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2018.04.09
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『イマジネーション』という本を手にしたのです。
おお 赤川さんの本ではないか。赤川さんを浅田次郎と混同して以来、気になる作家である。
この本は各地の大学での講演を集めた構成とのことで・・・真面目でポジティブな著者の人柄が表れているんでしょうね。







赤川次郎著、光文社、2004年刊

<「BOOK」データベース>より
コンプレックスの塊だった著者が、稀代のベストセラー作家になった生きる姿勢。

<読む前の大使寸評>
この本は各地の大学での講演を集めた構成とのことで・・・真面目でポジティブな著者の人柄が表れているんでしょうね。

rakuten イマジネーション


宗教対立とか対人関係を語っているので、見てみましょう。
p170~172
<想像力がないと、どんなひどいこともできる>
 文明があり、教育を受けていながら、しかも同じクリスチャンでありながら、カトリックとプロテスタントの二つの派に分かれたというだけで殺し合うような関係になってしまう。この現実は、日本のようにあまり宗教的な戦争を経験しなかった国民にとっては、大変にショックなことです。

 今、IRAのほうから停戦の申し出があって、カトリックとプロテスタントは話し合いの場についたところです。しかし、あまりに両者の隔たりは大きくて、この話がうまくまとまるかどうか、全く先の見えない状況が今も続いています。

 特にドキュメンタリーの舞台になった北アイルランドのベルファストは最も対立が先鋭化している地域です。ここにはベルリンの壁と似たような、プロテスタントの住む地区とカトリックの住む地区の間にピースラインという高い壁が立っていて、それによって二つの地区がさえぎられている。この壁がいつなくなるのか、今の時点では全く見通しが立たないということをテレビは最後に語って終っていました。NHKでは出色のすぐれたドキュメントでした。

 このようなドキュメントなどを見ますと、今私たちが住んでいる日本という国は、ここ何年か非常に殺伐とした事件がたくさん起こりましたけれども、そういう意味での対立とか殺し合いを経験しているわけではないという点で、確かに私たちは平和の中に住んでいるという気がします。ただ、その中で、私たちの生活の底のほうに、どうもここ何年か不気味なものを感じさせるような出来事が続けて起こっています。

 先ほどから何度か申しましたが、人間の想像力が私たちの中で徐々に失われつつあることの表れではないかと思うのです。つまり、想像力を働かせることによって、自分が相手だったらどう思うかを考える習慣を、私たちはどうも失いつつあるような気がします。

 学校におけるいじめの問題とか対人関係、男性でもなかなか女の子と付き合うことができない、結局パソコンのゲームの中でしか恋人ができませんみたいなことが、あちらこちらに出てきたりしますと、私のような世代の人間は、何でそんなに傷つくことがこわいのだろうかと思うのです。

 そういう人たちは、今まで育ってくる間に傷つくという経験が乏しかったのだろうと思います。自分の思いどおりにならないということがごくあたりまえではなくて、何でも思いどおりになってきてしまった人に限って、自分の思いどおりにならないことに対する免疫ができていません。それは想像力を働かせる訓練ができていないということだと思うのです。

 対人関係というのは、お互いに相手の気持ちを思いやることが基本ですから、その想像力を私たちが訓練することを怠ってしまうと、人間関係は非常にぎくしゃくしたものになります。恋愛をするのはめんどうくさい。つまり失恋するのがいやだから恋愛をしない、というようなことを言う人が最近はいますが、人間というものは傷つかないと成長しないわけです。


『イマジネーション』1 :『渚にて』
『本は楽しい』2 :父親や満映の思い出
『本は楽しい』1 :赤川さんのサラリーマン時代





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Last updated  2018.04.09 08:46:19
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