天皇でした。天武は、『日本書記』が完成したときの天皇ということになります。

 高句麗を攻めあぐねていた唐の高宗(第3代皇帝)は、高句麗と親交を結んでいた百済を先に討つ作戦に出て、660年、百済を滅ぼしました。倭国は、百済の遺臣からの派兵要請を受けて、一歩、唐との戦争への道に進みます。朝鮮半島へ派兵したのです。

 当時の天皇であった斉明天皇に加えて、中大兄皇子なども、半島への出撃拠点であった九州まで下向していました。国の存亡を賭け、倭国は、唐・新羅連合軍に挑みますが、663年、白村江の戦いで大敗を喫します。

 戦争に敗れた後、倭国の緊張は続きます。今度は唐と新羅は日本の海岸に現れるだろう、と。ですから、対馬・壱岐島に防衛施設をつくり、筑紫の大宰府に堤防である水城を築き、怖れと緊張感をもって日本は備えていたのです。これは意外でしょう。

 7世紀の日本に、外国からの侵略を受けるという怖れを感じなければならないような客観的状態がある。日本は島国だという言い方をしますが、大陸と中国の緊張感というものが、古代の時代にもたらしたものは、ものすごく大きいのです。

 東アジアで、唐と新羅vs日本と百済(遺臣)という海戦が起きていた。朝鮮半島の二つの勢力、新羅と百済が関与していますが、白村江の戦いは、7世紀に起きた、もう一つの日中戦争といえそうです。





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Last updated  2017.07.12 05:46:58
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