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2017.07.13
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カテゴリ: 歴史
図書館に予約していた『戦争まで』という本を、待つこと7ヵ月でゲットしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、歴史や地政学、軍事同盟から説き起こす、ものすごくファンダメンタルなスタンスに驚いたのです。



戦争

加藤陽子著、朝日出版社、2016年刊

<出版社情報>より
この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。
1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき
2章 「選択」するとき、そこで何が起きているのか --リットン報告書を読む
3章 軍事同盟とはなにか --20日間で結ばれた日独伊三国軍事同盟
4章 日本人が戦争を選んだのはなぜか --日米交渉から見える痕跡と厚み
講義のおわりに 敗戦と憲法

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、歴史や地政学、軍事同盟から説き起こす、ものすごくファンダメンタルなスタンスに驚いたのです。

<図書館予約:(12/9予約、7/05受取)>

rakuten 戦争まで


首相官邸ホームページで平成27年内閣総理大臣談話を、見てみましょう。
p40~46
<談話の中の日本近代の歩み>
 みなさんの中で、首相官邸ホームページを常に見ている方は少ないと思いますが(笑)、官邸ホームページに、「平成27年8月14日内閣総理大臣談話」が掲載されています。韓国語、中国語、英語の各版もありますから、各国語をくらべながら見るのも面白いし、勉強になります。
(中略)

 日露戦争について書けば、遅れてきたアジアの非白人国家である日本がロシアを敗北させたことで、植民地支配のもとにあったアジアやアフリカの人々に元気を与えたと書けるわけですね。日清戦争について書くと、なにをいうことになってしまうのか。

-日本の立場がレベルアップした。
 そう、清が日本に敗北したことで、日本は、朝鮮の李王朝など東アジア情勢に発言力を持つ国になっていった。よいところを掴んでいますが、もう少し。日清戦争が、世界へ与えた衝撃といえば、なんでしょうか。

-それまでは「眠れる獅子」と呼ばれていた中国が敗けてしまった。
 眠れる獅子という表現はなかなか古風で、中学生のあなたからこの言葉が出て来るとは思いませんでした(笑)。

 日本の開国に先駆け、列強に開国を迫られたのは清でした。ただ、清が、1840年のアヘン戦争のイギリスに対する敗北で国力を一気に喪失したことなどと考えるのは早計です。日清戦争にいたる十年、清は、官界の最高実力者となった李鴻章のもとで緒改革を進め、英国やロシアなど列強との関係も再調整しつつ、朝鮮との外交関係も近代的に再編しつつあった、というのが実態です。そして、日清戦争の敗北で背負った賠償金負担がっその財政を圧迫し、東アジアにおける清の権威が決定的に下がったことも事実です。

 政府の談話が、日清戦争を直接書かないことにしたのは、なかなか意味深長かもしれません。日清戦争を書いてしまうと、現在の中国の人々が感じているはずの「この国のかたち」、民族としての歴史認識を刺戟することになるので避けた、とも考えられます。

 我々日本人は、戦後70年という言い方をして、ああ、「先の大戦」の敗北から70年が経ったな、と思うわけですが、中国にとって2015年は、日清戦争敗北の120周年に当たるわけです。アヘン戦争から始まる一連の国辱の歴史にあって、大きな画期となったのが日清戦争でしょう。

 この談話に書かれていないことで、私が思うことをついでにお話ししておきますと、文化や学術について書かれていないな、ということです。戦前期の日本の学問が東アジアに与えた影響は、実のところ相当に大きいのではないか。

 戦前期の日本には、政治史という学問を初めて本格的に作り上げた吉野作造や、初めて精緻な憲法学を作り上げた美濃部達吉などがおり、漢字文化圏に強い影響を与えていました。確かに、談話の第二段落では、日本がアジアで最初の立憲政治を導入し、独立を守ったことが語られていますが、日本とアジアとの連関の中で学問の影響関係が語られてもよかった。

 今、日本のアニメ『進撃の巨人』などが、字幕をつけられて、アジアでも広く観られているでしょう。それと同じことが、かつてもあったということです。アニメと比較するとは、と、泉下の吉野先生や美濃部先生は絶句しているかもしれませんが、比喩にアニメを持ってきたのは、その影響力が同じくらい大きいと言いたかったからです。

 中華民国時代の中国の憲法思想を研究している中村元哉先生が明らかにしたことですが、日中関係が必ずしも順調ではなかった1928年から37年にかけて、むしろ、中国における日本語書籍の翻訳は最盛期を迎えていたといいます。この期間でいえば、アメリカなど、中国と関係の良かった国の本がたくさん翻訳されていたと思いきや、そうではなく、日本語の書籍が依然としていちばん翻訳されていたことが出版データからわかるのです。


『戦争まで』1





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Last updated  2017.07.13 00:10:33
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