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2018.04.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
<『オレって老人?』2>

天野祐吉さんの対談集『隠居大学』を読んだところであるが、その勢いでこの本をチョイスしたのです。・・・
何もそんなに、ダボハゼのように続けて読むようなジャンルではないのだが、若葉マークの初心者なもんで(汗)





南伸坊著、みやび出版、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
法的に老人/老化すると人は老人になる/老人の嗜み/近頃のツバメ/アンドレア・デル・サルトの謎/クレーのわすれもの/アノホラロボットとは何か/アノホラ検索/おもしろいひとりごと/お返事〔ほか〕

<大使寸評>
天野祐吉さんの対談集『隠居大学』を読んだところであるが、その勢いでこの本をチョイスしたのです。・・・
何もそんなに、ダボハゼのように続けて読むようなジャンルではないのだが、若葉マークの初心者なもんで(汗)

rakuten オレって老人?



このところ、よく口に出る 「近頃の」 であるが・・・そのあたりを見てみましょう。
p22~25
近頃のツバメ
「近頃のツバメは・・・」と、その老人は言った。
「巣作りがヘタだ」
 なるほど、私の知り合いのツバメも、たしか巣作りがヘタで、去年も一昨年も、8割がた作り上げた巣を落としている。
 そうして今年も、どうもうまくいかずに、まだ4割がたしか出来ていない巣が落ちてしまった。

「もちろん、ツバメの営巣技術の低下というものがないとは言えない」
 しかしと私は言った。「近頃の環境」にもいささか問題がある。

 ツバメの巣は、おもに水に濡れてドロドロになった土と、枯れ草やワラなどを建材にしているのだが、近頃の都市環境では、まずこの資材調達に困難が伴う、
 加えて、その土質に粘りが不足しているなどのマイナス要因もあろう。
「近頃の泥」の根性のなさ、は記憶に新しい。近頃の泥は、ちょっと雨が降ったくらいで、すぐに崩れてしまうから、信用できない。

「近頃の道路」や「近頃のマンション」にも、同様に問題があるに違いない。と多くの人は思うだろう。
「近頃のマンション」といえば「近頃の一級建築士」や「近頃のコンサルタント」「近頃の建設会社」や「近頃の民間検査機関」「近頃の不動産会社」も問題だった。
「近頃の外国製エレベーター」も問題になったし、少し前「近頃の回転ドア」も問題だった。
「近頃の運転手」「近頃の踏切番」も「近頃のパイロット」も効率優先が問題なのだった。

 要するに「近頃は」なにもかもが問題である。また、近頃はあらゆる職業人が問題をおこす。
「近頃のNHK職員」や「近頃の民放アナウンサー」、「近頃の警察官」「近頃の小学校教諭」
「近頃の絵描き」「近頃の母親」や「近頃の日銀総裁」。
「近頃の役人」「近頃の政治家」「近頃の総理大臣」「近頃の大統領」「近頃の首領様」「近頃の宗教家」も大いに問題だ。だが、ここまで書き連ねてくると、はたして「近頃」だから問題だったのか? 怪しくなる。

「近頃」といえば昔から問題にされていたのは「若い者」だった。
「近頃の若い者はなっていない」と、老人は必ず言ったものだった。
 紀元前のエジプトのパピルスにも、この「近頃の若い者」が、なっていないという主張はなされていたそうだと、そんな話も何度も聞いた。

 ところで私は、来年つまり2007年に、60歳になる(大使注:2018年に71歳)、いわゆる2007年問題の問題児だ。
 60歳になろうっていうのに、自ら「問題児」と名乗ってしまうところが大いに問題である。

つまり「近頃の老人」は、いまだに自分を「近頃の若い者」だと思っている問題だ。
 そもそも老人は世の中の本流から外されるから「近頃」のありさまに批判的になれるのである。

 批判される方は、どうせ世の中の本流から外れた老人のタワ事だ、と言ってもいいが、無視してはいけない。
 そうして無視されたとしても、 老人は「近頃」の気に入らないことどもを、糾弾し続けるべきなので、それができるかどうかが問題だ。 と私は思う。


『オレって老人?』1





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Last updated  2018.04.21 06:30:18
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